近 大 校 友 会 岸 和 田 忠 岡 支 部 総 会 様 々な 分 野 で 活 躍 する 放 射 線 利 用 近 畿 大 学 原 子 力 研 究 所 所 長 伊 藤 哲 夫
自 己 紹 介 氏 名 : 伊 藤 哲 夫 生 月 日 : 昭 和 23 年 10 月 30 日 さそり 座 本 籍 : 石 川 県 白 山 市 現 住 所 : 奈 良 県 生 駒 市 出 身 校 : 近 畿 大 学 理 工 学 部 原 子 炉 工 学 科 勤 務 先 : 近 畿 大 学 原 子 力 研 究 所 学 位 : 京 都 大 学 博 士 ( 農 学 ) 趣 味 : 全 くの 無 趣 味 しかし 唯 一 の 楽 しみは 美 味 しい 肴 で 美 味 しい 日 本 酒 を 少 し 大 きめの 盃 で 飲 み 時 々たばこを 吹 かし 好 きな 人 と 語 ること 職 責 : 近 畿 大 学 原 子 力 研 究 所 所 長 近 畿 大 学 高 度 先 端 医 療 センター(PET 診 断 部 門 ) 教 授 兼 務 近 畿 大 学 東 日 本 大 震 災 復 興 支 援 室 長 近 畿 大 学 評 議 員 近 畿 大 学 ベンチャー 企 業 ( 株 )ア アトムテクノル 近 大 代 表 取 締 役 福 島 県 川 俣 町 災 害 復 興 委 員 和 歌 山 県 放 射 線 影 響 アドバイザー 元 日 本 原 子 力 学 会 理 事 専 門 : 放 射 線 生 物 学 原 子 力 安 全 学 2
近 畿 大 学 西 門 13 学 部 48 学 科 大 学 院 11 研 究 科 通 信 教 育 部 総 合 病 院 3カ 所 20 研 究 所 2 短 大 高 専 等 18 校 園 ( 看 護 学 校 高 中 小 学 校 幼 稚 園 ) 6キャンパス 平 成 25 年 4 月 現 在 学 生 生 徒 在 籍 者 数 :52,258: 名 卒 業 生 数 :468,526: 名 教 職 員 数 9,614 名
近 畿 大 学 初 代 総 長 世 耕 弘 一 像
近 畿 大 学 原 子 力 研 究 所 UTR-KINKI 世 耕 弘 一 近 大 初 代 総 長 が1961 年 ( 昭 和 36 年 )に 日 本 の 民 間 大 学 原 子 炉 第 1 号 として 導 入 教 育 研 究 用 原 子 炉 (アメリカ 製 ) 日 本 一 低 出 力 の 原 子 炉 (1W) 安 全 性 が 高 い 運 転 管 理 しやすい 5
原 子 力 研 究 所 紹 介 1959 年 ( 昭 和 34 年 ) 東 京 博 覧 会 でアメリカ 合 衆 国 が 教 育 原 子 炉 出 展 18 日 間 東 京 晴 海 埠 頭 で 原 子 炉 運 転 1960 年 ( 昭 和 35 年 ) 近 畿 大 学 初 代 総 長 世 耕 弘 一 が 原 子 力 研 究 所 を 設 置 し 東 京 で 展 示 された 教 育 原 子 炉 購 入 を 決 断 1961 年 ( 昭 和 36 年 ) 大 学 構 内 に 原 子 炉 設 置 され 11 月 11 日 に 大 学 民 間 第 1 号 原 子 炉 として 臨 界 に 達 し 熱 出 力 0.1Wで 運 転 理 工 学 部 に 原 子 炉 工 学 科 を 設 立 1974 年 ( 昭 和 49 年 ) 原 子 炉 パワーアップ 0.1Wから1W 1981 年 ( 昭 和 56 年 ) 全 国 大 学 研 究 者 による 原 子 炉 等 利 用 共 同 研 究 開 始 1987 年 ( 昭 和 62 年 ) 原 子 炉 実 験 研 修 会 開 始 2002 年 ( 平 成 14 年 ) 原 子 炉 工 学 科 廃 止 再 編 成 で 電 気 電 子 工 学 科 エネルギー 工 学 コース 新 設 活 動 現 在 大 学 原 子 炉 は 京 都 大 学 近 畿 大 学 の2 基 である 近 畿 大 学 理 工 学 部 薬 学 部 原 子 炉 実 習 薬 品 放 射 化 学 実 習 近 畿 大 学 原 子 炉 等 利 用 共 同 研 究 に 活 用 ( 文 部 科 学 省 事 業 ) 近 畿 大 学 炉 を 用 いた 実 習 教 育 ( 大 阪 大 学 名 古 屋 大 学 九 州 大 学 神 戸 大 学 徳 島 大 学 福 井 大 学 福 井 工 業 大 学 摂 南 大 学 東 海 大 学 ) 社 会 貢 献 活 動 一 般 教 員 のための 原 子 炉 実 験 研 修 会 6
我 が 国 における 原 子 力 の 夜 明 け 昭 和 30 年 (1955 年 ) 原 子 力 基 本 法 が 制 定 され 本 格 的 に 原 子 力 平 和 利 用 が 始 まった 原 子 力 推 進 への 大 前 提 1. 核 エネルギーの 利 用 目 的 は 平 和 利 用 に 限 る 2. 国 民 の 安 全 を 最 優 先 原 子 力 基 本 法 1. 原 子 力 の 研 究 開 発 利 用 の 推 進 し 将 来 のエネル ギー 資 源 を 確 保 2. 学 術 の 進 歩 と 産 業 の 振 興 を 計 り 社 会 の 福 祉 と 国 民 生 活 の 水 準 の 向 上 1 7
原 子 力 平 和 利 用 放 射 線 の 平 和 利 用 医 療 分 野 滅 菌 診 断 治 療 農 業 分 野 品 種 改 良 害 虫 駆 除 食 品 照 射 工 業 分 野 非 破 壊 検 査 化 学 分 析 測 定 器 電 池 材 料 の 強 化 核 分 裂 の 平 和 利 用 熱 エネルギー 源 としての 原 子 力 発 電 1 8
放 射 線 の 産 業 農 業 等 利 用 1 9
放 射 線 利 用 の 原 理
細 胞 への 放 射 線 作 用 ( 直 接 作 用 ) ( 間 接 作 用 ) 放 射 線 が 直 接 DNAを 損 傷 する 作 用 ( 直 接 作 用 )と 体 内 の 水 が 放 射 線 によってフリーラジカルを 生 成 し これがDNAを 損 傷 する 作 用 ( 間 接 作 用 )により 細 胞 死 とか 遺 伝 子 変 換 誘 発 する
自 然 放 射 線 と 人 工 放 射 線 利 用 との 線 量 比 較 放 射 線 滅 菌 20000Gy 放 射 線 殺 虫 100~1000Gy ジャガイモ 芽 止 め 30~150Gy 環 境 中 の 放 射 線 測 定
身 のまわりの 放 射 線 利 用 (1) 放 射 線 利 用
身 のまわりの 放 射 線 利 用 (2) 放 射 線 利 用
放 射 線 の 産 業 利 用 (1)( 放 射 線 の 化 学 作 用 の 利 用 リソグラフィ 半 導 体 集 積 回 路 等 の 微 細 加 工 非 破 壊 検 査 ジェットエンジンの 定 期 検 査 溶 接 の 確 認 空 港 での 手 荷 物 検 査 など ラジアルタイヤ 発 泡 プラスチック 耐 熱 電 線 ラッピング 材 宇 宙 開 発 原 子 力 電 池 : 惑 星 探 査 機 の 電 源 衛 星 搭 載 用 機 器 のテスト: 加 速 器 で 宇 宙 の 放 射 線 環 境 を 模 擬
放 射 線 の 産 業 利 用 (2)( 様 々な 工 業 計 測 厚 み 計 : 鉄 板 アルミホイル 紙 など 様 々な 工 業 製 品 の 厚 さを 管 理 液 面 計 :タンクの 中 の 液 体 の 残 量 を 管 理 その 他 煙 探 知 機 ダイオキシンや 有 害 物 質 の 分 解 排 煙 処 理 環 境 分 析 微 量 物 質 の 化 学 分 析 宇 宙 開 発 ( 惑 星 探 査 機 など) 医 療 衛 生 器 具 の 殺 菌 滅 菌 土 木 建 築 工 事 など まだまだいろいろな 応 用 が あります 現 代 の 文 明 生 活 は 放 射 線 なしに 成 り 立 ちません!
放 射 線 の 土 木 利 用
放 射 線 の 排 煙 処 理 利 用
考 古 学 資 料 の 年 代 測 定 (1) 放 射 性 炭 素 年 代 測 定 法 大 気 中 の 炭 素 14( 14 C) 濃 度 はほぼ 一 定 植 物 は 光 合 成 によって 大 気 中 の 14 Cを 体 内 に 取 り 込 み 動 物 は 植 物 を 食 べることによっ て 14 Cを 取 り 込 む 生 物 が 死 ぬと それ 以 上 14 Cが 体 内 に 取 り 込 まれなくなる 生 物 の 遺 骸 中 の 14 Cは 半 減 期 5730 年 で 減 っ ていく 遺 骸 中 の 14 C 濃 度 ( 放 射 能 )を 調 べれば 死 後 何 年 経 過 した かが 分 かる! リビー( 米 ) 1960 年 ノーベル 化 学 賞 W. F. Libby 1908-1980 5730 年 14 C 11460 年 17190 年 22920 年
考 古 学 資 料 の 年 代 測 定 (2) 奈 良 県 桜 井 市 の 箸 墓 (はしはか) 古 墳 箸 墓 古 墳 で 発 掘 された 土 器 邪 馬 台 国 の 卑 弥 呼 の 墓 で はないかと 言 われている 土 器 の 表 面 に 付 着 してい た 炭 化 物 の 年 代 を 測 定 2009 年 5 月 30 日 のニュース 西 暦 240~260 年 のもの と 判 明 卑 弥 呼 の 死 去 した 年 代 (246 年 )と 一 致!
農 業 利 用 品 種 改 良 ガンマーフィールド ( 茨 城 県 常 陸 大 宮 市 ) 食 品 照 射 発 芽 の 防 止 アイソトープ 照 射 センター ( 北 海 道 士 幌 町 ) 放 射 線 の 照 射 により 人 為 的 に 突 然 変 異 を 起 こさせる 人 間 に 都 合 の 良 い 個 体 だけを 選 択 育 成 代 表 例 :ゴールド 二 十 世 紀 梨 日 本 ではじゃがいもの 芽 止 めのみが 行 われている ( 長 期 保 存 が 可 能 ) 食 品 衛 生 法 で 他 の 食 品 照 射 は 禁 止 されている
放 射 線 による 害 虫 駆 除 不 妊 虫 放 飼 法 による 害 虫 の 根 絶 1 22
放 射 線 の 医 学 利 用 1 23
放 射 線 の 医 学 利 用 滅 菌 注 射 器 ガーゼ 包 帯 手 術 器 具 カテーテル 器 具 アンプルガラス 容 器 その 他 医 療 器 具 線 源 : Co-60(ガンマ 線 ) 加 速 器 ( 電 子 線 ) 等 診 断 1.X 線 診 断 X 線 単 純 撮 影 X 線 造 影 撮 影 (バリウム: 胃 の 透 視 ) 断 層 撮 影 (CT) 2. 核 医 学 診 断 in vivo 検 査 ( 画 像 診 断 ) - PET 診 断 in vitro 検 査 ( 微 量 な 物 質 の 検 出 ) 治 療 (がん 治 療 など) 放 射 線 源 : Co-60 Ir-192 I-131 加 速 器 : リニアック サイクロトロン( 電 子 線 ) HIMAC( 陽 子 重 粒 子 線 ) 原 子 炉 からの 中 性 子 BNCT 放 射 線 利 用
放 射 線 による 医 療 器 具 の 滅 菌
放 射 線 の 医 学 利 用 ( 診 断 ) レントゲン 写 真 1895 年 :レントゲンによる X 線 の 発 見 放 射 線 の 発 見 1901 年 : 第 1 回 ノーベル 物 理 学 賞 受 賞 陰 極 Wilhelm Conrad Röntgen ドイツの 物 理 学 者 レントゲン 夫 人 の 手 のX 線 写 真 陽 極
骨 折 のX 線 単 純 撮 影
上 部 消 化 管 X 線 造 影 検 査
PET( ( 陽 電 子 断 層 撮 影 ) Positron Emission Tomography がんの 早 期 発 見 正 常 な 細 胞 に 比 べて が ん 細 胞 はブドウ 糖 をたくさ んとりこむ ブドウ 糖 に 陽 電 子 核 種 を 合 成 した 薬 剤 ( 18 F-FDG) を 投 与 すると がん 細 胞 に 多 く 集 まるので PET 装 置 で 撮 影 し がんが 身 体 の どの 部 位 にあるかを 画 像 としてとらえる
X 線 CT 装 置
骨 シンチグラム( 放 射 性 医 薬 静 注 )
がん 治 療 法 の 種 類
放 射 線 の 医 学 利 用 ( 治 療 ) サイバーナイフ がん 治 療 : 電 子 線 またはX 線 γ 線 を 様 々な 角 度 から 照 射 してが ん 治 療 を 行 う ガンマナイフ
陽 子 重 粒 子 線 がん 治 療 装 置 重 粒 子 線 がん 治 療 装 置 HIMAC 放 射 線 医 学 総 合 研 究 所 ( 千 葉 市 ) 炭 素 の 原 子 核 を 光 速 の 約 70% まで 加 速 して 照 射 陽 子 シンクロトロン 加 速 器 筑 波 大 学 陽 子 線 医 学 利 用 研 究 センター(つくば 市 ) 陽 子 を 光 速 の 約 70%まで 加 速 して 照 射
重 粒 子 線 照 射 治 療 の 利 点
前 立 腺 がん 密 封 小 線 源 治 療 の 概 要 125 I シード 線 源 前 立 腺 膀 胱 直 腸 エコープローブ シード 線 源 挿 入 後 のX 線 写 真 1 36
ホウ 素 を 含 む 薬 剤 をがん 細 胞 に 吸 収 させ て 中 性 子 を 照 射 中 性 子 は 10 Bと 核 反 応 を 起 こし 高 エネル ギーの 荷 電 粒 子 ( 7 Liと 4 He)を 放 出 する 核 反 応 によって 生 じるHe Li 粒 子 により がん 細 胞 を 破 壊 する 10 ホウ 素 中 性 子 捕 捉 療 法 Boron Neutron Capture Therapy:BNCT 7 4 B + n Li+ He + γ 京 都 大 学 原 子 炉 実 験 所 医 療 用 照 射 施 設
ご 静 聴 ありがとうございました 東 北 大 震 災 で 被 災 された 方 々に 対 し 心 よりお 見 舞 い 申 し 上 げます 福 島 県