青 年 の 心 理 的 危 機 とその 克 服 調 査 の 基 盤 つくりと 自 傷 行 為 に 特 化 した 対 応 A STUDY ON PSYCHOLOGICAL CRISIS AND RECOVERY OF YOUTH -FOUNDATION OF STUDY AND CARE FOR SELF HARM- *1 和 田 百 合 子 Yuriko WADA 1 研 究 の 経 過 本 研 究 は 平 成 19 年 度 からの 継 続 して 行 っている 研 究 である 卒 業 期 の 大 学 生 を 対 象 とし 心 理 的 な 危 機 は どのような 状 態 であり 保 護 者 のどのようなかかわりが 心 理 的 な 危 機 の 克 服 に 効 を 奏 しているかを 個 別 に 聴 き 取 り 調 査 をし その 結 果 を 地 域 に 還 元 していくことを 試 み 変 ストレスの 少 ない 技 法 と 紹 介 されている 2008 年 10 月 にEMDR Part1のトレーニングを 受 講 し 対 象 者 への 教 育 福 祉 を 阻 害 しないことを 前 提 にした 研 究 の 基 盤 つくりをした その 後 学 生 相 談 室 を 活 用 し トレーニングした 内 容 を 実 践 で 活 用 できるように モニ ターの 学 生 と 実 施 をした るものである 平 成 20 年 度 は 調 査 の 基 盤 つくりを 行 っ た 卒 業 期 の 大 学 生 を 対 象 に 心 理 的 危 機 を 聴 き 取 る 調 査 は 過 去 への 回 想 を 促 し トラウマ 体 験 を 語 る 場 合 があ り 対 象 者 がトラウマ 体 験 のケアを 希 望 する 場 合 がある また 筆 者 がこの 体 験 が 対 象 者 の 学 生 生 活 を 著 しく 困 難 に していると 判 断 する 場 合 もある このような 場 合 は 筆 者 は 学 生 相 談 室 のカウンセラーでもあるので 研 究 の 枠 組 みから 一 旦 はずれて 対 象 者 に 対 して 教 育 的 福 祉 的 に 対 応 すべきと 考 えている これらトラウマ 体 験 のケア の1 方 法 として EMDRがある 日 本 EMDR 学 会 H Pより 抜 粋 すると EMDRは 外 傷 的 なできごとを 考 えてもらいながら 治 療 者 が 患 者 さんの 眼 の 前 で 指 を 一 定 の 速 度 で 動 かし それを 眼 で 追 いかけてもらうとい った 比 較 的 単 純 な 手 続 きを 中 心 とした 治 療 技 法 眼 球 運 動 は 脳 を 直 接 的 に 刺 激 し 脳 が 本 来 もっている 情 報 2 本 論 の 目 的 平 成 20 年 は 岡 山 県 全 域 の 養 護 教 諭 の 研 修 会 を 対 象 に 研 修 会 を 実 施 できる 機 会 を 得 たために 地 域 貢 献 を 第 1の 目 的 とするように 研 究 をアレンジした 受 講 者 は 小 学 校 中 学 校 高 校 特 別 支 援 学 校 と 多 様 な 校 種 に 所 属 していた また 共 通 した 研 修 を2 回 に 分 けて 70 分 で 実 施 するという 枠 組 みが 設 定 されていた このため 多 様 な 校 種 の 児 童 生 徒 の 心 の 健 康 に 関 連 すること ま た 短 時 間 の 研 修 で 養 護 教 諭 の 先 生 方 に 学 校 という 環 境 で 活 用 していただくことを 重 点 に 自 傷 行 為 への 教 育 機 関 における 心 理 的 なかかわりという 内 容 に 絞 込 んだ 本 論 は この 研 修 のなかで なぜ 自 傷 行 為 への 心 理 的 なかか わりが 必 要 なのかを 述 べた 部 分 を 纏 めたものである 処 理 のプロセスを 活 性 化 できる 洗 脳 される 治 療 者 に 操 られるというような 心 配 は 全 くありません 大 *1 美 作 大 学 児 童 学 科 准 教 授 修 士 ( 教 育 学 ) Assoc.Prof., Dept.of Child Studies, Mimasaka Univ., M.(education)
少 ないが ネグレクト 精 神 的 性 的 な 虐 待 を 受 け 結 果 的 に 自 分 の 心 身 を 傷 つけられることも 起 きている 3 方 法 研 修 での 説 明 の 要 旨 をパワーポイントのスライドを 参 考 にしながら 纏 める このような 自 傷 行 為 をしめす 子 どもたちに 多 くの 先 生 方 は 日 々 接 しておられる あるいは かかわった 経 験 が あるのではないかと 思 う 筆 者 も 大 学 生 短 大 生 の 学 生 相 談 中 学 校 のスクールカウンセリング 思 春 期 の 相 談 機 関 における 相 談 の 中 で このような 行 動 をとり 続 ける 4 結 果 4 1 地 域 貢 献 としての 教 育 の 場 への 還 元 地 域 貢 献 として 研 修 会 にて 研 究 内 容 を 伝 えた 講 座 名 1: 自 立 を 目 ざしての 子 育 て 支 援 実 施 日 :2008 年 12 月 3 日 主 催 者 : 岡 山 県 総 合 教 育 センター 対 象 者 と 参 加 人 数 : 幼 稚 園 小 学 校 の 養 護 教 諭 等 約 4 00 名 講 座 名 2: 自 立 を 目 ざしての 子 育 て 支 援 実 施 日 :2008 年 12 月 17 日 主 催 者 : 岡 山 県 総 合 教 育 センター 対 象 者 と 参 加 人 数 : 中 学 校 高 等 学 校 特 別 支 援 学 校 の 養 護 教 諭 等 約 300 名 12の 研 修 は パワーポイントのスライドは 同 じなので 以 下 研 修 と 記 載 する 実 際 の 研 修 では 受 講 生 に 合 わせ て 強 調 する 内 容 を 変 え 紹 介 する 事 例 も 選 択 した 子 どもたちのことを 心 配 することも 多 い 自 傷 行 為 の 対 応 に 関 して さまざまな 考 え 方 があるが 医 療 機 関 を 受 診 してもらっても 早 々におさまることもな く また 精 神 疾 患 や 発 達 傷 害 と 診 断 されて そのこと への 対 応 が 行 われ 医 療 機 関 やスクールカウンセラー 等 他 の 職 種 と 協 働 できても やはり 教 育 機 関 の 中 で 先 生 方 や 私 がその 子 やその 問 題 とかかわり 学 校 生 活 を 見 守 る 必 要 がある 教 育 機 関 は 自 傷 行 為 の 治 療 を 目 的 す るのではなく 自 傷 行 為 をする 子 どものケアをし 教 育 を 通 じて 十 分 な 成 長 を 促 す 目 的 があると 筆 者 は 感 じるか らである スライド2 3 アウトライン 自 らの 命 を 削 るこどもたち(1) 統 計 健 康 活 動 ( 心 の 健 康 問 題 )の 内 容 スライド2 3 説 明 筆 者 は 自 傷 行 為 の 総 体 を 思 うと 自 らの 命 を 削 る 行 為 と 感 じることが 大 きく この 言 葉 を 使 用 した この 4 2 還 元 の 具 体 的 内 容 なぜ 自 傷 行 為 への 心 理 的 なかかわりが 必 要 なのかを 説 明 する 前 半 部 分 の 要 旨 をパワーポイントのスライドに 沿 って 報 告 する スライド1 演 題 もう 一 度 生 きるための 必 要 なこと ば 自 傷 行 為 を 中 心 に スライド1 説 明 表 から 児 童 生 徒 の 中 で 自 傷 自 虐 行 為 が 多 さがわ かる 中 学 高 校 特 別 支 援 学 校 心 の 健 康 問 題 の 相 談 ( 一 人 につき 複 数 の 相 談 内 容 をカウントしている)の うち 2 割 から 6 割 をしめている 小 学 校 では 保 健 室 頻 回 来 室 不 定 愁 訴 人 間 関 係 に 関 すること が 多 い 小 学 校 では 自 傷 がないというより 不 安 がまだ 自 傷 という 形 になっていないのではないかと 思 われる 小 学 生 から 大 学 生 までの 教 育 相 談 の 中 で 筆 者 が 出 会 っ た 子 どもたちは 手 首 や 腕 他 の 部 位 に 傷 をつけるとい う 自 傷 に 限 らず お 腹 の 中 から 口 の 中 まで 強 迫 的 に 食 べ 物 をつめこむ 行 動 自 分 の 身 体 の 画 像 を 切 り 売 りして 孤 独 を 埋 めるために 異 性 を 呼 ぶ 行 動 まで さまざまであ った 筆 者 は 形 態 は 違 っても 自 分 の 身 体 と 心 を 傷 つ ける 行 動 であるので 幅 広 く 自 傷 行 為 と 捉 えている 幼 児 低 学 年 の 子 どもの 場 合 自 らが 身 体 傷 つける 行 為 は
これらの 数 字 は 山 口 松 本 が 2 回 の 調 査 を 振 り 返 ったものである 2004 年 の 調 査 は 神 奈 川 県 内 某 私 表 1 健 康 活 動 ( 心 の 健 康 問 題 )の 内 容 全 国 養 護 教 諭 連 絡 協 議 会 実 施 平 成 18 年 度 養 護 教 諭 の 職 務 に 関 する 調 査 報 告 書 より 鈴 木 文 江 (2008) 幼 稚 園 小 学 校 中 学 校 高 等 学 校 特 別 支 援 1 保 健 室 頻 回 来 室 29.5 60.0 74.6 74.5 39.5 2 不 定 愁 訴 24.2 45.2 60.9 67.9 36.2 3 登 校 しぶり 18.1 50.1 55.0 44.7 19.7 4 人 間 関 係 に 関 す13.9 53.1 88.4 90.4 39.5 ること 5いじめ 1.1 15.3 34.6 36.3 0.7 6 神 経 症 傾 向 4.3 7.8 29.6 55.2 17.1 7 起 立 性 調 節 障 害 0.7 7.1 25.8 20.8 1.3 8チック 8.2 4.9 3.0 2.7 6.6 9 緘 黙 0.7 3.2 5.4 4.6 2.6 立 高 校 2 年 生 女 子 126 名 中 高 一 貫 教 育 の 学 校 で 飲 酒 および 薬 物 乱 用 防 止 講 演 会 終 了 後 実 施 された 20 01 年 の 調 査 は 某 公 立 総 合 大 学 の 体 育 の 講 義 受 講 者 553 名 に 実 施 されたものである 両 者 は 学 校 の 特 質 や 規 模 に 違 いがあり 2つの 調 査 は 単 純 に 比 較 できる ものではない 点 に 注 意 がいるとしながらも 若 年 層 に 自 傷 が 増 加 の 可 能 性 を 指 摘 している 自 傷 行 為 に 共 通 した 概 念 がまだないので さまざまな 統 計 に 大 きな 差 がある 過 食 との 相 関 があることから スライド1で 筆 者 が 言 及 した 子 どもたちの 行 動 は 自 分 の 存 在 を 傷 つける 一 連 の 行 為 であるとの 印 象 を 統 計 的 に 裏 づけていると 思 う スライド4 6 統 計 (1) 年 次 別 自 殺 者 数 図 1 日 本 における 年 次 別 自 殺 者 数 人 35,000 全 体 30,000 10 過 呼 吸 症 候 群 0.0 6.0 36.4 55.6 7.9 11 自 傷 自 虐 行 為 0.7 3.0 40.2 58.7 23.0 12 摂 食 障 害 0.7 3.1 14.7 34.7 6.6 13 薬 物 乱 用 0.0 0.2 3.0 4.6 0.0 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 男 女 14 性 の 逸 脱 行 為 0.0 0.3 22.3 29.5 3.3 0 1978 1983 1988 1993 1998 2003 年 スライド4 アウトライン 女 子 高 校 生 における 自 傷 行 為 を 喫 煙 飲 酒,ピアス, 過 食 傾 向 との 関 係 で 見 た 研 究 1 回 以 上 自 傷 行 為 14.3% 10 回 以 上 6.3% 自 傷 の 最 初 の 経 験 11~12 歳 に 集 中 以 上 2004 年 の 研 究 大 学 生 の 自 傷 行 為 ( 身 体 全 般 )の 経 験 率 6 9% カッティング1 回 以 上 経 験 率 3.3% 自 傷 の 最 初 の 経 験 13 9 歳 以 上 2001 年 の 研 究 若 年 層 に 自 傷 が 増 加 の 可 能 性 10 回 以 上 過 食 傾 向 との 相 関 ( 山 口 松 本 2005) スライド4 説 明 引 用 : 平 成 19 年 中 における 自 殺 の 概 要 資 料 警 察 庁 生 活 安 全 局 地 域 課 2008 スライド5 6 説 明 自 殺 者 の 統 計 は 図 1の 通 りである 高 橋 (2007) は 自 殺 の 現 状 について1988 年 から1997 年 までの 10 年 間 年 間 平 均 自 殺 者 数 約 22000 人 1998 年 32863 人 以 来 年 間 自 殺 者 3 万 人 台 自 殺 未 遂 者 は 既 遂 者 の 少 なくとも 10 倍 強 い 絆 のあった 人 が 最 低 5 人 は 深 刻 な 心 の 傷 を 負 うと 解 説 し したがって 自 殺 と は 年 間 3 万 人 を 超 える 死 にゆく 人 だけの 問 題 にとどま らず わが 国 だけでも 年 間 百 数 十 万 人 の 心 の 健 康 を 脅 か す 深 刻 な 問 題 になっている と 指 摘 している 筆 者 は 様 々な 学 校 で 自 殺 がおきた 遺 族 遺 児 のケアとともに このグラフには 出 ていない 人 々すなわち 危 険 行 為 を 行 う 児 童 生 徒 に 対 して 予 防 活 動 介 入 事 後 のケアが 行 わ れていると 感 じている
スライド7 アウトライン フィンランドと 日 本 の 自 殺 者 数 の 比 較 スライド8 アウトライン 自 傷 と 自 殺 の 間 には 強 い 親 和 性 があると 考 えられる 自 傷 は 他 者 の 関 心 を 引 くための 行 為 であり 実 は 死 ぬ 気 がなく 自 殺 ではなく 自 殺 にもつながらないと 安 易 に 考 えることは 危 険 という 指 摘 英 国 の 自 殺 のハイリスク 群 の 検 討 と 抽 出 : 自 傷 行 為 で 総 合 病 院 を 受 診 した 患 者 の1%は 1 年 以 内 に 自 殺 2~ 13% 5 年 以 内 に 自 殺 既 遂 者 の40~50%に 過 去 に 自 傷 行 為 の 経 験 原 田 青 木 (2007) スライド8 説 明 筆 者 の 思 春 期 の 相 談 活 動 の 中 では リストカットを 繰 り 返 す 生 徒 について 周 囲 の 関 心 を 引 くための 行 為 であ るので 関 心 を 示 さないほうが 良 いと 考 えている 学 校 関 係 者 に 出 会 うことがある しかし 英 国 の 研 究 を 紹 介 し た 原 田 青 木 は 自 傷 と 自 殺 の 間 には 強 い 親 和 性 があると 述 べている すなわちリストカットを 繰 り 返 す 生 徒 には 丁 寧 にかかわることが 必 要 である 自 験 例 でも リスト カットを 繰 り 返 す 学 生 は 生 きている 意 味 がわからな い 死 んでもよい と 繰 り 返 し 発 言 をし 衝 動 的 な 行 動 をとったり 異 性 との 危 険 な 交 遊 を 行 ったりする 例 が 複 数 あり 彼 らは 今 この 世 で 生 きることの 強 烈 な 困 難 を 抱 えていた スライド9 10 アウトライン 心 の 痛 みととら えつつ 背 景 の 精 神 疾 患 を 配 慮 しつつ(1)(2) スライド9 10 説 明 自 傷 行 為 の 捉 え 方 の 経 緯 医 師 の 立 場 から 分 類 した 例 を 紹 介 スライド11 自 傷 行 為 の 分 類 表 スライド11 説 明 自 傷 行 為 の 分 類 分 類 は 松 本 山 口 (2006)を 引 用 した 山 口 松 本 は 女 子 大 生 における 自 傷 行 為 と 過 食 行 動 の 関 連 の 中 で リストカットをひとまとまりの 独 立 した 臨 床 単 位 とし DSH(deliberate self-ha rm syndorome)とすることを 紹 介 している また 分 類 は 固 定 的 なものではないと 指 摘 しているが 重 篤 型 常 同 型 表 層 型 強 迫 的 衝 動 的 というカテゴ リーがある 重 篤 型 では 背 景 に 精 神 病 ( 統 合 失 調 症 感 情 障 害 器 質 的 障 害 ) 中 毒 性 障 害 性 的 倒 錯 が 指 摘 さ れている 常 同 型 では 背 景 に 精 神 遅 滞 自 閉 症 トゥ レット 症 候 群 が 指 摘 されている 表 層 型 強 迫 的 では 抜 毛 症 自 傷 行 為 を 伴 う 常 同 運 動 障 害 が 指 摘 されている 表 層 型 衝 動 的 の 項 目 では 境 界 性 / 反 社 会 性 人 格 障 害 その 他 の 衝 動 人 格 障 害 虐 待 /トラウマ/ 解 離 の 記 述 があ る 研 修 で 伝 える 心 理 支 援 は 表 層 型 衝 動 的 の 項 目 に 該 当 するような 児 童 生 徒 をイメージした 心 理 支 援 であ ることについて 言 及 した スライド12 アウトライン 自 傷 行 為 をする 心 に 目 をむける 青 年 の 自 傷 の 誤 解 偏 見 一 人 でおこなう 他 人 にみえないところ 注 意 や 助 け を 求 める 行 為 手 当 てを 受 ける 際 に 痛 みが 増 幅 解 離 などがあり 痛 み が 少 ない 場 合 痛 くない 少 しする 患 者 も 多 くする 患 者 同 様 に 問 題 を 深 刻 に 考 えて いることも 多 い 深 刻 さで 問 題 の 深 刻 さを 図 れる ( 英 国 の 研 究 の 紹 介 原 田 青 木 ) 一 度 明 らかになり 適 切 に 受 け 止 められないと 潜 伏 起 伏 がある 支 援 者 側 の 準 拠 枠 注 目 すると 増 える かかわりた くない 恐 怖 責 任 への 恐 れ などなど スライド12 説 明 青 年 の 自 傷 に 関 して 誤 解 偏 見 があると 考 えられる 原 田 青 木 の 英 国 の 研 究 の 紹 介 を 行 った 自 経 例 から 支 援 者 側 の 準 拠 枠 たとえば 注 目 すると 増 える か かわりたくない 傷 や 自 傷 をためらわずにする 子 ども への 恐 怖 責 任 への 恐 れ などが 誤 解 を 助 長 している ことを 述 べた 自 傷 行 為 が1 回 でもまた 他 人 から 見 え る 部 位 に 行 い 他 人 からの 注 意 喚 起 を 促 す 様 を 呈 していて も 教 育 機 関 では 自 傷 行 為 をする 心 に 目 をむける 支 援 が 必 要 である スライド13 アウトライン 教 育 現 場 で 働 く 私 たちの 北 極 星 は 何 か スライド13 説 明 教 育 現 場 で 働 くわたしたちの 為 の 翻 訳 が 必 要 である DSHという 医 学 的 用 語 を 私 的 カウンセラー 的 翻 訳 をしてみる それらは 自 分 の 存 在 を 傷 つける 行 動
自 らの 命 を 削 る 子 どもたち と 考 えたい 自 分 の 存 在 を 傷 つけていることに 着 眼 してはどうだろうか スライド14 アウトライン 自 分 の 存 在 の 意 味 を 疑 わない 心 を 回 復 りした 安 心 した はっきりした スーッとしたなどと 発 言 することが 多 かった 自 らの 情 動 に 翻 弄 されやすい 子 どもたちに 情 動 焦 点 型 の 解 決 から 問 題 解 決 型 のアプロ ーチを 促 す 必 要 もある 自 傷 の 治 療 : 確 立 された 効 果 的 な 方 法 はないが 教 育 の 現 場 にいるという 特 徴 を 忘 れない 自 傷 を 治 すのではなく 自 傷 行 動 をせざるを 得 ない 子 ど もの 心 の 健 康 の 回 復 と 成 長 日 常 に 目 を 向 ける 感 情 表 現 に 関 心 を 向 ける 学 校 や 家 庭 生 育 歴 の 丁 寧 なよみかえ 責 めない 同 時 に 容 認 しない 4 課 題 本 論 は 研 修 の 前 半 部 分 のなぜ 自 傷 行 為 への 心 理 的 な かかわりが 必 要 なのかを 述 べた 部 分 を 纏 めたものである 研 修 の 後 半 部 分 で 述 べた 教 育 機 関 で 実 施 する 自 傷 行 為 へ の 心 理 的 なかかわり 関 しては 別 稿 で 纏 めたい 自 分 の 心 身 を 大 切 にしようとさせること スライド14 説 明 子 どもたちは 精 神 的 に 健 康 な 時 には 自 分 の 存 在 に 意 味 がある と 意 識 的 に 考 えないのではないか 存 在 の 意 味 を 見 つけさせる 目 標 設 定 ではなく 自 分 の 存 在 の 意 味 を 疑 わないという 目 標 を 想 定 するのが 良 いと 思 う 教 育 現 場 では 自 傷 に 関 して 診 断 名 に 準 拠 して 活 動 しては いない 病 気 を 治 すスタイルではない 教 育 機 関 では 疾 患 があったとしても 治 療 よりもその 疾 患 を 持 っている 児 童 生 徒 の 全 体 像 や 教 育 に 主 眼 をおくべきである こ れは 治 療 を 優 先 しないということではない 治 療 が 必 要 な 子 どもは 治 療 機 関 につなげ 教 育 機 関 では その 教 育 機 関 の 特 質 を 生 かした 支 援 と 教 育 を 行 い 治 療 機 関 と 連 携 してより 良 い 支 援 を 目 指 せるのが 理 想 である 教 員 は 教 育 機 関 の 中 の 役 割 に 沿 って 動 いている 担 任 養 護 教 諭 常 勤 非 常 勤 管 理 職 前 の 年 の 担 任 教 育 参 考 文 献 1) 警 察 庁 生 活 安 全 局 地 域 課 : 平 成 19 年 度 中 における 自 殺 の 概 要 資 料,2008 2) 鈴 木 文 江 : 自 殺 予 防 における 養 護 教 諭 の 役 割, 現 代 のエスプ リ488, 子 どもの 自 殺 予 防,P118, 至 文 堂,2008 3) 高 橋 祥 友 : 自 殺 防 止 と 遺 族 のケアを 考 える,アディクション と 家 族, 第 23 巻 4 号,2007 4) 原 田 修 一 郎 青 木 省 三 :6. 思 春 期 の 自 傷, 臨 床 精 神 医 学, 36(5)671-674,2007 5) 松 本 俊 彦 山 口 亜 希 子 : 自 傷 の 概 念 とその 研 究 の 焦 点, 精 神 医 学, 第 48 巻 第 5 号,472-473,2006 6) 山 口 亜 希 子 松 本 俊 彦 : 女 子 高 校 生 における 自 傷 行 為 喫 煙 飲 酒,ピアス, 過 食 傾 向 との 関 係, 精 神 医 学,47(5):51 5-522,2005 相 談 担 当 など その 役 割 を 生 かした 支 援 が 必 要 と 考 える 保 健 室 は 身 体 に 触 れることができやすい 場 所 である 命 を 大 切 にする 方 向 の 支 援 指 導 をして 欲 しい 具 体 的 には 身 体 に 気 づかせる いたわる 痛 いと 思 う 怖 い と 思 わせることが 大 切 であろう 傷 をみるか みないか 手 を 添 えるか 否 か 手 当 てをさせるか 手 をそえるか 詳 細 のどこを 話 題 にするかなど 意 識 して 目 標 を 持 った 対 応 が 必 要 と 思 う また 従 来 の 分 類 では 実 態 に 反 し て 背 景 に 発 達 障 害 や 虐 待 の 体 験 が 見 落 とされがちと 指 摘 する 研 究 もある 松 本 山 口 (2006) 学 校 や 家 庭 生 育 歴 の 丁 寧 なよみかえが 必 要 である 自 験 例 では 衝 動 的 に 自 傷 をする 子 どもは 自 傷 行 為 をするとすっき