シンポジウム: 大 地 震 大 津 波 に 備 えて ~ 海 からの 視 点 で 考 える~ 阪 神 淡 路 大 震 災 からの 教 訓 はどう 活 かされたか 2011 年 10 月 31 日 神 戸 国 際 会 議 場 井 上 欣 三 神 戸 大 学 名 誉 教 授 ( 大 学 院 海 事 科 学 研 究 科 )
阪 神 淡 路 大 震 災 からの 教 訓 はどう 活 かされたか 1996 年 関 西 造 船 協 会 シンポジウム 災 害 時 における 船 の 活 用 何 を 提 言 したのか 東 日 本 大 震 災 2011 年 3 月 11 日 船 がうまく 活 用 された 例 うまく 活 用 できなかった 例 両 者 の 差 はどこに? さらなる 活 用 促 進 のために
災 害 時 における 船 の 活 用 提 言 の 前 提 船 が 備 える 自 己 完 結 機 能 独 立 したライフラインを 自 前 で 確 保 宿 泊 生 活 施 設 を 完 備 被 災 地 に 自 力 で 行 ける 多 量 に 人 物 を 運 搬 できる 通 信 情 報 伝 達 手 段 を 自 前 で 確 保
災 害 時 における 船 の 活 用 何 を 提 言 したのか 海 の 道 の 活 用 緊 急 物 資 の 海 上 輸 送 支 援 要 員 の 海 上 輸 送 住 民 の 足 の 確 保 船 の 機 能 活 用 健 康 維 持 支 援 ( 食 事 風 呂 トイレ トイレ 洗 濯 休 息 ) 避 難 所 (ホテルシップ) (ホテルシップ) 医 療 支 援 (ドクターシップ) (ドクターシップ) 支 援 要 員 に 対 する する 宿 泊 支 援 ヘリポート ヘリポート 発 電 バージ バージ 海 水 淡 水 化 バージ バージ 消 火 用 海 水 ポンプ ポンプ 情 報 収 集 発 信 機 能 対 策 本 部 機 能 指 令 中 枢 機 能
東 日 本 大 震 災 (2011 年 3 月 11 日 ) 船 はうまく 活 用 されたか 海 の 道 の 活 用 緊 急 物 資 の 海 上 輸 送 支 援 要 員 の 海 上 輸 送 住 民 の 足 の 確 保 船 の 機 能 活 用 健 康 維 持 支 援 ( 食 事 風 呂 トイレ トイレ 洗 濯 休 息 ) 避 難 所 (ホテルシップ) (ホテルシップ) 医 療 支 援 (ドクターシップ) (ドクターシップ) 支 援 要 員 に 対 する する 宿 泊 支 援 ヘリポート ヘリポート 発 電 バージ バージ 海 水 淡 水 化 バージ バージ 消 火 用 海 水 ポンプ ポンプ 情 報 収 集 発 信 機 能 対 策 本 部 機 能 指 令 中 枢 機 能 被 災 から4 日 目 以 降 (14: 宮 古 15: 釜 石 16: 小 名 浜 など) 緊 急 物 資 陸 揚 げ 被 災 から3 日 目 以 降 (13: 苫 小 牧 - 青 森 ) 自 衛 隊 人 員 車 両 輸 送 被 災 から1か 月 半 後 ( 気 仙 沼 大 島 ) 離 島 フェリー 再 開 被 災 から 半 月 後 : 仙 台 苫 小 牧 被 災 から1ヶ 月 後 : 名 古 屋 仙 台 ( 当 面 自 衛 隊 などの 限 定 乗 船 ) 被 災 から1ヵ 月 半 : 苫 小 牧 - 仙 台 ( 旅 客 運 航 ) 被 災 から1か 月 後 ふじ 丸 大 船 渡 釜 石 宮 古 食 事 入 浴 電 話 娯 楽
船 がうまく 活 用 された 例 / うまく 活 用 できなかった 例 海 の 道 の 活 用 緊 急 物 資 の 海 上 輸 送 支 援 要 員 の 海 上 輸 送 住 民 の 足 の 確 保 船 の 機 能 活 用 健 康 維 持 支 援 ( 食 事 風 呂 トイレ トイレ 洗 濯 休 息 ) 避 難 所 (ホテルシップ) (ホテルシップ) 医 療 支 援 (ドクターシップ) (ドクターシップ) 支 援 要 員 に 対 する する 宿 泊 支 援 ヘリポート ヘリポート 発 電 バージ バージ 海 水 淡 水 化 バージ バージ 消 火 用 海 水 ポンプ ポンプ 情 報 収 集 発 信 機 能 対 策 本 部 機 能 指 令 中 枢 機 能 両 者 の 差 はどこに? 単 一 省 庁 と 船 社 間 で 実 施 判 断 が 完 結 この 面 での 船 の 活 用 は 今 後 も 自 然 発 生 的 に 実 施 さ れるであろう 複 数 省 庁 複 数 組 織 間 の 調 整 が 必 要 平 時 から 組 織 間 協 力 体 制 を 築 き 災 害 時 に 連 携 が 機 能 する 運 用 のしくみをつくっておくこと 陸 と 海 で 機 能 を 分 担 する 発 想 が 必 要 国 民 の 意 識 が 海 船 に 向 くように 地 道 な 意 識 啓 発 が 必 要
さらなる 活 用 促 進 のために 提 言 は 言 いっぱなしにしない 言 ったことは 実 現 する 提 言 を 実 現 するために 3つのジャンルに 分 けて 考 える 1) 今 後 も 自 然 発 生 的 に 実 施 が 期 待 できる 船 の 活 用 物 資 輸 送 人 員 輸 送 旅 客 輸 送 健 康 維 持 2) 平 時 から 目 的 指 向 型 の 運 用 が 可 能 となる 社 会 的 な しくみの 構 築 を 必 要 とする 船 の 活 用 避 難 所 宿 泊 支 援 医 療 支 援 福 祉 支 援 3) 海 に 視 野 を 開 く 意 識 啓 発 が 必 要 となる 船 の 活 用 対 策 本 部 船 指 令 中 枢 船 災 害 時 医 療 支 援 船 構 想 立 ち 上 げからここまで10 有 余 年
災 害 時 医 療 支 援 船 構 想 特 別 の 装 備 がないふつうの 船 を 災 害 発 生 時 に 即 座 に 組 織 化 して 海 からの 支 援 を 実 現 する 人 の 命 を 救 うための 有 事 即 応 型 医 療 と 海 の 社 会 連 携
透 析 医 療 界 との 連 携 (H.16.9) 日 本 透 析 医 会 会 長 : 山 崎 親 男 医 師 (H. H.21.4) 兵 庫 県 透 析 会 会 長 : 宮 本 孝 医 師 (H.16.6) 日 本 透 析 医 学 会 シンポジウム 災 害 時 医 療 支 援 船 構 想 発 表 (H.12.5) 日 本 透 析 医 学 会 ( 内 藤 秀 宗 博 士 ) (H.16.9) 神 戸 大 学 海 事 科 学 部 研 究 者 グループ 代 表 : 井 上 欣 三 教 授 (H.18.4-21.3) 日 本 財 団 助 成 事 業 情 報 共 有 透 析 患 者 の 搬 送 透 析 資 機 材 輸 送 決 定 実 行 支 援 船 派 遣
船 の 機 能 輸 送 機 能 ヒトを 運 ぶ モノを 運 ぶ 国 自 治 体 との 連 携 兵 庫 県 神 戸 市 大 阪 市 大 阪 府 患 者 の 海 上 搬 送 医 療 資 機 材 輸 送 徳 島 県 和 歌 山 県 域 内 共 助 体 制 ( 関 西 圏 プロジェクト)
神 戸 大 学 海 事 科 学 部 附 属 練 習 船 深 江 丸 大 阪 市 広 報 船 夢 咲 神 戸 市 広 報 船 おおわだ2 国 土 交 通 省 近 畿 地 方 整 備 局 神 戸 港 湾 事 務 所, 海 洋 環 境 船 DR. 海 洋 いずみ 国 土 交 通 省 近 畿 地 方 整 備 局 和 歌 山 港 湾 事 務 所, 海 洋 環 境 船 はりま きのかぜ ( 株 )キャプテンライン キャプテンシルバー ほか 同 型 船 2 隻 ( 株 ) 昭 陽 汽 船 誠 陽 丸 ほか12 隻 ( 株 ) 海 上 アクセス うみ シャルマン 支 援 船 隊 の 組 織 化 支 援 船 フリートネットワーク H.20.03 現 在 25 隻
検 証 訓 練 航 海 実 績 H.17. 3.9 深 江 丸 による 検 証 航 海 大 阪 湾 Dr, によるフィジビリティー 調 査 H.17. 7.18-19 19 深 江 丸 による 検 証 航 海 大 阪 Dr, Nrs, Tc,の の 医 療 チームによるフィジビリティー 調 査 H.17.10. 2 深 江 丸 患 者 搬 送 訓 練 深 江 天 保 山 維 持 透 析 患 者 を 対 象 とした 搬 送 訓 練 H.19.3.25 夢 咲 患 者 搬 送 訓 練 天 保 山 関 空 維 持 透 析 患 者 を 対 象 とした 搬 送 訓 練 H.19.12.15 1616 深 江 丸 患 者 搬 送 訓 練 和 歌 山 泉 佐 野 維 持 透 析 患 者 を 対 象 とした 搬 送 訓 練 H.20.3.22 2323 深 江 丸 患 者 搬 送 訓 練 徳 島 港 緊 急 透 析 患 者 を 対 象 とした 搬 送 訓 練
H.23.2.3 ひょうご 安 全 の 日 シンポジウム 主 催 : 兵 庫 県 難 病 連 ( 後 援 : 兵 庫 県 神 戸 市 兵 庫 県 医 師 会 神 戸 市 医 師 会 兵 庫 県 透 析 医 会 兵 庫 県 社 会 福 祉 協 議 会 神 戸 市 社 会 福 祉 協 議 会 等 ) H.23.3.11 東 日 本 大 震 災 ( 地 震 津 波 原 発 )
人 の 目 を 気 にするストレス 生 活 不 十 分 な 医 療 介 護 体 制 肺 炎 や 感 染 症 の 流 行 持 病 の 悪 化 災 害 弱 者 医 療 崩 壊 医 療 現 場 避 難 所 の 現 実 災 害 関 連 死 多 くの 災 害 弱 者 が 劣 悪 な 医 療 介 護 環 境 下 で 生 活 船 の 機 能 生 活 機 能 ヒトを 泊 める 良 好 な 生 活 環 境 医 療 環 境 を 提 供 する 兵 庫 県 透 析 医 会 : 深 江 丸 に 後 方 支 援 要 請 患 者 団 体 : 厚 労 大 臣 にホテルシップ 係 留 要 請 宮 城 県 東 北 大 医 : 石 巻 にホテルシップ 派 遣 要 請 ホテルシップ ドクターシップ ( 運 ぶから 泊 めるへ 船 の 支 援 機 能 拡 大 )
災 害 時 医 療 支 援 船 構 想 新 たな 進 展 ホテルシップ ドクターシップ 検 討 会 第 1 回 検 討 会 2011.07.26 第 2 回 検 討 会 2011.09.28 第 3 回 検 討 会 2011.10.28 特 別 な 装 備 がなくても 船 だからこそできる 支 援 宿 泊 生 活 機 能 の 提 供 良 好 な 医 療 福 祉 環 境 提 供 ( 医 師 / 看 護 師 / 福 祉 介 護 士 / 薬 剤 師 等 )による 支 援 人 の 命 を 救 うための 有 事 即 応 型 医 療 と 海 の 社 会 連 携 域 外 相 互 支 援 が 可 能 な 体 制 づくり 災 害 関 連 死 を 防 ぐため 船 の 自 己 完 結 的 生 活 機 能 を 活 用 し 災 害 弱 者 に 医 療 環 境 福 祉 環 境 を 提 供 被 災 者 の 避 難 生 活 救 護 生 活 の 環 境 改 善 を 図 る 公 助 支 援 のしくみが 必 要 官 ( 自 治 体 国 ) 業 ( 海 運 情 報 ) 医 ( 医 師 患 者 ) 協 働 の 取 り 組 み 近 畿 運 輸 局 神 戸 運 輸 監 理 部 近 畿 地 方 整 備 局 兵 庫 県 神 戸 市 旅 客 船 協 会 東 洋 信 号 通 信 社 透 析 医 会 難 病 連 腎 友 会
次 に 備 えて 災 害 時 に 体 育 館 などの 避 難 所 生 活 が 当 たり 前 である かのような 発 想 を 離 れ 人 の 命 を 救 う 意 識 に 立 脚 し た 船 の 活 用 を 実 現 したいものです それには 災 害 時 支 援 に に 海 を 忘 れていた ということがないよう に そして いざというときに 組 織 間 連 携 が 可 能 と なる 運 用 のしくみを 平 時 から 作 っておく 努 力 を 怠 ってはいけないと 思 います 2011.10.31 神 戸 大 学 名 誉 教 授 ( 大 学 院 海 事 科 学 研 究 科 ) 井 上 欣 三 ご 静 聴 ありがとうございました
参 考 資 料
阪 神 淡 路 大 震 災 における 海 上 からの 支 援 実 績 1 月 緊 急 時 応 急 時 日 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 震 災 日 目 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 生 活 環 境 サービス 緊 急 避 難 宿 泊 所 海 上 支 援 拠 点 (ホテルシップ) 観 光 船 津 名 港 フェリー 尼 崎 港 ほか 炊 き 出 し 入 浴 サービス 青 木 フェリー 埠 頭 救 護 救 難 関 係 者 ホテルシップ : 医 療 団 インフラ 復 旧 作 業 隊 ボランティア 拠 点 緊 急 救 援 人 員 輸 送 緊 急 救 援 物 資 輸 送 臨 時 旅 客 輸 送 ( 港 内 ) 臨 時 旅 客 輸 送 ( 港 外 ) 企 業 チャーター 船 近 郊 より 救 援 人 員 送 り 込 み 九 州 より 電 力 復 旧 隊 九 州 よりガス 復 旧 隊 神 戸 港 7 箇 所 尼 西 芦 屋 港 5ヶ 所 淡 路 姫 路 各 2ヶ 所 自 衛 艦 到 着 物 資 陸 揚 げ 基 地 の 活 用 開 始 大 阪 堺 関 空 洲 本 等 から 給 水 食 料 など 緊 急 物 資 メリケン~ KCAT 等 ( 増 便 ) 定 常 神 戸 ~ 大 阪 等 ( 増 便 ) 定 常 臨 時 チャーター ( 増 便 ) 定 期 チャーター 医 療 救 助 活 動? P1
震 災 の 教 訓 を 活 かす 人 の 命 を 救 う 活 動 の 重 要 性 特 別 な 装 備 がなくても 船 だからこそできること 次 に 備 える 海 にも 道 がある という 意 識 災 害 時 における 海 からの 医 療 支 援 災 害 時 医 療 支 援 船 構 想
透 析 医 療 界 との 連 携 衛 星 通 信 を 利 用 した 海 陸 連 携 支 援 システム を 拠 点 基 地 として 災 害 時 に おける 緊 急 医 療 活 動 を 海 上 から 支 援 患 者 搬 送 医 療 資 機 材 輸 送 ニーズ を 集 約 し 受 入 れ 体 制 を 把 握 して 支 援 船 隊 を 効 率 的 に 配 船 指 揮 船 の 航 行 状 況 をモニタリングして 安 全 に 目 的 の 達 成 を 図 る 近 郊 病 院 の 受 け 入 れ 派 遣 船 指 令 中 枢 基 地 透 析 医 療 支 援 ニーズ 患 者 搬 送 資 機 材 輸 送 神 戸 大 学 海 事 科 学 部 練 習 船 深 江 丸 海 陸 連 携 支 援 システム
災 害 時 医 療 支 援 船 構 想 船 と 医 療 のシステム 連 携 衛 星 携 帯 電 話 透 析 医 療 界 災 害 時 情 報 ネットワーク GPS 携 帯 電 話 海 陸 連 携 支 援 システム 海 上 支 援 船 フリートネットワーク
海 陸 連 携 支 援 システム の 機 能 構 成 ( 災 害 情 報 共 有 意 志 決 定 機 能 ) 日 本 透 析 医 会 ( 災 害 情 報 ネットワーク)の 発 受 情 報 を 傍 受 情 報 発 受 内 容 と 病 院 位 置 を 地 図 上 で 同 定 患 者 搬 送 資 機 材 輸 送 の 海 上 支 援 を 医 療 界 と 協 議 決 定 ( 航 海 計 画 策 定 機 能 ) 支 援 船 の 航 海 経 路 を 設 定 ( 支 援 船 監 視 機 能 ) 支 援 船 にGPS 携 帯 通 信 を 搭 載 航 行 位 置 のリアルタイムモニタリング 情 報 交 換 指 示 指 令 の 伝 達 通 信
週 2~3 回 透 析 治 療 を 受 けな ければ 生 きられない 全 国 で 透 析 患 者 292 万 人 災 害 時 電 気 と 水 の 供 給 が 途 絶 え 病 院 機 能 喪 失 病 院 ご とに100 名 単 位 の 患 者 岩 手 宮 城 福 島 で 透 析 が 必 要 な 患 者 12.300 人 このほか 人 口 心 肺 在 宅 酸 素 糖 尿 病 パーキンソン 氏 病 など 難 病 患 者 災 害 時 には ややもすると 救 護 支 援 の 手 が 後 回 しになりか ねない( 災 害 弱 者 関 連 死 ) 宮 城 県 のケース 県 内 の 透 析 患 者 5 千 人 およそ50の 透 析 施 設 の 半 分 は 施 設 復 旧 せず 不 眠 不 休 の 治 療 体 制 それでも1 時 間 しか 透 析 受 けられず 劣 悪 な 医 療 環 境 劣 悪 な 生 活 環 境 疎 開? それでも 地 元 に 残 りたい 複 雑 な 患 者 感 情
港 頭 加 療 港 頭 での 乗 船 前 トリアージにより 岸 壁 に 残 された 患 者 に 対 する 加 療 を 岸 壁 でできる しくみの 構 築 海 の 世 界 が 医 療 界 と 連 携 し 船 ができる さらなる 支 援 のあり 方 を 探 る
非 被 災 地 港 湾 加 療 施 設 のアッセンブル コンテナ 船 積 み 港 頭 加 療 の 概 念 被 災 地 港 湾 加 療 施 設 の 揚 荷 輸 送