平 成 24 年 6 月 耐 震 改 修 計 画 評 定 審 査 委 員 会 での 留 意 事 項 耐 震 改 修 計 画 評 定 審 査 委 員 会 の 説 明 用 資 料 の 作 成 にあたり これまでの 審 査 委 員 会 での 指 摘 の 多 い 事 項 について 以 下 の 通 りとりまとめましたので 留 意 願 います 1. 対 象 1-1. 耐 震 診 断 耐 震 改 修 計 画 評 定 の 対 象 範 囲 内 と 対 象 範 囲 外 を 明 確 にする( 付 属 建 屋 渡 り 廊 下 等 ) また エキスパンションジョイントが 対 象 範 囲 内 や 対 象 範 囲 内 外 の 境 界 上 にある 場 合 には 地 震 時 の 挙 動 について 記 述 する 1-2. 煙 突 庇 外 部 鉄 骨 階 段 等 の 突 出 部 や 付 属 物 コンクリートブロック 帳 壁 等 が 耐 震 診 断 耐 震 改 修 計 画 評 定 の 対 象 範 囲 と 機 能 上 一 体 となっている 場 合 には それらの 安 全 性 も 原 則 確 認 する 2. 現 地 調 査 2-1. 耐 震 診 断 の 評 定 等 を 受 けている 場 合 で 耐 震 診 断 時 に 行 った 現 地 調 査 の 結 果 を 利 用 して 耐 震 改 修 設 計 をしている 場 合 はその 旨 を 明 記 する ただし 耐 震 改 修 設 計 時 には 診 断 時 より 詳 細 な 調 査 が 必 要 になることに 留 意 する また 耐 震 改 修 設 計 時 に 追 加 調 査 を 行 っている 場 合 はどちらの 調 査 結 果 を 採 用 したか を 明 確 にする さらに 調 査 時 期 が 申 請 時 に 対 して 著 しく 古 い 場 合 には 調 査 結 果 の 適 用 の 妥 当 性 について 検 討 を 加 える 2-2. 現 地 調 査 により 確 認 した 部 材 の 位 置 範 囲 コンクリートコアの 採 取 位 置 等 を 現 地 調 査 位 置 図 により 明 確 にする 2-3.コンクリートのひび 割 れ 図 は 外 壁 のみならず 床 についても 作 成 することが 望 ましい また ひび 割 れ 図 に 調 査 範 囲 を 明 確 にするとともに 詳 細 な 調 査 が 行 われている 場 合 は ひび 割 れ 幅 別 に 明 示 する( 例 えば 外 面 は 0.2mm 内 面 は 0.3mm で 区 別 する) 詳 細 調 査 が 行 われていない 場 合 は 最 大 ひび 割 れ 幅 の 推 定 値 を 記 入 する 2-4. 複 数 の 工 区 に 分 けて 施 工 されている 場 合 は コンクリートの 強 度 試 験 や 中 性 化 試 験 は 建 設 時 期 を 考 慮 し 現 状 建 物 の 強 度 推 定 が 適 正 に 行 えるよう 採 取 位 置 本 数 に 配 慮 する 2-5. 溶 接 ( 特 に 柱 梁 接 合 部 )の 現 状 ( 溶 接 方 法 溶 接 長 サイズ 等 )やリベッ ト 高 力 ボルト 接 合 等 の 現 状 を 確 認 した 上 で 耐 震 診 断 耐 震 改 修 設 計 を 行 う 又 現 状 確 認 の 範 囲 方 法 程 度 を 記 述 する 2-6. レベル 調 査 結 果 は 平 面 図 に 計 測 位 置 とレベル 差 および 最 大 部 材 角 を 記 入 する 他 横 断 図 で 計 測 レベル 差 の 傾 向 を 示 す -1-
3. 設 計 法 3-1. 耐 震 改 修 設 計 を 行 うには 発 注 者 との 協 議 の 元 に 建 物 用 途 や 改 修 後 の 供 用 期 間 を 想 定 し 改 修 方 法 や 改 修 の 程 度 を 選 定 する 3-2. 耐 震 改 修 効 果 の 確 認 には 建 築 物 の 構 造 規 模 崩 壊 形 式 に 応 じて 適 合 する 手 法 を 選 ぶことが 重 要 である その 手 法 には 各 種 の 耐 震 診 断 基 準 の 他 に 建 築 基 準 法 に 基 づいた 構 造 計 算 等 がある 3-3. 耐 震 改 修 設 計 に 対 して 目 標 とする 耐 震 性 能 を 明 確 に 設 定 する ( 耐 震 改 修 設 計 耐 震 改 修 効 果 の 評 価 あるいは 改 修 工 事 等 における 難 易 度 を 考 慮 して 設 計 施 工 係 数 αに 余 裕 をもたせた 数 値 とする) 3-4. 耐 震 診 断 の 評 定 等 を 受 けている 場 合 で 耐 震 診 断 の 診 断 者 と 耐 震 改 修 の 設 計 者 が 異 なる 場 合 や 耐 震 診 断 の 準 拠 基 準 や 使 用 している 計 算 プログラムが 耐 震 改 修 設 計 時 のもの 異 なる 場 合 は 耐 震 改 修 の 設 計 者 は 現 況 の 診 断 を 行 った 上 で 耐 震 改 修 の 効 果 を 確 認 する 3-5. 免 震 制 振 による 耐 震 改 修 設 計 にあたっては 告 示 ( 平 成 12 年 建 設 省 告 示 2009 号 )による 方 法 や 時 刻 歴 地 震 応 答 解 析 等 による 検 証 を 行 う 入 力 地 震 波 にはサイト 波 や 地 盤 特 性 を 反 映 した 模 擬 地 震 波 ( 告 示 波 等 )を 複 数 含 めるこ とが 望 ましい 3-6. 特 殊 工 法 の 採 用 にあっては 実 験 研 究 等 の 資 料 を 添 付 し 設 計 者 として 適 用 の 妥 当 性 を 記 述 する 3-7. 準 拠 基 準 により 構 造 耐 震 判 定 指 標 (Iso)や 構 造 耐 震 指 標 (Is)の 扱 いが 異 なる 場 合 (Iso に 地 域 係 数 を 考 慮 する 場 合 や Is に 地 域 係 数 を 考 慮 する 場 合 な ど)があるので 診 断 方 針 にどの 様 に 扱 っているか 明 記 する 4. 解 析 結 果 4-1.C-F 関 係 図 は 改 修 前 と 改 修 後 を 比 較 しやすいよう 表 示 する 4-2. 構 造 耐 震 指 標 (Is 値 )は 改 修 前 と 改 修 後 を 同 一 の 図 表 に 構 造 耐 震 判 定 指 標 (Iso 値 )と 合 わせて 明 示 する 診 断 時 の Iso 値 が 改 修 設 計 時 と 異 なる 場 合 は 診 断 時 の Iso 値 も 併 記 する 5. 地 盤 5-1. 地 盤 調 査 の 結 果 ( 柱 状 図 液 状 化 判 定 等 )を 添 付 する 5-2. 耐 震 改 修 設 計 においては 地 盤 沈 下 基 礎 および 杭 の 支 持 力 水 平 抵 抗 力 砂 質 地 盤 の 液 状 化 などの 検 討 結 果 ならびに 対 応 方 針 対 策 を 明 記 する 5-3. 耐 震 診 断 においては 地 盤 沈 下 杭 の 水 平 抵 抗 力 砂 質 地 盤 の 液 状 化 や 必 要 に 応 じて 基 礎 や 杭 の 支 持 力 などの 検 討 結 果 ならびに 対 応 方 針 を 明 記 する 6. 基 礎 6-1. 耐 震 改 修 設 計 にあたっては 診 断 次 数 に 関 係 なく 連 層 耐 震 壁 増 設 壁 等 に よる 重 量 増 や 浮 き 上 がりによる 基 礎 への 影 響 を 確 認 する -2-
7. 鉄 筋 コンクリート 造 耐 震 壁 7-1. 補 強 後 の 耐 震 壁 の 耐 力 を 第 2 次 診 断 で 評 価 する 場 合 には せん 断 耐 力 なら びに 周 辺 架 構 の 曲 げ 戻 し 効 果 を 含 む 曲 げ 耐 力 と 回 転 耐 力 のいずれかの 最 小 値 とする 7-2. 耐 震 壁 そで 壁 ブレース 等 により 補 強 する 場 合 応 力 増 大 に 伴 う 周 辺 部 分 ( 柱 梁 基 礎 等 )の 耐 力 の 確 認 を 行 う また 第 2 次 診 断 法 を 使 用 する 場 合 は これらの 補 強 部 位 への 応 力 伝 達 が 確 保 されるように 隣 接 部 材 を 含 めた 崩 壊 機 構 による 補 強 効 果 の 確 認 を 行 なう 7-3. 有 開 口 耐 震 壁 では 開 口 補 強 筋 や 開 口 上 下 部 の 付 帯 ばりの 耐 力 と 破 壊 形 式 ならびに 壁 板 への 付 帯 架 構 からのせん 断 力 伝 達 経 路 も 考 慮 して 耐 震 壁 として の 耐 力 と 靱 性 指 標 を 確 定 する 7-4. 基 礎 梁 に 被 せて1 階 床 として 土 間 コンクリートを 用 いている 部 分 に 耐 震 壁 を 増 設 する 際 には 土 間 コンクリートの 強 度 応 力 伝 達 能 力 を 確 かめて 適 切 に 対 処 する 7-5. 改 修 後 の 耐 震 壁 が 釣 合 の 良 い 配 置 となるよう 偏 心 率 剛 重 比 を 確 認 する 柱 梁 7-6. 柱 に 対 してウォールガーダー 等 の 幅 の 小 さな 梁 が 取 り 付 く 場 合 は 偏 心 接 合 による 捩 れ 応 力 の 影 響 を 考 慮 する コンクリート 7-7.コンクリートの 中 性 化 について 現 地 調 査 の 結 果 より 中 性 化 の 現 状 を 把 握 し 供 用 期 間 中 における 中 性 化 の 進 行 を 予 測 し 構 造 体 への 影 響 についての 所 見 を 明 記 する この 場 合 モルタル 仕 上 げ 部 分 の 中 性 化 深 さは 仕 上 げ 厚 を 含 めて 考 え 中 性 化 の 進 行 を 過 小 評 価 しないようにする ( 検 討 例 は 別 添 を 参 照 ) 7-8.コンクリートのひび 割 れへの 対 応 方 針 対 策 を 明 記 する ひび 割 れ 原 因 にも とづいた 対 応 が 必 要 である あと 施 工 アンカー 7-9.あと 施 工 アンカー 工 法 を 採 用 する 場 合 は 下 記 事 項 を 特 に 明 記 する 1) 既 設 コンクリートの 表 面 が 平 滑 な 場 合 や ペーストやゴミが 附 着 している 場 合 には 打 継 ぎコンクリートとの 付 着 性 を 高 めるため 目 荒 らし( 深 さ5mm 程 度 で 打 継 ぎ 等 面 の 3/4 以 上 ) 等 を 施 す 2) 引 張 試 験 は 1 日 に 施 工 されたものの 各 径 ごとを1ロットとし この 中 から 3 本 行 う 載 荷 荷 重 をアンカー 筋 の 種 別 毎 に 明 記 する 3) 打 音 試 験 は 全 数 に 対 して 行 う 4) 引 張 試 験 および 打 音 試 験 について 不 合 格 に 対 する 処 置 を 明 記 する 7-10.あと 施 工 アンカーは 柱 梁 の 主 筋 鉄 骨 との 納 まり 及 び 施 工 性 について ディテール 図 を 作 成 し 確 認 する -3-
8. 鉄 骨 造 8-1. 屋 根 面 及 び 床 面 の 水 平 ブレースから 鉛 直 構 面 への 力 のスムーズな 伝 達 を 確 認 する 8-2. 柱 梁 ブレースの 交 差 部 において 偏 心 接 合 がある 場 合 には その 影 響 を 考 慮 して 確 実 に 応 力 が 伝 達 できる 事 を 確 認 する 8-3. 改 修 計 画 で 現 場 溶 接 を 行 う 場 合 には 周 辺 部 材 を 含 む 詳 細 図 を 作 成 して 施 工 性 を 確 認 する また 建 築 現 場 では 上 向 き 溶 接 資 格 を 有 する 溶 接 技 能 者 の 確 保 が 難 しく 作 業 環 境 も 悪 いことから 上 向 き 溶 接 は 避 けることが 望 ましい 8-4. 現 地 調 査 において 発 錆 による 断 面 欠 損 が 認 められる 場 合 には 供 用 年 数 を 考 慮 して 要 求 する 耐 震 性 能 への 影 響 が 無 いように 必 要 に 応 じた 対 策 を 示 す 9.その 他 9-1. 耐 震 診 断 の 評 定 等 を 受 けている 場 合 診 断 の 内 容 を 把 握 した 上 で 所 見 の 改 修 計 画 に 対 しての 注 意 や 指 摘 事 項 を 確 認 し 対 処 する 9-2. 平 成 13 年 4 月 に 積 雪 荷 重 が 改 正 されていることから 改 修 計 画 における 積 雪 荷 重 は 地 震 時 の 検 討 には 現 行 の 垂 直 積 雪 量 を 用 いること また 長 期 応 力 の 検 討 も 現 行 の 垂 直 積 雪 量 を 用 いた 検 討 を 行 うことが 望 ましいが 現 行 の 垂 直 積 雪 量 の 採 用 不 採 用 等 は 建 築 基 準 法 その 他 関 係 する 法 令 等 の 取 り 扱 いや 発 注 者 等 からの 要 件 を 基 に 発 注 者 と 協 議 の 上 対 応 を 検 討 することとする 9-3. 総 合 所 見 には 発 注 者 が 耐 震 診 断 耐 震 改 修 設 計 の 内 容 を 理 解 しやすいよう に 建 物 の 耐 震 性 だけではなく 現 地 調 査 結 果 に 基 づく 不 同 沈 下 の 有 無 や 錆 ひび 割 れ 等 の 劣 化 状 況 とその 対 策 コンクリートの 中 性 化 の 現 状 と 今 後 の 進 行 及 びその 影 響 その 他 行 った 検 討 ( 地 盤 の 液 状 化 基 礎 ( 杭 ) 付 属 物 等 の 耐 震 性 )の 結 果 とそれに 対 する 診 断 者 設 計 者 の 所 見 を 簡 潔 にまとめて 明 記 する 9-4. 図 面 が 無 い 場 合 は 現 地 調 査 等 に 基 づき 診 断 改 修 設 計 に 必 要 な 図 面 を 再 製 する 再 製 に 要 した 現 地 調 査 や 参 考 とした 資 料 再 製 の 方 法 を 明 記 する 必 要 な 図 面 を 再 製 できない 場 合 は 評 定 できないものとする 以 上 -4-
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