平 成 27 年 度 第 2 回 マンション 管 理 基 礎 セミナー 大 規 模 耐 震 改 修 工 事 を 経 験 して ~ 管 理 組 合 の 奮 闘 談 ~ 講 師 河 原 町 分 譲 共 同 ビル 管 理 組 合 法 人 理 事 長 神 品 勝 征 2016/2/13( 土 ) 川 崎 市 総 合 福 祉 センタ- 大 会 議 室 (エポックなかはら) 財 団 法 人 川 崎 市 まちづくり 公 社
はじめに 1. 川 崎 河 原 町 分 譲 共 同 ビルとは 2. 河 原 町 分 譲 共 同 ビル 管 理 組 合 法 人 の 概 要 3. 耐 震 改 修 工 事 準 備 段 階 1 初 期 2 中 期 3 後 期 工 事 住 民 説 明 会 資 料 4. 耐 震 改 修 工 事 施 工 中 5. 耐 震 改 修 工 事 による 減 税 等 の 各 種 特 典 について 6. 耐 震 改 修 工 事 の 実 践 ポイント 7. 耐 震 改 修 工 事 記 録 写 真 1
はじめに 平 成 21 年 5 月 の 定 例 総 会 で 耐 震 予 備 診 断 実 施 の 決 議 を 得 て 耐 震 性 能 確 認 の 一 歩 を 軽 い 気 持 ちで 踏 み 出 しました 私 達 のマンションは 県 と 市 が 売 り 出 した 物 件 で 柱 も 非 常 に 大 きく 耐 震 性 能 の 不 足 など 全 く 予 想 していませんでした それよりも 外 壁 等 の 大 規 模 修 繕 工 事 が 延 び 延 びになっていて そちらを 先 に 実 施 しようとしていました 平 成 22 年 5 月 から 10 月 まで 本 診 断 を 行 い その 結 果 一 部 の 棟 の 階 の Is 値 が 0.42 ぐらいで 耐 震 性 能 が 十 分 でないということが 分 かりました 一 方 で 15 号 棟 東 側 など は 耐 震 性 に 問 題 なしと 言 う 結 果 でした その 後 平 成 23 年 3 月 11 日 に 東 日 本 大 震 災 が 発 生 し 建 物 構 造 体 の 被 害 はほとん どありませんでしたが 一 部 で 水 漏 れなどが 起 き 主 だった 理 事 が 約 一 週 間 ほぼ 終 日 管 理 組 合 事 務 所 を 対 策 本 部 として 対 応 にあたりました この 地 震 を 契 機 に 外 壁 工 事 を 一 時 後 回 しにして 耐 震 改 修 工 事 の 先 行 に 方 針 を 切 り 替 えましたが 耐 震 改 修 工 事 に 本 格 的 にかかるにしても 課 題 が 多 く 1 年 ばかり 考 慮 のうえで 実 施 することになりました (1) 資 金 繰 りをどうするか? 耐 震 改 修 工 事 は 特 別 な 臨 時 出 費 として とりあえず 修 繕 積 立 金 を 当 てることにしました が どの 程 度 の 資 金 を 手 当 てすれば 良 いか 皆 目 検 討 がつきませんでした 耐 震 改 修 後 に 引 き 続 き 外 壁 工 事 も 行 わなければならないことを 考 えると 両 方 で 少 なくとも 20 億 円 の 資 金 が 必 要 となります 公 庫 の 融 資 を 念 頭 に すまい る 債 を 毎 年 1,000 万 円 購 入 することと 修 繕 積 立 金 を 一 戸 あたり 3,000 円 値 上 げをして 何 とか 耐 震 改 修 費 用 と 続 く 外 壁 工 事 の 資 金 を 確 保 できる 目 途 がつきました 川 崎 市 の 助 成 金 も 当 初 の 想 定 から 1 億 円 程 度 増 えた 結 果 になりました 河 原 町 団 地 の 敷 地 は 工 場 跡 地 なので 放 置 されていた 地 中 障 害 物 や 汚 染 土 の 撤 去 処 分 には 費 用 面 も 含 めて 苦 労 させられました 耐 震 補 強 用 の 杭 を 支 持 層 まで 37 ~38m 打 ち 込 むため 地 中 障 害 物 があれば 基 礎 の 設 計 変 更 等 で 大 変 なことになると ころでした (2) 住 みながら 施 工 するため 騒 音 と 埃 に 一 年 間 耐 えられるか? 思 っていたほど 住 民 からの 苦 情 はなく 高 齢 化 のせいか 暇 な 方 も 多 く 上 階 から 中 庭 の 工 事 現 場 を 毎 日 監 督 (?)してくれて 作 業 員 の 方 の 励 みにもなっていたようです 工 事 中 は 常 時 100 人 ぐらいの 作 業 員 が 従 事 していました (3)このような 未 経 験 で 大 規 模 な 工 事 を 管 理 組 合 が 対 応 して 運 営 できるのか? ここ 10 年 大 きな 工 事 を 続 けて 実 施 してきましたので 大 規 模 修 繕 委 員 や 理 事 たちは 相 当 レベルアップしています 当 管 理 組 合 の 特 徴 は 1 多 くの 推 薦 理 事 がべテランの 専 門 的 集 団 であること 2その 理 事 たちが 10 年 から 20 年 の 長 期 間 連 続 して 従 事 してくれていること 3ベテラン 理 事 たちが 独 善 的 にならない 自 浄 力 のある 誠 実 な 組 織 に 育 っていること 今 回 の 工 事 でも 自 分 たちのマンションだから 自 分 たちでやるしかない というような 多 く の 協 力 的 な 住 民 が 管 理 組 合 の 運 営 を 効 果 的 に 支 えてくれました 今 回 の 工 事 において 工 事 関 係 者 はもとより 地 域 社 会 の 皆 様 のご 協 力 に 対 し 心 より 感 謝 いたしております 2
1. 川 崎 河 原 町 分 譲 共 同 ビルとは 河 原 町 団 地 は 神 奈 川 県 と 川 崎 市 が 10 年 がかりの 構 想 のもとに 昭 和 47 年 頃 から 昭 和 50 年 10 月 にかけて 建 設 した 建 築 としても 有 名 な 高 層 集 合 住 宅 です 川 崎 河 原 町 分 譲 共 同 ビルは 河 原 町 団 地 (3,600 戸 )の 13 14 15 号 棟 に 該 当 します 昭 和 50 年 10 月 1 日 に 竣 工 した 13 14 号 棟 は 14 階 建 て 東 西 各 2 棟 15 号 棟 は 12 階 建 て 東 西 2 棟 の 合 計 6 棟 で 構 成 され 1 階 にスーパーマーケット 銀 行 郵 便 局 等 の 商 店 があります 南 西 ゲートから 見 た 15 14 13 号 棟 ( 現 在 実 施 中 の 外 壁 等 修 繕 工 事 の 完 成 予 想 図 ) 西 側 から 見 た 13,14,15 号 棟 ( 完 成 予 想 図 ) 3
2. 河 原 町 分 譲 共 同 ビル 管 理 組 合 法 人 の 概 要 1 構 成 員 : 住 戸 693 戸 と 1 階 商 店 会 26 店 舗 2 管 理 形 態 : 自 主 管 理 3 総 会 : 毎 年 5 月 第 3 日 曜 日 午 前 9 時 より ( 質 疑 応 答 を 含 み 2 時 間 以 内 で 終 了 議 長 は 当 日 会 場 において 選 任 標 準 管 理 規 約 では 理 事 長 が 議 長 となるようになっているが 当 管 理 組 合 では 説 明 や 提 案 にまわる ) 4 定 例 理 事 会 : 毎 月 第 3 土 曜 日 19 時 30 分 ~ 5 理 事 36 名 と 監 事 2 名 理 事 長 副 理 事 長 ( 会 計 長 兼 任 ) 副 理 事 長 ( 営 繕 長 兼 任 ) 副 理 事 長 ( 防 犯 長 兼 任 ) 会 計 2 名 総 務 部 5 名 営 繕 部 7 名 広 報 部 5 名 防 犯 部 6 名 衛 生 部 8 名 監 事 2 名 理 事 は 推 薦 理 事 16 名 以 内 と 輪 番 理 事 20 名 で 構 成 され 任 期 2 年 で 推 薦 理 事 は 再 任 可 能 推 薦 理 事 が 専 門 化 して 10 年 20 年 以 上 と 長 期 にわたりボランテイアで 誠 実 に 奉 仕 し てくれるため 管 理 組 合 の 信 用 も 厚 くなり ここ 10 年 大 掛 かりな 工 事 を 次 々と 実 施 してき ました 6 業 務 運 営 会 ( 管 理 組 合 三 役 と 部 長 により 構 成 毎 月 第 1 土 曜 日 9 時 30 分 ~) 7 委 員 会 が 複 数 ありますが 耐 震 改 修 工 事 は 大 規 模 修 繕 委 員 会 が 担 当 委 員 長 は 理 事 長 副 委 員 長 は 副 理 事 長 であり 一 般 公 募 を 含 めて 18 名 8 三 者 会 ( 管 理 組 合 自 治 会 商 店 会 役 員 により 構 成 される 団 地 内 の 意 見 交 換 会 ) 建 物 内 で 起 きていることを 情 報 共 有 し その 対 応 等 の 意 見 交 換 と 各 々の 行 事 の 報 告 等 を 行 います 当 団 地 の 中 には 7 つの 自 治 会 があり 河 原 町 自 治 会 連 絡 協 議 会 を 結 成 し て 団 地 内 3,600 戸 の 住 民 の 生 活 環 境 維 持 向 上 に 寄 与 しています 団 地 全 体 の 夏 祭 り は 毎 年 8 月 第 1 週 の 土 曜 日 日 曜 日 に 行 われ 近 隣 からも 大 勢 の 来 客 があります 9 管 理 組 合 事 務 所 職 員 管 理 人 : 男 性 1 名 事 務 員 : 女 性 1 名 ( 河 原 町 団 地 外 の 人 を 雇 用 ) 10 顧 問 弁 護 士 1 名 と 税 理 士 1 名 11 何 故 法 人 化 したのか マンション 内 の 通 路 の 一 部 に 神 奈 川 県 と 川 崎 市 の 共 有 地 があり そこに 耐 震 補 強 用 の 杭 と 耐 震 壁 を 設 置 するため その 部 分 の 土 地 を 買 い 取 る 必 要 が 生 じました そのために 管 理 組 合 を 法 人 化 臨 時 総 会 を 経 て 平 成 25 年 11 月 11 日 に 設 立 登 記 しました 4
3. 耐 震 改 修 工 事 準 備 段 階 1 初 期 耐 震 改 修 工 事 への 取 り 組 み 平 成 21 年 に 耐 震 予 備 診 断 を 始 めた 当 時 は 私 達 のマンションは 県 市 による 分 譲 な ので 柱 も 大 きくて 丈 夫 だから 耐 震 補 強 が 必 要 になるとは 考 えてもいませんでした むしろ 平 成 20 年 に 行 った 共 用 排 水 管 改 修 工 事 により 先 延 ばしになっていた 外 壁 等 の 大 規 模 修 繕 を 先 に 実 施 する 方 向 で 進 んでいました 翌 平 成 22 年 の 耐 震 本 診 断 によって 当 建 物 の 耐 震 性 能 が 不 足 していることが 判 明 しま し 大 規 模 修 繕 委 員 会 や 理 事 会 で 討 論 の 末 外 壁 改 修 よりも 耐 震 改 修 工 事 を 先 に 行 う 方 針 に 切 り 替 えました 東 日 本 大 震 災 を 目 の 当 たりにして 生 命 を 守 ることを 優 先 し 耐 震 改 修 工 事 を 早 急 に 実 施 することで 全 員 が 一 致 しました しかし 住 み 続 けながらこの 工 事 を 行 うことができるか 同 じ 団 地 内 の 市 営 棟 の 耐 震 改 修 工 事 で 見 聞 きしていたコンクリートを はつる すさましい 音 に 耐 えられるか 心 配 でした 一 番 の 悩 みは 耐 震 改 修 工 事 というのは 全 く 未 知 の 世 界 であり 一 応 予 算 を 組 んでみた ものの 工 事 中 に 予 期 せぬ 問 題 が 発 生 した 場 合 にどれくらい 工 事 費 が 増 えるのか 見 当 もつかないということでした 更 にこ 耐 震 改 修 工 事 が 終 ったらすぐに 外 壁 等 大 規 模 修 繕 工 事 の 計 画 を 再 開 すること になりますが 両 方 の 工 事 で 合 計 20 億 円 を 超 える 資 金 必 要 となります この 資 金 を 安 全 に 確 保 できる 見 通 しがつかない 限 りこの 工 事 に 進 めないことでした 資 金 計 画 につきましては はじめに にありますように 修 繕 積 立 金 に 加 えて 助 成 金 と 公 庫 の 融 資 により 目 途 がつき ようやく 耐 震 改 修 工 事 計 画 を 本 格 的 にスタートすることがで きました 耐 震 予 備 診 断 平 成 21 年 定 期 総 会 で 予 備 診 断 実 施 決 議 予 備 診 断 費 用 472,000 円 に 対 して 助 成 金 300,000 円 予 備 診 断 業 務 とはどのようなことをするのか 予 備 調 査 1 予 備 現 地 調 査 2 既 存 設 計 図 書 の 確 認 現 地 調 査 1 現 地 調 査 2 使 用 履 歴 被 災 履 歴 確 認 3 外 観 形 状 の 確 認 4 平 面 形 状 の 確 認 5 耐 震 劣 化 の 確 認 耐 震 診 断 河 原 町 分 譲 共 同 ビル 管 理 組 合 法 人 の 業 者 等 選 定 の 方 法 をまず 紹 介 します 平 成 21 年 に 耐 震 予 備 診 断 をとりあえずやってみようと 軽 い 気 持 ちではじめましたが その 結 果 本 診 断 を 始 めることになりました 本 診 断 を 依 頼 する 診 断 会 社 を 選 定 するため 耐 震 準 備 委 員 会 を 発 足 させました 耐 震 準 備 委 員 会 で 11 社 を 選 定 して 見 積 依 頼 し そのうちの 4 社 に 個 別 ヒアリングを 行 い 1 社 を 決 定 しました 多 くの 中 から 1 社 を 選 ぶのは 非 常 につらいところですが 意 見 が 割 れた 場 合 は 多 数 5
決 で 結 論 を 出 します 耐 震 準 備 委 員 会 の 結 果 は その 月 の 定 例 理 事 会 に 報 告 して 承 認 を 受 けました 診 断 会 社 が 決 まったら 調 査 診 断 方 法 作 業 日 程 等 に 関 する 住 民 説 明 会 を 土 日 の 2 日 間 行 いました 平 成 22 年 4 月 17 日 : 耐 震 診 断 会 社 ( 設 計 事 務 所 )を 決 定 平 成 22 年 5 月 ~10 月 : 耐 震 診 断 調 査 耐 震 診 断 本 業 務 とはどのようなことをするのか 事 前 打 ち 合 わせ 1 耐 震 診 断 方 法 の 説 明 2 診 断 業 務 工 程 の 説 明 構 造 調 査 1 構 造 寸 法 部 材 断 面 調 査 2コンクリート 圧 縮 強 度 調 査 及 び 中 性 化 試 験 3ひび 割 れ 水 平 レベル 差 等 目 視 調 査 4 経 年 劣 化 指 標 の 算 出 耐 震 診 断 計 算 業 務 1 診 断 図 面 作 成 2 構 造 耐 震 断 指 標 (Is 値 )の 算 出 3 構 造 耐 震 判 定 指 標 (Iso)の 算 出 報 告 書 作 成 1 構 造 調 査 報 告 書 2 各 種 試 験 結 果 報 告 書 3 耐 震 診 断 結 果 報 告 書 4 耐 震 結 果 報 告 書 5 管 理 組 合 に 対 する 説 明 : 平 成 23 年 2 月 9 日 耐 震 診 断 判 定 委 員 会 平 成 23 年 2 月 :すまい る 債 1,000 万 円 購 入 毎 年 1,000 万 円 口 10 年 平 成 23 年 3 月 11 日 : 東 日 本 大 震 災 が 発 生 外 壁 等 大 規 模 修 繕 計 画 中 断 平 成 23 年 4 月 2 日 : 耐 震 診 断 住 民 説 明 会 平 成 23 年 5 月 5 日 : 耐 震 診 断 結 果 報 告 平 成 23 年 5 月 22 日 : 定 期 総 会 平 成 23 年 6 月 より 修 繕 積 立 金 を 戸 あたり 3,000 円 値 上 げ 2 中 期 全 体 スケジュールを 次 のように 定 め 耐 震 改 修 工 事 の 着 工 までに 5 回 の 住 民 説 明 会 を 行 いました 平 成 24 年 度 : 基 本 計 画 策 定 平 成 25 年 度 : 耐 震 補 強 設 計 平 成 26 年 度 : 耐 震 改 修 工 事 6
今 回 の 工 事 は 旧 耐 震 建 物 の 耐 震 改 修 としては 国 内 最 大 規 模 となるため スーパーゼ ネコン 6 社 に 声 をかけて 補 強 設 計 と 施 工 を 一 括 で 発 注 しました 平 成 23 年 10 月 29 日 : 耐 震 改 修 工 事 施 工 会 社 選 定 開 始 平 成 23 年 12 月 4 日 : 第 1 回 耐 震 改 修 工 事 住 民 説 明 会 平 成 24 年 2 月 26 日 : 第 2 回 耐 震 改 修 工 事 住 民 説 明 会 平 成 24 年 3 月 25 日 : 臨 時 総 会 設 計 施 工 会 社 選 定 結 果 を 承 認 平 成 24 年 5 月 27 日 : 定 期 総 会 3 後 期 平 成 22 年 ~23 年 に 行 った 耐 震 診 断 は 1981 年 度 版 耐 震 基 準 ( 鉄 骨 鉄 筋 コンクリー ト 造 )に 基 づいていましたが 新 しい 2009 年 度 版 耐 震 基 準 で 再 診 断 を 行 った 結 果 1981 年 版 では 問 題 なかった 15 号 棟 東 側 も 耐 震 性 能 が 不 足 していました そのため 平 成 24 年 9 月 から 1 年 をかけて 設 計 施 工 会 社 が 2009 年 度 版 耐 震 基 準 による 補 強 設 計 を 行 い 補 強 計 画 工 事 金 額 を 見 直 しました 平 成 25 年 3 月 24 日 : 第 3 回 耐 震 改 修 工 事 住 民 説 明 会 平 成 25 年 5 月 26 日 : 定 期 総 会 川 崎 市 の 助 成 金 交 付 申 請 のため 総 会 の 承 認 が 必 要 第 5 号 議 案 として 川 崎 河 原 町 分 譲 共 同 ビル 耐 震 改 修 工 事 等 の 全 体 計 画 ( 案 ) 全 事 業 計 画 書 及 び 事 業 概 算 額 平 成 25 年 8 月 25 日 : 第 4 回 耐 震 改 修 工 事 住 民 説 明 会 平 成 25 年 11 月 4 日 : 管 理 組 合 法 人 化 に 関 する 臨 時 総 会 平 成 25 年 11 月 11 日 : 法 人 成 立 平 成 26 年 3 月 23 日 : 工 事 費 見 積 額 の 増 額 建 設 コスト 高 騰 による 値 上 げ 設 計 施 工 会 社 から 1.36 億 円 の 増 額 要 求 あり 減 額 交 渉 の 結 果 約 6,800 万 円 増 額 で 合 意 平 成 26 年 5 月 25 日 : 定 期 総 会 平 成 26 年 6 月 8 日 : 第 5 回 耐 震 改 修 工 事 住 民 説 明 会 7
平 成 25 年 8 月 25 日 第 4 回 住 民 説 明 会 資 料 ( 抜 粋 ) T 8
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4. 耐 震 改 修 工 事 施 工 中 着 工 後 は 毎 月 第 2 第 4 土 曜 日 の 午 前 8 時 半 から 12 時 頃 まで 大 規 模 修 繕 委 員 設 計 施 工 者 監 理 者 の 合 計 20~30 名 で 定 例 打 合 せ 会 議 を 行 いました それ 以 外 の 日 常 の 緊 急 のことは 理 事 長 と 現 場 監 督 でほぼ 毎 日 連 絡 を 取 り 合 っており 工 事 が 始 まって む しろ 気 分 的 には 楽 になりました 住 民 は ものすごい 音 にも 耐 えて 中 庭 に 杭 を 打 ち 込 んだ りするのを 階 上 から 毎 日 見 学 して 楽 しんでいたようです 長 さ 37~40m のコンクリート 製 の 杭 を 24 本 打 ち 込 み その 上 に 基 礎 ができ 赤 いパイプの 鉄 骨 柱 が 頭 を 出 したときは や ったな と 言 う 気 持 ちになりました しかし 建 物 本 体 と 耐 震 補 強 フレームの 横 つなぎ( 既 存 床 版 下 躯 体 打 設 による 一 体 化 ) のためコンクリートの はつり 騒 音 には 閉 口 して 家 にいたたまれず 駅 近 くのショッピングセ ンターなどに 逃 げ 出 しました 鉄 骨 ブレースが 14 階 まで 伸 びてきたとき 住 民 の 間 では とうとう 出 来 てきましたね とい うのが 挨 拶 がわりでした 平 成 26 年 7 月 1 日 : 耐 震 改 修 工 事 着 工 工 事 車 両 ゲートの 件 で 近 隣 町 会 と 予 期 せぬトラブル 平 成 26 年 7 月 26 日 : 安 全 祈 願 祭 平 成 26 年 8 月 24 日 : 臨 時 総 会 住 宅 金 融 支 援 機 構 より 借 入 れの 件 平 成 26 年 9 月 10 日 : 融 資 希 望 額 認 定 書 受 領 平 成 27 年 1 月 18 日 : 耐 震 工 事 現 場 住 民 見 学 会 平 成 27 年 1 月 30 日 : 川 崎 市 内 中 学 生 職 業 体 験 で 工 事 現 場 見 学 平 成 27 年 2 月 15 日 : 耐 震 工 事 現 場 一 般 見 学 会 1 組 2 組 3 組 と 分 けて 見 学 3 組 は 第 一 線 の 建 築 専 門 家 等 が 100 名 以 上 参 加 平 成 27 年 2 月 25 日 : 地 中 障 害 物 除 去 費 用 等 について 賠 償 要 求 平 成 27 年 5 月 24 日 : 定 期 総 会 平 成 27 年 7 月 31 日 : 耐 震 改 修 工 事 竣 工 竣 工 後 もも 清 掃 員 詰 所 物 置 倉 庫 の 移 設 等 で 実 際 に 工 事 が 完 全 に 終 ったのは 8 月 31 日 となりました 12
5. 耐 震 改 修 工 事 による 減 税 等 の 各 種 特 典 について 耐 震 改 修 促 進 法 に 基 づく 耐 震 改 修 計 画 の 認 定 手 続 きを 行 うことにより 1 工 事 に 関 する 様 々な 緩 和 が 可 能 建 築 確 認 の 手 続 きが 不 要 建 築 基 準 法 の 既 存 不 適 格 建 築 物 に 係 わる 制 限 の 緩 和 耐 火 建 築 物 に 係 わる 制 限 の 緩 和 2 助 成 金 等 の 地 方 公 共 団 体 の 補 助 制 度 融 資 制 度 等 の 利 用 が 可 能 今 回 川 崎 市 の 助 成 金 を 受 けながら 工 事 を 行 いましたから 指 示 に 従 い 一 年 一 年 手 順 ど おり 行 いました 助 成 金 の 額 は 約 2 億 円 です もし この 助 成 がなければなかなか 工 事 はできませんでした これは 時 限 立 法 ですから いつまで 続 くかはわかりません 3 固 定 資 産 税 の 減 税 自 己 所 有 建 物 の 固 定 資 産 税 が 翌 年 半 額 になります 4 所 得 税 の 減 税 住 宅 耐 震 改 修 により 所 得 税 が 減 税 されます 税 額 控 除 ですから 大 きな 特 典 です 13
6. 耐 震 改 修 工 事 の 実 践 ポイント (1) 今 回 工 事 のポイント コンサルタント( 設 計 事 務 所 )は 行 政 との 交 渉 力 重 視 で 選 定 耐 震 診 断 は 誰 がやっても 結 果 は 同 じはず 助 成 金 や 耐 震 判 定 等 の 各 種 申 請 業 務 が 重 要 結 果 的 に 地 元 密 着 の 市 内 の 事 務 所 を 選 定 設 計 施 工 を 一 括 して 発 注 [ 助 成 金 手 続 き 上 も OK でした] 補 強 の 考 え 方 は 千 差 万 別 技 術 力 が 物 を 言 う 耐 震 診 断 結 果 に 基 づき 自 由 な 提 案 を 求 める 一 定 以 上 の 技 術 力 と 実 績 を 有 するゼネコンを 指 名 設 計 施 工 会 社 (ゼネコン)は 総 合 的 な 技 術 力 で 選 定 専 有 部 分 の 工 事 が 極 力 発 生 しない 補 強 方 法 を 評 価 工 事 中 の 住 民 生 活 への 配 慮 も 重 視 生 活 動 線 安 全 確 保 等 補 強 後 の 美 観 も 大 切 工 事 費 ( 見 積 金 額 )も 重 要 だが それだけでは 決 めない 近 隣 対 応 は 管 理 組 合 主 体 で 行 う 施 工 者 任 せはトラブルの 元 工 事 車 両 の 出 入 り(ゲート 位 置 時 間 等 )に 注 意 工 事 中 の 総 合 定 例 会 議 に 大 規 模 修 繕 委 員 が 出 席 毎 月 第 2 第 4 土 曜 日 午 前 中 に 開 催 工 程 進 捗 状 況 を 確 認 懸 案 事 項 は 追 記 式 リストにして 解 決 するまで 毎 回 確 認 工 事 費 の 増 減 も 追 記 式 リストにして 毎 回 確 認 住 民 近 隣 対 応 (クレーム 等 )の 報 告 予 期 せぬ 工 事 費 増 額 土 壌 汚 染 地 中 障 害 物 含 有 アスベスト 労 務 費 等 高 騰 工 事 費 削 減 の 努 力 管 理 組 合 会 議 室 を 施 工 会 社 の 現 場 事 務 所 として 貸 与 賃 料 無 料 光 熱 費 実 費 精 算 で 工 事 経 費 を 削 減 駐 輪 場 の 仮 移 転 等 は 管 理 組 合 が 直 接 発 注 して 実 施 14
(2) 耐 震 改 修 工 事 の 実 施 体 制 (3) 設 計 施 工 会 社 選 定 経 過 15
(4) 工 事 中 の 総 合 定 例 会 議 開 催 日 時 毎 月 第 2 第 4 土 曜 日 午 前 8 時 30 分 から 2~3 時 間 程 度 出 席 者 管 理 組 合 大 規 模 修 繕 委 員 :10~15 名 川 崎 市 住 宅 供 給 公 社 ( 区 分 所 有 者 ):1~2 名 1 階 スーパーマーケット( 区 分 所 有 者 ): 1~2 名 工 事 監 理 者 (コンサルタントの 設 計 事 務 所 ):2~3 名 設 計 者 (ゼネコンの 設 計 担 当 者 ):1~2 名 ( 意 匠 構 造 ) 施 工 者 (ゼネコンの 施 工 担 当 者 ):7~10 名 ( 建 築 設 備 他 ) 議 題 1. 前 回 議 事 録 の 確 認 2. 月 間 工 程 週 間 工 程 の 報 告 ( 施 工 担 当 者 ) 1 工 事 工 程 表 2 進 捗 状 況 写 真 3. 建 築 主 からの 連 絡 協 議 事 項 ( 管 理 組 合 ) 4.コンサルタント 監 理 からの 連 絡 協 議 事 項 ( 設 計 事 務 所 ) 5. 設 計 からの 連 絡 協 議 事 項 ( 設 計 担 当 者 ) 6. 施 工 からの 連 絡 協 議 事 項 ( 施 工 担 当 者 ) 1 建 築 関 連 事 項 2 設 備 関 連 事 項 3 懸 案 事 項 の 確 認 4 工 事 費 増 減 状 況 の 確 認 5クレーム 対 応 報 告 ( 前 回 総 合 定 例 以 降 分 ) 7.その 他 16
懸 案 事 項 リストの 例 17
工 事 費 増 減 リストの 例 18
住 民 近 隣 対 応 記 録 の 例 19
7. 耐 震 改 修 工 事 記 録 写 真 工 事 着 工 : 交 通 規 制 仮 囲 い 等 地 中 障 害 物 撤 去 杭 施 工 ( 場 所 打 ちコンクリート 杭 ) 20
掘 削 基 礎 スラブ 補 強 工 事 上 空 通 路 取 付 部 補 強 21
補 強 壁 補 強 鉄 骨 22
13 号 棟 14 号 棟 15 号 棟 23