新型コロナウイルス感染症に係る労災補償について 新型コロナウイルス感染症の労災補償における取扱いについて 令和 2 年 4 月 28 日付けで地方労働局に対して通達を発出し 同 感染症の特性にかんがみた適切な対応を指示した Q&A について 労働者及び企業それぞれに向けて 上記通達に関係する内容の Q&A を厚労省 HP に掲載し 周知を図った
1 0 年保存 機密性 1 令和 3 年 4 月 1 日から令和 13 年 3 月 31 日まで 基補発 0428 第 1 号令和 2 年 4 月 28 日 都道府県労働局労働基準部長殿 厚生労働省労働基準局補償課長 新型コロナウイルス感染症の労災補償における取扱いについて 新型コロナウイルス感染症 ( 以下 本感染症 という ) に係る労災補償業務における留意点については 令和 2 年 2 月 3 日付け基補発 0203 第 1 号で通知しているところであるが 今般 本感染症の労災補償について 下記のとおり取り扱うこととしたので 本感染症に係る労災保険給付の請求や相談があった場合には これを踏まえて適切に対応されたい 記 1 労災補償の考え方について本感染症については 従来からの業務起因性の考え方に基づき 労働基準法施行規則別表 ( 以下 別表 という ) 第 1 の 2 第 6 号 1 又は 5 に該当するものについて 労災保険給付の対象となるものであるが その判断に際しては 本感染症の現時点における感染状況と 症状がなくとも感染を拡大させるリスクがあるという本感染症の特性にかんがみた適切な対応が必要となる このため 当分の間 別表第 1 の 2 第 6 号 5 の運用については 調査により感染経路が特定されなくとも 業務により感染した蓋然性が高く 業務に起因したものと認められる場合には これに該当するものとして 労災保険給付の対象とすること 2 具体的な取扱いについて (1) 国内の場合ア医療従事者等患者の診療若しくは看護の業務又は介護の業務等に従事する医師 看護師 介護従事者等が新型コロナウイルスに感染した場合には 業務外で感染したことが明らかである場合を除き 原則として労災保険給付の対象となること イ医療従事者等以外の労働者であって感染経路が特定されたもの感染源が業務に内在していたことが明らかに認められる場合には 労災保険給付の対象となること
ウ医療従事者等以外の労働者であって上記イ以外のもの調査により感染経路が特定されない場合であっても 感染リスクが相対的に高いと考えられる次のような労働環境下での業務に従事していた労働者が感染したときには 業務により感染した蓋然性が高く 業務に起因したものと認められるか否かを 個々の事案に即して適切に判断すること この際 新型コロナウイルスの潜伏期間内の業務従事状況 一般生活状況等を調査した上で 医学専門家の意見も踏まえて判断すること ( ア ) 複数 ( 請求人を含む ) の感染者が確認された労働環境下での業務 ( イ ) 顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務 (2) 国外の場合ア海外出張労働者海外出張労働者については 出張先国が多数の本感染症の発生国であるとして 明らかに高い感染リスクを有すると客観的に認められる場合には 出張業務に内在する危険が具現化したものか否かを 個々の事案に即して判断すること イ海外派遣特別加入者海外派遣特別加入者については 国内労働者に準じて判断すること 3 労災保険給付に係る相談等の取扱いについて (1) 本件に係る相談等があった場合には 上記 1 の考え方に基づき 上記 2 の具体的な取扱い等を懇切丁寧に説明するとともに 労災保険給付の対象となるか否かの判断は 請求書が提出された後に行うものであることを併せて説明すること なお 請求書の提出があった場合には 迅速 適正な処理を行うこと (2) 本件に係る労災保険給付の請求又は相談があった場合には 引き続き 速やかに補 504 により当課業務係に報告するとともに 当該請求に対して支給 不支給の決定を行う際には 当分の間 事前に当課職業病認定対策室職業病認定業務第一係に協議すること
新型コロナウイルスに関する Q&A( 労働者の方向け ) 抜粋 5 労災補償 ( 令和 2 年 5 月 12 日時点版 ) 問 1) 労働者が新型コロナウイルスに感染した場合 労災保険給付の対象となりますか 答 1) 業務に起因して感染したものであると認められる場合には 労災保険給付の対象となります 請求の手続等については 事業場を管轄する労働基準監督署にご相談ください 労働局 労働基準監督署一覧 ( 参考 ) 新型コロナウイルス感染症に関する労災請求件数等 https://www.mhlw.go.jp/content/000627234.pdf 問 2) 医師 看護師などの医療従事者や介護従事者が 新型コロナウイルスに感染した場合の取扱いはどのようになりますか 答 2) 患者の診療若しくは看護の業務又は介護の業務等に従事する医師 看護師 介護従事者等が新型コロナウイルスに感染した場合には 業務外で感染したことが明らかである場合を除き 原則として労災保険給付の対象となります 問 3) 医療従事者や介護従事者以外の労働者が 新型コロナウイルスに感染した場合の取扱いはどのようになりますか 答 3) 新型コロナウイルス感染症についても 他の疾病と同様 個別の事案ごとに業務の実情を調査の上 業務との関連性 ( 業務起因性 ) が認められる場合には 労災保険給付の対象となります 感染経路が判明し 感染が業務によるものである場合については 労災保険給付の対象となります 感染経路が判明しない場合であっても 労働基準監督署において 個別の事案ごとに調査し 労災保険給付の対象となるか否かを判断することとなります 問 4) 感染経路が判明しない場合 どのように判断するのですか 答 4) 感染経路が判明しない場合であっても 感染リスクが高いと考えられる次のような業務に従事していた場合は 潜伏期間内の業務従事状況や一般生活状況を調査し 個別に業務との関連性 ( 業務起因性 ) を判断します ( 例 1) 複数の感染者が確認された労働環境下での業務 ( 例 2) 顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務 問 5) 複数の感染者が確認された労働環境下 とは 具体的にどのようなケースを想定しているの 1
でしょうか 答 5) 請求人を含め 2 人以上の感染が確認された場合をいい 請求人以外の他の労働者が感染している場合のほか 例えば 施設利用者が感染している場合等を想定しています なお 同一事業場内で 複数の労働者の感染があっても お互いに近接や接触の機会がなく 業務での関係もないような場合は これに当たらないと考えられます 問 6) 顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務 として想定しているのは どのよ うな業務でしょうか 答 6) 小売業の販売業務 バス タクシー等の運送業務 育児サービス業務等を想定しています 問 7) 上記答 4の ( 例 1) ( 例 2) 以外で示した業務以外の業務は 対象とならないのでしょうか 答 7) 他の業務でも 感染リスクが高いと考えられる労働環境下の業務に従事していた場合には 潜伏期間内の業務従事状況や一般生活状況を調査し 個別に業務との関連性 ( 業務起因性 ) を判断します 問 8) 新型コロナウイルスに感染した場合 請求手続について事業主の援助を受けることはできますか 答 8) 請求人がみずから保険給付の手続を行うことが困難である場合 事業主が助力しなければならないこととなっており 具体的には 請求書の作成等への助力規定などがありますので 事業主に相談をしてください なお 事業主による助力については 労働者災害補償保険法施行規則第 23 条で規定されています 労働者災害補償保険法施行規則第 23 条 ( 抄 ) 1 保険給付を受けるべき者が 事故のため みずから保険給付の請求その他の手続を行うことが困難である場合には 事業主は その手続を行うことができるように助力しなければならない ( 略 ) 詳しくは 事業場を管轄する労働基準監督署にご相談ください 労働局 労働基準監督署一覧 ( 参考 ) 新型コロナウイルス感染症の労災補償における取扱いについて ( 通達 ) https://www.mhlw.go.jp/content/000626126.pdf 2
新型コロナウイルスに関する Q&A( 企業の方向け ) 抜粋 7 労災補償 ( 令和 2 年 5 月 19 日時点版 ) 問 1) 労働者が新型コロナウイルスに感染した場合 労災保険給付の対象となりますか 答 1) 業務に起因して感染したものであると認められる場合には 労災保険給付の対象となります 請求の手続等については 事業場を管轄する労働基準監督署にご相談ください労働局 労働基準監督署一覧 ( 参考 ) 新型コロナウイルス感染症に関する労災請求件数等 https://www.mhlw.go.jp/content/000627234.pdf 問 2) 医師 看護師などの医療従事者や介護従事者が 新型コロナウイルスに感染した場合の取扱いはどのようになりますか 答 2) 患者の診療若しくは看護の業務又は介護の業務等に従事する医師 看護師 介護従事者等が新型コロナウイルスに感染した場合には 業務外で感染したことが明らかである場合を除き 原則として労災保険給付の対象となります 問 3) 医療従事者や介護従事者以外の労働者が 新型コロナウイルスに感染した場合の取扱いはどのようになりますか 答 3) 新型コロナウイルス感染症についても 他の疾病と同様 個別の事案ごとに業務の実情を調査の上 業務との関連性 ( 業務起因性 ) が認められる場合には 労災保険給付の対象となります 感染経路が判明し 感染が業務によるものである場合については 労災保険給付の対象となります 感染経路が判明しない場合であっても 労働基準監督署において 個別の事案ごとに調査し 労災保険給付の対象となるか否かを判断することとなります 問 4) 感染経路が判明しない場合 どのように判断するのですか 答 4) 感染経路が判明しない場合であっても 感染リスクが高いと考えられる次のような業務に従事していた場合は 潜伏期間内の業務従事状況や一般生活状況を調査し 個別に業務との関連性 ( 業務起因性 ) を判断します ( 例 1) 複数の感染者が確認された労働環境下での業務 ( 例 2) 顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務 問 5) 複数の感染者が確認された労働環境下 とは 具体的にどのようなケースを想定しているの 1
でしょうか 答 5) 請求人を含め 2 人以上の感染が確認された場合をいい 請求人以外の他の労働者が感染している場合のほか 例えば 施設利用者が感染している場合等を想定しています なお 同一事業場内で 複数の労働者の感染があっても お互いに近接や接触の機会がなく 業務での関係もないような場合は これに当たらないと考えられます 問 6) 顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務 として想定しているのは どのよ うな業務でしょうか 答 6) 小売業の販売業務 バス タクシー等の運送業務 育児サービス業務等を想定しています 問 7) 上記答 4の ( 例 1) ( 例 2) 以外で示した業務以外の業務は 対象とならないのでしょうか 答 7) 他の業務でも 感染リスクが高いと考えられる労働環境下の業務に従事していた場合には 潜伏期間内の業務従事状況や一般生活状況を調査し 個別に業務との関連性 ( 業務起因性 ) を判断します 問 8) 労働者が新型コロナウイルスに感染したとして労災請求する場合 事業主として協力できることはありますか 答 8) 労災請求手続は 請求人に行っていただくものですが 請求人が保険給付の請求その他の手続を行うことが困難である場合 請求人の症状を確認しつつ 適宜 請求書の作成等への助力をお願いします なお 事業主による助力については 労働者災害補償保険法施行規則第 23 条で規定されています 労働者災害補償保険法施行規則第 23 条 ( 抄 ) 1 保険給付を受けるべき者が 事故のため みずから保険給付の請求その他の手続を行うことが困難である場合には 事業主は その手続を行うことができるように助力しなければならない ( 略 ) 詳しくは 事業場を管轄する労働基準監督署にご相談ください 労働局 労働基準監督署一覧 ( 参考 ) 新型コロナウイルス感染症の労災補償における取扱いについて ( 通達 ) https://www.mhlw.go.jp/content/000626126.pdf 2