第 14 回 日 本 高 齢 消 化 器 病 学 会 学 術 集 会 開 催 演 題 募 集 のご 案 内 会 長 : 三 浦 総 一 郎 ( 防 衛 医 科 大 学 校 内 科 ) 会 期 :2011 年 7 月 2 日 ( 土 ) 会 場 : 都 市 センターホテル 102-0093 東 京 都 千 代 田 区 平 河 町 2-4-1 メインテーマ 高 齢 者 消 化 器 疾 患 のガイドライン 設 定 を 目 指 して
各 位 2011 年 2 月 吉 日 第 14 回 日 本 高 齢 消 化 器 病 学 会 学 術 集 会 演 題 応 募 のお 願 い 謹 啓 先 生 におかれましては 時 下 ますますご 清 栄 のこととお 喜 び 申 し 上 げます 第 14 回 日 本 高 齢 消 化 器 病 学 会 学 術 集 会 を 2011 年 7 月 2 日 ( 土 )に 東 京 の 日 本 都 市 センターホテルにて 開 催 いたしますことをご 案 内 申 し 上 げます 日 本 高 齢 消 化 器 病 学 会 も 設 立 15 年 を 間 近 に 控 え 学 術 集 会 として 年 々 参 加 者 も 増 え 充 実 した 活 動 が 展 開 されております このような 折 に 私 ども 防 衛 医 科 大 学 校 内 科 が 本 学 会 学 術 集 会 をお 世 話 させて 頂 く 事 になり 大 変 光 栄 に 存 じております 近 年 日 本 の 人 口 の 高 齢 化 はまさに 急 速 に 進 んでおり 消 化 器 病 の 分 野 でも 消 化 器 疾 患 の 治 療 イコール 高 齢 消 化 器 病 の 治 療 になっている 現 状 と 言 えると 思 います しかし この 背 景 とはうらはらに 高 齢 者 に 関 する 消 化 器 診 療 に 関 し て 特 に 非 高 齢 者 と 区 別 して 系 統 的 に 論 じられる 機 会 はこの 学 会 を 除 いては 比 較 的 少 なく 個 別 の 疾 患 の 中 で 各 論 的 に 述 べられている 状 況 であるといえます 高 齢 者 に 対 する 診 断 治 療 における 留 意 点 や 予 後 がどうか 現 在 の 各 疾 患 の 治 療 指 針 をそのまま 高 齢 者 診 療 に 当 てはめて 良 いのか などの 疑 問 点 が 生 じ それを 踏 まえた 高 齢 者 に 特 化 した 消 化 器 関 連 のガイドラインの 整 備 が 必 要 とさ れるのではないかと 考 えます そこで 本 学 会 ではメインテーマを 高 齢 者 消 化 器 診 療 ガイドライン 設 定 を 目 指 して とし 昨 年 度 の 森 山 会 長 の 教 育 企 画 を 発 展 させて 下 部 消 化 管 上 部 消 化 管 肝 臓 胆 膵 の4つのパネルディスカッ ションを 組 み 高 齢 者 の 診 療 ガイドライン 作 成 に 向 けての 討 論 を 企 画 すること にいたしました 主 題 はこの4つに 限 定 いたしましたが この 他 に 高 齢 者 の 消 化 器 病 診 療 に 関 する 多 方 面 からの 研 究 成 果 のご 発 表 をお 待 ちしております 特 別 講 演 には 慶 應 義 塾 大 学 病 院 老 年 内 科 広 瀬 信 義 先 生 に 百 寿 者 研 究 から みた 高 齢 者 医 療 についてのご 講 演 を 賜 る 予 定 でございます その 他 にもラン チョンセミナーを 企 画 いたしております 本 学 術 集 会 を 通 じて 高 齢 者 消 化 器 疾 患 に 対 する 質 の 向 上 を 図 り 少 しでも 今 後 の 高 齢 者 医 療 の 充 実 と 発 展 に 寄 与 したいと 考 えておりますので 演 題 募 集 要 項 をご 参 照 いただき 何 卒 積 極 的 な 演 題 応 募 と 多 数 の 皆 様 のご 出 席 をお 待 ち 申 し 上 げております 謹 白 第 14 回 日 本 高 齢 消 化 器 病 学 会 学 術 集 会 会 長 三 浦 総 一 郎 ( 防 衛 医 科 大 学 校 内 科 )
演 題 募 集 要 項 1. 本 年 度 はパネルディスカッションと 一 般 演 題 の 演 題 募 集 を 行 ないます パネルディスカッション4つは それぞれ 演 題 募 集 要 項 が 異 なります( 公 募 を 行 わないものもあります)ので 応 募 に 際 してはご 注 意 頂 きたく 存 じます 2. 各 パネルディスカッションには 司 会 者 の 提 示 したクリニカルステートメ ントがありますので それについてパネリストは ご 自 分 のデータと 公 表 され ているエビデンスからご 発 表 いただく 形 式 になります 従 って 演 題 応 募 に 際 しては パネルディスカッション 番 号 とともに 該 当 するクリニカルステート メント(CS)の 番 号 ( 複 数 個 選 択 可 )を 例 に 従 って 記 載 ください 3. 演 題 の 登 録 はEメールのみの 受 付 となります 1ページ 目 に 以 下 の 事 項 を 明 記 してください 1 ご 所 属 先 および 住 所 電 話 番 号 FAX 番 号 E メールアドレス 2 発 表 者 名 3 演 題 タイトル 4 応 募 の 区 分 ( 一 般 演 題 or パネルディスカッション) 5 パネルディスカッションを 希 望 される 場 合 パネルディスカッションNo.( ) 1 下 部 消 化 管 2 上 部 消 化 管 3 肝 臓 4 胆 膵 から1つ 選 択 してください クリニカルステートメント(CS) No.( )( ) 複 数 選 択 可 パネルディスカッションに 採 択 されなかった 場 合 一 般 演 題 での 発 表 を 希 望 する or 希 望 しない 抄 録 本 文 は2ページ 目 に 記 載 し 添 付 ファイル(MS Word)にて 下 記 E-mail 宛 にお 送 りください なお 図 表 の 挿 入 はできませんのでご 注 意 ください 一 般 演 題 の 抄 録 本 文 は[ 目 的 ][ 方 法 ][ 成 績 ][ 結 論 ]などに 分 け 全 角 文 字 換 算 で 800 文 字 以 内 とさせていただきます( 記 載 例 をご 参 照 ください) パネルディスカッションの 抄 録 記 載 の 仕 方 はお 任 せしますが 本 文 の 字 数 は800 文 字 以 内 とさせていただきます いずれも 発 表 者 名 の 前 に を 付 けてください 当 事 務 局 で 演 題 受 付 後 受 付 番 号 を 後 日 Eメールでお 知 らせしますので ご 確 認 ください 演 題 申 し 込 み 先 :jsgg14@ndmc.ac.jp
4. 演 題 締 め 切 り:2011 年 4 月 18 日 ( 月 ) 5. 申 し 込 み 資 格 発 表 者 共 同 発 表 者 ともに 日 本 高 齢 消 化 器 病 学 会 会 員 に 限 りますので 未 入 会 の 方 は 下 記 事 務 局 にて 学 会 開 催 期 日 までに 入 会 の 手 続 きをお 願 いいたします なお 当 日 学 会 場 にても 受 付 予 定 です 102-0072 東 京 都 千 代 田 区 飯 田 橋 3-11-15 UEDAビル ( 株 )クバプロ 内 特 定 非 営 利 活 動 法 人 日 本 高 齢 消 化 器 病 学 会 事 務 局 Tel:03(3238)1689 Fax: 03(3238)1837 E-mail: info@jsgg.org 6. 演 題 採 択 の 通 知 はE-mailにて 行 う 予 定 です(5 月 下 旬 予 定 ) 7. 発 表 形 式 について 発 表 形 式 はパソコンによるプレゼンテーションのみとなります 一 般 演 題 パネルディスカッションともにスライド 枚 数 の 制 限 はありませんが 発 表 時 間 を 厳 守 してください ( 一 般 演 題 : 発 表 5 分 パネルディスカッション: 発 表 時 間 未 定 ) 所 定 のメディア(USBフラッシュメモリーまたはCD-R)にて 受 付 します 対 応 ア プリケーションはPower Pointで Windows XP/Vista/7いずれでも 対 応 可 能 です 動 画 を 挿 入 する 場 合 はWindows Media Playerにて 作 動 するものに 限 ります Macintoshの 方 は 本 体 を 持 参 してください 演 題 受 付 終 了 後 最 終 的 な 発 表 形 式 をご 連 絡 いたします 8. 演 題 申 し 込 みに 関 するお 問 い 合 わせ 先 359-8513 埼 玉 県 所 沢 市 並 木 3-2 防 衛 医 科 大 学 校 内 科 第 2 第 14 回 日 本 高 齢 消 化 器 病 学 会 事 務 局 ( 担 当 : 高 本 俊 介 ) Tel: 04(2995)1609 Fax: 04(2996)5201 E-mail: jsgg14@ndmc.ac.jp
一 般 演 題 抄 録 記 載 例 当 院 における 高 齢 者 炎 症 性 腸 疾 患 の 臨 床 的 特 徴 防 衛 医 科 大 学 校 内 科 高 本 俊 介 渡 辺 知 佳 子 [ 目 的 ] 炎 症 性 腸 疾 患 (IBD)は 若 年 者 に 発 症 のピークがあるが [ 方 法 ] 対 象 は 過 去 5 年 間 に 当 科 で 入 院 治 療 を 行 った 潰 瘍 性 大 腸 炎 (UC)70 例 で このう ち61 歳 以 上 の 高 齢 発 症 は [ 成 績 ] 両 群 で 入 院 時 の 症 状 に 相 違 はないが 内 視 鏡 所 見 は 高 齢 者 群 で 重 症 度 が 高 い 傾 向 にあり [ 結 論 ] 高 齢 のIBD 患 者 ではステロイド 治 療 により 容 易 に 免 疫 が 低 下 してCMV 感 染 を 生 じ る 可 能 性 が 示 唆 された 入 院 時 には
第 14 回 日 本 高 齢 消 化 器 病 学 会 学 術 集 会 プログラム 特 別 講 演 百 寿 者 研 究 からみた 高 齢 者 医 療 の 在 り 方 ( 仮 題 ) パネルディスカッション 広 瀬 信 義 ( 慶 應 義 塾 大 学 病 院 老 年 内 科 ) パネルディスカッション1 ( 指 定 一 部 公 募 ) 高 齢 者 の 下 部 消 化 管 疾 患 の 診 療 ガイドライン 作 成 に 向 けて オーガナイザー: 藤 山 佳 秀 ( 滋 賀 医 科 大 学 消 化 器 内 科 ) クリニカルステートメントと 応 募 要 項 は 別 記 参 照 三 浦 総 一 郎 ( 防 衛 医 科 大 学 校 内 科 ) パネルディスカッション2 ( 指 定 公 募 なし) 高 齢 者 の 上 部 消 化 管 疾 患 の 診 療 ガイドライン 作 成 に 向 けて オーガナイザー: 坂 本 長 逸 ( 日 本 医 科 大 学 消 化 器 内 科 ) クリニカルステートメントは 別 記 参 照 高 橋 信 一 ( 杏 林 大 学 第 三 内 科 ) パネルディスカッション3 ( 指 定 一 部 公 募 ) 高 齢 者 の 肝 臓 疾 患 の 診 療 ガイドライン 作 成 に 向 けて オーガナイザー: 森 山 光 彦 ( 日 本 大 学 消 化 器 肝 臓 内 科 ) クリニカルステートメントと 応 募 要 項 は 別 記 参 照 鈴 木 一 幸 ( 岩 手 医 科 大 学 第 一 内 科 ) パネルディスカッション4 ( 公 募 一 部 指 定 ) 高 齢 者 胆 膵 疾 患 診 療 コンセンサス オーガナイザー: 神 澤 輝 実 ( 都 立 駒 込 病 院 内 科 ) 乾 和 郎 ( 藤 田 保 健 衛 生 大 学 坂 種 報 徳 会 病 院 消 化 器 内 科 ) クリニカルステートメントと 応 募 要 項 は 別 記 参 照 一 般 演 題 口 演 発 表 となります とくに 診 療 ガイドラインにこだわらず 広 く 一 般 的 な 高 齢 者 消 化 器 疾 患 医 療 に 関 する 演 題 を 募 集 致 します 応 募 要 項 は 別 記 参 照
パネルディスカッション 募 集 要 項 詳 細 : パネルディスカッション1 ( 指 定 一 部 公 募 ) 高 齢 者 の 下 部 消 化 管 疾 患 の 診 療 ガイドライン 作 成 に 向 けて オーガナイザー: 藤 山 佳 秀 ( 滋 賀 医 科 大 学 消 化 器 内 科 ) 三 浦 総 一 郎 ( 防 衛 医 科 大 学 校 内 科 ) クリニカルステートメント 1. 高 齢 者 IBD ( 指 定 一 部 公 募 ) CS1 高 齢 者 のIBDは 比 較 的 遠 位 腸 管 に 発 生 するとされるが 血 管 障 害 を 伴 うと 病 状 が 悪 化 しやすく 重 症 化 する 症 例 もあり 注 意 が 必 要 である CS2 高 齢 者 クローン 病 は 腸 管 感 染 症 を 含 め 他 疾 患 との 鑑 別 が 困 難 な 場 合 がある CS3 高 齢 者 IBDの 手 術 は 術 中 術 後 の 合 併 症 がおきやすい 2. 高 齢 者 の 下 血 (OGIB 大 腸 憩 室 虚 血 性 大 腸 炎 含 む)( 指 定 一 部 公 募 ) CS4 高 齢 者 の 下 血 に 対 する 緊 急 CFは 有 用 であり 超 高 齢 者 (>85)においても 安 全 に 行 えるが 前 処 置 や 合 併 症 に 注 意 する 必 要 がある CS5 高 齢 者 のOGIBは 若 年 者 に 比 べて 血 管 病 変 が 多 く 服 薬 症 例 が 多 い とくに NSAIDs( 低 用 量 アスピリンを 含 む)や 抗 血 小 板 薬 服 薬 症 例 が 多 い CS6 高 齢 者 においてもダブルバルーン 内 視 鏡 は 非 高 齢 者 と 同 様 に 深 部 まで 挿 入 可 能 である ただし 合 併 症 への 注 意 は 必 要 である 高 齢 者 のカプセル 内 視 鏡 で はカプセル 滞 留 に 注 意 が 必 要 である CS7 高 齢 者 に 強 力 な 下 剤 や 止 瀉 剤 を 投 与 したり 内 視 鏡 の 前 処 置 を 施 したりする と 腸 管 虚 血 を 誘 発 しやすいので 注 意 が 必 要 である ただし 虚 血 性 大 腸 炎 は 年 齢 よりむしろ 血 管 の 閉 塞 部 位 と 程 度 により 予 後 が 左 右 される CS8 憩 室 出 血 は 高 齢 者 においても 大 腸 出 血 の 原 因 として 最 も 多 く 基 礎 疾 患 ( 心 疾 患 や 脳 血 管 障 害 )を 有 している 率 が 高 い 服 薬 症 例 (NSAIDs (LDA 含 む)や 抗 血 栓 凝 固 薬 併 用 )が 多 い 内 視 鏡 的 止 血 のメリットは 大 きい CS9 高 齢 者 の 憩 室 穿 孔 は 女 性 に 多 く 慢 性 疾 患 合 併 薬 剤 服 用 例 (NSAIDs 服 用 例 )および 便 秘 を 伴 う 例 が 多 かった 3. 大 腸 癌 ( 指 定 一 部 公 募 ) CS10 大 腸 内 視 鏡 的 EMRに 関 しては 高 齢 者 あるいは 後 期 高 齢 者 (>75)においても とくにリスクは 増 加 しない CS11 腹 腔 鏡 下 直 腸 癌 手 術 でのリスクや 根 治 性 は 非 高 齢 者 と 変 わらない 腹 腔 鏡 下 大 腸 手 術 は 開 腹 に 比 べ 術 後 の 回 復 が 早 く 高 齢 者 で 推 奨 される CS12 高 齢 者 進 行 癌 再 発 大 腸 癌 の 化 学 療 法 は 同 様 の 効 果 が 期 待 できる ただし 個 々の 症 例 においての 慎 重 なPSの 見 きわめが 必 要 パネルディスカッション2 ( 指 定 公 募 なし) 高 齢 者 の 上 部 消 化 管 疾 患 の 診 療 ガイドライン 作 成 に 向 けて オーガナイザー: 坂 本 長 逸 ( 日 本 医 科 大 学 消 化 器 内 科 ) 高 橋 信 一 ( 杏 林 大 学 第 三 内 科 ) クリニカルステートメント: 高 齢 者 出 血 性 消 化 性 潰 瘍 およびNSAIDs 潰 瘍 について ( 指 定 ) CS1 出 血 性 消 化 性 潰 瘍 に 対 する 内 視 鏡 的 止 血 術 は 高 齢 者 においても 非 高 齢 者 と 同 様 に
有 用 である CS2 高 齢 者 では 非 高 齢 者 と 比 べNSAIDsや 抗 血 栓 薬 抗 凝 固 薬 服 用 による 潰 瘍 リスク 出 血 性 潰 瘍 リスクが 高 い CS3 NSAIDs や 抗 血 栓 薬 抗 凝 固 薬 を 服 用 する 高 齢 者 は 酸 分 泌 抑 制 薬 の 併 用 が 勧 めら れる とくに 潰 瘍 既 往 歴 を 有 する 高 齢 者 では 予 防 的 内 服 が 必 要 である パネルディスカッション3 ( 指 定 一 部 公 募 ) オーガナイザー: 森 山 光 彦 ( 日 本 大 学 消 化 器 肝 臓 内 科 ) 鈴 木 一 幸 ( 岩 手 医 科 大 学 第 一 内 科 ) クリニカルステートメント: 1. 高 齢 者 急 性 肝 障 害 ( 指 定 ) CS1 高 齢 者 の 急 性 肝 障 害 ではウィルス 性 肝 炎 は 少 なく 薬 物 性 肝 障 害 が 多 い 傾 向 にある 基 礎 疾 患 を 有 する 例 亜 急 性 やLOHFの 病 型 が 多 く 予 後 不 良 の 場 合 があ る 2. 高 齢 者 B 型 慢 性 肝 炎 ( 指 定 ) CS2 高 齢 者 B 型 慢 性 肝 炎 では ALT 値 が 正 常 でも 血 小 板 数 15 万 以 下 かつウィルス 増 殖 が 持 続 する 例 では 核 酸 アナログ 製 剤 を 第 一 選 択 とする 抗 ウィルス 療 法 の 対 象 となる CS3 高 齢 者 であっても B 型 肝 炎 ウイルスキャリアーでは 免 疫 抑 制 化 学 療 法 や 抗 TNF-α 生 物 製 剤 の 使 用 に 伴 いB 型 肝 炎 ウィルスの 再 活 性 化 をきたすことがあ り 抗 ウィルス 剤 ( 核 酸 アナログ 製 剤 )の 予 防 投 与 が 必 要 である また HBs 抗 原 陰 性 でも HBc 抗 体 またはHBs 抗 体 陽 性 の 場 合 には 治 療 中 治 療 後 の 厳 重 な 経 過 観 察 (AST, ALT, HBV DNA 量 など)を 必 要 とする 3. 高 齢 者 C 型 慢 性 肝 炎 ( 指 定 一 部 公 募 ) CS4 高 齢 者 C 型 慢 性 肝 炎 は 肝 細 胞 癌 発 生 の 高 リスク 群 であり IFNとRBVによる 治 療 の 対 象 となる SVRを 目 指 した 治 療 を 行 うが 中 止 減 量 をせざる 得 ない 場 合 で も IFN 少 量 持 続 投 与 による 治 療 期 間 延 長 を 考 慮 すべきである CS5 高 齢 者 C 型 慢 性 肝 炎 の 抗 ウィルス 療 法 では 合 併 症 の 頻 度 が 増 加 し 特 に1 型 では 薬 剤 の 中 止 減 量 例 が 有 意 に 増 加 するため SVR 率 は 低 い CS6 高 齢 者 C 型 慢 性 肝 炎 の 抗 ウィルス 療 法 において 減 量 した 場 合 は72 週 投 与 を 行 いadherence80% 以 上 に 維 持 すると 非 高 齢 者 と 同 様 の 効 果 がみられる CS7 高 齢 者 C 型 慢 性 肝 炎 で 抗 ウィルス 療 法 による 精 神 神 経 系 副 作 用 が 危 惧 される 場 合 にはβ IFNを 使 用 する 4. 高 齢 者 肝 硬 変 および 静 脈 瘤 治 療 ( 指 定 ) CS8 高 齢 者 の 肝 硬 変 ではとくに 蛋 白 エネルギー 代 謝 異 常 ミネラル(Fe, Zn) 代 謝 異 常 耐 糖 能 異 常 などを 把 握 して 積 極 的 に 栄 養 療 法 を 行 うべきである CS9 高 齢 者 肝 硬 変 の 腹 水 治 療 では 腹 水 の 難 治 化 を 来 しやすく 利 尿 薬 による 肝 性 昏 睡 腎 障 害 の 合 併 頻 度 も 高 い CS10 高 齢 者 食 道 胃 静 脈 瘤 の 内 視 鏡 的 硬 化 療 法 では 非 高 齢 者 と 比 べ 治 療 成 績 や 治 療 後 の 肝 機 能 腎 機 能 への 影 響 に 差 はみられない ただし 治 療 後 の 早 期 (1 週 以 内 )に 肝 不 全 腹 水 の 出 現 することがあり 栄 養 管 理 に 留 意 する CS11 高 齢 者 であっても 肝 硬 変 に 合 併 する 孤 立 性 胃 静 脈 瘤 に 対 するB-RTOは 実 施 可 能 で 治 療 結 果 も 良 好 である TIPSも 同 様 に 可 能 であるが 心 機 能 などに 留 意
が 必 要 である 5. 自 己 免 疫 性 肝 障 害 NASH( 指 定 ) CS12 高 齢 者 自 己 免 疫 性 肝 炎 はAIHの1/4を 占 め 超 高 齢 者 にも 見 られることがあ る 非 高 齢 者 に 比 べて 線 維 化 が 強 く 肝 硬 変 が 高 率 で より 潜 在 的 な 進 行 が 疑 われ る CS13 高 齢 者 非 アルコール 性 脂 肪 肝 炎 は 非 高 齢 者 と 異 なり 女 性 の 頻 度 糖 尿 病 の 合 併 高 度 線 維 化 肝 癌 の 合 併 率 が 高 い 6. 高 齢 者 肝 細 胞 癌 ( 指 定 ) CS14 高 齢 者 慢 性 肝 炎 では 肝 発 癌 が 非 高 齢 者 に 比 べて 高 率 であり F2やF3の 線 維 化 であっても 発 癌 リスクが 高 い 発 見 時 の 腫 瘍 径 は 大 きく 進 行 していることが 多 い CS15 高 齢 者 肝 細 胞 癌 は 非 高 齢 者 に 比 較 して 女 性 の 頻 度 が 高 く 病 因 でもC 型 や 原 因 不 明 (non B-non C)の 比 率 が 高 い また 背 景 肝 炎 の 活 動 度 は 低 く 肝 臓 予 備 能 が 比 較 的 良 好 な 例 も 多 い CS16 高 齢 者 肝 細 胞 癌 は 他 の 全 身 合 併 症 が 無 く PSが 保 たれていれば 肝 予 備 能 に 応 じて 若 年 者 と 同 様 な 治 療 ( 手 術 や 肝 動 脈 塞 栓 術 局 所 療 法 など)が 施 行 可 能 である CS17 遠 隔 転 移 や 主 要 門 脈 腫 瘍 栓 (Vp4)を 有 する 高 齢 者 肝 細 胞 癌 であっても 肝 予 備 能 が 良 好 (Child-Pugh A)に 保 たれていれば 分 子 標 的 薬 ソラフェニブの 使 用 が 可 能 である パネルディスカッション4 ( 公 募 一 部 指 定 ) 高 齢 者 胆 膵 疾 患 診 療 コンセンサス オーガナイザー: 神 澤 輝 実 ( 都 立 駒 込 病 院 内 科 ) 乾 和 郎 ( 藤 田 保 健 衛 生 大 学 坂 種 報 徳 会 病 院 消 内 科 ) クリニカルステートメント: 1. 急 性 膵 炎 ( 公 募 一 部 指 定 ) CS1 高 齢 者 急 性 膵 炎 は 胆 石 によるものが 多 く アルコール 性 は 非 高 齢 者 に 比 べて 少 ない CS2 高 齢 者 重 症 急 性 膵 炎 (SAP)は 胆 石 症 が 多 く 死 亡 率 は 加 齢 とともに 増 加 す る 特 に 重 症 感 染 症 を 併 発 して 予 後 不 良 になる 場 合 があるので 感 染 症 対 策 は 重 要 である CS3 高 齢 者 重 症 急 性 膵 炎 での 補 液 療 法 は 治 療 に 随 伴 する 心 不 全 や 肺 水 腫 の 発 生 に 注 意 して 厳 重 な 水 分 管 理 が 必 要 である 2. 慢 性 膵 炎 自 己 免 疫 性 膵 炎 ( 公 募 一 部 指 定 ) CS4 高 齢 者 慢 性 膵 炎 では 特 発 性 が 多 く 経 過 中 に 膵 炎 様 疼 痛 が 無 い 無 痛 性 膵 炎 も 多 く 認 める 膵 外 分 泌 機 能 低 下 例 には 膵 酵 素 補 充 療 法 を 積 極 的 に 行 うべきであ る CS5 高 齢 者 自 己 免 疫 性 膵 炎 は 前 期 高 齢 者 に 多 く 黄 疸 で 発 症 することが 多 い 高 頻 度 に 膵 外 病 変 を 認 める CS6 高 齢 者 自 己 免 疫 性 膵 炎 においてもステロイド 治 療 が 奏 功 する しかし 膵 癌 との 鑑 別 が 問 題 になり また 悪 性 腫 瘍 を 合 併 しやすいので 注 意 しなければなら ない
3. 高 齢 者 胆 石 総 胆 管 結 石 ( 公 募 一 部 指 定 ) CS7 高 齢 者 総 胆 管 結 石 症 は 胆 管 拡 張 を 示 し 黄 疸 発 熱 で 発 症 する 機 会 が 多 い 非 高 齢 者 に 比 較 して 胆 管 結 石 の 個 数 や 結 石 径 が 大 きい 傾 向 にある CS8 高 齢 者 総 胆 管 結 石 症 は 比 較 的 安 全 に 内 視 鏡 的 結 石 除 去 が 施 行 でき 超 高 齢 者 であっても 内 視 鏡 治 療 が 可 能 である ただし 基 礎 疾 患 により 重 篤 な 合 併 症 (と くに 呼 吸 器 系 )を 起 こすことがあり 慎 重 な 対 応 が 必 要 である また 抗 血 小 板 薬 抗 凝 固 薬 服 用 中 は 初 回 の 切 石 のリスクに 注 意 CS9 高 齢 者 総 胆 管 結 石 症 は 合 併 症 やADLに 応 じて 治 療 方 針 を 決 定 する 必 要 がある 内 視 鏡 的 結 石 除 去 が 困 難 な 場 合 ERBD 留 置 による2 期 的 処 置 も 有 効 である また 全 身 状 態 不 良 例 やハイリスク 症 例 では 切 石 にこだわらず ステント 留 置 も 考 慮 して よい CS10 高 齢 者 有 石 胆 嚢 炎 は 非 高 齢 者 同 様 胆 嚢 摘 出 の 手 術 適 応 があるが 全 身 状 態 や 合 併 症 により 胆 石 を 放 置 しても 胆 嚢 炎 総 胆 管 結 石 の 再 発 を 認 めない 場 合 も 半 数 以 上 を 占 める CS11 傍 乳 頭 憩 室 の 頻 度 は 高 齢 者 で 高 まるが 内 視 鏡 処 置 成 績 には 影 響 しない また 高 齢 者 の 胃 切 除 後 患 者 においても 通 常 内 視 鏡 で 治 療 困 難 時 には DBEを 使 用 して 良 好 な 治 療 成 績 を 得 られる 4. 胆 道 悪 性 狭 窄 胆 道 癌 膵 癌 ( 公 募 一 部 指 定 ) CS12 高 齢 者 悪 性 胆 道 狭 窄 に 対 して 内 視 鏡 的 胆 道 ドレナージ 術 は 有 効 かつ 安 全 な 減 黄 法 である 一 期 的 に 短 時 間 で 治 療 することで 偶 発 症 の 発 生 を 少 なくできる CS13 高 齢 者 悪 性 胆 道 狭 窄 に 関 して 超 高 齢 者 のPTBDの 合 併 症 はそれ 以 下 の 年 齢 と 比 べ 同 等 ( 出 血 や 逸 脱 穿 刺 不 成 功 )で 比 較 的 安 全 と 考 えられる また 超 高 齢 者 肝 門 部 悪 性 胆 道 狭 窄 に 対 してはuncovered SEMSを 挿 入 することでQOLに 貢 献 でき る CS14 高 齢 者 胆 管 癌 や 胆 嚢 癌 においても 可 能 であれば 切 除 術 が 基 本 治 療 である 化 学 放 射 線 療 法 やGemcitabine S-1による 化 学 療 法 は 高 齢 者 においても 適 応 とさ れるが 血 液 毒 性 への 配 慮 が 必 要 である CS15 高 齢 者 膵 癌 においても 可 能 であれば 切 除 術 が 基 本 治 療 である 化 学 放 射 線 療 法 やGemcitabine S-1による 化 学 療 法 は 高 齢 者 においても 適 応 とされるが 血 液 毒 性 への 配 慮 が 必 要 である