平 成 25 年 8 月 2 日 市 川 市 長 大 久 保 博 様 市 川 市 特 別 職 報 酬 等 審 議 会 会 長 麻 生 幸 市 川 市 特 別 職 等 の 退 職 手 当 について( 建 議 ) 本 市 特 別 職 報 酬 等 審 議 会 ( 以 下 本 審 議 会 という )は 市 川 市 特 別 職 報 酬 等 審 議 会 条 例 第 2 条 の 規 定 に 基 づき 市 長 副 市 長 常 勤 の 監 査 委 員 及 び 教 育 長 ( 以 下 市 長 等 という )の 退 職 手 当 について 調 査 審 議 した 結 果 下 記 のとおり 退 職 手 当 の 支 給 率 を 改 定 するのが 妥 当 であるとの 結 論 に 達 したので 建 議 する なお 審 議 経 過 及 び 審 議 内 容 について 別 紙 のとおり 報 告 する 記 1. 退 職 手 当 の 支 給 率 の 改 定 市 川 市 特 別 職 の 職 員 の 退 職 手 当 支 給 条 例 第 3 条 第 1 項 区 分 改 定 前 改 定 後 改 定 率 市 長 100 分 の57 100 分 の45 21.05% 副 市 長 100 分 の36 100 分 の29 19.44% 常 勤 の 監 査 委 員 100 分 の19 100 分 の15 21.05% 市 川 市 教 育 委 員 会 教 育 長 の 給 与 等 に 関 する 条 例 第 2 条 第 3 項 区 分 改 定 前 改 定 後 改 定 率 教 育 長 100 分 の276 100 分 の220 20.29% 2. 改 定 の 実 施 時 期 改 定 については 速 やかに 実 施 することが 相 当 である
別 紙 1. 審 議 経 過 本 審 議 会 は 昭 和 53 年 10 月 に 常 設 の 審 議 会 となって 以 来 過 去 16 回 の 建 議 及 び1 回 の 市 長 からの 諮 問 に 対 する 答 申 を 行 ってきた その 間 市 議 会 議 員 の 議 員 報 酬 及 び 市 長 等 の 給 料 並 びに 市 長 等 の 退 職 手 当 ( 以 下 特 別 職 報 酬 等 という )の 決 定 のあり 方 について その 職 務 の 特 殊 性 に 応 じて 定 めるべきものとすることを 基 本 とし 広 く 民 意 を 反 映 させるための 研 究 と 検 討 を 重 ねてきた 今 回 の 建 議 に 当 たっては 平 成 25 年 2 月 に 市 長 から 委 嘱 を 受 けた 後 本 市 に おいて 一 般 職 の 職 員 の 退 職 手 当 の 調 整 率 が 国 家 公 務 員 の 退 職 手 当 の 調 整 率 の 引 下 げを 踏 まえて 平 成 25 年 4 月 1 日 から 段 階 的 に 引 き 下 げられ これによって 退 職 手 当 が 段 階 的 に 引 き 下 げられることとなったことから 特 別 職 である 市 長 等 の 退 職 手 当 について その 引 下 げの 必 要 性 や 改 定 率 について 5 回 に 及 ぶ 慎 重 な 審 議 を 行 い 本 結 論 に 達 したものである 2. 審 議 内 容 (1)これまでの 退 職 手 当 の 改 定 について 市 長 等 の 退 職 手 当 については かつては 本 審 議 会 の 審 議 事 項 となっていなか ったため 昭 和 49 年 以 来 支 給 率 が 据 え 置 かれ 見 直 しがなされていない 状 況 であった 平 成 15 年 12 月 に 市 川 市 特 別 職 報 酬 等 審 議 会 条 例 が 改 正 され 審 議 事 項 に 市 長 等 の 退 職 手 当 が 加 えられたことから 平 成 16 年 2 月 24 日 付 けで 市 長 から 本 審 議 会 に 対 して 市 長 等 の 退 職 手 当 の 見 直 しについて 諮 問 がな され 慎 重 な 審 議 を 重 ねた 結 果 平 成 17 年 1 月 26 日 付 けで 市 長 等 の 退 職 手 当 の 支 給 率 を 改 定 する 必 要 がある 旨 及 び 具 体 的 な 支 給 率 について 答 申 した 市 長 は この 答 申 を 受 け 同 年 2 月 の 市 川 市 議 会 定 例 会 に 市 川 市 特 別 職 の 職 員 の 退 職 手 当 支 給 条 例 及 び 市 川 市 教 育 委 員 会 教 育 長 の 給 与 等 に 関 する 条 例 の 改 正 案 を 提 出 し 議 決 を 経 て 同 年 3 月 30 日 に 施 行 された 1
この 答 申 における 減 額 改 定 の 主 な 手 法 は 近 隣 市 の 水 準 を 参 考 値 とし 全 国 類 似 団 体 の 平 均 支 給 額 から 支 給 率 を 算 出 し 退 職 手 当 の 水 準 の 適 正 化 を 図 ると いうものであった (2) 今 回 改 定 の 必 要 性 等 について 国 は 退 職 給 付 に 係 る 官 民 較 差 ( 公 務 が 民 間 を4,026 千 円 上 回 る)を 解 消 するため 平 成 24 年 11 月 に 国 家 公 務 員 退 職 手 当 法 を 改 正 し 官 民 の 支 給 水 準 の 均 衡 を 図 るために 設 けられている 調 整 率 を 平 成 25 年 1 月 1 日 から 段 階 的 に 引 き 下 げ これによって 退 職 手 当 を 段 階 的 に 引 き 下 げた このことを 踏 まえ 本 市 は 一 般 職 の 職 員 の 退 職 手 当 について 規 定 する 市 川 市 職 員 退 職 手 当 支 給 条 例 において 同 様 に 定 めている 調 整 率 を 平 成 25 年 4 月 1 日 から 平 成 2 7 年 4 月 1 日 まで 段 階 的 に 引 き 下 げる 改 正 を 行 ったことから 一 般 職 の 職 員 の 退 職 手 当 は 段 階 的 に 引 き 下 げられるに 至 った 本 審 議 会 は かかる 経 緯 を 踏 まえ 市 長 等 の 退 職 手 当 の 引 下 げについて 審 議 する 必 要 があるかどうか また 仮 に 引 下 げを 行 うとした 場 合 には 現 市 長 の 任 期 中 に 実 施 すべきであるかどうかについて 以 下 のとおり 検 討 した 1 これまでの 特 別 職 報 酬 等 の 改 定 と 一 般 職 の 職 員 の 給 与 改 定 との 関 係 につ いて 本 市 の 一 般 職 の 職 員 の 給 与 は 地 方 公 務 員 法 第 24 条 第 3 項 のいわゆる 均 衡 の 原 則 に 則 り 人 事 院 が 国 家 公 務 員 を 対 象 に 実 施 している 人 事 院 勧 告 の 内 容 を 踏 まえて 改 定 を 行 っている 一 方 特 別 職 報 酬 等 については 市 長 等 の 身 分 や 職 務 の 特 殊 性 から 上 記 均 衡 の 原 則 は 適 用 はされないものの 従 前 の 特 別 職 報 酬 等 の 改 定 経 緯 を みると 改 定 については 一 般 職 の 職 員 の 給 与 改 定 を 考 慮 している 2 県 内 自 治 体 における 退 職 手 当 の 改 定 状 況 について 千 葉 県 内 54 市 町 村 において 市 町 村 長 や 副 市 町 村 長 等 の 退 職 手 当 の 支 給 について 単 独 で 条 例 を 定 めて 支 給 事 務 を 行 っている 自 治 体 は 本 市 のほか 2
千 葉 市 船 橋 市 松 戸 市 柏 市 習 志 野 市 及 び 野 田 市 の6 市 であり 他 の 47 市 町 村 は 市 町 村 長 や 副 市 町 村 長 等 の 退 職 手 当 の 支 給 事 務 を 千 葉 県 市 町 村 総 合 事 務 組 合 に 委 託 している また 千 葉 県 は 本 市 と 同 様 に 退 職 手 当 の 支 給 について 単 独 で 条 例 を 定 め 支 給 事 務 を 行 っている そこで 退 職 手 当 の 支 給 について 単 独 で 条 例 を 定 めている 千 葉 県 及 び 上 記 6 市 について 平 成 25 年 4 月 1 日 現 在 の 退 職 手 当 の 改 定 状 況 を 確 認 したと ころ 千 葉 県 については 改 定 の 予 定 はなく また 上 記 6 市 のうち 習 志 野 市 を 除 く5 市 については 特 例 条 例 の 制 定 や 退 職 手 当 条 例 の 附 則 の 規 定 によ って 現 在 の 市 長 の 任 期 中 に 限 り 退 職 手 当 を 減 額 して 支 給 し 又 は 全 額 を 支 給 しないとする 政 策 的 な 措 置 を 講 じていた( 習 志 野 市 は 改 定 予 定 ) 併 せて 柏 市 については 一 般 職 の 職 員 の 退 職 手 当 における 調 整 率 の 段 階 的 引 下 げに よる 退 職 手 当 の 引 下 げを 考 慮 し 市 長 等 の 退 職 手 当 条 例 の 本 則 を 改 正 し 引 下 げをしていた( 改 定 率 約 20%) なお 千 葉 県 市 町 村 総 合 事 務 組 合 では 退 職 手 当 の 改 定 の 予 定 はないとの ことであった 3 全 国 類 似 都 市 における 退 職 手 当 の 改 定 状 況 について 全 国 の 類 似 都 市 として ア 総 務 省 による 人 口 産 業 構 造 等 を 基 準 としたグ ループ 分 けにより 本 市 と 同 じ 区 分 とされた 市 のうち 人 口 規 模 35 万 人 以 上 の 市 及 び イ 平 成 22 年 国 勢 調 査 結 果 において 人 口 規 模 35 万 人 以 上 65 万 人 以 下 の 市 の 合 計 30 市 を 選 定 した これら30 市 のうち 平 成 25 年 5 月 の 時 点 で 一 般 職 の 職 員 の 退 職 手 当 の 引 下 げを 考 慮 して 市 長 等 の 退 職 手 当 の 引 下 げを 行 っていた 市 は 宇 都 宮 市 八 王 子 市 横 須 賀 市 藤 沢 市 富 山 市 一 宮 市 奈 良 市 和 歌 山 市 及 び 松 山 市 の9 市 であった( 改 定 率 約 10%~ 30%) また 長 野 市 においては 一 般 職 の 職 員 の 退 職 手 当 の 引 下 げを 考 慮 した 市 長 等 の 退 職 手 当 の 引 下 げに 向 けて 特 別 職 報 酬 等 審 議 会 において 審 議 中 であ った 3
4 本 市 の 財 政 状 況 について 近 年 の 景 気 の 低 迷 本 市 の 人 口 減 少 及 び 高 齢 化 の 進 展 により 本 市 の 歳 入 の 根 幹 である 市 税 の 減 収 は 次 年 度 以 降 も 続 くことが 予 想 される 一 方 歳 出 については 高 齢 者 や 生 活 保 護 世 帯 の 増 加 児 童 福 祉 関 連 の 制 度 拡 大 に 伴 い 扶 助 費 が 増 加 していること また 職 員 の 定 員 適 正 化 により 人 件 費 は 総 体 的 に 減 少 傾 向 にあるものの 平 成 27 年 度 末 にピークを 迎 える 団 塊 の 世 代 の 職 員 の 大 量 退 職 による 退 職 手 当 の 増 加 が 見 込 まれることなどに より 義 務 的 経 費 の 増 加 が 見 込 まれており 本 市 の 財 政 状 況 は 依 然 として 非 常 に 厳 しい 状 況 にある ちなみに 財 政 運 営 の 弾 力 性 を 示 す 本 市 の 経 常 収 支 比 率 は 年 々 上 昇 してお り 平 成 25 年 度 においては 当 初 予 算 の 数 値 ではあるものの 過 去 最 高 の 96.9%を 記 録 している 5 小 括 本 審 議 会 としては 以 上 の 状 況 を 総 合 的 に 勘 案 し 市 長 等 の 退 職 手 当 につ いて 引 下 げの 方 向 で 審 議 する 必 要 があるとの 結 論 に 至 った また その 場 合 の 具 体 的 な 改 定 率 の 設 定 については 市 長 の 独 自 判 断 が 望 ましいとの 考 え もあるが 本 審 議 会 が 学 識 経 験 等 に 基 づき 加 えて 市 民 の 目 線 に 立 って 基 準 を 示 す 必 要 があると 考 えた なお 現 市 長 の 任 期 満 了 ( 平 成 25 年 12 月 24 日 )までに 期 間 が 短 い 状 況 ではあるが 慎 重 かつ 十 分 な 議 論 を 重 ね 現 市 長 の 任 期 満 了 に 間 に 合 うよ うに 結 論 を 出 すこととした 次 第 である (3) 具 体 的 な 改 定 率 について 市 長 等 の 退 職 手 当 の 改 定 に 当 たっては 前 記 した 市 川 市 職 員 退 職 手 当 支 給 条 例 の 改 正 による 一 般 職 の 職 員 の 退 職 手 当 の 引 下 げに 係 る 改 定 率 約 15%を 最 低 基 準 とし 市 長 等 の 退 職 手 当 として 適 正 な 改 定 率 を 決 定 し これを 基 に 引 下 げ 後 の 支 給 率 を 算 出 することとした 4
また 改 定 率 の 決 定 に 当 たっては 本 市 の 厳 しい 財 政 状 況 を 踏 まえ 市 政 の 経 営 責 任 を 負 う 立 場 にある 者 としての 姿 勢 を 率 先 垂 範 して 示 す 必 要 があると 考 え 少 なくとも 一 般 職 の 職 員 の 退 職 手 当 の 引 下 げに 係 る 改 定 率 を 上 回 る 改 定 率 として 約 20%とすべきであるとの 結 論 に 達 した 3. 総 括 (1) 本 審 議 会 は 市 長 等 の 退 職 手 当 の 適 正 な 水 準 について 率 直 かつ 活 発 に 意 見 交 換 を 行 うとともに 慎 重 に 審 議 を 重 ねた 結 果 一 般 職 の 職 員 の 退 職 手 当 の 引 下 げに 係 る 改 定 率 を 上 回 る 改 定 を 行 うことが 妥 当 であるとの 考 えで 一 致 した なお 本 審 議 会 は 今 回 市 長 等 の 退 職 手 当 について 建 議 を 行 ったが 引 き 続 き 特 別 職 報 酬 等 の 妥 当 なあり 方 について 更 に 調 査 研 究 を 行 い 市 民 の 意 思 をより 反 映 した 検 討 を 進 めていくこととしたい (2) 審 議 の 過 程 で 以 下 の 意 見 があったことを 申 し 添 える 市 長 等 の 責 任 の 度 合 いに 応 じて 市 長 及 び 副 市 長 と 常 勤 監 査 委 員 及 び 教 育 長 とでは 改 定 率 に 傾 斜 をつける 必 要 があるのではないか 改 定 率 の 決 定 に 当 たっては 近 隣 市 における 市 長 等 の 退 職 手 当 の 改 定 率 との 均 衡 を 考 慮 すべきである 本 審 議 会 としては 市 長 が 自 分 自 身 の 退 職 手 当 の 支 給 額 について 昨 今 の 財 政 状 況 を 踏 まえ どのように 認 識 し また どのように 対 処 する 考 えなのか その 姿 勢 について 問 うことも 必 要 ではないか 市 長 は 選 挙 により 市 民 に 選 ばれる 職 であるから 人 材 確 保 の 観 点 から 給 料 月 額 にはある 程 度 のインセンティブは 必 要 である 現 在 の 給 料 月 額 を 引 き 上 げる 代 わりに 退 職 手 当 をゼロとするという 考 え 方 もあり 得 るのではないか 民 間 企 業 における 役 員 退 職 慰 労 金 の 功 績 倍 率 と 比 較 して 現 行 の 市 長 等 の 退 職 手 当 の 支 給 率 は 高 いものとなっている 市 長 の 退 職 手 当 は 廃 止 すべきと 考 える 財 政 状 況 が 悪 化 している 中 にあって 退 職 手 当 を 今 までどおり 支 給 することや わずか4 年 の 任 期 に 対 して 勤 続 報 償 的 な 意 味 合 いとしての 退 職 手 当 が 支 払 われることは 疑 問 である 5
市 川 市 特 別 職 報 酬 等 審 議 会 会 長 麻 生 幸 副 会 長 市 川 康 男 委 員 石 原 勉 委 員 潟 山 英 清 委 員 加 藤 健 一 委 員 河 野 泰 児 郎 委 員 川 村 延 彦 委 員 小 林 妙 子 委 員 芝 田 康 雄 委 員 新 甫 悦 子 委 員 滝 沢 晶 次 委 員 滝 沢 直 樹 委 員 田 口 安 克 委 員 富 永 好 一 委 員 森 田 達 郎 6