子どものための漢方 成長過程の子どもは 大人の私たちより強い生命力を持っています その一方で カラダの発達がまだまだ未熟なことから ちょっとしたことで体調を崩すことも少なくありません 漢方はそんな日常的な子どもの不調をときに素早く ときにゆっくりと改善させ 子どもに 漢方薬 漢方治療が よい理由 元気をつけて 健やかな成長をお手伝いします 子どもにも漢方 という選択肢もあるのです part 1 毎日の気になる症状に漢方薬 5 part 2 体質改善で元気に 7 part 3 夜泣きや疳 かん の虫にも漢方薬 9 part 4 子どもとお母さんの絆を深める 母子同服 11 part 5 漢方薬の飲ませ方と副作用 13 監修医師 森 蘭子 先生 森こどもクリニック 院長 1987年東京女子医大卒業後 同大学小児科にて研修 公立学校共済組合関東中央病院 牛久愛和病院勤務の 後 シドニー大学ウエストミード病院客員研究員 帰 国後東京都立母子保健院小児科を経て 2000 年東京都 文京区に森こどもクリニック開業 日常の診療に幅広 く漢方を取り入れている 漢方薬の奥深さにひかれ 毎日が勉強の日々 さらに日本小児東洋医学会理事として小児漢方の普及にも力を注いでいる 森先生からのメッセージ まずは漢方への親近感を持っていただきたいと思っています 漢方薬には 先人の知恵と 自然の恵みが詰まっています かかりつけの先生に この 症状には漢方薬は効きますか と声をかけてみてください
par t 3 夜泣きや疳の虫にも漢方薬 夜泣き 疳 かん の虫 チック どれもお母さんを悩ませる子どもの症状です 夜泣きは新生児から2歳ぐらいまでによくみられるもので 眠りに入って2時間後ぐらいから数回 起こります 疳の 虫は赤ちゃんが神経質で ヒステリックに泣いたり キー キーと奇声を発したりする状態 チックは 幼児から学童 にみられる 自分の意思とは関係なくカラダの一部が動く 状態です こうした夜泣きや疳の虫 チックに対しては 西洋医学で 13 は自然に治るのを待つことが多いのですが 漢方薬には有 効な処方があります むしろ 漢方の得意分野 といって もいいかもしれません お母さんのストレスの原因にもなりやすい症状だからこそ 一人で抱え込まず医師に相談してみてはどうでしょうか
par t5 漢方薬の飲ませ方と副作用 漢方薬は子どもの病気や不調の改善に役立つとわかっていて も お母さんが気にする点として挙げるとしたら 独特の匂 いや味ではないでしょうか こうした匂いや味を好む子 気にしないで服用できる子もな かにはいますが 最近の子どもはシロップで味付けした甘い 薬に慣れていることもあって 漢方薬をなかなか飲んでくれ ないことも多いようです そんなときは まず漢方薬を処方してくれた医師に相談して みましょう あるいは病院やクリニックの看護師 薬剤師に 聞いてみるのもいいかもしれません きっと いろいろな経 験を踏まえて その子にあった服 用 の仕方を教えてくれるはずです もう一つ お母さんに知っておいてほしいのは 漢方薬も薬 ということ きちんと医師の指示を守って飲ませていても 副作用 薬に対するアレルギーなどが出ることがあります また 服用するとおなかをこわしてしまうなど 体質によっ てはカラダに合わない漢方薬もあります 処方される漢方薬にはどんな副作用が出やすいのかを 事 前に医師にしっかり聞いておくこと そして 服用後に気に なる症状が出たときは すぐに医師に相談することが大切で す 小児科医を探すなら こちらのサイトも参考に 日本小児東洋医学会 小児漢方医検索ができます http://plaza.umin.ac.jp/p-kampo/