機械工学実験I T-3, T-4 説明
目的 2 / 87 資料のまとめ方 発表の仕方 実験レポートの書き方 グラフの書き方 まとめ方を習得する パソコンでのレポートの書き方 グラフの書き方 プレゼンテーション資料の作り方 発表の仕方を習得する 実験の内容の理解 実験前に教科書を読んでから実験に参加してください T-3 高温から低温への自然対流での伝熱 T-4 低温から高温へ冷凍機 ヒートポンプ で熱を伝える エアコンの動作原理
予定 3 / 87 諸注意 レポートの書き方 約30分 T-3の基礎知識の説明 約30分 T-4の基礎知識の説明 約30分
成績の点数配分 4 / 87 シラバスより レポート 60%(6-2:40%,7-3:20%),プレゼンテーション 40%(7-4:40%) 6-2 実験結果を工学的に考察する能力を修得する 7-3 資料作成能力を修得する 何故その現象が起こったか 7-4 プレゼンテーションのための基本能力を修得する
注意事項 場所 実習工場南側 一番左の部屋 T-3 2F, T-4 1F 持ち物 関数電卓 定規 レポート用紙を必ず持ってくること 赤ペンなどの色の違うペン T-4 パソコンの持ち込み可 計算シートは自分で作ること T-3は単純計算の繰り返しがあります ただし 実験室なので 狭いことと 汚れる可能性があります 服装 サンダルは履いてこない 5 / 87
注意事項 不正をしない 写していることが疑われる場合は 二人とも不可 データのコピーや コピー機でのコピーは不可 ウェブページからWord等へのワープロソフト へのコピーを除く 時間を守る 授業の遅刻は認めません 椿レポートボックスへ金曜12:00までに 遅れた場合は受け取りません 仕様を守る 6 / 87
不正をしない 必ず自分で書くこと 毎年内容を変えているので 過去のデータはすぐに わかります 明確に証拠の残る不正行為なので 厳 しく対処をします パソコンで作成したデータを人に渡さない 7 / 87
不正をしない 自分で余裕を持ってレポートを完成させるために 目的 方法 データ整理 ウェブページ 佐賀大学 機械システム工学科のウェブページから 教員一覧をたどって 私の教員ウェブページへ行くと 機械工学実験のページを作っています 実験前 遅くとも実験終了後すぐに終わらせること 8 / 87
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仕様を守る 書き方 用紙 パソコンと手描き可 用紙A4で左上一箇所でとじる 実験結果の記録表を配布するので 提出時には ボールペン等で清書すること コピー機でコピーしたレポート のりで貼付け たレポートは一切受け取りません 12 / 87
仕様を守る 図表の書き方 13 / 87 参考文献の書き方
仕様を守る 図表 14 / 87 表1 実験条件 図 1 実験装置概略 実験日 電圧 [V] 電流 [I] 6/8 5 2 10/9 10 4
仕様を守る 図表 実験は3回 条件を変えて行う 用い た実験装置の概略を図1に示す 装 置は 図 1 実験装置概略 15 / 87 図や表の内容の 説明を本文中 図の直前で必ず 記述する 図や表は説明の直後 に記載する 用紙一 枚分の図や表でも 必ず次のページに
仕様を守る 図表 式番号 16 / 87 本文中に入るのは 図と表のみ グラフ1 温度分布 図1 温度分布 図番号 表番号 式番号 レポートの先頭から同じ形式で通し番号 図 1 実験装置 図1 実験装置 図4 2 配線図 図2 配線図 図3 3 温度分布 図3 温度分布
仕様を守る 参考文献 引用していない文献は入れない T-3の教科書のリスト 3 3 6 参照すべき資料や文献 [1] 東京天文台編纂 理科年表 丸善 (1991) [2] 西川兼康 藤田泰伸 伝熱学 理工学社 (1982) [3] 吉田駿 伝熱学の基礎 理工学社 (1999) [4] 相原利雄 伝熱工学 裳華房 (1994) [5] 日本機械学会 伝熱工学資料 日本機械学会 (1986) [6] 日本機械学会 伝熱ハンドブック 日本機械学会 (1993) 教科書のリストをそのまま写さない 17 / 87
仕様を守る 参考文献 18 / 87 文献を参考にしたら 本文中に文献番号を示し引用する 引用しない場合は盗作です 実験テキストは引用する必要はありません もし引用のであれば 引用箇所を明記すること 本文中の記述 (a) 温度の算出 熱電対の起電力の0 から100 のJIS規格の基準値[1]を用いて 起電力E [mv]と温度t [ ]との関係を表す2次の校正式を最小二乗法で求めると 次 式が得られる リストに追加 [1] JIS規格 C 1602-1995, (1995), 日本工業標準調査会, http://www.jisc.go.jp, (2011/01/24). 文献番号はレポート先頭から引用順に
仕様を守る 参考文献 19 / 87 Webpageを引用する際は タイトルとアドレス 参照日を示す 例 ダイキン工業webpage http://www.daikin.co.jp/csr/ information/influence/index.html 2010年6月3日 リストはレポートの最後に載せる
仕様を守る 考察 測定した内容 20 / 87 + 測定結果からわかること 何故その現象が起こったか 伝熱量が70Wから120Wに上がると熱伝達率が50W/mKから 95W/mKになった これは伝熱量が上昇することで自然対流に よる流れが速くなったためである 具体的な数値を示して変化を書く 教科書のT-3 T-4の 報告書の書き方および課題 の項を読むこと
仕様を守る 結論 21 / 87 結論は目的に対して分かったこと T-3 目的 本実験では 熱伝達率と自由対流熱伝達について また流 れの状態 層流 乱流 が伝熱に与える影響について実験を 通して理解を深める そのために スピンドル油中にいれた 鉛直円管周りに発生する自由対流現象を観察するとともに 流体中の温度分布の測定を行う また 測定した実験データ から熱伝達率を算出し 自由対流熱伝達における鉛直鉛管 での熱伝達率の予測式を求める 分かったことを簡潔に 考察と重なってもよい
予定 22 / 87 諸注意 レポートの書き方 約30分 T-3の基礎知識の説明 約30分 実験装置の使い方など具体的な説明は当日 T-4の基礎知識の説明 約30分
実験内容 23 / 87 熱の移動 T-3 高温 T-4 低温 冷凍機 ヒートポンプ 高温 低温 仕事
T-3 24 / 87 T-3実験内容 T-3 目的 本実験では 熱伝達率と自然対流熱伝達について また流れの 状態 層流 乱流 が伝熱に与える影響について実験を通して理 解を深める そのために スピンドル油中にいれた鉛直管周りに 発生する自然対流現象を観察するとともに 鉛直管周りのスピン ドル油の温度分布の測定を行う また 測定した実験データから 熱伝達率を算出し 自然対流熱伝達における鉛直管の熱伝達率 の予測式を求める
T-3 25 / 87 熱伝達率
TW 高温 T-3 熱伝達率 T 低温 26 / 87 熱の移動 伝熱 伝熱工学 静止流体 物体 熱伝導 物体 Q熱伝導 < Q熱伝達 対流熱伝達
T-3 熱伝達率 27 / 87 対流熱伝達とはどんな現象か T 低温の流体 T TW A Qh 高温の固体表面 Qh T
T-3 熱伝達率 ニュートンの冷却法則 28 / 87 Q h= h A ( T w T ) (3.3.1) T T TW A Qh Qh T
T-3 熱伝達率 29 / 87 ニュートンの冷却法則 Q h= h A ( T w T ) (3.3.1) 温度差の影響 0 C or 19 C 0 C or 19 C 20 C or 40 C A Qh Qh 0 C or 19 C
T-3 熱伝達率 ニュートンの冷却法則 30 / 87 Q h= h A ( T w T ) (3.3.1) 面積の影響 T T TW A Qh A/2 Qh T
T-3 熱伝達率 31 / 87 ニュートンの冷却法則 Q h= h A ( T w T ) (3.3.1) 熱伝達率 h?
T-3 熱伝達率 ニュートンの冷却法則 32 / 87 Q h= h A ( T w T ) (3.3.1) Tw = 37 体温 暑い A 一定 体表面積
T-3 熱伝達率 ニュートンの冷却法則 体からの放熱量Qcを 大きくして 涼しく快適 にするには 33 / 87 Q h= h A ( T w T ) (3.3.1) Tw = 37 体温 暑い Qh Qh A 一定 体表面積
T-3 熱伝達率 ニュートンの冷却法則 T (周囲温度)を変える 34 / 87 Q h= h A ( T w T ) (3.3.1) Tw = 37 体温 Qh Qh A 一定 体表面積
T-3 熱伝達率 ニュートンの冷却法則 35 / 87 Q h= h A ( T w T ) (3.3.1) h変える Tw = 37 体温 流れや流体の特性の影響 扇風機 強制対流 水の中 Qh Qh A 一定 体表面積
T-3 流れの影響 位置 T 温度分布 T Tw 温度 Tw 位置 T 温度分布 T Tw Tw 速度 速度分布 位置 乱流 速度分布 位置 層流 36 / 87 温度 速度
T-3 自然対流熱伝達 37 / 87 流れのおこり方 強制対流 自然対流 扇風機 ファン やポンプなどに よる外部からの流れ 外部からの影響ではなく 温度差などの内部の要因で 発生する流れ
T-3 自然対流熱伝達 実験で扱う装置での自然対流現象 38 / 87 電気ヒータにより円管を加熱 Tw 壁面温度 T 周囲温度
T-3 自然対流熱伝達 実験で扱う装置での自然対流現象 39 / 87 電気ヒータにより円管を加熱 Tw 壁面温度 円管から油 周囲 へ熱が伝わる Q [W] T 周囲温度
T-3 自然対流熱伝達 実験で扱う装置での自然対流現象 40 / 87 電気ヒータにより円管を加熱 Tw 壁面温度 円管から油 周囲 へ熱が伝わる T 周囲温度 油の温度が上昇
T-3 自然対流熱伝達 実験で扱う装置での自然対流現象 41 / 87 電気ヒータにより円管を加熱 Tw 壁面温度 円管から油 周囲 へ熱が伝わる T 周囲温度 油の温度が上昇 油の密度が低下する 体積が膨張
T-3 自然対流熱伝達 実験で扱う装置での自然対流現象 42 / 87 電気ヒータにより円柱を加熱 Tw 壁面温度 円柱から油 周囲 へ熱が伝わる T 周囲温度 浮力 油の温度が上昇 油の密度が低下 浮力の発生 Fb [N]
T-3 自然対流 43 / 87 浮 力 加熱 社 佐賀県観光連盟 フォトランド
T-3 自然対流 44 / 87 ファンのないコンピュータの冷却 加工したガラスの徐冷 スマートフォン タブレット 小型ノートPC 雪花ガラス工房 生 hibi.shop-pro.jp
T-3 自然対流 45 / 87 自然通風冷却塔 Brentwood learning center www.brentwoodindusties.com 松川地熱発電所 Wikipedia ja.wikipedia.org
46 / 87 熱伝達率の予測
T-3 熱伝達率の予測 47 / 87 熱伝達率を求めることは実用上 非常に重要 冷やすことが多い 空気 水 油で 熱伝達率hを求めたい 無次元数による予測式をつかって計算 自然対流熱伝達の予測式 熱伝達率h の無次元化 hx Nu= λ 自然対流の駆動力を表す無次元数 Gr= g β (T w T ) x 3 物性の影響 Pr= ν a ν2 m Nu=C (GrPr) 形状によって変わる定数
48 / 87 実験装置
T-3 実験装置 49 / 87
予定 50 / 87 諸注意 レポートの書き方 約30分 T-3の基礎知識の説明 約30分 T-4の基礎知識の説明 約30分 実験装置の使い方など具体的な説明は当日
51 / 87 T-4実験内容 T-4 目的 本実験では一般的に用いられる蒸気圧縮式冷凍機による空 気調和 空気の温度と湿度の調整 での 空気の温度と湿度 の変化を測定する また エアコン 冷凍機 ヒートポンプ の 性能に熱源の条件がどのような影響を与えるかを明らかに する 実験装置は家庭用のエアコンに一般的についている冷 房機能および除湿機能と同じ動作をさせる
T-4 空気調和 52 / 87 空気調和 エアコンでの除湿モードの動作と温度のコントロール
T-4 空気調和 53 / 87 Air conditioner エアコン 空気調和 (Air conditioning) 空気の温度 湿度 清浄度および気流分布を 空気調和を 必要とする空間の要求に合致するように 同時に処理するプ ロセス 冷凍空調技術 空調編 日本冷凍空調学会 1998 温度と湿度をコントロールする 温度のコントロールをするには 湿度のコントロールをするには エアコンの除湿方法は
T-4 湿度のコントロール 湿度とは 空気中に含まれる水蒸気 気体の水 の量 相対湿度 体感的な値 不快さなどに影響 飽和状態100%から更に冷却すると凝縮がはじまる 54 / 87
T-4 湿度のコントロール 湿度とは 空気中に含まれる水蒸気 気体の水 の量 絶対湿度 空気中に含まれる水蒸気量を 簡単に求められる 10 での飽和状態での絶対湿度 0.007 kg/kg 20 での飽和状態での絶対湿度 0.015 kg/kg 冷却前後を比較することで空気中の 水蒸気量の変化 除湿されたか が分かる 55 / 87
T-4 湿度のコントロール 湿度を減らす 空気中の水蒸気量を減らす 水蒸気を凝縮させる 気体の水 液体の水 冷却 相対湿度100% さらに冷却 水蒸気を含む空気を冷却 56 / 87
T-4 温度のコントロール 61 / 87 熱の伝わる方向 高温 低温 暖房 冷房 室内 20 熱 冬 5 室内 28 低温物体から高温物体へ熱を伝えなくてはいけない 熱 夏 36
T-4 冷凍機 ヒートポンプ 63 / 87 冷凍機 ヒートポンプ エアコンや冷蔵庫の効率を良くする 電気代を安くする 方法
T-4 冷凍機 ヒートポンプ エアコン 冷蔵庫で大きい方がよい 冷却量 冷房 冷蔵庫 加熱量 暖房 64 / 87 エアコン 冷蔵庫で小さい方がよい 消費電力 少ない消費電力で たくさん冷やせる 暖められる 冷凍機 ヒートポンプが効率がよい Q 冷凍機 ヒートポンプの効率 ε= E -成績係数(COP) W
T-4 温度のコントロール 66 / 87 熱の伝わる方向 夏季の冷房 高温 室内 冷房 外気 28 < 36 熱 熱 室内機 室外機 冷媒の循環 T室内機?< 28 < 36? < T室外機 低温
67 / 87 室外機 室内機 冷媒の循環 T室内機 < 28 < 36 室内空気 外気 冷媒の循環 < T室外機
68 / 87 T室内機 < 28 < 36 室内空気 外気 < T室外機 冷媒の圧力を上げる 仕事 冷媒の圧力を下げる 低圧低温の冷媒 高圧高温の冷媒
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70 / 87 気体 液体 凝縮 液体 気体 蒸発 沸騰 相変化を伴う伝熱は熱伝達率が高い
沸騰 日本刀の焼き入れ 刀匠繁久助廣濤らん刃を焼く 相原利雄 伝熱工学 71 / 87 一閑人 刀鍛冶 福留房幸の日々
T-4 冷凍機 ヒートポンプ 79 / 87 成績係数の良くなる運転条件を実験で求める 変更可能な実験条件 高温熱源凝縮器入口温度 水 高温熱源 流量 一回目実験 班全員で 二回目の実験条件を決める 二回目実験 低温熱源蒸発器入口温度 空気 低温熱源 流速 一回目 二回目の実験結果を班全員で検討し 三回目の実験条件を決める 三回目実験 三回目の実験結果を検討する
T-4 冷凍機 ヒートポンプ 80 / 87 変更可能な実験条件 高温熱源凝縮器入口温度 温度 高温熱源 水 高温熱源 流量 速度 高温熱源 低温熱源蒸発器入口温度 温度 低温熱源 空気 低温熱源 流速 速度 低温熱源
81 / 87 成績の良い冷凍機 圧縮機での仕事が小さい 電気代が安い 圧力差を小さくする 温度差を小さくする 伝熱量が大きい よく冷える or よく暖まる 熱を伝えやすくする 熱伝達率を上げる
82 / 87 高温冷媒 熱 外気 高温熱源 温度差を小さくしたい 低温熱源 室内温度 圧力差ゼロでは冷却できない 熱 低温冷媒 熱源の温度を変えると
T-4 冷凍機 ヒートポンプ 84 / 87 熱伝達率を大きくする 速度の影響 ニュートンの冷却法則 Qc =h A (T w T ) 熱交換器 高熱源 水道水 蒸発器 Tw 空気 h, T 冷媒 低熱源 空気
T-4 冷凍機 ヒートポンプ 速度の影響 85 / 87 熱伝達率を大きくする 熱交換器 凝縮器 蒸発器 での 温度差を小さくする ニュートンの冷却法則 Qc =h A (T w T ) 高温冷媒 熱 外気 高温熱源 低温熱源 室内温度 熱 低温冷媒
T-4 効率をあげる 88 / 87 利用する側で出来ること 設定温度の変更 実験条件 外気 室内空気を仮定した熱源水の温度を変える 製作する側で出来ること 熱交換器 凝縮器 蒸発器 の熱交換性能の向上 実験条件 水や空気の速度 流量 を速く 大きく する
89 / 87 T-4の実験装置
T-4 実験装置 蒸発器 90 / 87 膨張弁 圧縮機 凝縮器 冷媒: フロン(R22)
T-4 実験装置 91 / 87 低熱源 空気 高熱源 水道水
最後に 92 / 87 身につけて欲しいこと 内容を理解して実験を進め 経験として吸収する そのために 実験前に教科書を読んでから 実験に参加する 文章の書き方 再提出時に考察の添削 議論の進め方 実験中積極的に発言する 分からないことがあれば いつでも質問に来る 教員室 1号館南棟2階208室