SQL Server 2008 徹底検証シリーズ 大規模データウェアハウス実践ガイド ( 環境構築 - 詳細編 ) Microsoft Office Excel 2007 と Excel 2003 の比較 Published.2008 年 11 月 20 日
2008 Microsoft Corporation. All rights reserved. 本書に記載した情報は 本書各項目に関する発行日現在の Microsoft の見解を表明するものです Microsoft は絶えず変化する市場へ対応しなければならないため ここに記載した情報に対していかなる責務を負うものではなく 提示された情報の信憑性については保証できません 本評価ガイドは情報提供のみを目的としています Microsoft は 明示的または暗示的を問わず 本書にいかなる保証も与えるものではありません すべての当該著作権法を遵守することはユーザーの責務です Microsoft 書面による明確な許可なく 本書の如何なる部分についても 転載や検索システムへの格納または挿入を行うことは どのような形式または手段 ( 電子的 機械的 複写 レコーディング その他 ) および目的であっても禁じられています これらは著作権保護された権利を制限するものではありません Microsoft は 本書の内容を保護する特許 特許出願書 商標 著作権 またはその他の知的財産権を保有する場合があります Microsoft から書面によるライセンス契約が明確に供給される場合を除いて 本書の提供はこれらの特許 商標 著作権 またはその他の知的財産へのライセンスを与えるものではありません Microsoft Windows MSDN Visual Studio SQL Server は 米国および ( または ) その他の国において Microsoft Corporation の登録商標または商標です その他記載されている実際の社名および製品名は 各社の商標です Microsoft Corporation One Microsoft Way Redmond WA 98052-6399 US 2
Microsoft Office Excel 2007 と Excel 2003 の比較 この資料では CQI-DWH( データウェアハウス ) シナリオにおける Analysis Services で構築した多次元データベース ( キューブ ) のクライアントとなる Excel 2007 および Excel 2003 の動作の違いを詳しく説明します 説明内容は 以下のとおりです 目次 1.Excel 2007 と Excel 2003 の比較... 4 1.1 既存機能の比較 5 1.2 Excel 2003 からの Analysis Services への接続手順 6 1.3 Excel 2007 からの Analysis Services への接続手順 9 1.4 Excel 2003 と Excel 2007 の動作比較 11 1.5 ピボットテーブルを作成保存後 再度開いて利用する場合 17 1.6 Excel 2007 のみの機能 23 3
1.Excel 2007 と Excel 2003 の比較 この資料では Excel 2007 と Excel 2003 の違いを説明します 1. 前提条件 2. 既存機能比較 Analysis Services への接続ピボットテーブルのフィールドリストピボットテーブルのフィールド設定ピボットテーブルを作成保存後 再度開いて利用する場合 3. Excel 2007 のみの機能詳細データの表示追加アクション KPI 前提条件 SQL Server 2008 環境の Analysis Services(SSAS) へ接続して Excel 2003 と Excel 2007 との比較を行う 2003 比較 Windows 認証 Windows 認証 SSAS MSCQIDWH_AS SQL Server 2008 2007 比較に使用した Excel の Version Microsoft Office Professional Edition 2003 Microsoft Office Professional Plus 2007 使用サーバー / キューブ サーバー名 : MSBI1 キューブ : MSCQIDWH_AS 4
1.1 既存機能の比較 Analysis Services への接続 (.odc ファイル ) Excel 2003 および Excel 2007 から Analysis Services データベースへの接続を作成する手順は それぞれ次のとおりです Excel 2003 の場合 接続先の種類選択 OLD DB プロバイダの選択 サーバー / 認証方法の設定 キューブの選択 データ接続ファイルの保存 データの表示方法選択 Excel 2003 の場合は Analysis Services データへ接続するには 以下のコンポーネントがイ ンストールされている必要がありあす Microsoft Core XML Services(MSXML)6.0 Microsoft SQL Server 2008 Analysis Services 10.0 OLE DB Provider Excel 2007 の場合 接続先の種類選択 サーバー / 認証方法の設定 キューブの選択 データ接続ファイルの保存 データの表示方法選択 Excel 2007 の場合は データの接続方法へ Analysis Services を選択することで OLE DB プロバイダの選択は不要です (Excel 2003 では OLE DB プロバイダの選択が必要です ) Excel 2007 には Analysis Services データベースへアクセスするために必要なデータソースとクライアントソフトウェアが含まれていますが 最新のプロバイダ Microsoft SQL Server 2008 Analysis Services 10.0 OLE DB Provider をインストールしておく必要があります Excel 2007 のインストールでは SQL Server 2005 の Analysis Services へ接続するための Microsoft SQL Server 2008 Analysis Services 9.0 OLE DB Provider はインストールされていますが SQL Server 2008 へ対応したプロバイダは インストールされていません Microsoft SQL Server 2008 Analysis Services 10.0 OLE DB Provider は 最新の Microsoft SQL Server 2008 用 Feature Pack からダウンロードすることができます Microsoft SQL Server 2008 用 Feature Pack 2008 年 10 月版 http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?familyid=228de03f-3b5a-428a-92 3f-58a033d316e1&DisplayLang=ja(2008 年 10 月時点 ) なお SQL Server 2008 の共有機能の クライアントツール接続 をインストール済みの場 合は クライアントツール接続の中に Microsoft SQL Server 2008 Analysis Services 10.0 OLE DB Provider が含まれているため 追加インストールは不要です 5
1.2 Excel 2003 からの Analysis Services への接続手順 1. Excel 2003 から Analysis Services へ接続するには [ データ ] メニューから [ 外部データの取り込み ] [ データの取り込み ] を選択します 2. [ データファイルの選択 ] 画面で 新しいデータソースへの接続 を選択します 3. データソースの種類一覧から その他 / 詳細 を選択します 4. [ プロバイダ ] タブで Microsoft OLE DB Provider for Analysis Services 10.0 を選択します 6
5. データソースと場所を入力し 使用する初期カタログからキューブを選択します 6. キューブが選択されていることを確認します 7
7. [ 完了 ] を選択すると データ接続ファイルが作成されます 8. ピボットテーブル作成場所を設定して [ 完了 ] をクリックします 9. キューブへ接続できました 8
1.3 Excel 2007 からの Analysis Services への接続手順 1. Excel 2007 から Analysis Services へ接続するには [ データ ] タブから [ その他のデータソース ] [Analysis Services] を選択します 2. サーバー名を入力し 認証方法として Windows 認証を使用する を選択します 3. キューブを選択して [ 次へ ] をクリックします 4. [ 完了 ] をクリックすると データ接続ファイルが作成されます 9
5. 表示形式から ピボットテーブルレポート を選択して ピボットテーブル作成場所を設定して [OK] をクリックします 6. キューブへ接続できました 10
1.4 Excel 2003 と Excel 2007 の動作比較 ピボットテーブルのフィールドリスト Excel 2003 と Excel 2007 でのフィールドリストの表示差異は 以下のとおりです Excel 2007 Excel 2003 項目のグループ表示 KPI の表示 エリアセクション フィールドフィルタ エリアの名称 メジャーグループ ディメンション KPI ごとにグループ化して表示 有効 フィールドリストに表示される デフォルトの設定でエリアセクションが表示される 有効 [ 次に関連するフィールドを表示 ] からメジャーグループを選択することで 関連する項目のみにフィルタをかけることが可能 列ラベル行ラベル値レポートフィルタ 全てのメジャーと階層を一覧で表示 無効 フィールドリストに表示されない なし 無効 列範囲行範囲データ範囲ページ範囲 Excel 2007 Excel 2003 関連項目のみにフィルタリング可能 項目は全て一覧表示 項目をグループ化して表示 KPI は表示されない (Excel 2007 のみ有効 ) エリア名称の差異エリア名称の差異 11
ピボットテーブルのフィールド設定 ピボットテーブルのフィールド設定の差異は 以下のとおりです フィールドの設定 フィールド追加後の表示 階層の表示 Excel 2007 Excel 2003 エリアセクションにドラッグ & ドロップして設定 階層のメンバ全てが階層レベルごとにグループ化された状態で表示される 階層 階層メンバは すべて同じ列に表示される 集計行の表示前に表示される後に表示される 複数のデータ項目の表示 行方向に表示される 列方向への変更は可能 ピボットテーブルの各フィールドエリアにドラッグ & ドロップして設定 またはフィールドリストのドロップダウンリストから追加エリアを選択し [ 追加 ] をクリックして設定 一番上の階層レベルのメンバのみ表示され 下位階層レベルのメンバは 列 / 行ともにデフォルトでは 非表示になっている 表示させることは可能 階層メンバごとに 1 列ずつ表示される 列方向に表示される 行方向への変更は可能 Excel 2003 Excel 2007 フィールドをピボットテーブルの各フィールドエリアにドラッグ & ドロップ フィールドをエリアセクションにドラッグ & ドロップ ピボットテーブルの各フィールドエリアから追加するフィールドを選択し 追加するエリアを選択して [ 追加 ] をクリック 12
フィールドの設定 フィールド追加後の表示の差異は 次のとおりです Excel 2007 Excel 2003 フィールド追加後の表示 各階層の一番レベルの高いメンバのみが表示され 他のメンバは デフォルトでは非表示となっている 階層メンバーの表示 Excel 2003 では 階層のメンバーをすべて表示するには 階層を右クリックして 詳細デー タの表示 を選択します Excel 2003 階層を全て表示する方法 Excel 2007 では フィールドをすべて展開するには 行ラベルを右クリックして フィール ド全体の展開 を選択します 13
Excel 2007 階層メンバをすべて展開する方法 階層の表示 階層の表示の差異は 次のとおりです Excel 2007 Excel 2003 階層の表示 各階層メンバごとに 1 列ずつ分かれて表示される 各階層メンバは全て 1 列に表示される 14
集計行の表示 集計表の表示の差異は 次のとおりです Excel 2007 Excel 2003 階層の表示 集計行は後に表示される 集計行は前に表示される 複数データ項目の表示 複数データ項目の表示の差異は 次のとおりです Excel 2007 Excel 2003 複数データがある場合は列方向に並ぶ 複数データがある場合は行方向に並ぶ 15
Excel 2007 値 を行ラベルに変更することで行方向への変更可能 Excel 2003 値の項目を列範囲に変更することで列方向への変更可能 16
1.5 ピボットテーブルを作成保存後 再度開いて利用する場合 Active Directory を利用していない環境で Analysis Services サーバーに対して ローカルユーザー / パスワードを指定してログインする場合 ピボットテーブルを作成保存後に 再度開いて利用する場合には 以下の設定が必要になります 設定 Excel 2007 Excel 2003 パスワードをファイルに保存する チェックボックス 常にこのファイルを使用してデータを更新する チェックボックス オンに設定 オンに設定 ( 設定不可 ) ただし この設定の場合は パスワードが平文で接続ファイル (.odc ファイル ) に設定される ため 特別な注意が必要であり 可能な限り Active Directory を利用することを推奨します 上記設定を行って 保存した Excel ファイルを開き 再度 Analysis Services へ接続して操作 を行う場合の差異は 次のとおりです 作成保存後再度開いて利用 Excel 2007 Excel 2003 エラー発生有無 なし 外部データに接続する旨の確認のセキュリティ通知のみ このエラーの発生は 常にこのファイルを使用してデータを更新する の設定が Excel 2007 では可能となっているため Excel 2007 では回避できます あり 接続ファイル (.odc) の使用確認が必要 保存後再利用するための設定 Excel 2007 Excel 2003 パスワードを保存する にチェックを入れる ログインユーザ / パスワードを入力します 17
Excel 2007 Excel 2003 パスワードをファイルに保存する にチェックを入れる 常にこのファイルを使用して にチェックを入れる ここにチェックを入れることでエラーが回避される Excel 2003 で保存後再利用 ( 再接続 ) した場合の動作 1. ピボットテーブルを作成し 名前を付けて保存します Excel 2003 保存後再利用 ( 再接続 ) した場合 ピボットテーブルを作成し 名前をつけて保存します 41 2. 保存したファイルを開き データ範囲に 売上数量 を追加します 18
保存したファイルを開き データ範囲に 売上数量 を追加します 42 3. Analysis Services への接続時にエラーが発生します SSAS に接続時にエラーが発生します 43 4. 接続情報使用の確認画面が出てきます 接続に使用する.odc ファイルが合っていることを確認して [ はい ] を選択します 19
接続情報使用の確認画面がでてきます 接続に使用する.odcファイルがあっていることを確認して [ はい ] を選択します 44 5. Analysis Services へ再接続して 値を追加できました 20
Excel 2007 で保存後再利用 ( 再接続 ) した場合の動作 1. ピボットテーブルを作成して 名前を付けて保存します Excel 2007 保存後再利用 ( 再接続 ) した場合 ピボットテーブルを作成し 名前をつけて保存します 46 2. 保存したファイルを開き 値に 売上数量 を追加します 保存したファイルを開き 値に 売上数量 を追加します 21
3. 外部データへ接続するための確認画面がでてきます 外部データに接続するための確認画面がでてきます 4. Excel 2007 では エラーが発生することなく Analysis Services へ接続し 値を追加できました 22
1.6 Excel 2007 のみの機能 詳細データの表示 Excel 2007 では データをダブルクリックするか または 詳細データの表示 を選択する ことで 集計値の詳細データを表示することができます 詳細データを表示するセルをダブルクリックするか または右クリックし [ 詳細の表示 ] を選択します 53 新しいシートに詳細データの最初の 1000 行が表示されます 23
詳細データの行数 ( デフォルトは 1000 行 ) を変更したい場合は [ データ ] タブの [ プロパ ティ ] から 接続のプロパティを開いて 取得するレコードの最大数 を変更します 詳細データの行数を変更する場合は [ データ ] タブ >[ プロパティ ] で接続のプロパティを開き 取得するレコードの最大数 を変更します 54 24
追加アクション Excel 2007 では Analysis Services で定義されたアクションを実行することができます アクションを利用すると キューブのメンバやメジャーをパラメータとしてクエリに取り込み キューブに詳細を保存したり ブラウザなどの別のアプリケーションを起動することも可能です 詳細データを表示するセルを右クリックして [ 追加アクション ] から任意のアクションを選択します Excel からバラメータを受け取り レポートを実行しました 25
KPI( 主要業績評価指標 ) KPI は Analysis Services で定義される特別な集計基準です これによって 状態 ( 現在値が特定の数値に一致しているか ) 傾向 ( 時間の経過と共に値がどう変化しているか ) などの 主要業績評価指標 を追跡できます これらのデータが表示されると サーバーから Excel の新しいアイコンセットに類似する関連アイコンが送信され 状態インジケータ ( ブレーキランプのアイコン ) 傾向インジケータ ( 方向表示の矢印アイコンなど ) を示すことができます 59 KPI の 状態 を値に追加すると 設定されたアイコン ( 今回は信号機 ) で状態が表示されます 以上 26