労働保険制度について 1 労働保険とは 労働者災害補償保険 ( 労災保険 ) と 雇用保険 をまとめた総称です 保険給付は両保険で個別に行われますが 保険料の徴収は原則として一体で行います 2 労災保険 労働者又は特別加入者が 業務上の災害や通勤災害で負傷し疾病に罹患した場合に 必要な保 険給付を行

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労災保険とは 労災保険とは 労働者が業務や通勤が原因で 負傷したり 病気になったり さらには死亡したときに 治療費など必要な保険給付を行う制度です 外国人でも日本国内で働いている限り 労災保険が適用されます 原因 事由 災害分類 保険 その他 その他の災害 健康保険 労働災害に健康保険は使えません

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はじめに 近年 安全技術の向上と現場教育の成果により 労働災害による被災労働者数は減少傾向にあります しかしそれでも 毎年約 11 万人にも及ぶ労働者が いまだ労働災害によって生命や身体を侵害されている実情があります 考えたくはありませんが 万一 従業員が業務上の被災をした場合 法律上 その従業員が

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ユニオンぼちぼち学習会 偽装請負 と労災保険 2016 年 6 月 13 日 0. 請負契約とは請負とは 仕事の完成に対して報酬が支払われる契約のことを指す ( 民法 632 条 ) それだけだとわかりにくいので 雇用契約と比べてみる 雇用契約は労働に従事したことに対して報酬が支払われる ( 民法

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後期高齢者医療制度とは 制度 後期高齢者医療制度とは 3 資格 被保険者 4 被保険者証 保険証 5 保険料の算定 6 保険料の納付方法 7 保険料の軽減と納付相談 8 お医者さんにかかるときの自己負担割合 10 療養費 12 訪問看護療養費 移送費 13 高額療養費 14 特定疾病 17 高額介護

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ったと判断します なお 一時的に認定基準月額以上の収入がある月があっても 認定基準年額を超えるまでの間は認定できます また 勤務した月の給与が翌月以降に支払われる場合でも 原則 勤務月の収入として取扱います 継続して認定できる事例 認定基準月額未満であるので 継続して認定できます 認定基準月額以上の

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(3) 権利か 時効により消滅していることはありますか (4) 今回の追加給付はいつまて に手続を行えは 良いて しょうか Q11 なせ 支払いまて にそれほと の時間を要するのて しょうか 2 < 個人向け Q&A> 毎月勤労統計において全数調査をするとしていたところを一部抽出調査て 行って Q1

障害厚生年金 厚生年金に加入している間に初診日 ( 障害のもととなった病気やけがで初めて医者にかかった日 ) がある病気やけがによって 65 歳になるまでの間に 厚生年金保険法で定める障害の状態になったときに 受給要件を満たしていれば支給される年金です なお 障害厚生年金に該当する状態よりも軽い障害

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別紙 1 健康保険料 介護保険料 厚生年金保険料 子ども 子育て拠出金 1. 複数資金間での負担配分について (1) 複数の外部資金間での負担配分当該外部資金管理者間の調整により任意に負担割合等を決定する (2) 外部資金と経常費間での負担配分 A. 外部資金による常勤の雇用者に経常費による手当支給

点検項目 点検事項 点検結果 リハビリテーションマネジメント加算 Ⅰ 計画の定期的評価 見直し 約 3 月毎に実施 リハビリテーションマネジメント加算 Ⅱ ( リハビリテーションマネジメント加算 Ⅰ の要件に加え ) 居宅介護支援事業者を通じて他のサービス事業者への情報伝達 利用者の興味 関心 身体

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企業 メリット : 1 労働者が社内では得られない知識 スキルを獲得することができる 2 優秀な人材の獲得 流出の防止ができ 競争力が向上する 3 労働者が社外から新たな知識 情報や人脈を入れることで 事業機会の拡大につながる 留意点 : 1 必要な就業時間の把握 管理や健康管理への対応 労働者の職

新規裁定当該期間 ( 月又は年度 ) 中に新たに裁定され 年金受給権を得た者が対象であり 年金額については裁定された時点で決定された年金額 ( 年額 ) となっている なお 特別支給の老齢厚生年金の受給権者が65 歳に到達した以降 老齢基礎年金及び老齢厚生年金 ( 本来支給もしくは繰下げ支給 ) を

議第  号

8-1 雇用保険 雇用保険の適用基準 1 31 日以上引き続き雇用されることが見込まれること 31 日以上雇用が継続しないことが明確である場合を除き この要件に該当することとなります このため 例えば 次の場合には 雇用契約期間が31 日未満であっても 原則として 31 日以上の雇用が見込まれるもの

目次 問 1 労使合意による適用拡大とはどのようなものか 問 2 労使合意に必要となる働いている方々の 2 分の 1 以上の同意とは具体的にどのようなものか 問 3 事業主の合意は必要か 問 4 短時間労働者が 1 名でも社会保険の加入を希望した場合 合意に向けての労使の協議は必ず行う必要があるのか

年管管発 0928 第 6 号平成 27 年 9 月 28 日 日本年金機構年金給付業務部門担当理事殿 厚生労働省年金局事業管理課長 ( 公印省略 ) 障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱いについて 厚生年金保険法施行規則等の一部を改正する省令 ( 平成 2

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申出が遅れた場合は 会社は育児 介護休業法に基づき 休業開始日の指定ができる 第 2 条 ( 介護休業 ) 1 要介護状態にある対象家族を介護する従業員 ( 日雇従業員を除く ) 及び法定要件を全て満たした有期契約従業員は 申出により 介護を必要とする家族 1 人につき のべ 93 日間までの範囲で

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2016年 弾丸メールセミナー № 36回 雇用保険法 育児休業給付金

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Ⅰ 概要について 一次下請契約者を社会保険等加入業者に限定します 平成 29 年 4 月 1 日以降に契約締結した工事において 受注者は 原則として社会保険等未加入業者を下請契約 ( 受注者が直接契約締結するものに限る 以下 一次下請契約 という ) の相手方としないこととします 追加 建設工事契約

(3) 障害共済年金 退職老齢年金給付 給料との調整ア障害共済年金との支給の調整傷病手当金は 同一の傷病について障害共済年金の支給を受けることができるときは 支給されません ただし その支給を受けることができる障害共済年金の額 ( 当該障害共済年金と同一の給付事由に基づき国民年金法による障害基礎年金

( 注 1) 被保険者の標準報酬月額は 健康保険では第 1 級 58,000 円から第 50 級 1,39 0,000 円までの等級に区分され 実際に支給される報酬月額をこの等級のいずれかに当てはめて決定される そして 傷病手当金の支給額は 平成 27 年度以前は 休業した日における標準報酬月額の

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03【通知】各業における新規許可申請時における社会保険及び労働保険の適用状況の確認について

(2) 国民年金の保険料 国民年金の第 1 号被保険者および任意加入者は, 保険料を納めなければなりません また, より高い老齢給付を望む第 1 号被保険者 任意加入者は, 希望により付加保険料を納めることができます 定額保険料月額 15,250 円 ( 平成 26 年度 ) 付加保険料月額 400

【別紙】リーフレット①

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高齢者福祉

厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律

加入の手続きは 社会保険 : 年金事務所 ( 健康保険 厚生年金を同時に手続き ) 雇用保険 : 公共職業安定所で行っておりますので 未加入の場合はご相談ください 加入手続きに不安がある場合は 社会保険労務士にご相談ください 社会保険労務士は どのように社会保険の加入手続を行っていいかわからない と

実技試験 ( 個人資産相談業務 ) 次の設例に基づいて 下記の各問 ( 問 1 ~ 問 3 ) に答えなさい 設例 Aさん (33 歳 ) および妻 Bさん (29 歳 ) は 民間企業に勤める会社員である 平成 29 年 3 月に第 1 子を出産予定の妻 Bさんは 産前産後休業および育児休業を取得

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育児休業や 介護休業をする方を 経済的に支援します 育児休業給付の支給 介護休業給付の支給 育児休業等期間中の社会保険料 ( 健康保険 厚生年金保険 ) の免除 育児休業等終了後の社会保険料 ( 健康保険 厚生年金保険 ) の特例 3 歳未満の子を養育する期間についての年金額計算の特例 ( 厚生年金

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ただし 日雇従業員 期間契約従業員 ( 法に定める一定の範囲の期間契約従業員を除く ) 労使協定で除外された次のいずれかに該当する従業員についてはこの限りではない (2) 週の所定労働日数が2 日以下の従業員 (3) 申出の日から93 日以内に雇用関係が終了することが明らかな従業員 2 要介護状態に

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別添 2 租税特別措置法施行令第 39 条の25 第 1 項第 1 号に規定する厚生労働大臣が財務大臣と協議して定める基準を満たすものである旨の証明願平成年月日厚生労働大臣殿 租税特別措置法施行令第 39 条の25 第 1 項第 1 号に規定する厚生労働大臣が財務大臣と協議して定める下記の基準を満た

平成20年度

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必要とする家族 1 人につき のべ 93 日間までの範囲内で 3 回を上限として介護休業をすることができる ただし 有期契約従業員にあっては 申出時点において 次のいずれにも該当する者に限り 介護休業をすることができる 一入社 1 年以上であること二介護休業開始予定日から 93 日を経過する日から

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(2) 国民年金の保険料 国民年金の第 1 号被保険者および任意加入者は, 保険料を納めなければなりません また, より高い老齢給付を望む第 1 号被保険者 任意加入者は, 希望により付加保険料を納めることができます 定額保険料月額 16,490 円 ( 平成 29 年度 ) 付加保険料月額 400

健康保険とは?[ 健康保険組合 ] 健康保険に加入する人は?[ 被保険者 / 被扶養者 ] 保険証が交付されます [ 保険証 ] 保険料を納めます [ 標準報酬月額 / 保険料率 ] いろいろな保険給付 [ 保険給付 ] 病気やけがをしたとき [ 療養の給付 / 入院時食事療養費 ] 医療費が高額に

保険給付に関する決定についての審査請求に係る労働者災害補償保険審査官の決定に対して不服のある者は 再審査請求をした日から 3 か月を経過しても裁決がないときであっても 再審査請求に対する労働保険審査会の裁決を経ずに 処分の取消しの訴えを提起することはできない (H23-4B)

点及び 認定された日以降の年間の見込みの収入額のことをいいます ( 給与所得等の収入がある場合 月額 108,333 円以下 雇用保険等の受給者の場合 日額 3,611 円以下であること ) また 被扶養者の年間収入には 雇用保険の失業等給付 公的年金 健康保険の傷病手当金や出産手当金も含まれます

2 船員保険 新船員保険制度の紹介 平成 22 年 1 月から新しい船員保険制度がスタートします 新しい船員保険制度は 健康保険相当部分 ( 職務外疾病部門 ) と船員労働の特性に応じた独自給付を行う制度として 平成 22 年 1 月よりスタートします 新制度は 新たな保険者として 全国健康保険協会

2 障害厚生年金障害厚生年金は次の1~3の条件すべてに該当する方が受給できます 1 障害の原因となった病気やケガの初診日 ( 1) が 厚生年金保険の被保険者である期間にあること 2 障害の原因となった病気やケガによる障害の程度が 障害認定日 ( 2) に法令により定められている障害等級表 ( 3)

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目次 1. 建設業における労災保険について 2 2. 建設業における一人親方の範囲 3 3. 労災保険給付の概要 3 4. 特別加入時に健康診断が必要な場合 4 5. 加入の条件 5 6. 加入手続き 5 7. 労災保険料及び年会費等について 5 8. 団体概要 7 9. よくある質問について 8

3 育児 介護 112

(2) 再就職後 年金受給権が発生した場合正規職員無職一般企業無職 共済組合員 A 厚生年金 B ( 一般厚生年金 ) 退職 再就職 老齢厚生年金支給開始年齢 1 年金待機者登録 2 公的年金加入 ( 一部又は全額支給停止 ) 3 年金決定請求 1 退職した際は 年金の受給権発生まで期間がありますの

4 申請者 記入用 申請内容 傷病名 発病または負傷年 該当の傷病は病気 疾病 ですか ケガ 負傷 ですか. 病気. ケガ 発病時の状況 負傷原因届を併せてご提出ください 平成 年 4 療養のため休んだ期間 申請期間 から 数 まで 間 5 あなたの仕事の内容 具体的に 退職後の申請の場合は退職前の

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支給開始日以前に カ月の標準報酬月額がある場合 06 年 月 日まで 06 年 4 月 日以降 休んだ日の標準報酬月額 0 日 / 支給開始日以前の継続した カ月間の各月の標準報酬月額の平均額 0 日 / ( 例 ) 支給開始日以前の継続した カ月間に 標準報酬月額が 6 万円の月が カ月 0 万円

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Japan International Training Cooperation Organization

労働保険制度について 1 労働保険とは 労働者災害補償保険 ( 労災保険 ) と 雇用保険 をまとめた総称です 保険給付は両保険で個別に行われますが 保険料の徴収は原則として一体で行います 2 労災保険 労働者又は特別加入者が 業務上の災害や通勤災害で負傷し疾病に罹患した場合に 必要な保 険給付を行います また 労働者の福祉の増進を図る事業も行っています 3 雇用保険 (1) 従業員には 失業して一定の要件に該当すれば 雇用保険の基本手当等が支払われます (2) 事業主には 従業員の採用 失業防止等の措置に対して 一定の要件を満たす場合 各種助成金が支給されます 4 労働保険の適用 加入手続き (1) 当然適用 原則として 一人でも労働者を雇用している場合は 強制的に適用されます (2) 暫定任意適用 農林水産事業のうち 個人経営 で労働者数が 5 人未満 などの事業は強制適用とならず 事業主若しくは労働者の過半数 ( 労災保険 ) 又は労働者の1/2 以上 ( 雇用保険 ) が希望し 厚生労働大臣の認可を受けた場合は適用事業となります 詳細は次章の 労災保険の適用 を参照ください (3) 加入手続 保険関係成立届 を保険関係が成立してから 10 日以内に労働基準監督署又はハローワークへ提出する必要があります なお 雇用保険の 雇用保険適用事業所設置届 を設置日から 10 日以内に 又 雇用保険被保険者資格取得届 を資格取得の事実のあった日の属する月の翌月 10 日迄にハローワークへ提出します 5 労働保険料 (1) 保険料の納付 保険関係が成立した日から その年度末までの労働者に支払う賃金見込額に保険料率を乗じて得た額を 保険関係が成立してから50 日以内に 概算保険料 として申告 納付します (2) 保険料額 1 全労働者の賃金総額 労災保険率 +2 雇用保険対象労働者の賃金総額 雇用保険率 (1 労災保険料分は 全額事業主負担 2 雇用保険料分は 事業主と労働者双方で負担 ) 6 労働保険の年度更新 労働保険の保険料は その年度における申告の際に概算で申告 納付し 翌年度の申告の際に確定申告の上 精算することとしており 事業主の皆さまには 前年度の確定保険料と当年度の概算保険料を併せて申告 納付していただくこととなります これを 年度更新 といい 毎年 6 月 1 日から7 月 10 日までの間に手続を行っていただくこととなります 2

労災保険の適用 労災保険は国が所管する 強制保険 です 保険関係の手続は 所轄の労働基準監督署で行います 労働基準法 ( 第 8 章災害補償 第 75 条 ~ 第 88 条 ) では 労働者が 業務上の事由により被った災害 について 事業主は 補償 しなければならないと規定されております その定められた 使用者の災害補償責任 を担保する制度が 労災保険制度 ( 使用者相互扶助の性格 ) です 従って 労災保険料は全額事業主負担となっています (1) 労災保険法では 労働者を使用する事業を適用事業とするとされており 一人でも雇用していれ ば強制的に加入しなければならないこと ( 強制適用 ) になっております (2) 保険給付においては 通勤による災害 ( 労働基準法上の事業主の補償義務はない ) も 支給対象と されています (3) 農林水産業の労災保険の適用については 1 農業で労働者 5 人未満の個人経営の場合 ( ただし 有害環境下での作業等危険有害作業を主として行う事業を行う場合及び事業主が特別加入している場合を除く ) 2 林業で年間使用延べ労働者数が300 人未満である個人経営の場合 3 水産業で労働者 5 人未満の個人経営の事業であって 総トン数 5トン未満の漁船によるもの又は災害発生のおそれの少ない場所において主として操業する場合 暫定任意適用事業となっております この場合でも労働基準法上又は船員法上の事業主の補償義務があります 一方 入管関係法令では 技能実習生の技能等修得活動開始前に 労災保険の成立届等が行われているか 若しくはそれに類する措置を講ずることが義務付けられ 現時点では事実上 暫定任意適用である個人経営の農林水産業も労災保険への加入が求められることになりました 最寄りの労働基準監督署で加入手続きをしてください (4) 船員保険制度は 平成 22 年 1 月 1 日から 業務上の傷病等の労災保険相当部分は労災保険制度に 失業等の雇用保険相当部分は雇用保険制度にそれぞれ統合されました 担当部署は 労災保険が労働基準監督署 雇用保険がハローワークとなります 詳細は 最寄りの労働基準監督署又はハローワークにお問い合わせください 3

労災保険の概要 労災保険とは 労働者が 労働による 業務災害 又は通勤による 通勤災害 によって負傷し 又は疾病に罹患した場合に必要な保険給付を行う制度です なお 特別加入制度 ( 任意加入制度 ) があり 特別加入すれば 労働者ではない者も労災保険の対象となります 特別加入できる者は次のとおりです ❶ 中小事業の事業主と家族従事者等 ( 労働保険事務組合加入等が条件 ) ❷ 一人親方その他の自営業者及びその事業に従事する方 ❸ 一定規模以上で一定の危険有害な農作業等を行う特定農作業従事者 特定の農業機械を用いて一定の農作業を行う指定農業機械作業従事者 公機関又はその委託で行われる訓練従事者 一定の危険有害な作業に従事する家内労働者と補助者 雇用している労働者のいない労働組合等の常勤役員 日常生活の世話 機能訓練又は看護に係る作業を行う介護作業従事者 ❹ 海外派遣者 一定の一人親方等 ( 個人タクシー業者及び個人貨物運送業者 ) 特定農作業従事者 指定農業機械作業従事者 家内労働者等は通勤災害の保護の対象となっていません 1 業務災害 業務災害は 仕事が原因となって発生した災害 疾病をいいます 例えば 鉄板を切断中 手を切った 残業が 2 ヶ月続いて月 90 時間を超え 心筋梗塞で倒れた 風呂場で塗装作業していたら 倒れた 木材加工作業中 指を切断した 木屑が目に入った 建設現場の足場から墜落し足を骨折した 著しい騒音が発生している作業場で実習していたら難聴になった 実習中足を捻って捻挫した 2 通勤災害 通勤災害は 通勤の途中において 被った災害 疾病をいいます 例えば 自転車で通勤中 乗用車と衝突し怪我をした 徒歩で通勤途中 道路が凍結していて転倒し負傷した 実習が終わり宿舎に帰る途中 スーパーマーケットで夕食の食材を購入し 通勤経路に戻ったところで転倒し怪我をした 4

労災保険の給付の概略 5

労災保険の給付内容の詳細 各項目で示す給付の種類において 業務災害の療養の場合は 療養補償給付 通勤災害の場合は 療養給付 ですが 給付内容はほぼ変わらないため 記載上 療養 ( 補償 ) 給付と ( ) の有無により 読み分けていただくことになります (1) 療養 ( 補償 ) 給付業務災害又は通勤災害による傷病により療養するとき ア療 養の給付 労災病院や指定医療機関 薬局等 ( 以下 指定医療機関等 という ) にお いて 必要な療養 ( 現物の給付 ) が受けられる 原則として治療費無料 イ療 養の費用 指定医療機関等以外の病院等で療養した場合に その療養に要した費用が 支給される 原則として治療費用が戻ってくる (2) 休業 ( 補償 ) 給付療養のために労働することが出来ず 賃金を受けない期間が 4 日以上にわたった場合 ア休業 4 日目以降一日につき 給付基礎日額 ( 注 1) の 60% 相当額が支給される ( 業務災害の場合 最初の 3 日間については 事業主の補償義務あり ) イ休 業特別支給金 上記の休業 ( 補償 ) 給付支給対象となる休業一日につき 給付基礎日 額 の 20% 相当額が支給される ( 事業主の補償義務なし ) ウ従って 休業 4 日目以降は 実質的には給付基礎日額の 80% 相当額が支給される 注 1 給付基礎日額 原則として 労働基準法の平均賃金に相当する額をいう また 平均賃金とは 原則として 業務 上又は通勤による負傷や死亡の原因となった事故が発生した日又は医師の診断によって疾病の発生が確定した日 ( 賃金締切日が定 められているときは その日の直前の賃金締切日 ) の直前 3 か月間にその労働者に対して払われた賃金の総額を その期間の歴日 数で割った一暦日あたりの賃金額である この計算で不合理な場合には 色々な計算万法がある (3) 障害 ( 補償 ) 給付症状固定 ( これ以上の治療効果が期待できない状態 ) となり 障害が残った場合 厚生労働省令で定める等級に応じ 障害 ( 補償 ) 年金又は障害 ( 補償 ) 一時金が支給される ア障 害 ( 補償 ) 年金 身体に当該障害等級 1~7 級に該当する障害が残ったとき その障害の程度に応じ 毎年 給付基礎日額 の313 日分 (1 級 )~131 日分 (7 級 ) の年金が支給される イ障 害 ( 補償 ) 一時金 身体に当該障害等級 8~14 級に該当する障害が残ったとき その障害の程度に応じ 給付基礎日額 の 503 日分 (8 級 )~56 日分 (14 級 ) の一時金が支給される ウ障 害特別年金 当該障害の程度が障害 ( 補償 ) 年金に該当する場合で 特別給与 を受けていた労働者には その障害の程度に応じ 算定基礎日額 ( 注 2) の313 日分 (1 級 )~ 131 日分 (7 級 ) の特別年金が支給される エ障 害特別一時金 当該障害の程度が障害 ( 補償 ) 一時金に該当する場合で 特別給与 を受けていた労働者には その障害の程度に応じ 算定基礎日額 ( 注 2) の503 日分 (8 級 ) ~56 日分 (14 級 ) の特別一時金が支給される オ障 害特別支給金 当該障害の程度に応じ 342 万円 (1 級 )~8 万円 (14 級 ) の一時金が支給される 注 2 算定基礎日額 原則として被災日以前一年間に その労働者に支払われた 特別給与 (3か月を超える期間毎に支払われる賃金で 臨時に支払われる賃金を除く ) の総額 ( 算定基礎年額 ) を365で除した金額 6

(4) 遺族 ( 補償 ) 給付 労働者が業務上災害又は通勤途上災害で死亡した場合は 遺族 ( 補償 ) 年金又は遺族 ( 補償 ) 一時金が支給される ア遺 族 ( 補償 ) 年金 業務災害又は通勤災害により死亡したとき 年金を受けることができる遺族がいる場合に その遺族の数等に応じ 給付基礎日額 の 245 日 ~153 日分の年金が支給される イ遺族 ( 補償 ) 一時金 遺族 ( 補償 ) 年金を受給する遺族がない場合 給付基礎日額 の 1000 日分 又 年金を受給していた遺族が失権した場合は 既に支給された金額が 給付基礎日額 1000 日分に満たないときに その差額が支給される ウ遺 族特別年金 遺族 ( 補償 ) 年金を受給する場合 死亡した労働者が 特別給与 を受けていたときには 算定基礎日額 の 245 日分 ~153 日分が遺族の数に応じて支給される エ遺 族特別一時金 遺族 ( 補償 ) 一時金を受給する場合 死亡した労働者が 特別給与 を受けていたときには 算定基礎日額 の 1000 日分が一時金として支給される オ遺 族特別支給金 遺族 ( 補償 ) 給付の受給権者に対して 遺族の数にかかわらず一律 300 万円の一時金が支給される (5) 葬祭料 ( 業務災害 ) 葬祭給付 ( 通勤災害 ) 死亡した労働者の葬祭を行うとき 支給される 315,000 円に 給付基礎日額 の 30 日分を加算し た額 ( その額が 給付基礎日額 の 60 日分に満たない場合は給付基礎日額の 60 日分 ) が支給される (6) 傷病 ( 補償 ) 年金 療養開始後 1 年 6ヶ月を経過しても傷病が治らない場合で かつ その傷病による障害の程度が傷病等級に該当する場合は ア傷 病 ( 補償 ) 年金 その傷病等級に応じ 給付基礎日額 の 313 日分 (1 級 )~245 日分 (3 級 ) の年金が支給される イ傷 病特別年金 傷病 ( 補償 ) 年金受給者に該当する場合で 特別給与 を受けていた労働者には その傷病等級に応じ 算定基礎日額 の 313 日分 (1 級 )~245 日分 (3 級 ) の年金が支給される ウ傷 病特別支給金 傷病 ( 補償 ) 年金受給者に対して 傷病等級に応じ114 万円 (1 級 )~ 100 万円 (3 級 ) の一時金が支給される (7) 介護 ( 補償 ) 給付 障害 ( 補償 ) 年金または傷病 ( 補償 ) 年金受給者の内 当該等級の 1 級又は 2 級の者 ( 神経 精神の障 害及び胸腹部臓器の障害 ) であって 現に介護を受けているとき支給される (8) 二次健康診断等給付 定期健康診断等 ( 事業場は 労働者の健康診断等 を実施するよう労働安全衛生法で規定されています ) の結果において 脳 心臓疾患に関連する血圧 コレステロール 血糖値 BMIの項目のすべてに異常所見があると認められるとき 診断を希望する場合の必要な健康診断等 ( 二次健康診断等 ) が給付される 7

労災保険の請求にあたって 保険給付の請求には 受入機関の助力が不可欠です 労災保険の請求手続きは 被災した技能実習生本人又はその遺族が行うことになっています しかし 労災保険の請求を行う場合には 実習実施機関の証明が必要で 負傷又は発病年月日や災害原因及び発生状況のほか 休業補償給付等の場合には 平均賃金や休業期間等についても証明が必要です 実習実施機関は 被災した技能実習生本人又はその遺族から 保険給付を受けるために必要な証明をもとめられたときには 速やかに対応しなければなりません 技能実習生が自分で対応することが困難である場合には 実習実施機関はその手続きを行うことができるよう助力する義務があります ( 労災保険法施行規則第 23 条 ) さらに 厚生労働省告示 外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針 では 請求手続を代行することその他必要な援助を行うように努めること とされています JITCO の電話相談 来訪及び電話相談窓口の開設 毎日 ( 土 日 祝祭日を除く )9 時 ~17 時 母国語による電話相談窓口の開設 フリーダイヤル : 0120-022-332 T E L:03-6430-1175 一般電話 : 03-6430-1111 インドネシア語 毎週火曜日 11 時 ~19 時 (13~14 時昼休み ) 毎週土曜日 13 時 ~19 時 中国語毎週火曜日 木曜日 11 時 ~19 時 (13~14 時昼休み ) 毎週士曜日 13 時 ~19 時 ベトナム語 毎週火曜日 木曜日 11 時 ~19 時 (13~14 時昼休み ) 毎週土曜日 13 時 ~19 時 ( 注 ) 電話相談の曜日や時刻は変更することがあります JITCO ホームページでご確認下さい お願い 万一に備え技能実習生の家族の住所等の把握をお願いします 労働災害が発生した場合 速やかに最寄りの労働基準監督署へ 死傷病報告 を提出し 労災保険請求の手続をお願いします 併せて JITCO へ 労働災害発生状況報告書 のご提出をお願いいたします 公益財団法人国際研修協力機構 (JITCO) 105-0013 東京都港区浜松町 1-18-16 住友浜松町ビル 4F TEL:03-6430-1176 2013 年 12 月