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島根原子力発電所原子力事業者防災業務計画の届出について

図表 2-5 経済産業省の原子力保安検査官の資格要件に関する規定 核原料物質 核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律 ( 昭和 32 年法律第 166 号 )( 抜粋 ) ( 原子力施設検査官 原子力保安検査官及び核物質防護検査官 ) 第 67 条の2 文部科学省及び経済産業省に 原子力施設検査官

別 添 実用発電用原子炉に対する保安検査結果等について ( 平成 24 年度第 1 四半期 ) 平成 2 4 年 9 月 3 日経済産業省原子力安全 保安院 核原料物質 核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律 ( 以下 原子炉等規制法 という ) 第 72 条の 3 第 2 項の規定に基づき 16

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原子力安全推進協会 (JANSI) のミッション 日本の原子力産業界における 世界最高水準の安全性の追求 ~ たゆまぬ最高水準 (Excellece) の追求 ~ ミッション達成のための取組み ( 原子力防災関係 ) 〇安全性向上対策の評価と提言 勧告及び支援 過酷事故 (SA) 対策の評価 〇原子

中部電力グループ アニュアルレポート2012

安全防災特別シンポ「原子力発電所の新規制基準と背景」r1

第 6 節原子力事業者防災業務計画の修正第 2 章原子力災害予防対策の実施第 1 節防災体制第 2 節原子力防災組織の運営第 3 節放射線測定設備及び原子力防災資機材の整備第 4 節応急措置及び原子力災害対策活動で使用する資料の整備第 5 節応急措置及び原子力災害対策活動で使用 利用する施設及び設備

目次 1. 地域防災関係 地域防災計画 避難計画の策定と支援 大飯地域の緊急時対応 のとりまとめ 高浜地域の緊急時対応 の改定 泊地域の緊急時対応 の改定 川内地域の緊急時対応 の改定 平成 2

新旧対照表

文部科学省における原子力の安全確保

別紙 1 防災訓練結果報告の概要 1. 訓練の目的本訓練は 核物質管理センター六ヶ所保障措置センター原子力事業者防災業務計画第 2 章第 5 節第 2 項 防災訓練 に基づき 原子力災害を想定した総合訓練を実施することで 原子力防災組織が有効に機能することを確認する 訓練後は訓練モニターの評価結果

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1 検査の背景 平成 23 年 3 月の東京電力株式会社福島第一原子力発電所における事故後 原子力防災の体制が見直され 原子力災害対策の内容が拡充されるとともに 原子力災害対策に係る施設等の整備等を実施する立地道県等に対する国の財政支援の規模が拡大している そして 27 年 8 月に九州電力株式会社

平成 29 年 12 月 27 日中部電力株式会社 浜岡原子力発電所原子炉施設保安規定の変更について 1. はじめに平成 28 年 4 月より導入したカンパニー制の自律的な事業運営をこれまで以上に促進するため, 各カンパニーへのさらなる機能移管をはじめ, 本店組織について, 戦略機能の強化と共通サー

原子力規制委員会設置法案に対する附帯決議

第39回原子力委員会 資料第1-1号

目次 ( スライド No) 1. 原子力発電所における安全確保の取り組み 1 2. 原子力災害発生時における原子力事業者の支援の枠組み 2 (1) 原子力緊急事態支援センターによる支援 3 (2) 原子力事業者間協力協定に基づく支援 5

 

2. 各社の取り組み 各社においては 六ヶ所再処理工場の竣工に向けた取り組み等に加え これまで使用済燃料の発生量見通し等に応じて 使用済燃料貯蔵設備のリラッキングによる増容量 敷地内乾式貯蔵施設の設置 敷地外中間貯蔵施設の設置等の必要な貯蔵対策に取り組んできている ( 添付資料 1 参照 ) 今後も

新規制基準適合性審査と避難計画策定をめぐる経緯と課題

(15) 耐雷設計検討専門家会議 (16) 緊急時対応に係わるセミナーと講演の会 (17) パフォーマンス改善活動のフォローアップ会合 4. その他 (1) 電気新聞コラム 時評 ウェーブ 掲載 (2) 原子力委員会での JANSI 説明 (3) 松浦理事長の年頭挨拶 (4) 電事連勝野会長ご来訪及

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平成 31 年 3 月 20 日更新 全国女性の参画マップ 平成 30 年 12 月作成 内閣府男女共同参画局

原子力規制委員会について 独立性の確保 : 原子力利用における 推進 と 規制 を分離し 専門的な知見に基づき中立公正な立場から独立して原子力安全規制に関する職務を担う組織として 原子力規制委員会 を設置 原子力規制組織の一元化 : 原子力安全 核物質防護 核不拡散の保障措置等に関する規制を一元化

目次第 1 章総則 1 第 1 節原子力事業者防災業務計画の目的 1 第 2 節定義 1 第 3 節原子力事業者防災業務計画の基本的な考え方 4 第 4 節原子力事業者防災業務計画の運用 5 第 5 節原子力事業者防災業務計画の修正 5 第 2 章防災体制 6 第 1 節防災体制 6 1 緊急時体制

第 1 章 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会の報告書を受けて政府が講じた措置 提言 2: 政府の危機管理体制の見直し 緊急時の政府 自治体 及び事業者の役割と責任を明らかにすることを含め 政府の危機管理体制に関係する制度についての抜本的な見直しを行う 提言 2 1) 政府の危機管理体制の抜本的

実用発電用原子炉の設置 運転等に関する規則 ( 抜粋 ) ( 昭和 53 年 最終改正 : 平成 25 年 )( 通商産業省令 ) ( 工場又は事業所において行われる廃棄 ) 第九十条法第四十三条の三の二十二第一項の規定により 発電用原子炉設置者は 発電用原子炉施設を設置した工場又は事業所において行

厚生労働科学研究費補助金

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22. 都道府県別の結果及び評価結果一覧 ( 大腸がん検診 集団検診 ) 13 都道府県用チェックリストの遵守状況大腸がん部会の活動状況 (: 実施済 : 今後実施予定はある : 実施しない : 評価対象外 ) (61 項目中 ) 大腸がん部会の開催 がん部会による 北海道 22 C D 青森県 2

平成 24 年度事業報告の概要 世界最高水準の安全性の追求 ~ たゆまぬ Excellence をめざして ~ Copyright 2012 by Japan Nuclear Safety Institute. All Rights Reserved. 一般社団法人原子力安全推進協会 Japan N

原子力艦寄港地等放射能影響把握システムの整備平成 28 年度概算要求額 0.2 億円 (0.2 億円 ) < 事業の背景 > 防災基本計画を受けて策定された 原子力艦の原子力災害対策マニュアル ( 中央防災会議主事会議申合せ ) に基づき 原子力艦の原子力災害に関する通報を受けた場合には 直ちに平常

自衛隊の原子力災害派遣に関する達

525 人 ( 県内避難者 8 万 4671 人, 県外避難者 4 万 5854 人 ) となっている 福島第一原発事故は, まさしく, 重大な人権侵害である (2) 福島第一原発事故前にも, 原子炉施設の設置許可においては 災害の防止上支障がないこと であることが要件とされてきた ( 平成 24

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二国家行政組織法第三条第二項の規定に基づいて 環境省の外局として 原子力規制委員会を設置すること 第三任務原子力規制委員会は 国民の生命 健康及び財産の保護 環境の保全並びに我が国の安全保障に資するため 原子力利用における安全の確保を図ること 原子力に係る製錬 加工 貯蔵 再処理及び廃棄の事業並びに


とを目指す必要がある このためには以下の10 領域における政策課題に取組む必要がある また 分類 Ⅳに分類される意見に基づく場合であっても 原子力施設の廃止措置やこれまで原子力発電の利用に伴い発生した放射性廃棄物の処分の取組に関するこれらの領域における政策課題に取組まなければならない (1) 福島第

1 海水 (1) 平成 30 年 2 月の放射性セシウム 海水の放射性セシウム濃度 (Cs )(BqL) 平成 30 年 平成 29 年 4 月 ~ 平成 30 年 1 月 平成 25 ~28 年度 ~0.073 ~ ~0.

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<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

( 社会福祉施設用作成例 ) (4) 施設管理者は, 緊急時連絡網により職員に連絡を取りましょう (5) 施設管理者は, 入所者の人数や, 避難に必要な車両や資機材等を確認し, 人員の派遣等が必要な場合は, 市 ( 町 ) 災害対策本部に要請してください (6) 避難先で使用する物資, 資機材等を準

降下物中の 放射性物質 セシウムとヨウ素の降下量 福島県の経時変化 単位 MBq/km2/月 福島県双葉郡 I-131 Cs Cs-137 3 8,000,000 環境モニタリング 6,000,000 4,000,000 2,000,000 0 震災の影響等により 測定時期が2011年7

通話品質 KDDI(au) N 満足やや満足 ソフトバンクモバイル N 満足やや満足 全体 21, 全体 18, 全体 15, NTTドコモ

第 2 日 放射性廃棄物処分と環境 A21 A22 A23 A24 A25 A26 放射性廃棄物処分と環境 A27 A28 A29 A30 バックエンド部会 第 38 回全体会議 休 憩 放射性廃棄物処分と環境 A31 A32 A33 A34 放射性廃棄物処分と環境 A35 A36 A37 A38

二と (第二条関係)第三任務原子力規制委員会は 国民の生命 健康及び財産の保護 環境の保全並びに我が国の安全保障に資するため 原子力利用における安全の確保を図ることを任務とすること (第三条関係)第四所掌事務一原子力規制委員会は 第三の任務を達成するため 次に掲げる事務をつかさどること 1原子力利用

文字数と行数を指定テンプレート


使用済燃料貯蔵対策への対応状況について 2017 年 10 月 24 日 電気事業連合会 1. はじめに 2015 年 10 月に提示された国の 使用済燃料対策に関するアクションプラン において 政府から事業者に対し 発電所の敷地内外を問わず 使用済燃料の貯蔵能力の確保 拡大へ向けた事業者の取り組み

平成 19 年 7 月 20 日付, 経済産業大臣からの指示文書 平成 19 年新潟県中越沖地震を踏まえた対応について ( 指示 ) ( 平成 原第 1 号 ) に基づき, 浜岡原子力発電所 ( 以下, 発電所 という ) における自衛消防体制の強化ならびに迅速かつ厳格な事故報告体

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平成 26 年 3 月 28 日 消防庁 平成 25 年の救急出動件数等 ( 速報 ) の公表 平成 25 年における救急出動件数等の速報を取りまとめましたので公表します 救急出動件数 搬送人員とも過去最多を記録 平成 25 年中の救急自動車による救急出動件数は 591 万 5,956 件 ( 対前

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平成 25 年度 原子力規制 防災対策の重点 平成 2 4 年 9 月内閣官房原子力安全規制組織等改革準備室 1


2 地震 津波対策の充実 強化 (1) 南海トラフ地震や首都直下地震の被害想定を踏まえ 地震防災上緊急に整備すべき施設整備 津波防災地域づくりに関する法律 の実効性確保 高台移転及び地籍調査の推進など事前防災や減災に資するハード ソフトの対策を地方公共団体が重点的に進めるための財政上の支援措置を講じ

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平成 26 年の救急出動件数等 ( 速報 ) 消防庁

福井県地域防災計画(原子力防災編)の修正案の概要

原子力発電所等の検査制度の見直しなど原子力関連法の改正案

目次 第 1 調達案件の概要に関する事項 調達件名 調達の背景 目的及び期待する効果 用語の定義 業務 情報システムの概要 契約期間 作業スケジュール 調達担当課室 連絡先... 6 第

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別添2 乳児家庭全戸訪問事業の実施状況

原子力災害対策編第 1 章総則 第 1 節計画作成の趣旨 第 1 目的この計画は 原子力事業所の事故等による放射性物質の拡散又は放射線の影響に対して 東日本大震災における原子力災害等を教訓に 須坂市 県 防災関係機関 原子力事業者及び市民が相互に協力し 総合的かつ計画的な防災対策を推進することを目的

「原子力安全改革プラン進捗報告(2013 年度第4 四半期)」の概要

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これだけは知っておきたい地震保険

我が国における放射性廃棄物処分に係る規制動向Ⅲ 文部科学省における取組について

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原災法第 15 条第 2 項に規定する原子力緊急事態宣言 ( 以下 原子力緊急事態宣言 という ) の発出に基づき 直ちに避難を実施するなど放射性物質の環境への放出前の段階から予防的に防護措置を準備する区域をいう (2) 緊急時防護措置を準備する区域 (UPZ) 原子力施設の緊急事態区分に応じた緊急

第 4 章 防災対策 東通オフサイトセンター

【資料2】社会教育主事講習の見直しについて【派遣社会教育主事制度とその現状】

平成 29 年 4 月 12 日サイバーセキュリティタスクフォース IoT セキュリティ対策に関する提言 あらゆるものがインターネット等のネットワークに接続される IoT/AI 時代が到来し それらに対するサイバーセキュリティの確保は 安心安全な国民生活や 社会経済活動確保の観点から極めて重要な課題

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平成 27 年の救急出動件数等 ( 速報 ) 消防庁

バックチェック計画書

事務連絡平成 30 年 10 月 26 日 各都道府県消防防災主管課東京消防庁 各指定都市消防本部 } 殿 消防庁予防課 外国人来訪者や障害者等が利用する施設における災害情報の伝達及び避難誘導に関するガイドライン のリーフレットの配布について 2020 年東京オリンピック パラリンピック競技大会が開


( 案 ) 別添 1 原子力規制委員会の取組の概要 主な内容 ( この 1 年間のトピックス ) ( 対象期間 : 平成 28 年 3 月 11 日 ~ 平成 29 年 3 月 10 日 ) 平成 28 年 3 月 11 日から平成 29 年 3 月 10 日までの 1 年間における原子力規制委員会

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平成 29 年 12 月 1 日水管理 国土保全局 全国の中小河川の緊急点検の結果を踏まえ 中小河川緊急治水対策プロジェクト をとりまとめました ~ 全国の中小河川で透過型砂防堰堤の整備 河道の掘削 水位計の設置を進めます ~ 全国の中小河川の緊急点検により抽出した箇所において 林野庁とも連携し 中

美浜発電所3号機事故再発防止対策の実施状況について

「公立小・中・高等学校における土曜日の教育活動実施予定状況調査」調査結果

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柏崎刈羽原子力発電所 1 号機 新潟県中越沖地震後の設備健全性に係る屋外重要土木構造物の点検 評価状況について 平成 21 年 5 月 19 日 東京電力株式会社

設計小委第 号 国内 BWR プラントの非常用電源設備の配置について 平成 23 年 8 月 23 日電気事業連合会 国内 BWR プラントの非常用電源設備の構成例 及び非常用 DG 等の電源設備の配置設計の変遷を東京電力のプラントを例に示す 1. 非常用電源設備の構成図 1~2に 所内

2 経口移行加算の充実 経口移行加算については 経管栄養により食事を摂取している入所者の摂食 嚥 下機能を踏まえた経口移行支援を充実させる 経口移行加算 (1 日につき ) 28 単位 (1 日につき ) 28 単位 算定要件等 ( 変更点のみ ) 経口移行計画に従い 医師の指示を受けた管理栄養士又

資料2

リハビリテーションマネジメント加算 計画の進捗状況を定期的に評価し 必要に応じ見直しを実施 ( 初回評価は約 2 週間以内 その後は約 3 月毎に実施 ) 介護支援専門員を通じ その他サービス事業者に 利用者の日常生活の留意点や介護の工夫等の情報を伝達 利用者の興味 関心 身体の状況 家屋の状況 家

2. 主要な政策課題領域原子力発電の利用に関する意見が分類 Ⅰ Ⅱ Ⅲのいずれに分類されるものであっても 国民に安心をもって原子力発電の利用を受け入れていただくことを目指す必要がある このためには以下の10 領域における政策課題に取組む必要がある また 分類 Ⅳに分類される意見に基づく場合であっても

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防災業務計画(第3編 東海地震防災強化計画)

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参考資料 5 原子力保安検査官事務所の業務について 1. 原子力保安検査官事務所の業務における課題 検査業務が形骸化しており 無駄な官僚主義の一方 安全に正面から取り組む肝心なところが抜けているのではないか 検査の実効性を高め 柔軟に事業者のパフォーマンスを高める創造的な仕組みが必要ではないか 検査官が原子力発電所のサイトで必要な情報にいつでもアクセスできる権限を付与することが重要ではないか また 緊急時には原子力発電所の現場や電力会社に入っていけるような仕組みが必要ではないか オフサイトセンターが緊急時における拠点として実質的に機能することが可能となるよう センターの位置 代替施設の確保 資機材等の設備の強化を含め オフサイトセンターの在り方を検討すべきではないか 緊急時において迅速な対応が可能となるよう 平時から事故を想定した緊張感のある訓練の実施 立地自治体等との協力 信頼関係の構築等 立地自治体 地元と連携した危機管理体制の強化が重要ではないか 原子力保安検査官 原子力防災専門官について 有能な人材の確保 知識 能力を高めるための研修の充実 国際交流を通した海外の知見の取り入れ等を通した能力の強化が必要ではないか 規制の質の向上 検査官の処遇及び質の向上 研究 研修体制の充実を三位一体で進めていくことが重要 これを原子力安全庁 ( 仮称 ) の最重要の中長期的な課題と位置付け 原子力安全審議会 ( 仮称 ) の監視の下で しっかりと取り組んでいくことが必要 併せて オフサイトセンターの機能向上 立地 周辺自治体との連携 協力体制の強化も進めていくことが必要 1

2. 原子力保安検査官事務所について 原子力保安検査官事務所は 核原料物質 核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律 に基づいて原子力事業所の検査を行う検査官の事務所として 全国の原子力事業所の周辺に 全国 21か所設置されている オフサイトセンター ( 緊急事態応急対策拠点施設 ) は 原子力災害対策特別措置法 に基づき 緊急事態応急対策の拠点として 全国の原子力事業所の周辺に 全国 20か所に設置されている 通常は 原子力保安検査官事務所に併設されている ( ) 震災の影響により 福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所の原子力保安検査官事務所は 両者をまとめて福島第二原子力発電所内の原子力保安検査官室に併設されている また これらのオフサイトセンターは 福島県庁内に設置されている オフサイトセンターは 原子力事業所から20km 未満の場所に設置することとされている ( オフサイトセンターの位置は別添を参照 ) ( 参考 ) オフサイトセンターと原子力発電所の距離 原子力発電所 オフサイトセンター 距離 (km) 泊 北海道原子力防災センター ( 共和町 ) 2.1 東通 東通オフサイトセンター ( 東通村 ) 11.5 女川 宮城県原子力防災対策センター ( 女川町 ) 7.1 ( 現在は震災により機能停止中 ) 福島第一福島第二 福島県原子力災害対策センター ( 大熊町 ) ( 現在は福島県庁内 ) 5.0 10.3 東海第二 茨城県原子力オフサイトセンター ( ひたちなか市 ) 10.7 柏崎 刈羽 新潟県柏崎刈羽原子力防災センター ( 柏崎市 ) 6.8 浜岡 静岡県浜岡原子力防災センター ( 御前崎市 ) 2.3 志賀 石川県志賀オフサイトセンター ( 志賀町 ) 5.7 敦賀 福井県敦賀原子力防災センター ( 敦賀市 ) 13.3 美浜 福井県美浜原子力防災センター ( 美浜市 ) 9.1 大飯 福井県大飯原子力防災センター ( おおい町 ) 8.0 高浜 福井県高浜原子力防災センター ( 高浜町 ) 6.4 島根 島根県原子力防災センター ( 松江市 ) 8.7 伊方 愛媛県オフサイトセンター ( 伊方町 ) 4.0 玄海 佐賀県オフサイトセンター ( 唐津市 ) 13.6 川内 鹿児島県原子力防災センター ( 薩摩川内市 ) 11.4 2

3. 原子力保安検査官について 全国の原子力保安検査官事務所に 原子力保安検査官は約 110 人 ( 併任を含む ) 配置されており 下記の業務を実施している < 原子力保安検査官の業務 > ( 平常時 ) 原子力発電所の保安規定の遵守状況検査及び調査 保安検査の実施( 年 4 回及び起動 停止時等 ) 原子炉施設( 中央制御室を含む ) 等のパトロール 運転管理状況の聴取 運転パラメータ等の記録の確認 ( 毎日 ) 事業者が行う原子炉施設の定例試験等への立ち会い ( 緊急時 ) 原子力発電所のトラブル発生時の対応 トラブル等の発生時における原子力安全 保安院への連絡 現場確認 原因調査 再発防止対応の確認等 原子力保安検査官は 原子力事業者等が講ずべき保安のために必要な措置並びに原子炉施設等の構造及び性能について それぞれ相当の知識及び経験を有する者でなければならない とされている このため 下記の資格を有するとともに 原子力保安検査官基礎研修 を修了することが その要件として求められている < 原子力保安検査官に必要な資格要件 > 1) 大卒者 ( 理学 工学系学科 ) の場合 原子力施設その他の保安行政事務に2 年以上従事した経験 原子力施設に係る保安事務に3 年以上従事した経験 2) 短期大学 高等専門学校卒者 ( 理学 工学系卒 ) の場合 原子力施設その他の保安行政事務に4 年以上従事した経験 原子力施設に係る保安事務に5 年以上従事した経験 3) 上記 1) 2) 以外の者の場合 原子力施設その他の保安行政事務に6 年以上従事した経験 原子力施設に係る保安事務に7 年以上従事した経験 < 原子力保安検査官基礎研修の概要 > 1) 研修目的原子力保安検査官として必要とされる保安検査関連知識や放射線防護 炉の基本特性等の基本的な知識を習得し 検査官としての資質を確保すること 3

2) 研修期間 8 日間程度 3) 主なカリキュラム 原子力安全規制法規体系 原子力発電所の安全設計の考え方 技術基準 検査制度 原子力事故 トラブル対応 原子炉の基本特性 原子力発電所の系統設備 保安規定解説( 運転制限条件の考え方 ) 保安検査概要 保安検査ロールプレイ演習 保安活動の概要 保安検査マニュアルの解説等 原子力保安検査官の心得 放射線障害防止教育訓練 オフサイトセンターでの現地研修 この他 さらに知識 能力を高める機会として 原子力保安検査官応用研修 が用意されている 4. 原子力防災専門官について 全国の原子力保安検査官事務所に 原子力防災専門官は約 80 人 ( 併任を含む ) 配置されており 下記の業務を実施している < 原子力防災専門官の業務 > ( 平常時 ) 原子力発電所等の防災体制の整備 原子力発電所の原子力防災業務計画等に関する指導 助言 原子力発電所の防災資機材の設置 維持 点検等の確認 オフサイトセンター内の施設及び防災設備等の管理 立地自治体等の防災計画策定等に対する指導 助言 原子力防災対策についての地元への理解促進活動 ( 緊急時 ) オフサイトセンターを拠点とした防災対応と情報収集 事故情報を受けた速やかな防災体制の整備 事故情報 プラント状況の把握と原子力安全 保安院への連絡 原子力事業者や関係機関の対応状況等の把握と原子力安全 保安院への連絡 4

原子力防災専門官は 緊急時防災体制の中核的存在として 防災 危機管理に関する知識や経験が必要とされている このため 下記の資格を有するとともに 原子力防災専門官基礎研修 を修了することが その要件として求められている < 原子力防災専門官に必要な資格要件 > 1) 原子力保安検査官の資格を有する者の場合 特になし 2) 上記 1) 以外の者の場合 防災その他の危機管理に関する行政事務に4 年以上従事した経験 < 原子力防災専門官基礎研修の概要 > 1) 研修目的原子力施設の災害時に対応するために必要な原子力防災専門官としての基本的な資質を確保すること 2) 研修期間 7 日間程度 3) 主なカリキュラム 原子力防災政策について 原子力防災体制の概要 オフサイトセンターと原子力防災予算の概要 原子力防災訓練について 核物質防護対策について 放射線障害防止教育訓練 危機管理( 原子力緊急事態対応 ) について 緊急時の医療について 緊急時の放射線モニタリングと簡易被ばく評価法 緊急時におけるメディア等への広報対応( グループ演習を含む ) 原子力緊急時支援 研修センターの取組について JNESの取組について オフサイトセンターの設備概要 ERSSの操作演習 SPEEDIの操作演習 核燃料物質の安全輸送時と緊急時対応 原子力発電所等の火災防護の考え方 武力攻撃原子力災害について この他 さらに知識 能力を高める機会として 原子力防災専門官応用研修 が用意されている 5

設置位置全 20 ヶ所 : 経済産業省が指定 (16) : 経済産業省と文部科学省が指定 (4) 緊急事態応急対策拠点施設 ( オフサイトセンター ) の位置 福井県美浜原子力防災センター ( 美浜町 ) 福井県大飯原子力防災センター ( おおい町 ) 北海道原子力防災センター ( 共和町 ) 東通オフサイトセンター ( 東通村 ) 六ヶ所オフサイトセンター ( 六ヶ所村 ) 福井県敦賀原子力防災センター ( 敦賀市 ) 福井県高浜原子力防災センター ( 高浜町 ) 石川県志賀オフサイトセンター ( 志賀町 ) 宮城県原子力防災対策センター ( 女川町 ) 島根県原子力防災センター ( 松江市 ) 新潟県柏崎刈羽原子力防災センタ - ( 柏崎市 ) 佐賀県オフサイトセンター ( 唐津市 ) 大阪府熊取オフサイトセンター ( 熊取町 ) 神奈川県横須賀オフサイトセンター ( 横須賀市 ) 福島県原子力災害対策センター ( 大熊町 ) 鹿児島県原子力防災センター ( 薩摩川内市 ) 愛媛県オフサイトセンター ( 伊方町 ) 上齋原オフサイトセンター ( 鏡野町 ) 静岡県浜岡原子力防災センター ( 御前崎市 ) 茨城県原子力オフサイトセンター ( ひたちなか市 )