第 2 回定例研ワークショップ カ行音の指導を中心に 菊川市立小笠北小学校ことばの教室北内幸子 ワークショップには新任者及び経験 3 年目までの会員のうち希望者が参加しました どうしたら出ない音を出せるようになるか 専門書を参考にしていても私たちにはよくわからないことばかりです カ行音の指導を中心に 水やストロー等を使っての音作りを 実際に教えていただきました 最後に先生が作ってくださった 復習テスト! を載せました 問題 1 から問題 10 までの答えは以下太字にしてありますので ぜひ挑戦してみてください 1 構音障害全般について [ 聖隷クリストファー大池田泰子先生の講義の復習 ] (1) 構音障害の分類構音障害は次の 3 つに分類される 器質性構音障害先天的 後天的な構音器官の形態異常によるもの ( 例 ) 口蓋裂舌小帯短縮症 運動障害性構音障害神経 筋系の病変によるもの ( 例 ) 脳性麻痺等 機能性構音障害構音器官の形態や機能に異常がないものことばの教室に通級している子どものほとんどが機能性構音障害である (2) 発声 発音の仕組み肺からの呼気は喉 口を通って音声となる 声帯振動咽頭原音 声の大きさ 高さ 共鳴 ( 口腔 鼻腔 ) 鼻音 非鼻音調音 ( 舌 口唇 ) 呼気の通路の狭め 言語音産生 (3) 子音と母音 1 母音発声時の舌の位置母音 : 声帯を振動させて出した音を 唇 歯 舌などで妨害することなくまっすぐに出す音 口の広げ方 舌の上下などで音を変える 2 子音の分類子音 : 口腔または咽頭に閉鎖または狭窄が形成されて生ずる音 有声子音 : 声帯の振動を伴うもの例 )b d 無声子音 : 声帯の振動を伴わないもの例 )p t K a= か 子音母音ア構音法 どのようにして息を妨げるのか 声道のどこかが妨げられる : 破裂音 ( 鼻音 ) 弾き音 声道のどこかに隙間が作られる : 摩擦音 混合タイプ ( 閉鎖された後隙間が作られる ): 破擦音 - 1 -
イ構音点 声道のどの場所で息が妨げられるか 構音点 歯茎音 歯茎音 軟口蓋音 軟口蓋音 構音法 破裂音 破裂音 破裂音 破裂音 無声 有声 無声 有声 なんの音? t d k g (4) 構音指導の流れ 評価 ( 発音の実態把握 ) 指導 1 音をしっかり聞き取り 誤り傾向を正確に把握 2 訓練適応があるかないかを判断 ( やれる やれない やる必要がない ) 3 どの音から始めるかを選択 4 音作り 5 単音の般化 1 評価 ( 実態把握 ) 発音不明瞭 様々な要因 ( 器質 運動性 聴覚性 発達障害 知的 ) それぞれ対応が異なる 事前にチェックすべきこと 生育歴 日頃の様子知的発達や言語発達のチェック耳鼻科系疾患や難聴の有無 (1) どの音が構音できていないのか (2) 1 音 ~ 文章 ( 会話 ) のどのレベルの問題か (3) 構音の問題か 音韻意識の弱さの問題か 2 指導方法の概略ア指導開始の基本条件 誤り音が固定していること 非刺激性 浮動性あり 6か月程度経過観察 知的発達が 4 歳前後に達していること 練習頻度は週 1 回 30 分程度が基本 イ検査の方法 フリートーク ( 自由会話 ) あたりをつける 単語検査 絵カード 音節復唱検査 1 音 文章検査 真似させる 構音類似運動検査構え 操作 ( ふーっと息を吹きかける あかんべえするなど ) ウどのレベルか単音 単語 文 会話エ指導方法基本となる訓練 ( 舌の脱力 安定 聴覚的弁別訓練 ) 音の産生訓練オ指導のポイント 正音になるまでは文字を示さない 簡単なものからだんだん難しくしていく 音を出す時 キュー ( 手がかりとなる動作 ) を活用 よい悪いをしっかり伝える などカ記録方法 誤りがない で囲む - 2 -
復唱で反応 ( ) をつける 置換 置換された音の下に下線を引き実際に出された音の表記をする 省略 省略された音の音声記号の上から / を引く 歪み音 歪んだ箇所に を付け 歪んだ音の特徴を記す 鼻濁音 ~ を用いる 2 カ行音の指導 (1) 開始条件 医学的治療や処置が済んでいる 聴覚障害がなく正音と誤音の弁別ができている 音をなおそうと協力的な態度で指導に臨むことが期待できる 指導に継続的に通うための諸条件が整っている (2) 誤りの例 ( からす かた ケーキ ) タ行音の置き換え ( タらす タた てーち ) 子音 [k] の省略による母音化 ( アらす アた えーい ) 側音化構音 ( キ ケに多い ) その他 ( ハ行やのどにかかるファ行で ハらす ファらす ) (3) 耳の訓練ア聞き分けの力の前提となる力 注意を集中し それを持続できる 授業者に注目し 傾聴できる 指示を理解し 従おうとすることができる イ音を聞き取る 音があった? いくつ? 何番目? ウ音を聞き比べる ( 異同弁別 ) エ音を聞き比べる ( 正誤弁別 ) 単音 語頭 語尾 語中 他声音 ( 人の声 ) 他自声音 ( 自分と人の声 ) 自声音 ( 自分の声 ) (4) 音作り : いろいろな方法で子音部分を作る ア上を向いて尐量の水を飲み込まないようにこらえる ( できない子は口にふくむ練習 ) 体の向きを変える ( あっち向いてホイ かがむ ) 息を吐き出す ( うがい ) 声を出す 水を減らす ( たくさん 一口 1 滴 水を入れたつもりの水なし ) イいびきをかかせるグーグーをささやき声にする g k ウ口を開いたままンーーー アーーー ンーー アーー ンー アー ンアエ舌を押さえるタ カ 挙がってしまう舌を舌圧子などで押さえる ( 舌先を奥に押す 舌先を押さえる ) 次第に力を弱めていく 舌圧子を使わずに固いスティックビスケットを使用することもできる オ後続母音を変えていく 同じカ行音で言えている音を使う クーーエ クーエ クエ ケ - 3 -
カ鳥の鳴き声遊び カーカー コッコッコ コケコッコーキ構音位置付け法クキーワード法 正しい音で言えることばを使う 前の音を消していく 取り出して練習する 文字 意識化 出そうとして出せるよう練習 安定化を図る (5) 側音化構音 ( 母音の イ が側音化する ) ア舌の脱力 平らな舌づくり イ平らな舌から イ の音を作る ウ舌を安定させる 舌の運動エ他の音から導く エーーイ エーイ ( エ ) イクーーイ クーイ クイ キケーーイ ケーイ ケイ イオ口角を引かないこと りきんでぬく (6) 般化 1 深める単音 無意味音節 単語 ( 語頭 語尾 語中 ) 文 日常会話 2 拡げるカ コ ク ケ キ (7) 指導に役立つ教材 教具 図書の紹介 < 教材 教具 >1 すごろく 2100 玉そろばん 3かずのおけいこのドット板 4おはじき 5 点つなぎ 6 色板 7パズル 8カウンター 9 積み木 10 表示 11 指人形 12カラーペン 13ノートなど < 図書 >1 構音障害の指導技術 2 改訂機能性構音障 3 だれでもできる発音 発語指導 4 側音化構音 5 構音指導の実際ママとあそぼう 3 日頃の悩みを出し合おう ( 参加者より ) キ ケ音が混同してしまう子供がいる 舌先が軽く動いてしまう 押さえても動いてしまう どう指導したらよいか? ( ご指導いただいた内容 ) ゲゲゲ ゲゲゲのジェなど言葉遊びを取り入れたら練習になる 基本をみっちりやること 舌を安定させる 単音を安定させる なかなか手強い側音化構音の子供には なによりも舌の安定が一番なんだとわかりました 指導に当たる私たちは音のしくみ 発音のどこに誤りがあるのかを理論的に知らないといけません また 子どもたちを飽きさせないように指導方法を工夫していきたいと思います うがい 舌押さえなど実技を交えて教えていただいたことが明日からの指導に生かせそうです 今回教わったことを自分がどれだけ理解しているのかを確かめるために 復習テスト! をもう一度やってみたいと思います みなさんも一緒にやってみましょう - 4 -
復習テスト! 問題 1 構音障害の分類下の ( ) に 運動障害 機能 器質 のいずれかを記入しましょう ( ) 性構音障害先天的 後天的な構音器官の形態異常によるもの ( 例 ) 口蓋裂舌小帯短縮症 ( ) 性構音障害神経 筋系の病変によるもの ( 例 ) 脳性麻痺等 ( ) 性構音障害構音器官の形態や機能に異常がないもの 問題 2 発声 発音の仕組み下の ( ) に 声帯 舌 口唇 呼気 のいずれかを記入しましょう 肺からの ( ) ( ) 振動喉頭原音 共鳴 ( 口腔 鼻腔 ) 調音 ( ) 言語音産生 問題 3 子音と母音 ( ) に 無声 有声 母音 子音 母 子 から選び 記入しましょう ( ): 声帯を振動させて出した音を 唇 歯 舌などで妨害することなくまっすぐに出す音 口の広げ方 舌の上下などで音を変える ( ): 口腔または喉頭に閉鎖または狭窄が形成されて生ずる音 ( ) 子音 : 声帯の振動を伴うもの 例 ) b d ( ) 子音 : 伴わないものを 例 ) p t ( ) 音 ( ) 音 K a = か 問題 4 構音 ( ) に どのように どこで から選び 記入しましょう 構音点 ( ) 構音法 ( ) 問題 5 子音次の構音点構音法で作られた音を それぞれ下の に書きなさい 構音点歯茎音歯茎音軟口蓋音軟口蓋音 構音法破裂音破裂音破裂音破裂音 なんの音? 無声有声無声有声 - 5 -
問題 6 構音指導の流れ ( ) に 判断 作り 選択 般化 から選び 記入しましょう 評価 ( 発音の実態把握 ) 1 音をしっかり聞き取り 誤り傾向を正確に把握 2 訓練適応があるかないかを ( ) 指導 3 どの音から始めるかを ( ) 4 音 ( ) 5 単音の ( ) 問題 7 評価 ( ) に レベル 音韻意識 構音 から選び 記入しましょう (1) どの音が ( ) できていないのか (2)1 音 ~ 文章 ( 会話 ) のどの ( ) の問題か (3) 構音の問題か ( ) の弱さの問題か 問題 8 指導開始の基本条件 ( ) に 4 6 週 月 経過観察 指導 から記入しましょう 誤り音が固定化していること 非刺激性 浮動性あり 6か月程度 ( ) 知的発達が ( ) 歳前後に達していること 練習頻度は ( )1 回 30 分程度が基本 問題 9 検査の方法 ( ) に 文章 単語 音節復唱 から選び 記入しましょう (1) フリートーク (2)( ) 検査 絵カード (3)( ) 検査 1 音 (4)( ) 検査 真似させる (5) 構音類似運動検査 問題 10 記録方法 ( ) に ( ) ~ / 下線 から選び 記入しましょう 誤りがない ( ) で囲む 復唱で反応 ( ) をつける 置換 置換された音の下に ( ) を引き実際に出された音の表記をする 省略 省略された音の音声記号の上から ( ) を引く 歪み音 歪んだ箇所に( ) を付け 歪んだ音の特徴を記す 鼻音化 ( ) を用いる おつかれさまでした - 6 -