「成年後見制度」について

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5 提出された書類等の閲覧 謄写 ( コピー ) 申立人の提出した申立書については, 法律の定めにより相手方に送付されます それ以外に調停手続中に一方の当事者が提出した書類等については, 他方の当事者は, 閲覧 謄写の申請をすることができます この申請に対しては, 裁判官が, 円滑な話合いを妨げない

平成 27 年 5 月 ( 電子版 ) 未成年後見人 Q & A 東京家庭裁判所 東京家庭裁判所立川支部 i

ご契約のしおり・約款 指定代理請求特約

成年後見用財産目録

○不動産を贈与した場合の申請書の様式・記載例(オンライン庁)

法定代理人の本人確認書類は 下記から1 点を同封してください 種類 注意事項 1. 運転免許証または運転経歴証明書 裏面に記載がある場合は両面コピー 2. パスポート 写真掲載のページ及び住所記載のページをコピー 3. 写真付住民基本台帳カード 裏面に記載がある場合は両面コピー 4. マイナンバーカ

○所有者等の住所に変更があった場合の申請書の様式・記載例(オ

成年後見申立ての手引 東京家庭裁判所東京家庭裁判所立川支部

Q3 なぜ 必要な添付書類が変わるのですか? A3 厚生労働省より 日本国内にお住いのご家族の方を被扶養者に認定する際の身分関係及び生計維持関係の確認について 申立のみによる認定は行わず 証明書類に基づく認定を行うよう 事務の取扱いが示されたことから 届出に際して 確認書類の添付をお願いすることとな

1 納税義務者ご本人が窓口に来られる場合 3 申請者欄に ご本人の住所 ( 運転免許証等の本人確認書類で確認できる住所 ) 氏名 連絡先電話番号をご記入ください ( 使者欄はご記入不要です ) 4 証明 閲覧の対象となる固定資産の納税義務者が ご本人である場合は 申請者に同じ のチェックボックス (

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< 記載例 > ( 記載例の解説及び注意事項等は,5 ページ以下を御覧ください ) * この記載例は, 土地又は建物に設定された抵当権 ( 金融機関等の法人が抵当権者となっているもの ) が解除又は弁済等により消滅した際に, 個人が書面で抵当権の抹消の登記を申請する場合のものです 受付シールを貼るス


保有個人情報開示請求書 年月日 出入国在留管理庁長官又は 長殿 ( ふりがな ) 氏名 住所又は居所 ( ) 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律 ( 平成 15 年法律第 58 号 ) 第 13 条第 1 項の規定に基づき, 下記のとおり保有個人情報の開示を請求します 記 1 開示を請求す

点及び 認定された日以降の年間の見込みの収入額のことをいいます ( 給与所得等の収入がある場合 月額 108,333 円以下 雇用保険等の受給者の場合 日額 3,611 円以下であること ) また 被扶養者の年間収入には 雇用保険の失業等給付 公的年金 健康保険の傷病手当金や出産手当金も含まれます

〔問 1〕 A所有の土地が,AからB,BからCへと売り渡され,移転登記も完了している

この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

市町村長申立ての手引き改訂版.indd

7 申請書の送付先郵便局の窓口で 簡易書留 にて 下記住所へ郵送してください この送付先を切り取り 封筒に貼付けて使用してください 東京都江東区有明 公益財団法人理容師美容師試験研修センター 美新規担当 -2-

Q1 社会保険とはどのような制度でしょうか 会社などで働く人たちが収入に応じて保険料を出し合い いざというときの生活の安定を図る目的でつくられた制度のことで 一般的に健康保険や厚生年金保険のことを 社会保険 といいます 健康保険法第 1 条では 労働者の業務外の事由による疾病 負傷若しくは死亡又は出

年度予算の範囲内で受付先着順となります 注意! 住宅耐震改修補助を受けようとする場合は 別途書類が必要です 2 補助金の 交付決定 書類審査後 補助金の交付が決定したら 市から連絡します 都市建築課窓口で 補助金交付決定通知書 をお渡しします 注意! 交付決定があるまで 工事に着手することができませ

1. 相続手続の流れ お客さま (1) ジャパンネット銀行へのご連絡 口座名義人の方 ( 被相続人様 ) がお亡くなりになりましたら 被相続人様のキャッシュカードをお手元にご用意のうえ カスタマーセンターにご連絡ください その際 以下の項目について確認させていただきます ご確認項目 1 被相続人様の

5 根抵当権者の会社分割 61 根抵当権者の会社分割 Ⅰ ケース概要甲野銀行は 乙野商事に対する融資取引の担保として乙野商事所有の土地につき根抵当権の設定を受けていたが その後 丙川銀行を承継会社とする吸収分割が行われた 今般 当該確定前の根抵当権について 他の事由により登記を行うこととなったため


第 3 条市長は 前条に規定する申請に基づいて医療費の給付を受けることができる者であることを確認したときは 申請者に重度心身障がい者医療費受給者証 ( 第 2 号様式 以下 受給者証 という ) を交付するものとする 2 前項の受給者証の資格取得日は 市長が交付決定をした日の属する月の翌月の初日 (

PowerPoint プレゼンテーション

免許申請書の提出書類一覧 ( その2) 添付書類 (1) ( 第一面. 法第 4 条第 2 項第 1 号 最初の免許 は新規の場合は 新規 と記入する 第二面 ) ( 省令様式第 2 号 ) 更新等の場合の 事業の実績 は 直前 5 年間を事業年度 宅地建物取引業経歴書 ( 決算期 ) ごとに記入す

派遣添付書類一覧(30年1月訂正)

基本は一覧表のとおりですが, 郵券 ( 切手 ) の金額 種別は提出庁各支部及び出張所に確認してください 家事事件一覧表 ( 抜粋 ) 平成 27 年 11 月 17 日鹿児島家庭裁判所 1 家事調停事件事件名 管轄裁判所 収入印紙 切手 添付書類 相手方の住所地 1200 円 82 円 8 一般調

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成年後見人のためのQ&A

Transcription:

成年後見制度 について 1 成年後見制度とは 高齢者 障害者等の精神上の障害により判断の能力が低下した方々を支援するための制度です 本人( 成年被後見者等 ) の自己決定の尊重や 本人の保護等を基本理念とします 本人 配偶者 4 親等内の親族等が 成年後見人等の選任を 家庭裁判所に申立てます 成年後見人等は 本人の財産管理および身上監護( 生活 療養看護 ) の事務について 本人を代理したり 本人が行う行為に同意したり 本人が行った行為を取り消したりします 成年後見人等は 報酬を受けることができますが 後見事務報告書 財産目録 収支状況報告書等の作成 報告等の義務があります 本人は様々な制約を受けます( 一定の資格や選挙権がなくなる 取締役 公務員になれない等 ) 2 成年後見制度を利用できる方 高齢者 障害者等の 精神上の障害により判断の能力が低下した方 ( 例 : 認知証 統合失調症 中毒性精神病 知的障害 頭部外傷による高次脳機能障害など ) 身体上の障害を持った方々は含みません 判断の能力がある状態 を分かりやすく言うと ( 頭が ) しっかりしている状態 です 3 成年後見制度のしくみ 成年後見人等の選任方法や 判断能力の低下の度合い等により 下記のように区分されます (1) 法定後見 家庭裁判所が成年後見人等を選任する類型 本人側から候補者を挙げることはできますが 選任されるとは限りません 判断能力が欠けている方を対象とした類型 1 後見類型 ( しっかりしているときがほとんどない場合 ) 判断能力が著しく不十分な方を対象とした類型 2 補佐類型 ( 忘れるときがだいぶ増えてきたが しっかりしているときもある場合 ) 判断能力が不十分な方を対象とした類型 3 補助類型 ( 以前と比べて忘れっぽくなった場合 ) (2) 任意後見 本人が成年後見人等を選任して任意代理契約を公正証書で作成し 家庭裁判所に任意後見監督人を選任してもらう類型 任意後見人には ( 法定後見人と異なり ) 同意権 取消権がありません 判断能力が欠けている方 ( 法定後見の1 後見類型にあたる方 ) は ( 任意代理契約を締結する能力に欠けるので ) 利用できません a. 将来型 b. 移行型 c. 即効型 判断能力がある方 又は 判断能力が不十分な方が頭がしっかりしている間に 将来の判断能力の低下に備えて任意後見契約を作成しておく類型 aの公正証書で その時点からの任意の代理契約も締結しておき 時機が来たら任意後見に切り替える類型既に判断能力が低下している方 ( 法定後見の2 補佐類型 3 補助類型に当たる方 ) が 任意代理契約を締結してすぐに任意後見を始める類型

4 後見類型について 1 後見類型 判断能力が欠けている方を対象とした類型 ( しっかりしているときがほとんどない場合 ) 本人 = 成年被後見人支援者 = 成年後見人 ( 家庭裁判所により選任されます ) 本人側から候補者を挙げることはできますが 選任されるとは限りません 監督者 = 家庭裁判所 ( 成年後見監督人が置かれることもあります ) 申立をすることが出来る者 ( 申立権者 ) 本人 配偶者 4 親等内の親族 市区町村長 申立の窓口 原則 本人の住民登録地を管轄する家庭裁判所 ( 後見係 ) ( 入院先の所在地等が管轄を認められることもあります ) 申立から後見開始までに要する期間 標準的なケースで 1 か月 ~3 か月程度で後見開始の審判が出ます 申立に要する費用 ( 大阪家裁の例 ) ( 家庭裁判所ごとに異なる場合があります ) 収入印紙 800 円分 郵便切手 3,400 円分 登記印紙 4,000 円分 鑑定費用 100,000 円 ( 現金 ) 追加費用を要する場合もあります 合計 108,200 円 各種資料 証明書の取得のために別途 実費がかかります ( 医師の診察料 戸籍謄本 1 通 450 円 登記簿謄本 1 通 1000 円等 ) 成年後見人の仕事身上監護 ( 生活 療養看護 ) (1) 本人の介護契約 施設入所契約 医療契約等についての代理権を行使する (2) 本人の生活のために必要な費用を 本人の財産から計画的に支出する 財産管理 (1) 本人の財産を管理する (2) 本人の財産に関する法律行為についての代理権を行使する (3) 本人の行った法律行為の取消権を行使する 不動産の処分 ( 売却 担保設定 賃貸借の解除等 ) には 別途 家庭裁判所の許可や成年後見監督人の同意が必要です

成年後見人ができないこと 1 日用品の購入 ( 本人が単独で出来るから ) 2 事実行為 ( 例 : 本人への介護そのもの等 ) ( 法律行為ではないから ) 介護契約の締結等は代理人として行います 3 医療行為の代諾 ( 手術や延命措置等を受けたり受けなかったりすることは本人固有の権利だから ) 医療契約の締結等は代理人として行います 4 一身専属権 ( 例 : 遺言 養子縁組等 ) ( 本人だけが行使できる権利だから ) 成年後見の終了原因 (1) 成年被後見人 ( 本人 ) に原因がある場合 1 死亡 失踪宣告等 2 審判の取消 ( 病状の回復等 ) (2) 成年後見人に原因がある場合 1 死亡 2 破産宣告 3 行方不明 4 成年被後見人 ( 本人 ) に訴訟をした場合 5 解任 6 辞任 ( 正当な事由及び家庭裁判所の許可要 ) 勝手に辞めることは許されません 7 法人成年後見人等の解散 一旦 成年後見人を選任しますと 当初の目的を達したからといって 途中で成年後見制 度そのものの利用をやめることはできませんので ご注意下さい 成年後見人の報酬に関して 家庭裁判所に対し 報酬付与の申立をする必要があります 原則 後見事務を開始してから1 年後 ( その後も1 年ごと ) に 申立を行います ( 後払い ) 重要な財産の処分等を行った場合はそのときに申立をすることもあります 報酬額は 家庭裁判所の報酬付与の審判で決定されます 申立から決定まで2 週間程度かかることが多いようです 報酬額の目安はなく また 報酬額に不服があっても審判の決定に対して異議等を申立てることはできません 報酬は 本人の財産の中から支払われます 市区町村の助成を受けることが出来る場合もあります

申立から終了までの手続の流れ 1 申立人等による関係者との事情聴取 2 申立人等による本人との面接 3 申立書等の作成 不動産の処分が申立時の動機である場合は その旨を申立書に明示する 4 申立 即日面接は3 時間程度かかります 5 家庭裁判所の受理 調査 6 決定の送達 7 法務局に後見ファイルへの登記嘱託 8 書記官が成年後見人に財産目録と収支状況報告書の提出を求める 9 成年後見人が財産目録と収支状況報告書を提出 10 成年後見人が後見業務に着手 111 年後を目安に書記官が成年後見人に後見業務の報告を求める 12 業務報告 13 報酬付与の審判 14 成年後見人が後見業務を続行 15その後さらに1 年ごとに業務報告と報酬付与の申立 16 終了事由により終了事由の報告 報酬付与 財産の引渡し 本人のためにどんな内容の身上監護と財産管理を行うのかを検討するため 申立人 ( 又は成年後見人候補者 書類の作成者等 ) が 本人を支援している親族 市区町村の福祉担当者 社会福祉協議会 介護事業所 医療機関 老人施設等の方々と面接する 申立人 ( 又は成年後見人候補者 書類の作成者等 ) が 本人と面接し 成年後見制度の概略と報酬が発生することを説明する 申立人と成年後見人候補者を決める 申立の必要書類を集める 医師に診断書を作成してもらう 本人の財産と収入 支出を本人の関係者から事情聴取し 資料を集めて財産目録と収支状況報告書を作成する 後見開始の審判申立書を作成する 申立人が 家庭裁判所に必要書類及び鑑定費用(10 万円位 ) を持参する 即日面接が実施されている家庭裁判所には申立人のほか本人 成年後見人候補者も同行する ( 要予約 ) 家庭裁判所による面接 精神鑑定等家庭裁判所が後見開始の審判の決定を申立人 本人 成年後見人等に送達する ( 異議があるときは2 週間以内に申立要 ) 2 週間以内に異議申立がなければ審判が確定するので 家庭裁判所が 法務局に対し 後見事項を登記する嘱託をする 審判から1か月以内に提出を求める旨の通知が発送される 成年後見人は直ちに財産目録と収支状況報告書を作成して家庭裁判所へ提出する 成年後見人は日々の成年後見業務の報告をまとめ 直近の財産目録と収支状況報告書を作成して家庭裁判所へ提出する 成年後見人は12の報告とともに 成年後見人の報酬を求める報酬付与の審判を家庭裁判所へ提出する 業務終了まで毎年 11~14を繰り返す 終了事由により成年後見業務が終了した場合 報酬付与の審判を受けてから 家庭裁判所へ後見業務が終了した報告書を財産目録とともに提出し 成年被後見人の財産を承継する者に財産の引渡しを行い すべての後見業務を終了する

申立の必要書類 ( 大阪家裁の例 ) ( 家庭裁判所ごとに異なる場合があります ) ( のついた書類は大阪家裁の 後見申立てセット に用意されている書類です ) 1 申立書 2 収入印紙 800 円分 3 郵便切手 3400 円分 ( 内訳 500 円 2 枚 200 円 5 枚 80 円 15 枚 10 円 20 枚 ) 4 登記印紙 4000 円分 5 鑑定費用 10 万円 ( 現金 ) 追加費用を要する場合もあります 6 鑑定費用の余剰分を返金する金融機関 口座番号等控え 7 診断書( 定型の用紙あり ) 及び 診断書の記載内容等についてのお尋ね( 診断した医師に記載してもらう書類 ) 8 本人の戸籍謄本 本籍地の市区町村役場で取得 9 申立人の戸籍謄本 ( 本人と同じ戸籍であれば不要 ) 本籍地の市区町村役場で取得 10 候補者の戸籍謄本 ( 申立人と候補者が同一であれば不要 ) 本籍地の市区町村役場で取得 11 本人の戸籍附票 本籍地の市区町村役場で取得 12 候補者の住民票 住所地の市区町村役場で取得 13 本人の ( 成年後見に関して ) 登記されていないことの証明書 法務局で取得 14 候補者の ( 成年後見に関して ) 登記されていないことの証明書 法務局で取得 15 候補者の ( 禁治産 準禁治産でない 後見登記されていない 破産の宣告を受けていないことの ) 身分証明書 本籍地の市区町村役場で取得 16 本人に関する照会書( 生活状況 健康状態 経歴 資産等を記入する書類 ) 17 本人に関する資料 ( 原本とA4 判コピー ) (1) 健康状態が分かる資料精神障害者手帳 身体障害者手帳 療育手帳 要介護度が分かるもの ( 介護保険認定書等 ) (2) 不動産についての資料 ( 原本提出のため コピー不要 ) 土地 建物の登記簿謄本 法務局で取得 固定資産税評価証明書等 物件所在地の市区町村役場で取得 (3) 預貯金 投資信託 株式等についての資料通帳 残高証明書 預り証 株式の残高報告書等 (4) 生命保険 損害保険等についての資料生命保険証書等 (5) 負債についての資料金銭消費貸借契約書 返済明細書等 (6) 収入についての資料確定申告書 給与明細書 年金額決定通知書等 (7) 支出についての資料各種税金の納税通知書 国民健康保険料 介護保険料の決定通知書 家賃 医療費 施設費の領収書等 18 候補者に関する照会書( 生活状況 健康状態 経歴 資産 後見方針等を記入する書類 ) 19 その他