平成 28 年度税制改正の概要 1. 復興特区関係 * (1) 機械等に係る特別償却等の特例措置の5 年延長及び要件の緩和 * 要件緩和 : 建築物整備事業 ( テナント建物 ) の構造要件について まちなか再生計画に位置付けられた場合には 非耐火構造でも対象となるよう緩和 (2) 被災雇用者等を雇

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る 1 減価補償金を交付すべきこととなる被災市街地復興土地区画整理事業において 公共施設の整備改善事業の用に供するために土地等が地方公共団体等に買い取られる場合 2 第二種市街地再開発事業の用に供するために土地等が地方公共団体等に買い取られる場合 (3) 特定住宅被災市町村の区域内にある土地等が 国

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注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

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法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

税額控除限度額の計算この制度による税額控除限度額は 次の算式により計算します ( 措法 42 の 112) 税額控除限度額 = 特定機械装置等の取得価額 税額控除割合 ( 当期の法人税額の 20% 相当額を限度 ) 上記算式の税額控除割合は 次に掲げる区分に応じ それぞれ次の割合となります 特定機械

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給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

平成23年度税制改正の主要項目

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(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

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平成 28 年 12 月 農林水産省 平成 29 年度税制改正主要事項 1. 新規 拡充事項 (1) 生産資材価格の引下げ及び農産物の流通加工構造の改革のための法整備を前提とした次の措置の創設 ( 所得税 法人税 登録免許税 ) 1 同法の認定を受けた事業再編事業者が事業再編計画に記載された機械装置

の範囲は 築 20 年以内の非耐火建築物及び築 25 年以内の耐火建築物 ((2) については築 25 年以内の既存住宅 ) のほか 建築基準法施行令 ( 昭和二十五年政令第三百三十八号 ) 第三章及び第五章の四の規定又は地震に対する安全上耐震関係規定に準ずるものとして定める基準に適合する一定の既存

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) 第十条の二 第四十二条の五 第六十八条の十 租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) ( 高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除 ) 第十条の二青色申告書を提出する個人が 平成三十年四月一日 ( 第二号及

平成 31 年度税制改正に関する内閣府主管項目のポイント 1 子ども 子育て支援の推進 子ども 子育て支援における制度の見直しに伴う税制上の所要の措置 ( 国税 地方税 ) 経済財政運営と改革の基本方針 ( 平成 30 年 6 月 15 日閣議決定 ) において 3 歳から 5 歳まで (0 歳から

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置

平成18年度地方税制改正(案)について

平成 31 年度住宅関連税制改正の概要 ( 一社 ) 住宅生産団体連合会 平成 31 年 3 月 (1) 住宅ローン減税の拡充 ( 所得税 個人住民税 ) 消費税率 10% が適用される住宅取得等をして 2019 年 10 月 1 日から 2020 年 12 月 31 日までの間にその者の居住の用に

(0830時点)PR版

企業中小企(2) 所得拡大促進税制の見直し ( 案 ) 大大企業については 前年度比 以上の賃上げを行う企業に支援を重点化した上で 給与支給総額の前年度からの増加額への支援を拡充します ( 現行制度とあわせて 1) 中小企業については 現行制度を維持しつつ 前年度比 以上の賃上げを行う企業について

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この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

3 車体課税 自動車取得税の見直し 自動車取得税の税率 ( 一定税率 ) を以下のとおり引下げ ( 平成 26 年 4 月 1 日以降 ) 自家用自動車 ( 軽自動車を除く ) 5%( ) 3%( ) 営業用自動車 軽自動車 3%( ) 2%( ) いわゆる エコカー減税 について 環境性能に優れた

下では特別償却と対比するため 特別控除については 特に断らない限り特定の機械や設備等の資産を取得した場合を前提として説明することとします 特別控除 内容 個別の制度例 特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供したときや 特定の費用を支出したときなどに 取得価額や支出した費用の額等 一定割合 の

労働基準法が改正されます

2. 中小企業のための主な優遇制度 注 : 各項目に付記している番号は 関連する参考資料です 番号に対応する資料名などは 5~6 ページに掲載していますのでご参照ください [1] 中小法人等 に適用される主な優遇制度 紙面の都合により ここでは制度の種類と それに関連する参考資料の番号を紹介していま

平成27年度税制改正要望結果について

改正 ( 事業年度の中途において中小企業者等に該当しなくなった場合等の適用 ) 42 の 6-1 法人が各事業年度の中途において措置法第 42 条の6 第 1 項に規定する中小企業者等 ( 以下 中小企業者等 という ) に該当しないこととなった場合においても その該当しないこととなった日前に取得又

参考資料 ( 地方税関係 ) ( 復興増税 ) 政府 与党合意 1 復興財源 (B 型肝炎対策財源を含む ) としての税制措 置 ( 要綱 ) 3 ( 復興支援税制 ) 東日本大震災からの復興に向けた税制上の対応 ( 地 方税 ) 8

HPのトップページ更新原稿

02_(案の2①)概要資料(不均一)

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3. 住宅税制 消費税率の引上げに伴う一時の税負担の増加による影響を平準化し 及び緩和する観 点から 住宅税利について以下のとおり所要の措置を講じます 住宅ローン減税を平成 26 年 1 月 1 日から平成 29 年末まで 4 年間延長し その期間のうち平成 26 年 4 月 1 日から平成 29

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

自動車登録番号車台番号軽自動車動車被災自動車等の買換えに係る自動車重量税免税届出書 ( 東日本大震災用 ) 次葉 1 使用していた被災自動車等の情報 使用者の氏名又は名称 被災自動車等の台数 (1) ( 登録自動車欄及び軽自動車欄の合計台数 ) 台 被災自動車等に係る自動車登録番号又は車両番号及び車


平成16年版 真島のわかる社労士

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公益法人の寄附金税制について

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

4. 土地 住宅用建物に係る不動産取得税の特例の延長土地や住宅に対する投資を促進し 都市や地域の活力を高める観点から 土地及び住宅用建物に係る軽減税率 3%( 本則 4%) 及び宅地評価土地の取得に係る不動産取得税の課税標準の特例 ( 固定資産税評価額の 1/2) の適用期限 ( 平成 27 年 3

5 配偶者控除等 配偶者控除 配偶者特別控除 扶養控除及び勤労学生控除の合計所得金額の要件 について 一律 10 万円ずつ引き上げられます 6 青色申告特別控除正規の簿記の原則により記帳している者に係る控除額が 55 万円に引き下げられ 正規の簿記の原則により記帳し かつ e5tax 等により確定申

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東日本大震災復興特別区域方に基づく 復興推進計画の検討

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

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内閣府 平成 30 年度税制改正要望結果 平成 29 年 12 月

平成20年2月

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湯河原町訓令第  号

平成 28 年度税制改正に関する内閣府 主要望のポイント 1 少子化対策の推進 ( 新設 2 件 拡充 1 件 ) 三世代同居に係る税制上の軽減措置の創設 ( 国税 ) 高齢者や若い世代の希望に応じた家族関係や地域とのつながり 子育て世代の子育ての態様について各人の希望を実現するため 一定の条件を満

平成29年 住宅リフォーム税制の手引き 本編_概要

地方税法等の一部を改正する法律案の概要 総務省 1 地方法人課税における新たな偏在是正措置 平成 31 年 10 月 1 日施行 都市 地方の持続可能な発展のための地方税体系の構築の観点から 特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案 において特別法人事業税 ( 国税 ) を創設することに併

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(2) 青色申告書を提出する中小企業者等 ( 平成 3 年 4 月 日以後開始する事業年度については 適用除外事業者 ( 注 4) を除く ) が 平成 30 年 4 月 日から平成 33 年 3 月 3 日までの間に開始する各事業年度において 国内雇用者に対して給与等を支給する場合に継続雇用者給与

2 政策体系における政策目的の位置付け 3 達成目標及び測定指標 4-5 福島 震災復興 租税特別措置等により達成しようとする目標 政策の達成目標と同じ 租税特別措置等による達成目標に係る測定指標 仮設施設の整備数 8 有効性等 政策目的に対する租税特別措置等の達成目標実現による寄与 東日本大震災で

することが適当であることから 本通達では 特定施設の敷地の用に供される土地等には 土地又は土地の上に存する権利を取得した時において 現に特定施設の敷地の用に供されているもの及び特定施設の敷地の用に供されることが確実であると認められるものが該当することを明らかにしている なお 取得の時において特定施設

東日本大震災の税制特例措置(法人関連)

収益事業開始届出 ( 法人税法第 150 条第 1 項 第 2 項 第 3 項 ) 1 収益事業の概要を記載した書類 2 収益事業開始の日又は国内源泉所得のうち収益事業から生ずるものを有することとなった時における収益事業についての貸借対照表 3 定款 寄附行為 規則若しくは規約又はこれらに準ずるもの

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

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内に 耐火建築物以外の建物についてはその購入の日以前 20 年以内に建築されたものであること 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅 を 平成 17 年 4 月 1 日以降に取得した場合には 築年数に関係なく適用が受けられます (56ページ 一

平成20年度税制改正(地方税)要望事項

Microsoft Word 連発1923号 税制改正関連法案について(お知

平成23年度税制改正大綱(閣議決定)における要望実現項目

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所得税確定申告セミナー

(2) 被災代替住宅用地の特例について 特例の概要 被災住宅用地の所有者等が当該被災住宅用地の代替土地を平成 33 年 3 月 31 日までの間に取得した場合 当該代替土地のうち被災住宅用地相当分について 取得後 3 年度分 当該土地を住宅用地とみなし 住宅用地の価格 ( 課税標準 ) の特例を適用

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1 復興特別区域において施行される都市計画事業等に係る 5,000 万円特別控除等イ復興特別区域制度 ( 仮称 ) における復興整備計画 ( 仮称 ) が公表され 都市計画が決定等されたとみなされる場合及び都市計画事業の認可等を受けたものとみなされる場合において 復興特別区域 ( 仮称 ) において

資料8-2 平成29年度文部科学関係税制改正事項

1 繰越控除適用事業年度の申告書提出の時点で判定して 連続して 提出していることが要件である その時点で提出されていない事業年度があれば事後的に提出しても要件は満たさない 2 確定申告書を提出 とは白色申告でも可 4. 欠損金の繰越控除期間に誤りはないか青色欠損金の繰越期間は 最近でも図表 1 のよ

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所令要綱

法人税 faq

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相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

4. 平成 27 年度税制改正の概要 (1) 住宅の取得に関わる税制 登録免許税 不動産取得税 改正項目ヘ ーシ 改正内容 所有権保存登記 所有権移転登記 所有権の信託 抵当権設定の登記の軽減措置 税率の軽減措置 宅地評価土地の課税標準の軽減措置 軽減税率の適用期限を平成 27 年 3

記載例 ( 別記様式第 3の1-1/3-) 復興産業集積区域において被災雇用者等を雇用した場合の法人税等の特別控除 ( 法第 38 条 ) 指定を行った認定地方公共団体の長の氏名を記載してくだ 法人の場合 事業年度又は連結事業年度終了さい 後 1か月以内に提出してください 指定事業者の氏名 個人の場

平成26年度税制改正及び土地住宅政策に関する提言書(案)

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

(*2) ハイブリッド自動車 ハイブリッドバス トラック ハイブリッド乗用車等車両総重量 3.5t 以下は 車 (*4) かつ燃費基準 +25% 達成車 (*5) 車両総重量 3.5t 超は重量車 車 (*9) かつ重量車燃費基準達成車 (*7) (*3) クリーンディーゼル乗用車平成 21 年排出

だ証明書の様式になっております 建物所在証明書 の様式は, 当ホームページからダウンロードすることができます Q3 警戒区域設定指示等の対象区域 特定避難勧奨地点に所在する建物の被災代替建物を取得する場合, 震災特例法の免税措置が受けられますか 特定避難勧奨地点 は, 警戒区域設定指示等の対象区域に

の各種税制優遇を受けやすくする見直しが行われ 入居までに耐震基準に適合するという証明があれば 1 住宅ローン減税 2 住宅取得資金に関する贈与税の非課税措置 3 中古住宅に関する不動産取得税の特例措置の適用が可能となる 耐震基準に適合しない中古住宅を取得し 耐震改修工事を実施した後に入居するような場

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

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Microsoft Word - 第53号 相続税、贈与税に関する税制改正大綱の内容

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

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平成 30 年度 自動車局税制改正要望の概要 平成 29 年 8 月 国土交通省自動車局

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平成 28 年度 税制改正の概要 平成 2 7 年 12 月復興庁

平成 28 年度税制改正の概要 1. 復興特区関係 * (1) 機械等に係る特別償却等の特例措置の5 年延長及び要件の緩和 * 要件緩和 : 建築物整備事業 ( テナント建物 ) の構造要件について まちなか再生計画に位置付けられた場合には 非耐火構造でも対象となるよう緩和 (2) 被災雇用者等を雇用した場合の税額控除の特例措置の5 年延長 (3) 新規立地促進税制 ( 再投資等準備金及び特別償却 ) の5 年延長及び要件 ** の緩和 ** 要件緩和 : 単年度 3 千万円の投資要件に加え 最大 3 事業年度内に5 千万円の投資でも対象となるよう緩和 ( 中小企業の場合 ) (4) 開発研究用資産に係る特別償却等の特例措置の5 年延長 (5) 地域の課題の解決のための事業を行う株式会社に対する出資に係る所得控除の5 年延長 2. インフラ整備等関係 (1) 防災集団移転促進事業の移転元地を利活用するために土地の交換を行った場合の登録免許税の免税措置の創設 (5 年間 ) (2) 防災集団移転促進事業と一体で行われる一団地の津波防災拠点市街地形成施設に準ずる事業の用に供される土地等の譲渡所得に係る特別控除 (5,000 万円 ) の3 年延長 (3) 特定住宅被災市町村の区域内にある土地等を地方公共団体等へ譲渡した場合の特別控除 (2,000 万円 ) の5 年延長 (4) 特定の資産 ( 被災区域の土地等 ) の買換え等の譲渡所得に係る特例措置の5 年延長 3. 被災代替資産関係 (1) 被災代替資産等に係る特別償却の特例措置の3 年延長 (2) 被災代替償却資産に係る固定資産税の特例措置の3 年延長 *** (3) 被災自動車等の代替取得に係る車体課税の特例措置の3 年延長 ***: 自動車取得税については同税の廃止までの1 年延長 4. 東日本大震災事業者再生支援機構関係 (1) 機構の法人事業税の資本割の特例措置の5 年延長 (2) 合理的な再生計画 に基づく経営者の私財提供に係る譲渡所得の非課税措置の3 年延長 1

1. 復興特区関係 (1) 機械等に係る特別償却等の特例措置の 5 年延長及び要件の緩和 所得税 法人税 適用期限を 5 年延長 特別償却 機械 装置 50% ( 平成 31 年 4 月 1 日以後に取得等をするものについては 34% ) 建物 構築物 25%( 同日以後に取得等をするものについては 17% ) 税額控除 ( 特別償却と選択適用 ) 機械 装置 15%( 同日以後に取得等をするものについては 10% ) 建物 構築物 8%( 同日以後に取得等をするものについては 6% ) 建築物整備事業 ( テナント建物 ) の構造要件について まちなか再生計画に位置付けられた場合には 非耐火構造 ( 木造等 ) でも対象となるよう要件を緩和 福島県においては特別償却について機械 装置は即時償却 建物 構築物は 25% 税額控除について機械 装置 15% 建物 構築物 8% (2) 被災雇用者等を雇用した場合の税額控除の特例措置の 5 年延長 所得税 法人税 適用期限を 5 年延長 被災雇用者等に対する給与等支給額の 10%( 平成 31 年 4 月 1 日以後に指定を受けた指定事業者については 7% ) を税額の 20% を限度として控除 福島県においては 10% (3) 新規立地促進税制 ( 再投資等準備金及び特別償却 ) の5 年延長及び要件の緩和 法人税 適用期限を 5 年延長 中小企業者等の投資要件について 現行要件 ( 指定を受ける事業年度に 3,000 万円以上の設備投資 ) に加え 最大 3 事業年度内で 5,000 万円以上の設備投資を行った場合 投資額計が 5,000 万円以上となった事業年度から再投資等準備金の積立額を損金算入できるよう要件を緩和 (4) 開発研究用資産に係る特別償却等の特例措置の 5 年延長 所得税 法人税 適用期限を 5 年延長 特別償却 (50% ( 平成 31 年 4 月 1 日以後に取得等をするものについては 34% )) 及び当該特別償却の対象となる開発研究用資産の償却費について研究開発税制を適用し税額控除 福島県においては即時償却 (5) 地域の課題の解決のための事業を行う株式会社に対する出資に係る所得控除の5 年延長 所得税 株式会社により発行される株式を払込みにより個人が取得した場合には 当該個人に対する所得税の課税において寄附金控除を行う措置の適用期限を 5 年延長 2

2. インフラ整備等関係 (1) 防災集団移転促進事業の移転元地を利活用するために土地の交換を行った場合の登録免許税の免税措置の創設 (5 年間 ) 登録免許税 復興整備事業の用に供するため公有地と当該事業が実施される一定の区域内の民有地の交換について 公有地を取得した場合の所有権移転登記に対する登録免許税の免税措置を創設 適用期間は 5 年間 なお 交換を行った場合の不動産取得税については 県条例での対応が可能 (2) 防災集団移転促進事業と一体で行われる一団地の津波防災拠点市街地形成施設に準ずる事業の用に供される土地等の譲渡所得に係る特別控除 (5,000 万円 ) の3 年延長 所得税 法人税 防災集団移転促進事業と一体で行われる一団地の津波防災拠点市街地形成施設に準ずる事業のために買い取られる旨の証明を受けた土地及び建物等を地方公共団体へ譲渡した場合における譲渡所得の特別控除 (5,000 万円 ) の適用期限を 3 年延長 (3) 特定住宅被災市町村の区域内にある土地等を地方公共団体等へ譲渡した場合の特別控除 (2,000 万円 ) の5 年延長 所得税 法人税 特定住宅被災市町村の区域内において 東日本大震災の復興事業の用に供するために土地等を地方公共団体等へ譲渡した場合における譲渡所得の特別控除 (2,000 万円 ) の適用期限を 5 年延長 (4) 特定の資産 ( 被災区域の土地等 ) の買換え等の譲渡所得に係る特例措置の5 年延長 所得税 法人税 1 被災区域内での買換え又は被災区域内から被災区域外への買換え ( 被災区域外への買換えは特定被災区域に限る ) 2 被災区域外から被災区域内への買換え等について 資産の譲渡をして 事業の用に供する資産を取得等した場合 当該譲渡資産に係る譲渡益の額に相当する金額の範囲内で圧縮記帳 ( 課税繰延割合 100%) ができる特例措置等の適用期限を 5 年延長 3

3. 被災代替資産関係 (1) 被災代替資産等に係る特別償却の特例措置の 3 年延長 所得税 法人税 東日本大震災被災により 1 滅失又は損壊した建物 構築物 機械 装置等 に代わるものとして取得等をして事業の用に供した資産 2 取得等をして被災区域内で事業の用に供した建物 構築物 機械 装置等 における特別償却 ( 建物 構築物 12% 機械 装置等 24% ( 中小企業の場合 )) の適用期限を 3 年延長 利用見込みを踏まえて対象資産を一部限定 (2) 被災代替償却資産に係る固定資産税の特例措置の 3 年延長 固定資産税 東日本大震災被災により 滅失又は損壊した償却資産に代わるものとして取得等をした償却資産に係る固定資産税の課税標準を 2 分の 1 とする特例措置の適用期限を 3 年延長 (3) 被災自動車等の代替取得に係る車体課税の特例措置の 3 年延長 自動車重量税 自動車取得税 自動車税 軽自動車税 東日本大震災により滅失等した被災自動車等に代わる自動車等を取得した場合の自動車重量税 自動車取得税 自動車税 軽自動車税の特例措置の適用期限を 3 年延長 ( 自動車取得税については 同税廃止までの 1 年延長 環境性能割 ( 仮称 ) については 導入後 2 年間非課税 ) 4. 東日本大震災事業者再生支援機構関係 (1) 機構の法人事業税の資本割の特例措置の 5 年延長 法人事業税 機構の法人事業税の資本割の特例措置 ( 課税標準となる資本金等の額を 20 億円とする ) の適用期限を 5 年延長 (2) 合理的な再生計画 に基づく経営者の私財提供に係る譲渡所得の非課税措置の3 年延長 所得税 被災した法人について債務処理計画が策定された場合の経営者の私財提供に係る譲渡所得の非課税措置の適用期限を 3 年延長 4

平成 28 年度税制改正の大綱 ( 復興庁関係部分 ) 一個人所得課税 3 復興支援のための税制上の措置 ( 国税 ) (1) 特定住宅被災市町村の区域内の土地等を地方公共団体等に譲渡した場合の 2,000 万円特別控除について 適用対象となる事業は東日本大震災からの復興のための事業であることを明確化した上 適用期限を 5 年延長する ( 法人税についても同様とする ) (2) 特定被災区域内において防災集団移転促進事業と一体で行われる一団地の津波防災拠点市街地形成施設の整備に準ずる事業の用に買い取られる土地等であることにつき国土交通大臣等の証明を受けたものを地方公共団体に譲渡した場合の 5,000 万円特別控除等の簡易証明制度の適用期限を3 年延長する ( 法人税についても同様とする ) (3) 復興指定会社が発行した株式を取得した場合の課税の特例について 対象となる東日本大震災復興特別区域法の指定会社に係る同法の指定期限を 5 年延長する (4) 被災した法人について債務処理計画が策定された場合の課税の特例について 適用対象となる内国法人の範囲を その内国法人が金融機関から受けた事業資金の貸付けに係る債務の弁済につき中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律の施行の日 ( 平成 21 年 12 月 4 日 ) から平成 28 年 3 月 31 日までの間に条件の変更が行われたものとした上 適用期限を3 年延長する ( 地方税 ) (1) 特定住宅被災市町村の区域内の土地等を地方公共団体等に譲渡した場合の 2,000 万円特別控除について 適用対象となる事業は東日本大震災からの復興のための事業であることを明確化した上 適用期限を5 年延長する (2) 特定被災区域内において防災集団移転促進事業と一体で行われる一団地の津波防災拠点市街地形成施設の整備に準ずる事業の用に買い取られる土地等であることにつき国土交通大臣等の証明を受けたものを地方公共団体に譲渡した場合の 5,000 万円特別控除等の簡易証明制度の適用期限を3 年延長する (3) 被災した法人について債務処理計画が策定された場合の課税の特例について 適用対象となる内国法人の範囲を その内国法人が金融機関から受けた事業資金の貸付けに係る債務の弁済につき中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律の施行の日 ( 平成 21 年 12 月 4 日 ) か 5

ら平成 28 年 3 月 31 日までの間に条件の変更が行われたものとした上 適用 期限を 3 年延長する 二資産課税 1 復興支援のための税制上の措置 ( 国税 ) 新設 登録免許税 (1) 復興整備事業 ( 被災市町村が集団移転促進事業により取得した土地を利用する事業に限る ) が実施される一定の区域内の土地に関する権利を有する者が 平成 28 年 4 月 1 日から平成 33 年 3 月 31 日までの間に当該復興整備事業の用に供するため当該土地に関する権利を当該被災市町村に対し交換により譲渡し 当該交換により当該区域外の土地の所有権を取得した場合における当該土地の所有権の移転登記に対する登録免許税を免税とする措置を講ずる ( 地方税 ) 延長 固定資産税 都市計画税 (2) 東日本大震災により滅失 損壊した償却資産に代わるものとして一定の被災地域内で取得等をした償却資産に係る固定資産税の課税標準の特例措置の適用期限を3 年延長する 三法人課税 4 復興支援のための税制上の措置 ( 国税 ) 延長 拡充等 (1) 復興産業集積区域等において機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度のうち復興産業集積区域に係る措置について 次の措置を講じた上 その適用期限を5 年延長する ( 所得税についても同様とする ) 1 機械装置の特別償却率を 50%( 平成 31 年 4 月 1 日以後に取得等をするものについては 34%)( 現行 : 普通償却限度額との合計でその取得価額までの特別償却 ( 即時償却 )) とし 機械装置のうち同日以後に取得等をするものの税額控除率を 10%( 現行 :15%) に引き下げ 建物等及び構築物のうち同日以後に取得等をするものの特別償却率を 17%( 現行 :25%) に 税額控除率を6%( 現行 :8%) に それぞれ引き下げる ( 注 ) 福島県の地方公共団体の指定を受けた法人が取得等をするものについては 現行どおりとする 6

2 建築物整備事業の用に供する建物等の範囲に 認定まちなか再生計画に基づくもので次のとおり現行要件を見直した要件を満たすものを加える イ耐火建築物であることとの要件を除外する ロ延べ面積の下限要件を750m2 ( 現行 :1,500 m2 ) に引き下げる ハ地上階数が3 以上であり かつ 避難用屋上広場が設けられていることとの要件を除外する ニ居住者等の利便の増進に寄与する施設の整備費の下限要件を2,500 万円 ( 現行 :5,000 万円 ) に引き下げる (2) 復興産業集積区域において被災雇用者等を雇用した場合の税額控除制度について その適用期限を5 年延長するとともに 平成 31 年 4 月 1 日以後に指定を受けた法人の税額控除率を 7%( 現行 :10%) に引き下げる ( 所得税についても同様とする ) ( 注 ) 福島県の地方公共団体の指定を受けた法人については 現行どおりとする (3) 復興産業集積区域における開発研究用資産の特別償却制度等について 特別償却率を 50%( 平成 31 年 4 月 1 日以後に取得等をするものについては 34 %)( 現行 : 普通償却限度額との合計でその取得価額までの特別償却 ( 即時償却 )) とした上 その適用期限を5 年延長する ( 所得税についても同様とする ) ( 注 ) 福島県の地方公共団体の指定を受けた法人が取得等をするものについては 現行どおりとする (4) 被災代替資産等の特別償却制度について 次の見直しを行った上 その適用期限を3 年延長する ( 所得税についても同様とする ) 1 対象資産から非自航作業船 航空機 二輪の小型自動車 検査対象外軽自動車 小型特殊自動車 原動機付自転車及び鉄道車両を除外する 2 建物等及び構築物の特別償却率を10%( 中小企業者等は12%)( 現行 :15 %( 中小企業者等は18%)) に 機械装置 船舶及び車両運搬具の特別償却率を20%( 中小企業者等は24%)( 現行 :30%( 中小企業者等は36%)) に それぞれ引き下げる 3 被災区域の定義について 実質的に事業又は居住の用に供することができなくなった建物等又は構築物の敷地が対象区域であることを明確化する (5) 再投資等準備金制度について 次の措置を講じた上 その適用期限を 5 年延長する 1 中小企業者等については 指定があった日を含む事業年度において 3,000 万円以上の投資をすることとの要件を満たしていない場合であっても 同日を含む事業年度開始の日から3 年間で 5,000 万円以上の投資をしている 7

場合には その投資額の累計が 5,000 万円に達した事業年度以後の各事業年度 ( その達した事業年度からその指定があった日以後 5 年を経過する日を含む事業年度までの各事業年度に限る ) において本制度を適用できることとする 2 準備金の取崩し期間を5 年間 ( 現行 :10 年間 ) に短縮する ( 注 ) 上記の改正は 平成 28 年 4 月 1 日以後に指定を受けた法人について適用する (6) 震災特例法に係る特定の資産の買換えの場合等の課税の特例について 被災区域である土地等又は建物等から国内にある土地等又は事業用の減価償却資産への買換えに係る買換資産の対象区域を被災区域又は東日本大震災復興特別区域法の特定被災区域に限定した上 その適用期限を 5 年延長する ( 所得税についても同様とする ) ( 地方税 ) 延長 (1) 株式会社東日本大震災事業者再生支援機構に係る法人事業税の資本割の課税標準の特例措置の適用期限を5 年延長する 四消費課税 2 車体課税の見直し ( 地方税 ) (2) 自動車税及び軽自動車税における環境性能割 ( 仮称 ) の創設 6 用途 構造等による特例措置ニ被災代替自動車の取得に係る環境性能割について 非課税とする措置を平成 29 年 4 月 1 日から2 年間に限り講ずる 4 復興支援のための税制上の措置 ( 国税 ) 延長 (3) 被災自動車等の使用者であった者が取得する自動車に係る自動車重量税の免税措置の適用期限を3 年延長する ( 地方税 ) 延長 < 自動車取得税 > (1) 被災代替自動車の取得に係る自動車取得税の非課税措置の適用期限を 1 年延長する 8

< 自動車税 軽自動車税 > (2) 自動車税及び軽自動車税の非課税措置の適用期限を次のとおり 3 年延長する 1 平成 28 年度に被災代替自動車等として取得された自動車等については平成 28 年度分及び平成 29 年度分の 平成 29 年度に被災代替自動車等として取得された自動車等については平成 29 年度分及び平成 30 年度分の 平成 30 年度に被災代替自動車等として取得された自動車等については平成 30 年度分及び平成 31 年度分の自動車税及び軽自動車税を非課税とする措置を講ずる ( 中略 ) 以上 9