第 5 章 N

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税法入門コース 相続税 学習スケジュール 回数学習テーマ内容 第 1 回 第 2 回 第 3 回 第 4 回 第 4 回 第 1 章 第 2 章 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 4 章 第 5 章 テーマ 1 相続税 贈与税とは? テーマ 2 用語の説明 テーマ 1 相続人となれる人は? テ

相続税・贈与税の基礎と近年の改正点

東京太郎様 Inheritance Report 相続診断書 弁護士法人 税理士法人リーガル東京 平成 30 年 8 月 20 日作成

経 ViewPoint 営相談 相続時における小規模宅地等の特例の改正 谷口敬三相談部東京相談室 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例 ( 以下 小規模宅地等の特例 ) は 一定の要件を満たす宅地等 ( 特定事業用等宅地等 特定居住用宅地等 貸付事業用宅地等 ) につ

Microsoft Word - 文書 1

目 次 最近における相続税の課税割合 負担割合及び税収の推移 1 地価公示価格指数と基礎控除(58 年 =100) の推移 2 最近における相続税の税率構造の推移 3 小規模宅地等の課税の特例の推移 4 相続税負担の推移( 東京都区部のケース ) 5 ( 補足資料 ) 相続税の概要 6 相続税の仕組

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

自宅の他に賃貸マンションと駐車場を所有している人のデータ 自宅の他に賃貸マンションと駐車場を所有している人の 法定相続人の数と相続財産および債務のデータから相続税を試算します 賃貸マンションについては全室が賃貸用かどうか 駐車場については舗装がしてあるかどうかで評価額が違ってくることがあります また

ラリーマン 相続税の申告は? 45 相続税の申告はどのようにすればよいのでしょうか 相続が開始したことを知った日 ( 通常は被相続人が死亡した日 ) の翌日から 10 か月以内に 被相続人の住所 地の所轄税務署に申告し 相続税を納付する必要があります 申告書を提出する人が 2 名以上いる場合は 共同

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路線価図

平成16年版 真島のわかる社労士

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措置法第 69 条の 4(( 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例 )) 関係 ( 被相続人等の居住の用に供されていた宅地等の範囲 ) 69 の 4-7 措置法第 69 条の 4 第 1 項に規定する被相続人等の居住の用に供されていた宅地等 ( 以下 69 の 4-8 までにおいて 居

である 12 遺留分とは 遺言の内容にかかわらず一定の相続人が確実に受け取ることができる一定の 割合のことである 直系尊属のみが相続人である場合は 被相続人の財産の 1/3 その 他の場合には 被相続人の財産の 1/2 である ただし 兄弟姉妹には遺留分はない 13 相続の放棄は 被相続人の生前に行

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N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

2 税額控除等の計算 ( 単位 : 円 ) 項目対象者計算過程金額 答案用紙 Chapter2 問題 3 課税価格の計算 Ⅰ 相続人及び受遺者の相続税の課税価格の計算 1 分割財産価額の計算 ( 単位 : 千円 ) 2 みなし取得財産価額の計算 ( 単位 : 千円 ) 取得者財産の種類計算過程金額

平成 25 年度税制改正解説相続税 ~ 基礎控除の引き下げ 税率構造の見直し等 法定相続人の数と基礎控除法定相続人の数と基礎控除 法定相続人の数 1 人 2 人 3 人 4 人 5 人 60,000 千円 70,000 千円 80,000 千円 90,000 千円 100,000 千円 36,000

3.相続時精算課税の適用を受ける場合編

所得税確定申告セミナー

計算式 1 1 建物の価額 ( 固定資産税評価額 ) =2 長期居住権付所有権の価額 +3 長期居住権の価額 2 長期居住権付所有権の価額 ( 注 1) =1 固定資産税評価額 法定耐用年数 ( 経過年数 + 存続年数 ( 注 3)) 法定耐用年数 ( 注 2) 経過年数 ライプニッツ係数 ( 注

2.配偶者控除の特例の適用を受ける場合(暦年課税)編

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13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

第 6 回令和元年度固定資産評価実務者勉強会 第 3 部 税理士による最近の各種課税評価に関するお話 講師 : 税理士 不動産鑑定士 赤川明彦 ( 株式会社土地評価センター取締役 ) copyright 2019 KOTOBUKI PROPERTY ASSESSMENT all rights res

Microsoft Word - 第58号 二世帯住宅の敷地にかかる小規模宅地等の特例

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

1.一般の贈与の場合(暦年課税)編

12. 小規模宅地等の特例の見直し 1. 改正のポイント (3) 適用時期平成 30 年 4 月 1 日以後に相続又は遺贈により取得する宅地等に係る相続税について適用される ただし (2)1 の改正について 平成 30 年 3 月 31 日においての別居親族の要件を満たしていた宅地等を平成 32 年

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

おき 太郎様 Inheritance Report 相続診断書 税理士法人おき会計 平成 28 年 7 月 20 日作成

[2] 税率構造の見直し 相続税の税率構造が現行の6 段階から8 段階に変更されるとともに 最高税率が 50% から 55% に引き上げられることとなりました ただし 各法定相続人の取得金額が2 億円以下の場合の税率は と変わりありません この改正は 平成 27 年 1 月 1 日以後に相続または遺

配偶者がいる人の一次相続と二次相続のデータ 被相続人に配偶者がいる一次相続と 配偶者がいない二次相続の相続税シミュレーションを行います 配偶者の税額軽減は その節税効果が大きいために一次相続で相続税を大幅に減額することができますが 次の二次相続では想定外の相続税が発生することがあります 配偶者がいる

暦年課税の贈与を毎年する人のデータ 暦年課税の贈与は 現金を贈与するのか不動産を贈与するのかで違ってきます 土地は路線価方式または倍率方式で評価し建物は固定資産税評価額で評価しますので 現金での贈与の場合よりも税率は低くなります ただし不動産の贈与では 土地や建物の贈与または共有持分の贈与になります

例題 B さんは 被相続人 A から H22 年 7 月 7 日に C 社上場株式 50,000 株を相続した この年の C 社株式の株価推移は以下の通りである このとき C 社株式の相続税評価額は? ( 終値月平均値 ) 4 月平均 5 月平均 6 月平均 7 月平均 7/7 終値 500 円 5

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

一戸建ての自宅を所有している人のデータ 東京都内やその近郊など路線価の高い宅地に一戸建ての自宅を所有し その他に預貯金や有価証券を保有している人の相続税シミュレーションになります 路線価が高いと自宅の敷地の面積が広くなくても その宅地の評価額は高額になりますので この宅地に対して小規模宅地等の特例が

この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

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144 第 2 章宅地等の評価第 3 個別事情のある宅地の評価 このような過小宅地を評価する場合 財産評価基本通達における原則評価 ( 奥行価格補正率や奥行長大補正率等 ) のみでは上記の要因が十分に考慮されているとは言い難く 市場価値である時価と大きく乖離しているケースが見受けられます よって 本

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

を受けたものを除きます ) の合計額に対応する譲渡所得 ( 又は山林所得 ) がないものと仮定して次の算式により計算した税額 X 又はYと 確定申告書に記載される所得税額との差額に相当する金額とされています ( 所法 1324 所令 266 措令 平 25.5 改正前の措令 25の814

用語の意義 この FAQ において使用している用語の意義は 次のとおりです 用語 意義 所得税法 ( 所法 ) 所得税法 ( 昭和 40 年法律第 33 号 ) をいいます 所得税法施行令 ( 所令 ) 所得税法施行令 ( 昭和 40 年政令第 96 号 ) をいいます 改正所令 所得税法施行令の一

契約をするとき 契約書に貼る印紙税不動産取引で取り交わす契約書は 印紙税の対象となります 具体的には 不動産の売買契約書や建物の建築請負契約書 土地賃貸借契約書 ローン借入時の金銭消費貸借契約書等がこれに当たります 印紙税の額は 契約書に記載された金額によって決定されます 原則として 収入印紙を課税

( 相続時精算課税適用者の死亡後に特定贈与者が死亡した場合 ) (6) 相続時精算課税適用者 ( 相続税法第 21 条の9 第 5 項に規定する 相続時精算課税適用者 をいう 以下 (6) において同じ ) の死亡後に当該相続時精算課税適用者に係る特定贈与者 ( 同条第 5 項に規定する 特定贈与者

未成年者控除 障害者控除の見直し 未成年者控除 障害者控除 6 万円 20 歳に達するまでの年数 6 万円 ( 特別障害者 :12 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 10 万円 20 歳に達するまでの年数 10 万円 ( 特別障害者 :20 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 小規模宅地等につ

貸家建付地 貸家建付地とは 自分名義の土地に自分名義の建物を建設してその建物を他人に貸しているものです ( 財基通 26) 借家人には法律上の借家権が発生し 地主は立退料を支払わないと自由に土地建物を処分できません( 借地借家法 28) 貸家建付地の典型例は アパート マンションです このため 相続

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1.修正申告書を作成する場合の共通の手順編

資料 以下 原文に筆者の強調 コメントを追加 租税特別措置法による定義 租法 ( 昭和三十二年三月三十一日法律第二十六号 ) 最終改正 : 平成二六年五月三〇日法律第四六号 ( 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例 ) 第六十九条の四個人が相続又は遺贈により取得した財産のうちに 当該相

相続対策としての土地有効活用

5 適用手続 ⑴ 相続時精算課税の適用を受けようとする受贈者は 贈与を受けた財産に係る贈与税の申告期間内に 相続時精算課税選択届出書 ( 贈与者ごとに作成が必要 ) を贈与税の申告書に添付して 納税地の所轄税務署長に提出する ( 相法 21の92) なお 提出された当該届出書は撤回することができない

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

き一 修正申告 1 から同 ( 四 ) まで又は同 2 から同 ( 四 ) までの事由が生じた場合には 当該居住者 ( その相続人を含む ) は それぞれ次の 及び に定める日から4 月以内に 当該譲渡の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し かつ 当該期限内に当該申告書の提出により納付

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配偶者の税額軽減特例の有利な受け方 配偶者がいる場合の 相続税の具体的な計算例は以下の通りです 1. 設例 自宅 預貯金等の相続財産の遺産額 =2 億円 法定相続人 = 配偶者 + 子 2 人の合計 3 人 実際の遺産分割は 法定相続分の通りとする 未成年者控除 外国税額控除 生命保険金の非課税枠金

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

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( 図表 1-2) 課税割合 ( 課税対象被相続人数 / 被相続人全体 100(%) ( 注 ) 財務省公表資料による こうした中で 多くの相続税納税者にとって評価額が高額で相続税納税上の負担増が大きい一定の小 規模宅地については 課税強化への影響を緩和するため 相続税強化が行われた 2015 年に

一発合格!FP 技能士 3 級完全攻略実戦問題集 年版 別冊 FP 技能士 3 級 2018 年 9 月実施試験 解答 & 解説 実技試験個人資産相談業務 ( 金融財政事情研究会 ) 問題 解答 解説 第 1 問問 1 1 1) 適切 医療費の一部負担金等の額が自己負担限度額を超える場合

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税金の時効 税務では 時効のことを更正 決定処分の期間制限 = 除斥期間 といいます その概要は 以下の通りです 1. 国税側の除斥期間 ( 通則法 70) 1 期限内申告書を提出している場合の所得税 相続税 消費税 税額の増額更正 決定処分の可能期間 : 法定申告期限から 3 年 2 無申告の場合

時価で譲渡したものとみなされ所得税が課税され かつ その所得税は相続税の課税価格の計算上被相続人の債務として控除されていることにより 所得税と相続税の負担の調整は済んでいますので この特例の適用は受けられません 2 取得費に加算される金額平成 26 年度の改正前は 相続財産である土地等の一部を譲渡し

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コピー又は web からダウンロードしてご使用ください 答案用紙 Chapter1 問題 1 個人とみなされる納税義務者 Ⅰ 相続人及び受遺者の相続税の課税価格の計算 1 遺贈財産価額の計算 ( 単位 : 千円 ) 取得者財産の種類計算過程金額 2 生前贈与加算される贈与財産の額の計算 ( 単位 :

小規模宅地等の評価減の特例 1. 概要 居住用や事業用宅地を相続した場合 小規模とされる一定面積までを 50%~80% 評価減できる特例があります ( 措置法 69 条の 4) 区分宅地の区分事業や居住の見込減額割合対象面積 1 号特例特定事業用等宅地等 1 親族が相続して事業を継続 80% 400

Q&A 相続税の納付は? 問 : 相続税はいつまでに納めればよいのでしょうか 答 : 相続税は相続の開始があったことを知った日 ( 通常の場合は 被相続人の死亡の日 ) の翌日から 10 か月以内に 納めていただくことになっています なお 金銭で納付することが原則ですが 金銭で納付することが困難で

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

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Ⅱ 減免措置の内容 Ⅰ 減免措置の適用要件 を満たす場合には 災害減免法により以下のとおり相続税等が減免されます 災害減免法による相続税等の減免措置は 1 申告期限前に被害を受けた場合 と 2 申告期限後に被害を受けた場合 とでその内容が異なります なお この申告期限は 国税通則法 又は 東日本大震

叔父から財産の贈与(1~3) を受けた場合 1/1 12/31 2/1 3/15 相選養続択与子贈時届贈精出縁与算書与 1組課提2 税出3 暦年課税相続時精算課税 養子縁組前の贈与 1については 暦年課税により贈与税額を計算し 養子縁組以後の贈与 2 及び 3は 相続時精算課税により贈与税額を計算し

2. 制度の概要 この制度は 非上場株式等の相続税 贈与税の納税猶予制度 とは異なり 自社株式に相当する出資持分の承継の取り扱いではなく 医療法人の出資者等が出資持分を放棄した場合に係る税負担を最終的に免除することにより 持分なし医療法人 に移行を促進する制度です 具体的には 持分なし医療法人 への

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平成 30 年 7 月豪雨により被害を受けられた方の税務上の措置 ( 手続 )FAQ 平成 30 年 7 月広島国税局 平成 30 年 7 月豪雨により被害を受けられた方の税制上の措置 ( 手続 ) 等につきまして 照会の 多い事例を取りまとめましたので 参考としてください 目次 Ⅰ 災害にあった場

この冊子は 平成 22 年 4 月 1 日現在の法令等に基づいて作成しています なお この冊子では 所得税法等の一部を改正する法律 ( 平成 21 年法律第 13 号 ) による改正前の租税特別措置法を 平成 21 年改正前の租税特別措置法 と 租税特別措置法施行令等の一部を改正する政令 ( 平成

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改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

102 第 4 章 農業 農地の承継時の特例 資価格は 国税庁 HPの路線価ページから確認できます なお 平成 30 年度税制改正において 対象となる農地の範囲等が改正されました 詳細は 後記 6を参照してください 3 適用要件 (1) 被相続人この特例の対象となる被相続人は 次のいずれかに該当する

問題 1 1 問題 1 1 納税義務者 相続税の納税義務者及び課税財産の範囲 課税価格 1 納税義務者 ⑴ 次に掲げる者は 相続税を納める義務がある 1 居住無制限納税義務者 ( 法 1 の 3 1 一 ) 相続又は遺贈により財産を取得した個人でその財産を取得した時において法施行地に住所を有するもの

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

相続人の居住用または事業用の宅地については2 割または5 割評価にするという小規模宅地等の評価減の特例があるが 平成 22 年度税制改正により 原則として申告期限まで居住または事業を継続していなければ適用が認められなくなっている 今回 基礎控除額が引き下げられることと合わせ 都市部の独居老人が亡くな

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9 定期借地実務マニュアル

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第 5 章 相続税 N 相続税は原則として 相続や遺贈により取得し た次に掲げるような財産のすべてに対して課税されます 500 500 相続財産のなかで その財産の性質や社会政策的な見地などから相続税の課税対象から除かれ 非課税となるものもあります 30 1000 39

第 5 章 N 59 60 3000600 26123150001000 93 40

第 5 章 r t r 20 100 40q 6000 2010 261231 851020 26123112 10 41

第 5 章 N 相続税の税額を計算するためには まず相続や遺贈により取得した財産の価額の合計額を計算しなければなりません このときの相続財産の評価は相続したときの 時価 によることが原則となっています なお 土地 建物 株式のように時価の判定が難しい財産については 財産評価基本通達 により定められた方法で評価します 宅地の評価方法には1 路線価方式と2 倍率方式との2つの方式があり 原則として市街地的形態を形成する地域にある宅地については路線価方式により それ以外の宅地については倍率方式により評価することになります 評価すべき宅地の面する道路 ( 路線 ) に付された路線価を基として その宅地の形状等に応じた価額の調整を行った金額により評価する方法です 路線価は おおむね同一と認められる一連の宅地が面している路線ごとに一平方メートル当たりの価額で設定され 毎年 各国税局ごとに路線価図 ( 次ページ参照 ) として公表されています なお 路線価図は各国税局および各税務署でパソコンにより閲覧できるほか インターネットでも公開されており 全国の路線価図を自由に閲覧することができるようになっています 市町村で決められている固定資産税評価額に国税局長の定める倍率を乗じて求めた金額で評価します 路線価がつけられている地域以外の宅地はすべてこの方式により評価します 42

第 5 章 43

第 5 章 相続した財産が借地権 貸宅地 貸家建付地であるような場合には 路線価方式または倍率方式により算出したその宅地の評価 ( 自用地価額 といいます ) を基に 一定の計算式により算出した金額がその評価額となります 相続税 贈与税における借地権の範囲は 借地借家法の規定による借地権 ( 定期借地権等を除きます ) すなわち建物の所有を目的とする地上権および賃借権をいいます 借地権割合は地域により異なりますが 路線価図あるいは税務署で調べることができます 地主が借地権者に土地を賃貸し その借地権 ( 定期借地権等を除きます ) の目的となっている宅地を直接に使用収益させている場合の宅地 すなわち底地をいいます 家屋の価額は その家屋の固定資産税評価額に 1.0 倍を乗じて計算した金額によって評価します 借家権の目的となっている家屋の価額は 自用であるとした場合の家屋の価額から借家権の価額を控除した金額となります 借家権の価額はその借家権の目的となっている家屋の価額に借家権割合および賃借割合 ( 注 ) を乗じて算出しますが 借家権の価額については その権利が権利金等の名称をもって取引される慣行のある地域にあるものを除き 相続税または贈与税の課税価格に算入しないこととされています ( 注 ) 賃貸割合または賃借割合は 下記の算式により計算されます 借地権の取引慣行がない地域では 20% として計算しま す 地主が建物を賃貸して その建物の敷地となっている宅地を借家人に間接的に使用収益させている場合の宅地をいいます 借家権割合は一律に30% と決められています 70 100 44

第 5 章 09 09 075 075 06 06 05 05 100 100 20 45

第 5 章 N 小規模宅地等とは 個人が相続または遺贈により取得した財産のなかに 被相続人または被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族 ( 以下 被相続人等 といいます) の居住の用 ( 主として居住の用に供されていた一の宅地に限ります ) または事業の用に供されていた宅地等 ( 土地もしくは土地の上に存する権利をいいます ) がある場合で一定の建物の敷地の用に供されているもののうち下表の区分に応じた一定面積までのものをいい 相続税の課税価格の計算において 一定割合減額されます ( 注 ) 共同相続があった場合は 取得した者ごとに適用要件を判定します たとえば被相続人の事業用宅地を 事業の継承した子と事業を継承しない子が共同で相続した場合 事業を継承した子はこの特例が受けらますが 事業を継承しない子については この特例の適用は受けられません また 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例について 平成 26 年 1 月 1 日以後次の見直しが行われました 1 一棟の二世帯住宅で構造上区分のあるものについて 被相続人及びその親族が各独立部分に居住していた場合には その親族が相続または遺贈により取得したその敷地の用に供されていた宅地等のうち 被相続人及びその親族が居住していた部分に対応する部分が居住の対象となります 2 老人ホームに入所したことにより被相続人の居住の用に供されなくなった家屋の敷地の用に供されていた宅地等は 次の要件が満たされる場合に限り 相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていたものとして特例を適用します 被相続人に介護が必要なため入所したものであること 当該家屋が貸付け等の用途に供されていないこと 400 80 330 50 400 50 200 261231240 46

第 5 章 20 130 18030 30180301309300 301808030200180200240505070 930050704230 261231240400 40027 330400 730 N 次の1 3までのすべての要件に該当する者は その者が相続開始のあったことを知った日の翌日から10か月以内に申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません ( この申告書を 期限内申告書 といいます) 1. 相続または遺贈によって財産を取得した者であること 2. その被相続人から相続または遺贈により財産を取得した者全員の課税価格の合計額が 遺産に係る基礎控除額を超えていること 3. 各自の課税価格に応ずる税額から配偶者に対する相続税額の軽減以外の諸控除をした後においても納付すべき相続税額があること 相続人が2 人以上であっても 通常は連名で1 通の申告書を提出することになります 期限内申告書を提出した者は その申告書に記載した相続税額に相当する相続税をその申告書の提出期限までに納付しなければなりません 相続税の申告書は 被相続人の死亡の時における住所地を所轄する税務署に提出します なお 47

第 5 章 N 相続税は他の税金と同じように金銭で一時に納 付することを原則としていますが 財産課税であることを考慮して 一定の要件のもとに延納および物納の制度があります 次の要件を満たしている場合には 原則 5 年以内の延納が認められます 1 申告による納付税額または更正 決定による追徴税額が10 万円を超えること 2 納期限までにまたは納付すべき日に金銭で納付することが困難であること 3 担保を提供すること ( 延納税額が50 万円未満 ( 注 ) で延納期間 3 年以内のものは除きます ) 4 年賦延納をしようとする相続税の納期限または納付すべき日までに 延納申請書 に担保の提供に関する書類を添えて提出すること ( 注 ) 平成 27 年 4 月 1 日以降に提出する延納申請書により延納の許可を受ける場合は 100 万円以下 となります 延納のできる期間と延納税額に係る利子税の割合については その人の相続税額の計算の基礎となった財産の価額の合計額のうちに占める不動産等の価額の割合によって おおむね次ページの表のようになります ( 注なお 各年の延納特例基準割合 ) が7.3% に満たない場合の利子税の割合は 次の算式により計算される割合 ( 特例割合 ) が適用されます ( 算式 ) ( 注 利子税 ( 年割合 ) 延納特例基準割合 ) 7.3% *0.1% 未満の端数は切り捨て ( 注 ) 延納特例基準割合 各分納期間の開始の日の属する年の前々年の10 月から前年の9 月までの各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として各年の前年の12 月 15 日までに財務大臣が告示する割合に 年 1% の割合を加算した割合 延納が認められた場合には利子税を納めることになりますが 具体的な延納期間や利子税の税率は 相続財産の構成により異なりますので 次ページの表をご参照ください なお この表の 不動産等 には 不動産のほか借地権等の不動産の上に存する権利 立木 事業用減価償却資産 特定の同族会社の株式または出資が含まれます 納付すべき相続税額のうち金銭で納付することを困難とする事由があるときは その困難とする金額を限度として物納を申請することができます 物納にあてることができる財産は次のものになります 48

66 16第 5 章 18 75 5075 50 30 20 36 08 10 54 13 15 36 08 10 54 14 48 11 60 14 70304525 1010 101515 152020 26011000501 0251200507510 49