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要約 書籍 最強の調達戦略 ( 東洋経済新報社 ) のエッセンスを紹介する 企業の総コストの 6~7 割程度は外部からの調達でありながら 調達活動の重要性は見落とされてきた しかし A.T. カーニーのグローバル調達ベストプラクティス調査 (AEP) によれば グローバル先進企業は既にその重要性に気がつき 調達組織に戦略的な責任と権限を与えつつある 一方 平均的な日本企業には グローバル先進企業との間にギャップが存在する 関与する領域が限定的で 大きな経営インパクトを生み出せずにいるのである この状況を打開するためにはグローバル調達の高度化や間接材への取組みを通して経営貢献を高めることが必要となるが そのための有効なツールとして 調達戦略のチェスボード を紹介し 調達改革の大工程を示す 今 調達戦略 が求められる理由 一般に調達コストは企業の総コストの内の6~7 割を占める 調達活動が与える影響範囲の大きさが分かるだろう しかしながら 企業活動のバリューチェーンにおける位置づけは 研究開発 設計 マーケティング 営業 生産などが上流に位置するのに対して 調達業務は物流業務と同様 下流に位置付けられている 経営や事業の戦略を考える上で 調達活動が焦点となることは稀である 例えば IR 資料において 調達に関する説明は営業に関するものの10 分の1 程度ではないだろうか しかし 企業に対する利益貢献として考えると 調達は営業と同等かそれ以上のインパクトを創出しえる 例えば 営業活動により売上を5% 増やせたとしても 利益貢献は売上の増分 5% の何分の一となってしまう 一方 調達活動により調達コストを 5% 減らすことができたとすると 調達コストの減少分 5% が利益貢献そのものとなる 特に 成熟市場にあっては 営業活動による売り上げ拡大の難易度は高いと考えられるので 調達活動の重要性が高まることになる 従って 調達活動に着目する意義は大きい しかし 実際に変革に取り組もうとすると様々な課題に直面する 調達活動がバリューチェーンの下流に位置していることから 調達活動が満たすべき要件が 調達部門の管理の及ばない他の部門で決定してしまうことが多い このため 調達部門にて調達活動が開始される時点では 調達部門に多くの裁量が残されていないのである これを乗り越えて 全社最適な調達を実現するためには 上流工程を担う他部門の協力が欠かせない また グローバル化する企業活動も調達にとっての課題となる 生産活動がグローバル化するにつれ 世界の様々な地域で調達活動が行われている 調達機能の中でも地域間の連携は欠かすことができない このように 調達活動を最適化しようとすると 部門間や地域間の連携が必須となり 調達の位置づけが変わる必要がある 経営戦略の柱として調達戦略を据えるのならば 調達の位置づけの変革のための戦略も策定する必要がある グローバル調達ベンチマーク調査を通して 日本企業にとっての調達戦略とその実現ための調達変革の戦略への示唆を考えることにする 調達リーダー企業の趨勢と日本企業への示唆 A.T. カーニーは 1992 年より グローバルスケールで企業における調達のベストプラクティス調査 (Assessment of excellence in procurement, AEP) を数年おきに実施してきた 毎回数百社の企業に参加いただいており 調達リーダー企業を選定し リーダー企業の趨勢と これらリーダー企業がその他のフォロワー企業とどのように違うのかなどの分析を行っている 現在実施中の AEP2014は8 回目の調査となる 今 なぜ 調達戦略 が必要なのか 2

AEP では調達の枠組み (House of purchasing and supply, 調達の家 )( 図 1 ) を用いる 調達の家は 8 つの部屋から構成されるが 大きく分けると上層階の戦略や組織 中層階の価値を生み出す調達のプロセス 下 層階のインフラの 3 つの視点がある 前回の調査である AEP2011 からは以下のような傾向が分かっている 図 1, 調達の家 戦略的な方向性 調達戦略 調達組織と他部門との連携 付加価値創造プロセス カテゴリー戦略と戦略的ソーシング サプライヤー管理 (SRM) 業務プロセス管理 業績管理 ナレッジ / 情報管理 調達を支えるインフラ 人材管理 出所 :A.T. カーニー分析 戦略と組織 調達の戦略的な位置づけは過去最高値となり 相応の責任と権限が付与されている 例えば リーダー 企業では調達部門が関与する調達コストが 9 割を超えている 一方 フォロワー企業も年々 関与する調達 コストのカバー率を上げてきているものの 7 割程度であり フォロワー企業との一定のギャップが存在する また 組織形態については 調達部門にすべての調達活動が集約される集中型 事業部門にて調達活動が行われつつも 調達部門が最終的な承認権限を有する半集中型が8 割以上を占めている この傾向はリーダー企業 フォロワー企業ともに共通であり 調達品目の特徴により集中型と半集中型を組み合わせて活用している 更には 調達部門が連携をする社内の他部門の数や関係性について傾向を見てみると 年々多様化するとともに深化している 特に リーダー企業ほどバリューチェーンの上流工程に位置する部門との連携を密接にしている 価値を生み出す調達のプロセス調達業務の中でも最も戦略的な要素が高いものが 調達カテゴリー戦略である 調達品目の特徴を踏まえて 調達カテゴリー戦略を練り上げる必要があり 傾向としては より多面的な視点での戦略策定が行われつつある 例えば これまでの既存サプライヤーとの単なる価格改定交渉だけでなく 新たなサプライヤーを開拓したり 自社の複雑化する仕様を見直したり 戦略的に重要なサプライヤーには経営レベルでの提案を持ちかけるなどである このように多面的な視点で策定されるカテゴリー戦略であるが リーダー企業ほど策定に際して活用している検討視点が多様であり また 標準化されている また サプライヤーとの関係性管理 (Supplier Relationship Management, SRM) も戦略的に重要なプロセスであるが その重要度は高まり 目的も変化しつつある かつてのSRMの目的は サプライヤーに 今 なぜ 調達戦略 が必要なのか 3

対してコスト削減に関する提案を募ることであったが 現在では 自社の商品力の向上につながる提案をサプライヤーと協働策定することにシフトしつつある 調達部門がオープンイノベーションの窓口になりつつあるようにも見える インフラ幾つかの要素があるが 多くの企業で調達部門の業績を可視化するための取り組みが行われている 業績指標として 結果に関わる指標だけでなく 活動プロセスに関わる指標も含めて多様な指標が把握されている また これら業績指標を共有する対象が調達部門だけでなく 社内他部門へと広がりを見せている これは 調達部門と他部門との連携を促進するため 調達部門が自身の活動を可視化し 他部門の調達部門の活動への理解度の向上に努めているためである 中でも 調達部門の業績に対して最大の関心を持つのは CFO であろう CFOが調達の経営貢献を理解するための指標として A.T. カーニーはROSMA(Return on Supply Management Asset, 調達の費用対効果指標 )( 図 2) を提唱し デファクトスタンダードとなりつつある リーダー企業の ROSMAの平均は7.3であり フォロワー企業のROSMAの平均 4.6を大きく上回る 図 2 ROSMA による調達活動の費用対効果評価 調達活動によってもたらされた財務的なインパクト サプライマネジメント資産への投下費用 支出カバー率 調達見直し調達活動による ルールの遵守率 追加的効果期間費用活動のスピード成果 構造変革のための投資 外部支出額の総額 調達部門が関与し 調達部門が関与し 新たに獲得され 削減成果以外の成 調達部門の人件費 調達機能の基盤整 に対して調達部門が関与している外部支出の比率 ている外部支出に対する調達見直し活動の頻度 ている外部支出に対して調達見直し活動を行った結果として得られた削減果として得られた削減成果 た調達条件への遵守率 果 ( ライフタイムコストの低減 売上拡大への貢献 ) や外部委託費用などの期間費用 備や能力向上のための投資 調達部門の活動により生み出された効果と調達部門の運営に関わる費用や投資を比較し 費用対効果の観点から効率性を評価する 出所 :A.T. カーニー分析 人材管理についても特徴的な傾向がある 調達要員に対するスキル要件が多様化している これまでは 調達に関する技術的なスキル ( 分析手法や交渉手法 ) が中心であったが 最近ではリーダーシップスキルが特に強く求められる傾向にある これはリーダー企業において特に顕著であり リーダー企業にて調達要員向けに実施している研修にはリーダーシップ関連の科目が多く含まれている 日本企業への示唆 AEPから見えてきた日本企業の課題はグローバル調達と間接材への取り組みの二つである グローバル調達を推進していくためには 多数の部門や地域との協働が必要であるが 日本企業の多くはカテゴリー戦略を個々のバイヤーが属人的に策定しており グローバル連携の障害となっている また 日本企業の調達部門の調達コストのカバー率は6~7 割程度となっており リーダー企業の 9 割に水準に遠く及ばない この差分は主に間接材コストと想定される 日本企業の調達部門は伝統的に直接材への取り組みを中心に据えており その他の間接材コストは自らの対象領域と考えていないようである 今 なぜ 調達戦略 が必要なのか 4

プライヤー交渉出所 :A.T. カーニー分析サ次項では 調達のグローバル連携を進める上で 調達カテゴリー戦略の策定のための共通プラットフォームとして活用できる 調達戦略のチェスボード と 間接材コストへの取り組みについて紹介する 調達戦略のチェスボード 調達戦略のチェスボードは調達カテゴリー戦略を 売り手と買い手の力関係に基づき 体系的に組み立てるための A.T. カーニーが提唱する枠組みである 多くの日本企業において 調達カテゴリー戦略はバイヤー毎に属人的な手法で策定されてきたが このような体系的な手法を持ち込むことで 視点の多様化と組織連携の容易化が可能になる 図 3に 調達戦略のチェスボード を示す 横軸が買い手側の交渉力 縦軸が売り手側の交渉力で それぞれ 8つに刻んであり 合計で 8 8=64 通りの調達戦略のアプローチがある 図 3 調達戦略のチェスボード 高 8 Invention 代替技術 on の活用 開発 demand Leverage オープン innovation イノベーション network Functionality 製品機能の assessment 見直し Specification 特殊仕様の assessment 見直し バリューチェーン Valuechain Revenue reconfiguration 再構築 Profit レベニューシェアプロフィットシェア ( 戦略的内外製 sharing sharing 見直 ) Strategic 戦略的提携 alliance 7 コアコスト分析 Core ( ゼロベース製品 cost Analyslis 仕様見直し ) Design 開発購買 for sourcing ( 調達 ) Product 製品分解 teardown 調査 サプライヤー Supplier 階層別管理 tiering Design for 開発購買 manufacture ( 製造効率化 ) Sustainability サスティナビリティ マネジメント Project プロジェクト based partnership ベース提携 付加価値に Value based 基づくサプライヤー sourcing 選定 6 Vertical integration 垂直統合 Intelligent 契約条件 deal ( 取引条件 ) structure 最適化 ( サプライヤー間 Composite ) 複合コスト分析 benchmark 製造プロセス Process benchmark ベンチマーク ( 原価推計 ) Collaborative キャパシティ capacity 共同管理 Virtual 共同在庫管理 inventory ( 統合 SCM) Total life ライフサイクル cycle concept 協業 Collabrative 共同コスト削減 cost reduction 取組み 5 Bottleneck ボトルネック 管理 Product 他社製品 benchmark ベンチマーク Vendor ベンダー managed Inventory 在庫管理 Visible proces Complexity 複雑性の低減 organization プロセス ( 標準化 共通化 reduction ) 可視化型組織 Supplier 新規サプライヤー development 開拓 Supplier 主要サプライヤー fitness 改善取組み program Political 規 framework 制 監督官庁 対応 調達 Total Leverage Sourcing 共同調達コンソーシアム Buying Cost data Standardization process 整備 bidding (VA 活用 ) 活用 RFI/RFP Expressive 4 コストデータ市場不均衡の力仕様の標準化見積プロセス条件提案型入札 TCO costof 最適化 market community コミュニティ ( consortia プロジェクト mining 分析 ownership imbalances ベース ) 統合 Mega アカウント Master Spend Supplier Procurement 調達 Price data market Reverse Unbundled 3 supplier 取引マスターデータ支出のサプライヤーリバース価格アンバンドリングアウトソーシング transparency outsourcing ( benchmark intelligence auctions prices strategy 品目横断の管理見える化調査オークションベンチマーキング ( 価格分解 ) ボリューム統合 ) Compliance spend consolida- 将来にわたる across Closed loop Supplier Bundling ベスト Cost 調達ルール包括的サプライヤー Best Factor cost Make 2 ショアリングコスト内外製見直し regression 物価水準分析 shoring analysis 整備 徹底支出管理集約 tion generations 調達集約 or buy ( オフショア 回帰分析 analysis ニアショア ) Bundling Cost Contract Bundling Linear Demand 取引条件の across Global based 1 化 共通化集約調達 Low Cost 製品横断の拠点横断の LCC 調達 across グローバル performance reduction 需要抑制 product Sourcing ( sourcing price 線形価格分析可視原価積算集約調達 sites 調達 pricing lines Country) modeling 低 A B C D E F G H 低調達側交渉力高 Demand power 今 なぜ 調達戦略 が必要なのか 5

プライヤー交渉出所 :A.T. カーニー分析サ詳細は拙著をご参照頂くとして 大きく 4つの領域における方向性を解説する 右下が買い手側の交渉力が強い領域で 競争環境を中心に活用するもの 左上が売り手側の交渉力が強い領域で 売り手側の交渉力を回避するために買い手側が仕様改善やサプライヤー開拓などを行うもの 右上が買い手と売り手双方の交渉力が拮抗する領域で 経営レベルの提携などにより両社 win-winの関係を目指すもの 左下は買い手も売り手も交渉力がない領域であり 主として予算枠管理などで対応されるものである これらの4つの領域にはより具体的な打ち手レベルで 16のアプローチがある 調達戦略のチェスボードの意味合いとして 多面的なアプローチを検討する共通プラットフォームとして活用できることは前述の通りだが 調達部門が調達カテゴリー戦略においてこれまで取り組んできた領域と 今後 取り組んでいくべき方向性も明らかになる 図 4に調達戦略のチェスボードにおけるこ 図 4 調達戦略のチェスボードによる調達活動領域の拡張 高 8 7 6 5 力4 3 2 1 低 A B C D E F G H 低調達側交渉力高 Demand power 今 なぜ 調達戦略 が必要なのか 6

れまでの取り組み領域と今後の方向性を示す 多くの企業にて調達部門は64あるアプローチの中の一部である右下の領域を中心に取り組んできたと言える これからは右上や左上 左下などへ活動領域を拡大していくことが望まれる また 買い手の交渉力を更に徹底的に活用する右下への方向性があることにも留意すべきである このように調達戦略のチェスボードは調達戦略を策定する上で必要となる地域間や部門間の連携を支える共通プラットフォームとして活用可能であり また 調達部門の付加価値創造の領域を拡張するための世界地図としても利用できる 間接材への取り組み AEPの調査結果から見えてきた日本企業への二つ目の示唆は間接材コストへの取り組みである 多くの日本企業において調達部門は間接材コストを自らの管理対象と見なしていない その結果 間接材コストには大きな改善余地が潜むことになる では 間接材コストとは具体的にはどのようなものであるのだろうか まずは 財務諸表のPLにおける販管費のうちの人件費以外のコストが相当する 事務系の消耗品 通信費 旅費 販促関連費 研究開発経費 IT 費用 各種業務委託など多様である 多様であるが故 ユーザーとなる各部門で処理され 厳格な調達管理が行われにくい また 販管費以外にも売上原価の中にも間接材コストが含まれている 製造系の消耗品 各種設備 施設の保守費 物流関連費用 各種業務委託 製造所内常駐委託先などである これらの間接材コストをまとめると 一般に総コストの 2 割程度になる 間接材への取り組みは 成果までのスピードという点でも注目すべきである 多様な費用が多様な部門に分散して発生しているという点で可視化するのにはパワーを要するが 一度 可視化されてしまえば 短期間でコスト削減の実現が見込めるものが多い 直接材では品質への要求水準が高く サプライヤーの切り替えなどにも時間を要するが 間接材では汎用的なものを調達している場合が多く 競争環境を醸成しやすいためである 既成概念の中で調達部門の管理対象を捉えていると大きな可能性を見逃してしまう 調達部門の関与の可能性を全ての調達コストにまで広げて考えてみるべきである 調達の変革へ向けて 大いなる潜在力を秘めた調達であるが その潜在力を活用するためには 調達部門のみの努力だけでは不十分である 冒頭で述べたとおり バリューチェーンの下流に位置している調達部門が上流に位置する社内の他部門と連携し 時には牽制を行える環境を整えることが必要である このためには 経営陣や経営企画部門のトップダウンでのリーダーシップが必要になる 但し トップダウンだけでは企業は変革されない ボトムアップでの成果の積み上げも必要である 調達部門の活動や成果の可視化 社内他部門との共有があって 初めて他部門の共感が得られるのである このような調達の潜在力に着目した先見的なトップダウンでのリーダーシップと 成果の具体化に徹底的に拘るボトムアップでの活動の推進が両輪となって調達改革が実現することになる グローバル調達と間接材への取り組みの二つが日本企業への示唆であると申し上げたが これらの実現のためには経営における調達部門の地位向上が前提となる これらを踏まえ 調達部門の変革の大工程の一例を描くとすると 以下のようになる 1まずは 間接材への関与を徐々に広げながら 短期的な成果を実現 2 次に 間接材への関与を更に拡大するとともに 調達部門による経営貢献に対する社内認知を向上 3そして 調達部門の活動領域拡大に対して経営トップからのサポートや他 今 なぜ 調達戦略 が必要なのか 7

部門の理解を獲得 4グローバル調達や調達品目の仕様面に対する関与など更なる高度な取り組みへ着手する 徐々に成功事例を作りながら 大きな変革を目指すものである Author Profile Takeshi Noda 野田武 (A.T. カーニーパートナー ) Takeshi.Noda@atkearney.com 戦略オペレーションプラクティスで企業変革に取り組む 中長期戦略 組織変革 事業戦略 マーケティング 営業戦略 サプライチェーン改革 調達改革 業務改革 グループ経営改革などを支援する 今 なぜ 調達戦略 が必要なのか 8

別添 : 関連書籍のご案内 最強の調達戦略 ~ 成熟市場の企業収益力を向上させる経営手法 ~ 野田武編著 / 東洋経済新報社刊 ( 定価 :2,400 円 + 税 )/2014 年 2 月 14 日発行 本書は 企業活動における調達の重要性を日本企業のグローバル化の視点を交えて考察した上で 調達戦略の考え方 アプローチを説明した実践書です 企業の調達部門の方々にとどまらず サプライチェーン全体に関わる方 経営企画部門 経営幹部の方までを対象としています 企業は総コストの内 6 7 割程度を外部から調達しており 調達活動は企業のコスト競争力 収益創出力を考える上で 極めて重要な意味を持ちます 特に日本においては 少子高齢化に伴い市場が縮小していく中 従来のように売上成長に重きを置いた戦略ではなく コスト側をコントロールすることがますます重要になっています にもかかわらず 売上確保のための営業活動と比べ 調達活動を戦略的に位置づけている企業はまだ少ないのが実情です 本書では 調達業務に関わる費用対効果を評価する指標 ROSMA(Return on Supply Management Asset) や 調達戦略を策定するための支援ツール 調達戦略のチェスボード など 企業の調達活動を高度化させるための枠組みを紹介するとともに 具体的な活用方法を説明しています また 特に日本企業が取り組むべき課題であるグローバル調達 間接材コストへの取り組みについても 事例を交えながら 効果的なアプローチを紹介しています 別添 : グローバル調達ベンチマーク調査 AEP2014 への参加のご案内 本調査 Assessment of Excellence in Procurement:AEP は A.T. カーニーが 20 年以上にわたり グローバルで実施している調達ベンチマーク調査です 企業の調達活動を2つの枠組みで分析評価し 先進企業の動向とともに 更なる変革に向けた各社の方向性を提示するもので 今回が 8 回目です 前回は全世界で700 社以上にご参加頂きました AEP2014 ご参加のメリット カスタマイズされたベンチマーク調査結果業界内 地域内 企業規模 そしてグローバル全体などの様々な視点で御社の調達部門がどのような位置づけにあるのか 一貫した客観的なベンチマークとともに 調達のエクセレンスを高めるための取り組みへの示唆を提供いたします CFOのための調達の価値を理解する革新的なツール調達の費用対効果を把握する指標 ROSMA ( Return on Supply Management Assets ) は CFOやその他の経営陣に対して調達部門がもたらす経済的な貢献を可視化するものです 今 なぜ 調達戦略 が必要なのか 9

競争力の更なる強化 AEP2014 の調査結果により 人材や業績管理 先進的な分析手法 リスク回 避 サプライヤーを巻き込んだイノベーションなど調達における新たな潮流を捉えることができます ネットワークや情報交換の機会提供世界各地で開催予定のAEPラウンドテーブルにご出席頂ければ AEP2014の結果を踏まえた調達部門の高度化への取り組みについて議論を深めることができます ( 日本ではラウンドテーブルではなく 参加企業様への個別フィードバックとさせて頂く予定です ) ご参加方法 JP.Inquiry@atkearney.comまでご連絡頂けましたら 日本語版の調査票をPDFファイルで送付致します ご回答をご記入の上 弊社までご返送ください なお ご参加企業に関する情報は機密情報として厳重に扱われます 一般に公開される調査結果は匿名化の上 統計処理を行うため 参加企業の固有名称が特定されるような記述はございません 今 なぜ 調達戦略 が必要なのか 10

A.T. Kearney is a global team of forward-thinking partners that delivers immediate impact and growing advantage for its clients. We are passionate problem solvers who excel in collaborating across borders to co-create and realize elegantly simple, practical, and sustainable results. Since 1926, we have been trusted advisors on the most mission-critical issues to the world s leading organizations across all major industries and service sectors. A.T. Kearney has 59 offices located in major business centers across 40 countries. Americas Atlanta Bogotá Calgary Chicago Dallas Detroit Houston Mexico City New York Palo Alto San Francisco São Paulo Toronto Washington, D.C. Asia Pacific Bangkok Beijing Hong Kong Jakarta Kuala Lumpur Melbourne Mumbai New Delhi Seoul Shanghai Singapore Sydney Tokyo Europe Amsterdam Berlin Brussels Bucharest Budapest Copenhagen Düsseldorf Frankfurt Helsinki Istanbul Kiev Lisbon Ljubljana London Madrid Milan Moscow Munich Oslo Paris Prague Rome Stockholm Stuttgart Vienna Warsaw Zurich Middle East and Africa Abu Dhabi Dubai Johannesburg Manama Riyadh For more information, permission to reprint or translate this work, and all other correspondence, please email: insight@atkearney.com. A.T. Kearney Korea LLC is a separate and independent legal entity operating under the A.T. Kearney name in Korea. 2014, A.T. Kearney, Inc. All rights reserved. The signature of our namesake and founder, Andrew Thomas Kearney, on the cover of this document represents our pledge to live the values he instilled in our firm and uphold his commitment to ensuring essential rightness in all that we do.