HP Integrity サーバ + HP-UX 11i v3 (11.31) HP-UX 構築手順 1. コンソールの接続 初版 2009/07 目次 1. コンソールの接続... 2 1.1 管理プロセッサー (MP)... 2 1.2 コンソールの準備... 3 1.3 MP LAN の設定... 5 1.4 電源投入... 10 HP-UX 11i Knowledge-on-Demand... 13
1. コンソールの接続 コンソールの接続方法は各サーバーにより異なるため お使いのサーバーに添付されたマニュアルを参照してください ここでは HP Integrity サーバー rx2660 を例に説明します 1.1 管理プロセッサー (MP) MP (Management Processor: 管理プロセッサー ) は HP Integrity サーバーに標準で組み込まれたシステムリソース管理専用のモジュールです RS-232 シリアルポートまたは 10/100Base-T の管理 LAN からアクセス可能で メインシステムデータパスから独立した管理プロセッサーと対話型で操作します 特に LAN 径由で MP にアクセスすることにより システム管理者は 診断やシステム管理あるいはハードリセットなどの作業をリモートから行うことが可能となり システムの前にいる必要がなくなります また MP は 独自のバッテリバックアップを備えているため システムの主電源が落ちた場合や OS の機能が停止した場合でもアクセス可能です 以下 MP が有効にする機能の一部を示します インターネットまたはイントラネット (Web コンソール ) 経由のシステム管理 システムコンソールのリダイレクション コンソールのミラーリング 自動再起動のためのシステム構成 システムイベントの履歴ログの表示 コンソール操作の履歴ログの表示 MP 無活動タイムアウトしきい値の設定 リモートシステム制御 リモート電源切断と投入の反復 (MP ハウスキーピング電源を除く ) システムステータスの表示 システムコンソール 電子メール 携帯電話 / ポケットベル または HP レスポンスセンタへのイベント通知 電子メールと携帯電話 / ポケットベルへの通知は HP EMS (Event Monitoring System) と連動 重大な環境問題からのハードウェア自動保護 WAN 障害時の管理インタフェースとコンソールへのアクセス ( 要モデム ) システム自動再起動 フォワードプログレスインジケータ ( 仮想前面パネル経由 ) 帯域外の管理容易性とシステムファームウェア更新 管理容易性とコンソールセキュリティの構成 Web コンソールアクセス時の SSL (Secure Sockets Layer) 暗号化 2
1.2 コンソールの準備 HP Integrity サーバーへ HP-UX のインストールと Oracle をインストールするための機材構成を準備する必要があります これは セットアップシーンにより利用可能なコンソールが異なります 図 1-1 利用可能なコンソール 下表は 各セットアップシーンに利用可能なコンソールの組み合わせを示しています セットアップシーン MP Serial MP LAN Telnet/SSH ローカル X 端末 MP のネットワーク設定 ハードウェア設定 HP-UX のインストール Oracle のインストール は 何れかで作業が可能 ( や がある場合は か との組み合わせが必須 ) は のみで全て可能 と組み合わせて使用することも可能 は と組み合わせて使用する必要あり 表中 それぞれのコンソールの構成や注意事項は 以下の通りです MP Serial MP LAN Telnet/SSH ローカル X 端末 シリアルケーブル経由で MP( 管理プロセッサ ) と接続し MP のコンソールからシステムコンソールにアクセスする方法 MP のネットワーク設定時やネットワーク設定前でも利用可能 MP( 管理プロセッサ ) に Telnet あるいは SSH で接続し MP のコンソールからシステムコンソールにアクセスする方法 Telnet あるいは SSH 経由で OS(HP-UX) にログインして操作する方法 OS のインストールが完了して ネットワークに接続できてから Integrity Server に直接 ( もしくは KVM スイッチ経由 ) で接続されたモニタ (VGA)/ キーボード / マウス Integrity Server のキーボードおよびマウスは USB 接続となるのでコネクタに注意 X-Server がインストールされ リモートで X-Window を利用可能な端末 ターミナル用 PC にインストールされているもしくは X-Widow が稼動している HP-UX や Linux のマシンで代用することも可能 3
HP-UX と Oracle Database をインストールするには複数のコンソールを組み合わせます 各コンソールの操作性と利用シーンを考慮しながら必要な機材を用意します また OS の環境設定やデータベースの作成において Web ベースのツールを利用するためにブラウザが必要となります インストール全体で利用可能な 以下のブラウザ環境を準備します Mozilla 1.7 Firefox 1.5, 2.0 Internet Explorer 6.0, 7.0 なお HP-UX 11iV3 では Mozilla 及び FireFox が標準でインストールされますので X-Server 経由でこれらブラウザを利用することも可能です 本章では ( 図 1-2) のような機材を準備した作業例を示します ターミナル用 PC は OS として Windows XP がインストールされ ターミナルソフトウェア及びブラウザは Windows XP に添付されている ハイパーターミナル及び Internet Explorer を使用し X-Server ソフトウェアのみ別途インストールした構成となります X-Server ソフトウェアが用意できない場合は Integrity rx2660 に直接接続したローカルコンソールや その他 X-Server ソフトウェアが利用可能な UNIX マシンあるいは Linux マシンを利用することも可能です 図 1-2 本章での構成例 4
1.3 MP LAN の設定 最初に MP( マネージメントプロセッサ ) の LAN 設定を行います MP の工場出荷時設定では DHCP でアドレス情報を自動取得する設定となっていますが ネットワーク上に DHCP サーバーがないものとして IP Address の設定を行う手順を紹介します ネットワーク上に DHCP サーバーがあり 利用可能な場合は この手順は不要です DHCP サーバーが存在する場合は 割振られた IP Address を確認して ターミナルソフトウェアから Telnet あるいは SSH 接続してください ARP コマンドを使用して 仮 IP Address を設定します Windows の場合は コマンドプロンプトを開いて 以下のようにコマンドを実行します arp s <Temp IP Address> <ilo MAC address> MP LAN の MAC Address は 本体背面 (rx2660 の場合は PCI-X スロットと NIC の間 ) のシールに記載されています 図 1-3 MP MAC Address が記載されたシールの位置 (rx2660) ワンポイント アドバイス シリアルケーブルで Integrity Server と接続する場合は 本体背面の Console と記載された COM ポートと接続 ターミナルソフトウェアを使って MP に接続します 9600bps/8bit/non Parity/Stop bit 1/hardware flow control 5
実行例 ここでは MP の IP Address として 192.168.100.20 を設定しています 設定が正しく行えたか確認する為に 設定した IP Address に対して PING 応答を確認します PING の応答が正しく戻ってくれば 仮 IP Address の設定は完了です 応答が無い場合は ARP a を実行して MAC Address の登録に間違えが無いか確認して登録し直します 6
仮 IP Address の設定が終わったら ターミナルソフトウェアを起動して 仮 IP Address を使って MP へアクセスします このガイドでは ターミナル用 PC の Windows XP のアクセサリにあるハイパーターミナルソフトウェアを使用して 説明します MP に接続すると ログイン画面が表示されます 工場出荷時設定では ユーザ名とパスワード共に Admin に設定されています MP にログインすると MP MAIN MENU が表示されます 7
CM と入力してコマンドモードへ移って IP アドレスの設定を行います ここでは 以下のように設定します 項目値備考 IP Address 192.168.100.20 Subnet Mask 255.255.255.0 Default Gatway 192.168.100.1 DHCP disable この IP Address の設定は MP( 管理ネットワークポート ) の設定となります MP での IP Address 設定には lc コマンドを使用し 今回の設定では 以下のように実行します lc ip [IP Address] s [Subnet Mask] g [Gateway Address] dhcp d lc コマンドでは パラメータを指定して設定する方法の他に パラメータを省略して メニュー形式で アドレスの設定を行うことも可能です 実際の入力イメージは 以下のようになります パラメータが正しく指定できると 以下のように設定内容が表示されますので 正しいことを確認して y キーを入力して 設定を有効にします 8
最初に仮に設定した IP Address と今回設定した IP Address 情報が異なる場合は ここでネットワークが切断されてしまう為に 応答しなくなります この場合は もう一度ターミナルソフトを起動して 新しく設定した IP Address で接続し直して 以降の作業を行います 変更したネットワーク設定を有効にする為に XD コマンドを使用して MP をリセットします XD -reset と入力して 確認メッセージで y を入力します これで MP のネットワーク設定は完了です MP が再起動される為に ターミナルは切断されます MP の再起動がされるのを待ち 設定した IP Address を使って MP へアクセスし直します なお上記の手順では 必要最低限の設定しか行っていないため 必要に応じて詳細の設定を行ってください MP の設定は ブラウザから MP の IP Address とポートにアクセスすることで GUI により各種設定を行うことも可能です 9
1.4 電源投入 サーバーの電源投入は サーバー本体の電源ボタンを押しますが ここでは MP のコマンドモードから制御する方法を説明します 実行例 MP にアクセスして ログインします MP MAIN MENU が表示されたら CM を入力して コマンドモードに移ります コマンドモードから 電源制御を行う PC コマンドに -on パラメータを指定して実行します 起動確認のメッセージが表示されたら y を入力して実行します Command successful のメッセージが表示され カーソルが表示されたら CTRL キーと B キーを同時に押下して MP MAIN MENU へ戻ります co と入力して コンソールを開きます ワンポイント アドバイス コンソールで CTRL キーと B キーを同時に押すと 常に MP に切り替わります 10
コンソールを開くと サーバーのコンソール画面が表示されます 前の手順で電源投入を行った直後の場合は 起動時の様子が画面に表示されます 以下は その例ですが 表示されるタイミングにより表示されている内容および 画面配色が異なります 全てのシステムチェックが完了すると EFI Boot Manager の Boot Menu が起動します ここでは ローカルコンソールを使用せず MP Serial を使用しているため メニューから Boot Configuration を選択 さらに Console Configuration を選択して Serial Device をプライマリデバイスに設定します Serial Acpi を選択して P を押下したら ESC キーを押下してその後に表示される Save Change NVRAM [Y/N] で Y を押下して 設定を保存します 11
Boot Configuration メニューに戻ったら System Reset を選択して システムを再起動します System Reset は Boot Configuration メニューの下に隠れていますので カーソルを下に移動して 選択します 12
HP-UX 11i Knowledge-on-Demand www.hp.com/jp/kod HP-UX をはじめとした技術情報を Web 経由で提供する情報提供プログラムです 記載されている会社名および商品名は 各社の商標または登録商標です 記載事項は 2009 年 7 月現在のものです 本書に記載された内容は 予告なく変更されることがあります 本書中の技術的あるいは校正上の誤り 省略に対して いかなる責任も負いかねますのでご了承ください Copyright 2009 Hewlett-Packard Development Company, L.P. 日本ヒューレット パッカード株式会社 102-0076 東京都千代田区五番町 7 PDFHS09014-01