具体的な組替調整額の内容は以下のとおりです その他の包括利益その他有価証券評価差額金繰延ヘッジ損益為替換算調整勘定 組替調整額 その他有価証券の売却及び減損に伴って当期に計上された売却損益及び評価損等 当期純利益に含められた金額 ヘッジ対象に係る損益が認識されたこと等に伴って当期純利益に含められた金

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参考 企業会計基準第 25 号 ( 平成 22 年 6 月 ) からの改正点 平成 24 年 6 月 29 日 企業会計基準第 25 号 包括利益の表示に関する会計基準 の設例 企業会計基準第 25 号 包括利益の表示に関する会計基準 ( 平成 22 年 6 月 30 日 ) の設例を次のように改正

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改正法人税法により平成 24 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度については法人税率が 30% から 25.5% に引き下げられ また 復興財源確保法により平成 24 年 4 月 1 日から平成 27 年 3 月 31 日までの間に開始する事業年度については基準法人税額の 10% が復興特別法人

第 298 回企業会計基準委員会 資料番号 日付 審議事項 (2)-4 DT 年 10 月 23 日 プロジェクト 項目 税効果会計 今後の検討の進め方 本資料の目的 1. 本資料は 繰延税金資産の回収可能性に関わるグループ 2 の検討状況を踏まえ 今 後の検討の進め方につ

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085 貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準 新株予約権 少数株主持分を株主資本に計上しない理由重要度 新株予約権を株主資本に計上しない理由 非支配株主持分を株主資本に計上しない理由 Keyword 株主とは異なる新株予約権者 返済義務 新株予約権は 返済義務のある負債ではない したがって

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連結貸借対照表 ( 単位 : 百万円 ) 当連結会計年度 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) 資産の部 流動資産 現金及び預金 7,156 受取手形及び売掛金 11,478 商品及び製品 49,208 仕掛品 590 原材料及び貯蔵品 1,329 繰延税金資産 4,270 その他 8,476

第 21 期貸借対照表 平成 29 年 6 月 15 日 東京都千代田区一番町 29 番地 2 さわかみ投信株式会社 代表取締役社長澤上龍 流動資産 現金及び預金 直販顧客分別金信託 未収委託者報酬 前払費用 繰延税金資産 その他 固定資産 ( 有形固定資産 ) 建物 器具備品 リース資産 ( 無形

2. 基準差調整表 当行は 日本基準に準拠した財務諸表に加えて IFRS 財務諸表を参考情報として開示しております 日本基準と IFRS では重要な会計方針が異なることから 以下のとおり当行の資産 負債及び資本に対する調整表並びに当期利益の調整表を記載しております (1) 資産 負債及び資本に対する

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計 算 書 類

税効果会計.docx


第 3 期決算公告 (2018 年 6 月 29 日開示 ) 東京都江東区木場一丁目 5 番 65 号 りそなアセットマネジメント株式会社 代表取締役西岡明彦 貸借対照表 (2018 年 3 月 31 日現在 ) 科目金額科目金額 ( 単位 : 円 ) 資産の部 流動資産 負債の部 流動負債 預金

新旧対照表(計算書類及び連結計算書類)

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変更の内容 変更の理由 原則的な遡及適用の場合 原則的な遡及適用が実務上不可能な場合 変更の内容 変更の理由 変更による影響額 ( 注 1) 変更による影響額 ( 注 2) 原則的な遡及適用が実務上不可能な理由 会計方針の変更の適用方法 会計方針の変更の適用開始時期 ( 注 1) 原則的な遡及適用に

第28期貸借対照表

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有形固定資産シリーズ(7)_資産除去債務②


(訂正・数値データ修正)「平成29年5月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」の一部訂正について

営業活動によるキャッシュ フロー の区分には 税引前当期純利益 減価償却費などの非資金損益項目 有価証券売却損益などの投資活動や財務活動の区分に含まれる損益項目 営業活動に係る資産 負債の増減 利息および配当金の受取額等が表示されます この中で 小計欄 ( 1) の上と下で性質が異なる取引が表示され

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業結合ステップ2に関連するJICPA実務指針等の改正について⑧・連結税効果実務指針(その3)

表紙 EDINET 提出書類 寺崎電気産業株式会社 (E0176 訂正有価証券報告書 提出書類 根拠条文 提出先 提出日 有価証券報告書の訂正報告書金融商品取引法第 24 条の2 第 1 項近畿財務局長平成 30 年 9 月 21 日 事業年度 第 38 期 ( 自平成 29 年 4 月 1 日至平

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平成 29 年度連結計算書類 計算書類 ( 平成 29 年 4 月 1 日から平成 30 年 3 月 31 日まで ) 連結計算書類 連結財政状態計算書 53 連結損益計算書 54 連結包括利益計算書 ( ご参考 ) 55 連結持分変動計算書 56 計算書類 貸借対照表 57 損益計算書 58 株主

(2) サマリー情報 1 ページ 1. 平成 29 年 3 月期の連結業績 ( 平成 28 年 4 月 1 日 ~ 平成 29 年 3 月 31 日 ) (2) 連結財政状態 訂正前 総資産 純資産 自己資本比率 1 株当たり純資産 百万円 百万円 % 円銭 29 年 3 月期 2,699 1,23

第10期

リコーグループサステナビリティレポート p

Report


スライド 1

連結の補足 連結の 3 年目のタイムテーブル B/S 項目 5つ 68,000 20%=13,600 のれん 8,960 土地 10,000 繰延税金負債( 固定 ) 0 利益剰余金期首残高 1+2, ,120 P/L 項目 3 つ 少数株主損益 4 1,000 のれん償却額 5 1,1

(3) 連結キャッシュ フローの状況 営業活動によるキャッシュ フロー 投資活動によるキャッシュ フロー 財務活動によるキャッシュ フロー 現金及び現金同等物期末残高 百万円 百万円 百万円 百万円 27 年 3 月期 495 2,552 5,252 5, 年 3 月期 2,529 71

Microsoft Word 【公表】HP_T-BS・PL-H30年度

図表 1 将来減算一時差異とは 課税所得の計算上 差異が生じたときに加算され 将来解消するときに減算されるものです 税効果会計の適用において最も取り扱う機会が多いのが将来減算一時差異です 貸倒引当金の損金算入限度超過額 賞与引当金及び退職給付引当金の額 減価償却費の損金算入限度超過額 棚卸資産等に係

営 業 報 告 書

2019 年 3 月期 第 2 四半期決算短信 日本基準 ( 連結 ) 2018 年 10 月 30 日 上場会社名 日本冶金工業株式会社 上場取引所 東 コード番号 5480 URL 代 表 者 ( 役職名 ) 代表取締役社長 ( 氏名 ) 木村 始 問合

スライド 1

設例 [ 設例 1] 法定実効税率の算定方法 [ 設例 2] 改正地方税法等が決算日以前に成立し 当該改正地方税法等を受けた改正条例が当該決算日に成立していない場合の法定実効税率の算定 本適用指針の公表による他の会計基準等についての修正 -2-

2019年年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)

2018 年 8 月 10 日 各 位 上場会社名 エムスリー株式会社 ( コード番号 :2413 東証第一部 ) ( ) 本社所在地 東京都港区赤坂一丁目 11 番 44 号 赤坂インターシティ 代表者 代表取締役 谷村格 問合せ先 取締役 辻高宏

日本基準基礎講座 有形固定資産

平成 31 年 3 月期第 3 四半期決算短信 日本基準 ( 連結 ) 平成 31 年 2 月 4 日 上場会社名 大木ヘルスケアホールディングス株式会社 上場取引所 東 コード番号 3417 URLhttp:// 代表者 ( 役職名 ) 代表取締役社長 ( 氏

3. その他 (1) 期中における重要な子会社の異動 ( 連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動 ) 無 (2) 会計方針の変更 会計上の見積りの変更 修正再表示 1 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更 無 2 1 以外の会計方針の変更 無 3 会計上の見積りの変更 無 4 修正再表示 無 (3)

税されるときは 給与等課税事由が生じた日 ( 権利行使日 ) に 法人において 当該役務提供に係る費用の額が損金に算入されますので ( 法人税法第 54 条第 1 項 ) ストック オプションの付与時において将来減算一時差異に該当し 税効果会計の対象となります Q3: 削除 Ⅱ 中間財務諸表等におけ

公開草案 (2) その他利益剰余金 積立金繰越利益剰余金利益剰余金合計 5 自己株式 5 自己株式 6 自己株式申込証拠金 6 自己株式申込証拠金株主資本合計株主資本合計 Ⅱ 評価 換算差額等 Ⅱその他の包括利益累計額 1 その他有価証券評価差額金 1 その他有価証券評価差額金 2 繰延ヘッジ損益

税効果会計シリーズ(7)_「個別財務諸表における繰延税金資産及び繰延税金負債の計上」

貸借対照表 平成 28 年 3 月 31 日現在 ( 単位 : 千円 ) 科 目 金 額 科 目 金 額 資産の部 負債の部 流動資産 (63,628,517) 流動負債 (72,772,267) 現金及び預金 33,016,731 買掛金 379,893 売掛金 426,495 未払金 38,59

Microsoft Word - 決箊喬å‚−表紎_18年度(第26æœ�ï¼›

第4期電子公告(東京)

株式会社 新潟国際貿易ターミナル 貸借対照表 資産の部負債の部 平成 30 年 3 月 31 日現在 ( 単位 : 千円 ) 科目金額科目金額 流動資産 596,379 流動負債 109,826 現金及び預金 511,403 未払金 89,379 売掛金 64,884 未払法人税等 6,068 貯蔵

添付資料の目次 1. 連結財務諸表 2 (1) 連結貸借対照表 2 (2) 連結損益計算書及び連結包括利益計算書 4 (3) 連結財務諸表に関する注記事項 6 ( セグメント情報等 ) 6 2. 個別財務諸表 7 (1) 個別貸借対照表 7 (2) 個別損益計算書

(訂正・数値データ訂正)「平成30年4月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」の一部訂正について

科目 期別 損益計算書 平成 29 年 3 月期自平成 28 年 4 月 1 日至平成 29 年 3 月 31 日 平成 30 年 3 月期自平成 29 年 4 月 1 日至平成 30 年 3 月 31 日 ( 単位 : 百万円 ) 営業収益 35,918 39,599 収入保証料 35,765 3

添付資料の目次 1. 連結財務諸表 2 (1) 連結貸借対照表 2 (2) 連結損益計算書及び連結包括利益計算書 4 (3) 連結財務諸表に関する注記事項 6 ( セグメント情報等 ) 6 2. 個別財務諸表 7 (1) 個別貸借対照表 7 (2) 個別損益計算書

2019年3月期 中間期決算短信〔日本基準〕(連結):東京スター銀行

1FG短信表紙.XLS

3. 基本財産及び特定資産の財源等の内訳 基本財産及び特定資産の財源等の内訳は 次のとおりです 科目当期末残高 ( うち指定正味財産からの充当額 ) ( うち一般正味財産からの充当額 ) ( うち負債に対応する額 ) 基本財産投資有価証券 800,000,000 (662,334,000) (137

旭情報サービス (9799) 平成 29 年 3 月期第 3 四半期決算短信 ( 非連結 ) 添付資料の目次 1. 当四半期決算に関する定性的情報 2 (1) 経営成績に関する説明 2 (2) 財政状態に関する説明 2 (3) 業績予想などの将来予測情報に関する説明 2 2. サマリー情報 ( 注記

企業会計基準第 25 号包括利益の表示に関する会計基準 平成 22 年 6 月 30 日改正平成 24 年 6 月 29 日最終改正平成 25 年 9 月 13 日企業会計基準委員会 目次 項 目的 1 会計基準 3 範囲 3 用語の定義 4 包括利益の計算の表示 6 その他の包括利益の内訳の開示

国家公務員共済組合連合会 民間企業仮定貸借対照表 旧令長期経理 平成 26 年 3 月 31 日現在 ( 単位 : 円 ) 科目 金額 ( 資産の部 ) Ⅰ 流動資産 現金 預金 311,585,825 未収金 8,790,209 貸倒引当金 7,091,757 1,698,452 流動資産合計 3

計算書類等

貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準等の適用指針(案)

第 151 回日商簿記 2 級解答解説 第 1 問 実教出版株式会社 解答 仕 訳 借方科目金額貸方科目金額 現 金 8,500,000 車両減価償却累計額 760,000 1 商 品 6,100,000 本 店 17,640,000 車 両 3,800,000 2 その他有価証券 2,000,00

連結会計入門 ( 第 6 版 ) 練習問題解答 解説 練習問題 1 解答 解説 (129 頁 ) ( 解説 ) S 社株式の取得に係るP 社の個別上の処理は次のとおりである 第 1 回取得 ( 平成 1 年 3 月 31 日 ) ( 借 )S 社株式 48,000 ( 貸 ) 現預金 48,000

特集 : 税効果会計の見直しについて 企業会計基準適用指針第 26 号 繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針 の公表について PwCあらた監査法人第 3 製造 流通 サービス部パートナー加藤達也 はじめに 2015 年 12 月 28 日 企業会計基準委員会 ( 以下 ASBJ という ) より

前連結会計年度 ( 平成 29 年 12 月 31 日 ) 当第 2 四半期連結会計期間 ( 平成 30 年 6 月 30 日 ) 負債の部流動負債支払手形及び買掛金 8,279 8,716 電子記録債務 9,221 8,128 短期借入金 未払金 24,446 19,443 リース

貸借対照表 (2019 年 3 月 31 日現在 ) ( 単位 : 千円 ) 科目 金額 科目 金額 ( 資産の部 ) ( 負債の部 ) 流動資産 3,784,729 流動負債 244,841 現金及び預金 3,621,845 リース債務 94,106 前払費用 156,652 未払金 18,745

会社法計算書類等32期_ xlsx

平成 30 年 3 月期第 1 四半期決算短信 日本基準 ( 連結 ) 平成 29 年 8 月 7 日 上場会社名 タイガースポリマー株式会社 上場取引所 東 コード番号 4231 URLhttp://tigers.jp 代表者 ( 役職名 ) 代表取締役社長 ( 氏名 ) 渡辺 健太郎 問合せ先責

旭情報サービス (9799) 平成 29 年 3 月期第 2 四半期決算短信 ( 非連結 ) 添付資料の目次 1. 当四半期決算に関する定性的情報 2 (1) 経営成績に関する説明 2 (2) 財政状態に関する説明 2 (3) 業績予想などの将来予測情報に関する説明 2 2. サマリー情報 ( 注記

3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

第21期(2019年3月期) 決算公告

平成 30 年 12 月期第 1 四半期決算短信 日本基準 ( 連結 ) 平成 30 年 4 月 27 日 上場会社名セーラー万年筆株式会社上場取引所東 コード番号 7992 URL 代表者 ( 役職名 ) 代表取締役社長 ( 氏名 ) 比佐泰 問合

大都魚類 (8044) 平成 29 年 3 月期第 1 四半期決算 添付資料の目次 1. 当四半期決算に関する定性的情報 2 (1) 経営成績に関する説明 2 (2) 財政状態に関する説明 2 (3) 連結業績予想などの将来予測情報に関する説明 2 2. サマリー情報 ( 注記事項 ) に関する事項

公開草案なお 重要性が乏しい場合には当該注記を省略できる 現行 適用時期等 平成 XX 年改正の本適用指針 ( 以下 平成 XX 年改正適用指針 という ) は 公表日以後適用する 適用時期等 結論の背景経緯 平成 24 年 1 月 31 日付で 厚生労働省通知 厚生年金基金

Transcription:

3 月決算会社にあっては 前期から適用されている 包括利益の表示に関する会計基準 ( 以下 包括利益会計基準 という ) について 当期末から その適用が1 年延ばされていたその他の包括利益に関する税効果及び組替調整額の注記があらたに必要となりますので 今一度 当該注記作成に当たっての留意事項について解説します また 当期から 会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準 及び 会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準の適用指針 ( 以下 過年度遡及修正会計基準 という ) が既に適用されており 四半期決算において対応された会社もあったかと思いますが 期末決算に向けての実務上の留意事項について解説します さらに 2011 年 12 月 2 日に 経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律 及び 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法 ( 以下 税制改正 という ) が公布されたことに伴い 会計上は主に税効果会計に影響が生じることから これらについてもおさらいします その他 適用 2 年目を迎える 資産除去債務に関する会計基準 及び適用 3 年目を迎える 賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準 について あらためて当期末における実務上の留意事項を解説します なお 本稿の意見に関する部分は 筆者の個人的な見解であることをあらかじめお断りします 1. 包括利益の表示に関する会計基準 ( その他の包括利益に関する税効果及び組替調整額の注記 ) 包括利益会計基準については Monthly Report Vol.20 及びVol.26において解説していますが 当期末から その他の包括利益に関する税効果及び組替調整額の注記が必要となるため 留意が必要です (1) 概要その他の包括利益とは 包括利益のうち当期純利益及び少数株主損益に含まれない部分をいい その他有価証券評価差額金 繰延ヘッジ損益 為替換算調整勘定等に区分して表示します この際 その他の包括利益の内訳項目の分析を容易にする観点から その他の包括利益に関する税効果及びその他の包括利益に含められた項目の当期純利益への組替調整額の開示が求められています その他の包括利益の内訳項目は 税効果を控除した後の金額で表示するため その他の包括利益の各項目別の税効果の金額を注記します ただし 各内訳項目の税効果を控除する前の金額で表示して それらに関連する税効果の金額を一括して加減する方法で記載することもできます この場合でも各内訳項目別の税効果の金額を注記する必要があります また 当期純利益を構成する項目のうち 当期又は過去の期間にその他の包括利益に含まれていた部分については 包括利益での二重計算を避けるため その他の包括利益の調整 ( 組替調整 ) を行い 当該組替調整額をその他の包括利益の内訳項目ごとに注記する必要があります 組替調整は 包括利益と当期純利益の2つの利益概念を表示するために必要なものです

具体的な組替調整額の内容は以下のとおりです その他の包括利益その他有価証券評価差額金繰延ヘッジ損益為替換算調整勘定 組替調整額 その他有価証券の売却及び減損に伴って当期に計上された売却損益及び評価損等 当期純利益に含められた金額 ヘッジ対象に係る損益が認識されたこと等に伴って当期純利益に含められた金額 子会社に対する持分の減少 ( 全部売却及び清算を含む ) に伴って取り崩されて当期純利益に含められた金額 (2) 注記方法 原則は 税効果及び組替調整額の注記を併せて記載する方法ですが 別個に記載する方法も認められて います それぞれの注記のイメージは下記のようになります ( 包括利益会計基準 設例 2) 1 税効果の注記及び組替調整額の注記を併せて記載する方法 その他有価証券評価差額金 : 当期発生額組替調整額税効果調整前税効果額その他有価証券評価差額金繰延ヘッジ損益 : 当期発生額税効果調整前税効果額繰延ヘッジ損益その他の包括利益合計 400 150 250 150 40 60 210 2 税効果の注記と組替調整額の注記を別個に記載する方法 組替調整額の注記 その他有価証券評価差額金 : 当期発生額 400 組替調整額 150 繰延ヘッジ損益 : 当期発生額 税効果調整前合計税効果額その他の包括利益合計 250 350 140 210

税効果の注記 税効果調整前 税効果額 税効果調整後 その他有価証券評価差額金繰延ヘッジ損益その他包括利益合計 250 350 40 140 150 60 210 (3) 実務上の留意事項 1 注記情報の収集について前期から各社対応を検討されていると思いますが その他有価証券評価差額金を例にとれば 連結子会社及び持分法適用関連会社におけるその他有価証券評価差額金の増減に関する情報収集の方法を検討する必要があります たとえば 下記のような表を各連結子会社及び持分法適用関連会社に対する情報パッケージに組み込み 情報を取り入れることなどが考えられます なお 当期末は税制改正の影響で法定実効税率が変更されるため 適用する法定実効税率に関しては注意が必要です この点は3.(2) 4を参照ください ( 前提条件 ) 前期末における実効税率 40% 当期中に税制改正があり 実効税率が35% に変更 税制改正前に売却及び評価損計上 親会社持分 80% 項目 評価差額 ( 又は売却損益 評価損 ) 税効果税効果控除後うち親会社持分うち子会社持分 期首 1,000 400 600 480 120 200 80 120 96 24 1 期首評価差額 1,000 実効税率 ( 改正前 )40%=400 2 期末評価差額 1,500 実効税率 ( 改正後 )35%=525 売却等による組替調整額売却評価損合計 40 60 48 12 40 60 48 12 当期発生額 ( 差引 ) 600 165 435 348 87 期末 1,500 1 2 525 975 780 195 上表によれば 当期発生額 及び 売却等による組替調整額の合計 を使用して税効果及び組替調整額の注記を作成することができます 当期発生額 は 当期におけるその他有価証の時価の変動に伴う増減額ですが 基本的には 包括利益会計基準の設例に記載のとおり 当期発生額 は差引により求めることが想定されているため 期首 期末の評価差額及び売却損益 評価損の金額が把握できれば これらの差引計算で 当期発生額 を算出することができます 評価差額及び売却損益 評価損の金額は 個別銘柄ごとに把握する必要はなく

合計額で把握すれば足ります 仮に期中に取得し 売却したその他有価証券がある場合 期首及び期末の評価差額に残高はありませんが 売却損益相当が包括利益として発生していることになるため 売却等による組替調整額 と 当期発生額 を両建て表示する必要があります なお 持分法を適用する被投資会社におけるその他の包括利益に対する投資会社の持分相当額については 一括して区分表示します 当該持分相当額については 被投資会社において税効果を控除した金額ですが 被投資会社の税金は連結財務諸表には表示されないため 税効果の金額の注記の対象には含まれないことに留意が必要です 2 税制改正の影響について税制改正により税率が変更されますが 当該税率変更によりその他の包括利益累計額 ( その他有価証券評価差額金 繰延ヘッジ損益等 ) に係る繰延税金資産及び繰延税金負債の金額を修正する場合は 修正差額をその他の包括利益累計額に加減して処理することとなります したがって 税率変更の影響は 当期発生額 に反映されることとなり 組替調整は発生しません 2. 会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準 詳細な内容は Monthly Repot Vol.21~23 及びVol.33において解説していますが 当期末における実務上の留意事項をあらためて解説します また 期末においては注記事項が四半期とは異なるため すでに四半期決算で対応している会社についても留意が必要です (1) 概要 過年度遡及修正会計基準の原則的な取扱いは下記のとおりです 会計上の変更 会計上の原則的な取扱い 会計方針の変更表示方法の変更会計上の見積りの変更過去の誤謬の訂正 遡及処理する ( 遡及適用 ) 遡及処理する ( 財務諸表の組替え ) 遡及処理しない遡及処理する ( 修正再表示 ) 会計基準等の改正に伴う会計方針の場合で 会計基準等に適用開始時に遡及適用を 行わないなど 経過的な取扱いの定めがある場合には その取扱いに従う (2) 注記事項 - 四半期との相違点 期末における注記事項は 四半期における注記事項よりも詳細な内容となっているために留意が必要で す なお いずれも注記すべき事項に重要性が乏しい場合には 注記を省略することができます

1 会計方針の変更に関する注記期末においては 前事業年度に係る1 株当たり情報に対する影響額及び前事業年度の期首における純資産に対する累積的影響額の注記が追加されます なお 計算書類については 前期の情報が開示されないため 当期の期首における純資産に対する影響額を注記しますが 前期の主要な科目に対する影響額や前期の1 株当たり情報に対する影響額の記載は求められていません 2 表示方法の変更に関する注記四半期において注記は不要とされていましたが 期末においては以下の事項の注記が必要となります 財務諸表の組替の内容 財務諸表の組替を行った理由 財務諸表の主な項目に係る前事業年度における金額なお 計算書類については 前期の情報が開示されないため 前期の金額の記載は求められていません 3 会計上の見積りの変更に関する注記 会計上の見積りの変更の内容が次期以降の財務諸表に影響を与える可能性が高く 合理的に見積るこ とができる場合には当該影響額を 見積ることができない場合には その旨の注記が追加されます 4 未適用の会計基準等の注記既に公表されている会計基準等のうち 適用していないものがある場合には 以下の事項を注記しなければなりません ただし 連結財務諸表を作成している場合には 個別財務諸表においては記載する必要がありません 会計基準等の名称及びその概要 会計基準等の適用予定日( 当該会計基準等の適用を開始すべき日前に適用する場合には 当該適用予定日 ) 会計基準等が財務諸表に与える影響なお 貸借対照表日までに公表されている会計基準等が記載対象となりますが その後に公表されたものを記載することもできます 連結子会社がIFRS 又は米国会計基準を適用し これらに未適用の会計基準等があれば 注記が求められる点には留意が必要です 会計基準等の適用時期が決定していない場合には 適用予定日に代えて 決定していない旨を記載します また 会計基準等が財務諸表に与えている影響を定量的に把握している場合にはその金額を記載し 把握していない場合には定性的に記載します 財務諸表作成時において影響を評価中である場合には その旨を記載します 実務的には未適用の会計基準等の影響を定量的に把握することは困難と考えられることから 定性的な記載が中心になるものと思われます 計算書類については 当該注記の記載は特に求められていません

(3) 実務上の留意事項 1 重要性の判断過年度遡及修正会計基準の適用において 実務上は重要性の判断がその後の会計上の取扱いに大きく影響することとなるため 監査人との事前協議を含め 留意が必要です たとえば 会計方針を変更した場合には 従来であれば変更による影響を注記するのみでしたので 影響が軽微であれば その旨 軽微でなければ具体的な金額を記載していました つまり 重要性の程度は注記の内容に影響を与えるだけであったともいえます ところが 当該基準の適用により 重要性に乏しく影響が軽微であれば遡及適用しないこともあり得る一方 重要性がある場合には遡及適用する必要が生じるため 重要性の程度によって処理が大きく異なります また 過去の誤謬の訂正の場合 重要性に乏しければ その性質に応じて営業損益や営業外損益として認識する処理が行われることになる一方 重要性がある場合には 訂正報告書を提出する必要があり その処理は大きく異なります 2 会計上の見積りの変更と過去の誤謬の訂正過去の見積り時点において 入手可能な情報に基づいて 合理的な方法によって最善の見積りを行った場合で その後 新たな事実が発生したり 既に発生している事象について新たな情報が入手可能となった場合には 会計上の見積りの変更として 遡及処理は行わず 将来に向かって処理を行うこととなります しかしながら 過去の見積り時点において 最善の見積りができていないと判断された場合には 過去の誤謬の訂正となるため 引当金の過不足額等の処理に関しては留意が必要です 3. 税制改正に伴う会計上の留意事項 税制改正に伴う会計上の取扱いについては 前号のMonthly Report Vol.36において詳細に解説しています 2012 年 2 月 14 日に 税制改正に伴う税効果会計に関するQ&A の改正について が公表されていますが 税率変更による繰延税金資産の修正額の算定方法が明示されました (1) 税制改正の概要会計上影響を及ぼす主な税制改正の内容としては 法人税率の引き下げ 復興特別法人税の創設 欠損金の繰越控除制度の見直し 250% 定率法の見直し 貸倒引当金の見直しがあります それぞれの詳細な内容はMonthly Report Vol.36を参照ください (2) 税制改正が税効果会計に与える影響 1 法定実効税率の低下 2012 年 4 月 1 日に開始する事業年度から2014 年 4 月 1 日に開始する事業年度における法定実効税率は 復興特別法人税が課されるため 38.01% となります ( 東京都の場合 以下同様 ) また 復興特別法人税がなくなる2015 年 4 月 1 日以後開始事業年度からは 35.64% となります 2 繰延税金資産 ( 負債 ) の計算に際して適用すべき法定実効税率 税効果会計上で適用する税率は決算日現在における税法規定に基づく税率であり 決算日までに改正 税法が公布され 将来の適用税率が確定している場合には 改正後の税率を適用します

したがって 改正法人税法及び復興財源確保法の公布日である2011 年 12 月 2 日以後に決算日を迎える決算においては 改正後の税率を適用します 改正後の将来の適用税率は年度によって異なるため 税効果会計上は 将来減算 ( 加算 ) 一時差異等のスケジューリング結果に応じて適用すべき法定実効税率が異なります 3 月決算会社を前提とすると 以下のとおりです 将来減算 ( 加算 ) 一時差異等の解消見込年度 2013 年 3 月期 2014 年 3 月期 2015 年 3 月期 2016 年 3 月期以降 法定実効税率 38.01% 38.01% 38.01% 35.64% 3 税率変更による繰延税金資産 ( 負債 ) 計上額の修正 2012 年 2 月 14 日に公表された 税制改正に伴う税効果会計に関するQ&A の改正について において 税率変更による繰延税金資産 ( 負債 ) の修正額の注記に関して 修正額の算定方法が明示されています すなわち 当該注記は 税制改正の公布日を含む事業年度において行うことになりますが 今回の改正による変更税率が適用されるのは 公布日を含む事業年度の翌期以降になるため 繰延税金資産 ( 負債 ) の金額の修正額として注記する額は 改正税法の公布日を含む事業年度の期末現在の一時差異及び税務上の繰越欠損金の残高に新税率と旧税率との差額を乗じて算出することになります 4 一時差異等と適用すべき法定実効税率主な一時差異等の内容と適用すべき法定実効税率は下記のようになります それぞれの詳細な内容は Monthly Report Vol.36を参照ください 一時差異等 法定実効税率 繰越欠損金スケジューリング不能な一時差異将来解消見込年度が長期にわたる一時差異その他有価証券評価差額金 土地再評価差額金圧縮積立金グループ法人税制によって繰り延べられた譲渡損益資本連結手続から生じる時価評価差額連結上の未実現未利益 解消見込年度に応じて 35.64% 解消見込年度に応じて 35.64% ( 売却見込がある場合を除く ) 解消見込年度に応じて解消見込年度に応じて 35.64% ( 売却見込がある場合を除く ) 40.69% ( 現行税率を前提 )

繰越欠損金の繰越控除限度額が繰越控除前所得金額の80% 相当額に制限されたことに伴い 繰越欠損金の充当スケジューリングに際しては留意が必要です また 将来解消見込年度が長期にわたる一時差異はスケジューリング可能な一時差異であるため 原則どおり 解消見込年度に応じた法定実効税率を用いて税効果会計を適用すべきと考えられます なお いわゆる会社区分 1 2 3 及び4ただし書きの会社にあっては 将来解消見込年度が長期にわたる将来減算一時差異に係る繰延税金資産の回収可能性に関する取扱いが別途定められているため ( 繰延税金資産の回収可能性の判断に関する監査上の取扱い 5.(2)) 実務上は 簡便的なスケジューリングを行っていたケースもあると考えられます 特に会社区分 1の会社にあっては スケジューリングを行っていないケースも考えられます しかし 今回の税制改正に伴い 将来の年度ごとの法定実効税率が異なることとなったため 少なくとも3カ年のスケジューリングは実施しなければならないことに留意が必要です 4. その他 (1) 資産除去債務に関する会計基準 2011 年 3 月期より 資産除去債務に関する会計基準 及び 資産除去債務に関する会計基準の適用指針 が適用となっており 当期においては適用 2 年目を迎えることになりますが 当期から適用となっている過年度遡及修正会計基準との関連から下記については留意が必要です 1 将来キャッシュ フローに重要な見積りの変更が生じた場合当初の見積りから状況が変化し 新たに入手可能となった情報に基づいて将来キャッシュ フローに重要な見積りの変更が必要となった場合には 資産除去債務の帳簿価額及び関連する有形固定資産の帳簿価額に加減し 減価償却を通じて残存耐用年数にわたり費用配分します つまり 過年度の遡及修正は行わずに将来に向かって修正する考え方が取られています ただし このように会計上の見積りの変更として過年度の遡及修正は行わずに将来に向かって修正する場合は あくまでも過去の見積り時において入手可能な情報から最善の見積りが行われており その後 当期において新たに入手可能となった情報に基づいて会計上の見積りの変更を行う場合に限られます 過去の会計上の見積りが仮に誤っていたと判断された場合には 過去の誤謬の訂正による修正再表示が必要となります なお 割引前の将来キャッシュ フローに重要な見積りの変更が生じ 当該キャッシュ フローが増加する場合には 新たな負債の発生と同様のものとして その時点の割引率を適用します これに対し 当該キャッシュ フローが減少する場合には 負債計上時の割引率を適用します ただし 過去に割引前の将来キャッシュ フローの見積りが増加した場合で 減少部分に適用すべき割引率が特定できないときは 加重平均した割引率を適用します 2 合理的な見積りが可能となった場合資産除去債務を合理的に見積ることができない場合には 資産除去債務を計上せず 当該債務を合理的に見積ることができるようになった時点で負債として計上することとなります したがって 前期においては合理的に見積ることができないものとして資産除去債務を計上していなかったものの 当期において資産の処分に関する意思決定が行われたこと等により 資産除去債務を合理的

に見積ることがきるようになった場合には 当期決算において対応する必要があります この場合には 1 の将来キャッシュ フローの見積りの変更に準じた会計処理を行うこととなります ただし この場合 将来キャッシュ フローに関する不利な予想が明確になったものであることから 減損の兆候として扱うべきとされています (2) 賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準 2010 年 3 月期の期末より 賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準 が適用となっており 当期末においては適用 3 年目を迎え その実務は定着してきたかと思いますが 下記には留意が必要です 1みなし時価を使用している場合賃貸等不動産の時価は 原則として 観察可能な市場価格に基づく価額をいい 市場価格が観察できない場合には 合理的に算定された価額をいいます 通常 不動産については観察可能な市場は存在しないため 合理的に算定された価額に基づくこととなりますが これは 不動産鑑定評価基準 による方法又は類似の方法に基づく価額とされています 一方 第三者からの取得時又は直近の原則的な時価算定時から一定の評価額 ( 実勢価格や査定価格 ) や適切に市場価格を反映していると考えられる指標 ( 公示価格 都道府県基準地価格 路線価による相続税評価額 固定資産税評価額 ) に重要な変動が生じていない場合には 当該評価額や指標を用いて調整した金額を用いることができるとされています さらに 上記の変動が軽微な場合には 取得時又は直近の原則的な時価算定による価額をそのまま時価とみなすこともできるとされています このようなみなし時価を使用している場合には 第三者からの取得時や直近の原則的な時価算定時から長期間が経過している場合には 原則的な時価算定の必要性が高まるとされています 基準上 長期間 の具体的な年数が明示されているわけではありませんが 適用初年度から当期末で3 年目を迎えるために 検討の必要の余地があると思われます 以上 公認会計士杉江俊志 text : shunshi sugie