SunSystems4.3 の概要 1. セキュリティシステムが大幅に強化されました SOX 法で示唆されている システム制御の監査部分が大幅に強化されましたので J-SOX にはもちろん 内部統制の確立にも有効です 1.1 オペレータ管理のソフトが追加されました セキュリティを強化するために Global Security Framework というソフトが追加されました これにより オペレータの管理は SunSystems にログインして OD= オペレータ管理 (Operator Definitions) で行うのではなく このソフトにて行うことになりました 更に今回 使用できるコマンドなどを制限するアクセス制限の設定も OP= オペレータ制御 (Operator Permissions) に代わって この Global Security Framework を使用する事になりました 設定に際しては 下記のようにユーザーが登録されているグループや制限するコマンドなどが一覧表示されるなど 設定の効率もアップしました また Windows ログイン認証 ( シングルサインオン ) の設定も追加され アプリケーションごとに ID を管理するのではなく Windows のログインアカウントで SunSystems の使用者を一括管理することも可能になりました ( 今までどおりの管理方法も選択できます ) これにより IT 部門の負担軽減および オペレータの管理機能が強化され アクセス管理のソリューションを提供することが出来るようになりました またセキュリティ対策をより強力にすることを可能にします
1.2 オペレータ等の管理業務作業の履歴をデータとして転送できるようになりました 今回追加されたオペレータ管理のソフトウエア Global Security Framework についても SunSystems 同様 いつ 誰がログインし 何を行ったか 監査証跡を取ることが出来ます また その内容を CSV テキスト形式でファイルに転送することも出来るようになりました これにより SunSystems の使用者ではなく システム部の方などがユーザー管理を行っている場合でもシステム管理者が作業履歴をモニタリングしたり分析出来るようになりました 1.3 オペレータ ID のパスワードの設定時に複雑な制約が追加されました 一定の日数が経過するまでパスワードを変更できないようにする [ パスワードの最低有効期間 ] が追加されました これは [ パスワードの履歴を記録する ] 設定と共に機能します パスワード最低有効期間を定義すると パスワードを頻繁に変更することができなくなります 例えば [ パスワードの履歴を記録する ] を 10 と設定しても パスワードの最低有効期間を設定しないと ユーザーは毎日パスワードを変更する事が出来てしまいます あらかじめパスワードを GTasg1, GTasg2, GTasg3, GTasg4. GTasg10 などと作成しておけば 毎日下一桁の数字を変えたパスワードをユーザーは繰り返し使用出来ることになり セキュリティの意味を成さなくなります 過去に使用したパスワードの使用が出来ないように [ パスワードの履歴を記録する ] 制限をかけることが出来るようになりました 今までは 自動的に 12 回履歴が記録され 回数の変更は出来ませんでしたが 今回からは履歴回数を指定出来ます 例えば 2 を設定すると過去 2 回使用したパスワードは使用することが出来ず 3 回目以降からは 1 回目に使用していたパスワードを再使用することが出来るようになります パスワード最小文字数 (0~14) を指定出来るようになりました 0 と設定すると 文字数を制限しないので空白のパスワードが使用出来てしまいます 1~14 を設定するとその設定した文字数以上の桁数でパスワードを設定しなくてはなりません 同じ文字 (0~14) の連続使用を許可するかどうかを設定出来るようになりました 0 の場合は何文字でも同じ文字を続ける事が出来 1 は同じ文字の連続使用を許可しない設定となります 2~14 はその数だけ同じ文字の連続使用を許可します 例えば 2 と設定すると SSYSTEM というパスワードは大丈夫ですが SSSYSTEM は設定出来ません ユーザー名と同じパスワードを使用出来ないように設定することが出来るようになりました パスワードに大文字小文字混合 文字と数字を含まなければ パスワードを設定出来なくなる設定が出来るようになりました パスワードとして使用させたくないキーワードを登録出来るディクショナリ機能が追加されました ディクショナリに 会社名 admin password 0000 といったキーワードを登録しておくと それをパスワードとして使えないように制限をかけることが出来ます
1.4 オペレータ関連の設定一覧の印刷について 今まではオペレータ関連についての印刷はそれぞれの機能画面上で R= 帳票出力 (Report) 指示をかけて印刷していましたが 今回からオペレータ管理のコマンドが Global Security Framework というソフトウェアに一元化された為 SunSystems の中では設定内容の印刷のみがコマンドとして対応しています OR= 帳票出力オペレータ管理 (Report Operator Definition) 旧バージョンでは OD= オペレータ管理 (Operator Definition) の印刷 DR= 帳票出力データアクセス管理 (Report Data Access Group) 旧バージョンでは DA= データアクセスグループ (Data Access Group) の印刷 PR= 帳票出力オペレータ許可 (Report Operator permissions) 旧バージョンでは OP= オペレータ許可管理 (Operator Permissions) の印刷 2. 画面がよりユーザーフレンドリーになりました 2.1 メニュー画面の変更 画面がウィンドウズと同様のツリー構造となり 飛躍的に操作性が向上しました マウスを使用して 一覧から項目をクリックするだけで操作画面に移動しますので 直感的に操作出来ます ツリー表示なので 自分が今どこの作業をしようとしているのか瞬時に把握出来ます また 今までのコマンド操作 ( アルファベット 2 文字入力操作 ) も引き続き使用出来ますので キーボードだけで操作することも勿論可能です
2.2 メニュー上のステータス表示 F9 キーで現状を確認しなくても画面右下に ユーザー ID 日付 データベースコード 実績 予算 などのステータスが常に表示されるようになりました 2.3 マスター画面によく使うコマンドのボタンが追加されました マスターの設定画面 (CA= 勘定科目表管理 (Chart of Account) NC= 分析コード定義 (Analysis Code) BK= 銀行口座明細管理 (Bank Details) など ) で新規作成 修正 削除などのよく使用するコマンドがボタンとして右下に表示されるようになりました より視覚的になり 操作が簡単になりました ( 以前同様 コマンド操作も可能です ) [ CA(Chart of Account, 勘定科目表 ) の設定画面サンプル ] 英語版の設定画面サンプル
3. その他の強化項目 3.1 仮帳簿取引 (Rough book) に仕訳を転記 (post) したとき 当初元帳に書き込まれる仕訳入力者は仮帳簿転記者 ID ですが 仮帳簿取引を呼び出して本転記 (Hard Post) した場合 その本転記した方の ID に更新される設定が追加されました これにより 最終的に本転記したユーザー ID が誰か分かるようになり 最終承認者の責任の所在を明確にすることが可能です 3.2 LR= 為替再評価 (Ledger Revaluation) で 為替再評価計算時に評価結果を T 分析コードを集計して仕訳をおこすことが出来るようになりました 例えば債権債務を管理する際 分析コードに請求書番号などを設定していた場合 今までは請求書単位に評価替えされてしまい 後で請求書番号で抽出した際 本来必要のない仕訳まで抽出されていました 今回からはこれらを集計して債権科目一本で評価替の結果を仕訳計上できるようになりました 3.3 BK= 銀行口座明細 (Bank Details) に新しいフィールドが追加され オペレータのアクセス制限を管理するデータアクセスグループと銀行口座明細レコードとを 関連付けることが出来るようになりました これにより 銀行口座明細レコードへのアクセスを 特定のデータアクセスグループのメンバーのみに制限出来るようになりました 3.4 GP= 債務支払自動仕訳 (Generate Payment) および GD= 債権振込自動仕訳 (Generate Debit) で 処理をかける際に転記会計期を選択出来るようになりました 今までは システムが自動で作成する仕訳は自動的に標準会計期で作成されましたが 今回から設定画面上に 転記会計期 フィールドが新しく追加され 自動仕訳の会計期を設定出来るようになりました 標準値には当期が指定されています 3.5 JL(Journal Listing, 仕訳帳 ) 出力時に 経歴ファイルを含む (Include Archive File) 項目が追加されました 今までは一度圧縮した経歴ファイルの取引明細を仕訳帳から出力することは出来ませんでしたが 今回から 圧縮した経歴ファイルを仕訳帳出力することが可能になりました 3.6 保存した仕訳 (Hold Journal) をクローズした会計期に転記しようとした時に 今まではメッセージ表示されずにメインメニューに戻ってしまいましたが 今回から 転記会計期が処理可能会計期の範囲外です 仕訳は保留されます (Accounting period(s) not in open period range, journal will be held) というメッセージが表示されるようになりました 該当する仕訳は引き続き保存された状態になります 3.7 V4.3 より Windows 印刷を使用出来るようになりました これによって SunSpool を使用しなくても Windows 印刷ダイアログを使用して 登録されているプリンタならどのプリンタからでも帳票を印刷できます Windows 印刷を使用する際には 帳票をディスク保存 (S) せずに 直接印刷 (P) すると Windows の他のアプリケーションと同じ様にプリンタを指定する画面が表示されますのでプリンタ フォントを指定して印刷してください