呼吸器 = 肺結核 じん肺 気管支ぜんそく 慢性閉塞性肺疾患 (COPD) 間質性肺炎など心臓 = 弁膜症 心筋症 心筋梗塞 狭心症 難治性不整脈 大動脈疾患 先天性心疾患腎臓 = 慢性腎不全 人工透析肝臓 = 肝硬変 食道静脈瘤 肝がんなど血液系 = 難治性貧血 血小板減少性紫斑病 血友病 白血病

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2 障害厚生年金障害厚生年金は次の1~3の条件すべてに該当する方が受給できます 1 障害の原因となった病気やケガの初診日 ( 1) が 厚生年金保険の被保険者である期間にあること 2 障害の原因となった病気やケガによる障害の程度が 障害認定日 ( 2) に法令により定められている障害等級表 ( 3)

障害厚生年金 厚生年金に加入している間に初診日 ( 障害のもととなった病気やけがで初めて医者にかかった日 ) がある病気やけがによって 65 歳になるまでの間に 厚生年金保険法で定める障害の状態になったときに 受給要件を満たしていれば支給される年金です なお 障害厚生年金に該当する状態よりも軽い障害

第14章 国民年金 

年金・社会保険セミナー

退職後の医療保険制度共済組合の年金制度退職後の健診/宿泊施設の利用済組合貸付金/私的年金退職手当/財形貯蓄/児童手当個人型確定拠出年金22 共イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けるこ

表 2 イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けることができます 支給要件 a 組合員期間が1 年以上あること b 組合員期間等が25 年以上あること (P.23の表 1 参照 ) c

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2. 特別障害給付金 象 次のいずれかに該当する方で 任意加入していなかった期間に初診日があり 現在 障害基礎年金 1 級 2 級相当の障がいに該当する方 平成 3 年 3 月以前に国民年金任意加入象であった学生 ( 夜間通学 通信制の学生は除く ) 昭和 61 年 3 月以前に国民年金任意加入象で

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現在公的年金を受けている方は その年金証書 ( 請求者及び配偶者 請求者名義の預金通帳 戸籍謄本 ( 受給権発生年月日以降のもの ) 請求者の住民票コードが記載されているもの ( お持ちの場合のみ ) 障害基礎年金 受給要件 障害基礎年金は 次の要件を満たしている方の障害 ( 初診日から1 年 6か

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年金・社会保険セミナー

しおり

ただし 対象期間の翌年度から起算して3 年度目以降に追納する場合は 保険料に加算額が上乗せされます 保険料の免除や猶予を受けず保険料の未納の期間があると 1 年金額が減額される 2 年期を受給できない3 障害基礎年金や遺族基礎年金を請求できない 場合がありますのでご注意ください 全額または一部免除

高齢者福祉

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他の所得による制限と雇用保険受給による年金の停止 公務員として再就職し厚生年金に加入された場合は 経過的職域加算額は全額停止となり 特別 ( 本来 ) 支給の老齢厚生年金の一部または全部に制限がかかることがあります なお 民間に再就職し厚生年金に加入された場合は 経過的職域加算額は全額支給されますが

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年金は 万が一のとき もしっかりサポートします! 一般的に 年金 と言いますと 老後の生活を支える 老齢年金 をイメージしますが それだけではありません! 年金には万が一のときに 障害厚生年金 や 遺族厚生年金 が支給される場合があります 障害厚生年金 病気やけがで障害の状態になったときは 厚生年金

障害福祉制度あらまし目次

老齢基礎年金 老齢基礎年金を受けられる方 老齢基礎年金は 原則として受給資格期間が 25 年 (300 ヵ月 ) 以上ある方が 65 歳になったときから受けられます 受給資格を満たしているときは 本人の希望により 60 歳から 70 歳までの間で年金を受け始める年齢を変更することができます (17

(2) 国民年金の保険料 国民年金の第 1 号被保険者および任意加入者は, 保険料を納めなければなりません また, より高い老齢給付を望む第 1 号被保険者 任意加入者は, 希望により付加保険料を納めることができます 定額保険料月額 15,250 円 ( 平成 26 年度 ) 付加保険料月額 400

第 7 章 年金 福祉 1 年金 日本の公的年金制度は, 予測できない将来へ備えるため, 社会全体で支える仕組みを基本としたものです 世代を超えて社会全体で支え合うことで給付を実現し, 生涯を通じた保障を実現するために必要です 働いている世代が支払った保険料を高齢者などの年金給付に充てるという方式で

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(2) 国民年金の保険料 国民年金の第 1 号被保険者および任意加入者は, 保険料を納めなければなりません また, より高い老齢給付を望む第 1 号被保険者 任意加入者は, 希望により付加保険料を納めることができます 定額保険料月額 16,490 円 ( 平成 29 年度 ) 付加保険料月額 400

Ⅰ 改正について 児童扶養手当法の改正 Q&A ( 公的年金等と合わせて受給する場合 ) Q1 今回の改正の内容を教えてください A: 今回の改正により 公的年金等 * を受給していても その額が児童扶養手当の額 より低い場合には 差額分の手当が受給できるようになります 児童扶養手当 は 離婚などに


国民年金

年管管発 0928 第 6 号平成 27 年 9 月 28 日 日本年金機構年金給付業務部門担当理事殿 厚生労働省年金局事業管理課長 ( 公印省略 ) 障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱いについて 厚生年金保険法施行規則等の一部を改正する省令 ( 平成 2

年金 手当心身障害者扶養共済制度 障がいのある方を扶養している保護者が, 毎月掛金を納めることにより, 保護者が死亡 ( 重度障がいを生じた場合を含む ) した場合, 障がいのある方に年金が支給されます 任意加入の制度です 加入できる保護者の要件障がいのある方 ( 次の 障がいのある方の範囲 を参照

介護保険制度 介護保険料に関する Q&A 御前崎市高齢者支援課 平成 30 年 12 月 vol.1

被用者年金一元化法

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年金 手当について 特別障害給付金 任意加入対象者が, 任意加入をしていなかったことによって, 障害基礎年金を受けることができなかった方への福祉的措置として平成 17 年 4 月に創設された制度です 特別障害給付金 (1) 支給対象となる方次の1か2の期間に初診日があり, 障害基礎年金を受けることが

平成 27 年 1 月から難病医療費助成制度が変わりました! (H26 年 12 月末までに旧制度の医療費助成を受けている人は 3 年間の経過措置 を受けられます ) 分かり難い場合は協会又は自治体の窓口へお問い合わせください H27 年 1 月からの新制度 1. 難病医療費助成の対象は ALS 重

厚生-1

5. 手当 年金等 各種制度の対象者や支給額は 障害種別 等級 年齢や所得によって異なります 詳細は各担当窓口に お問い合わせください 手当 心身障害者福祉手当 ( 都の制度 ) 支給対象者 20 歳以上であって 次のいずれかの障害を有する方 1 身体障害者手帳 1 2 級 2 脳性まひ 3 進行性

公的医療保険が対象とならない治療 投薬などの費用 ( 例 : 病院や診療所以外でのカウンセリング ) 精神疾患 精神障害と関係のない疾患の医療費 医療費の自己負担ア ) 世帯 ( 1) における家計の負担能力 障害の状態その他の事情をしん酌した額 ( しん酌した額が自立支援医療にかかった費用の 10

年金・社会保険セミナー

障害年金とは 障害年金は 病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に 現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です 障害年金には 障害基礎年金 障害厚生年金 があり 病気やけがで初めて医 師または歯科医師 ( 以下 医師等 といいます ) の診療を受けたときに 国民 年金 に

障害基礎年金はどんなときに受けられるの? 障害基礎年金は 次の条件の全てに該当する方が受給できます 20 歳前 国民年金の被保険者期間中または被保険者の資格を失った後でも 60 歳以上 65 歳未満で日本国内に住んでいる間に 障害の原因となった病気やけがの初診日 ( 用語の明参照 ) があること (


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手当を受けられている方へのお願い手当を受けられている方は 次のようなときには資格喪失となる場合がありますので 必ずご連絡をお願いします (1) 施設に入所したとき (2) 障がいの程度が基準に該当しなくなったとき (3) 亡くなられたとき (4) 病院又は診療所に継続して3ヶ月を超えて入院するに至っ

からだの不自由な人たちのために

(2) 再就職後 年金受給権が発生した場合正規職員無職一般企業無職 共済組合員 A 厚生年金 B ( 一般厚生年金 ) 退職 再就職 老齢厚生年金支給開始年齢 1 年金待機者登録 2 公的年金加入 ( 一部又は全額支給停止 ) 3 年金決定請求 1 退職した際は 年金の受給権発生まで期間がありますの

はじめに 定年 は人生における大きな節目です 仕事をする 働く という観点からすれば ひとつの大きな目標 ( ゴール ) であり 定年前と定年後では そのライフスタイルも大きく変わってくることでしょう また 昨今の労働力人口の減少からも 国による 働き方改革 の実現に向けては 高齢者の就業促進も大き

障害年金ガイド 障害年金ガイド 平成 31 年度版 P1 障害年金とは P2 受給要件 P10 請求時期 P15 障害年金 障害手当金の額 P22 障害年金に該当する状態 P29 Q&A P36 手続き P39 お問い合わせ先

1 2

平成 28 年 9 月度実施実技試験 損保顧客資産相談業務 139

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(1) 医療保険 医療特約の加入率民保加入世帯 ( かんぽ生命を除く ) における医療保険 医療特約の世帯加入率は88.5%( 前回 91.7%) となっている 世帯員別にみると 世帯主は82.5%( 前回 85.1%) 配偶者は68.2%( 前回 69.6%) となっている 前回と比較すると 世帯

日付なしT2-01-2_紙上Live_ダイジェスト版(2)_①_(10分)_

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障害共済年金に係る事務

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再任用と年金加入の関係をまとめると次のようになる ( 都道府県によって勤務形態は異なる ) 再任用の勤務形態フルタイム勤務 3/4 1/2 週の勤務時間 38 時間 45 分 29 時間 19 時間 15 分 共済年金 厚生年金 (2016 年 9 月 30 日まで ) 加入する年金 (2015 年

52 (2) 再就職後 年金受給権が発生した場合正規職員無職一般企業 無職 共済組合員 A 厚生年金 B ( 一般厚生年金 ) 退職再就職老齢厚生年金支給開始年齢 1 年金待機者登録 2 公的年金加入 3 年金決定請求 ( 一部又は全額支給停止 ) 1 退職した際は 年金の受給権発生まで期間がありま

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第9章 国民年金制度について

§14 障害の状態になったとき又は障害により退職したとき

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() 障がい年金法令で定める年金の障がい等級に該当する障がいの状態になった場合は, 障がい年金が支給されます 初診日 ( 障がいの原因となった病気やケガで, 初めて医師の診療を受けた日 ) の年齢, 加入していた年金の種類によって, 支給される年金が異なります 障がい者手帳の障がい等級と国民年金厚生

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Ⅰ 障害福祉計画の策定にあたって

退職後の健康保険の任意継続ってなに?

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第 1 号被保険者 資格取得の届出の受理 種別変更の届出の受理 資格喪失の承認申請 ( 任意脱退 ) の受理 資格喪失届出の受理 資格喪失の申出 第 1 号被保険者 任意加入被保険者 付加保険料の納付の申出の受理 付加保険料の納付しないことの申出の受理 に申請 届出または申出をした場合 被保険者 世

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年金.手当てp28 療育編

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手当 年金 4-1 障害基礎年金 身 知 精 難 窓口 : 保険年金課国民年金係 ( 電話 FAX ) 病気やケガで障がいがあり 日常生活が困難な方に支給される国民年金です 支給条件( 次のいずれにも該当 ) 1 障がいの原因となった病気 ケガについての初診日に国民年金に

1 どこに相談すればよいのでしょう?

強制加入被保険者(法7) ケース1

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はじめに 定年 は人生における大きな節目です 仕事をする 働く という観点からすれば ひとつの大きな目標 ( ゴール ) であり 定年前と定年後では そのライフスタイルも大きく変わってくることでしょう また 昨今の労働力人口の減少からも 国による 働き方改革 の実現に向けては 高齢者の就業促進も大き

必要書類 全員 該当者のみ 加給年金額対象者有の場合 年金請求書戸籍抄本または住民票 年金証書 ( 写 ) 請求者で年金受給している方 ( 障害 遺族給付含む ) 遺族厚生 ( 共済 ) 年金 障害厚生 ( 共済 ) 年金年金受給選択申出書 *1 等受給権を有する方雇用保険被保険者証 ( 写 )*2

Taro-1-国民年金編2015  作成 

時効特例給付制度の概要 制度の概要 厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律 ( 平成 19 年 7 月 6 日施行 ) に基づき 年金記録の訂正がなされた上で年金が裁定された場合には 5 年で時効消滅する部分について 時効特例給付として給付を行うこととされた 法施行前

イ自立支援医療 ( 育成医療 ) 18 歳未満の児童で 身体上の障がいを有するか 現存する疾患を放置すると将来において障がいを残すと認められるかたが 生活の能力を得るために必要な医療を指定医療機関で受けられます 対象となる障害区分 肢体不自由 視覚障害 聴覚 平衡機能障害 音声 言語 そしゃく機能障

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特例法による年金記録修正における想定問

退職後の健康保険制度について 退職後は 以下の3つの選択肢の中からご自分が加入する制度を選ぶことになります 必ずしもヤマトグルー プ健康保険組合の任意継続に加入する必要はありません 月々の保険料や加入条件等をよく比較して ご自身に 合った健康保険を選択してください A ご家族の扶養に入る B 国民健

年金支給開始年齢図 特別支給の ( 給料比例部分 ) 昭和 29 年 10 月 1 日生まれ以前 ~ 特別支給の退職共済年金 昭和 25 年 10 月 1 日生まれ以前 ~ 退職共済年金 経過的職域加算額 ( 旧職域部分 ) 退職等年金給付 ( 年金払い退職給付 ) 平成 27 年 9 月までの組合

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ファイナンシャル プランニングと倫理 関 連法規 Copyright (c) Akira Sugiyama all rights reserved 2

マイナンバーが確認できる書類 スペイン語 /Español 社会保険をやめたとき必要なもの : 社会保険をやめたことを証明する書類 ( 脱退連絡票 ) 在留カードまたは特別永住者証明書 印鑑マイナンバーが確認できる書類 社会保険の被扶養者でなくなったとき必要なもの : 被扶養者でなくなったことを証明

「公的年金からの特別徴収《Q&A

法律家のための障害年金実務ハンドブック

Transcription:

陽だまりの会 ( 再レイアウトトド ) 医療とお金 (22) 障害年金をもらおう 2015 2.27 Yomiuri On Line 読売医療サイト Yomidoctor http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=112478 公的年金というと 一定の年齢に達してから受け取る 老齢年金 しかイメージしない人がけっこう多いようです とくに国民年金だけの場合 厚生年金と違って保険料が給料からの天引きでないうえ 老齢基礎年金は満額で年 77 万円余り 長年にわたって保険料を納めてもその程度か と思ってしまうのでしょうか 保険料の未納が以前から問題になっています でも 公的年金制度による給付は 老齢年金だけではありません 障害年金 遺族年金もあり ます 人生の途中でいつ起こるかもしれない障害や死亡に備えた 保険 でもあるのです とりわけ障害年金は 存在自体をよく知らなかったりして もらいそこねている人が相当いる ようです 医療とお金 (12) 障害者向けの制度も使える でも少し紹介しましたが 改めて 強調しておきます もらえる年金はしっかりもらいましょう そのためにも保険料の未納は絶対に避けましょう いざという時に大きな違いが出ます 幅広い病気で対象になりうる 障害という言葉を聞くと 目 耳 手足の不自由な人 なかでも生まれつきの障害の人や 事 故で障害を負った人を思い浮かべる人が多いかもしれません しかし 障害年金の対象はもっと広く いろいろな病気によって生じたものも障害です 心身の機能や形に不具合があって 日常生活の制約 あるいは労働の制限が続いていれば ( 一 般的には 1 年 6 か月以上 ) 年金の給付を受けられる可能性があるのです 認定の対象になりうる主な障害は 以下の通りです ただし 65 歳以上になって発症したと きは原則として障害年金は出ません (70 歳までの厚生年金加入者には障害厚生年金だけ出る ) 眼 = 視力障害 視野障害 まぶたの障害 調節機能障害 眼球の運動障害など耳 鼻 = 聴力障害 平衡機能の障害 呼吸機能の障害を伴う鼻の欠損かみ砕き のみこみの障害 音声 言語機能の障害上肢 下肢 体幹 脊柱 = 機能障害 欠損 変形 人工関節 脳性まひ 小児まひなど肢体の機能障害 = 脳血管障害 脊髄損傷 神経 筋疾患など精神 = 統合失調症 うつ病 そう病 高次脳機能障害 認知症 てんかん 知的障害 発達障害神経 = 脳血管障害 神経損傷による強い痛み 人工呼吸器など 1

呼吸器 = 肺結核 じん肺 気管支ぜんそく 慢性閉塞性肺疾患 (COPD) 間質性肺炎など心臓 = 弁膜症 心筋症 心筋梗塞 狭心症 難治性不整脈 大動脈疾患 先天性心疾患腎臓 = 慢性腎不全 人工透析肝臓 = 肝硬変 食道静脈瘤 肝がんなど血液系 = 難治性貧血 血小板減少性紫斑病 血友病 白血病 悪性リンパ種 多発性骨髄腫など代謝疾患 = 糖尿病 ( インスリンでもコントロール不良 ) 合併症を伴う糖尿病などがん= 各種のがんとその治療による局所の障害 機能障害 全身衰弱高血圧 = 合併症を伴う高血圧 悪性高血圧症その他 = 人工肛門 尿路変更 遷延性意識障害 難病 臓器移植後 HIV 感染など 脳卒中も ぜんそくも 糖尿病も がんも と驚いた人が多いのではないでしょうか 認定基準の詳しい内容は 次のようなサイトに示されています 日本年金機構国民年金 厚生年金保険障害認定基準 かめい社会保険労務士事務所 ( 大阪 ) いくら受け取れるのか 公的年金制度は2 階建てになっています 1 階部分は国民年金制度による障害基礎年金で 1 級と2 級があります 2 階部分は厚生年金保険による障害厚生年金で こちらは 3 級まであり それより程度の軽い障害手当金 ( 一時金 ) も定められています 2014 年度の障害年金の額は 次の通りです < 国民年金 > 障害基礎年金 1 級 =96 万 6000 円 (2 級の 1.25 倍 月 8 万円台 ) 障害基礎年金 2 級 =77 万 2800 円 ( 老齢基礎年金の満額と同じ 月 6 万円台 ) 18 歳になった年度内の子どもがいれば 加算があります (1 級または 2 級の障害のある子は 20 歳未満まで加算 ) 1 人目 2 人目は 22 万 2400 円 3 人目以降は 7 万 4100 円です < 厚生年金 > 障害厚生年金 1 級 =2 級の1.25 倍障害厚生年金 2 級 = 平均標準報酬額 加入月数に比例障害厚生年金 3 級 =2 級と同じ額 ( 最低保障額 57 万 9700 円 ) 障害手当金 =2 級の2 年分の一時金 ( 最低保障額 115 万 3800 円 ) 厚生年金保険に加入していたことのある人は 1 級 2 級なら 同じ等級の障害基礎年金と障害厚生年金がセットで支給されます 障害厚生年金の部分の金額は 加入期間の平均標準報酬額と加入月数 ( 障害認定日の月まで ) によって違ってきます 3 級 障害手当金の場合は 障害基礎年金が出ないので 最低保障額があります 2

注目したいのは 加入期間が短くても 300 月 (25 年 ) の加入とみなして計算すること わ ずかな期間でも厚生年金保険に加入していると ずいぶんプラスになるのです この点もあり 障害基礎年金と大きく違わない程度の年金額になることが多いようです 1 級 2 級の場合 65 歳未満の配偶者がいれば 配偶者加給年金 (22 万 2400 円 ) が上 乗せされます ( 所得などの要件あり ) 公務員などの共済もおおむね同じですが 在職中は基本的に障害基礎年金しか支給されません 障害の等級のイメージ 認定基準は 大まかに言うとこんな考え方です 1 級 = 他人の介助がなければ 日常生活を送ることがほとんどできない ( 活動範囲はおおむね 自宅では寝ている部屋 病院ではベッド周辺 ) 2 級 = 必ずしも他人の助けを借りる必要はないが 日常生活が著しく制限される ( 活動範囲はおおむね 自宅なら家屋内 入院中なら病棟内 ) 3 級 = 障害によって労働が著しく制限されるか 病気が治っていないために労働が制限される 障害手当金 = 病気やけがは治っていて 労働が制限される 個々のケースでどれにあてはまるかは 診断と生活の状況を踏まえた判断になります 受給後に障害が重くなったら 等級を上げるよう改定請求ができます 逆に一定期間ごとの審 査で障害が軽くなったときは等級が下がったり 支給が停止されたりします なお 障害年金の等級は 障害者手帳の等級とは別です ( 精神障害者の手帳のみ ほぼ同じ等 級区分 ) 医師から その程度で障害年金は無理 などと言われても うのみにせず 自分で年 金事務所などに確かめましょう 年金制度をよく知らない医師も少なくないからです 働いていても受給できる 認定基準では 2 級について 労働により収入を得ることができない程度 と書かれています 実際には 2 級を受給しつつ 職場の援助を得て働いている人もいます 障害者枠の就労もあるし 車いすの経営者や人工透析を受けるサラリーマンもいます しかし近年 精神障害を中心に 就労の有無によって判定が左右され ハードルが上がってい るという声が 年金請求に携わる社会保険労務士や精神保健福祉士から出ています 障害者の 雇用促進に合わない機械的な運用が行われていることもあるのかもしれません 3

受給するための 3 要件 障害年金を実際に受け取るには 次の 3 点をクリアしないといけません (1) 初診日に その年金制度の加入者 ( 被保険者 ) だった ( 例外あり ) (2) 初診日の前々月までの加入期間のうち 保険料の未納期間が3 分の1 以下 または初診日の前々月までの直近 1 年間に未納がない (3) 初診日の1 年 6か月後 またはその前の症状固定日に 障害等級にあてはまる状態だった詳しくは 次回に説明します 4

医療とお金 (23) 障害年金をもらうための四つのハードル 2015 3.7 Yomiuri On Line 読売医療サイト Yomidoctor 障害年金は 国民年金 ( 障害基礎年金 ) しかない人でも 1 級で年間 96 万円 2 級で 77 万円 厚生年金加入者だけに設けられている 3 級でも最低 57 万円を受け取れます 状態が変わらな ければ毎年 給付が続くのですから 経済的メリットの大きい制度です しかし 受給するための要件がけっこう厳格に定められており 4 点のハードルをクリアしな いといけません 一般的には 3 要件 と呼ばれますが 3 要件のすべてに関係する初診日の 証明を独立させ 4 点として説明します 1 初診日の証明 障害の原因となった病気やけがで最初に医療機関にかかった日が 初診日 になります ( 発症 時期ではない ) 最初の医療機関で診断がつかなかったり 誤診されたりしていても その日が 初診日です 健康診断で異常を指摘された場合は 健診を受けた日が初診日になります 初診日は 原則として 日 まで特定する必要があります 医療機関に頼んで 受診状況等証 明書 を発行してもらいます 問題は 初診の時期が古い場合です 大きな病院はカルテ ( 診療録 ) を長い年月にわたって保存していますが 医師法によるカルテの保存義務は5 年 中小の医療機関ではカルテが廃棄されていることもあるし 医療機関自体がなくなっていることもあるからです 医療機関から廃棄したと言われても 正式にカルテ開示請求をすると見つかったケースもあるので そこまで試みましょう それでも無理な場合 過去の診断書 身体障害者手帳 交通事故証明 労災事故証明 事業所の健康診断記録 医療情報サマリー 救急搬送記録 紹介状 診察券 領収書 次の医療機関の記録など 他の資料で初診日を証明できればよいのですが それもないと請求をあきらめざるをえないことがあります ( 保険料の納付状況によっては 月 年 までの特定でも認められる ) だから できるだけ早く障害年金のための作業にかかるべきなのです 糖尿病による網膜症 腎障害 足切断など 因果関係のあるとされる場合は 障害が生じた時 ではなく 最初の病気やけがによる受診時が初診日になります 生まれつきの知的障害は 後で説明するように 初診日の証明なしでも請求できます 5

2 初診日に その年金制度の加入者だった ( 例外あり ) 加入要件 と呼ばれます 初診日に加入していなければ 公的年金制度による障害年金は 基本的には もらえません ( 労災保険による年金は別 ) だから 体調が悪いけど 退職して時間ができてから医者にかかろう というのは大間違い 勤めている時に受診しないと 障害厚生年金をもらえずに大損するかもしれません 加入状況は年金手帳で一応わかりますが 念のため 基礎年金番号をもとに確認しましょう 基礎年金番号は 国民年金 厚生年金 共済組合といった すべての公的年金制度に共通で 一人に一つの番号です ネットでも照会は可能です ねんきんネット日本年金機構の年金事務所または年金相談センターに出向いても 照会してもらえます 国民 年金だけとわかっているなら 市町村の年金担当課でもかまいません <20 歳前の障害 > 国民年金の加入対象は 20 歳以上 ~60 歳未満で国内に住所がある人です (2012 年 7 月 9 日以降は 日本に 3 か月を超えて合法的に在留する外国人を含む ) 初診日が20 歳より前だった場合は どうなるのでしょうか 国民年金に未加入で 保険料を納めていないわけですが 20 歳になった後に請求して 1 級 2 級の障害にあてはまれば 障害基礎年金が支給されます 障害者が無年金になるのを防ぐための福祉的な支給です ( 本人の所得が一定額より多い場合は半額または全額の支給停止 ) 先天性の知的障害は 生まれた日が初診日とされます 一方 発達障害も生まれつきですが こちらもなぜか 実際に診療を受けた初診日の証明が求められます ( 初診が20 歳より後なら通常の保険加入に基づく障害年金になる ) その他の先天性障害 難病や幼少時の病気 けがも 実際の初診日の証明が必要です 子どもの時から年数がたって 書類による初診日の証明が難しいことも多いので 親族以外の複数の人の証言で20 歳前の受診が認定されることもあります 一方 初診日に 20 歳未満でも すでに勤めていて厚生年金に加入していれば 成人と同様に 障害厚生年金が支給されます (1 級 2 級は障害基礎年金もセット ) <60 歳以上の障害 > 初診日が 60 歳以上 65 歳未満のときは 国民年金の加入者とみなされます 70 歳未満で国 民年金に任意加入している時も加入要件を満たし 障害基礎年金の請求は可能です ただし 老齢基礎年金の受給権を得ていないことと 初診日に国内に住所があることが受給の条件です 6

また 厚生年金保険は 適用事業所の常用労働者なら 70 歳未満まで強制加入なので 初診 日が 70 歳より前なら 通常と同様に障害年金を請求できます もし老齢基礎年金の受給権を 得ている場合は 上乗せ部分の障害厚生年金だけを請求できます 3 保険料の未納期間が一定以下である 納付要件 と呼ばれます これが問われるのは国民年金の部分ですが クリアしないと障害 厚生年金ももらえません 2 種類のパターンのどちらかを満たせば 大丈夫です < 初診の前々月までの加入期間のうち 保険料の未納期間が 3 分の 1 未満 > 逆に言うと 保険料の納付期間と免除期間が合わせて 3 分の 2 以上あればよいのです 納付期 間には 厚生年金や共済の加入期間が含まれます 免除期間には 低所得などによる法定免除 申請免除のほか 学生納付特例 若年者猶予 (30 歳未満 ) の期間も含まれます ( ただし 19 91 年 3 月までの学生期間は任意加入だったので 分母からも分子からも除外して計算する ) <65 歳未満で 初診日の前々月までの直前 1 年間に未納がない > 最初のパターンをクリアできないときの救済措置として設けられている方式です 納付期間 免除期間の考え方は 先ほどと同じです どちらの納付要件を用いる場合でも 初診日の前日 にクリアしている必要があります つま り 病気やけがで受診した後に あわてて過去の保険料を納めても 障害年金はもらえません 現在の制度上は 後の祭りです だから 保険料を未納にしていると まずいのです 4 初診日の 1 年 6 か月後 またはその前の症状固定日に 障害等級にあてはまる状態だった 障害状態要件 と呼ばれます 一般的には 初診日の 1 年 6か月後が 障害認定日 になり その時点で障害等級にあてはまるかどうかが判定されます 体の一部を失ったとき 体内に一定の機器を入れたときは 症状固定が明らかなので その時点 人工透析は受け始めて3か月を過ぎると 障害認定日になります どちらも障害認定日から 3 か月以内の状態について 医師の診断書が必要です 認定されるよ うな書き方をしてもらうことが 重要なポイントです 障害年金の受給権は 障害認定日から有効です 厚生年金保険の加入者なら 健康保険による 傷病手当金の支給が最長 1 年 6 か月なので その後を障害年金につなげるわけです 請求から 支給まで 3 か月以上かかるので 先に障害年金を請求しましょう 7

< 遡及そきゅう請求 > 請求は 5 年前の分までさかのぼってできます 障害認定日から 1 年を過ぎて請求する場合は 現在の状態の診断書も必要です 障害認定日より 5 年以上遅れると 古い分から毎月 時効に なっていくので 早めに手続きをしましょう < 事後重症の請求 > 当初は症状が軽く 後から障害等級にあてはまる状態になった場合も請求できます 重症にな った時点から 3 か月以内の診断書を添えます この場合も初診日の証明は必要です また 事 後重症の場合は過去にさかのぼった請求ができず 年金の支給は請求の翌月分からになります < 別の障害が加わって支給対象になる > 最初の障害の程度が軽く 後から別の種類の障害が加わって 両方を合わせると年金支給対象 の障害等級になるときは 後発の障害 ( 基準傷病 ) の初診日 障害認定日をもとに請求します この場合も過去にさかのぼった給付は行われず 年金の支給は請求の翌月分からです ややこしそうなときは社労士に依頼する障害年金を請求できるのは基本的に 65 歳未満です ひとりの年金は 1 種類 が原則なので 障害 老齢 遺族の複数の年金を請求できるときは いずれかを選択します ( 障害基礎年金 + 老齢厚生年金といった組み合わせは可能 ) 以上の説明は 現行法の対象になる場合 ( 障害認定日が 1986 年度以降 ) です それより前 は適用される制度が違ってきます 基本的なことでわからない点は 年金機構の電話相談を利用しましょう 年金相談ダイヤル 0570 05 1165 (050 で始まる電話からは 03 6700 1165) 実際の請求には 病歴 就労状況等申立書 なども必要で 手続きはやっかいです 医療機関や福祉事業所によっては ソーシャルワーカーがやってくれますが 昔にさかのぼる請求や等級の認定が微妙と思われるときなどは 障害年金に詳しい社会保険労務士に依頼するほうが賢いでしょう 費用は 着手金が数万円または無料 交通費などは実費 成功報酬が年金の2か月分 または遡及請求で支給された総額の10% といった設定が多いようです 年金機構の決定に不満があれば 行政不服申し立て ( 審査請求 再審査請求 ) や行政訴訟もで きます 再審査請求までは社労士が代理できます 原昌平 ( はら しょうへい ) 読売新聞大阪本社編集委員 1982 年 京都大学理学部卒 読売新聞大阪本社に入社 京都支局 社会部 科学部デスクを経て 2010 年から編集委員 1996 年以降 医療と社会保障を中心に取材 精神保健福祉士 2014 年度から大阪府立大学大学院に在籍 ( 社会福祉学専攻 ) 大阪に生まれ ずっと関西に住んでいる 好きなものは山歩き 温泉 料理 SF など 編集した本に 大事典これでわかる! 医療のしくみ ( 中公新書ラクレ ) など コラムへの意見 質問などはこちら ( t-yomidr2@yomiuri.com ) どの執筆者に宛てたものかをメールのタイトル等に書いてください 8