再任用と年金加入の関係をまとめると次のようになる ( 都道府県によって勤務形態は異なる ) 再任用の勤務形態フルタイム勤務 3/4 1/2 週の勤務時間 38 時間 45 分 29 時間 19 時間 15 分 共済年金 厚生年金 (2016 年 9 月 30 日まで ) 加入する年金 (2015 年

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表 2 イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けることができます 支給要件 a 組合員期間が1 年以上あること b 組合員期間等が25 年以上あること (P.23の表 1 参照 ) c

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他の所得による制限と雇用保険受給による年金の停止 公務員として再就職し厚生年金に加入された場合は 経過的職域加算額は全額停止となり 特別 ( 本来 ) 支給の老齢厚生年金の一部または全部に制限がかかることがあります なお 民間に再就職し厚生年金に加入された場合は 経過的職域加算額は全額支給されますが


第14章 国民年金 

(2) 被用者年金の一元化によって変わったこと 平成 27 年 10 月から 公務員等が加入している共済年金が 民間企業に勤務する人が加入している厚生年金に統一されました 一元化後も 納めた保険料に応じて年金を受け取るという基本的なしくみは同じですが 保険料や年金額の算定方法が変わります また 共済

[ 組合員期間等の特例 ] 組合員期間等については 年齢 職種などにより 過去の制度からの経過措置が設けられており 被用者年金制度の加入期間 ( 各共済組合の組合員期間など ) については 生年月日に応じて次表の年数以上であれば 組合員期間等が 25 年以上とみなされます 生 年 月 日 組合員期間

平成 27 年 10 月から全国市町村職員共済組合連合会 ( 以下 市町村連合会 1 ) が年金の決定 支払いを行います ~ 各種届出等の手続き及び各種相談は 今までどおり共済組合で行います ~ 平成 24 年 8 月 22 日に公布された 被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部

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(2) 国民年金の保険料 国民年金の第 1 号被保険者および任意加入者は, 保険料を納めなければなりません また, より高い老齢給付を望む第 1 号被保険者 任意加入者は, 希望により付加保険料を納めることができます 定額保険料月額 15,250 円 ( 平成 26 年度 ) 付加保険料月額 400

現在公的年金を受けている方は その年金証書 ( 請求者及び配偶者 請求者名義の預金通帳 戸籍謄本 ( 受給権発生年月日以降のもの ) 請求者の住民票コードが記載されているもの ( お持ちの場合のみ ) 障害基礎年金 受給要件 障害基礎年金は 次の要件を満たしている方の障害 ( 初診日から1 年 6か

MR通信H22年1月号

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被用者年金一元化 被用者年金一元化と 在職支給停止 について 2015 年 10 月 1 日から被用者年金 ( 共済年金と厚生年金 ) が一元化されました 退職してすぐに年金の受給が始まるわけではありません 今年度末定年退職者は 62 歳になってはじめて 特別支給の厚生年金 ( 旧 特別支給の共済年金 に相当 ) の受給権が発生します 今後の経過は次の図のとおりです (65 歳になるといわゆる 満額 の 老齢厚生年金 ( 旧 退職共済年金 に相当 ) 受給権が生じます 特別支給の老齢厚生年金 ( 旧 特別支給の退職共済年金 ) とは基本的には 満額年金から基礎年金を除いた部分 ( 報酬比例 2 階部分と 職域加算 3 階部分 ) と考えれば良いでしょう ( 加給年金や経過的加算は略 - 以下同 ) なお 同じ厚生年金でも旧共済年金からの厚生年金は 3 号厚年 もともとの厚生年金は 1 号厚年 といいます 無年金 特別支給の老齢厚生年金 ( 旧称退職共済年金 ) 老齢厚生年金 ( 旧称退職共済年金 ) 年齢 65 64 63 62 61 今年度退職者 60 59 58 57 56 55 54 生年月日 1950.4.2~1951.4.1 (S25.4.2~S26.4.1) 1951.4.2~1952.4.1 (S26.4.2~S27.4.1) 1952.4.2~1953.4.1 (S27.4.2~S28.4.1) 1953.4.2~1954.4.1 (S28.4.2~S29.4.1) 1954.4.2~1955.4.1 (S29.4.2~S30.4.1) 1955.4.2~1956.4.1 (S30.4.2~S31.4.1) 1956.4.2~1957.4.1 (S31.4.2~S32.4.1) 1957.4.2~1958.4.1 (S32.4.2~S33.4.1) 1958.4.2~1959.4.1 (S33.4.2~S34.4.1) 1959.4.2~1960.4.1 (S34.4.2~S35.4.1) 1960.4.2~1961.4.1 (S35.4.2~S36.4.1) 1961.4.2~1962.4.1 (S36.4.2~S37.4.1) 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 H27 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 H38 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 退職後の再就職退職後 再就職し 共済組合員になったり 厚生年金被保険者になると 賃金や年金の額によっ て 支給される年金の一部が支給停止になることがある ( 被用者保険の被保険者にならなければ いくら収入があっても支給停止はない ) これを 在職老齢年金 ( 在職退職年金 ) という

再任用と年金加入の関係をまとめると次のようになる ( 都道府県によって勤務形態は異なる ) 再任用の勤務形態フルタイム勤務 3/4 1/2 週の勤務時間 38 時間 45 分 29 時間 19 時間 15 分 共済年金 厚生年金 (2016 年 9 月 30 日まで ) 加入する年金 (2015 年 10 月 1 日以降は厚生年金 3 号 (2015 年 10 月 1 日以降は 1 号厚生年 加入せず (2016 年 10 月 1 日以降 ) 厚生年金 ) 金 ) 加入せず 加入する医療保険共済組合協会けんぽ 共済組合の任継 市区町村 の国保など 雇用保険加入する加入する加入せず 2016 年 10 月以降は 年金機能強化法により ( 1) 週所定労働時間 20 時間以上 ( 2) 賃金月額 8.8 万円以上 ( 年収 106 万円以上 ) ( 3) 勤務期間 1 年以上 ( 見込み ) をいずれも満たす場合 厚生年金に加入することになる ( なお 民間においては 当分の間は従業員が 501 人以上の事業所が対象とされる )1/2 再任用は 19 時間 15 分勤務なのでこれには該当しない ( 雇用保険も 20 時間以上とされており これに満たない 1/2 再任用は加入していない ) 再就職による年金の一部支給停止 (1) 一元化前の在職支給停止 (2015 年 9 月 30 日まで ) 地方公務員が 60 歳の定年後 再任用でフルタイム勤務をすると 共済組合の組合員になり 在職共済年金は年齢に関わらず低在老方式 1 が適用になる 支給停止 ( 調整 ) になるのはいわゆる 2 階部分 ( 厚生年金相当部分 ) ( いわゆる 3 階の職域年金相当部分は共済組合員期間中は支給停止 ) 一方 短時間勤務 (4 分の 3 勤務など ) の再任用や民間企業に再就職し 厚生年金保険の被保険者になった場合には 65 歳未満であっても 65 歳以上であっても 高在老方式 2 が適用される ( 職域年金相当部分は 厚生年金部分が全額支給停止になったとしても支給される ) 1 低在老方式 65 歳未満の年金受給権者に対する在職老齢年金年金 ( 基本月額 3) と賃金 ( 総報酬月額相当額 4) の合算額が 28 万円を超えた場合に 年金額の支給停止が行なわれる ( 計算方法 5) 2 高在老方式 65 歳以上の年金受給権者に対する在職老齢年金年金 ( 基本月額 ) と賃金の合算額が 47 万円を超えた場合に 超えた額の 1/2 の額が年金額から支給停止される ( 計算方法 6) 3 基本月額基本月額 ( 退職共済年金のうち職域年金相当部分 加給年金額及び経過的加算額を除いた額と 老齢厚生年金のうち加給年金額及び経過的加算額を除いた額との合算額 ) 4 総報酬月額相当額総報酬月額相当額 =その月の標準報酬月額 +その月以前の直近 1 年間の標準賞与額の総額 12

(2) 一元化後の在職支給停止 (2015 年 10 月 1 日から ) 一元化後の在職年金の支給停止の方法は次の手順による 1 共済年金と厚生年金 ( 受給資格があれば ) の基本月額 3 を合算する 2 合算した基本月額と総報酬月額相当額で 支給停止額計算する ( この計算は通常の低在老 高在老と同じ ) 一元化の施行日 (2015 年 10 月 1 日 ) をまたいで在職している受給者 ( 生年月日が 1954 年 9 月 30 日以前の人 ) については激変緩和を適用 3 計算された支給停止額を 共済年金の基本月額の額と厚生年金の基本月額の額で按分してそれぞれの支給停止額を算出する 4 一元化後は ( 特別支給の ) 退職共済年金 は ( 特別支給の )3 号厚年 となるが 職域年金相当部分は支給停止 ( 1 号厚年 被保険者の場合は支給停止の対象外 ) 5 低在老方式の計算方法例 年金 ( 月額 ) + 賃金 ( 月額 ) = 年金と賃金の合算額 K S G 基本月額 ( 上記 3) 総報酬月額相当額 ( 上記 4) G が 28 万円を超えた場合 (G が 28 万円以下の場合は 年金の支給停止はない ) 1 K( 年金 基本月額 ) が 28 万円以下で S( 賃金 総報酬月額相当額 ) が 47 万円以下の場合 { 年金額 K 円 + 賃金 S 円 - 28 万円 } 2 = すべての年金の停止額 T 円 ( これを按分 ) 3 K( 年金 基本月額 ) が 28 万円以下で S( 賃金 総報酬月額相当額 ) が 47 万円を超えた場合 {47 万円 + 年金額 K 円 - 28 万円 } 2 + { 賃金 S 円 - 47 万円 } = すべての年金の停止額 T 円 ( これを按分 ) 在職老齢年金の停止月額 (2 階部分 ) 基本月額 (K) と総報酬月額相当額 (S) の組み合わせにより 次の表に当てはめて計算される ( 単位万円 ) 支給される年金額は 基本月額(K) から停止額 (T) を差し引いた額 K( 年金 基本月額 ) 28 万円 28 万円 <K( 年金 基本月額 ) S( 賃金 総報酬月額相当額 ) 47 万円 1 (K+S-28) 1/2 2 S 1/2 47 万円 <S( 賃金 総報酬月額相当額 ) 3 (K+47-28) 1/2 +(S-47) 4 47 1/2+(S-47) 6 高在老方式の計算方法 年金と賃金の合算額が 47 万円を超えた場合に 超えた額の 1/2 の額が年金額から支給停止される 1 年金と賃金を合算して 47 万円以下の場合は 年金の支給停止はない

2 国民年金の老齢基礎年金は停止の対象にならない 3 退職共済年金のほかに 老齢厚生年金や私学共済の年金を合算して停止額を計算する場合 それ ぞれの年金額で按分した額を停止する 70 歳以上の在職支給停止も一元化で変わる 2007(H19) 年 4 月 1 日以降 70 歳以上厚生年金適用事業に使用される人について 60 歳台後半の在職老齢年金と同様の仕組みで老齢厚生年金が支給停止となった ただし この 70 歳以上の在職支給停止の対象者は 1937(S12) 年 4 月 2 日以降生まれの人のみ (70 歳以上の在職支給停止の仕組みがスタートした 2007(H19) 年 4 月 1 日時点で既に 70 歳以上であった人は対象外 ) これも一元化で 2015(H27) 年 10 月 1 日以降は 1937(S12) 年 4 月 1 日以前生まれの人であっても 年金と賃金 ( 報酬 ) との調整の仕組みの対象となった 在職調整配慮措置 ( 激変緩和措置 ) (1) 一元化の施行日 (2015 年 10 月 1 日 ) をまたいで在職している受給者 ( 生年月日が 1954 年 9 月 30 日以前の人 ) については激変緩和が適用される ( 対象ケースは [ 参考 ] 参照 ) 3/4 勤務の再任用者は厚生年金保険に加入している 65 歳未満の人で本年 9 月 30 日までに 特別支給の共済年金 を受給している人は 10 月 1 日に高在老方式から低在老に切り替わる その人は激変緩和措置が適用される (2) 在職調整配慮措置 ( 激変緩和措置 ) 1 配慮措置 ( 激変緩和措置 ) は 一元化の施行日 (2015 年 10 月 1 日 ) をまたいで在職してい る年金受給者 ( すでに年金を受給している人 ) に適用される 2 65 歳未満の年金受給者の場合 原則として ア : 一元化による停止額の増加は 収入 ( 賃金 + 年金 ) の 10% を上限とする支給停止額 =( 年金 基本月額 + 賃金 総報酬月額相当額 - 一元化前の支給停止額 ) 10% + 一元化前の支給停止額 イ : 一元化による停止額の増加は 収入 ( 賃金 + 年金 )-35 万円を上限とする支給停止額 =( 年金 基本月額 + 賃金 総報酬月額相当額 - 一元化前の支給停止額 ) - 35 万円 + 一元化前の支給停止額 ウ : 原則通りに計算 ( 低在老 ) して算定された支給停止額の 3 つを比較して 一番少ない額が支給停止額となる 3 65 歳以上の年金受給者の場合 高在老方式を適用するので上記アとウ ( 高在老で計算 ) を比 較し 低いほうの額が適用される 老齢基礎年金は支給停止されず 全額支給される (3) 配慮措置 ( 激変緩和措置 ) の終了次のいずれかのうち 早い時期までとなる 65 歳未満の人は 65 歳到達まで 現在の職場を退職するまで ( 厚生年金保険等の資格を喪失するまで ) 厚生年金保険等の資格喪失後に引き続いて資格取得した場合でも 再取得後の配慮措置の適用はない

今年度 3/4 勤務の再任用の人 ( 雇用期間 2016 年 3 月 31 日まで ) が来年度 (2016 年 4 月 1 日以降 ) も同じく 3/4 勤務の再任用に採用された場合 厚生年金保険の資格は引き続くか? ( 配慮措置は続くのか?) 引き続く( 資格喪失手続きはとらない ) とのこと [ 参考 ] 厚生年金と共済年金 ( 厚年 (2 階 ) 相当部分 ) の在職者に対する給付調整の扱い 厚生年金被保険者 (10.1 以降厚生年金第 1 号被保険者 ) 国 地共済組合員 (10.1 以降厚生年金第 3 号被保険者 ) 64 歳 65 69 歳 70 歳 64 歳 65 69 歳 70 歳 退職共済年金〇 ( 国 地共済 ) ( 例 1) 〇 〇 〇 〇 老齢厚生年金 〇〇 ( 例 2) 〇 ( 例 3) ( 凡例 ) : 給付調整なし 〇 : 厚年高在老方式 : 厚年低在老方式 〇 ( 例 3) ( 注 ) 網掛け部分が一元化により 停止額が増えるケ一ス ( 配慮措置対象 ) 〇 〇 配慮措置は資格喪失までで その後の資格再取得後は配慮措置無し 例 1: のケース(65 歳未満 ) 公務員を定年退職し 一元化前に特別支給の退職共済年金をもらいながら 3/4 再任用や民間等に再就職し 厚生年金被保険者の間に 2015(H27).10 の一元化になったような場合例 2: のケース(65 歳未満 ) 民間を定年退職し 一元化前に老齢厚生年金をもらいながら共済組合員資格を取得し 組合員の間に 2015(H27).10 の一元化になったような場合例 3: 〇 のケース (65 歳以上 ) 上記例 2 のケースで 65 歳 69 歳または 70 歳 の間に 2015(H27).10 の一元化になったような場合 ( )65 歳以上で配慮措置の対象となるケース : 今まで停止されなかったが新たに停止されたケース (70 歳以上在老の適用対象外であった者を含む )