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目次 1) 本ガイドの目的... 3 2) System x3550 M3 と x3550 M5 の比較ポイント... 3 CPU コア数の増加... 4 仮想化支援技術の性能向上... 4 メモリモジュールの大容量化... 5 低消費電力化... 5 ストレージの大容量化と搭載可能数の増加... 5 SSD の低コスト化と高信頼化... 5 3) SQL Server を使用したベンチマーク比較... 6 ベンチマークに使用した検証環境... 6 使用したハードウェア... 6 使用したソフトウェア... 7 ネットワーク... 7 HammerDB を使用したベンチマークの検証方法... 7 System x3550 M5 のストレージ構成の変更... 8 HammerDB を使用したベンチマークテスト結果... 8 4) 結果の考察... 9 5) まとめ : サーバーハードウェア選定のポイント... 9 CPU... 10 メモリ... 10 ストレージ... 10 2

1) 本ガイドの目的 2015 年 7 月にWindows Server 2003のサポート停止 (EOS:End Of Support) を迎えることもあり サーバーのリプレースを検討しているユーザーも多いでしょう しかし 最近のサーバーハードウェアは技術的な進展がめざましいため 何がどのように変化したのか どのような点を考慮してサーバーを選択すればよいか迷ってしまうことも多いのではないでしょうか 本ガイドでは System x3550 M3と最新のサーバーであるSystem x3550 M5に対して ベンチマークテストなどを交えて比較し 選択のポイントを解説します 比較するハードウェアは以下のものを選択しました System x3550 M3 サイズ :1U CPU:Intel Xeon X5650(2.66-3.06GHz/6コア12スレッド /12MB/95W) 2 メモリ :12GB ストレージ :146GB SAS HDD(15k RPM) 4 RAID 5 System x3550 M5 サイズ :1U CPU:Intel Xeon E5-2690 v3(2.60-3.5ghz/12コア24スレッド /30MB/135W) 2 メモリ :96GB ストレージ :600GB SAS HDD(15k RPM) および 200GB/400GB SSD 構成は各種 2) System x3550 M3 と x3550 M5 の比較ポイント 両サーバーを比較して 最新のサーバーハードウェアの特長を解説します System x3550 M3は2010 年 4 月に販売が開始されており Windows Server 2003 発売当時よりも新しいサーバーです それ以前のサーバーでは その差が更に顕著になっていると考えれば良いでしょう 3

System x M5 について System x M5 は 2014 年 9 月 11 日国内発表された最新の x86 サーバーです より高いセキュリティー 効率性 信頼性が特徴です CPU コア数の増加 CPUの変化で最も大きいのが プロセッサあたりのコア数の増加でしょう CPUコアはCPUの主な機能である演算処理を行う部分ですが 以前は CPUは1プロセッサあたり1コアだったため サーバーに搭載されているプロセッサの数がコア数となり そのままサーバーの演算処理性能でした しかし プロセッサに複数のコアを実装する マルチコア化 が進展し サーバー 1 台あたりのCPU 性能が大幅に向上しています System x3550 M3が搭載しているIntel Xeon X5650では6コア System x3550 M5が搭載しているIntel Xeon E5-2690 v3では12コアとなっています どちらも1Uサイズのサーバーですので 単純にCPU 処理性能が2 倍になっていると考えてもいいですし 旧型のシングルコアプロセッサを搭載したサーバーに比べれば同じ1Uサイズで10 倍以上のCPU 性能差があります CPUコア数が増加したことにより Javaなどで開発されたアプリケーションや仮想マシンを複数同時に実行させることができるようになりました 仮想化支援技術の性能向上 CPUコア数の増加により 1 台のサーバーで複数の仮想マシンを動作させる サーバー仮想化 の利用が普及しましたが CPUに搭載された 仮想化支援技術 の性能が向上したこともサーバー仮想化がより利用しやすくなった理由の一つとして挙げられます サーバー仮想化では CPUやメモリ 各種 I/Oを仮想マシン間で共有するため 仮想マシンの実行の切り替えが頻繁に発生します これらの切り替えに必要となる処理をハードウェア的に実行するのが仮想化支援技術の役割です 以前は切り替え処理をソフトウェア的に実行していたため オーバーヘッドと呼ばれる性能低下が発生していましたが 仮想化支援技術によりオーバーヘッドが大幅に軽減され 性能低下も少なくなりました これにより 既存の物理サーバーを仮想マシンに変換してサーバー台数を少なくする 仮想化統合 も行いやすくなっています 4

メモリモジュールの大容量化 1 枚あたりのメモリモジュールが大容量化することにより サーバー 1 台あたりに搭載できるメモリ容量が大幅に増加しました メモリは アプリケーションや仮想マシンの実行に必要となるのはもちろん ストレージのキャッシュとしてI/Oを高速化したり データベースのデータ処理領域として使用するなど システムの高速化に大きく貢献します 低消費電力化 CPUやメモリの消費電力が低下したこと 搭載している電源の変換効率が良くなったことなどから サーバーの消費電力が低下しました 同時に発熱量も低下しているため マシンルーム内の空調に必要となる電力も削減されることになります ストレージの大容量化と搭載可能数の増加ハードディスク1 台あたりの容量が増加したことで サーバーに搭載できるストレージ容量が大幅に増加しました また 1Uサイズのサーバーに搭載できるハードディスクの数がSystem x3550 M3では標準で4 台 ( 最大 8 台 ) だったのに対して System x3550 M5では標準で8 台 ( 最大 12 台 ) と2Uサイズのサーバー並みに増加しています そのため 大容量のファイルサーバーやデータベースの構築も容易になっています SSD の低コスト化と高信頼化ハードディスクはサイズの小さいデータを大量にやり取りする処理は苦手としています これはファイルサイズが小さいファイルサーバー データベース メールサーバーなどの処理性能に影響します 不揮発性メモリであるフラッシュメモリを利用したSSDを活用すれば この課題を解決できます 以前は SSDはコストが高い 信頼性が低いと考えられていましたが 現在ではコストは大幅に下がり またエンタープライズレベルで使用できる信頼性の高いSSDが利用できるようになりました System xではintel が提供するデータセンターグレードの高信頼性 SSDが選択できます SSDはハードディスクの代わりとして高速なストレージとして利用することもできますし System xが搭載しているraidコントローラー ServerRAID では SSDキャッシュ機能として CacheCade を備えているので SSDを大容量のストレージキャッシュとして利用することもできます 増加したストレージのスロットにキャッシュ用のSSDを搭載することもできるでしょう 5

3) SQL Server を使用したベンチマーク比較 サーバーハードウェアが新しくなることによるメリットの一つとして 1 台のサーバーに搭載可能なストレージ数が増加している点が挙げられます ストレージ性能は搭載されているハードディスクの数が増えるごとに高速化されるので データベースのようなストレージ性能が要求されるアプリケーションをサーバー上で動作させる際には できるだけ沢山のハードディスクを搭載する必要があります また SSDを利用することで より高い性能を発揮することができます 今回は Windows Server 上で動作するデータベース SQL Server を利用して ストレージ性能がどのようにデータベース性能に影響するかを ベンチマークツールを使って検証しました ベンチマークに使用した検証環境 ベンチマークテストを行うにあたり 使用した検証環境は以下の通りです 使用したハードウェアサーバー System x3550 M3 CPU:Intel Xeon X5650(2.66-3.06GHz/6コア12スレッド /12MB/95W) 2 メモリ :12GB RAIDコントローラー :ServeRAID-M5015 ストレージ :146GB SAS HDD(15k RPM) 4 RAID 5 System x3550 M5 CPU:Intel Xeon E5-2690 v3(2.60-3.5ghz/12コア24スレッド /30MB/135W) 2 メモリ :96GB RAIDコントローラー :ServeRAID-M5210 ストレージ : 構成は以下の通り SSDはS3700 SATA MLC Enterprise SSDを使用 600GB SAS HDD(15k RPM) 7(RAID 5)+400GB SATA SSD( キャッシュ ) 200GB SATA SSD 3(RAID 5) 6

各サーバーのハードウェアは ハードウェアレベルの設定を実施し 最大パフォーマンスで動作するように設定しています クライアント System x3550 M3 CPU:Intel Xeon X5680(3.33-3.6GHz/6コア12スレッド /12MB/130W) 2 メモリ :12GB ストレージ :146GB SAS HDD(10k RPM) 2 RAID 1 使用したソフトウェアサーバー System x3550 M3 Windows Server 2003 R2 SP2 x64 Edition(64ビット版 ) SQL Server 2008 System x3550 M5 Windows Server 2012 R2(64ビット版 ) SQL Server 2014 クライアント Windows Server 2012 R2(64ビット版 ) HammerDB Release 2.17 for Windows 64-bit ネットワーク サーバーとクライアントは 1Gbps のネットワークで接続されています HammerDB を使用したベンチマークの検証方法 データベースの標準的なベンチマークであるTPC-Cをベースにしたトランザクションを実行するベンチマークツールです 今回のベンチマークでは ベンチマーク用データベースのサイズであるWarehouseの値を10に設定して初期化を行い ユーザー数を100に設定してベンチマークを行いま 7

した 結果は処理することができた1 分間あたりのトランザクション (TPM:Transactions Per Minute) と 処理できた発注処理 (NOPM:Number of Orders Per Minute) を測定しています TPMは検索処理と更新処理の両方を含み NOPMは更新処理を表していると考えると良いでしょう System x3550 M5 のストレージ構成の変更 System x3550 M5のストレージ構成を以下のように変更してテストしました A) HDD 7 台によるRAID 5+キャッシュ用 SSD( 読み書きキャッシュ Write Back(W/B)) B) SSD 3 台によるRAID 5 HammerDB を使用したベンチマークテスト結果 SQLStress を使用したベンチマークテストの結果は以下の通りです 2000000 1800000 1804482 1600000 1400000 1380092 TPM/NOPM 1200000 1000000 800000 600000 400000 200000 948878 206155 298997 392671 0 x3550 M3(HDDx4) x3550 M5 (HDDx7,W/B) x3550 M5 (SSDx3) TPM NOPM x3350 M3(HDDx4) x3350 M5(HDDx7, W/B) x3350 M5 (SSDx3) TPM 948,878 1,380,092 (+45.4%) 1,804,482 (+90.1%) NOPM 206,155 298,997 (+45.0%) 392,671 (+90.4%) ( カッコ内は x3350 M3を1としたときの性能向上率 ) 8

HammerDBのベンチマーク内容がベースにしているTPC-Cは検索と更新の両方の処理を行うため HDDの台数が多くSSDキャッシュを使用している構成では 45% の性能向上 SSDでRAIDを構成しているSystem x3550 M5の方が90% の性能向上と 良い結果となっています 4) 結果の考察 今回のベンチマークでは 更新系トランザクションによって発生するストレージの書き込み性能によって結果に差が出ています SSD キャッシュの効果読み書きキャッシュ (Write Back) は 書き込みが遅いハードディスクに書き込まず 高速に書き込めるSSDキャッシュに書き込んですぐに処理を完了できます SSDキャッシュに書き込まれたデータは 順次ハードディスクに書き込まれていきます そのため ハードディスクへの書き込みが行われる前にSSDに障害が発生してしまうと データは失われてしまいます SSDキャッシュとSSDのみの構成を比較すると SSDのみの構成の方が高速です SSD キャッシュではデータはハードディスクに保管されているので SSDキャッシュに乗っていないデータはまずハードディスクから読み込む必要があります また SSDキャッシュに書き込まれたデータはハードディスクに書き込まなければなりません これらの処理はハードディスクの性能で行われるので すべての読み書き処理がSSDで行われる場合に比べて性能的に劣ることになります まとめ : サーバーハードウェア選定のポイント 本レポートのまとめとして これからサーバーハードウェアを選定するためのポイントをまとめて解説します 9

CPU マルチコア化したCPUをフルに活用するには 複数の処理を同時並行に実行しなければいけません アプリケーションの設定を変更したり 仮想マシンを同時並行で実行するようにするなどのシステム設計が必要になります 同時実行処理がそれほど必要ないのであれば CPUコア数の少ないプロセッサを選択してもよいでしょう メモリメモリモジュールあたりのメモリ容量が大きくなっていますが Intel Xeon E5-2600 v3でメモリ性能を最大に発揮させるには4 枚単位で増設する必要があります もちろん 4 枚単位ではなく メモリ1 枚からでも動作します 必要となるメモリ容量や 今後メモリ増設が必要になるかなどを考慮して搭載するメモリモジュールの容量と枚数を検討します メモリはプロセッサ単位で搭載するため メモリを大量に搭載する場合にはプロセッサも同時に増設する必要がある点にも注意してください ストレージ搭載可能なハードディスクの数が増えたため 台数や容量の制限に悩む必要が無くなりました ハードディスク毎の容量と台数のバランスを取りながらRAIDを構成できるでしょう 性能を向上させるには 以前はRAID 1+0の構成を取る必要がありましたが SSDキャッシュを利用する方法も選択できます SSDキャッシュは読み取り専用より 読み書きキャッシュとして構成した方が効果があります しかし キャッシュに利用しているSSDに障害が発生するとデータが失われてしまう可能性があるので SSDを2 台搭載してRAID 1 構成にしておくと耐障害性が高まります SSDキャッシュは後から追加することもできるので スロットを2つ余らせておいて性能が必要になった時に追加しても良いでしょう より高速なストレージが必要ならば SSD のみで RAID を構成することもできます 10