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第1章

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1 1. 課税の非対称性 問題 1 年をまたぐ同一の金融商品 ( 区分 ) 内の譲渡損益を通算できない問題 問題 2 同一商品で 異なる所得区分から損失を控除できない問題 問題 3 異なる金融商品間 および他の所得間で損失を控除できない問題

マーケット フォーカス経済 : 中国 2019/ 5/9 投資情報部シニアエコノミスト呂福明 4 月製造業 PMI は 2 ヵ月連続 50 を超えたが やや低下 4 月 30 日 中国政府が発表した4 月製造業購買担当者指数 (PMI) は前月比 0.4ポイントの 50.1となり 伸び率がやや鈍化し

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平成 21 年 9 月 5 日 角山智 投資環境レポート (2009 年 9 月 ) 1. 主な株価指数 8 月は 中国株が大幅に値下がりしました 反面 出遅れていた英国株が好調です 市場 日本株 日本新興市場 J-REIT 米国株 英国株 中国株 ( 指数 ) (TOPIX) (JASDAQ) (

つのシナリオにおける社会保障給付費の超長期見通し ( マクロ ) (GDP 比 %) 年金 医療 介護の社会保障給付費合計 現行制度に即して社会保障給付の将来を推計 生産性 ( 実質賃金 ) 人口の規模や構成によって将来像 (1 人当たりや GDP 比 ) が違ってくる

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今回の金融政策報告書では 米国内の投資活動が弱いために輸出が想定ほど伸びていないとしながらも 金融業などサービス関連の好調さを示す分析や 商品価格下落がカナダ企業の投資活動を抑制する動きは底打ちしたとの指摘など カナダ景気に前向きな材料も散見されます 当面は 政策金利の据え置きを続けると見通します

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1 ( ) 4.1% 4.4% 4.% 1 ( ) 1.2%( ) 1.6% 3.8% 1( ) 5.6% 4, % 8 6.5% % 2 4.3% 47.8% 18.8% % 13 2, % 2.2% 13.% 218 ( ).

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( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 2, 15, 1. 金 16, 額 12, 12, 9, 営業利益率 経常利益率 当期純利益率 , 6, 4. 4, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 1 社 ( 単位 : 億円 ) 215 年度 216 年度前年度差前年度

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定期調査の質問のうち 代表的なものの結果 1. 日本の株価を 企業のファンダメンタルズと比較してどう評価するか 問 1. 日本の株価は企業の実力( ファンダメンタルズ ) あるいは合理的な投資価値にくらべて 1. 低すぎる 2. 高すぎる 3. ほぼ正しく評価されている 4. わからないという質問で

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[ 参考 ] 先月からの主要変更点 基調判断 3 月月例 4 月月例 景気は 急速な悪化が続いており 厳しい状況にある 輸出 生産は 極めて大幅に減少している 企業収益は 極めて大幅に減少している 設備投資は 減少している 雇用情勢は 急速に悪化しつつある 個人消費は 緩やかに減少している 景気は

先行きも高めの成長が持続 現状 : 堅調さを維持経済は 一部で弱い動きがみられるものの 堅調さを維持 弱い動きは主に耐久消費財 一部の固定資産投資 輸出の 3 分野で出現 もっとも こうした弱めの動きは限定的であり 景気を大きく下押しするほどのマイナス影響は顕在化せず 実際 工業生産や輸入は堅調な伸

輸送量 (kg) 海上分担率 図 1 に 07~14 年の日本発米国向けトランジスタ輸送の海上 航空輸送量と海上分担 率の推移を示す 800, , , , , , , ,

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Economic Report ~ 海外情報 ~ 212 年 4 月 19 日全 8 頁中国 :PMI が示唆する生産 輸出の底打ち時期 経済調査部齋藤尚登新田尭之工業生産は 212 年 1 月 ~2 月に 輸出は 3 月 ~ 月に底打ちか [ 要約 ] 国家統計局の製造業 PMI は 2 月の 1. から 3 月には 3.1 へと大幅に改善した一方 HSBC の製造業 PMI は 2 月の 49.6 から 3 月は 48.3 に悪化した PMI は を超えると経済の拡大を 未満だと収縮を表す 3 月は方向性が真逆となっただけでなく その差がさらに拡大した 国家統計局の PMI その季節調整済み PMI そして HSBC の PMI と 工業生産との相関を調べると 国家統計局の季節調整済み PMI との相関が最も高い これは 国家統計局の PMI と工業生産統計がともに 大企業中心であるためと考えられる 中小企業を含めた景気の実態を感じるには HSBC の PMI が優れ マクロ統計の先行きを占うのであれば 国家統計局の PMI に季節調整を施したものがより有効ということになる 国家統計局の季節調整済み PMI は 工業生産と輸出に高い相関と先行性を有する 国家統計局の季節調整済み PMI と日米欧合成 PMI という先行指標は 工業生産は 212 年 1 月 ~2 月に 輸出は同 3 月 ~ 月に底打ちし その後は改善に向かうことを示唆している 株式会社大和総研丸の内オフィス 1-676 東京都千代田区丸の内一丁目 9 番 1 号グラントウキョウノースタワーこのレポートは投資勧誘を意図して提供するものではありません このレポートの掲載情報は信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが その正確性 完全性を保証するものではありません また 記載された意見や予測等は作成時点のものであり今後予告なく変更されることがあります 大和総研の親会社である 大和総研ホールディングスと大和証券 は 大和証券グループ本社を親会社とする大和証券グループの会社です 内容に関する一切の権利は 大和総研にあります 無断での複製 転載 転送等はご遠慮ください

2 / 8 2 つの PMI 方向性が真逆となった2つの製造業 PMI PMI は中国の月次経済指標で最も早く発表されるため 注目度が高い 広く認知されているのは 国家統計局と HSBC の PMI であるが 国家統計局の製造業 PMI は 2 月の 1. から 3 月には 3.1 へと大幅に改善した一方 HSBC の製造業 PMI は 2 月の 49.6 から 3 月は 48.3 に悪化した PMI は を超えると経済の拡大を 未満だと収縮を表す 3 月は方向性が真逆となっただけでなく その差がさらに拡大したのである 図表 1 2 つの製造業 PMI 6 6 4 4 3 製造業 PMI 国家統計局 製造業 PMI HSBC 6 7 8 9 1 11 12 ( 出所 ) 国家統計局 HSBC より大和総研作成 季節変動が大きい国家統計局のPMI 工業生産との連動性が最も高い季節調整済みの国家統計局 PMI 両者の違いは 1 国家統計局の調査対象は国有大型企業に偏っている一方 HSBC は融資先の中小企業もカバーしている 2 国家統計局の方は季節性によるブレが大きくなっている ことが指摘される 後者について 季節調整を行ってみると 確かに国家統計局の PMI の季節変動は大きい ( 図表 2) 具体的には 2 月と 7 月は低めとなる一方 3 月 4 月 そして 9 月は高めになるため 2 月から 3 月にかけては数字が大きく改善する傾向が強くなることが分かる それでは マクロ統計の先行指標として優れているのは どちらか? 国家統計局の PMI その季節調整済み PMI そして HSBC の PMI と 工業生産との相関を調べてみると (26 年 1 月 ~212 年 3 月 ) 国家統計局の季節調整済み PMI が最も相関が高いとの結果となった これは 国家統計局の PMI と工業生産統計がともに 大企業中心であるためだと考えられる 211 年以降は 生産統計の集計対象がより規模の大きい企業に変更されており ( 従来の売上 万元 2, 万元 ) この傾向はより強まっていよう 輸出との相関も国家統計局の季節調整済み PMI が最も高かった 結局のところ 中小企業を含めた景気の実態を感じるには HSBC の PMI が優

3 / 8 れ マクロ統計の先行きを占うのであれば 国家統計局の PMI に季節調整を施したものがより有効ということになる 図表 2 国家統計局と HSBC が発表する製造業 PMI と季節調整済み PMI との差 国家統計局 年 26 年 27 年 28 年 29 年 21 年 211 年 212 年 平均 1 月 -.3-1..2-1.2 -.4.7 -.3 -.2 -.3 2 月 -.7-1.3-1. -1.3.4-1.9 -.6 -.3 -.9 3 月 1.7.4.3 1.8 1.2...9.9 4 月 1.2 2.1 1.9 2.6 1. 1..3 1.4 月 -.7 -.2. -.6.1.2. -.2 6 月 -.8 -.1 -.3.1. -. -.4 -.3 7 月 -1.1-1.1 -.9-1.3 -.2 -.9 -.3 -.8 8 月 -.3 -.9 -.4 -.4. -.7. -.4 9 月 1.1 1.7 1.2 2.8 -.1.3.4 1. 1 月.1 -.3-1.1 -..2.. -.2 11 月.1.2.6-3. -.1.8 -.9 -.4 12 月. -.1. -1.9.9.1.. HSBC 年 26 年 27 年 28 年 29 年 21 年 211 年 212 年 平均 1 月 -.6 -.2 -.4 -.1 -.9.9.8 -.1 -.1 2 月 -.3 -.1.3 -.6.3 -.3 -.8. -.1 3 月 1.1 -.3 -..3-1.4 1.1 -.2 -.4. 4 月.6...8 1.1..1. 月.3.3.2.6. -.2.4.3 6 月 -.8.1.8.2. -1. -.3 -.1 7 月.1.2 -.6 1.3 -.2-1. -.6 -.2 8 月 -.3. -. -.4.8.. -.1 9 月.2 -.1.6.2.1 -.1..1 1 月 -.2 -.3.8..1.7 1.1.3 11 月 -.3.4 -.7-1.9..8-1.1 -.4 12 月 -.1 -.1 -.1-1.2..2 -.1 -.2 ( 出所 ) 国家統計局 HSBCより大和総研作成 国家統計局の製造業 PMI が示唆する生産 輸出の底打ち時期 工業生産と輸出に高い連動性と先行性工業生産は212 年 1 月 ~2 月に底打ちした可能性製造業 PMIは輸出に6 ヵ月先行 国家統計局の季節調整済み PMI は 生産と輸出の先行きにどのような示唆を与えるのであろうか 結論を先にいえば 季節調整済み PMI は 工業生産と輸出に高い連動性と先行性を有し 工業生産は 212 年 1 月 ~2 月に 輸出は 月頃に底を打ち 上向いていく可能性が高いことを示している まず 図表 3 で示したように 季節調整済み PMI は工業生産の伸びに 2 ヵ月先行させると 連動性が極めて高くなる (26 年 1 月 ~212 年 3 月の相関係数は.88) ここからは 工業生産は 212 年 1 月 ~2 月に底打ちし その後は改善に向かう可能性が高いことが示される 実際 212 年 3 月の工業生産は前年同月比 11.9% 増と 1~2 月の前年同期比 11.4% 増から 若干の改善をみせた 当然ながら回復の基調は脆弱であり さらなる預金準備率の引き下げなどの内需刺激策が待たれるところである 輸出は 季節調整済み PMI を 6 ヵ月先行させた時に 両者の相関が最も高くなる ( 図表 4) 26 年 1 月 ~212 年 3 月の相関係数は.79 だった PMI が 6 ヵ月の先行性を有するのは 受注から生産 輸出までのタイムラグが反映されていよう 輸出は 212 年 月頃に底入れし その後回復していくことが想定される

4 / 8 図表 3 統計局 PMI(2 ヵ月先行 ) と工業生産伸び率 ( 前年同月比 %) の関係 6 4 4 3 国家統計局 PMI( 季節調整済み 2 ヵ月先行 左軸 ) 工業生産伸び率 ( 右軸 ) 6 7 8 9 1 11 12 ( 注 )1~2 月の工業生産の伸び率は 1~2 月の平均 ( 出所 ) 国家統計局より大和総研作成 21 18 12 9 6 3-3 図表 4 統計局 PMI(6 ヵ月先行 ) と輸出伸び率 ( 前年同月比 %) の関係 6 4 3 2 1 4-1 4 国家統計局 PMI( 季節調整済み 6 ヵ月先行 左軸 ) 輸出伸び率 ( 右軸 ) 6 7 8 9 1 11 12 ( 注 )1~2 月の輸出伸び率は平均 ( 出所 ) 国家統計局 通関統計より大和総研作成 -2-3 -4 -

/ 8 輸出先の製造業 PMI 改善は中国の輸出にもプラス材料 輸出については 輸出先の景気動向も重要な要素である この点で 中国の主な輸出相手国 地域の PMI が回復しつつあることも 中国の輸出の先行きに対してプラス材料となろう 図表 では 中国の主な輸出相手国 地域である米国 ユーロ圏 日本 英国の製造業 PMI を中国からの輸出額でウェイト付けすることで求められる合成 PMI と 中国の輸出伸び率とを比較している 日米欧の合成 PMI は中国の輸出に 4 ヵ月程度の先行性があり (26 年 1 月 ~212 年 3 月の相関係数は.87) ここからは 中国の輸出は 212 年 3 月で底打ちし その後は伸びが徐々に高まっていくことが示唆される 以上をまとめると 国家統計局の季節調整済み PMI と日米欧合成 PMI という先行指標は 工業生産は 212 年 1 月 ~2 月に 輸出は 3 月 ~ 月に底打ちし その後は改善に向かうことを示唆している 212 年 4 月 17 日付け大和総研海外情報 中国 : 交易条件改善が業績改善を後押し では 工業企業の業績に先行性を有する M2 と交易条件は 年央までの業績底打ちとその後の改善を示していることを指摘したが これとほぼ見合いの結果となった 中国の景気は 4 月 ~6 月は底這いもしくは若干回復し 年後半以降は緩やかに回復していくと想定している 以上 図表 合成 PMI(4 ヵ月先行 ) と輸出伸び率 ( 前年同月比 %) の関係 6 6 4 4 3 合成 PMI(4 ヵ月先行 左軸 ) 輸出伸び率 ( 右軸 ) 6 7 8 9 1 11 12 ( 注 1)1~2 月の輸出伸び率は平均 ( 注 2) 合成 PMI は米国 ユーロ圏 日本 英国の製造業 PMI を 211 年の中国からの輸出額で加重平均 ( 出所 ) ブルームバーグ 通関統計より大和総研作成 4 3 2 1-1 -2-3 -4 -

6 / 8 主要経済指標一覧 211 年 1 月 11 月 12 月 212 年 1 月 2 月 3 月 実質 GDP 成長率 ( 四半期 前年同期比 %) - - 8.9 - - 8.1 鉱工業生産 ( 前年同月比 %) 13.2 12.4 12.8 11.4 11.9 固定資産投資 ( 前年累計比 %) 24.9 24. 23.8 21. 2.9 不動産開発投資 ( 前年累計比 %) 31.1 29.9 27.9 27.8 23. 小売総額名目 ( 前年同月比 %) 17.2 17.3 18.1 14.7.2 小売総額実質 ( 前年同月比 %) 11.7 13.1 14. 1.8 11.6 消費者物価指数全体 ( 前年同月比 %). 4.2 4.1 4. 3.2 3.6 消費者物価指数食品 ( 前年同月比 %) 11.9 8.8 9.1 1. 6.2 7. 消費者物価指数非食品 ( 前年同月比 %) 2.7 2.2 1.9 1.8 1.7 1.8 工業製品出荷価格指数 ( 前年同月比 %). 2.7 1.7.7. -.3 工業生産者購入価格指数 ( 前年同月比 %) 8..1 3. 2. 1..1 新規融資額 ( 億元 ),868,622 6,4 7,381 7,17 1,112 M2 伸び率 (%) 12.9 12.7 13.6 12.4 13. 13.4 輸出 ( 前年同月比 %).8 13.8 13.3 -. 18.3 8.9 輸入 ( 前年同月比 %) 29.1 22.6 12.1 -. 4.3.3 貿易収支 ( 億米ドル ) 17.3 14.3 16.2 272.8-314.8 3. 新築不動産価格指数北京 ( 前年同月比 %) 1.7 1.3 1..1 -.4 -.8 新築不動産価格指数上海 ( 前年同月比 %) 2.9 2.4 1.8.7 -.4 -.8 商用不動産着工面積 ( 前年累計比 %) 21.7 2. 16.2.1.3 商用不動産完工面積 ( 前年累計比 %) 18. 22.3 13.3 4.2 39.3 不動産販売面積 ( 前年累計比 %) 1. 8. 4.9-14. -13.6 不動産販売金額 ( 前年累計比 %) 18. 16. 12.1-2.9-14.6 16 実質 GDP 成長率 ( 四半期ベース 前年同期比 %) 14 12 12. 1 1.3 9.6 9.8 9.7 9. 9.1 8.9 8 8.1 6 4 2 26/3 27/3 28/3 29/3 21/3 211/3 212/3 ( 出所 ) 国家統計局 中国人民銀行 通関統計より大和総研作成

7 / 8 主要経済指標一覧 ( 続き ) 鉱工業生産 ( 前年同月比 %) 固定資産投資 ( 前年累計比 %) 2 4 11.9 3 23. 1 2 2.9 9/1 1/1 11/1 12/1 ( 注 )1,2 月は2ヵ月の平均値 1 固定資産投資不動産開発投資 9/1 1/1 11/1 12/1 2 1 名目実質 小売総額 ( 前年同月比 %) 9/1 1/1 11/1 12/1.2 11.6 ( 注 1) 旧正月の時期による影響を避けるため 1~2 月の小売売上は平均 ( 注 2) 実質は名目伸び率から消費者物価上昇率を引いたもの 16 14 12 1 8 6 4 2-2 消費者物価指数 ( 前年同月比 %) CPI 全体非食品食品 -4 9/1 1/1 11/1 12/1 7. 3.6 1.8 工業製品出荷価格指数 ( 前年同月比 %) と交易条件 新規融資額と M2 2 工業製品出荷価格指数 ( 左軸 ) 工業生産者購入価格指数 ( 左軸 ) 交易条件 ( 右軸 ) 1.8 1.6 2, 新規融資額 ( 億元 左軸 ) M2 伸び率 (% 右軸 ) 3 1 1.4, 1.2.1 1..996 -.3 -.98-1.96 -.94 9/1 1/1 11/1 12/1 ( 注 ) 交易条件 = 工業製品出荷価格指数 工業生産者購入価格指数 1,, 1,112 2 13.4 1 9/1 1/1 11/1 12/1

8 / 8 1 1 貿易 4 3 2 新築不動産価格指数 ( 前年同月比 %) 北京上海 7 2 3. 1 1 Ex:8.9 Im:.3-1 1 - - -7 貿易収支 ( 億米ドル 右軸 ) 輸出 ( 前年同月比 % 左軸 ) 輸入 ( 前年同月比 % 左軸 ) 9/1 1/1 11/1 12/1-2 -3-4 - 9/1 1/1 11/1 12/1 -.8( 北京 ) -.8( 上海 ) 8 6 商用不動産着工 完工面積 ( 前年累計比 %) 新規着工面積完工面積 1 8 不動産販売 ( 前年累計比 %) 販売面積販売金額 6 4 39.3 4 2 2.3-2 -13.6-14.6-2 9/1 1/1 11/1 12/1-4 9/1 1/1 11/1 12/1 ( 出所 ) 国家統計局 中国人民銀行 通関統計より大和総研作成