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2008年6月XX日

Transcription:

景品表示法における課徴金制度導入に関する意見 1. はじめに表示は あらゆる商品 サービスにとって欠くことのできないものであり 事業者にとっても消費者にとっても欠かせない情報伝達の手段である 議論や検討が不十分なまま拙速に課徴金を導入すれば 萎縮効果によって事業者が自己の商品 サービスの魅力を伝えにくくなり 消費者にとっては商品やサービスを比較 選択するために必要な情報を得られにくくなるという事態を招きかねない 景品表示法への課徴金制度の導入については 制度設計にあたって 現行の景品表示法の性格を踏まえたうえで 事業者も交えて議論 検討すべき点が非常に多いにもかかわらず 十分な議論 検討がなされていない 景品表示法等の一部改正等法 が本年 6 月 6 日に可決した際には 透明性 公平性の確保のための主観的要素の在り方など賦課要件の明確化及び加算 減算 減免措置等について検討し 事業者の経済活動を萎縮させることがないよう配慮する との附帯決議がなされているにもかかわらず 実行されていない そのような状況下で提示された現行案には反対であり 拙速に導入すべきでない 現行の景品表示法の問題点や事業者の実務実態 日本経済に及ぼす影響等を踏まえたうえで慎重な議論を行うべきである 2. 課徴金は抑止のための最適な手段なのか なぜ不当表示が起こるのか どうすれば不当表示がなくなるのか について 事業者の実務実態を踏まえた活発な議論が行われ それを踏まえた制度設計がなされなければ 不当表示の抑止という目的を達成するような制度にはならない しかし これまでの検討過程において 事業者が検討や議論の場に主体的に参加する十分な機会は与えられておらず 課徴金制度導入という結論ありきの不十分な検討しか行われていない そもそも 不当表示を行いたくないと思っている事業者にとって 現行法における措置命令は十分に大きな影響を与えるものであり 罰則規定の適用事例がないことを考えても 課徴金を賦課することでこれまで以上の抑止効果が出るとすることには疑義がある 判断基準のあいまいさやガイドラインの制定 改定 周知のあり方など 他に検討すべき事項が多くある 3. 現行の景品表示法の性格と課徴金制度について 1) 著しく は判断基準の不明確さと行政裁量の大きさを意味する現行の景品表示法は 一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害する おそれ のある表示を禁止することにより 一般消費者の利益を保護することを目的としている 事業者による広告 宣伝等は原則として事業者の創意工夫が認められる領域であることを前提に 広告や宣伝にある程度の誇張があることを織り込み その誇張の程度が社会一般に許容される範囲を超えた場合に不当表示として禁止される 景品表示法はこれを 実際と比べて 著しく 優良または有利であると示す表示と表現しているが 社会一般に許容される範囲は 社会情勢の変化等により変化していくものであることから 著しく という限定は きわめて移ろいやすく 曖昧であり その判断は行政の裁量に委ねられている つまり 本来グレーゾーンがきわめて

広いことを前提としているのである 注意書きがあったとしても小さすぎると判断されれば不当表示になるし 注意書きがなかったとしても著しいと判断されなければ不当表示にはならない 食材図典に記載されている定義が一般消費者の認識や社会通念と一致するとは限らない このことは 同じサーモントラウトという食材について サーモン と表示してはいけないと消費者庁がガイドライン案を出したところ 社会から大きな反響があり わずか数か月の間に サケ と表示しても直ちに不当表示とならないと消費者庁の見解が変わり サーモンとの表示が不当表示にあたる旨の表記がガイドラインから削除されたことからも 避けようのない事実である ( なお サケ と サーモン が社会一般に同意語として捉えられていることは言うまでもない ) この事実を認めずに 著しく を事業者が不当表示を思いとどまるための明確な判断基準だとすることは あまりにも乱暴である 2) 不当表示の成立有無に 被害者の存在や因果関係の有無は影響しないさらに 現行の景品表示法における不当表示は その表示によって 一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害する おそれ がある と消費者庁が認められれば成立し 実際にその表示を見て商品やサービスを購入した消費者がいたかどうかや その表示を見て実際に合理的な選択を阻害されたかという 表示の結果 については 不当表示の成立有無に影響を及ぼさない つまり 不当表示と判断された場合であっても 表示と商品 サービスの購入との因果関係がなく 損害を発生させたとは言えないケースが存在しうることになる これは 市場に与える影響を個別具体的に検討したうえで違反の有無が判断されるという独占禁止法における不公正な取引方法の考え方とは明らかに性質を異にするものである 課徴金制度の導入を検討するに当たっては この点を踏まえたうえで制度設計を行う必要がある 不当表示をしたと認められる場合すべて一律に課徴金を課す制度は あらゆる不当表示について被害者が存在することや因果関係があることを事実上擬制していることになり 明らかに適切ではない 3) 措置命令は基準の曖昧さや因果関係を考慮しないことを前提としている現行の景品表示法は 不当表示があった場合に 事業者に対して 表示の差し止め 再発防止 消費者の誤認を解消するための周知 等の措置を命じることができ 事業者がそれに従わない場合には 罰則を設けている 消費者庁によれば これまで措置命令に違反して罰則を科された例は 1 件もないとのことであるが これらの制度は 上述した1) や2) の背景を前提としたものであることを考えると 妥当性がある おそれ があるから将来の誤認を防止するために表示を差し止め その旨を消費者に知らせるのである それに対し 重い制裁措置である課徴金納付命令を措置命令と同列に考えることは妥当でない 4) 課徴金制度は現行の景品表示法の性格になじまない前述のとおり そもそも景品表示法における不当表示の基準は曖昧であり 因果関係を考慮しないことから 課徴金という行政による制裁を抑止目的で導入することには無理がある 抑止のためには予め違反行為を認識したうえで それを思いとどまる機会が必要であるが 思いとどまる機会が与えられないケースも多く想定されるからである これらの背景を何ら考慮しないまま 拙速に課徴金制度を導入すべきでない

4. 対象行為について法律案の概要によれば 現行の景品表示法における優良誤認表示 有利誤認表示および不実証広告をすべて課徴金の対象とするとのことであるが 妥当でなく 反対である 現在課徴金制度が導入されている独占禁止法や 課徴金と似た制度である重加算税については 故意や悪質性が外形的に認められるような行為類型に限定し 慎重に課徴金の対象を定めている 平成 20 年に景品表示法への課徴金導入が検討された際も 故意重過失を要件とし 対象行為が限定されていたといえる にもかかわらず 現行の景品表示法に何ら手を入れないまま 対象行為や行為類型を限定することもせず 安易に課徴金制度を導入すれば 他の法制度との整合性を無視することになる 行政による裁量の余地を大幅に残したまま 抑止目的と称してあらゆる法律に課徴金制度を導入するような事態を招きかねないと危惧する 抑止を目的として課徴金制度の導入を検討するのであれば 故意重過失を要件としたり 行為自体が類型的に悪質または故意であることを擬制できるような行為は何かを議論し そのような行為のみを対象とするなど 対象を限定すべきである 5. 賦課金額の算定について 1) 対象商品または役務の売上額 について前述のとおり 現行の景品表示法において 実際にその表示を見て商品やサービスを購入したかどうかは不当表示の成立に影響しない また 不当表示を行った者が直接消費者に商品やサービスを販売したかどうかも影響しない 対象商品又は役務の売上額 に一定の率を乗じるとあるが その売上額の範囲が不明確であり 想定されるケースに応じてどの売上額を課徴金算定の対象とするか 慎重な議論が必要である たとえば 直接小売りを行っていないメーカーが自ら供給する商品のパンフレットにおいて不当表示があったとされた場合 最終的にまだ消費者に販売されていない 小売店への出荷分も課徴金算定の対象となるのか 最終使用者が事業者となる B to B 取引の売上も含むのか 不当表示が掲載されていた広告がごく一部の媒体に限られており およそ多くの取引には不当表示が影響していなかったと考えられる場合にも当該商品の売上すべてを算定の対象とするのか セール企画の広告においてセール対象範囲について不当表示があった場合に 実際に広告通りセール対象となっていた商品の取引等不当表示の内容が影響しない取引も含めてすべての売上額を算定の対象とするのかなど 疑問点が多い 制度設計に必要な議論や検討がなされておらず このような状態で拙速に課徴金制度を導入することは許されない 2) 自主申告した事業者の扱いについて法律案によれば 違反行為について自主申告した事業者に対して 課徴金額の2 分の1を減額する とのことであるが そのような場合は課徴金の減額ではなく免除とすべきである 措置命令の件数は1 年間にわずか数十件であるが 事業者が表示を行うに当たって過失による誤表示は起こりうるものであるから 実際と表示が異なっていることに気づき何かしらの対応を行う事業者はもっと多いものであると推測される そのような状況下で 誤表示に気づき自ら公表した事業者が 減額されるとしても措置命令だけでなく売り上げの一定割合を課徴金と

して納付しなければならないとなれば 公表するインセンティブが損なわれる可能性がある なお 後述の通り そもそも故意重過失が認められない限り課徴金の対象とすべきではない 6. 主観的要素について法律案によれば 事業者が 自らが注意義務を尽くしていたことの証明があったとき を例外的に課徴金賦課の対象から除外するとのことであるが 一方で 注意義務はケースバイケース としか説明がなく 事業者にとっては何の防御の機会も与えられていない そもそも現行の景品表示法における不当表示の判断基準が曖昧であることに加えて 消費者庁の裁量でその都度果たすべき注意義務の内容が変わるというのであれば 主観的要素を考慮しないということと変わらず 妥当でない さらに 課徴金納付命令という極めて重い行政処分を課すにもかかわらず 対象行為を限定せず構成要件が不明確なまま立証責任を事業者に転換するというのは 行政処分に対する執行機関の最低限果たすべき責任を放棄しており 不当である 故意重過失を要件としたり 外形的に故意重過失が認められるような行為類型を定めるなど 課徴金の対象となる行為を限定し その立証責任は行政側が負うべきである 7. 賦課手続について法律案によれば 事業者に対し 手続保障として弁明の機会を付与する とのことであるが 課徴金納付命令という極めて重い行政処分を課すのであるから 弁明の機会の付与のみでは十分な手続保障があるとは言えない 独占禁止法における課徴金制度と同様の処分前手続と処分後手続を整備すべきである 8. 被害回復について 1) 寄附による課徴金の免除について課徴金が違法行為抑止のための制裁金であるとするならば 本来国庫に帰属すべきものであって 当該不当表示と直接関係しない団体への寄附によって課徴金が免除されるという仕組みは妥当でない 別途被害回復を目的とした措置を講じる必要があるのであれば 返金や交換といった 当該不当表示にかかる消費者の被害回復に資する事業者の自主的な取り組みを促す制度とすべきである さらに消費者庁によれば 寄附金の使い道について 裁判費用を含む団体への助成金にあてるとしているが 公然性 透明性 公平性の観点から具体的にどのような手続に沿って助成事業が決まるのかについては 詳細が未定でありこれから検討するとのことであった どこにどのような手続でお金が流れていくのかという重要な部分について制度設計がまったくなされていない状況で法案提出を急ぐべきでない このような寄附制度を含む現在の法律案はかえって企業による被害回復の動きを阻害する可能性があり 消費者の被害回復という観点から最適とはいえない 2) 自主返金の効果について 法律案によれば 返金申出者に対して合計で課徴金額以上の返金を行った場合または返金額と

寄附金額が課徴金額を上回った場合には課徴金が免除されるとあり 返金申出者に対する返金額の合計が課徴金額に満たない場合に返金合計額を課徴金から減額する仕組みにはなっていない これは 最終的にどこに流れるかわからない寄附を事実上強制しているといってもよい仕組みであり 妥当でない 課徴金制度によって自主返金を促したいのであれば 自主返金額を課徴金額から減額する仕組みとすべきである 3) 自主返金および被害回復の方法について法律案によれば 返金手続き開始時点に違反行為者が当該相手方および取引額を特定できる者 を対象としたものかつ金銭の交付でないと課徴金の免除の対象となる自主返金として考慮されないとしているが 消費者に直接商品を販売していない製造業者による自主返金 実店舗で相手方の個人情報を把握せずに販売した商品の自主返金等 返金手続き開始後に消費者からの申告をもって初めて相手方や取引額が特定できるケースが存在すること また 消費者によってはクレジットカードの請求取り消しや商品の交換といった他の方法での被害回復を望むケースが存在しうること これらの対応は消費者の被害回復という観点でどれも妥当であることから 自主返金と認められる範囲はより広く柔軟に判断されるべきである 9. 都道府県知事への権限付与について先般の法改正により 不当表示に対する措置命令の権限が都道府県知事に付与されたが 消費者庁と都道府県で不当表示にかかる判断基準に差が出ることが懸念されるところ 都道府県知事が出した措置命令を自動的に課徴金納付命令の対象とすることは妥当でない 課徴金賦課の対象行為の類型を限定したうえで そのような類型の行為にあたる可能性がある事案については 調査の段階で消費者庁が都道府県から案件を引き継ぐべきである 10. おわりに景品表示法への課徴金制度導入については これまで経済界から様々な懸念や意見が表明されていたところであるが ここまでの検討過程において それらの意見が十分に反映されていない 冒頭に述べたとおり 商品やサービスについての表示は 事業者にとっても消費者にとっても重要な情報伝達手段であり あらゆる事業者が日々作り出しているものであるから 現場の表示実務を十分に踏まえたうえで 現実に沿った制度設計をすべきである 課徴金が抑止効果として機能するのはどのような類型の行為なのか どのような注意を払っていれば現実的に不当表示が防止できるのかについて 事業者を交えてしっかりと議論すべきである 不十分な検討のまま課徴金制度さえ導入すれば不当表示がなくなるというのは 実務実態を無視した暴論である なお 本件意見募集について その結果を速やかに公表し それに対する回答と対応も併せて公表するべきである 以上