平成 21 年 1 月 27 日 経済産業省貿易経済協力局貿易管理部安全保障貿易管理課佐藤課長殿安全保障貿易審査課成瀬課長殿写 ) 安全保障貿易管理課小林課長補佐殿写 ) 安全保障貿易審査課田中課長補佐殿 輸入貨物の返却に係る特例化 による規制緩和について ( 財 ) 安全保障貿易情報センター制度 手続分科会主査鈴木一哉制度検討 WG リーダー田中利広 拝啓常日頃より ( 財 ) 安全保障貿易情報センターの委員会活動に貴関係各位に参画いただき ご支援 ご鞭撻を賜り厚くお礼申し上げます さて 制度 手続分科会 制度検討 WG では 平成 20 年度の課題として 産業界の最近の動向を踏まえて 我が国の輸出管理制度 手続の適正化 合理化について調査 検討し 提言する活動を実施致しております この活動の成果として 輸入貨物の返却に係る特例化 による規制緩和につき 下記の通り 要望 提案させていただきますので よろしくご検討くださいますよう お願い致します 敬具 記 Ⅰ. 特例化が望まれる背景とその妥当性について 1. 産業界におけるニーズ我が国企業は多くの外国製貨物を輸入しているが 不良 異品等の理由に起因して 輸出元に返却しなければならないことがある この場合において 企業が直面している問題は 我が国の法令に馴染みのない海外に所在するメーカー等に該非の判定を依頼する 又は判定に資する情報を迅速に得て自ら判定することの困難さである これを踏まえ 当分科会においては 2006 年 9 月に CISTEC 賛助会員を対象として 外国から輸入した外国製貨物の返品等に関して アンケート調査を実施した その結果 88.3% の企業から返却時の該非判定が不要となることにより企業実務の負荷が軽減できるとの回答を得 多くの企業でビジネス活動の足枷となっていることがうかがえた ( 添付資料 1 参照 ) ついては 規制のリバランスの観点から 我が国制度全体とのバランスを保持しつつ必要最小限の制限は要するものの 輸出元への返却 であることを規制除外要件とし かつ 輸出令別表第 1 の項番の特定を不要とする特例の創設が望まれるところである 1
2. 当該特例創設の妥当性 (1) 輸出元への返却 であることを規制除外要件とすることについて輸入貨物の返却は 輸出先行型 と比し 緩やかな規制の対象となり得る 輸入先行型 の類型に含まれ 加えて 単に当該貨物の購入先等へ返却するのみであるといったことから 安全保障上の懸念は低いものと考える また 米国においても 返却する地域 貨物等に一定の制限はあるものの 許可例外の一つである TMP によりこれが認められており 我が国のみが突出する特例創設ではない (2) 輸出令別表第 1 の項番の特定を不要とすることについて 外国製貨物 の該非判定は 1. 産業界におけるニーズ に記載したように海外メーカーを相手とすることから困難さを伴い 事務負荷となっている 我が国法制度の下では元来 該非判定ありき とされているものの 2007 年 6 月より施行された仲介貿易規制 積替規制の拡充に際しては 我が国法令に馴染みのない外国メーカーが当該判定に関与することの困難さに対して一定の考慮がなされ 結果として 輸出令別表第 1 の 1 の項 ( 武器関連 ) を除き 2 の項から 16 の項までに対しては 項番特定を不要する措置がなされた 外国製貨物 を取扱うという面では本件も同じである また 米国の TMP の使用に際しても SED 上 単に TMP と記載するのみであり ECCN を明らかにすることは求められていない ( 添付資料 2 3 参照 ) 3. 当該特例の悪用防止に関して (1) 罰則強化現在 安全保障貿易管理に係る今後の制度改正に係りその重要な一項目として 確信犯のような輸出者に対しては厳罰をもってこれに臨むとの趣旨から 罰則強化 が検討されている これが法制化されることにより悪意の輸出者に対し大きな抑止力となることが期待でき 当該特例を実現する上での大きな礎となる (2) 実効性の高い輸出通関輸出通関といった場面でも 現在 AEO 制度が創設され AEO 事業者 ( 優良事業者 ) とそうでない者との峻別が進んでいるところであり 税関の対応もそれにより異なってきている したがって 税関の確認においても 入口選別を行っていることから 従前以上に悪意の輸出者の捕捉が期待できる状況にあると考える (3) 同一性確認に資する資料安全保障輸出管理とは異なるが 関税定率法において 再輸出を条件として関税等を還付する制度が定められており その中で 違約品 * 等の再輸出 ( 第 20 条 ) に係る税関手続きが定められている ここでは 提出書類 違約品等の認定 貨物の同一性の認定 について 概して以下のように規定されている ( 添付資料 4 参照 ) 1 提出書類 関税払戻し申請書 及びその添付書類として 違約品であることを証する書類 輸入許可書等を提出する 違約品であることを証する書類 は クレームが成立した場合にあっては クレーム解決書 ( 輸出者がクレームを受諾する旨の電報又はテレックスを含む ) とされている 2
2 違約品等の認定違約品であるか否かの認定は 原則として 上記 1 に定める書類の審査及び当該書類と保税地域に搬入された貨物との対査によって行う ただし 払戻し税額が多額の場合 契約違反であることに疑義がある場合等には 契約書 分析表等必要な資料を提出又は提示させて認定する 3 貨物の同一性の認定同一性の認定は 当該貨物又はその包装に記号 番号等が付されている場合にはこれらによるが 記号 番号等が付されていない場合には 貨物の種類等から判断して特に同一性について疑義があるときを除き 輸入許可書又はこれに代わる書類に記載されている品名又は銘柄と一致し かつ 当該輸入許可書等に記載されている数量の範囲以内のものであれば 同一性を有するものと認めて差し支えないとされている 以上のように 認定に必要な書類は 違約品であることを証する書類 とされ 貨物の同一性の認定においては 必ずしもシリアル No. があるものばかりでないことから 銘柄 外装 カートンの記号等総合的に判断して 同一品の蓋然性が高いと判断される場合はこれが認められているように読み取れる したがって 上記 (2) で記載した AEO 制度の存在も踏まえれば 同一性確認に係る提出書類は 輸入許可書 と クレーム解決書 を基本とするなど柔軟性を持たせることが望まれる *: 貨物の取引に係る契約の内容である品質等と輸入された貨物の品質等に相違があるもの 3
Ⅱ. 特例化の対象と政令等改正案について 4. 輸出令改正の必要性と特例化の対象としたい返品の類型 輸入先行型 の特例は 輸出令第 4 条第 1 項第二号ホに定められているが ここでは 輸出を前提とした輸入であること と 輸入も輸出とも無償であること とが前提条件とされている 一方 アンケート調査を経て当分科会に寄せられた類型は以下のとおりであり 現状の輸出令第 4 条第 1 項第二号ホにおける前提条件を満たすものばかりではない よって 輸出令第 4 条第 1 項第二号ホとは別の特例に係る条文の新設が必要と考える 類 型 前提条件 輸出前提 無償 (1) クレーム返品貨物の返送 :*1 (2) 借用品の返送 *2 (3) 異品 誤送品の返送 *3 N.A. N.A. (4) 分析 評価返送 *4 (5) 不具合品の返送 *5 N.A. N.A. (6) 外国製模造品の分析 評価後の返送 *1: 外国顧客へ輸出した貨物が外国顧客において外国製貨物に組み込まれた後 不具合等の調査のため本邦へ輸入 調査後返送 *2: 外国顧客へ納入する貨物の設計 開発 製造等のために 外国顧客等から借用した外国製貨物の返送 *3: 異品 誤送品 ( 数量超過分を含む ) の返送 *4: 外国顧客等から貨物を分析 評価目的で輸入し 分析 評価後返送 *5: 外国から輸入した外国製貨物に不具合があった場合の修理 交換依頼のための返送 5. 政令等改正案について 5.1 輸出令第 4 条第 1 項改正案 < 輸出令第 4 条第 1 項第二号のトの新設 > 第 4 条法第 48 条第 1 項の規定は 次に掲げる場合には 適用しない ただし 別表第 1 の 1 の項の中欄に掲げる貨物については この限りでない 一 ( 略 ) 二次に掲げる貨物を輸出しようとするとき ( イからヘまで略 ) ト本邦に輸入された後輸出される貨物であつて 経済産業大臣が告示で定めるもの 補足 特例の新設箇所は 特定の行為 貨物等に関し 輸出令別表第 1 の項番の特定を原則不要としている 輸出令第 4 条第 1 項第二号 が適すると考え 案は同号トとした また 具体的な特例の適用対象範囲等については 告示を新設し 当該告示で定めるといった方式とした 4
5.2 告示案 < 輸出令第 4 条第 1 項第二号のトの規定に基づき新設 > 輸出貿易管理令 ( 昭和 24 年政令第 378 号 ) 第 4 条第 1 項第二号のトの規定に基づく本邦に輸入された後輸出される貨物を次のように定め 平成 年 月 日から施行する 輸出貿易管理令第 4 条第 1 項第二号のトの規定により経済産業大臣が告示で定める本邦に輸入された後輸出される貨物は次のとおりとする 一本邦に輸入された貨物であって 不具合品 異品又は借用品のうち返送されるもの 二本邦に輸入された貨物であって 不具合品 借用品の調査 分析 評価その他これらに類する行為がなされた後返送されるもの 補足 単純にそのまま返送するものと 本邦において何らかの行為がなされるもの ( 調査 分析等 ) を分けて規定する案とした その理由は 後者については 可能性は低いものの 当該貨物の機能向上がなされる機会も全く無いと言い切れないことによる これに関連し 運用通達において 新たに規定を定め機能向上がなされる場合に関しては当該特例の適用対象外とする案とした 5.3 運用通達改正案 < 運用通達 4-1-2(6) の新設 > (6) 輸出令第 4 条第 1 項第二号のトに規定する貨物は 輸出令第 4 条第 1 項第二号のトの規定に基づく本邦に輸入された後輸出される貨物を定める告示に定められているが その取扱いは 次による ( イ ) 同告示第一号に規定する 本邦に輸入された貨物であって 不具合品 異品又は借用品のうち返送されるもの とは 本邦に輸入された貨物であって 不具合品 異品 ( 誤送品 数量超過分を含む ) 又は借用品のうち本邦に輸出した外国を仕向地として当該貨物を輸出した者に輸出するものをいう なお 同告示第一号に規定する貨物は 輸出令別表第 1 の 2 から 16 までの項の中欄に掲げる貨物であることを要するが 該当する項が特定できない貨物を含むものとする ( ロ ) 同告示第二号に規定する 本邦に輸入された貨物であって 不具合品 借用品の調査 分析 評価その他これに類する行為がなされた後返送されるもの とは 不具合品 借用品の調査 分析 評価その他これらに類する行為を行うことを目的として本邦に輸入された貨物を当該行為完了後に本邦に輸出した外国を仕向地として当該貨物を輸出した者に輸出するものであって これらの行為により当該貨物の性能 特性の向上がなされないものをいう なお 同告示第二号に規定する貨物は 輸出令別表第 1 の 2 から 16 までの項の中欄に掲げる貨物であることを要するが 該当する項が特定できない貨物を含むものとする 補足 輸出令別表第 1 の 2 の項から 16 の項までの項の特定を不要とするため 後段の なお書き を記載する案とした 以上 5
( 添付資料 ) 1. 外国から輸入した外国製貨物の返品等に関して 円滑な輸出を阻害し 本邦企業の国際競争力の低下を招いている事例 に関するアンケート集計結果 アンケート用紙 2. 輸入貨物の返却に係る米国輸出管理規則における扱いについて 3. 外国から輸入した外国製貨物 についての調査結果 ( 米国 BIS IBM 回答 ) 4. 違約品等の再輸出 ( 関税定率法第 20 条 ) に係る税関手続について ( 関税定率法 貿易実務ダイジェスト 関税定率法基本通達 ) 〆 6