モバイルコマースの現状 モバイルで始まり モバイルで終わるクロスデバイス ショッピング 2015 年第 3 四半期
日本におけるモバイルコマースの現状第 3 四半期のハイライト 2015 年第 3 四半期の購買データの当社分析によると マルチデバイス時代の購入手段として スマートフォンの利用がますます高まっています : クロスデバイス ショッピングでの購入はモバイル端末で : 今やオンライン購入の半数以上で 複数のデバイスが利用されています このようなクロスデバイス ショッピングにおいて 最終的な購入の半数近くはモバイル端末で行われています 最も高い売上を期待できる販路はモバイルアプリ : モバイルアプリに注力した小売業者は 大きな成果を上げています モバイルアプリのコンバージョンレートは デスクトップをはるかに上回っています 上位 25% の小売業者にとって 今後の鍵を握るのはスマホへの対応 : 最適化の図りやすさとスマホ利用の急速な拡大により 上位 25% の小売業者の間ではモバイル端末からの売上が8 割以上に上っています 上記のトレンドおよび予測は オンラインショッピングに関する Criteo 独自のデータに基づくレポート 2015 年第 3 四半期モバイルコマースの現状 による
日本におけるモバイルコマースのトレンド
#1 クロスデバイスショッピングの主役となりつつあるモバイル
オンライン購入の半数以上で複数のデバイスが利用されている * 日本の e コマースにおけるクロスデバイスのシェア 複数デバイスをまたぐ買い物は もはや新たな常識となっています 小売業者は 買い物客の約半数が最終的な購入に至るまでに複数のデバイスを使ってショッピングサイトを訪れているという現状を踏まえ 従来のオンラインショッピング体験を設計し直す必要があります 購入に使用したデバイス タブレットスマートフォンデスクトップ ノートパソコンやデスクトップからの購入の場合 55% の人が最終的な購入までに少なくとも別のデバイスを 1 つは使って 同じ小売業者のサイトにアクセスしています モバイル端末からの購入の場合 45% から 58% の人が購入前に別のデバイスを利用してアクセスしています 購入までに複数のデバイスを利用したユーザの割合 45% 58% 55% * 複数デバイスを所有している場合が対象 複数デバイスを利用するユーザを正確にマッチングする Criteo のクロスデバイス製品に基づいて算出
クロスデバイス ショッピングの主役になるモバイル端末 2015 年第 3 四半期の商取引におけるモバイルのシェア ショッピングで複数のデバイスを利用するユーザが 最終的な購入でモバイルを利用する割合は 平均より 5% 高くなっています これはいったい何を意味するのでしょうか 商品の閲覧は会社のパソコンや自宅のノートパソコンで行い 実際の購入手続きは後でモバイル端末を手にしているときに行うユーザが増えているということです モバイル端末は単純に何かを調べたいときに使うものという考えは すでに過去のものです 移動中に購入手続きを済ませることへの抵抗が薄れていくに伴って クロスデバイス ショッピングでの実際の購入にモバイル端末を利用する割合は急速に伸びていくと見られています 45% 47% すべての商取引 クロスデバイス利用の購入 * 複数デバイスを所有している場合が対象 複数デバイスを利用するユーザを正確にマッチングする Criteo のクロスデバイス製品に基づいて算出
デスクトップからの売上の 3 分の 1 近くで 購入前にモバイル端末からの閲覧がある 購入前のアクセスに使用したデバイス モバイルは 購入までの道のりの至るところで登場します モバイルのみ 6% デバイスをまたぐ買い物では かなりの割合で実際の購入の前にモバイル端末を使って情報の閲覧が行われており パソコンからの購入の 31% で購入前にモバイルからのアクセスがあります つまり 買い物の際には同じ小売業者のデスクトップサイトとモバイル用サイトの両方を見ているということなのです モバイルとデスクトップ デスクトップのみ 25% 68% デスクトップから購入 * 複数デバイスを利用するユーザを正確にマッチングする Criteo のクロスデバイス製品に基づいて算出
#2 最も高い売上を期待できる販路はアプリ
アプリに注力した小売業者 * の場合 モバイル端末の売上の半分はアプリから 同一小売業者におけるアプリとモバイルブラウザの平均シェア 収入源の柱の 1 つとして モバイルアプリに注力している小売業者では アプリからの売上の割合が非常に大きくなっています 具体的には アプリからの収益はモバイル端末からの収益全体の 58% を占めています トラベル業界では この割合が若干低くなりますが それでもアプリからの収益はモバイルからの収益全体の 49% です ここで重要なポイントは 多くの小売業者はまだアプリへの投資を始めていないということです そのような業者にとっては アプリからの売上は現状ではごくわずかです ショッピング 58 % トラベル 49 % モバイルブラウザ アプリ * 定義 : e コマースの売上全体の 25% 超がモバイル経由で モバイルアプリを使った商取引がモバイル経由の売上の 10% を超えている小売業者
アプリはデスクトップよりコンバージョンレートが高い アプリに注力した小売業者 * のモバイルリテールのコンバージョンレート アプリはモバイルブラウザに比べて コンバージョンレートが高く ショッピングにおいては 3.7 倍にも上っています ショッピング トラベル さらに注目すべきは デスクトップとの比較において ショッピングでは 2 倍 トラベル関連でも 1.6 倍のコンバージョンレートを達成しています つまり コンシューマ体験という視点において アプリのほうが他のテクノロジーに比べて より良い体験をユーザに届けられるということです 1.8 倍 2.0 倍 1.7 倍 1.6 倍 モバイルブラウザ デスクトップ アプリ モバイルブラウザ デスクトップ アプリ * 定義 : e コマースの売上全体の 25% 超がモバイル経由で モバイルアプリを使った商取引がモバイル経由の売上の 10% を超えている小売業者
楽しみながら商品を閲覧し 簡単に購入できるアプリのメリット サイトにアクセスしてからのコンバージョン ファネル モバイルブラウザ アプリ アプリはモバイルブラウザと比べて 3.7 倍ものコンバージョンレートを誇っています これには 2 つの要因があります 1 人当たりの閲覧商品数 4.3 3.5 倍 1 人当たりの閲覧商品数 14.4 まず楽しみながら商品の閲覧できる点は アプリの大きな特徴です 視覚的な効果に富んだイメージを次々とスワイプしながら眺められる機能は モバイルアプリならではのアドバンテージといえます このため 平均的な利用者の場合 モバイルサイトで閲覧される商品点数は 4 点ほどなのに対し アプリでは 14 点の商品が閲覧されています その結果 買い物かごに商品を入れる割合は アプリ利用者のほうが 2.4 倍高くなっています 買い物かごに入れる 購入 2.4 倍 1.6 倍 買い物かごに入れる 購入 また アプリのほうがモバイルブラウザよりも購入手続きが簡単なため これにより購入率は 1.6 倍高いという結果となっています コンバージョンレート 3.7 コンバージョンレート * 定義 : e コマースの売上全体の 25% 超がモバイル経由で モバイルアプリを使った商取引がモバイル経由の売上の 10% を超えている小売業者
1 回あたりの取引金額は デスクトップよりアプリのほうが大きい アプリに注力した小売業者 * におけるデスクトップの $100 に対するモバイルでの購入金額 従来 モバイルはデスクトップに比べて買い物かごのサイズが小さい ( 取引金額が小さい ) と考えられてきました ところが モバイルアプリはそうではありません アプリでの 1 回の取引あたりの注文額は デスクトップやモバイルブラウザよりも高くなっています デスクトップが 100 ドルだとすると モバイルアプリは 116 ドル 一方のモバイルブラウザは 91 ドルです つまり デスクトップのフル画面でのショッピングよりも アプリでのショッピングほうが一度に多額の買い物をしているのです $91 $100 $116 モバイルブラウザも デスクトップに比べて金額は低いとはいえ その差は 9% に過ぎません モバイルブラウザ デスクトップ アプリ * 定義 : e コマースの売上全体の 25% 超がモバイル経由で モバイルアプリを使った商取引がモバイル経由の売上の 10% を超えている小売業者
#3 上位 25% の小売業者にとって 今後の鍵を握るのはスマホ
上位 25% の小売業者におけるモバイルのシェアは 平均の 2 倍近く 日本の e コマースにおけるモバイルのシェア 前四半期において 日本のモバイルコマースは急成長を遂げています 平均だけをみても モバイル商取引額のシェアは 47% から 48% と 2% 伸びています 上位 25% だけをとってみると モバイル商取引は前四半期に比べて 5% 増加しており 今や全商取引の半分近くをモバイルが占めている状況です 82% 47% 48% 78% Q2 2015 Q3 2015 Q2 2015 Q3 2015 平均上位 25%
日本ではタブレットではなくスマホの利用が主流 日本のモバイル商取引におけるスマートフォンのシェア 日本では モバイル商取引の大部分がスマートフォンを利用して行われていますが 数字的には足踏みの状況です スマートフォンの画面が大きくなるにつれて タブレットに対して優勢の状況が続いています これに伴い スマートフォンでショッピングすることに対する抵抗感も ますます薄れていくと考えられています 90% 88% 88% スマートフォン 12% タブレット 2015 年第 1 四半期 2015 年第 2 四半期 2015 年第 3 四半期
グローバルにおけるモバイルコマースのトレンド
グローバルでのモバイル商取引のシェアは 35% グローバルの e コマースにおけるモバイルのシェア グローバルでみると 平均で e コマースにおける商取引全体の 35% をモバイル端末での取引が占めています ( 各国の e コマースの市場規模を正確に反映するよう加重した上での比較 ) イギリスは現在 アジア勢と同レベルの位置づけで e コマースにおける商取引の 46% がモバイルで行われています 50% グローバル平均 35% まだ普及率の低い市場においても モバイルコマースは急速な成長が見られます 日本を含むモバイルの普及率が高いレベルの国々では 比較的安定した状況が続いています 長期的にはモバイルへの集約というよりは クロスデバイスの状況が続くと見られます 0% 2015 年第 2 四半期 2015 年第 3 四半期
グローバルにおける e コマースの 50% はクロスデバイス グローバルの e コマースにおけるクロスデバイスのシェア * 70% クロスデバイス ショッピングは アメリカだけで見られる現象ではありません 実際 他国のマーケットの方が クロスデバイスの割合はアメリカより高くなっています グローバル平均 50% 0% * 複数デバイスを所有している場合が対象 複数デバイスを利用するユーザを正確にマッチングする Criteo の Universal Match に基づいて算出
グローバルで続くスマホ優勢の状況 グローバルの e コマースにおけるスマートフォンとタブレットのシェア モバイル商取引で使用されるデバイスの割合は 世界的にスマートフォンのほうがタブレットより大きくなっています 50% 日本と韓国ではスマートフォンが e コマースの 40% 以上を占めています イギリス ドイツ フランス オランダ ロシアではまだタブレットが優勢ですが グローバルでみると スマートフォンの成長がタブレットをはるかに上回っています 0% スマートフォン タブレット
日本のコンバージョンレートは グローバル平均の約 3 倍 モバイルによるコンバージョンレートのアメリカとの比較 ( アメリカを 100 とした場合 ) イギリスではモバイルサイトの利便性が高く 優良な顧客体験が提供できているため コンバージョンレートは欧米諸国の中では高くなっています 300% 日本でのコンバージョンレートは アメリカの約 3 倍にも上ります アメリカ :100 0%
今後の展望
今後の展望 予想される4つの大きなトレンド : モバイルコマースの急成長は今後も続く 年末には eコマースにおけるモバイルのシェアはグローバルで40% に達することが予測される 成長が鈍化したタブレットから 大画面化したスマートフォンへのシフトが進む アップルはAndroidに迫りつつあるが 縮小が続くデスクトップに対しては どちらも勝者であることに変わりありません 次に開拓すべきはアプリ デスクトップを凌ぐコンバージョンの拡大と ロイヤル カスタマーとの関係の強化を目的に モバイルアプリへの投資が大きく加速していくものと思われます 2015 年時点において マーケターにとっての最大の課題であり 同時にチャンスでもあるのは クロスデバイスへの対応 すでに商取引の40% でクロスデバイスが利用されていることを考えると マーケターはもはや個々のデバイスではなく ユーザとの関係に目を向けるべきと言えます
モバイルコマースレポートについて 個々の商取引データを分析マーケターはこのデータをどう利用するか? 3,000 を超える小売 トラベル業者をグローバル規模で分析 関連する KPI を使って 自社の実績をモバイルブラウザ モバイルアプリ クロスデバイスといったチャネル別にベンチマーク比較 デスクトップ モバイルの両サイトを合わせて 14 億の年間商取引件数 年間の売上規模では 1600 億ドル *2015 年 4 月の消費者の閲覧行動と購買行動のデータを分析 対象はデスクトップおよび各種モバイルデバイス (iphone ipad Android スマートフォン タブレット )