空き家活用策としての民泊 - その論点と課題 2016 年 2 月 3 日富士通総研経済研究所上席主任研究員米山秀隆
本日の内容 1. 空き家の活用可能性 1: 戸建て 賃貸住宅 2. 空き家の活用可能性 2: 分譲マンション 3. 民泊の実態 4. 規制をめぐる論点 1
1. 空き家の活用可能性 1 : 戸建て 賃貸住宅 2
宿泊需給 : 客室稼働率 83.2 85.5 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 北海道青森岩手宮城秋田山形福島茨城栃木群馬埼玉千葉東京神奈川新潟富山石川福井山梨長野岐阜静岡愛知三重滋賀京都大阪兵庫奈良和歌山鳥取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児島沖縄 (%) シティホテル (2014 年 ) 全国平均 =77.3% 41.8 43.1 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 北海道青森岩手宮城秋田山形福島茨城栃木群馬埼玉千葉東京神奈川新潟富山石川福井山梨長野岐阜静岡愛知三重滋賀京都大阪兵庫奈良和歌山鳥取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児島沖縄 (%) 旅館 (2014 年 ) 全国平均 =35.2% ( 出所 ) 観光庁 宿泊旅行統計調査 3
総住宅数 総世帯数 空き家率 ( 万戸 万世帯 ) 7,000 6,000 5,000 総住宅数 ( 左目盛 ) 総世帯数 ( 左目盛 ) 空き家率 ( 右目盛 ) 13.5 (%) 14 12 10 4,000 3,000 2,000 1,000 8 6 4 2 0 1958 63 68 73 78 83 88 93 98 03 08 13 ( 出所 ) 総務省 住宅 土地統計調査 0 ( 年 ) 4
空き家の内訳 ( 万戸 ) 900 800 その他の住宅 700 600 500 二次的住宅売却用 賃貸用 182 212 268 41 318 41 400 300 200 100 98 14 125 22 157 183 149 131 37 30 234 262 42 352 50 398 売却用 30 賃貸用 368 448 売却用 35 賃貸用 413 460 売却用 31 賃貸用 429 0 1978 1983 1988 1993 1998 2003 2008 2013( 年 ) ( 出所 ) 総務省 住宅 土地統計調査 5
その他の空き家の特徴 全国で 318 万戸 ( 空き家全体のうち 39%) ( 三大都市圏では 31% 三大都市圏以外では 46%) 5 年前に比べ 1.2 倍 ( 空き家全体では 1.1 倍 ) 木造戸建腐朽 破損あり木造戸建 腐朽 破損あり 2008 年 その他空き家 268 万戸のうち木造戸建 173 万戸 (65%) その他空き家 268 万戸のうち腐朽 破損あり 85 万戸 (32%) その他空き家 木造戸建 173 万戸のうち腐朽 破損あり 61 万戸 (35%) 2013 年 全住宅のうち木造戸建 51% 全住宅のうち腐朽 破損あり 9% その他空き家 318 万戸のうち木造戸建 220 万戸 (69%) その他空き家 318 万戸のうち腐朽 破損あり 105 万戸 (33%) 全住宅のうち木造戸建 58% 全住宅のうち腐朽 破損あり 9% 全住宅 木造戸建のうち腐朽 破損あり 9% その他空き家 木造戸建 220 万戸のうち腐朽 破損あり 80 万戸 (36%) 全住宅 木造戸建のうち腐朽 破損あり 8% ( 出所 ) 総務省 住宅 土地統計調査 6
活用可能な空き家 : 国土交通省推計 ( 出所 ) 国土交通省 空き家の現状と論点 ( 社会資本整備審議会住宅宅地分科会 ( 第 42 回 ) 配布資料 )2015 年 10 月 26 日 7
都道府県別空き家率 1 0 5 10 15 20 25 山梨長野和歌山高知徳島愛媛香川鹿児島群馬静岡栃木山口広島岡山大分三重長崎岐阜大阪石川島根茨城鳥取熊本北海道宮崎福井青森岩手奈良新潟京都兵庫滋賀佐賀富山福岡千葉秋田愛知福島神奈川東京埼玉山形沖縄宮城 (%) 空き家率 (2013 年 ) 全国平均 =13.5% アメリカ =10.5%(2011 年 ) 0 2 4 6 8 10 12 鹿児島高知和歌山徳島香川島根愛媛山口三重鳥取宮崎岡山長崎山梨大分長野熊本秋田岩手広島福井新潟佐賀富山奈良石川岐阜群馬青森福島滋賀京都栃木兵庫茨城山形北海道静岡福岡大阪千葉宮城沖縄愛知埼玉神奈川東京 (%) その他の空き家率 (2013 年 ) 全国平均 =5.3% アメリカ =2.5%(2011 年 ) ( 出所 ) 総務省 住宅 土地統計調査 8
都道府県別空き家率 2 0 5 10 15 20 25 30 35 山梨栃木群馬茨城岐阜静岡福井長野和歌山青森富山徳島石川三重香川奈良岡山愛媛新潟広島大阪秋田千葉滋賀北海道山形山口埼玉大分長崎愛知高知兵庫鳥取岩手神奈川佐賀熊本京都東京宮崎福岡島根鹿児島福島宮城沖縄 (%) 賃貸用空き家率 (2013 年 ) 全国平均 =18.8% アメリカ =9.1%(2011 年 ) 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 東京大阪兵庫埼玉京都神奈川福岡奈良北海道千葉広島山口福島愛知和歌山静岡滋賀山梨岐阜香川長野大分鹿児島茨城熊本富山沖縄岡山徳島長崎三重愛媛宮崎栃木青森高知新潟石川佐賀島根秋田群馬山形宮城鳥取岩手福井 (%) 売却用空き家率 (2013 年 ) 全国平均 =0.9% アメリカ =3.2%(2011 年 ) ( 出所 ) 総務省 住宅 土地統計調査 9
東京都の空き家 1 ( 万戸 万世帯 ) 800 700 600 500 総住宅数 ( 左目盛 ) 総世帯数 ( 左目盛 ) 空き家率 ( 右目盛 ) 11.1 (%) 12 10 8 400 300 200 100 6 4 2 0 1958 63 68 73 78 83 88 93 98 03 08 13 ( 出所 ) 総務省 住宅 土地統計調査 0 ( 年 ) 10
東京都の空き家 2 2013 年 (A) 空き家率 (%) 2008 年 (B) 空き家数増加率 (2013/20 08 年 %) 総住宅数増加率 (2013/20 08 年 %) 差 (A-B) (C) (D) 差 (C-D) その他の空き家率 2013 年 (%) 東京都 11.1 11.1 0.0 8.9 8.5 0.5 2.1 都区部 11.2 11.3-0.1 7.8 9.3-1.4 2.2 市町村部 10.9 10.4 0.5 11.8 6.7 5.2 1.9 ( 出所 ) 総務省 住宅 土地統計調査 11
東京都の空き家 3 ( 万戸 ) 100 その他の住宅 80 15.2 二次的住宅売却用 60 18.9 賃貸用 11.3 40 13.9 20 49.2 59.8 35.5 42.5 4.9 3.9 0 東京都 (08) 東京都 (13) 都区部 (08) 都区部 (13) 市町村部 (08) 市町村部 (13) 13.7 17.3 ( 出所 ) 総務省 住宅 土地統計調査 12
東京都の空き家 4 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 千代田中央港新宿文京台東墨田江東品川目黒大田世田谷渋谷中野杉並豊島北荒川板橋練馬足立葛飾江戸川八王子立川武蔵野三鷹青梅府中昭島調布町田小金井小平日野東村山国分寺国立福生狛江東大和清瀬東久留米武蔵村山多摩稲城羽村あきる野西東京瑞穂日の出 (%) 空き家率 (2013 年 ) 全国平均 =13.5% 都平均 =11.1% 0 1 2 3 4 5 6 7 8 千代田中央港新宿文京台東墨田江東品川目黒大田世田谷渋谷中野杉並豊島北荒川板橋練馬足立葛飾江戸川八王子立川武蔵野三鷹青梅府中昭島調布町田小金井小平日野東村山国分寺国立福生狛江東大和清瀬東久留米武蔵村山多摩稲城羽村あきる野西東京瑞穂日の出 (%) その他の空き家率 (2013 年 ) 全国平均 =5.3% 都平均 =2.1% ( 出所 ) 総務省 住宅 土地統計調査 13
東京都の空き家 5 0 5 10 15 20 25 30 千代田中央港新宿文京台東墨田江東品川目黒大田世田谷渋谷中野杉並豊島北荒川板橋練馬足立葛飾江戸川八王子立川武蔵野三鷹青梅府中昭島調布町田小金井小平日野東村山国分寺国立福生狛江東大和清瀬東久留米武蔵村山多摩稲城羽村あきる野西東京瑞穂日の出 (%) 賃貸用空き家率 (2013 年 ) 全国平均 =18.8% 都平均 =16.2% 0 1 2 3 4 5 6 7 千代田中央港新宿文京台東墨田江東品川目黒大田世田谷渋谷中野杉並豊島北荒川板橋練馬足立葛飾江戸川八王子立川武蔵野三鷹青梅府中昭島調布町田小金井小平日野東村山国分寺国立福生狛江東大和清瀬東久留米武蔵村山多摩稲城羽村あきる野西東京瑞穂日の出 (%) 売却用空き家率 (2013 年 ) 全国平均 =0.9% 都平均 =1.8% ( 出所 ) 総務省 住宅 土地統計調査 14
20 年後の空き家率 ( 全国 東京都 ) (%) 30 25 20 28.5 28.4 22.8 22.1 15 10 5 0 58 63 68 73 78 83 88 93 98 03 08 13 18 23 28 33 ( 年 ) 全国 ( 実績値 ) 全国 ( ケース 1) 全国 ( ケース 2) 東京都 ( 実績値 ) 東京都 ( ケース 1) 東京都 ( ケース 2) ( 出所 ) 総務省 住宅 土地統計調査 国立社会保障 人口問題研究所 日本の世帯数の将来推計 ( 全国推計 ) 2013 年 1 月 日本の世帯数 の将来推計 ( 都道府県別推計 ) 2014 年 4 月により作成 ( 注 )1. 各ケースの想定は以下の通り [ ケース 1] 新設住宅着工戸数 : 直近の平均的水準で推移 滅失率 : 過去 10 年間 (2003~2008 年 2008~2013 年 ) の平均で推移 [ ケース 2] 新設住宅着工戸数 : 直近の平均的水準から 5 年ごとに段階的に減少し 最後の 5 年間 (2029~33 年 ) の水準はその半分の水準 になると想定 滅失率 : 過去 10 年間の平均から段階的に上昇し最終的に 2 倍になると想定 2. 新設住宅着工戸数の直近の平均的水準は 2010~12 年の平均とした この 3 年間の平均としたのは 過去 5 年間のうちリーマンショック 後の着工落ち込み (2009 年 ) と消費税率引き上げ前の着工増加 (2013 年 ) の特殊要因を除外するため 3. 滅失率 =(5 年間の新設住宅着工戸数の合計 -5 年間の総住宅数の増加数 )/5 年間の新設住宅着工戸数の合計 4. 世帯数の予測は 国立社会保障 人口問題研究所に基づく 15
2. 空き家の活用可能性 2 : 分譲マンション 16
マンションの新規供給とストック ( 万戸 ) ( 万戸 ) 50 700 45 40 新規供給戸数 ( 左目盛 ) ストック戸数 ( 右目盛 ) 601 600 35 500 30 400 25 20 300 15 200 10 5 100 0 75 80 85 90 95 0 5 10 ( 出所 ) 国土交通省 0 ( 年 ) 17
マンション老朽化の進展 ( 万戸 ) 500 450 400 350 300 250 200 150 100 50 0 築 30 年超 ~40 年未満築 40 年超 ~50 年未満築 50 年超 137 116 96 96 76 43 1 8 44 189 137 140 2014 2019 2024 2034 ( 年末 ) ( 出所 ) 国土交通省 18
マンションの空室化 (2013 年度 ) 完成年次 該当するマンションの数 空室戸数割合別の構成比 (%) 0% ~5% ~10% ~15% ~20% 20% 超不明 1969 年以前 39 12.8 15.4 25.6 12.8 7.7 5.1 20.5 8.2 ~74 年 133 15.8 28.6 29.3 10.5 3.0 0.8 12.0 5.6 ~79 年 147 21.1 41.5 20.4 4.1 0.7 2.7 9.5 4.7 ~84 年 255 33.3 40.0 8.6 2.0 2.0 1.2 12.9 2.8 ~89 年 250 38.8 32.4 11.6 2.4 1.6-13.2 2.5 ~94 年 293 36.9 35.2 11.3 4.8 2.0 1.4 8.5 3.4 ~99 年 400 54.5 27.3 3.5 0.5 0.5 0.3 13.5 1.4 ~2004 年 351 64.1 17.1 2.3 0.6 1.1 0.6 14.2 1.1 ~2009 年 258 66.7 17.1 2.7 1.2 0.4-12.0 0.8 2010 年 ~ 105 65.7 14.3 1.9 1.0 1.0 1.0 15.2 1.3 不明 93 33.3 19.4 9.7 2.2 1.1-34.4 2.3 平均 (%) ( 出所 ) 国土交通省 マンション総合調査 19
空室戸数割合の変化 ( 完成年次別 ) (%) 6 5.6(13 年度調査 ) 5 4 3 2 4.8(08 年度調査 ) 3.4 4.7 2.7 2.8 3.5 2.5 3.4 3.4 1.8 1 0 70-74 75-79 80-84 85-89 90-94 95-99 1.4 0.9 00-04 1.1 ( 完成年 ) ( 出所 ) 国土交通省 マンション総合調査 20
空室戸数の分布 ( 完成年次 :70~74 年 ) ( 該当するマンションの割合 %) 40 35 30 08 年度調査 13 年度調査 25 20 15 10 5 0 0 ~5% ~10% ~15% ~20% 20% 超 ( 空室戸数の割合 %) ( 出所 ) 国土交通省 マンション総合調査 21
マンションの賃貸化 (2013 年度 ) 完成年次 該当するマンションの数 賃貸戸数割合別の構成比 (%) 0% ~5% ~10% ~20% 20% 超不明 1969 年以前 39 2.6-17.9 23.1 35.9 20.5 22.3 ~74 年 133 2.3 6.8 9.8 33.8 39.8 7.5 21.1 ~79 年 147 4.8 17.7 27.9 21.8 21.1 6.8 13.9 ~84 年 255 6.7 25.5 18.0 19.6 20.4 9.8 15.3 ~89 年 250 6.0 12.0 22.0 22.0 30.4 7.6 19.2 ~94 年 293 5.5 12.3 14.7 24.9 34.1 8.5 19.5 ~99 年 400 9.5 20.3 25.5 23.0 9.3 12.5 10.6 ~2004 年 351 17.1 25.6 23.4 13.7 7.1 13.1 9.1 ~2009 年 258 17.1 27.9 20.2 12.4 8.9 13.6 9.8 2010 年 ~ 105 31.4 34.3 10.5 5.7 4.8 13.3 4.4 不明 93 10.8 14.0 6.5 28.0 8.6 32.3 12.6 平均 (%) ( 出所 ) 国土交通省 マンション総合調査 22
賃貸戸数割合の変化 ( 完成年次別 ) (%) 25 20 21.1(13 年度調査 ) 17.3(08 年度調査 ) 16.8 20.7 19.2 19.2 19.5 15 15.6 13.9 15.3 11.3 10 10.6 9.1 5 6.9 0 70-74 75-79 80-84 85-89 90-94 95-99 00-04 ( 完成年 ) ( 出所 ) 国土交通省 マンション総合調査 23
3. 民泊の実態 24
Airbnb の日本での利用実績 :2015 年 6 月までの 1 年間 項目 実績 宿泊者数 宿泊日数 52.5 万人 ( 平均年齢 35 歳 ) 3.8 泊 /1 回 滞在先東京 47% 大阪 23% 京都 15% 貸主 ( ホスト ) 数 (A) 貸主 ( ホスト ) の収入 (B) B/A 5,030 人 ( 東京在住者 2,470 人 ) 88 億円 ( 東京在住者 53 億円 ) 175 万円 ( 東京在住者 215 万円 ) ( 出所 )Airbnb 25
Airbnb の掲載物件数 ( 東京都区部 ) ( 出所 ) 武内修二 民泊 が迫る規制破壊自分の家がホテルになる 週刊東洋経済 2015 年 11 月 14 日号 ( 注 ) 下図は 2015 年 11 月 1 日時点 26
京都市の民泊実態調査 1: 掲載物件数 区件数 ( 構成比 ) 小計 一棟貸し 戸建て 部屋貸し ルームシェア 小計 一戸貸し 集合住宅 部屋貸し ルームシェア その他 / 不明 北区 139 (5.5%) 58 24 34 0 77 60 12 5 4 上京区 217 (8.5%) 66 45 21 0 146 132 14 0 5 左京区 262(10.3%) 148 66 81 1 112 84 27 1 2 中京区 422(16.6%) 81 57 24 0 335 318 17 0 6 東山区 389(15.3%) 151 111 34 6 191 178 13 0 47 山科区 57 (2.2%) 32 6 25 1 24 17 7 0 1 下京区 568(22.3%) 159 76 72 11 401 366 34 1 8 南区 158 (6.2%) 67 49 15 3 88 77 11 0 3 右京区 138 (5.4%) 39 26 13 0 96 86 9 1 3 西京区 45 (1.8%) 17 6 11 0 28 27 1 0 0 伏見区 147 (5.8%) 61 34 27 0 83 35 47 1 3 合計 2,542(100%) 879 500 357 22 1,581 1,380 192 9 82 構成比 100% 34.6% 19.7% 14.0% 0.9% 62.2% 54.3% 7.6% 0.4% 3.2% 100% 56.9% 40.6% 2.5% 100% 87.3% 12.1% 0.6% ( 出所 ) 京都市 京都市民泊施設実態調査の中間報告について ( 速報 ) 厚生労働省 観光庁 第 5 回 民泊サービス のあり方に関する検討会 2016 年 1 月 25 日 ( 注 )2015 年 12 月 7~22 日の間に Airbnbのサイトに掲載されていた施設を抽出 27
京都市の民泊実態調査 2:1 泊あたり料金 区 件数 1 ~ 3,000 円 3,001 ~ 6,000 円 6,001 ~ 9,000 円 9,001 ~ 12,000 円 12,001 ~ 15,000 円 15,001 ~ 18,000 円 18,001 ~ 21,000 円 21,001 ~ 24,000 円 24,001 円 ~ 北区 139 3 40 53 10 8 6 3 3 13 0 上京区 217 3 15 61 43 28 24 10 3 27 3 左京区 262 13 61 46 37 19 18 14 13 35 6 中京区 422 1 15 86 95 87 56 28 22 27 5 東山区 389 1 16 42 84 81 36 21 22 81 5 山科区 57 2 23 13 9 0 5 1 0 4 0 下京区 568 3 41 132 112 93 67 39 18 59 4 南区 158 0 19 34 22 23 20 18 10 12 0 右京区 138 2 35 39 24 20 5 3 4 5 1 西京区 45 0 8 12 10 7 4 2 1 1 0 伏見区 147 7 48 33 26 10 8 7 2 6 0 合計 2,542 35 321 551 472 376 249 146 98 270 24 構成比 100% 1.4% 12.6% 21.7% 18.6% 14.8% 9.8% 5.7% 3.9% 10.6% 0.9% ( 出所 ) 京都市 京都市民泊施設実態調査の中間報告について ( 速報 ) 厚生労働省 観光庁 第 5 回 民泊サービス のあり方に関する検討会 2016 年 1 月 25 日 ( 注 )2015 年 12 月 7~22 日の間に Airbnb のサイトに掲載されていた施設を抽出 28 不明
京都市の民泊実態調査 3: 最低宿泊日数 区 件数 1 泊 2 泊 3~5 泊 6~9 泊 10 泊以上 その他 北区 139 74 36 17 6 0 6 上京区 217 110 73 28 2 1 3 左京区 262 137 76 38 6 1 4 中京区 422 223 147 36 1 0 15 東山区 389 209 120 46 5 0 9 山科区 57 23 17 17 0 0 0 下京区 568 338 177 31 9 0 13 南区 158 102 40 13 1 0 2 右京区 138 66 47 20 1 0 4 西京区 45 21 22 2 0 0 0 伏見区 147 87 40 12 1 0 7 合計 2,542 1,390 795 260 32 0 63 構成比 100% 54.7% 31.3% 10.2% 1.3% 0.1% 2.5% ( 出所 ) 京都市 京都市民泊施設実態調査の中間報告について ( 速報 ) 厚生労働省 観光庁 第 5 回 民泊サービス のあり方に関する検討会 2016 年 1 月 25 日 ( 注 )2015 年 12 月 7~22 日の間に Airbnbのサイトに掲載されていた施設を抽出 29
旅館業の定義 旅館業とは 施設を設け 宿泊料を受けて 人を宿泊させる営業 宿泊とは 寝具を使用して施設を利用すること 営業とは 施設の提供が 社会性をもって継続反復されているもの 人を宿泊させる営業とは 1 施設の管理 経営形態を総体的にみて 宿泊者のいる部屋を含め施設の衛生上の責任者が営業者にあると社会通念上認められること 2 施設を利用する宿泊者がその宿泊する部屋に生活の本拠を有さないことを原則として 営業しているものであること ( 出所 ) 厚生労働省 30
旅館業の規制内容 ホテル旅館簡易宿所農家民宿国家戦略特区 概要 洋式の構造及び設備を主とする施設を設け 宿泊料を受けて 人を宿泊させる営業 和式の構造及び設備を主とする施設を設け 宿泊料を受けて 人を宿泊させる営業 宿泊する場所を多人数で共用する構造及び設備を主とする施設を設け 宿泊料を受けて 人を宿泊させる営業 農林漁村余暇法に基づく農林漁業体験民宿業のうち 農林漁業者が営むもの 一定の要件を満たす特区内の施設を 賃貸借契約に基づき条例で定めた期間 (7~10 日 ) 以上 外国人旅客に提供するもの 旅館業法との関係適用あり適用あり適用あり適用あり適用除外 名簿 氏名 住所 職業等を記載した宿泊者名簿を備えること 同左同左同左 同左 ( 通知及び省例による措置 ) 客室数 10 室以上 5 室以上規制なし規制なし規制なし 客室床面積 9 m2以上 / 室 7 m2以上 / 室延床面積 33 m2以上規制なし 25 m2以上 / 室 ( 特区法に基づく規制 ) 玄関帳場 ( フロント ) 宿泊しようとする者との面接に適する玄関帳場その他これに類する設備を有すること 同左規制なし ( 注 ) 規制なし規制なし その他 ( 出所 ) 厚生労働省 都道府県 ( 保健所を設置する市 特別区にあっては 市 特別区 ) が条例で定める構造設備の基準に適合すること ( 注 ) 国の法令上の規定はないが 通知で玄関帳場またはこれに類する設備を設けることを求めており これを条例で基準化しているケースがある 滞在日数は 7~10 日までの範囲内において条例で定める期間以上であること ( 特区法に基づく規制 ) 31
無許可営業 ( 旅館業法 ) の把握状況 2013 年度 2014 年度 保健所における巡回指導等 13 (21%) 58 (44%) 近隣住民 宿泊者等からの通報 34 (55%) 54 (41%) 警察 消防等の関係機関からの連絡 15 (24%) 18 (14%) その他 0 (0%) 1 (1%) 合計 62(100%) 131(100%) ( 出所 ) 厚生労働省 旅館業法遵守に関する通知に係るフォローアップ調査結果の概要 厚生労働省 観光庁 第 1 回 民泊サービス のあり方に関する検討会 2015 年 11 月 27 日 32
4. 規制をめぐる論点 33
シェアリングエコノミーにおける規制のあり方 ( 出所 ) 百戦練磨 民泊の課題と未来 厚生労働省 観光庁 第 3 回 民泊サービス のあり方に関する検討会 2015 年 12 月 21 日 34
旅館業と不動産賃貸業の関係 業態 旅館業 類型 旅館業法上の旅館ホテル簡易宿所 ( 民宿 ウィークリーマンション含む ) 下宿 ( 旅館業法 ) 不動産賃貸業 ( 一時的滞在 ) 国家戦略特区事業 ( 旅館業法の適用除外 ) 不動産賃貸業 ( 生活の本拠 ) 賃貸マンション ( マンスリーマンション含む ) ホームステイ ( 出所 ) 厚生労働省 7 日 ( 最短の ) 滞在 ( 宿泊 ) 期間 1 ヵ月 35
現行制度で可能な民泊 類型対象旅館業法との関係 国家戦略特区 ( 外国人滞在施設経営事業 ) 一定の要件を満たす特区内の施設を 賃貸借契約に基づき条例で定めた期間 (7~10 日 ) 以上 外国人旅客に提供するもの 適用なし ( 適用除外の特例 ) 農林漁業体験民宿業 農林漁村余暇法に基づく農林漁業体験民宿業のうち 農林漁業者が営むもの 適用あり構造設備基準の特例 ( 簡易宿所の客室延床面積 33 m2以上の基準を適用除外 ) イベント民泊 年 1 回 (2~3 日程度 ) のイベント開催時であって 宿泊施設の不足が見込まれることにより 開催地の自治体の要請等により自宅を提供するような公共性の高いもの 適用なし ( 反復継続性 がなく 業 に当たらないと判断されるため 旅館業に該当しない ) ( 出所 ) 厚生労働省 36
民泊活用物件の類型 物件の類型 家主の居住 非居住 考えられる課題 ( 例 ) 一般住宅 ( 戸建 ) 家主居住 家主不在 家主居住 宿泊スペースの確保など 宿泊者の本人確認 緊急時対応など 管理体制の確保 ごみ 騒音等による近隣住民とのトラブル防止など 宿泊スペースの確保 管理規約 賃貸契約の遵守 ( 転貸禁止 ) など 共同住宅 家主不在 宿泊者の本人確認 緊急時対応など 管理体制の確保 管理規約 賃貸契約の遵守 ( 転貸禁止 ) ごみ 騒音等による近隣住民とのトラブル防止など 空き室 宿泊者の本人確認 緊急時対応など 管理体制の確保 管理規約 賃貸契約の遵守 ( 転貸禁止 ) ごみ 騒音等による近隣住民とのトラブル防止など ( 出所 ) 厚生労働省 37
賃貸借契約上の問題 民法は 大家の承諾を得ずに 借りた部屋を転貸することを禁じている 通常は 賃貸借契約書にも転貸禁止の規定 転貸を繰り返すと 発覚した場合 契約を解除される可能性 賃貸借契約書には 住居として使用するとの規定が盛り込まれている場合も 宿泊料を受けて宿泊させた場合 営業しているとみなされ 用途違反で契約解除も 38
国家戦略特区のための条例の検討状況 検討状況 自治体名 制定 ( 審議中を含む ) 制定検討 制定せず 大阪府 大阪市 大田区 港区 江東区 品川区 杉並区 荒川区 堺市 東大阪市 新宿区 目黒区 未定 東京都 千代田区 中央区 文京区 台東区 墨田区 世田谷区 渋谷区 中野区 豊島区 北区 板橋区 練馬区 足立区 葛飾区 江戸川区 町田市 八王子市 高槻市 豊中市 枚方市 ( 出所 ) 日経グローカル 2016 年 1 月 7 日号 ( 注 ) 東京都と大阪府の 33 自治体に対するアンケート調査 回収率 100% 39
大阪府を訪問する外国人旅行客の滞在日数 14~20 日 5.0% (245) 21~27 日 1.5% (45) 28~90 日 3.3% (96) 91 日以上 2.6% (75) 3 日以内 8.1% (236) 7~13 日 28.6% (837) 4~6 日 50.9% (1,488) ( 出所 ) 大阪府資料 ( 注 )1.2015 年 1~3 月調査 2. 府外宿泊を含む 40
マンション管理規約をめぐる問題 [ 特区をめぐる見解の相違 ] マンション管理規約は一般に 専ら住宅として使用しなければならない と規定 国土交通省 : 民泊は住宅に当たらない 特区で民泊を実施するためには 規約改正が必要 ( 昨年 12 月に通達を予定 ) 特区民泊の認定事業のための使用はこの限りではない など 国家戦略特区諮問会議 : 特区民泊は 7 日間以上の滞在を条件とするため 住宅使用に当たるとの見解 管理規約改正の必要はない [ 管理規約改正の動き ] 民泊を防ぐため 管理規約改定の動きも 1 第三者へ貸すのは 1 ヵ月以上 2 違反した場合の賃貸借契約解除条項の追加 3 個人による広告のインターネット掲載禁止など 管理会社では 管理規約変更を支援するサービスも 東急コミュニティーなど 41
民泊の事業機会 特区で認められた基準に合わせたマンション開発 シノケングループ ( 福岡市 ) が大田区で実施予定 特区で戸建て空き家を買い取り 民泊施設として改修 大京穴吹不動産 ( 渋谷区 ) が大田区で実施予定 民泊サービスがより広く認められれば 物件開発や空き家活用などが進む可能性 42
今後の方向性 1: 早急に取り組むべき課題 簡易宿所の枠組みを活用して 旅館業法の許可取得を促進 現行の客室基準 ( 延床面積 33 m2以上 ) の見直し 定員一人当たりの面積を設定し 収容定員に応じた面積基準に 家主不在のケースは 宿泊者の本人確認 緊急時の対応体制など一定の管理体制の確保を前提とする 少人数の宿泊客受け入れ施設の場合は 玄関帳場 ( フロント ) 設置の通知の運用見直しも 賃貸借契約 管理規約に反していないことの確認も ( 出所 ) 厚生労働省 観光庁 第 5 回 民泊サービス のあり方に関する検討会 2016 年 1 月 25 日 43
今後の方向性 2: 中長期的に検討すべき課題 ホームステイタイプは 旅館業法の許可の枠組みの適用が必要かどうか要検討 その際の検討課題 貸出日数 宿泊者数 面積など 宿泊サービス提供者が行うべき管理の内容 程度 ( 届出 宿泊者名簿 宿泊者受入義務 衛生管理など ) 旅館業法の中で新たな類型を設けるか 新法かなど 住宅地での許可も ( 日本の暮らしを体験できるという観点 ) 仲介事業者に対する規制 ( 海外事業者への実効性担保も必要 ) ( 出所 ) 厚生労働省 観光庁 第 5 回 民泊サービス のあり方に関する検討会 2016 年 1 月 25 日 44
45