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報道発表資料 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - ポイント 異物センサー TLR のシグナル伝達機構を解析 インターフェロン産生に必須な分子 IKK アルファ を発見 免疫 アレルギーの有効

研究の詳細な説明 1. 背景病原微生物は 様々なタンパク質を作ることにより宿主の生体防御システムに対抗しています その分子メカニズムの一つとして病原微生物のタンパク質分解酵素が宿主の抗体を切断 分解することが知られております 抗体が切断 分解されると宿主は病原微生物を排除することが出来なくなります

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医学部医学科 2 年免疫学講義 10/27/2016 第 9 章 -1: 体液性免疫応答 久留米大学医学部免疫学准教授 溝口恵美子

研究の中間報告

報道発表資料 2006 年 8 月 7 日 独立行政法人理化学研究所 国立大学法人大阪大学 栄養素 亜鉛 は免疫のシグナル - 免疫系の活性化に細胞内亜鉛濃度が関与 - ポイント 亜鉛が免疫応答を制御 亜鉛がシグナル伝達分子として作用する 免疫の新領域を開拓独立行政法人理化学研究所 ( 野依良治理事

卵管の自然免疫による感染防御機能 Toll 様受容体 (TLR) は微生物成分を認識して サイトカインを発現させて自然免疫応答を誘導し また適応免疫応答にも寄与すると考えられています ニワトリでは TLR-1(type1 と 2) -2(type1 と 2) -3~ の 10

1. 免疫学概論 免疫とは何か 異物 ( 病原体 ) による侵略を防ぐ生体固有の防御機構 免疫系 = 防衛省 炎症 = 部隊の派遣から撤収まで 免疫系の特徴 ⅰ) 自己と非自己とを識別する ⅱ) 侵入因子間の差異を認識する ( 特異的反応 ) ⅲ) 侵入因子を記憶し 再侵入に対してより強い反応を起こ

の感染が阻止されるという いわゆる 二度なし現象 の原理であり 予防接種 ( ワクチン ) を行う根拠でもあります 特定の抗原を認識する記憶 B 細胞は体内を循環していますがその数は非常に少なく その中で抗原に遭遇した僅かな記憶 B 細胞が著しく増殖し 効率良く形質細胞に分化することが 大量の抗体産

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル

報道発表資料 2006 年 6 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 アレルギー反応を制御する新たなメカニズムを発見 - 謎の免疫細胞 記憶型 T 細胞 がアレルギー反応に必須 - ポイント アレルギー発症の細胞を可視化する緑色蛍光マウスの開発により解明 分化 発生等で重要なノッチ分子への情報伝達

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RNA Poly IC D-IPS-1 概要 自然免疫による病原体成分の認識は炎症反応の誘導や 獲得免疫の成立に重要な役割を果たす生体防御機構です 今回 私達はウイルス RNA を模倣する合成二本鎖 RNA アナログの Poly I:C を用いて 自然免疫応答メカニズムの解析を行いました その結果

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第51回日本小児感染症学会総会・学術集会 採択結果演題一覧

目次 1. 抗体治療とは? 2. 免疫とは? 3. 免疫の働きとは? 4. 抗体が主役の免疫とは? 5. 抗体とは? 6. 抗体の構造とは? 7. 抗体の種類とは? 8. 抗体の働きとは? 9. 抗体医薬品とは? 10. 抗体医薬品の特徴とは? 10. モノクローナル抗体とは? 11. モノクローナ

年219 番 生体防御のしくみとその破綻 (Immunity in Host Defense and Disease) 責任者: 黒田悦史主任教授 免疫学 黒田悦史主任教授 安田好文講師 2中平雅清講師 松下一史講師 目的 (1) 病原体や異物の侵入から宿主を守る 免疫系を中心とした生体防御機構を理

免疫本試29本試験模範解答_YM


年生体と微生物 (Microbiology) 責任者: 筒井ひろ子主任教授 2 病原微生物学 筒井ひろ子主任教授 奥野壽臣教授 林周平講師 三室仁美非常勤講師 1. 教育目標 (1) 各種微生物の基本的性状 病原性とそれによって生じる病態を理解する (2) 病原体 宿主関係を理解する 2. 行動目標

研究目的 1. 電波ばく露による免疫細胞への影響に関する研究 我々の体には 恒常性を保つために 生体内に侵入した異物を生体外に排除する 免疫と呼ばれる防御システムが存在する 免疫力の低下は感染を引き起こしやすくなり 健康を損ないやすくなる そこで 2 10W/kgのSARで電波ばく露を行い 免疫細胞

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60 秒でわかるプレスリリース 2006 年 4 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 敗血症の本質にせまる 新規治療法開発 大きく前進 - 制御性樹状細胞を用い 敗血症の治療に世界で初めて成功 - 敗血症 は 細菌などの微生物による感染が全身に広がって 発熱や機能障害などの急激な炎症反応が引き起

免疫リンパ球療法とは はじめに あなたは免疫細胞 ( 以下免疫と言います ) の役割を知っていますか 免疫という言葉はよく耳にしますね では 身体で免疫は何をしているのでしょう? 免疫の大きな役割は 外から身体に侵入してくる病原菌や異物からあなたの身体を守る ことです あなたの身体には自分を守る 病

70,71 図 2.32, 図 2.33, 図 2.34 C3b,Bb C3bBb 70,71 図 2.32, 図 2.33, 図 2.34 C3b2,Bb C3b2Bb 72 7 行目 C3 転換酵素 (C4b2b) C3 転換酵素 (C4b2a) 91 図 2.50 キャプション 12 行目 リ

免疫再試25模範

ランゲルハンス細胞の過去まず LC の過去についてお話しします LC は 1868 年に 当時ドイツのベルリン大学の医学生であった Paul Langerhans により発見されました しかしながら 当初は 細胞の形状から神経のように見えたため 神経細胞と勘違いされていました その後 約 100 年

ごく少量のアレルゲンによるアレルギー性気道炎症の発症機序を解明

ワクチン免疫の基礎と臨床 ワクチン効果を上げるもの下げるもの Toll 図 1 自然免疫と獲得免疫 る これにより 2 度目の抗原刺激に対して急速な免疫応答が可能となる ワクチンは 病原体の曝露を受ける前に この獲得免疫を成立させておくことが目的である [ 免疫の獲得機序 ] ウイルスに対する獲得免

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糖鎖の新しい機能を発見:補体系をコントロールして健康な脳神経を維持する

研究の中間報告

研究成果報告書

リンパ組織における抗原特異的なナイーブ T 細胞の捕捉と活性化 捕捉 活性化 ナイーブT 細胞末梢循環中移動所属リンパ節でAgを提示した樹状細胞に出会う TCR を介して活性化される 5 日以内 エフェクター T 細胞 Ag 認識後 5 日以内に増加 リンパ節を出て局所へ移動

汎発性膿疱性乾癬のうちインターロイキン 36 受容体拮抗因子欠損症の病態の解明と治療法の開発について ポイント 厚生労働省の難治性疾患克服事業における臨床調査研究対象疾患 指定難病の 1 つである汎発性膿疱性乾癬のうち 尋常性乾癬を併発しないものはインターロイキン 36 1 受容体拮抗因子欠損症 (

VACCINE PART.2 VACCINE PART.2 VACCINE PART.2 VACCINE PART.2 VACCINE 第 1 章 その魔力は薬か毒か ワクチンの効果を高める目的で添加されている補助剤がです しかし よいことだけではありません とはいったいどのようなもので ワクチンの


< 研究の背景と経緯 > 私たちの消化管は 食物や腸内細菌などの外来抗原に常にさらされています 消化管粘膜の免疫系は 有害な病原体の侵入を防ぐと同時に 生体に有益な抗原に対しては過剰に反応しないよう巧妙に調節されています 消化管に常在するマクロファージはCX3CR1を発現し インターロイキン-10(

報道発表資料 2007 年 4 月 30 日 独立行政法人理化学研究所 炎症反応を制御する新たなメカニズムを解明 - アレルギー 炎症性疾患の病態解明に新たな手掛かり - ポイント 免疫反応を正常に終息させる必須の分子は核内タンパク質 PDLIM2 炎症反応にかかわる転写因子を分解に導く新制御メカニ

のと期待されます 本研究成果は 2011 年 4 月 5 日 ( 英国時間 ) に英国オンライン科学雑誌 Nature Communications で公開されます また 本研究成果は JST 戦略的創造研究推進事業チーム型研究 (CREST) の研究領域 アレルギー疾患 自己免疫疾患などの発症機構

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図形の表現 5 チャートの作成 1, 作成チャート 右図は 平成 23 年 10 月 8 日付け朝日新聞 3 面より 下図は実際作成した図です 2, 樹状細胞について本年のノーベル医学生理学賞は 樹状細胞 を発見した功績に対して 米ロックフェラー大のラルフ スタインマン教授が選ばれた この樹状細胞は

免疫学過去問まとめ

2 1 章 免疫とは 免疫系概説 厳密にと非の区別を行う獲得免疫について述べることにする 獲得免疫系にとって非を と区別する目印となる物質のことを antigen という 免疫系はそのようなの出現に対 してそれを排除するような行動を開始するのである その仕事をする免疫系の中心となっている細胞 がリン

く 細胞傷害活性の無い CD4 + ヘルパー T 細胞が必須と判明した 吉田らは 1988 年 C57BL/6 マウスが腹腔内に移植した BALB/c マウス由来の Meth A 腫瘍細胞 (CTL 耐性細胞株 ) を拒絶すること 1991 年 同種異系移植によって誘導されるマクロファージ (AIM

1-11. 三種混合ワクチンに含まれないのはどれか 1 破傷風 2 百日咳 3 腸チフス 4 ジフテリア 疾患と症状との組合せで誤っているのはどれか 1 猩紅熱 コプリック斑 2 破傷風 牙関緊急 3 細菌性赤痢 膿粘血便 4 ジフテリア 咽頭 喉頭偽膜 予防接種が有効なはど

八村敏志 TCR が発現しない. 抗原の経口投与 DO11.1 TCR トランスジェニックマウスに経口免疫寛容を誘導するために 粗精製 OVA を mg/ml の濃度で溶解した水溶液を作製し 7 日間自由摂取させた また Foxp3 の発現を検討する実験では RAG / OVA3 3 マウスおよび


読んで見てわかる免疫腫瘍

感染経路 1. 直接伝播 1 直接接触 ( 接触による径皮感染 ) 例 : 水いぼ 性感染症 HIV 2 飛沫感染 ( 通常 1~2m 以内 ) 例 : おたふく 風疹など多くの感染症 3 母子感染 ( 胎盤 産道 母乳感染 ) 例 : 風疹 B 肝 *HIV 2. 間接伝播 * ヒト免疫不全ウイル

研究の背景 1 細菌 ウイルス 寄生虫などの病原体が人体に侵入し感染すると 血液中を流れている炎症性単球注と呼ばれる免疫細胞が血管壁を通過し 感染局所に集積します ( 図 1) 炎症性単球は そこで病原体を貪食するマクロファ 1 ージ注と呼ばれる細胞に分化して感染から体を守る重要な働きをしています

Research 2 Vol.81, No.12013

第一章自然免疫活性化物質による T 細胞機能の修飾に関する検討自然免疫は 感染の初期段階において重要な防御機構である 自然免疫を担当する細胞は パターン認識受容体 (Pattern Recognition Receptors:PRRs) を介して PAMPs の特異的な構造を検知する 機能性食品は

2017 年度茨城キリスト教大学入学試験問題 生物基礎 (A 日程 ) ( 解答は解答用紙に記入すること ) Ⅰ ヒトの肝臓とその働きに関する記述である 以下の設問に答えなさい 肝臓は ( ア ) という構造単位が集まってできている器官である 肝臓に入る血管には, 酸素を 運ぶ肝動脈と栄養素を運ぶ

今後の展開現在でも 自己免疫疾患の発症機構については不明な点が多くあります 今回の発見により 今後自己免疫疾患の発症機構の理解が大きく前進すると共に 今まで見過ごされてきたイントロン残存の重要性が 生体反応の様々な局面で明らかにされることが期待されます 図 1 Jmjd6 欠損型の胸腺をヌードマウス

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スギ花粉の捕捉Ys ver7.00

ヒト慢性根尖性歯周炎のbasic fibroblast growth factor とそのreceptor

研究成果報告書

るマウスを解析したところ XCR1 陽性樹状細胞欠失マウスと同様に 腸管 T 細胞の減少が認められました さらに XCL1 の発現が 脾臓やリンパ節の T 細胞に比較して 腸管組織の T 細胞において高いこと そして 腸管内で T 細胞と XCR1 陽性樹状細胞が密に相互作用していることも明らかにな

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2015 年 11 月 5 日 乳酸菌発酵果汁飲料の継続摂取がアトピー性皮膚炎症状を改善 株式会社ヤクルト本社 ( 社長根岸孝成 ) では アトピー性皮膚炎患者を対象に 乳酸菌 ラクトバチルスプランタルム YIT 0132 ( 以下 乳酸菌 LP0132) を含む発酵果汁飲料 ( 以下 乳酸菌発酵果

図アレルギーぜんそくの初期反応の分子メカニズム

1-11. 三種混合ワクチンに含まれないのはどれか 1. 破傷風 2. 百日咳 3. 腸チフス 4. ジフテリア 第 17 回按マ指 疾患と症状との組合せで誤っているのはどれか 1. 猩紅熱 - コプリック斑 2. 破傷風 - 牙関緊急 3. 細菌性赤痢 - 膿粘血便 4. ジフテリア

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VENTANA PD-L1 SP142 Rabbit Monoclonal Antibody OptiView PD-L1 SP142

5. T 細胞 TCR( 抗原受容体 ) を発現 抗原断片と MHC の複合体を認識 機能的に以下の 3 つに分類できる ヘルパー T 細胞免疫の応答の調節 免疫機構の制御 (Th1 細胞,Th2 細胞,Th17 細胞など ) 細胞傷害性 ( キラー )T 細胞標的細胞を傷害制御性 T 細胞 T 細

感染症対策

さらにのどや気管の粘膜に広く分布しているマスト細胞の表面に付着します IgE 抗体にスギ花粉が結合すると マスト細胞がヒスタミン ロイコトリエンという化学伝達物質を放出します このヒスタミン ロイコトリエンが鼻やのどの粘膜細胞や血管を刺激し 鼻水やくしゃみ 鼻づまりなどの花粉症の症状を引き起こします

横浜市感染症発生状況 ( 平成 30 年 ) ( : 第 50 週に診断された感染症 ) 二類感染症 ( 結核を除く ) 月別届出状況 該当なし 三類感染症月別届出状況 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月計 細菌性赤痢


ブック2

界では年間約 2700 万人が敗血症を発症し その多くを発展途上国の乳幼児が占めています 抗菌薬などの発症早期の治療法の進歩が見られるものの 先進国でも高齢者が発症後数ヶ月の 間に新たな感染症にかかって亡くなる例が多いことが知られています 発症早期には 全身に広がった感染によって炎症反応が過剰になり

平成 2 3 年 2 月 9 日 科学技術振興機構 (JST) Tel: ( 広報ポータル部 ) 慶應義塾大学 Tel: ( 医学部庶務課 ) 腸における炎症を抑える新しいメカニズムを発見 - 炎症性腸疾患の新たな治療法開発に期待 - JST 課題解決型基

2. 定期接種ンの 接種方法等について ( 表 2) ンの 種類 1 歳未満 生 BCG MR 麻疹風疹 接種回数接種方法接種回数 1 回上腕外側のほぼ中央部に菅針を用いて2か所に圧刺 ( 経皮接種 ) 1 期は1 歳以上 2 歳未満 2 期は5 歳以上 7 歳未満で小学校入学前の 1 年間 ( 年

考えられている 一部の痒疹反応は, 長時間持続する蕁麻疹様の反応から始まり, 持続性の丘疹や結節を形成するに至る マウスでは IgE 存在下に抗原を投与すると, 即時型アレルギー反応, 遅発型アレルギー反応に引き続いて, 好塩基球依存性の第 3 相反応 (IgE-CAI: IgE-dependent

ウシの免疫機能と乳腺免疫 球は.8 ~ 24.3% T 細胞は 33.5 ~ 42.7% B 細胞は 28.5 ~ 36.2% 単球は 6.9 ~ 8.9% で推移し 有意な変動は認められなかった T 細胞サブセットの割合は γδ T 細胞が最も高く 43.4 ~ 48.3% で CD4 + T 細

大学院博士課程共通科目ベーシックプログラム

研究成果の概要 今回発表した研究では 独自に開発した B 細胞初代培養法 ( 誘導性胚中心様 B (igb) 細胞培養法 ; 野嶋ら, Nat. Commun. 2011) を用いて 膜型 IgE と他のクラスの抗原受容体を培養した B 細胞に発現させ それらの機能を比較しました その結果 他のクラ

方法について教えてください A 妊娠中の接種に関する有効性および安全性が確立されていないため 3 回接種を完了する前に妊娠していることがわかった場合には一旦接種を中断し 出産後に残りの接種を行うようにしてください 接種が中断しても 最初から接種し直す必要はありません 具体的には 1 回目接種後に妊娠

接歯や粘膜上皮に付着できない菌も組織定着が可能です ( 図 2) 口腔ケアが低下し異菌種間の凝集を仲介する細菌種の Fusobacterium や Actinomyces などが増えると プラーク量は一気に増加します ( 図 2) 徐々にプラーク内の嫌気度が増し 歯周病原菌 Porphyromona

抗菌薬の殺菌作用抗菌薬の殺菌作用には濃度依存性と時間依存性の 2 種類があり 抗菌薬の効果および用法 用量の設定に大きな影響を与えます 濃度依存性タイプでは 濃度を高めると濃度依存的に殺菌作用を示します 濃度依存性タイプの抗菌薬としては キノロン系薬やアミノ配糖体系薬が挙げられます 一方 時間依存性

生命科学を目指す諸君へ B BCR II MHC TCR T NK T I MHC T CTL 図 1 IL-1 TNFα NK T MHC TCR T T T I-MHC T (CTL) II-MHC T T CTL B 動する 自然免疫はマクロファージなどが持つ異物セン

平成17年口腔細菌1 感染小学;10/27/05

第5章 体液

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後などに慢性の下痢をおこしているケースでは ランブル鞭毛虫や赤痢アメーバなどの原虫が原因になっていることが多いようです 二番目に海外渡航者にリスクのある感染症は 蚊が媒介するデング熱やマラリアなどの疾患で この種の感染症は滞在する地域によりリスクが異なります たとえば デング熱は東南アジアや中南米で

糖尿病診療における早期からの厳格な血糖コントロールの重要性

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 森脇真一 井上善博 副査副査 教授教授 東 治 人 上 田 晃 一 副査 教授 朝日通雄 主論文題名 Transgene number-dependent, gene expression rate-independe

< 背景 > HMGB1 は 真核生物に存在する分子量 30 kda の非ヒストン DNA 結合タンパク質であり クロマチン構造変換因子として機能し 転写制御および DNA の修復に関与します 一方 HMGB1 は 組織の損傷や壊死によって細胞外へ分泌された場合 炎症性サイトカイン遺伝子の発現を増強

Transcription:

看護学科 2 年イラストレイテッド免疫学 6/2/2016 第 13 章 : 自然免疫と獲得免疫による健康管理 久留米大学医学部免疫学准教授 溝口 恵美子

免疫反応 免疫とは 自己を非自己から守るための身体の備わっている防御システムのこと 免疫細胞 攻撃 非自己 攻撃 自己成分 自己免疫疾患

ヒトは, 細菌と共栄共存している 生体内の細菌量はどのくらい? 細菌数はヒトの細胞の約 10 倍 細菌は約 800 万個の遺伝子を発現 ヒト生体内細菌は約 1,000 species ヒト生体内には 1 3kg の細菌 生体内細菌の利点は? 多糖体複合体の分解 ビタミンの合成 腸内細菌叢による生体内バランス 生体免疫能の成熟

粘膜表面の免疫 空気の吸入 食べ物や飲み物の摂取 呼吸器 消化器 共生生活 呼吸器や消化器の表面は粘膜で被われている 刺激の除去 炎症反応抑制

病原体 ( 抗原 ) の認識 未熟な Tcell 第 1シグナル MHCクラスII CD4 Ag B7 抗原提示細胞 樹状細胞 (DC) マクロファージ B 細胞 第 2 シグナル CD4 CD8 成熟なヘルパー T 成熟な細胞障害性 T 病原体侵入部位に移動する

接着分子 リガンド ( 結合相手 ) セレクチン E セレクチン (CD62E) endothelial シアリルルイスX L セレクチン (CD62L) leukocytes CD34, MadCAM 1 P セレクチン (CD62P) platelets シアリルルイスX, PSG 1 アドレッシン CD34 (gp105~120) L セレクチン GlyCAM 1 MadCAM 1 インテグリン LFA 1 (CD11a/CD18) ICAM 1, 2, 3 ( 二量体で存在 ) Mac 1 (CD11b/CD18) ICAM 1, Ic3b CR4 (CD11c/CD18) Ic3b VLA 4 (CD49d/CD29) VCAM 1 Ig スーパー CD2 (LFA 2) LFA 3 (CD58) ファミリー ICAM 1 (CD54) LFA 1, Mac 1 ICAM 2 (CD50) LFA 1 VCAM 1 (CD106) VLA 4

接着分子は細胞間の相互作用を安定化させる ICAM 1 LFA 1 抗原提示細胞 B7 1(CD80), B7 2 (CD86) CD28 CD4+T 細胞 MHC class II CD4 Ag TCR 本来は弱い結合 LFA 3 CD2

接着分子と侵入の指標 異物 ( 病原体や病原体産物 ) 微生物が損傷部位から侵入する 微生物 真皮 炎症性サイトカイン (IL 1, TNF) 血管内皮細胞に接着分子が発現する 真皮 ICAM E セレクチ 毛細血管腔 リピンコットイラストレイテッド免疫学 原書 2 版 Page 183, 図 13 2 より引用 改変

接着分子による白血球の移動調節 毛細血管腔 血流 血管内皮 P /E セレクチン ICAM 1 シアリルLe x LFA 1 ICAM 1 インテグリン (LFA 1, Mac 1) ケモカイン 1 ローリング接着 2 強い結合 3 血管外遊出 4 組織内移動 リピンコットイラストレイテッド免疫学 原書 2 版 Page 184, 図 13 3 より引用 改変

感染性物質に対する反応 体液性免疫 補体系の活性化 : 迅速で効果的に病原体の成長や増殖を抑える C3b C4b: オプソニンとして働き 病原体の貪食と破壊を促進 C3a, C4a, C5a: 白血球をよびよせて活性化させることによって炎症応答開始 抗体産生により 感染性物質に目印をつける オプソニン化 : マクロファージや好中球等の食細胞による破壊 ADCC ( 抗体依存性細胞触媒性細胞障害 ):NK 細胞 好酸球による破壊 IgEによるマスト細胞や抗塩基球からの炎症性メディエーターの放出

感染性物質に対する反応 細胞性免疫 病原体の多くは 生体内に侵入後 さらに個々の細胞内に侵入する ウイルスやある種の細菌は 独自の方法で宿主細胞内に侵入後 免疫反応を 逃れて細胞質内で増殖する 一部は TLR (Toll like receptor) Fc レセプター 補体レセプターなどを介して食細胞に捕らえられる 大部分の細菌は細胞内に侵入するときに形成されたエンドソーム内で生存する

細胞内寄生細菌とエンドソーム 細菌の産物 断片 逃れ出る 内で生存 リピンコットイラストレイテッド免疫学 原書 2 版 Page 185, 図 13 4, 図 13 5 より引用 改変

感染排除に関与する自然免疫応答 ウイルス : 食作用 NK 細胞 ( 例 : インフルエンザウイルス 麻疹ウイルス ) 細胞内細菌 : 好中球 NK 細胞 ( 例 : リステリア菌 レシオネラ菌 マイコバクテリア リケッチア ) 細胞外細菌 : 食作用 補体 ( 例 : 黄色ブドウ球菌 化膿性連鎖球菌 チフス菌 ) 細胞内原虫 : 排除しきれない ( 例 : マラリア リーシュマニア ) 細胞外原虫 : 食作用 補体 ( 例 : 赤痢アメーバ ランブル鞭毛虫 ) 真菌 : 補体 ( 例 : カンジタ ヒストプラズマ クリプトコッカス )

感染排除に関与する獲得免疫応答 リピンコットイラストレイテッド免疫学 原書 2 版 Page 187, 表 13.3 より引用

細胞外寄生細菌と細胞内寄生細菌 細胞外寄生細菌 ブドウ球菌 連鎖球菌 ナイセリア ボルデテラ エルシニア 細胞内寄生細菌 マイコバクテリア 赤痢菌 サルモネラ リステリア リケッチア リピンコットイラストレイテッド免疫学 原書 2 版 Page 188, 図 13.6, 図 13.7 より引用

病原体の免疫反応回避 遺伝子ドリフト ( 新しい変異体をつくって対抗 ): インフルエンザ HIV 遺伝子シフト ( 全く新しいウイルスをつくって対抗 ): インフルエンザ 核を持たない細胞に侵入 : プラスモジウム 多糖で表面抗原を覆い尽くす : 肺炎球菌 細胞膜を持たないために組織親和性が高い : マイコプラズマ 表面抗原を全体的に変化させる : トリパノゾーマ 淋病

多くの病原体は 免疫応答を阻害するような物質をつくって対抗する マイコバクテリア : ファゴリソソームのpHを変化 レジオネラ : エンドソームとリソソームの融合阻止 サイトメガロウイルス : MHCクラスIの提示能阻止 アデノウイルス : MHCクラスIの提示能阻止 EBウイルス : 局所での白血球の機能抑制 ナイセリア 連鎖球菌 : Igや補体を減弱させる酵素をつくる

炎症 炎症の4 主徴 腫脹 発赤 発熱 疼痛 炎症によって起こる反応 補体の活性化 食細胞 ( マクロファージ ) の活性化 炎症性サイトカインの産生 血流の増加 血管拡張と組織浸出 炎症性メディエーターの分泌 抗体の産生と T 細胞の浸潤

腸管の免疫学的環境 : 2 つの区域 腸管上皮細胞 IEL (CD8 が多い) M 細胞 腸管上皮層 形質細胞 B 細胞 細動脈 パイエル板 T 細胞 細静脈 DC リンパ管 粘膜固有層 M

粘膜固有層とパイエル板 Ag との出会いの場

腸管の粘膜環境と腸管外環境との免疫学的比較 腸管粘膜の環境 抗原とのはじめの接触は 腸管上皮細胞と NKT 細胞を通して行われる 細胞性炎症反応の抑制 細胞性炎症反応の促進 細胞性 Th2 Th1 末梢の腸管外環境 抗原とのはじめの接触は マクロファージ NK 細胞を通して行われる

ワクチン接種 実際に微生物に遭遇する前に 有害な病原体や毒素を投与して免疫応答を引き起こす 中和抗体 抗体価の上昇 強力な細胞性免疫 1 度目に病原体に出会った時よりも激しく速く病原体を認識して排除する

ワクチンの歴史 ワクチンは 病気に対する防御機構を伝える試みとして発展してきた 古代エジプトや中国 : 天然痘患者の膿疱のかさぶたからの粉末 Edward Jenner (1794): 牛痘患者由来の物質の接種で天然痘を予防 Robert Koch: 炭疽菌 結核菌 コレラ菌の発見者である 結核菌の培養上清からツベルクリン ( 結核菌ワクチン ) を創製した (1890) Louis Pasteur: Koch と共に 近代細菌学の開祖 される 低温殺菌法 ( パスチャライゼーション ) を開発 (1862) ワクチンによる予防接種法を開発し 狂犬病ワクチンを発明した

ワクチンの性状 ワクチンのよって 実際にその病気を引き起こしたり 重大な副作用がない 効果は長く続くことが必要 ワクチンによって その病原体に対する効果的な免疫応答が誘導される 再感染を最小限に阻止するために 中和抗体が誘導されなければならない ワクチンは安価であることが必要 ワクチンの保存 輸送 使用にあたって品質が変化しない

アジュバント 細菌構成成分などからなり ワクチンの効果を増強する目的で使われる 完全フロイントアジュバント (CFA) CFA は 結核菌加熱死菌又はその菌体成分によるミネラルオイルの油中水型乳剤 (water in oil emulsion) である 液性免疫と細胞性免疫の両方を誘発する強力なアジュバントで 強い肉芽腫性 ( 炎症性 ) 反応を誘導する もし抗酸菌濃度が 0.5mg/ml 未満なら (0.1mg/ml in Broderson [1989]) 強い炎症反応は軽減される 不完全フロイントアジュバント (IFA) IFA は CFA から抗酸菌又はその菌体成分を除いたものである FIA は抗体産生や細胞免疫の誘導が FCA に比べて効果が低い

ワクチンの種類 生ワクチン live vaccine 弱毒生ワクチン attenuated vaccine: 病原体そのものを使用 不活化ワクチン killed vaccine: 病原体を失活させ その抗原性を温存して使用 抽出物ワクチン ( トキソイド )extract vaccine: 培養した菌のつくり出す毒素を取り 出し これを不活化して使用 組換えワクチン recombinant vaccine DNAワクチン DNA vaccine

予防接種 ワクチン 対象年齢 接種標準的な接種年齢 回数 DPT= Diphtheria, Pertussis, Tetanus ジフテリア 百日咳 破傷風

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