第1部 計画の基本的な考え方と背景 第1章 計画の基本的な考え方 第2章 計画策定の背景
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7 0 1,000 2,500m N
本市の気候は 日本海型気候区1に属しており 年平均気温が15 16 と 第 1 部 山間部に比べ高く 海洋の影響を受けています 年降水量は1,700mm前後で 冬季に曇りや雨の天気が多く 北西の季節風を受けて風が強い日が多いのが 特徴です 計 画 の 基 本 的 な 考 え 方 と 背 景 本市は 本州最西端部に位置し 形状が扇形状で 旧下関地域では平野に 乏しい起伏の多い地形になっており 旧豊浦郡地域では標高300mの山々が 連なる丘陵地帯 山林地帯 平野地帯 があり 豊かな自然環境に恵まれてい ます 主な河川には 木屋川 粟野川 綾羅木川 神田川 川棚川などがあり また 豊田湖をはじめダム湖が多数あ ります 本市の海域は 瀬戸内海から関門海 峡を経て響灘 日本海側の油谷湾まで 至っており その一部は瀬戸内海国立 公園 北長門海岸国定公園に指定され ています また 瀬戸内海側の河口沿 岸一帯には 県内有数の干潟2が残さ れているほか 日本海側の沿岸には 広く藻場3が形成されるなど自然環境 に恵まれています 豊浦から豊北へ続く海岸線 ブルーライン 満珠 干珠 長府 1 日本海型気候区 九州 山口県の気候区分のうち 日本海側に面する福岡 佐賀県の北部 山口県の西部 北部の特性 を示した気候区 2 干潟 海岸部に発達する砂や泥により形成された低湿地で ある程度以上の面積で維持されている場所 潮汐による 海水面の上下変動で 時間によって陸地と海面下になることを繰り返す地形 3 藻場 海中で大型の海藻が群生している場所をいう 魚介類の産卵場やエサ場などの生育場として沿岸地域の生態系 に重要な役割を果たしている 自然的状況図凡例用語 次頁 8 自然記念物 動物 生息地 繁殖地及び飛来地を含む 植物 生育地を含む 地質 特異な自然の現象を生じている土 地を含む 等のうち 住民に親しまれているもの 由緒あるものまたは学術的価値のあるものを県知事が指定したもの 自然海浜保全地区 瀬戸内海に残された自然海浜を海水浴等のレクリエーションの場等として保全するため 関係各府 県が 瀬戸内海環境保全特別措置法 に基づく自然海浜保全地区条例により指定した海浜の保全地区 11府県で91地 区の自然海浜保全地区が指定されている 自然公園 優れた美しい自然の風景地を保護し 自然に親しみ 野外レクリエーションを楽しむことができるよう 区域を 定めて指定された公園のこと 自然公園法に基づき 国立公園 国定公園 都道府県立自然公園に区分される また 国 立公園 国定公園の中で特に保護の重要度に応じて 特別保護地区 第1種 第3種特別地区 普通地区に区分される
角 北長門海岸国定公園 島 自然的状況図 第 1 部 N 大浜キャンプ場 粟野川 計 画 の 基 本 的 な 考 え 方 と 背 景 天井ケ岳山地 土井ヶ浜キャンプ場 豊田県立自然公園 豊田湖畔公園 石柱渓 木屋川 粟野川 狗留孫山 犬鳴自然海浜保全地区 ならび松自然海浜保全地区 小串自然海浜保全地区 華山山地 徳仙の滝キャンプ場 大吼谷蝙蝠洞 川棚川 室津自然海浜保全地区 蓋井島 豊浦山地 竜王神社樹林 木屋川 深坂自然の森 神田川 安岡自然海浜保全地区 響灘 周防灘 綾羅木川 満珠 干珠 六連島の雲母玄武岩 六連島 凡 赤間神宮 紅石山樹林 瀬戸内海国立公園 自然記念物 標高600m 700m 自然海浜保全地区 標高500m 600m 保全すべき地形 地質 標高400m 500m 関 門 海 峡 0 1,000 2,500m 例 標高700m以上 標高300m 400m 自然とのふれあい活動の場 キャンプ場 標高200m 300m 自然公園特別保護地区 標高100m 200m 自然公園第1種特別地区 湖 た め 池 等 自然公園第2種特別地区 河 川 自然公園第3種特別地区 干 潟 自然公園普通地区 9
2 環境問題への取組の動向 第 1 部 1 国や県の取組 1 我が国の環境問題への取組の歴史 計 画 の 基 本 的 な 考 え 方 と 背 景 我が国では 高度経済成長期に突入した1960年代には 環境よりも経済が 優先され 工場による大気汚染や水質汚濁等の公害問題が深刻化しました これに対して60年代の後半から70年代初めにかけて 大気汚染防止法や水質 汚濁防止法など 公害を規制する法制度が急速に整備され 1970年代には 公害問題は急速に改善されました 1980年代には 交通渋滞や排気ガス ごみ アメニティ1等といった都市 環境の問題が発生しました これらは 事業者の経済活動や消費者のライフ スタイル2などが複雑に絡み合って生じる問題であったため その解決には 難しい面がありました 1990年代に入り 地球サミット3がブラジルのリオ デ ジャネイロで行 われたことを契機に地球環境問題がクローズアップされ その解決に向けて 急速に世界が動き出しました この頃 我が国では環境基本法が制定され 各種リサイクル4関連 エネ ルギー関連 環境アセスメント5等の様々な分野での法律の制度化や改正が なされました ヒマラヤ 東ネパール の氷河の後退 1978年5月 1989年11月 2004年8月 撮 影 名古屋大学環境学研究科 雪氷圏変動研究室 引用元 全国地球温暖化防止活動推進センターホームページより http://www.jccca.org/ 1 アメニティ 快適な生活環境 快適さ 都市生活環境での様々な問題に対し 自然環境の保全とともに 人間らしい快 適生活を求める理念として提唱されている 2 ライフスタイル 個人又は集団の生活様式 生き方 3 地球サミット 1992年 国連の主催により ブラジルのリオ デ ジャネイロで開催された 環境と開発をテーマとする首 脳レベルでの国際会議 4 リサイクル 環境汚染の防止 省資源 省エネルギーの推進 廃棄物の減少を図るため 資源として再利用できる廃棄 物を活用することをいう 5 環境アセスメント 開発事業を行う前に その事業が環境にどんな影響を及ぼすのか事業者が調査 予測 評価し そ の結果を公表した上で住民や地方公共団体の意見を聞き 環境保全の視点からよりよい事業を行おうとする制度のこ と(P82参照) 10
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2 市の取組 第 1 部 山口県最大の都市である本市は 産業の集積 海陸交通の要衝として発展 してきました その反面 工場からのばい煙 自動車排ガス等による大気汚 計 画 の 基 本 的 な 考 え 方 と 背 景 染 工場排水等による公共用水域 1 の水質汚濁が顕在化しました これらの公害に対し 本市では 昭和51年から5年毎に山口県が策定して いる 下関 宇部地域公害防止計画 を基本として 公害防止対策を総合的 に推進してきました また 都市環境問題の分野では アメニティタウン下 関計画 昭和61年3月 を基本として施策を進めてきました 旧下関市では 平成9年3月に 下関市環境総合計画 を策定し 自然 と歴史を守り 環境と調和しながら発展する快適環境都市 を望ましい環境 像に 4つの長期的目標を掲げて 環境保全に係る施策を推進してきました 翌年3月には 下関市地球温暖化防止計画 を策定し いち早く地球温暖 化防止に向けた取組を進めてきました また 平成14年3月に 下関市環境 基本条例 が施行され 平成15年には 下関市リサイクルプラザ2 が本 格稼動し 有料指定ごみ袋制度が導入されるなど 廃棄物行政が大きく見直 されました 一方 菊川町 豊田町 豊浦町 豊 北町の旧4町では 平成10年10月に 環 境美化条例 が 平成14年4月には 旧1市4町で ほたる保護条例 が同 時に施行されるなど 環境保全への意 識が高まってきました このうち豊北 町では 平成15年に 豊北町環境基本 条例 が施行され あわせて 豊北町 環境基本計画 が策定されました あるかぽーと ホタルの乱舞 豊田 1 公共用水域 水質汚濁防止法によると 河川 湖沼 港湾 沿岸海域その他公共の用に供される水域及びこれに接続す る公共溝渠 かんがい用水路その他公共の用に供される水路をいう 2 下関市リサイクルプラザ 下関市の一般ごみの分別収集 減量 再資源化及び再生利用を促進し リサイクルの情報及 び体験の場を市民に提供することにより 市民の意識啓発を図り 自主的な活動の支援と循環型社会の形成の推進を 図るため 平成15年に建設された施設 13
3 市民 事業者の環境に関する意識 行動 第 1 部 1 市民の環境意識と行動 環境基本計画を策定するにあたり 平成18年2月に市民2,000人に対し 環 計 画 の 基 本 的 な 考 え 方 と 背 景 境に関する意識アンケートを行い 45 の回収率を得ました 居住地域の環境 自分の住んでいる地域の環境について 日当たり 空気のさわやかさ 静 けさといった生活環境や 緑や水辺の豊かさといった自然環境に比較的満足 している一方で ごみのポイ捨てや不法投棄等のごみの多さ 環境モラルの 低下 公園やレクリエーション施設等の配置状況については満足度が低くな っています 環境の保全 創造のための行動 日頃の環境の保全や創造のための行動については 省エネルギー1 自然 破壊をしない 生活排水や騒音に気をつける等の日常生活での身近なことは 実行しており これからも続けたいと考えられています しかし 生ごみの たい肥化 住宅の省エネ化 ホタルの保護活動 里地 里 山 2 の保全活動 歴史的街並みの保存活動 祭りへの参加等の経済的負担や労力負担を伴うも のへの参加は消極的です より良い環境づくりを進め ていくための市民活動には参 加したい意向はあるものの 時間等の制約があり 条件付 きでの参加が6割近くを占め ています 子どもたちに身につけてほしい行動 今の子どもたちについては 外で遊ぶことや自然とふれあう機会や安全に 遊ぶ場所が減っており 食べ物や持ち物を大切にせず 習い事などに時間を とられている子どもたちが増えていると感じています これからは もっ たいない など環境にやさしい生活習慣 生き物の大切さや命の尊さ 地域 美化活動を通じて環境保全の大切さ等を学び 身につけて欲しいと思ってい ます 1 省エネルギー エネルギーを効率的に使用することによって より少ないエネルギーで大きな効果を上げること 具 体的には 家庭でエネルギー消費機器を無駄なく使うことから 企業の設備や技術開発に至るまでの広汎な活動を 含む 2 里地 里山 奥山と都市の中間に位置し 集落とそれを取り巻く二次林 それらと混在する農地 ため池 草原等で構成 される地域の概念を示したもの 14
0 20 40 60 80 100% 81.1 76.9 73.1 71.1 67.9 67.1 59.4 52.5 50.8 48.2 15
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0 20 40 60 80 100% 87.1 79.6 77.4 75.3 72.0 71.0 71.0 58.1 55.9 54.8 17
環境配慮に関する社員教育実施状況 第 1 部 0 計 画 の 基 本 的 な 考 え 方 と 背 景 従業員数100人未満 20 8.5 28.2 従業員数100人以上 40 60 1.4 42.9 80 100 60.5 33.3 1.4 4.7 14.3 4.8 定期的に行っている 定期的ではないが行っている 従業員の希望に応じて行っている 環境教育は行っていない その他 工業団地 長府 18