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9 医療に関連する法知識などの習得 医師法, 医療法, 医師以外の医療従事者に関する法規 薬事法規, 保険衛生に関する法規, 医療保険に関する法規, 社会福祉に関す法規 臓器移植に関する法律, 個人情報の保護に関する法律 医療費補助制度 指導医と専門領域専門研修基幹施設 : 医療法人明徳会総合新川橋

眼科学 責任者 コーディネーター 眼科学講座黒坂大次郎教授 担当講座 学科 ( 分野 ) 担当教員 眼科学講座 黒坂大次郎教授 町田繁樹准教授 木村桂講師 後藤恭孝助教 菅原剛助教 橋爪公平助教 対象学年 4 期間前期 区分 時間数 講義 17 時間 学習方針 ( 講義概要等 ) 視機能の回復 改善

糖尿病網膜症診療の現状

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診断群分類医療資源を最も投入した傷病名年齢 出生時体重手術手術 処置等 1 MDC コード分類名 ICD 名称 ラ手術分岐ラ点数表名称ラコード時体重コー等コードグググト ト 対応 等等ググト 網膜芽細胞腫 網膜の悪性新生物 C692 手術なし 手術なし 1 1 リンパ節摘

Microsoft Word - 緑内障とは

活動の機会を得やすいよう配慮しています 専門研修連携施設 釜石のぞみ病院 ( 年間内眼手術 450 件 外眼手術 20 件 レーザー手術 20 件 ) 指導管理責任者専門医 : 葛西款 真生会富山病院 ( 年間内眼手術 2,292 件 外眼手術 358 件 レーザー手術 813 件 ) 指導責管理任

での研修期間中は こうした活動の機会を得やすいよう配慮しています 専門研修連携施設 A グループ 地域の中核病院指導管理責任者 1 名以上が配置されており 専門医 2 名以上 スタッフ 3 名以上 年間手術件数 500 件以上下関医療センター ( 年間内眼手術 597 件 外眼手術 95 件 レーザ

日本の糖尿病患者数約 890 万人糖尿病の可能性が否定できない人約 1320 万人合わせて約 2210 万人 (2007 年厚生労働省による糖尿病実態調査 ) 糖尿病の患者様の約 40% に網膜症発生 毎年 3000 人以上が糖尿病網膜症で失明 2

要望

は入局直後から 外来の担当は徐々に開始します 各プログラムの疾患の基本について研修を行い 基本的検査 診断技術および処置を習得し それぞれのプログラムの到達目標を目指します 毎週行っている症例カンファレンスにも参加します 新生児センター 高度救命救急センター等を備えた医師臨床研修指定施設なので 他科

医 : 松本英孝 ) と 主治医グループ2( 指導医 : 森本雅裕 ) にわかれ 二か月ごとに外来担当と病棟担当をローテーションします 角結膜および眼感染症は戸所大輔 屈折矯正 斜視 弱視 小児眼科は野田聡実 涙道疾患は岩崎明美 眼形成外科は遠藤朝美が指導します 全領域の眼疾患において 重症または希

小児眼科 網膜硝子体 ぶどう膜 他科診療連携の専門分野をローテーションします 研修方法は 眼科病棟および外来をローテーションします 各プログラムの疾患の基本について研修を行い 基本的検査 診断技術および処置を習得し それぞれのプログラムの到達目標を目指します 毎週行っている症例カンファレンスにも参加

様々な手術を経験できる < 各施設に多い手術の特徴 > 昭和大学病院 : 白内障手術 緑内障手術 強膜内陥術 硝子体手術 眼窩 涙器に関する手術 ( 眼窩骨折整復術 視神経管開放術 涙道手術 ) 眼瞼手術 未熟児網膜症症例に対する網膜光凝固 藤が丘リハビリテーション病院 : 白内障手術 硝子体手術

ァレンスにも参加します 総合周産期母子医療センターを備えた施設なので 未熟児網膜症に対する診断 治療を研修します また 全科と連携をとり あらゆる全身疾患に関わる眼症状も研修します 学会報告や論文作成の機会も豊富にあり 大学院で研究する機会もあります 当院での研修期間中は こうした活動の機会を得やす

目指します 毎週行っている症例カンファレンスにも参加します 小児科併設の NICU で未熟児診療を行います 他科との連携委員を中心に あらゆる全身疾患に関わる眼症状も研修します また 学会報告や論文作成の機会も豊富にあります 当院での研修期間中は こうした活動の機会を得やすいよう配慮しています 専門

目次 1. 眼科専門医とは 2. 眼科専門医の使命 3. 専門医の認定と登録 4. 日本大学医学部附属板橋病院眼科のプログラム内容 募集要項等 5. 到達目標 6. 年次こ との到達目標 7. 症例経験 8. 研修到達目標の評価 9. 専門研修管理委員会について 10. 専攻医の就業環境について 1

ションします ロービジョン 遺伝相談等は 臨床遺伝専門医でもあるプログラム統括責任者が指導します 研修方法は 眼科病棟および外来をローテーションします 各プログラムの疾患の基本について研修を行い 基本的検査 診断技術および処置を習得し それぞれのプログラムの到達目標を目指します 毎週行っている症例カ


研修連携施設ではあまり経験することのできない希少症例も研修初期で経験することができます 専門外来が充実しており とくに糖尿病網膜症 加齢黄斑変性 緑内障に関しては ほぼ毎日高い専門知識を備えた医師が外来におり 初診 再診問わず また軽症から重症の症例まで 専門外来へのコンサルテーションや引き継ぎがス

教育セミナー3.pdf

ぼすべての手術を施行しています グループ1( 網膜硝子体 ぶどう膜 ) グループ2 ( 白内障 緑内障 角結膜 他科診療連携 ) グループ3( 神経眼科 眼窩 眼付属器 屈折矯正 弱視 斜視 小児眼科 ) に分かれ 各グループをローテーションします ロービジョン 遺伝相談等は 臨床遺伝専門医でもある

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眼部腫瘍 はじめに 眼部 すなわち眼球と結膜 眼瞼 眼窩 涙道には 多くの種類のがんが発生し その治療も多種多様です ここでは代表的ないくつかの 眼部のがん の治療について解説します 診断 網膜芽細胞腫眼底検査で乳幼児の眼内に白色腫瘤があり CTで石灰化があること 造影 CTまたは造影 MRIで腫瘤

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診療科 血液内科 ( 専門医取得コース ) 到達目標 血液悪性腫瘍 出血性疾患 凝固異常症の診断から治療管理を含めた血液疾患一般臨床を豊富に経験し 血液専門医取得を目指す 研修日数 週 4 日 6 ヶ月 ~12 ヶ月 期間定員対象評価実技診療知識 1 年若干名専門医取得前の医師業務内容やサマリの確認

白内障について 白内障は虹彩 ( 瞳 くろめ ) の後ろにある 眼のレンズ ( 水晶体 ) が濁る病気です 加齢によりこの水晶体が濁ると 眼の奥に光が届きにくくなるため ものがぼやける 視力が低下する などの症状が出現します 白内障の治療は? 白内障は年齢とともに次第に進行します 初期であれば 多少

110 川崎医学会誌 登場などにより, 眼内レンズを挿入しても眼内炎症がコントロール可能な程度に抑えられるようになったため, 生後 1ヶ月未満という若年期の手術であっても眼内レンズを挿入する施設もある 1). 白内障術後には, 成人であっても小児であっても, 眼内レンズを挿入している水晶体嚢が術後に

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

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大阪医科大学附属病院 眼科専門研修プログラム

日本標準商品分類番号 カリジノゲナーゼの血管新生抑制作用 カリジノゲナーゼは強力な血管拡張物質であるキニンを遊離することにより 高血圧や末梢循環障害の治療に広く用いられてきた 最近では 糖尿病モデルラットにおいて増加する眼内液中 VEGF 濃度を低下させることにより 血管透過性を抑制す

研修プログラム モデル例

2 院内処方 ( 入院外 投薬 ) 及び院外処方 ( 薬局調剤 ) における薬剤点数薬剤点数階級別件数の構成割合を入院外の投薬 ( 以下 院内処方 という ) 薬局調剤( 以下 院外処方 という ) 別にみると ともに 500 点未満 が最も多く それぞれ 67.0% 59.4% となっている また

中山知倫 ( 大学院生 )( 神経眼科 眼窩 眼付属器 ) 佐々木美帆 ( 大学院生 )( 屈折矯正 弱視 斜視 ) 糸井素啓 ( 大学院生 )( 角結膜 ) 木下茂 ( 感覚器未来医療学教授 )( 角結膜 ) 上田真由美 ( 感覚器未来医療学准教授 )( 角結膜 ) 中村隆宏 ( 感覚器未来医療学

目次 1. 眼科専門医とは 2. 眼科専門医の使命 3. 専門医の認定と登録 4. 都会大学眼科のプログラム内容 募集要項等 5. 到達目標 6. 年次こ との到達目標 7. 症例経験 8. 研修到達目標の評価 9. 専門研修管理委員会について 10. 専攻医の就業環境について 11. 専門研修プロ

医療が変わるto2020

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目次 1. 眼科専門医とは 2. 眼科専門医の使命 3. 専門医の認定と登録 4. 都会大学眼科のプログラム内容 募集要項等 5. 到達目標 6. 年次ごとの到達目標 7. 症例経験 8. 研修到達目標の評価 9. 専門研修管理委員会について 10. 専攻医の就業環境について 11. 専門研修プログ

表 1 レーザー照射時の眼内レンズ損傷回避のコツ 注意点 混濁が弱く, 焦点を合わせやすい部分から始める 後囊よりも少し後方に焦点を合わせる 照射エネルギーを抑制して, 必要最低限の切開をする 視軸の中心部の照射を避ける 図 2 線維性混濁この写真では混濁のより薄い上方部分では, 比較的エイミングビ

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がん登録実務について

一身体障害認定基準 1 総括的解説 (1) 視力の屈折異常がある者については 眼科的に最も適当な矯正眼鏡を選び 矯正後の視力によって判定する () 視力表は万国式を基準とした視力表を用いるものとする () 視野はゴールドマン視野計及び自動視野計又はこれらに準ずるものを用いて測定する ゴールドマン視野

眼科手技を模擬した眼科手術シミュレータの開発 ~ マイクロフックを用いた緑内障手術用眼球モデルの開発に成功 ~ 名古屋大学大学院工学研究科の新井史人教授 小俣誠二特任助教の研究グループは 東京大学大学院医学系研究科の相原一教授の研究グループと東京大学大学院工学系研究科の光石衛教授の研究グループとの共

研修プログラム モデル例

眼内レンズの添付文書の見直しについて 資料 No.1-6

スライド 1

Microsoft Word 眼科プリ

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公益ざい

動脈硬化の診断 2 糖尿病による血管の病変の診断 頭蓋内の病気の診断など 3. 眼底検査の流れ 眼底は瞳孔の奥にあるため 瞳孔を開く目薬 ( 散瞳薬 ) をさします その後 10 分 ~15 分で瞳孔が開いた段階で いた段階で 眼底カメラなどを使って眼の奥を観察します 検査はわずかの時間で終わります

シリーズ刊行にあたって 21 quality of life 80

2. 転移するのですか? 悪性ですか? 移行上皮癌は 悪性の腫瘍です 通常はゆっくりと膀胱の内部で進行しますが リンパ節や肺 骨などにも転移します 特に リンパ節転移はよく見られますので 膀胱だけでなく リンパ節の検査も行うことが重要です また 移行上皮癌の細胞は尿中に浮遊していますので 診断材料や

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視覚障害

9.50 歳男性 仕事中にセメントが飛入し 両眼の眼痛と流涙を訴えて受診した 両眼ともに自己開瞼不能であるため 点眼麻酔を使用して前眼部検査を行なったところ 結膜充血と角膜混濁を認めた まず行なうべき処置はどれか a セメントの除去 b 大量のアンモニア水による洗眼 d 抗菌剤の点眼 c 大量の生理

小児外科学 (-Pediatric Surgery-) Ⅰ 教育の基本方針小児外科は 子供 (16 歳未満 ) の一般外科と消化器外科を扱う科です 消化器 一般外科学並びに小児外科学に対する基礎医学から臨床にわたる幅広い知識をあらゆる診断 治療技術を習得し 高い技術力と探究心及び倫理観を兼ね備えた小

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5. 乳がん 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専門 乳房切除 乳房温存 乳房再建 冷凍凝固摘出術 1 乳腺 内分泌外科 ( 外科 ) 形成外科 2 2 あり あり なし あり なし なし あり なし なし あり なし なし 6. 脳腫瘍 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専

解剖学 1

したがって 発見次第ただちに治療を開始する必要がありますが 腫瘍の大きさや片眼だけか両眼にあるかによっても 方針がかなり異なりますので 十分に病気の状態を知らなくてはなりません 1. 原因 13 番常染色体の長腕にあるがん抑制遺伝子の異常によって起こります われわれの 13 番染色体は 1 対 2

外来在宅化学療法の実際

原発性の隅角閉塞があり 眼圧上昇または PAS を生じているが 緑内障性視神経症は生じていない原発閉塞隅角緑内障 (PACG) 原発性の隅角閉塞があり 緑内障性視神経症を生じた混合型緑内障続発緑内障発達緑内障 早発型発達緑内障遅発型発達緑内障他の先天異常を伴う発達緑内障 < 緑内障診断技術および検査

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「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」

い結合組織性の瞼板がある 瞼板中には 30~40 個の瞼板腺 ( マイボーム Meibome 腺 ) が一列に存在し 導管は眼瞼後縁に開口する 前縁には 睫毛 ( まつ毛 ) が 2~3 列あり その根部に睫毛腺 ( モル Moll 腺 ) また脂腺 ( ツァイス Zeiss 腺 ) が開く 涙腺は

様式 51 腫瘍脊椎骨全摘術の施設基準に係る届出書添付書類 1 標榜診療科 ( 施設基準に係る標榜科名を記入すること ) 2 常勤の整形外科の医師の氏名 (2 名以上 ) 常勤医師の氏名 3 脊椎手術を術者として 300 以上実施した経験を有する常勤の整形外科の医師の氏名等 (1 名以上 ) 常勤医

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緑内障診療ガイドライン(第3版)

はじめに か加 れいおうはんへんせい齢黄斑変性は治療せずに放っておくと 視力が著しく低下し 視野の中心が見えなく なります 文字を読んだり ものや人の顔を見分ける日常の行動がしづらくなり Q キュウオーエル OL ( 生活の質 ) が低下します しかし V ブイイージーエフ EGF 阻害薬の登場によ

セッション 6 / ホールセッション されてきました しかしながら これらの薬物療法の治療費が比較的高くなっていることから この薬物療法の臨床的有用性の評価 ( 臨床的に有用と評価されています ) とともに医療経済学的評価を受けることが必要ではないかと思いまして この医療経済学的評価を行うことを本研

四消化器系 ( 口腔及び歯牙 を除く ) 五血液及び造血器系六腎臓 泌尿器系及び生殖器系 ( 二 ) 心筋障害又はその徴候がないこと ( 三 ) 冠動脈疾患又はその徴候がないこと ( 四 ) 航空業務に支障を来すおそれのある先天性心疾患がないこと ( 五 ) 航空業務に支障を来すおそれのある後天性弁

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採択演題一覧

大阪赤十字病院麻酔科専門研修プログラム (2019 年度 ) 1. 専門医制度の理念と専門医の使命 1 麻酔科専門医制度の理念麻酔科専門医制度は, 周術期の患者の生体管理を中心としながら, 救急医療や集中治療における生体管理, 種々の疾病および手術を起因とする疼痛 緩和医療などの領域において, 患者

しょうなんめーる SHONAN Number March 湘南鎌倉総合病院広報誌 特集 白内障について がん哲学 CAFE 眼科部長飯島千津子樋野興夫先生 がんサロン開催 世界腎臓デー記念拡大医療講演会 ゴールデンウィーク ( 大型連休 ) の診療体制について 小田原城さくら撮影者

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PTM 12 ( 2 ) OCT., 2009 最新眼科屈折矯正医療の現状 The Latest Trends in Refractive Surgery 品川近視クリニック東京本院 副院長冨田 実 Tomita Minoru

200(平成年)月日実施

平成 28 年度医療国際展開等推進事業 ミャンマー国眼科医療従事者育成と日本製医療機器推進プロジェクト 報告書 目次 第 1 章本事業の概要 本事業の背景 目的 実施内容 実施体制 4 第 2 章結果と課題 ミャンマーでの医療従事者育成と日本製

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研修プログラム モデル例

著作権法に違反いたしますので 以下の図 ( 文章を含む ) などを 柏木豊彦の許可なく 複製することを禁じます なお図 B,C,D は 第 51 回日本眼光学学会総会 2015 年 9 月 26 日 ~27 日 岡山コンベンションセンターにて 柏木豊彦がすでに発表したものです 多焦点眼内レンズ挿入眼

Transcription:

出田眼科病院レジデント研修カリキュラム Ⅰ はじめに当院では医師の教育も重要な使命と考え 眼科領域内での専門医を育てるためのフェロー研修とともに一般眼科医のための研修プログラムも運用しています 一般眼科医になるための期間をレジデント研修と称し この期間の終了時には眼科専門医を取得する事を目標としています Ⅱ カリキュラムのガイドライン 1 日本眼科学会専門医制度眼科研修医ガイドライン ( 平成 17 年度版 ) 2 The Wills Eye Manual 以上 2つの内容を満たすものを 当院のガイドラインとして作成しました Ⅲ 研修の期間と各目標 1 研修期間 : レジデント研修期間をジュニアレジデントとシニアレジデントに分け 各期間を半年区切 りでレベル1から4までに分けて 研修の目標を設定します 前期 (4~9 月 ) 後期 (10~3 月 ) ジュニアレジデント 1 年目 ( 卒後 3 年目 ) レベル1 レベル 2 ジュニアレジデント 2 年目 ( 卒後 4 年目 ) 大学で研修 大学で研修 シニアレジデント 1 年目 ( 卒後 5 年目 ) レベル2 レベル3 シニアレジデント 2 年目 ( 卒後 6 年目 ) レベル3 レベル4 2 研修目標 : 各レベルでの研修目標は以下の通りで 上記ガイドライン各最新版に上げられている項目に沿ったものです レベル1: 眼科臨床に必要な基礎知識, 眼科診断技術および検査と非観血的眼科治療技術レベル2: 眼科主要疾患の知識, 外眼部手術初 中級, 内眼部手術初級とレーザー 冷凍凝固治療レベル3: 外眼部手術上級, 内眼部手術中級とレーザー 冷凍凝固治療レベル4: 内眼部手術上級と特殊手術入門次のレベルへのステップアップは 各個人の研修の達成程度によって変わり得ます これは 教育スタッフが総合的に判断します 1

Ⅳ 研修項目 A 各レベルでの細目レベル1: 眼科臨床に必要な基礎知識, 眼科診断技術および検査と非観血的眼科治療技術 Ⅰ) 眼科臨床に必要な基礎的知識視器の構成, 視器の構造 生理および病理, 視器の発生, 視機能 眼光学, 免疫, 生化学, 薬理学, 微生物学, 遺伝, 衛生学および産業医学, 救急医療, アイバンク活動 眼球銀行, 失明予防 Ⅱ) 眼科診断技術および検査視力, 屈折, 調節, 視野, 光覚, 色覚, 斜照法 徹照法 強膜透照法, 眼底検査 眼底撮影 蛍光眼底造影, 細隙灯顕微鏡検査, 神経眼科学的検査, 眼位 眼球運動 両眼視機能, 緑内障検査, 涙液分泌, 涙道検査, 角膜知覚検査, 細菌 ウイルス 塗沫標本, 電気生理学的検査, 画像診断, 眼球突出度検査 Ⅲ) 非観血的眼科治療技術 1 薬剤処方 : 1) 常用される眼科用薬剤の薬理作用 2) 副作用とその対策 3) 薬剤処方せんの書き方 4) 麻薬処方せんの書き方 2 基礎的治療手技 :1) 点眼薬 眼軟膏 2) 洗眼 3) 結膜下注射 4) テノン嚢内注射 5) 球後注射 6) 眼内注入 7) 涙道ブジー 8) 涙嚢洗浄 3 眼鏡処方 :1) 矯正レンズ 2) 眼鏡 4 コンタクトレンズ (C.L.):1)C.L. の素材と種類 2)C.L. の光学的応用 3)C.L. の治療的応用 5 義眼 :1) 素材と種類 2) 適応 6 視能矯正訓練 :1) 弱視機能矯正 2) 斜視視能矯正 7 伝染性眼疾患の治療および予防 :1) 伝染性眼疾患の種類と概要 8 放射線治療 :1) 対象疾患 2) 照射方法と線量 3) 副作用とその予防法 9 免疫療法 抗腫瘍療法 :1) 対象疾患 2) 治療の実際と副作用 10 眼科救急処置 :1) 眼科救急処置の対象疾患 2) 救急蘇生法 レベル2: 眼科主要疾患の知識, 外眼部手術初 中級, 内眼部手術初級とレーザー 冷凍凝固治療 Ⅰ) 眼科主要疾患眼瞼, 結膜, 涙器 ( 涙腺 涙道 ), 強膜, 角膜, 水晶体, ぶどう膜, 網膜, 硝子体, 眼窩, 視神経疾患, 眼球運動異常, 瞳孔異常, 緑内障, 屈折異常, 調節異常, 色覚異常, 弱視, 斜視, 眼外傷, 全身疾患と眼 ( 各項目の疾患はⅡのカリキュラムのガイドラインに従う ) 2

Ⅱ) 外眼部手術初 中級 1 手術に関する術前 術後処置 :1) 手術適応の決定 2) 患者 家族への対応 3) 術前処置 4) 手術室の準備 5) 患者の搬入 搬出 6) 消毒および draping 7) 局所麻酔 1 点眼麻酔 2 浸潤麻酔 ( 眼瞼, 結膜, テノン嚢下, 眼球周囲,) 3 伝達麻酔 ( 瞬目麻酔 球後麻酔 ) 4 前房内麻酔 8) 全身麻酔の助手 9) 術後処置 2 眼瞼 :1) 麦粒腫切開 2) 霰粒腫切除 3) 睫毛内反 4) 眼瞼内反症 5) 眼瞼外反症 6) 睫毛乱生 7) 眼瞼下垂眼瞼挙筋短縮 8) 眼瞼けいれん 9) 眼瞼形成術の基本, 眼瞼外傷 1 涙小管断裂 2 眼瞼裂傷眼瞼裂創眼瞼挙筋の断裂 10) 眼瞼良性腫瘍 11) 麦粒腫切除 3 結膜 :1) 翼状片結膜被覆弁を用いるもの 2) 春季カタル冷凍法巨大乳頭切除その他 3) 結膜腫瘍 4 涙器 :1) 涙点形成術 2) シリコンチューブ留置術 3) 涙嚢摘出術 4) 涙点閉鎖術 5) 涙点プラグ挿入 5 角膜 :1) 角膜異物除去術 2) 角膜擦過 掻爬術 3) 角膜焼灼術 4) 角膜冷凍凝固 5) 角膜縫合術 6) 角膜切開術 7) 結膜被覆術 Ⅲ) 内眼部手術初級 1 強膜 :1) 強膜縫合 2 前房 :1) 前房穿刺 2) 前房洗浄 3) 前房形成 3 水晶体 :1) 白内障摘出術 ( 嚢内摘出術, 水晶体乳化吸引術, 計画的嚢外摘出 ) 2) 眼内レンズ挿入術 ( 嚢内固定, 毛様溝固定 ) 3) 後発白内障 ( 研磨術, 切嚢術, レーザー切嚢術 ) 4 緑内障 :1) 周辺虹彩切除術 5 斜視 6 硝子体内注入 ( 抗 VEGF 薬等 ) Ⅳ) レーザー 冷凍凝固治療 1 レーザー治療 :1) 種類 ( アルゴン, クリプトン, 色素, 半導体,Nd-YAG) レーザー虹彩切開レーザー隅角形成毛様体光凝固 PDT TTT 2) 対象疾患 : 網膜血管病変, 後発白内障レーザー切嚢, 網膜裂孔及び格子状変性, 黄斑部病変 2 冷凍凝固 :1) 眼瞼腫瘍, 結膜腫瘍, アレルギー性結膜炎, 毛様体冷凍凝固 ( 対緑内障 ) レベル 3: 外眼部手術上級, 内眼部手術中級とレーザー 冷凍凝固治療 Ⅰ) 外眼部手術上級 1 眼瞼 : 眼瞼形成術 ( 兎眼症 ), 眼瞼外傷 ( 眼瞼挙筋の断裂 眼瞼欠損 眼瞼瘢痕 ) 眼瞼悪性腫瘍 3

2 結膜 : 結膜嚢形成術 3 涙器 : 涙嚢鼻腔吻合術, 涙小管再建術, 涙小管新製 4 斜視 : 外眼筋後転術, 前転術, 短縮術, 切腱術 Ⅱ) 内眼手術中級 1 水晶体 :1) 白内障摘出術 ( 計画的嚢外摘出術 ) 2) 偏位 脱臼水晶体摘出術 3) 小児白内障手術経輪部水晶体吸引 2 緑内障 :1) 隅角癒着解離 2) 線維柱帯切除術 3 網膜硝子体 :1) 単純硝子体切除術 4 眼窩 眼球 :1) 眼球内容除去術 2) 眼球摘出術 Ⅲ) レーザー 冷凍凝固治療 1 緑内障 : レーザー虹彩切開術, レーザー隅角形成術, レーザー線維柱帯形成術 2 網膜 : 種類 (PDT,TTT) 2) 対象疾患 ( 黄斑部変性, 網膜裂孔および格子状網膜変性, 網膜剥離, 腫瘍性病変 ) 3 冷凍凝固 : 水晶体摘出 ( 白内障 ), 網膜裂孔と網膜変性巣, 糖尿病網膜症, 網膜血管腫 (von Hippel 病 ) レベル4: 内眼部手術上級と特殊手術入門 Ⅰ) 内眼部上級 1 水晶体 :1) 眼内レンズ二次挿入 2) 眼内レンズ毛様溝縫着固定 3) 小児白内障手術 ( 経毛様体水晶体切除前部硝子体切除の併用 )4) 後発白内障経毛様体扁平部後発白内障切除 2 網膜硝子体 :1) 開放性外傷 眼内異物 2) 術式の選択 ( 硝子体切除, 強膜内陥術 ) 3) 白内障の併用手術 3 緑内障 : 白内障との合併手術, 線維柱帯切開術,Schlemm 管外壁開放術 Sinusotomy, 線維柱体切開 4 眼内腫瘍 :1) 網膜芽細胞腫 2) 網膜血管腫 3) 脈絡膜腫瘍 Ⅱ) 特殊手術入門 1 眼瞼 :1) 眼瞼外反症 2) 眼瞼形成術 ( 眼瞼形態異常, 眼瞼再建法 ) 2 結膜 : 翼状片 瞼球癒着 ( 羊膜移植, 口唇粘膜弁移植を行なうもの, 層状角膜移植術を併用す 4

るもの 3 角膜 :1) 角膜移植術 2) 角膜屈折矯正手術 3) 強膜移植 4 水晶体 :1) 緑内障との併用手術 2) 網膜硝子体手術との併用手術 3) 角膜移植との併用手術 5 網膜硝子体 :1) 増殖糖尿病網膜症, 増殖硝子体網膜症, 未熟児網膜症, 黄斑上膜, 黄斑円孔, 黄斑浮腫 6 眼内腫瘍 : 網膜血管腫 7 緑内障 : 隅角切開術,Viscocanalostomy 8 斜視 : 斜筋手術, 外眼筋移動術 9 眼振 : 眼振手術 10 眼窩 眼球 :1) 眼窩腫瘍摘出術 2) 眼窩壁骨折整復術 11 レーザー治療 : 屈折矯正手術 12 冷凍凝固 : 未熟児網膜症, 網膜血管腫 B 全レベルを通して修得すべき項目 Ⅰ) 医の倫理患者およびその家族との人間関係, 社会との関連性について世界医師会の国際倫理要綱, 日本医師の倫理要綱, アメリカ眼科アカデミーの倫理コード, ヘルシンキ宣言, 生命倫理に沿って学ぶ Ⅱ) 医療に関する法律 1) 医師法 2) 医療法 3) 医師以外の医療従事者に関する法規 4) 薬事法規 5) 保健衛生に関する法規 6) 医療保険に基づく診療に関連する法規 7) 社会福祉に関する法規 8) その他 ( 臓器の移植に関する法律, 民法, 個人情報の保護に関する法律, 製造物責任法, 刑法 ) Ⅲ) 医療安全と危機管理, 救急医療 Ⅳ) 臨床医に求められる基本的な診療に必要な知識 技能 態度の修得 Ⅴ) 一般の初期救急医療に関する技術の修得 Ⅵ) 症例検討会, 抄読会の院内集会, その他の院外の各種学会に出席 Ⅶ) 論文作成 学会発表, 年に 2 編の和文 1 編の英文の論文および学会発表を目標とします Ⅴ おわりに当院では 網膜硝子体疾患の専門医を教育するためのフェロー制度を昭和 57 年に設置し運用してきました 専門分野でのフェローになるためには一般眼科の教育を終了したものが対象ですが 一般眼科を目標とする医師の研修申し入れもあり これに対応するため平成 14 年からレジデント研修カリキュラムを作り 後期研修医を育てています 平成 16 年に厚労省の新臨床研修医制度の施行に伴い 5 年のカリキュラムであったもの 5

を 4 年として第 2 改訂しました 平成 17 年に 日本眼科学会の定めにより 研修中に大学での 1 年間が義務化されたので 第 3 改訂を行ないました 今回レジデント終了後の進路をより明確とした第 6 改訂を行いました 今後も日本眼科学会の専門医制度委員会と共に 眼科専門医の育成を続けたいと思います 後世の育成は 医師全てに等しく課せられた任務であると考えます ( 出田眼科病院院長出田隆一 2011.11.20 改訂 ) 2013 年 11 月 6