産科 妊娠悪阻 2. 常位胎盤早剥離 子宮内胎児死亡 (22 週以降 ) 5 その他 23 合計,802 3) 手術症例件数手術術式別件数 手術術式 件数 帝王切開術 52 流産手術 * 9 鉗子分娩 吸引分娩 46 骨盤位娩出術 0 頚管縫縮術 ** 3 * 自然流産 :6

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補足 : 妊娠 21 週までの分娩は 流産 と呼び 救命は不可能です 妊娠 22 週 36 週までの分娩は 早産 となりますが 特に妊娠 26 週まで の早産では 赤ちゃんの未熟性が強く 注意を要します 2. 診断 どうなったら TTTS か? (1) 一絨毛膜性双胎であること (2) 羊水過多と羊

豊川市民病院 バースセンターのご案内 バースセンターとは 豊川市民病院にあるバースセンターとは 医療設備のある病院内でのお産と 助産所のような自然なお産という 両方の良さを兼ね備えたお産のシステムです 部屋は バストイレ付きの畳敷きの部屋で 産後はご家族で過ごすことができます 正常経過の妊婦さんを対

2. 診断 どうなったら TTTS か? 以下の基準を満たすと TTTS と診断します (1) 一絨毛膜性双胎であること (2) 羊水過多と羊水過少が同時に存在すること a) 羊水過多 :( 尿が多すぎる ) b) 羊水過少 :( 尿が作られない ) 参考 ; 重症度分類 (Quintero 分類

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胎児計測と胎児発育曲線について : 妊娠中の超音波検査には大きく分けて 5 種類の検査があります 1. 妊娠初期の超音波検査 : 妊娠初期に ( 異所性妊娠や流産ではない ) 正常な妊娠であることを診断し 分娩予定日を決定するための検査です 2. 胎児計測 : 妊娠中期から後期に胎児の発育が正常であ

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1) 専門研修基幹施設 藤田保健衛生大学病院 ( 総合型研修病院 ) 指導責任者 藤井多久磨 良性から悪性までの全ての婦人科疾患 母体 胎児救命を含む全ての周産期疾患 腹 腔鏡から体外受精まであらゆる生殖内分泌疾患 女性ヘルスケアなど非常に豊富な症 例をそれぞれの専門家による指導にて研修することがで

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B. 自治医科大学専門研修プログラムの具体例 産婦人科研修プログラムは 自治医科大学附属病院の 4 年間の後期研修プログラムにおける専門コースの一部ではじめの 3 年間が本プログラムに相当する 専攻医は3 年間で修了要件を満たし ほとんどは専門医たる技能を修得したと認定されると見込まれる 修了要件を

平成 25 4 月 1 日 ~ 平成 26 9 月 30 日 発生日時母体搬送の状況搬送の種類転帰選定診断時受入医療機関齢事由度傷病名等月 時 50 頭痛自宅 酸素化不良 心不全疑い 時 75 急性心不全 急性心不全周産期心筋症の疑い

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正常波形外来健診時(妊娠35 週)頻脈基線細変動減少入院時 児娩出前1. 脳性麻痺発症の主たる原因別事例編 事例 33 原因が明らかではないまたは特定困難 1 産科医療補償制度脳性麻痺事例の胎児心拍数陣痛図脳性麻痺発症の主たる原因別事例編 概要 在胎週数 分娩経過 36 週リスク因子帝王切開既往出生

含む ) 周産期 生殖 内分泌 女性のヘルスケアの4 領域を万遍なく研修することが可能となる 産婦人科専攻医の研修の順序 期間等については 個々の専攻医の希望と研修進捗状況 各施設の状況 地域の医療体制を勘案して 産婦人科研修プログラム管理委員会が決定する B. 産婦人科研修プログラムの具体例 専門

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2009年月日

婦人科63巻6号/FUJ07‐01(報告)       M

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診療科 血液内科 ( 専門医取得コース ) 到達目標 血液悪性腫瘍 出血性疾患 凝固異常症の診断から治療管理を含めた血液疾患一般臨床を豊富に経験し 血液専門医取得を目指す 研修日数 週 4 日 6 ヶ月 ~12 ヶ月 期間定員対象評価実技診療知識 1 年若干名専門医取得前の医師業務内容やサマリの確認

配偶子凍結終了時 妊孕能温存施設より直接 妊孕能温存支援施設 ( がん治療施設 ) へ連絡がん治療担当医の先生へ妊孕能温存施設より妊孕能温存治療の終了報告 治療内容をご連絡します 次回がん治療の為の患者受診日が未定の場合は受診日を御指示下さい 原疾患治療期間中 妊孕能温存施設より患者の方々へ連絡 定

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桜町病院対応病名小分類別 診療科別 手術数 (2017/04/ /03/31) D12 D39 Ⅳ G64 女性生殖器の性状不詳又は不明の新生物 D48 その他及び部位不明の性状不詳又は不明の新生物 Ⅲ 総数 構成比 (%) 該当無し Ⅰ 感染症及び寄生虫症 Ⅱ 新生物 C54 子宮体部

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資料1-1 HTLV-1母子感染対策事業における妊婦健康診査とフォローアップ等の状況について

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指導担当医 笹川寿之 ( ささがわとしゆき ) 教授 専門分野婦人科腫瘍学 腫瘍ウイルス学 日本臨床細胞診専門医 得意な分野婦人科腫瘍 ヒトパピローマウイルス 藤井亮太 ( ふじいりょうた ) 准教授 ( 併 ) 専門分野生殖内分泌学 得意な分野ホルモン療法 富澤英樹 ( とみざわひでき ) 専門分


妊婦の推定感染経路 2 番目は 妊婦さんの推定感染経路です 2011 年は中国 ベトナムなど海外で感染した夫や本人です 海外からの感染に注意が必要でした ところが 2012 年は夫 同僚から妊婦さんへの感染が認められたので 同居家族 同僚のワクチン接種を勧めるよう喚起しました さらに 2013 年に

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群馬大学人を対象とする医学系研究倫理審査委員会 _ 情報公開 通知文書 人を対象とする医学系研究についての 情報公開文書 研究課題名 : がんサバイバーの出産の実際調査 はじめに近年 がん治療の進歩によりがん治療後に長期間生存できる いわゆる若年のがんサバイバーが増加しています これらのがんサバイバ

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日を記載してご本人にお渡ししています 以前は 母子手帳の届けは 胎児がはっきり見えて心拍動を確認してからと指導していましたが 妊娠初期の諸検査時 母子手帳内の妊婦健診の無料券 ( 割引券 ) をつかうと若干安くなりますし 梅毒やHIV( エイズ ) は 妊娠週数がすすむと胎児感染をおこす危険性があり

15 第1章妊娠出産子育てをめぐる妻の年齢要因


世界一 安全にお産ができる国 それは今の日本! * 妊産婦死亡 1950( 昭和 25) 年 ( 年間 4,117 人 ) ( 病院 2.9% 診療所 1.1% 助産所 0.5% 自宅 その他 95.4%) 2010( 平成 22) 年 ( 年間 45 人 ) ( 病院 51.8% 診療所 47.1

体外受精についての同意書 ( 保管用 ) 卵管性 男性 免疫性 原因不明不妊のため 体外受精を施行します 体外受精の具体的な治療法については マニュアルをご参照ください 当施設での体外受精の妊娠率については別刷りの表をご参照ください 1) 現時点では体外受精により出生した児とそれ以外の児との先天異常

2 医師不足等に対応した地域における周産期医療の確保について 周産期医療に携わる医師の不足や偏在には 産科 産婦人科を専攻する医師が減少していること 小児科医師のうち新生児医療を専攻する医師が少ないこと 医師が限られた都市部の病院に集中しがちであること 小児科 産婦人科共に女性医師の割合が増加してい

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( 図表 7-2-1) 出生数と低出生体重児の出生割合 ( 人 ) (%) 14,000 12,000 出生数 高知県 ,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 全国 出典 : 人口動態統計 ( 厚生労働省 ) ( 図表 7-2-2) 極低出生

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表 Ⅰ-3 分娩週数別件数 分娩週数 件数 % 満 28 週 満 29 週 満 30 週 満 31 週 満 32 週 満 33 週 満 34 週 満 35 週 満 36 週 満 37

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その最初の日と最後の日を記入して下さい なお 他の施設で上記人工授精を施行し妊娠した方で 自施設で超音波断層法を用いて 妊娠週日を算出した場合は (1) の方法に準じて懐胎時期を推定して下さい (3)(1) にも (2) にも当てはまらない場合 1 会員各自が適切と考えられる方法を用いて各自の裁量の

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医療技術の進歩等を背景として 医療的ケア児 6 が全国的に増えています 小児訪問看護ステーション相談支援センターや小児在宅医療支援センターが 在宅移行を支援していますが 更なる支援の充実が求められています ( 4. 評価指標 の9 参照 ) 周産期医療に従事する医師や助産師等に対し これまで育成研修

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公募情報 平成 28 年度日本医療研究開発機構 (AMED) 成育疾患克服等総合研究事業 ( 平成 28 年度 ) 公募について 平成 27 年 12 月 1 日 信濃町地区研究者各位 信濃町キャンパス学術研究支援課 公募情報 平成 28 年度日本医療研究開発機構 (AMED) 成育疾患克服等総合研

健康保険が使えるときと使えないとき 健康保険の給付の対象となるのは 方法として安全性や有効性が認められ あらかじめ国によって保険の適用 が認められている養に限られます こんなときは 仕事や日常生活にさしさわり のないソバカス アザ ニキ ビ ホクロ わきがなど 17-1 回復の見込みがない近視 遠視

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Vol 夏号 最先端の腹腔鏡下手術を本格導入 東海中央病院では 平成25年1月から 胃癌 大腸癌に対する腹腔鏡下手術を本格導入しており 術後の合併症もなく 早期の退院が可能となっています 4月からは 内視鏡外科技術認定資格を有する 日比健志消化器外科部長が赴任し 通常の腹腔 鏡下手術に

します また 血小板減少症などの診断にもなります 血糖糖尿病が妊娠をきっかけに発見されたり 既に糖尿病に罹っていて 妊娠中に発見されることがあります 既に糖尿病と分かっていて妊娠された場合を糖尿病合併妊娠 妊娠中にはじめて対糖能低下 ( 糖尿病の傾向 ) が指摘された場合を妊娠糖尿病といいます 糖尿

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○国民健康保険税について

甲状腺機能が亢進して体内に甲状腺ホルモンが増えた状態になります TSH レセプター抗体は胎盤を通過して胎児の甲状腺にも影響します 母体の TSH レセプター抗体の量が多いと胎児に甲状腺機能亢進症を引き起こす可能性が高まります その場合 胎児の心拍数が上昇しひどい時には胎児が心不全となったり 胎児の成

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ただし 対象となることを希望されないご連絡が 2016 年 5 月 31 日以降にな った場合には 研究に使用される可能性があることをご了承ください 研究期間 研究を行う期間は医学部長承認日より 2019 年 3 月 31 日までです 研究に用いる試料 情報の項目群馬大学医学部附属病院産科婦人科で行

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第 3 節心筋梗塞等の心血管疾患 , % % % %

その成果に関する報告はありますが 胎児治療に関する診療システムについて詳細に比較検討したものはありません これからの日本の胎児治療において 治療法の臨床応用推進と共に より充実した診療体制の構築と整備は非常に要請の高い課題であると思われます スライド 4 今回の目的です 海外の胎児治療の専門施設にお

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Ⅰ. 女性性器の超音波検査 一般目標子宮 卵巣 卵管 腟 外陰の超音波検査における基本事項と正常および病的状態の超音波所見を理解し, 診断および治療に結び付けることができる. 解剖 生理 [ 子宮 ] (a-1) 経腹走査による子宮の超音波像を説明できる. (c-2) 経腟走査による子宮の超音波像を


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平成 22 年度愛知県周産期医療協議会調査 研究事業 携帯電話を用いた周産期患者の応需搬送に関する病診 病病連携調査研究 平成 23 年 3 月 名古屋第一赤十字病院産婦人科石川薫名古屋大学大学院医学系研究科医療システム管理学寄附講座杉浦伸一

大垣市民病院改革プラン実施計画の概要 1. 実施計画策定までの経緯総務省が平成 19 年 2 月に示した 公立病院改革ガイドライン を踏まえ 当院では 平成 21 年 3 月に 大垣市民病院病院改革プラン を策定し 病院事業経営の改革に総合的に取り組みました 平成 25 年度以降 改革プランは 大垣

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80 Jichi Medical University Hospital Annual Report 2009 産科 総合周産期母子医療センター産科部門を兼ねて報告す る 日本周産期 新生児医学会専門医制度周産期 ( 母体 胎児 ) 専門医基幹研修施設. スタッフ ( 平成 22 年 4 月 日現在 ) 科長 ( 教授 ) 鈴木光明副科長 ( 教授 ) 松原茂樹外来医長 ( 教授 ) 柴原浩章病棟医長 ( 准教授 ) 泉章夫医員 ( 准教授 ) 渡辺尚 ( 講師 ) 薄井里英 ( 講師 ) 桑田知之 ( 講師 ) 鈴木達也病院助教斎藤裕有賀治子池田伴衣佐藤友美シニアレジデント 8 名 2. 診療科の特徴平成 8(996) 年に総合周産期母子医療センターの指定を受けてから 獨協医大同センターと協力し栃木県の周産期医療の中心的施設として診療にあたっている 平成 20(2008) 年 2 月に0 床の増床を行い 現在は62 床 ( 母体胎児集中治療ベッド2 床 一般ベッド50 床 ) で運営している さらに 平成 20 年 (2008) 年 4 月からは栃木県周産期連携センターの指定を受け 母体搬送の受け入れ先を確保する業務を行っている 当院で受け入れできなかった母体搬送症例の受け入れ先を責任を持って確保する重要な任務である このシステムは全国に誇れるほどの効果を発揮し 獨協医大や地域周産期母子医療センター ( 済生会宇都宮病院 足利赤十字病院 大田原赤十字病院 芳賀赤十字病院 国際医療福祉大学病院 佐野厚生総合病院 小山市民病院 ) との相互連携がよく図られた結果 県内の母体搬送依頼のほぼ全例を県内いずれかの施設で収容し母児の安全が確保されている 昨年 県外に搬送された症例はわずかに 例のみであった このように当院の産科は3 次施設としてのセンター機能を十分に果たすと共に 地域医療施設としての正常妊産婦診療まで幅広く行っている 施設認定日本産科婦人科学会専門医制度卒後研修指導施設 専門医日本産科婦人科学会専門医 鈴木 光明 他 30 名 日本周産期 新生児医学会周産期 ( 母体 胎児 )( 暫 定 ) 指導医 松原 茂樹 渡辺 尚 桑田 知之 日本周産期 新生児医学会周産期 ( 母体 胎児 ) 専門医 泉 章夫 大口 昭英 日本超音波医学会超音波指導医 桑田 知之 日本超音波医学会超音波専門医 桑田 知之 高橋 佳代 日本麻酔学会標榜医 松原 茂樹 藤原 寛行 3. 診療実績 クリニカルインディケーター ) 新来患者数 再来患者数 紹介率 新来患者数 再来患者数 紹介率,003 人 6,704 人 92.7% 2) 入院患者数 ( 病名別 ) 病 名 患者数. 分娩のための入院 65 2. 新生児 339 3. 切迫早産 44 4. 流産 人工妊娠中絶 82 5. 妊娠高血圧症候群 73 6. 多胎妊娠管理 66 7. 前置胎盤 低置胎盤 50 8. 他科疾患合併妊娠 46 9. 子宮内胎児発育不全 46 0. 羊水検査目的 42. 胎児形態異常 40 2. 前期破水 33 3. 切迫流産 3 4. 胎児機能不全 胎盤機能不全 30 5. 産褥異常 24 6. 頚管縫縮術目的 7 7. 羊水量の異常 6 8. 卵巣腫瘍合併妊娠 3 9. 子宮筋腫合併妊娠 2

産科 8 20. 妊娠悪阻 2. 常位胎盤早剥離 8 22. 子宮内胎児死亡 (22 週以降 ) 5 その他 23 合計,802 3) 手術症例件数手術術式別件数 手術術式 件数 帝王切開術 52 流産手術 * 9 鉗子分娩 吸引分娩 46 骨盤位娩出術 0 頚管縫縮術 ** 3 * 自然流産 :66 人工流産:25 ** マクドナルド手術 :26 シロッカー手術:5 帝王切開術の適応 件数. 既往帝切 55 3. 前置 ( 低置 ) 胎盤 58 2. 多胎 74 6. 胎児機能不全 38 4. 骨盤位 54 5. 妊娠高血圧症候群 45 9. 分娩停止 6 7. 絨毛羊膜炎 29 0. 常位胎盤早期剥離 2. 児頭骨盤不均衡 4 8. 胎盤機能不全 子宮内胎児発育遅延 2 その他 * 65 合 計 57 * 母体合併症と胎児形態異常を含む 陣痛発来後分娩中のIUFD: 件 (25 週 ) 未妊健飛び込み分娩 ( 来院時 IUFD): 件 (4 週相当 ) 原因不明 :2 件 (27 週 34 週 ) 0) 主な処置 検査羊水検査 :54 件胎児超音波検査スクリーニング当科にて妊婦健診を受けている妊婦全員に対して 妊娠 8 22 週 および28 30 週の計 2 回実施している 9) カンファレンス () 診療科内入院中のすべての患者についての検討会が週 回実施されている (2) 他科との合同 NICU( 新生児科 ) との合同カンファランスが週 回実施されている (3) 他職種との合同毎朝 その日の病棟責任医師 病棟担当医師 助産師により 入院中のすべての患者について 日の方針の確認がなされている 病棟医長が手術 外来などでそれに参加できなかった場合は 病棟責任医師より可及的速やかに病棟医長にその内容が報告される 4. 分娩統計 A. 診療 Ⅰ. 母体胎児集中治療管理部. 入院患者総数平成 2 年 (2009 年 ) の入院患者総数は,802 人で この2 年間は減少傾向である 手術合併症件数 :0 件 4) 化学療法症例なし 5) 放射線療法症例なし 6) その他の治療 ( 免疫療法等 ) 症例なし 7) 悪性腫瘍の疾患別および臨床進行期別治療成績なし 8) 母体死亡症例 : 0 件 9) 死産症例 ( 妊娠 22 週以降 ):8 件常位胎盤早期剥離 : 件 (39 週 ) 双胎一児死亡後分娩 : 件 (34 週 ) 臍帯過捻転 : 件 (34 週 ) 原因不明のIUGR: 件 (34 週 ) 図. 入院患者総数の年次推移 2. 入院の適応過去 5 年間の入院者の適応を表 ( 実数 ) 表 2( 割合 ) に示す

82 Jichi Medical University Hospital Annual Report 2009 羊水染色体検査は 2009 年に54 例に施行した 分娩のための入院は 陣痛発来 280 例 正期の前期破水 6 例 分娩誘発目的 ( 妊娠 4 週を過ぎた症例や合併症妊娠など )77 例 選択的帝王切開 ( 骨盤位や既往帝切後妊娠など )78 例であった その他に含まれるのは 切迫子宮破裂 子宮穿孔 胞状奇胎 骨盤腹膜炎などである 表. 入院の適応 ( 実数 ) 順位 適応疾患 分娩のための入院 57 578 678 68 65 2 新生児 357 445 50 46 339 3 切迫早産 225 67 63 47 44 4 流産 人工妊娠中絶 54 72 9 88 82 5 妊娠高血圧症候群 04 4 77 87 73 6 多胎妊娠管理 (TTTS を含む ) 54 66 89 78 66 7 前置胎盤 低置胎盤 3 58 93 65 50 8 他科疾患合併妊娠管理 39 5 55 86 46 9 子宮内胎児発育不全 82 66 55 54 46 0 羊水検査目的 23 32 33 63 42 胎児形態異常 30 3 26 4 40 2 前期破水 95 90 88 35 33 3 切迫流産 54 43 42 42 3 4 胎児機能不全 胎盤機能不全 27 30 23 2 30 5 産褥異常 34 30 24 23 24 6 頚管縫縮術目的 9 23 28 20 7 7 羊水量の異常 20 20 0 4 6 卵巣腫瘍合併妊娠 8 ( 手術を含む ) 4 9 9 3 9 子宮筋腫合併妊娠 4 5 9 8 2 20 妊娠悪阻 9 5 3 2 常位胎盤早期剥離 2 4 7 0 8 22 子宮内胎児死亡 (22 週以降 ) 7 3 4 3 5 23 その他 ( 外妊 血液型不適合など ) 25 23 34 28 23 合 計,826 2,005 2,52 2,005,802 表 2. 入院の適応 (%) 順位 適応疾患 分娩のための入院 28.3 28.8 3.5 34.0 36. 2 新生児 9.6 22.2 23.3 20.7 8.8 3 切迫早産 2.3 8.3 7.6 7.3 8.0 4 流産 人工妊娠中絶 3.0 3.6 4.2 4.4 4.6 5 妊娠高血圧症候群 5.7 5.7 3.6 4.3 4. 6 多胎妊娠管理 (TTTSを含む) 3.0 3.3 4. 3.9 3.7 7 前置胎盤 低置胎盤.7 2.9 4.3 3.2 2.8 8 他科疾患合併妊娠 2. 2.5 2.6 4.3 2.6 9 子宮内胎児発育不全 4.5 3.3 2.6 2.7 2.6 0 羊水検査目的.3.6.5 3. 2.3 胎児形態異常.6.5.2 0.7 2.2 2 前期破水 5.2 4.5 4..7.8 3 切迫流産 3.0 2. 2.0 2..7 4 胎児機能不全 胎盤機能不全.5.5..0.7 5 産褥異常.9.5...3 6 頚管縫縮術目的.0..3.0 0.9 7 羊水量の異常..0 0.5 0.7 0.9 卵巣腫瘍合併妊娠 8 ( 手術を含む ) 0.2 0.4 0.5 0.4 0.7 9 子宮筋腫合併妊娠 0.2 0.7 04 0.4 0.7 20 妊娠悪阻 0.5 0.7 0.5 0.6 0.6 2 常位胎盤早期剥離 0.7 0.7 0.3 0.5 0.4 22 子宮内胎児死亡 (22 週以降 ) 0.4 0.6 0.2 0. 0.3 23 その他 ( 外妊 血液型不適合など ).4..6.4.2 合 計 00 00 00 00 00 3. 産科部門診療実績 ( 表 3) 分娩総数は,074 件であった 多胎妊娠は83 件 ( 多胎率 77%) であった 帝王切開率は47.7% であった 表 3. 産科部門診療実績 分娩総数,004,087,20,26,074 単胎 97 996,098,043 99 双胎 86 90 0 8 83 品胎 2 2 0 多胎率 8.7% 8.4% 8.6% 7.4% 7.7% 帝王切開術 47 577 606 57 52 帝王切開率 46.9% 53.% 50.5% 50.7% 47.7% 吸引分娩 46 39 63 52 46 鉗子分娩 0 0 0 頚管縫縮術 3 37 24 27 3 マクドナルド手術 (24) (29) (8) (2) (26) シロッカー手術 (7) (8) (6) (6) (5) 流産手術 74 98 02 92 9 自然流産 (49) (6) (57) (52) (66) 人工流産 (25) (37) (45) (40) (25) 4. 母体搬送件数 ( 表 4) 母体搬送要請は242 件であった 受け入れは52 件であり 90 件の要請に応じることができなかった しかし センターの責任として受け入れ先を探して紹介するように努力しており 詳細は後述する

産不合 褥明産科 83 表 4. 母体搬送 母体搬送要請件数 276 296 324 255 242 6. 母体搬送時妊娠週数 ( 表 6) 妊娠週数の進んだ切迫早産は地域周産期母子医療セン ターが受け入れているため減少している 受け入れ件数 209 86 63 66 52 受け入れ率 76% 63% 50% 65% 63% お断り件数 67 0 6 89 90 お断り率 24% 37% 50% 35% 37% 表 6. 母体搬送時妊娠週数と搬送時診断 2 週22 24 週25 27 週28 30 週3 33 週34 36 週37 週計. 切迫早産 9 8 9 3 2 5 5. 母体搬送時診断 ( 表 5) 切迫早産 産褥異常 ( 癒着胎盤 産褥子癇 弛緩出血 など ) 前期破水 妊娠高血圧症候群と大きな変化はない 未妊健妊婦飛び込み分娩の搬送は9 件であった 表 5. 母体搬送時診断. 切迫早産 6 6 62 59 5 2. 産褥異常 23 23 2 4 9 3. 前期破水 23 23 6 3 8 4. 妊娠高血圧症候群 HELLP 6 6 9 5 3 症候群 5. 胎児機能不全 胎盤機 8 8 7 9 0 能不全 6. 切迫流産 5 9 7 7. 前置 ( 低置 ) 胎盤 4 2 3 4 5 8. 常位胎盤早剥離 0 0 9 8 4 9. 卵巣腫瘍合併妊娠 2 0 2 0 3 0. 内科疾患合併妊娠 0 3 2. 胎児形態異常 0 3 2 2 2. 子宮内胎児発育不全 5 0 2 3 3. 子宮内胎児死亡 4 4 0 0 4. 妊娠悪阻 0 0 0 5. 急性腹症 2 2 2 4 0 6. 分娩異常 7 7 6 0 0 7. 羊水量の異常 0 0 0 0 8. 婦人科 ( 外妊含む ) 0 0 0 3 0 9. その他 0 8 5 20 5 ( 内 妊婦健診 未受診の飛び込 (6) (8) (4) (7) (9) み分娩 ) 合計 209 86 63 66 52 2. 産褥異常 9 9 3. 前期破水 3 2 3 5 2 2 8 4. 妊娠高血圧症候群 HELLP 2 2 2 3 3 3 症候群 5. 胎児機能不 全 胎盤機能不全 4 5 0 6. 切迫流産 7 7 7. 前置 ( 低置 ) 胎盤 2 5 8. 常位胎盤早剥離 2 4 9. 卵巣腫瘍合併妊娠 3 3 0. 内科疾患合併妊娠 2. 胎児形態異常 2 2. 子宮内胎児発育不全 3. 子宮内胎児死亡 4. 妊娠悪阻 5. その他 3 2 9 5 合計 6 4 2 28 26 7 20 9 0 52 その他の 5 症例詳細 2 週 3 例 : 飛び込み流産 (3 例 ) 28 週 例 :TTTS に対する胎児鏡下胎盤吻合血管凝 固術後 29 週 例 : 切迫子宮破裂 36 週 例 : 飛び込み分娩 37 週 ~ 9 例 : 飛び込み分娩 (8 例 ) 切迫子宮破裂 7. 母体搬送お断り (reject) 症例の転帰 ( 表 7) お断りせざるを得なかった理由は 産科ベッド満床の ためNICUには相談せず22 件 NICUベッド満床のため 44 件 両方とも不可能のため9 件であった 残り5 例のお断りした症例は 二次施設でも管理可能と判断し あえて二次施設にお願いしたものであった 当院手術室の麻酔科が手術中で緊急手術不可能であったためにお断りした症例は2009 年にはなかった お断りした症例の転機を表 7にまとめた 2008 年 4

84 Jichi Medical University Hospital Annual Report 2009 月から獨協医大とともに周産期連携センターに指定されたため 受け入れられなかった症例の搬送先は責任を持って確保することになった 2009 年までは県内の一次施設からの症例をすべてコーディネイトしていた 200 年からは地域周産期母子医療センターからの症例も受け入れ先をコーディネイトすることに変更した 県内からの要請の 例は県内すべての施設で受入れられず 県外に搬送した 県外からの要請は 基本的に要請元の県内施設で対応していただくようにしている ただし 栃木県内施設で 2 例を受け入れた 表 7. お断り症例の転機 ( 県内 県外 ) 県内からの依頼 (a) 県外からの依頼 合計 依頼総数 220 22 242 受け入れ件数 4(64%) (50%) 52(63%) 2 次施設から 2 次施設から 20 Reject 件数 79(36%) (50%) 90(37%) Reject 症例の転機紹介獨協医大 27(0+7) 2 29 芳賀日赤 3(4+9) 0 3 済生会宇都宮 22(2+20) 0 22 足利日赤 (0+) 0 国際医療福祉大学 0(+9) 0 0 大田原日赤 0 0 0 NHO 栃木 0 0 0 小山市民 2(0+2) 0 2 自施設で分娩 3 0 3 県外へ紹介 (b) 0 依頼元の県で対応 0 4 4 転機確認せず不明 0 5 5 (a) 括弧内は ( 県内 2 次施設からの依頼 + 県内 次施 設からの依頼 ) (b) 佐野厚生から前橋赤十字へ 8. 近県との連携 ( 表 8) 近県との関係では 栃木県内から県外へ搬送した症例 例 栃木県外から県内へ受け入れた症例 3 例 県内への母体搬送受け入れが多い状況が続いている 県外からの自治医大への依頼は 茨城県からが多い 表 8. 県別母体搬送 栃木県内栃木県外依頼元で依頼総数受け入れ数 Reject 数施設紹介施設対応 不明 栃木県 220 4 79 (75)()(3)(0) 県外合計 22 (2)(4)(0)(5) 茨城県 5 6 ()(3)(0)(2) 埼玉県 3 0 3 ()(0)(0)(2) 群馬県 4 2 2 (0)()(0)() 東京都 3 3 0 (0)(0)(0)(0) 長野県 0 (0)(0)(0)(0) 合計 242 52 90 (77)(5)(3)(5) 9. 当院からの母体搬送 当院からの母体搬送は 2 例であった 過去の逆搬送 は 2006 年 9 例 2007 年 2 例 2008 年 8 例である その搬送理由は 切迫早産のため母体搬送され 搬送元で管理できる妊 娠週数ため搬送元病院や自宅近くの病院に搬送した症例 :7 例 (33 33 34 35 35 35 36 週 ) 2 緊急手術を要する疾患で母体搬送され 手術後に搬送元に逆搬送した症例 :3 例 ( 卵巣嚢腫茎捻転手術 双胎帝王切開 子宮内反観血的整復術後 ) 3 入院中分娩が必要になった時にNICUが満床で対応できないために急遽転院していただいた症例 : 例 (3 週の破水陣発を国際医療福祉大学病院に搬送 ) 4 産褥の仙腸関節炎で数ヶ月の長期入院治療が必要となり自宅近くの下都賀総合病院に搬送した症例 : 例 搬送先は 小山市民病院 3 例 芳賀赤十字病院 2 例 国際医療福祉大学病院 例 足利赤十字病院 例 大田原赤十字病院 例 佐野厚生総合病院 例 下都賀総合病院 例 一次診療所 2 例である Ⅱ. 分娩部 2009 年の総分娩数は,074 件であった ( 表 9) 単胎 99 例 双胎 83 例 品胎はなかった 表 9. 分娩数 ( 母体数 ) と帝王切開数 単胎 97 996,098,043 99 帝王切開数 393 437 52 492 436 帝王切開率 43% 44% 47% 47% 44% 双胎 86 90 0 8 83 帝王切開数 77 84 92 77 76 帝王切開率 90% 93% 9% 95% 92%

産科 85 品胎 2 2 0 帝王切開数 2 2 0 帝王切開率 00% 00% 00% 00% 0% 総分娩数,004,087,20,26,074 総帝王切開数 47 522 606 57 52 総帝王切開率 47% 48% 50% 5% 48% 緊急帝王切開数 237 256 262 247 226 緊急帝王切開率 50% 49% 43% 43% 44% 帝王切開の適応 ( 表 0) は 主なる適応症 つを選 んでいる カルテ記載から最も重要と判断したものを選んでいる その他には 筋腫核出術後 25 例 合併症妊娠 23 例 出生直後の新生児治療のため6 例 子宮筋腫合併 7 例 本人希望 2 例が含まれている これらの項目は増加しているものもあり 来年以降はその他の分類を見直すことも考慮する なお 骨盤位は子宮内胎児死亡例を除いて全例帝王切開であった 表 0. 帝王切開の適応. 既往帝切 30 28 42 55 5 28% 25% 23% 27% 22% 2. 胎児ジストレス 66 84 68 38 65 4% 6% % 7% 3% 3. 骨盤位 45 39 53 54 49 0% 7% 9% 9% 0% 4. 妊娠高血圧症候群 32 37 39 45 49 (HELLP 子癇を含む ) 7% 7% 6% 8% 0% 5. 多胎 62 63 75 74 45 3% 2% 2% 3% 9% 6. 前置胎盤 26 54 80 58 45 ( 低置胎盤を含む ) 6% 0% 3% 0% 9% 7. 分娩停止 34 33 28 6 37 7% 6% 5% 3% 7% 8. 絨毛羊膜炎 4 4 29 5 2% % 2% 5% 3% 9. 胎盤早期剥離 2 2 4 2 8 3% 2% 2% 2% 2% 0. 児頭骨盤不均衡 5 4 4 4 7 3% 3% 2% % %. 胎盤機能不全 IUGR 9 4 4 2 4 2% % % 4% % 2. その他 ( ) 29 50 75 65 73 6% 0% 4% % 4% 計 47 522 606 57 52 00% 00% 00% 00% 00% ( ) 母体合併症と胎児形態異常を含む 単胎分娩週数 ( 表 ) では 早産が 64 件 (6.5%) であった 妊娠 4 週以降の分娩は90 例 (9.%) であった また 4 週で分娩誘発を行っているため 過期産 ( 妊娠 42 週以降 ) は8 件 (0.8%) と少なかった 表. 単胎分娩週数分布 出産週数 22 2 2 23 3 2 2 0 24 2 3 4 4 25 4 2 5 3 26 6 4 2 3 27 5 2 0 7 28 5 5 0 9 7 29 6 7 7 7 9 30 9 9 6 7 5 3 7 8 2 0 6 32 4 0 3 3 4 33 9 5 5 4 5 34 20 33 24 2 20 35 32 35 35 28 26 36 46 5 55 45 43 37 52 66 95 83 75 38 9 203 22 235 222 39 6 70 20 74 69 40 62 79 79 9 7 4 73 88 90 90 82 42 5 2 9 7 8 不明 0 0 0 0 0 計 97 996,098,043 99 単胎出生体重 ( 表 2) では 低出生体重児は 206 例 (20.8%) で 巨大児は 8 例 (0.8%) であった 表 2. 単胎出生児体重分布 出生児体重 (g) 499 3 4 500 999 8 2 20 6,000,499 27 26 36 33 30,500,999 5 38 46 44 44 2,000 2,499 40 3 37 44 2 2,500 2,999 335 39 388 389 360 3,000 3,499 263 296 370 36 330 3,500 3,999 76 82 9 96 87 4,000 6 0 9 7 8 計 97 996,098,043 99

86 Jichi Medical University Hospital Annual Report 2009 双胎分娩週数 ( 表 3) では 早産率は 40/83 例 (48%) であり 昨年より低下した 妊娠 33 週未満の分娩が9 件 (%) であった 2008 年 30 週,24,388,206 2009 年 2009 年は品胎の出生なし 表 3. 双胎分娩週数分布 出産週数 22 27 3 4 6 2 0 28 0 0 2 29 4 2 6 0 30 2 2 2 3 0 5 3 3 32 3 3 7 3 2 33 5 4 4 2 34 7 3 2 5 35 8 2 9 0 36 0 2 0 4 4 37 47 40 38 30 42 38 2 3 39 0 0 2 0 0 計 86 90 0 8 83 双胎出生体重 ( 表 4) では 低出生体重児は 25 例 (75%) であった,500g 未満の児は 9 例 (5%) であっ た 表 4. 双胎出生児体重分布 出生児体重 (g) 499 5 3 3 0 0 500 999 8 2 4 6 3,000,499 6 4 6,500,999 30 38 43 40 34 2,000 2,499 7 65 03 67 82 2,500 2,999 45 47 22 35 39 3,000 3,499 2 4 0 2 3,500 0 0 0 0 0 計 72 80 202 62 66 2008 年の品胎分娩 ( 表 5) はなかった 表 5. 品胎の分娩週数と出生児体重 西暦 分娩週数第 児 (g) 第 2 児 (g) 第 3 児 (g) 2000 年 30 週,232,32,408 200 年 () 26 週 744 884 974 200 年 (2) 33 週,600,694,758 2002 年 なし 2003 年 35 週,904 2,528,862 2004 年 34 週,638,260,70 2005 年 22 週 9 週流産 520 452 2006 年 30 週 840,332,74 2007 年 27 週,58 998,68 2007 年 33 週,600,528,492 2008 年 32 週,728,04,446 0 代出産と高齢出産の分布は ( 表 6-) の通りで 0 代出産は6 例 (.5%) 高齢出産は350 例 (32.6%) で 40 歳以上も64 例 (6.0%) であった ( 表 6-2) 表 6.0 代出産と高齢出産の分布 ( 括弧内は多胎 ) 年齢 総分娩数,004(87),087(9),20(03),26(83),074(83) 5 2(0) 0(0) 0(0) 0(0) (0) 6 4(0) (0) 0(0) 2(0) 2(0) 7 2(0) 0(0) (0) (0) (0) 8 3(0) 4(0) 2(0) 5() 3(0) 9 8()0(0) 5(0) 4(0) 9(0) 35 39 97(9)243(3)30(6)279(4)286(28) 40 6()26(2)25(0)5(0)9() 4 4() 8(0)5()9(2)9(0) 42 8(0)0(0)3(0)5(0)5(0) 43 4(0) 3(0) 5(0) 6(0) 3() 44 (0) (0) 5(0) (0) 6(0) 45 (0) (0) (0) 46 0(0) (0) () 47 0(0) 48 0(0) 49 (0) 50 2007 年 35-39 歳の品胎 例含む 表 6 2. 年齢別分布 ( 括弧内は多胎 ) 年齢 総分娩数,004(87),087(9),20(03),26(83),074(83) 若年 9()5(0) 8(0)2()6(0) (9 歳以下 ) 0.4% 0.7%.%.5% 35-39 歳 97(9)243(3)30(6)279(4)286(28) 9.6% 22.4% 25.% 24.8% 26.6% 40 歳以上 43(2)50(2)63()58(2)64(3) 4.3% 4.6% 5.3% 5.2% 6.0% 240(2)293(5)364(7)337(6)350(3) 高齢 (35 歳以上 ) 23.9% (24.%)(6.5%) 27.% (6.5%) 30.3% (9.3%) 29.9% (37.3%) 32.6%

産科 87 母体死亡はなかった ( 表 7) 死産は8 例であった ( 表 7) 早剥は39 週であった 不明の4 例は 未妊健で飛び込み分娩した入院時点でIUFD 25 週早産陣発で来院し分娩進行中にIUFD 双角子宮ではあったがそれ以外に要因がないIUFD 全く不明の34 週 IUFDであった 充実させる 4) 産婦のニーズに応え 助産師の独自性を高めるため 院内助産院 ( バースセンター ) の開設に向けた準備を進める 表 7. 母体死亡数 死産数 (22 週以降 ) 母体死亡数 0 0 0 0 死産数 (22 週以降 ) 6 5 2 7 8 死産の原因 原因不明の IUGR 常位胎盤早期剥離部分胞状奇胎合併 IUGR ITPとGDM 合併 3 5 3 2 双胎一児死亡 3 3 2 3 8 2トリソミー胎児水腫 ( 原因不明 ) 前期破水後 子宮筋腫合併 臍帯過捻転 2 パルボウイルスB9 感染疑い抗リン脂質抗体症候群合併陣痛発来後分娩中 IUFD 未妊健飛び込み分娩 ( 来院時 IUFD) 不明 3 3 2 5. 事業計画 来年の目標等 ) 分娩制限は行わない その上で 母体搬送の受入率を上げるように努める 2) 医師全員の超音波検査技術の向上をはかり 胎児診断の精度を向上させる 3) 平成 2 年 0 月に開始した 助産師外来 ( これまでもローリスク外来と称して医師のバックアップの下に助産師が主となった外来を行っていた ) をさらに