目次 はじめに 1 写真 3 1. 参加者リスト 7 2. 日程 年度訪中ミッション概要 9 4. 主要な面談 会合および視察状況 9 5. 総括 13 (1) 日中関係 13 (2) 中国の都市化 14 (3) 広東省 14 発展戦略 大手民営企業 ( 華為技術の事例 ) 日本と

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2013 年度訪中ミッション < 報告書 > 2013 年 11 月 4 日 ( 月 )~7 日 ( 木 ) ( 北京 広州 深圳 ) 2013 年 12 月 公益社団法人経済同友会

目次 はじめに 1 写真 3 1. 参加者リスト 7 2. 日程 8 3.2013 年度訪中ミッション概要 9 4. 主要な面談 会合および視察状況 9 5. 総括 13 (1) 日中関係 13 (2) 中国の都市化 14 (3) 広東省 14 発展戦略 大手民営企業 ( 華為技術の事例 ) 日本との経済連携の現状と展望

はじめに 昨年 9 月の反日デモ発生以来 日中両国の政治関係は未だに緊張が続いております そのような状況下で 経済交流を促進することにより民間交流を活性化させ 両国間の戦略的互恵関係再構築の糸口としたいというのが 今般の訪中ミッション派遣の大きな目的でした その意味では 中国側関係者と両国間の民間交流強化の必要性について合意できたこと 日中間で連携ができる分野が見えてきたこと 地方政府が産業高度化等の目標達成の為に 日本の協力を望んでいることが確認できたという点で 相応の成果があったと考えています 中国日本友好協会との面談では 日本の経済界の果たす役割や両国の民間交流促進への強い期待を感じ 中国社会科学院との意見交換では 中国側が日本における過去の経済発展の経験に対し強い関心を抱いていることを感じました 広東省の関係者は 同省が経済先進地域として国内のライバルをリードする上において 日本と連携するメリットが大きいことを理解している様子でした 今回のミッション派遣から得られた経験を基に これからの中国委員会の活動の中で 日中間の民間交流促進への貢献 両国が連携すべき分野に関する更なる研究等 問題意識 テーマを深めてまいりたいと考えております 1

公式日程の中で 副団長を始めとする団員の皆様には活発なご発言をいた だき 意見交換の内容が深いものになりましたこと 改めてお礼を申し上げ ます 中国側の方々の話をうかがうだけではなく 日本側の視点からの質問 日本の経験の紹介という 双方向のやりとりができましたことは大変有意義 であったと感じております 最後になりますが 本会訪中ミッションの受入窓口として公式日程に関す る段取りにご尽力いただいた中国日本友好協会の皆様を始めとし 中国社会 科学院 広東省人民政府 深圳市人民政府 華為技術の皆様 在中国日本国 大使館 在広州日本国総領事館 広州在住日本人駐在員の皆様に 厚くお礼 申し上げます 今般 日中関係が厳しい中 経済界の先陣を切って訪中した ことの意義と成果は大きかったことを確信しつつ 訪中ミッション派遣を終 えたことを報告いたします 201 3 年 12 月 公益法人経済同友会 201 3 年度訪中ミッション 団長伊東信一郎 2

( 木寺昌人中華人民共和国駐箚特命全権大使への表敬 :11 月 4 日大使公邸 ) ( 唐家璇中国日本友好協会会長への表敬 :11 月 4 日釣魚台国賓館 ) 3

( 中国社会科学院日本研究所との会議 :11 月 5 日アジア太平洋研究所会議室 ) ( 伊藤康一在広州日本国総領事との懇談 :11 月 5 日花園飯店 3 階玉蘭庁 芍薬庁 ) 4

( 広東省人民政府発展研究中心との会議 :11 月 6 日花園飯店 3 階菊花庁 ) ( ジェトロ広州事務所 広州日本商工会との懇談 :11 月 6 日潮皇食府 国貿店 ) 5

( 華為技術有限公司視察任正非総裁との意見交換 :11 月 6 日同公司本社 ) ( 張文深圳市人民政府副市長との懇談 :11 月 6 日五洲賓館 ) 6

1. 参加者リスト ( 敬称略 役職は訪問時 ) 団長 (1 名 ) 伊東信一郎中国委員会委員長 (ANA ホールディングス取締役社長 ) 副団長 (4 名 ) 上原忠春中国委員会副委員長 ( 東京海上ホールディングス常務執行役員 ) 斎藤一志中国委員会副委員長 ( 三井不動産取締役専務執行役員 ) 船津康次中国委員会副委員長 ( トランスコスモス取締役会長兼 CEO) 古川令治中国委員会副委員長 ( マーチャント バンカーズ取締役社長 ) 団員 (17 名 ) 飯塚洋一 ( バリューコマース取締役社長執行役員最高経営責任者 ) 上島健史 ( みらい證券取締役社長 ) 薄井充裕 ( 日本政策投資銀行設備投資研究所長 ) 尾崎弘之 ( パワーソリューションズ取締役 ) 島田俊夫 ( シーエーシー取締役会長 ) 多田雅之 ( アルファパーチェス取締役社長兼 CEO) 團宏明 (NTT 都市開発元総務省 ) 中野宏信 ( シティック キャヒ タル パートナーズ ジャパン リミテッド日本代表兼シニアマネージングディレクター ) 日比谷武 ( 富士ゼロックス常勤監査役 ) 平手晴彦 ( 武田薬品工業コーポレート オフィサー ) 深堀哲也 ( レーサム取締役会長 ) 本城正哉 ( 住友生命保険取締役常務執行役員 ) 森哲也 ( 日栄国際特許事務所代表社員 所長 弁理士 ) 守田道明 ( 上田八木短資取締役社長 ) 山口栄一 ( エージーピー取締役社長 ) 米田隆 ( 西村あさひ法律事務所代表パートナー ) 伊藤清彦 ( 経済同友会常務理事 ) ワーキング グループ (5 名 ) 水野義弘 (ANA ホールディングスグループ経営戦略部部長 ) 今永祐治 ( 東京海上ホールディングス海外事業企画部中国 東アジア室マネジャー ) 小林誠治 ( 三井不動産中国 アジア事業部事業推進グループグループ長 ) 暢游 ( マーチャント バンカーズ投資事業部ヴァイス プレジデント ) 中島祥介 ( トランスコスモス海外関係会社経営管理部シニアマネジャー ) 随行員 (5 名 ) 神田真也 (ANA ホールディングス秘書室主席部員 ) 朱金諾 ( 全日本空輸営業センター中国室常任理事 ) 大谷昌弘 ( 住友生命保険北京代表処首席代表 ) 北京のみ参加稲田健也 ( 全日本空輸上席執行役員中国統括室長兼北京 天津支店長 ) 北京のみ参加阿部浩之 ( 全日本空輸広州支店長 ) 広州のみ参加 事務局 (2 名 ) 秋保哲 ( 経済同友会政策調査第 4 部参与 ) 松村信彦 ( 経済同友会政策調査第 4 部アソシエイトマネジャー ) 合計 34 名 7

2.201 3 年度訪中ミッション日程 (20 13 年 11 月 4 日 ~7 日 ) 日付内容宿泊 成田 / 羽田発 北京着 11 月 4 日 ( 月 ) 訪中ミッション結団式 長富宮飯店 在中国日本国大使館木寺昌人大使への表敬 大使公邸 北京 長富宮飯店 中日友好協会唐家璇会長との懇談 釣魚台国賓館 5 日 ( 火 ) 社会科学院日本研究所との会議 アジア太平洋研究所会議室 北京発 14: 00 広州着 17:10 (CA 1327) 在広州日本国総領事館伊藤康一総領事への表敬 花園飯店 広州 花園飯店 広東省人民政府発展研究センターとの会議 花園飯店 6 日 ( 水 ) ジェトロ広州事務所 広州日本商工会との懇談 潮皇食府 ( 国貿店 広州発 深圳着移動 ( チャーターバス ) 華為技術本社視察及び任正非総裁との意見交換 深圳 JW マリオット ホテル 深圳市政府張文副市長との懇談 五洲賓館 7 日 ( 木 ) 参考 推奨便利用の場合 香港発 成田 / 羽田着 公式日程終了 * 現地集合 現地解散を原則とした ( 北京に集合し 深圳で解団 ) 8

3.201 3 年度訪中ミッション概要 経済同友会中国委員会は以下の2 点に主眼をおいて 201 3 年 11 月 4 日 ( 月 )~7 日 ( 木 ) の期間 北京 広州 深圳の 3 都市を訪問するミッションを派遣した (1) 日中両国間の経済交流の活性化により民間交流の促進を図り 戦略的互恵関係の 再構築に寄与するとの目標の下に 北京において民間団体 シンクタンクとの交 流を行う (2) 中国における課題先進地域の現状を探る とのテーマを設定し 広東省の現状 を把握し 日中経済連携の可能性を探ることを目的に 広東省 2 都市において 現地政府及び現地民営企業 ジェトロ及び日系企業との意見交換を行う 日中の政治関係が緊張する中で 経済界の先陣を切って訪中することにより 中国が 今後 経済を中心とした日本との民間交流をどのように進めていこうとしているのか を探る 大手企業を中心とした国営企業中心の経済体制の中で 中国の民営企業はどのような 存在であり その経営はいかなるものかを把握する ミッションは伊東信一郎副代表幹事中国委員長 (ANA ホールディングス取締役社 長 ) を団長に 団員 22 名 ワーキング グループ等を含む計 34 名で構成した 面談 会合及び視察の状況は以下のとおりである 4. 主要な面談 会合及び視察の状況 (1) 北京市 1 在中国日本国大使館木寺昌人大使への表敬 ( 非公開 ) 2 中国日本友好協会唐家璇会長との懇談 A 冒頭挨拶 両国関係が困難な状況に直面する中での訪中を評価する 中国側関係者との胸襟を開いた意見交換や交流が 双方の協力に資するように希望する 中国日本友好協会が設立されて 50 年が過ぎた 最近は経済界との交流を強化してきた 経済同友会との交流も重視しており 今後も関係を発展させたい 日中関係 中国の経済情勢 日本の経済界への期待の3 点について 個人的な意見を述べたい B 日中関係 中日関係を改善するため 今の急務としては難局の根本的原因である釣魚島の問題と歴史認識というふたつの面から努力を払う必要がある 両国関係が冷え込んだ状況が社会世論や民間にも影響を及ぼしている 10 月下旬に開催された北京 - 東京フォーラムでは これをコントロールし 元に戻さなければならないと考え コンセンサスを発表したが これは両国民の共通な願いであろう 双方の交流が停滞する中で 新しい分野における交流と協力を進化させるべきであ 9

る 例えば 省エネ 環境保護 グリーン低炭素 エネルギー 金融等の分野が挙げられる 同時に文化 地方 青少年交流の推進も相互理解に重要である C 中国の経済情勢 現在の中国経済の特徴は 成長を安定させ 構造を調整し 改革を促進させる というものであり 7.5% という今年の成長率目標を達成することは可能である 現在 新しいモデルの工業化 商業化 都市化 農業近代化を加速しており 継続的な経済のグレードアップ及び改革による効果が今後現れてくることになる 第 18 期 3 中全会において決議予定の改革案はその範囲から空前のものになる 日中両国の経済は互いに依存しており 相互補完することのメリットは大きい 中国の持続的発展は日本にビジネスチャンスをもたらすであろう D 日本の経済界への期待 日本の経済界は中日関係を安定させる機能を有していると考えており その役割に期待したい 日本の経済界は中日関係をよい方向に作り上げ 民意の対立を防止すべきである 例えば経済同友会は9 月に訪日した企業家代表団と率直に交流し 良い評価を得た 今回の訪問も含めて日中関係に前向きな影響を与えている 3 中国社会科学院日本研究所との会議 李薇日本研究所所長 今年は中国の改革開放から 35 周年に当たる 改革開放は新たなステージに入って おり 今度の 3 中全会では改革についての重要な意思決定がなされると見ている 今回のミッション訪中は大変時宜を得たものであると思う 本研究所が中国の発展を分析する際に 日本の経験についても 関心を寄せている その意味で 日本の都市化はどのように進められたのか等についても 意見交換を させてもらいたい 魏後凱都市発展と環境研究所副所長 国家発展改革委員会は新しいタイプの都市化についての計画を立案している 現在 専門家委員会において草案を最終的に修正しており もう直ぐ国務院に上程 する予定である 中国の都市化は 197 8 年までの第一段階 195 年までの第二段階 1996 年から現 在までの第三段階に区分される 第三段階において都市化が加速した 昨年のデータでは都市化率は 52.57 % 都市部人口は 7.12 億人 都市化率は ほぼ 世界の平均水準になっている ただ 日本 (85%) や韓国に比べると低い 改革開放以降の都市化には 4 つの特徴がある 第一は速度が加速し 規模が大きい ことだ 都市化率が 30% から 50% になるのに 米国が 40 年 日本が 35 年を要したが 中国はわずか 15 年であった 第二に都市化率は 沿海部が高く 内陸部が低いこと である 第三に都市部の発展が都市化を推進する牽引力となっていることである 第四は李克強首相が強調するように 都市化は投資を増やし 内需を喚起し 経 済成長を支える 効果があることだ また 所得格差を解消し 中産階級の形成に つながるという作用にも注目すべきだ 10

本院は 2010 年に 中国の都市化はスピードが速すぎて 沢山の問題を抱えており 量の拡大から質の向上へ変えていくことが課題である旨を表明している 具体的には6つの問題点がある 第一に都市化による資源や環境面への過剰な負荷である 第二に費用面で土地に過度に頼りすぎていることだ 第三に調和や均衡を欠いていることである 具体的には格差の問題である 第四は文化を重視しなかったことだ 第五は都市へ移り住んだ農村住民の都市戸籍取得が遅れていることである 第六は各種制度面での対応の遅れだ 本院は 都市化についての諸課題に対応する為に 適切なスピードを維持しつつも 年率 0.8~1.0 ポイント成長という程度にスピードを落とすべき との見解である 今後 中国の特色ある都市化と 集約型 グリーン低炭素型というような新たなタイプの都市化を有機的に結合する模索していきたい 都市化の核心部分は農民を市民に変えていくことである 現状を見ると 都市に流入した農民工は都市住民の 40% 程度しか 市民化 の恩恵を受けていない 今後 農民工の 市民化 推進と合理的な都市設計が望まれる 都市化を進展させる為には産業的裏付けが必要 一方で都市化の過程で大量の農地を収容してきた関係で農村が空洞化しており 配慮が必要な状況だ (2) 広東省 1 在広州日本国総領事館伊藤康一総領事への表敬 ( 非公開 ) 2 広東省人民政府発展研究センターとの会議 汪一洋主任 広東省は経済や財政の規模で全国の 10% 貿易総額は 25% を占める 定住人口は 1.0 5 億人 (2011 年 ) で全国の 13 分の1 となる 主要な製品は IT 機械 自動車 医薬品等である 現在 南沙 前海等 3 つの特区の開発を行っている 日本との関係は深く 198 0 年代初頭から日本企業が進出している 業種を見ると3 大メーカーが工場を持つ自動車関係が多い 日本とは友好都市関係もあり 観光を 含めた人的交流も活発である 209 年にジェトロと覚書を交わし 今年は 4 年目と なる 広東省の発展戦略 第一に資源を活用して 内需と外需の両立を目指す 第二にイノベーション戦略が あげられる 企業主体で研究開発を進め 市場をベースにやっていく 第三は省内 での地域間協力である 第四に環境 省エネを意識して持続的発展を目指すグリー ン発展戦略の採用である 第五に人を基本として社会問題を解決し 社会的公正正 義を求めていく 第六は航空 鉄道 高速 水利等を中心としたインフラの近代化 である 第七は行政改革 国有企業や社会体制の改革等によるメカニズムの優位性 発揮である このように政策の方向性を定めて 産業のシフトと高度化を進めてい くことが肝要である 11

前海地区の開発 201 0 年 8 月に近代サービス産業振興を狙い 開発が認可された 2012 年 7 月には国 務院の意見発表があり 金融業がクローズアップされた 上海自由貿易試験区と同 様の形での国家批准を目指し検討を進めている スマートシティ建設と日本の協力 201 1 年 1 月に方針が打ち出され 2015 年までにセンサー ワイヤレス ネット等に 関する産業クラスターの基地づくりを目指すことになった 2020 年までに世界の先 進国レベルまで持っていく計画で 教育 行政 環境保護等での活用を考えている 広東省におけるスマートシティの特徴は複数の都市で取り組んでいくことにあり 経済や生活のレベル向上を重視している 知的財産戦略 200 7 年に知的財産戦略が打ち出され 201 2 年 1 月に 知的所有権が強い省戦略 が 発表された 200 7 年から 5 年を経て 特許申請数は全国一となり 知的所有権侵害 への取り締まりも積極的に行われている 3 ジェトロ広州事務所 広州日本商工会との懇談 ( 非公開 ) 4 華為技術本社任正非総裁との意見交換 現在 世界 150 の国 地域と取引をし 2013 年にはグループ売上が 400 億ドルを達成見込みである 日本人は勤勉で 日本は素晴らしい国であると思っている 今後も日本に投資し 協力関係を築き 日本のよい面を取り入れていきたい 改革開放の初期に通信機器の商売を始めたが 厳格な規制と基準があることを知った そこで法律を勉強し それを基礎に顧客意識を持って 自社での研究開発を進めるようにした また 安定的な給与体系と実績主義を導入して成果を上げた 深圳で企業が発展したのは 香港という手本があったことが大きい 香港で確立されていた中国式欧米管理体系の導入が 我々の早い段階の成功につながったと考えている このような深圳での取り組みは中央政府に評価され 中国各地に拡大されていった また 深圳では法律が順守されており ビジネス環境としてはベストと考え 引き続き当地に留まり業務を行っている 知的財産権については 過去に一度も侵害したことはない 技術が必要な際は 他社から購入している 知的財産権によって会社が守られているのである 海外での問題を解決する為にはコンサルティング会社の協力は不可欠と考える 更に言えば 国際的協力関係を維持拡大し続けることが重要 であることを 社内の高級幹部たちに訴えている 5 深圳市政府張文副市長との懇談 深圳市に日本企業が進出して 経済発展の一翼を担っていることに感謝したい 昨年の日本と深圳市の輸出入総額は 250 億ドルを超えていたが 本年は8% 減になっている 経済同友会の皆様の力でこれを元に戻すようにお願いしたい 12

深圳市の港湾取扱量は世界第三位であり GDP は 2,000 億ドル 輸出入総額は 4,6 68 億ドルである また 当地には華為技術に加え 中国平安保険や招商銀行等が活動拠 点を構えており 2,20 社以上が海外進出している 当地に進出を考えている日本企 業に対しては 多大な支援をさせて頂きたい 深圳市は以前 金融 物流 文化 製造業が産業の中心であったが 近年これにエネ ルギー IT バイオ等が加わった 金融は今尚盛んで 新規株式公開 (IPO) の件数 は 3 年連続世界一である 当市は日本とサービス業や金融業でも協力を進めたい 更 には イノベーションの促進 産業の高度化 低炭素社会 環境対策にも取り組むつ もりだ 前海地区の開発は国策として重視されている 香港と隣接しているという優位性を持 っており 今後は金融やサービス業を発展させていきたい 中央政府は 同地区の 企業が香港の銀行から人民元融資を受けることを認めた 深圳市としては 日本企業 が同地区で進出の機会を見つけてほしいと思っている 5. 総括 北京 広州 深圳の 3 都市における面談 会合及び視察を終え 以下のとおり総括する (1) 日中関係 10 月 24~25 日の 2 日間 李克強首相の主催で開催された 周辺外交工作座談会 に おいて習近平主席は 今の状態が続くことは双方にとって不利益だ とした上で 経済のほか 民間の文化 人的交流などを拡大させなければならない と述べ 日中関係改善を指示したとされる 今般の公式日程における中国側関係者の発言を 振り返ると 日本の経済界に対する期待や日中協力のメリットを語る場面が多かっ たように思われる その意味ではタイムリーな訪中であったといえる 現在の日中間の困難な状況を克服するためには 新しい分野における交流と協力 を絶えず進化させていくべきである との唐家璇会長の発言は 今後の日中関係を 考える上で示唆的であった また同会長は 文化 地方 青少年等各分野での交流 推進 にも言及しており 本会も今後の活動の中でこれらの分野への貢献を検討す べきであろう ミッションが帰国して間もなく 11 月 9~12 日の 4 日間で 第 18 期 3 中全会が開催 され 各分野における改革の方針が打ち出された 内容を見ると 高齢化の進行に 伴う 一人っ子政策 の転換 社会保障制度の見直し 都市化 自由貿易区 金融 改革等 日本の経験や協力が活かせる分野が少なくないことがわかる そのような 状況もあってか 中国側の発言には両国の互恵関係を意識したものが多かったよう に思える 本会の 戦略的互恵関係の再構築に寄与するという方針から考えても 今後双方が協力できる分野を常に意識しながら 活動を進めていくことが必要であ ろう 13

(2) 中国の都市化 都市化 は社会や個人の生活全てに関わっており 李克強首相が最重要視している課題のひとつであるといわれている その意味で 今般国家発展改革委員会の専門委員会のメンバーで この問題に関する計画立案にも関わる魏後凱副所長から総括的な説明を受ける機会を持てたことは 大変有意義であった 中国社会科学院からは 事前に日本の 都市化 経験についての質問が提示されており 会議の際にはミッション側より 大都市と地方の課題 地方の課題 地域開発制度の変遷 に関して簡単な説明を行った 日程の都合で十分な討議時間がとれなかったのが残念であったが 中国側の大きな関心が窺えた 国家発展改革委員会は 都市化 推進の為の専門組織を有しており 日本企業へ参画の働きかけを行っている 日中間の戦略的互恵関係の再構築を考える時 この分野での両国の連携は大きな意味を持つと思われ 今後の本会活動の中で更に研究を進めていくことにいたしたい (3) 広東省 1 発展戦略 広東省の経済は既に中進国レベルに至っており 同省が直面する課題は 日本の過去の経験が応用できる水準に達している 同省には日本の三大自動車メーカーの生産拠点があることから日本との経済関係が密接であり 伝統的に政治よりも経済を重視する気風がある 今般の訪問は日中関係が緊張している中で行われたが 同省では経済を通じた互恵関係構築について話し合う雰囲気に溢れていた 今般北京から広州 深圳へと移動する中で 中央 と 地方 の差異を実感することができた 今後 改革の進展に連動して 中央 から 地方 への経済面における権限移譲が進んでいくと思われ 日本企業としては 地方 との連携を より積極的に推進していくべきであろう 広東省は産業のシフトと高度化を進めており 同時に環境や省エネに配慮する グリーン経済発展を目標としている また深圳市にある前海地区では 上海の自由貿易区と並んで国家レベルの開発が行われようとしており 金融業とサービス業を中心に企業誘致を考えている このような状況下で 日本企業がどのように関わり連携していくことができるのか 検討を進めるべきであろう 2 大手民営企業 ( 華為技術の事例 ) 201 年における中国の GDP に占める国有経済のシェアは 37% となっている また 先に開催された第 18 期 3 中全会のコミュニケにおいても 国有企業を中心にする という従来方針を明記せざるを得なかった このように 国営企業依存から中々脱却できない経済体制下で中国の民営企業は何を考え どのような経営方針を持っているのかを知る為に 華為技術を訪れた 同社の施設や製品を視察し 創業者である任正非総裁の話を伺った結果 同社は民営企業として 市場の原理に従って経営されているとのことであった 14

同社は 顧客志向 と 自社研究開発 を方針にしており その点が国営企業や中小民営企業との差別化につながっているものと思われる 全グループ社員 15 万人のうちの7 万人が研究開発に従事し 売り上げの 13%(2012 年 ) をその費用として投じていることが印象的であった 創業から僅か 25 年で世界有数の通信機器メーカーになったという事実が 中国の民営企業の潜在力を証明している 華為技術を始めとし 深圳で大手民営企業が数多く発展した理由が 香港に隣接していることにあるという説明は非常に興味深かった 今後の改革の方向性が 経済の市場化 であることを考えると 中国において民営企業の果たす役割は今後徐々に大きくなり 深圳が再度注目されるのではないかと推察される 3 日本との経済連携の現状と展望 ジェトロと広東省政府は 2013 年 10 月に MOU に調印し サービス分野での協力を強化し 安全で高品質な生活用品の発展を推進すること等が合意された この合意は 内需が旺盛で生活の質にこだわる広東省であるからこそ 実現したものと思われる その意味で日本と広東省の経済的親和性は高いといえるだろう 深圳市政府の本会ミッションに対する姿勢は とても丁重なものであった その背景には 自由貿易区を抱える上海へのライバル意識 今後の発展を期しているサービス 金融 エネルギー バイオ IT 等の産業における日本企業との連携への期待があるものと思われる 以上 ( 文責 : 経済同友会事務局 ) 15