News Release 本資料は 2013 年 6 月 25 日に BASF 本社 ( ドイツ ) で発表された K2013( 国際プラスチック ゴム産業展 ) 記者発表会でのプレスリリースの抄訳です BASF の新しい半製品コンポジット材料のためのシミュレーション 加工および部品試験を提供 UI コンポジット向け開発プラットフォーム BASF は 熱可塑性ラミネートやテープなどの半製品 オーバーモ ールド用樹脂に加え 包括的なサービスを含む新しいパッケージ Ultracom ( ウルトラコム ) を 2013 年 10 月から提供します 統合型開 2013 年 7 月 5 日 お問い合わせ : BASF ジャパン株式会社コーポレート コミュニケーションズ本部藤本朋子 / 麦谷英理子 TEL: 03-3796-4879/4865 tomoko.fujimoto@basf.com eriko.mugitani@basf.com 発プラットフォームとしての Ultracom パッケージは 最初にコンセプトを創案し 次に設計 シミュレーション 加工および部品試験を行い その結果顧客が効率的な大量生産を行えるようにサポートします また Ultrasim ( ウルトラシム ) シミュレーションツールを用いた設計支援 コンポジット部品向けの新たな試験設備や 広範囲な要求に対応可能な BASF での部品試験によるサポートも提供します 大量生産に適応可能なコンポジット用試験設備の導入 BASF は部品開発において 専門性を高め 顧客に最適なサポートを提 供するため 当社のテクニカルセンター内に熱可塑性プラスチック用大量 生産適応型コンポジット加工試験設備を導入しました このシステムは 2013 年 3 月から インモールド成形 ( オーバーモールド成形 ) による多機能コンポジット試験片の作成に利用されています この加工工程は ラミネートや射出成形用樹脂を使った構造部品の生産に 最も有望なアプローチです 本工程では まずラミネート ( ドレーピン グまたは型内熱成形 ) が金型内で行われ 次にオーバーモールドが行わ
Page 2 れます ラミネートを金型外で加熱した場合は ラミネートの金型占有時間 が削減されるため サイクルタイムは大幅に短縮されます ただし 加熱し て軟化したラミネートのインサートの確実な処理と位置調整が必要です CIFO による材料 加工および部品開発 この新たな試験設備によるコンポジット部品設計のすべての要素を試験するため BASF は 独自の試験片の開発も行っています これは CIFO ( combination of in-mold forming and overmolding( インモールド成形とオーバーモールド成形の組み合わせ ) ) というもので 顧客と共同開発する連続繊維強化コンポジット部品並びに材料を検証するための多機能試験片です この試験片は 縦横 40 cm 40 cm 高さ 4.5 cm で 1.5 mm 厚の成形ラミネートと リブなどの最大 3 mm 厚のモールド成形部分で構成されます 約 20 の機能により 実際のコンポジット製造における特徴や問題点を再現できます この試験片の特別な機能には 流動長が長い部分や インサート品のマウントに利用されるホールなども含まれます 追加機能としては 衝撃吸収能力評価用特殊リブ オーバーモールド成形性確認用リブ リブあり U 字型部分などがあります 作成される CIFO 試験片は 完全にオーバーモールドされるため 追加の処理を必要とせず 成形後の後加工も必要ありません CIFO 試験片作成用の金型 (Georg Kaufmann Formenbau ゲオルグ カウフマン フォルメンバウ社による ) は 取り替え可能なインサートの利用により 非常に汎用性が高く ラミネート成形の適用可能範囲などを検証することが可能です 高度に設計された金型は 特殊クランプの利用により 簡潔かつ正確なラミネート処理を可能にします ( このクランプにより 金型が閉じる直前までラミネートが制御されます ) コンポジット開発向けラミネートハンドリング用 6 軸ロボットを設置した新し い試験設備連続繊維強化熱可塑性コンポジット部品を実際に作成するためにドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに設置された試験設備は 以下の内容で構成されます
Page 3 ラミネートハンドリング用 6 軸ロボット ラミネートをクランプに自動で挿入する装置 赤外線加熱装置 ( 自動化およびプログラミングを含め すべて FPT Robotik ( エフ ペー テー ロボティック ) 社製 ) 射出成形装置 (KraussMaffei ( クラウス マッファイ ) 社 KM 300 1400C2 型締力 300 トン ) ホットランナー型 ホットランナー制御装置 ロボット制御装置等 同時処理能力に優れた完全自動加工 短いサイクルタイム 新しいコンポジット試験設備における加工工程では ラミネート処理におい て 3 つのクランプがセル内で同時に使われるため 最短のサイクルタイ ムを実現します この工程は以下の通り実施されます ラミネートをクランプに挿入 クランプごとラミネートを加熱 クランプを射出成形用金型に装填 ラミネートの成形 ( ドレーピング ) およびオーバーモールド クランプおよび仕上がり品の取り出し クランプが射出成形マシン内にあるとき 別のクランプは IR 加熱炉 ( 最高 250 C) 内のラミネートを保持し また別のクランプはロボットにより新しいラミネートを装填します ロボットは 高い精度を維持しながら ラミネートをクランプに挿入します 多くの検証により この試験設備 ( もしくは同様のプロセス ) において 1 分のサイクルタイムが実現可能であることが実証されています これは 一般的な射出成形工程と同等です したがって この試験設備 ( もしくは同様のプロセス ) は大量生産が必要な部品の製造に適応可能であることを示 しています Ultrasim シミュレーションツールによるコンポジット設計 Ultracom のサービスパッケージの 2 つ目の要素として Ultrasim シミュレーションツールがあります ガラス繊維織物からなるラミネートや UD
Page 4 テープ 並びにオーバーモールド用短繊維強化型樹脂からなる部品は精 度よく計算 解析することが可能となっています この機能は Opel Astra OPC のシート骨格に 既に利用されています BASF が提供する Ultrasim を使用することにより 樹脂部品の製造工程の影響を考慮した機械特性を計算できます 樹脂流動解析と連続繊維強化型ラミネートのドレーピングシミュレーションによって繊維配向を解析し 各部分の繊維配向結果を構造解析モデルに反映 ( マッピング ) させます 連続繊維強化部分に関しては 従来の Ultrasim 材料モデルを拡張した完全に新規の材料モデルを使用しています この新規材料モデルは典型的な繊維強化熱可塑性樹脂の特徴である異方性 非線形性 速度依存性 引張圧縮非対称性 温度依存性 様々な破壊特性を考慮しています これと同様に重要なのが 部品のデザインと一方向強化繊維からなる UD テープまたは二方向強化繊維からなるラミネートの繊維をどのように配置するかということです ここでは すでに短繊維強化樹脂で使用されている最適化の方法を強化しています 短繊維強化樹脂の分野でよく知られている Ultrasim によるサポートを Ultracom 連続繊維強化樹脂でも利用することができます CT スキャンによる 実験的部品試験 BASF は 試験ラボにおいて 試験片サンプルおよび新たなコンポジット部品の評価に コンポジットのノウハウを組み込んだ様々な試験装置を使用しています 新たなコンピューター断層撮影 (CT) システムにより 現在 材料 部品サンプルを完全に新しい方法で検証することが可能になっています CT は これまでにない非破壊検査的な方法で コンポジットの内部構造を詳細に検証することが可能です その他の試験機能としては 耐温度 耐候および耐薬品への長期暴露装置のほか 静的 動的 クラッシュおよび内部圧力などに対する耐久評価を行うことが可能です また部品サンプルは 目標となる引張り応力 圧縮 屈曲ねじり負荷などに対して 異なる温度で耐久性評価をすることが可能です さらに コンポジット部品のマルチマテリアル材料設計に欠か
Page 5 せない要素として 溶着や接着 ボルト締めといった接合技術の調査 評 価および最適化を行っています BASF のサポートによる部品開発 シミュレーションや部品試験とともに 顧客とのプロジェクトで 新たな熱可塑性コンポジットの製造に必要な試験設備が利用可能となっています 現時点では 半製品としてのラミネートを中心として検証がなされていますが K2013( 国際プラスチック ゴム産業展 ) までに 単方向 UD テープが評価されていく予定です BASF は シミュレーション 加工技術および試験ラボによる部品評価などを組み合わせた総合的なアプリケーション開発により 材料の特性評価から大量生産に適した製造方法まで 開発プロセス全体を通じて顧客にサポートを提供します K2013( 国際プラスチック ゴム産業展 ) 記者発表会 発表者 :Dr. ラインハルト ヤコビ (BASF ヨーロッパエンジニアリングプラスチック 加工技術代表 ) BASF について BASF( ビーエーエスエフ ) は世界をリードする化学会社 The Chemical Company です 製品ラインは 化学品 プラスチック 高性能製品 農業関連製品 石油 ガスと多岐にわたっています BASF は 経済的な成功 社会的責任 そして環境保護を同時に実現しています また BASF は科学とイノベーションを通して現代社会や将来のニーズを提示しながら ほぼすべての産業のお客様を支援しています BASF の製品とソリューションは 資源の確保に貢献し 栄養価の高い食品を提供するとともに 生活の質の向上に寄与しています BASF はこれらの活動を企業目標として 私たちは持続可能な将来のために 化学でいい関係をつくります を掲げています 2012 年の売上は約 721 億ユーロで 従業員数は約 11 万人です BASF の詳しい情報は www.basf.com( 英語 ) newsroom.basf.com( 英語 ) www.japan.basf.com( 日本語 ) をご覧ください
< 別添 > BASF は ドイツのルートヴィッヒスハーフェンのテクニカルセンター内に 大規模コンポジット試験設備を導入しました 2013 年 3 月より このシステムは インモールド成形 ( オーバーモールド成形 ) による多機能コンポジット試験片の製造に利用されています この試験設備は BASF の新しいコンポジットの材料とサービスを含むパッケージ Ultracom のサービスの一部として利用されます 試験設備の主要装置は ラミネートハンドリング用 6 軸ロボットです さらに 本設備は ロボットによるクランプへのラミネートの自動挿入ステーション 赤外線加熱ステーション 射出成形装置も有しています 同時作業性の高い完全自動化加工により 標準的な射出成形工程と同等の 1 分のサイクルタイムを実現 大量生産における工程の必須条件を満たしていることが実証されました また BASF は CIFO( combination of in-mold forming and overmolding( インモールド成形とオーバーモールド成形の組み合わせ ) ) と呼ばれる 大量生産向け連続繊維強化コンポジット部品の検証および共同開発用の多機能試験片を開発しました さらに Ultrasim シミュレーションツールを用いた設計支援と試験ラボも Ultracom のサービスに含まれます Ultracom パッケージを活用すれば BASF は 最も効率的な方法で 顧客のもっとも効率的なコンポジット部品の製造に貢献します