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16年度第一回JACB品質技術委員会

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JIS Q 27001:2014への移行に関する説明会 資料1

どのような便益があり得るか? より重要な ( ハイリスクの ) プロセス及びそれらのアウトプットに焦点が当たる 相互に依存するプロセスについての理解 定義及び統合が改善される プロセス及びマネジメントシステム全体の計画策定 実施 確認及び改善の体系的なマネジメント 資源の有効利用及び説明責任の強化


ISO9001:2015規格要求事項解説テキスト(サンプル) 株式会社ハピネックス提供資料

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SGEC 附属文書 理事会 統合 CoC 管理事業体の要件 目次序文 1 適用範囲 2 定義 3 統合 CoC 管理事業体組織の適格基準 4 統合 CoC 管理事業体で実施される SGEC 文書 4 CoC 認証ガイドライン の要求事項に関わる責任の適用範囲 序文

目次 4. 組織 4.1 組織及びその状況の理解 利害関係者のニーズ 適用範囲 環境活動の仕組み 3 5. リーダーシップ 5.1 経営者の責務 環境方針 役割 責任及び権限 5 6. 計画 6.1 リスクへの取り組み 環境目標

1. 適用範囲 総合衛生管理 HACCP 認証協会の HACCP システムは 食品業界のあらゆる分野の業者が 自分たちが供給する製品は納得できる品質を保つ安全なものとして 品質や法律上の要求事項を満たしているとの客観的証拠を提供するときに利用できるよう HACCP システム要求事項を明記している 規

国際規格の動向について (ISO 22000の改訂状況)

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図表 11に都道府県別取得件数 ( 上位 10 位 ) を 図表 12に産業分野別取得件数 ( 上位主要産業分野 ) を 図表 13に産業分野別取得件数の推移を示します 産業分野別件数 ( 図表 12) では最も多いのが 建設 の15,084 件 次いで 基礎金属 加工金属製品 の6,434 件 電

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4.4 マネジメントシステム プロセス 5 リーダーシップ 5.1 リーダーシップ コミットメント 組織の状況を考慮し リスク ( 不確かさに影響 ) 及び機会 ( 何かをするのによい時期 ) として取り組むことを決定した情報から適用範囲に含まれていない範囲が存在していませんか恣意的に限定した適用範

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統合化の概要次回の改訂時迄には ISO D Guide83 に沿って整合性を図った 要求事項の定義 要求事項タイトル 要求事項の順番 そして定期的な適切性や妥当性有効性等の強化を含む見直しによって追加補充や変更点への対応を含めた対応が必要とされるが 統合化の構成の概要は 以下の通りススムパートナーズ

前文 この文書の最初の項では コーデックス規格委員会により採択された危害分析 重要管理点 (HACCP) システムの原則について説明している 第 2 項では適用の詳細は食品の取扱い状況によって異なる可能性があることを認識して このシステムの適用のための一般的なガイドラインを示している 1) HACC

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図 12 HACCP の導入状況 ( 販売金額規模別 ) < 食品販売金額規模別 > 5,000 万円未満 ,000 万円 ~1 億円未満 億円 ~3 億円未満

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恣意的に限定した適用範囲になっていませんか 主力サイトは適用範囲外になっていませんか ( 当該サイト活動を適用範囲外することにより経営的に大きな影響を受けていませんか ) 環境マネジメントシステムの意図した成果 ( 箇条 4.1) に影響する部門 部署を除外していませんか 適用範囲に含まれるサイトと

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説明項目 1. 審査で注目すべき要求事項の変化点 2. 変化点に対応した審査はどうあるべきか 文書化した情報 外部 内部の課題の特定 リスク 機会 利害関係者の特定 QMS 適用範囲 3. ISO 9001:2015への移行 リーダーシップ パフォーマンス 組織の知識 その他 ( 考慮する 必要に応

FSSC の特徴 2014 年 7 月 4 日 Copyright 2014 Japan Management Association Quality Assurance 1

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目次 1. 一般 目的 適用範囲 参照文書 用語及び定義 内部監査 一般 内部監査における観点 内部監査の機会 監査室

はじめに

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第 4 章 管理体制の整備 HACCP の 7 つの原則 1 危害分析 : 危害の原因の明確化 2 重要管理点の決定 : CCP の判定と決定 3 管理基準の設定 : CCP を管理するための管理基準の設定 4 モニタリング方法の設定 : 適切に管理されているかの確認方法 5 修正処置の設定 : 問


提出を求めることが想定される 本連載は 2015 年版によるシステム変更をマニュアルに反映させるため 要求項目順に 2004 年版と FDIS の差異の説明 マニュアルの改訂例という構成で 6 回に渡り整理するものである 2.FDIS と 2004 年版の構成比較 FDIS と 2004 年版の構成

第 5 部 : 認定機関に対する要求事項 目次 1 目的 IAF 加盟 ISO/IEC 認定審査員の力量 連絡要員... Error! Bookmark not defined. 2 CB の認定

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バリデーション基準 1. 医薬品 医薬部外品 GMP 省令に規定するバリデーションについては 品質リスクを考慮し 以下の バリデーション基準 に基づいて実施すること 2. バリデーション基準 (1) バリデーションの目的バリデーションは 製造所の構造設備並びに手順 工程その他の製造管理及び品質管理の

1. 序文 1.1 JFS-E-C 規格について本 JFS-E-C 規格は 組織 ( 1) が 安全な食品を製造するためのマネジメントシステムを構築 運営 改善する目的のために使用することができる また その組織のシステムを 認証機関を含む外部機関が評価するためにも使用することができる C 規格は

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5. 文書類に関する要求事項はどのように変わりましたか? 文書化された手順に関する特定の記述はなくなりました プロセスの運用を支援するための文書化した情報を維持し これらのプロセスが計画通りに実行されたと確信するために必要な文書化した情報を保持することは 組織の責任です 必要な文書類の程度は 事業の

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商品特性と取引条件 商品名 (1) 展示会 商談会シート 記入日 : 最もおいしい時期 (2) 賞味期限 消費期限 (3) 主原料産地 ( 漁獲場所等 )(4) JAN コード (5) 内容量 (6) 希望小売価格 ( 税込 )(7) 1ケースあたり入数 (8) 保存温度帯 (9) 発注リードタイム


JFS- A/B/C 規格 < 製造 > 規格の解説書 JFS-A 規格 Ver. 1.1 JFS-B 規格 Ver. 1.1 JFS-C 規格 Ver. 2.2 一般財団法人食品安全マネジメント協会 2017 年 9 月 15 日

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IAF ID X:2014 International Accreditation Forum, Inc. 国際認定機関フォーラム (IAF) IAF Informative Document IAF Informative Document for the Transition of Food S

< 目次 > 全体解説 3 I 食品安全マネジメントシステム (FSM) FSM1 食品安全マネジメントシステム一般要求事項 C 4 FSM2 食品安全の方針 A/B/C 5 FSM3 食品安全マニュアル C 6 FSM4 経営者の責任 A/B / トップマネジメントの責任 C 6 FSM5 経営者

2 序文この規格は,2004 年に第 2 版として発行された ISO 14001:2004,Environmental management systems -Requirements with guidance for use を翻訳し, 技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工

何故 2 つの規格としたのですか (IATF 16949:2016 及び ISO 9001:2015)? 2 つの規格となると 1 つの規格の場合より, 読んで理解するのが非常に難しくなります 1 まえがき 自動車産業 QMS 規格 IATF と ISO との間で,IATF を統合文書と

5、ロット付番

ISO/FDIS ISO 9001 の主要な変更点 1. 附属書 SL の適用 2. 組織の状況の理解と QMS の適用範囲の決定 3. プロセスアプローチの適用向上それを支援する PDCA サイクルとリスクに基づく考え方 4. リーダーシップの強化 5. 組織の意図した結果 顧客満足の向上 パフォ

ISO 9001 ISO ISO 9001 ISO ISO 9001 ISO 14001

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ASNITE 試験事業者認定の一般要求事項 (TERP21) ASNITE 校正事業者認定の一般要求事項 (CARP21) ASNITE 試験事業者 IT 認定の一般要求事項 (TIRP21) ASNITE 標準物質生産者認定の一般要求事項 (RMRP21) ASNITE 試験事業者認定の一般要求事

1 適用範囲 2 引用規格 3 用語の定義 69の用語 4- 組織の状況新規 4.1- 組織とその状況の理解 [1] 2 組織は 組織組織の目的目的と戦略戦略の方向方向に関係する内外の課題課題を決定しなければならない これらの課題は 想定された結果を達成する上で品質マネジメントシステムの能力に影響す

米国食品安全強化法 (FSMA) の概要 背景米国で多数の食品事故が起き 公衆衛生上の大きな負担となっているが ほとんどの場合は予防可能な危害であると考えられている そのため 食料供給の過程で安全を保障することにより公衆衛生を向上する目的で 食品医薬品局 (FDA) の権限を多岐にわたり強化するため

目次序文 適用範囲 引用文書 用語と定義 一般要求事項 法的及び契約上の事項 法的責任 認証の合意 ライセンス, 認証書及び適合マークの使用... 5

目 次 1. タムラグループの環境活動 1 2. グリーン調達基準 1 第 1 章総則 1 第 2 章取引先様への要求事項 3 第 3 章材料 部品等の選定基準 3 第 4 章取引先様への調査内容 4 附則 5

ISO 制定 / 改訂の経緯 1996 年 : ISO 発行 (JIS Q14001 発行 ) 2004 年 : ISO 第 2 版発行 (JIS Q14001 発行 ) 2011 年 : ISO/TC207/SC1において 改訂を行うことを決定 2012 年 ~

目 次 1. 適用範囲 P4 2. 引用規格 P5 3. 用語及び定義 P5 4. 組織の状況 P7 4.1 組織及びその状況の理解 P7 4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解 P7 4.3 個人情報保護マネジメントシステムの適用範囲の決定 P7 4.4 個人情報保護マネジメントシステム P7

Transcription:

~ISO22000 ってなあに?~ < 目次 > 1. 食の安全 を確保するには -これまでの経緯-... 1 2.ISO22000の必要性は?... 2 3.ISO22000の内容は?... 2 1 適用の範囲... 2 2 引用規格... 2 3 用語及び定義... 2 4 食品安全マネジメントシステム... 2 5 経営者の責任... 2 6 資源の運用管理... 3 7 安全な製品の計画及び実現... 3 8 食品マネジメントシステムの検証 妥当性確認及び改善... 4 参考 HACCPシステム関連用語... 4 4.ISO22000の導入の仕方は?... 4 5. まとめ...4 1. 食の安全 を確保するには - これまでの経緯 - 1 戦後の日本での 食の安全 について考えてみると 様々な問題がある < 戦後日本の 食の安全に関する問題 > 食中毒の発生添加物の多用促進食材調達のグローバル化 O-157による学校給食食中毒事件インスタントラーメンの普及 BSE( 狂牛病 ) 問題の発生輸入野菜から残留農薬検出 2 このような状況下で フードビジネス ( 外食 中食 食品加工業 ) 業界は 消費者の信頼を勝ち取るために 食の安全 を確保しようとする動きが活発になった < 食の安全 を確保する動き > ISO9001 ISO14000 の取得 HACCP の導入 ISO15161(ISO9001 と HACCP を組み合わせたもの ) ( 食品及び飲料業界のための ISO90001:2000 の適用に関するガイドライン 2001 年 11 月策定 ) しかし ISO15161 には 3 つの不備があった Ⅰ 食品安全マネジメントシステムの規格として必要な前提条件等の要求事項を網羅していない Ⅱ HACCP を食品安全でなく 品質管理システムの一指標としている Ⅲ 認証制度にするための要求事項が欠如している 1

3 また 食材調達がグローバル化するに従い 世界共通の食品安全マネジメントシステムの必要性が高まり ISO2 2000 が認証された < 認証までの経緯 > デンマークからフードビジネス業界への認証制度の導入を意図した 食品安全マネジメントシステム (Food safety management system-requirements) の提出 (2001 年 3 月 ) ISO20543 食品安全マネジメントシステム要求事項 として承認 オランダからの ISO9000 や ISO14000 と同様の規格番号を与えるべきだとの意見が通り ISO22000 と名称変更 2.ISO22000 の必要性は? なぜ これまでの ISO9000 や ISO14000 の取得 さらに HACCP の認可を加えても 十分な 食の安全 が確保できなかったのだろうか? どうして ISO22000 が必要になったのか? < 考えられる理由 > 1 各国は皆独自の 食の安全 基準で対応しており 輸入食材の安全性が確立できなかったため 世界共通の 食の安全 基準が必要になった 2 各国の 食の安全 基準の統合化が必要になった 3 フードビジネス業界に従事する食材の生産者 市場等の流通業者 輸送 貯蔵の物流業者 食品加工業者 パッケージ業者 厨房機器業者 サニタリー業者 機器メンテナンス業者等々の多岐にわたる全員に適応可能な 食の安全 基準が必要になった 4 コーデックス委員会の HACCP 文書には マネジメントシステムの規約が脱落している HACCP の危害要因分析された HACCP の処理対応のマネジメントシステムが必要になった 3.ISO22000 の内容は? <ISO22000 の目的 > 効果的な 食の安全 を確保するための食品安全マネジメントシステムの開発である <ISO22000 の規約要求事項 > 1 消費者に安全な最終製品を提供する目的の食品安全マネジメントシステムをそれに携わる人自らが計画 設計 実施 運用 維持及び更新できるようにする 2 消費者や法律に基づく要求事項に適合できるようにする 3 外部組織による認証制度が設定できるように要求事項を規定する 1 適用の範囲農林 水産 畜産の生産者 食品加工業者 流通 物流業者 小売 卸売販売業者 包材 厨房機器業者 機器メンテナンス業者 サニタリー業者等々のフードビジネスに携わる全てに人が対象となる 2 引用規格 ISO9001;2000 を適用する 3 用語及び定義 ISO9001;2000 と HACCP の用語と定義を適用する 4 食品安全マネジメントシステム企業組織が食品安全マネジメントシステムを構築 文書化 実施 維持 更新する際の具体的な要求事項を定めている 4-1. 一般的なシステムの要求事項 4-2. 文書化の要求事項 5 経営者の責任トップマネジメントの責任として 食品安全のコミットメントを発表しなければならない 5-1. 食品安全方針を明確化方針と目標を設定 文書化 実施 維持 更新する必要性 目標は 測定可能である必要性 5-2. 責任と権限の明確化従事者の責任と権限の明確化 5-3. 食品安全のチームリーダーの指名 HACCP のチームリーダーとその最低限必要な資源についての要求事項 5-4. 外部及び内部のコミュニケーション製品製造工程において特定の要求事項や障害発生があるならば その事項や内容を製造の全工程や出荷先関係者に連絡する必要性 5-5. 偶発時の対応 2

新規技術の偶発的に発生する危害についての対応の仕方 5-6. 定期的なマネジメントレビューの実施 ISO9001 にあるシステム有効性の検討と作業の検証とその妥当性の確認の仕方 6 資源の運用管理トップマネジメントは 食品安全マネジメントシステムの確立 実施 維持 更新するために 人的資源の提供及び 教育 訓練と必要なインフラストラクチャーの確立 維持 要求事項に適合するための作業環境の確立 管理及び維持するための資源の提供を定めている 7 安全な製品の計画及び実現 PP(Prerequisite Program; 前提条件プログラム ) と HACCP の CCP(Critical Control Point; 重要管理点 ) 管理で対応 7-1. 製品及びプロセスデータ 7-2. 危害要因分析 7-3.CCP プランの設計 7-4.PP プログラムの設計 7-5. 食品安全マネジメントシステムの操業 7-6. モニタリング及び計測機器のコントロール食品の安全は 食品製造及び製造工程での有効な防除措置の開発 実施 監視 維持 検証と不適合の際の適切な措置で構成される計画を通じて達成される 同時に 計画の検証手順の構築と防除措置の組み合わせの妥当性確認も範疇に含まれる 手順としては HACCP の導入 12 手順 7 原則をベースとしている <HACCP 導入手順 12 手順 7 原則 > 第 1 段階 HACCPシステム導入の前段階として 一般的衛生管理プログラムの確認を行い 危害分析のための情報 データ収集をする 手順原則内容 1 HACCP 専門家チームの作成 2 対象食品 ( 含原材料 ) の明確化 3 意図する用途と対象消費者の確認 4 フローダイヤグラム ( 製造加工工程一覧図 ) 及び施設見取り図の作成 5 フローダイヤグラム ( 製造加工工程一覧図 ) 及び施設見取り図の現場確認 第 2 段階 危害分析を行い 危害リストを作成する 手順原則 内 容 6 1 危害分析 危害の評価 危害防止措置の明確化 7 2 フローダイヤグラムに沿ってCCP( 重要管理点 ) を設定 第 3 段階 衛生管理計画 (HACCPプラン) を作成する 手順原則 内 容 8 3 各 CCP 管理基準を解決するための管理基準を設定 9 4 各 CCP 管理基準のモニタリング方式を設定 第 4 段階 衛生管理をシステムとして実施し 実施状況を検証しながら衛生管理計画をさらに発展 維持 継続する 手順原則 内 容 10 5 管理基準から逸脱した時の改善措置を設定 11 6 システムの有効性確認するための検証手順を設定 12 7 システム実施に関わる全ての記録の文書化と保持規定を設定 ステップ1 トップダウンでHACCP 導入のための専門家チームを編成ステップ2 対象となる原材料 最終商品を決めるステップ3 対象商品の5W3Hを決めるステップ4 対象商品の製造工程一覧表 ( フローダイヤグラム ) と製造施設見取り図の作成 3

ステップ 5 ステップ 4 の現場確認と一般的衛生プログラムの整合性確認 8 食品マネジメントシステムの検証 妥当性確認及び改善食品安全マネジメントシステムはまず CCP の監視チェックから始まる 監視結果が許容量を超えた場合 しかるべき処置をとり 再発防止の是正処置をとらなければならない ISO22000 では企業でなされている PP と HA CCP が継続的に実行改善することが重要であり その適合性を検証しその妥当性を確認する内部監査機構とその改善命令を出せる機構が必要である 参考 HACCPシステム関連用語 1.PP(Prerequisite Program) 前提条件プログラム 一般的衛生管理事項 又は一般的衛生管理事項 2.GMP(Good Manufacturing Practice) 適正製造基準 3.GMP/GHP(Good Hygiene Practice) 適正衛生技術 製造基準 4.SOP(Standard Operation Procedure) 標準作業手順 5.SSOP(Sanitation Standard Operation Procedure) 一般的衛生作業プログラム 6.GAP(Good Agricultural Practice) 適正農業基準 7.HACCP(Hazard Analysis Critical Control Point) 危害分析 重要管理点 小書 食品の品質管理に必須な IT 技法ートータル HACCP システムをどのように組み立て どのように IT ソリューションするか? ー (2000 年 11 月 15 日 CLRC セミナー ) 4.ISO22000 の導入の仕方は? ISO22000 の導入手順 第 1 ステップ GMPs ( 食品衛生の一般原則 ) 第 2 ステップ HACCP の原則の適用 (HACCP システムと適用のためのガイドライン ) 第 3 ステップ ISO9001;220000( 品質管理マネジメントシステム ) 5. まとめ 2004 年 6 月 3 日 ISO22000 の国際規格が発表され 7 月 1 日 日本規格協会から 日英対訳版が発表された ここから 全世界共通の食品安全マネジメントシステムがスタートした しかし ISO22000 はこれまでの ISO シリーズと違って 最高度の食品安全水準を要求しているため その認定機関の設定 同一業種の企業間に温度差のない登録認定基準の設定など問題は山積みである これらの問題を討議決定する機関である内閣府の 食の安全委員会 であるが 今後の動向を注目していきたい これからのフードビジネス業界はますますグローバルな展開になり そこで勝ち残るには国際感覚が重要になってくるため さらに ISO22 000 の重要性がでてくるであろう ( 参考文献 ) 明日の食品産業 2004 9 月号 ( 財 ) 食品産業センター刊 月間 HACCP 2003 11 月号 ISO HACCP を知り導入するためのアプローチ 2003 6 月 CLRC セミナー主幹萩原俊男 小書 食の安全 安心と IT ー HACCP とトレーサビリティと品質表示 Vo.3 小書 食品の品質管理流通に必須の IT 技法ートータル HACCP システムをどのように組み立て どのように IT ソリューションするか?- 2000 11 月 CLRC セミナー発表 4

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