A バーチャルパワープラント構築事業 A-1 アグリゲータ事業 於 2016 年 9 月 14 日第 4 回 ERAB 検討会 蓄熱槽を含む多彩なエネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラントの構築 ( 抜粋資料 ) 資料 2-3 代表申請者 共同申請者 アズビル株式会社東京電力エナジーパートナー株式会社株式会社三菱地所設計明治安田生命保険相互会社日本工営株式会社
1. 目的 実施計画 高度なエネルギーマネジメント技術により 需要家側のエネルギーリソースを統合的に制御することで バーチャルパワープラントの構築を図る < 高度なエネルギーマネジメント技術 > 蓄熱槽を活用した DR 複数建物 DR 多彩なエネルギーリソースのアグリゲーション < 便益 > 系統安定化 電力調達 インバランス回避 需要家電力料金削減 再エネ出力抑制回避 地域冷暖房や業務用ビルの蓄熱槽を活用し PV による系統への影響を抑制する技術の実証を行う また 複数建物による需要電力の平準化を実現する技術に関して 高度なエネルギーマネジメント技術の適用を実証する 以上の実証を通じて 業務用ビル全般にわたり多彩なエネルギーリソースアグリゲーションによるネガワットの創出技術の開発とエネルギーリソースを供給力 調整力等として活用するビジネスモデルを構築する インフラ整備アズビル コジェネ 地域冷暖房 蓄電池 蓄熱槽 太陽光発電 (PV) 空調機 複数建物需要家 ファン エネルギーリソースアグリゲータ東京電力エナジーパートナーアズビル IoT により遠隔制御 市場等で調整力として活用 系統運用者 小売東電エナジーパートナー 既存調整力を代替 石油火力ガス火力
2. 実施体制と役割分担 蓄熱槽 DR の知見及び実証サイトを東京電力エナジーパートナー ( 以降 東京電力 EP と記載 ) 三菱地所設計が提供し最適な蓄熱槽の運転方法などをまとめる 複数建物による需要電力の平準化技術などを明治安田生命が実証し 料金制度などについて 各社が検討を行う 日本工営は PV 蓄電池を提供し最適制御を検討する 更に 東京電力 EP アズビルは リソースアグリゲーターとしての役割を担うとともに 蓄熱槽運用方法や市場での調整力としての評価等を実施する すべてのエネルギーリソースのアグリゲーションインフラをアズビルが提供し 各社の知見を踏まえシステムの実運用化を図る 業務用ビル需要家の蓄熱槽のみならず 熱供給事業者の蓄熱槽に対するDR 制御の応答速度やポジワットへの対応などの基礎データから あるべきDR 対応の運転方法などをまとめる その知見の市場への展開などを東京電力 EP 三菱地所設計が中心となり行う 明治安田生命は 主に複数棟のDRによる需要電力の平準化などを通じて 電気料金のあり方などのフィージビリティスタディ (FS) を行いながら提案をまとめる 日本工営はPV 蓄電池などの検討ができるサイト 知見を提供する アズビル 東京電力 EPは DR 制御 計量計測 見える化などをアズビルのクラウドシステムで実現し 上記検討事項へのデータ提供と定期的な情報共有会の開催などを行うほか 5 年後には蓄熱槽 複数棟 多彩なエネルギーリソースアグリゲーションを最適に運用できるように全体システムの実運用化を行う 電力会社 1DR 発動 2DR 通知 需要家 アズビルクラウドセンター BEMS 4 電力データ収集 5DR 効果検証 3AutoDR 実施または手動 DR 実施 需要家建物 エネルギーリソースアグリゲータ 東京電力 EP アズビル 蓄熱槽 DR 東京電力 EP 三菱地所設計 複数建物 DR 明治安田生命 PV 蓄電池 DR 日本工営 とりまとめ アズビル 東京電力 EP :5 年後には 最適な運用を可能にする 系統安定化 電力調達 インバランス回避 需要家電力料金削減 再エネ出力抑制回避の検討を行う
3. 事業内容 5 年間 (1) 蓄熱槽を活用した DR B-1 では 事務所 店舗 病院などの実証に加え 更に業務用ビルの蓄熱槽と熱供給用の蓄熱槽による DR を実施し 調整力として活用できるネガワットを創出する実証を行う A-1 では 蓄電池で期待されている再エネ出力抑制回避を蓄熱槽でも実現することを目的とし 蓄熱槽 冷凍機の運転方法の検討 実証を行う ( 全需要家に対する AutoDR 化を検討する ) 蓄熱式空調システムの DR に関するポテンシャルはネガワット対応において 1,000MW 3 時間程度 ポジワット対応において 753MW 8 時間程度見込まれている ( ヒートポンプ 蓄熱センター資料より ) さらに PV の発電量を気象予測情報の雲量から予測し 蓄熱槽の蓄熱量を勘案しながら冷凍機の制御を行い 柔軟にポジワット ネガワットの両方に対応できる運転方法を確立する 既存の蓄熱槽を利用することにより 蓄電池を導入する方法よりも 安価な再エネ出力抑制回避策として期待できるほか 効率の良い DR が実現できる 太陽光が発電し系統に電気が余剰してきた場合 アズビルクラウド発電量予測 冷凍機を起動して蓄熱槽に冷水をためる 太陽光が発電し系統に電気がひっ迫してきた場合 冷凍機を停止して蓄熱槽から冷水を出力する
3. 事業内容 5 年間 (2) 複数建物 DR B-1 では 複数建物を所有する需要家が参加し 用途や特性が多岐にわたる需要家を束ねた調整力を活用するためのネガワット創出を行う A-1 では 明治安田生命が全国に保有する 電力の見える化 を実施済みの約 500 棟の業務用ビルを対象とする その建物合計デマンド最大は 4 万 5 千 kw を超える 今回は その複数建物に対し DR などによるデマンドコントロールを行い デマンドの平準化を実現するための実証 及び 電力料金制度に関する FS ( 系統メリット 調達メリットと需要家メリット等を勘案した詳細検討 ) と提案を実施する システム概念図 さらに BEMS を活用したエネルギーリソースアグリゲーションインフラを構築し 建物ごとに有効な DR 手法を適用することで あたかも一つの建物のように複数建物の全体デマンドをコントロールし 合成デマンドの平準化を実証する
3. 事業内容 5 年間 (3) 多彩なエネルギーリソースのアグリゲーション B-1 で高度制御型 DR の実現はもちろんのこと 蓄熱槽 蓄電池 PV 発電機 コージェネ 空調 熱源など 基本的には BEMS の配下にある設備機器を制御することで 多彩なエネルギーリソースをアグリゲーションする A-1 では 1 蓄熱槽活用によるエネルギーシフトや空調 熱源制御などの抑制型を中心としたの AutoDR は 低コストのネガワットを創出可能である 2 また BEMS を活用した DR であれば ビル居住者の室内環境 ( 温度や湿度など ) に配慮した DR が可能となる 1 2 により 低コストで室内環境に配慮したネガワットの創出手法を開発 実証する さらに 電力調達や調整力確保だけでなく 環境負荷を最小限にとどめて必要な電力を確保するなど 発電機能として環境保全 (CO2 排出量 ライフサイクル CO2 など ) に寄与する技術を習得し 社会の求めに応じた VPP を実現する 蓄電池 インフラ整備アズビル 蓄熱槽 太陽光発電 (PV) エネルギーリソースアグリゲータ東京電力 EP アズビル 低コストのネガワット創出 コジェネ 冷凍機 空調機 ファン BEMS を活用して遠隔制御 室内環境に配慮した DR 環境保全に貢献
4. 事業実施の確実性 アズビルは 2012 年度アグリゲータ補助金より DR 事業を開始し 合理化エネマネ 新電力との DLC 東電 BSP に参画し 2015 年度の次世代エネルギー技術実証事業 (C-1. ネガワット取引に係るエネルギーマネジメントシステム構築と実証 ) では 需要家 :30 件 ネガワット合計 : 最大約 3,500kW のネガワットを創出しており 今後も DR 事業を継続していく 東京電力 EP は 国内最大の小売電気事業者である また 蓄熱受託事業にて管理している蓄熱空調システムは約 40 件あり 更に 2015 年度の次世代エネルギー技術実証事業 (C-1) にも参加するなど 蓄熱 DR によるネガワット実績を有している アズビルは AutoDR の構成機器である BEMS の製造販売メーカーであり 中大規模ビルにおける国内シェアは 1 位 ( 電力 ガスエネルギーサービス市場戦略総調査 2105 富士経済より ) であり 既設業務用ビルにおける DR のポテンシャルは国内最大である 弊社のアグリゲーションセンターには OpenADR2.0b 認証取得した DR システムを構築済みであり 2017 年のネガワット市場開設に向けて事業環境を整えている 東京電力 EP の蓄熱受託事業で管理している蓄熱空調システムのネガワット合計最大容量 ( 熱源機の消費電力 ) は約 40 件 約 90,000kW あり 熱源設備を発停する事によりピーク時間の抑制調整電力として活用している 更に アズビルとは某ショッピングモールでの蓄熱 DR の技術研究を行う等 蓄熱 DR の実績がある 三菱地所設計は 業務用ビルを含め 地域冷暖房の設計 運用コンサルまで都市の面的エネルギーの効率化や環境負荷の低減を図っている 運転実績の解析にも精通している 明治安田生命は 全国で 500 棟以上の建物 営業所に BEMS を設置して 電力の見える化 を行う ( 見える化の統合システムはアズビルが提供 ) など 先進的にエネルギー管理システムの構築 体制の運営を行っている 日本工営は 研究拠点のひとつである福島事業所に PV(160kW) とリチウムイオン蓄電池 (100kWh) を導入し デマンド抑制はもちろん 自社開発した EMS で蓄電池の寿命や効率を加味した PV と蓄電池の制御を行っている