近畿中国四国農業研究センター研究報告 第7号

Similar documents
<4D F736F F D A6D92E894C5817A966B945F8CA C E482AB82B382E282A9816A81698DC58F4994C5816A2E646F63>

地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム (SATREPS) 研究課題別中間評価報告書 1. 研究課題名 テーラーメード育種と栽培技術開発のための稲作研究プロジェクト (2013 年 5 月 ~ 2018 年 5 月 ) 2. 研究代表者 2.1. 日本側研究代表者 : 山内章 ( 名古屋大学大学

附則この要領は 平成 4 年 1 月 16 日より施行する この要領は 平成 12 年 4 月 3 日より施行する この要領は 平成 30 年 4 月 1 日より施行する 2

<4D F736F F D F4390B EBC8A C CC8B4C985E205F8F43959C8DCF82DD5F2E646F6378>

新品種育成の背景 経緯一般の良食味米 ( 中アミロース ) で作成した麺は ゆで麺の表面の粘りが強く 麺離れが悪いのに対し 高アミロース米は麺離れが良く 製麺適性が高いことから 北陸地域向けの 越のかおり 北海道向けの 北瑞穂 などがこれまでに育成され 米粉麺が製品化されています しかしながら これ

5 事務局 審査会の事務局は 福島県農林水産部農業振興課におく 第 5 奨励品種決定調査の実施県は 奨励品種の決定に当たっては 奨励品種決定調査を行うものとする 1 奨励品種決定調査の種類 (1) 基本調査供試される品種について 県内での普及に適するか否かについて 栽培試験等によりその特性の概略を明

プレスリリース 平成 26 年 9 月 5 日農研機構 高温下でも品質が優れ 良食味で多収の水稲新品種 恋の予感 を育成 ポイント 玄米の外観品質 1) が ヒノヒカリ より優れ 高温年でも品質が低下しにくい特長があります ヒノヒカリ と比べ約 8% 多収で 米飯食味は ヒノヒカリ 並に良好です い

DNA 抽出条件かき取った花粉 1~3 粒程度を 3 μl の抽出液 (10 mm Tris/HCl [ph8.0] 10 mm EDTA 0.01% SDS 0.2 mg/ml Proteinase K) に懸濁し 37 C 60 min そして 95 C 10 min の処理を行うことで DNA

<4D F736F F D20824F F18D908F C88A BBB8DE A E646F6378>

48 * *2


<4D F736F F F696E74202D2082C982B182DC82E9837D836A B955C8E862E >

( 別紙 ) 栽培実験計画書 栽培実験名シンク能改変イネ (Oryza sativa L.) の栽培 実施法人 研究所名 国立研究開発法人農業 食品産業技術総合研究機構生物機能利用研究部門 公表年月日平成 30 年 5 月 1 日 (5 月 25 日更新 ) 1. 栽培実験の目的 概要 (1) 目的

PSCHG000.PS

66. ウシの有角 無角の遺伝 ( ア ) 遺伝的に異なる 個体間の交配をとくに交雑という したがって, 検定交雑 も正解 ( イ ) 優性形質である無角との検定交雑で, 表現型がすべて有角となることは大学入試生物では ありえない 問 独立の法則に従う遺伝子型 AaBb の個体の配偶子の遺伝子型は,

農作物のカドミウム吸収抑制のために(3)低蓄積品種(石川覚)(図表)

Microsoft PowerPoint 年6月DM.ppt [互換モード]

クローニングのための遺伝学

資料PDFその2.pdf

豚における簡便法を用いた産子数の遺伝的改良量予測 ( 独 ) 農業 食品産業技術総合研究機構畜産草地研究所 石井和雄 豚の改良には ある形質に対し 優れた個体を選抜してその個体を交配に用 いることで より優れた個体を生産することが必要である 年あたりの遺伝的改良量は以下に示す式で表すことができる 年

研究成果報告書

<4D F736F F D E95F14E565F838C D955F907D90E096BE5F8F4390B394C5816A2E646F63>

8 8 0

KASEAA 51(10)

精米時に胚盤が残りやすく栽培特性が優れる良食味水稲品種「きんのめぐみ」の育成

<4D F736F F D D836789A989BB97748AAA956182CC8CBB8FF382C691CE8DF42E646F63>

00_015_目次.indd

ご説明する内容 1 遺伝子組換え技術について 2 安全性評価の仕組み 3 利用の現状 2

limit&derivative

公表【農研機構プレス】H30組換えイネ(スギ花粉・WRKY)実験計画書、説明会_180223

76 キク品種の白さび病抵抗性と白さび病菌レース 胞子で 7 22 である 両胞子のこのような性質から 噴霧器 発病は担子胞子形成の適温に支配され 最適な条件は 7 前後で 湿度が高く葉面が濡れている状態である キク白さび病菌レースと白さび病抵抗性 キク品種 罹病葉 植物病原菌では 同じ菌であっても

Microsoft Word - 九農研プレス23-05(九州交3号)_技クリア-1.doc

横浜市環境科学研究所

パッケージのインストール Rには 複雑な解析を便利に行うためのパッケージが容易されています ( 世界中の研究者達が提供してくれる ) 今回は例として多重比較検定用のmultcomp パッケージをインストールしてみます ( 注意 ) 滋賀県立大学のようにプロキシ経由でインターネットに接続する環境で R

論文の内容の要旨 日本人サンプルを用いた 15 番染色体長腕領域における 自閉症感性候補遺伝子の検討 指導教員 笠井清登教授 東京大学大学院医学系研究科 平成 13 年 4 月入学 医学博士課程 脳神経医学専攻 加藤千枝子 はじめに 自閉症は (1 ) 社会的な相互交渉の質的な障害 (2 ) コミュ

R で QTL 解析 以下で R への入力コマンドはゴシック赤字で表記しています # より右はコメントなの で入力の必要はありません 操作を再現する際 タイプミスに注意しましょう データの読み込み qtl ライブラリーを起動し ファイル IN-RIL.csv を読み込みます library(qtl)

論文題目  腸管分化に関わるmiRNAの探索とその発現制御解析

ばれいしょ「長系134号」

Taro-H23.08

Untitled

2012 年 2 月 3 日第 5 回アグリ技術シーズセミナー 植物ゲノム研究の育種への利用 - 世界の最先端と育種への利用状況 その可能性 - コムギ遺伝資源の持つ表現型 遺伝子型多型の評価 : ゲノム情報活用の現状と課題 京都大学大学院農学研究科応用生物科学専攻植物遺伝学分野那須田周平

[PDF] ザルトバインド総合カタログ


PSCHG000.PS

クローニングのための遺伝学

13

DSP工法.pdf


広報うちなだ2002年6月号

1 2

平成28年度第1回高等学校卒業程度認定試験問題(科学と人間生活)

01-02.{.....o.E.N..


目次 1. やまだわら の特性 _ 1 収量特性 1 2 品質 炊飯米特性 2 3 用途別適性 3 2. 生育の特徴 4 3. 収量 品質の目標 5 4. 各地域での主な作付スケジュール 6 5. 栽植密度 7 6. 肥培管理 1 施肥量 施肥時期 8 2 生育診断 9 7. 収穫適期

学習の手順

Microsoft Word - 変更(見え消し)_スギ花粉イネ【農研機構プレス】H28組換えイネ・実験計画書、説明会

<4D F736F F D B95B6817A31362D30395F97D196D888E78EED835A E815B95698EED8A4A94AD8EC08E7B977697CC815B89D495B28FC791CE8DF495698EED>

PowerPoint プレゼンテーション



平成30年播種用「飼料用イネの栽培と品種特性」

山形県における 水稲直播栽培の実施状況 平成 28 年 8 月 26 日 ( 金 ) 山形県農業総合研究センター 1 1 山形県における水稲直播栽培の現状 1 (ha) 2,500 2,000 1,500 1, 乾田直播 湛水 ( 点播 ) 湛水 ( 条播 ) 湛水 ( 散播 )

714 植 物 防 疫 第 63 巻 第 11 号 2009 年 岡山県で発生した Rhizobium radiobacter Ti による ブドウ根頭がんしゅ病 岡山県農業総合センター農業試験場 は じ め かわ ぐち あきら 川 口 章 12 月のサンプルから AT06 1 AT06 8 株 を

超えないことを確認しています 5. 同種栽培作物等との交雑防止措置に関する事項 (1) 交雑防止措置の内容栽培実験区画は 観音台第 3 事業場外の最も近いほ場から約 200m 離れています なお 第 1 種使用規程承認組換え作物栽培実験指針 に従い 観音台第 3 事業場内で試験栽培により開花させる同

PSCHG000.PS

付図・表

< F2D312089A989BB97748AAA816992E7816A2E6A7464>

栽培実験計画書(スギ花粉症治療イネ)

別紙2

Microsoft Word - 最終版_農研機構生物研プレス30-17(お知らせ:ノボキニン蓄積イネ、シンク能改変イネ)0326

胚乳細胞中のタンパク質顆粒 I(PB-I) に改変型 Cry j 1タンパク質 及びCry j 2タンパク質を蓄積させたものです 2 スギ花粉ペプチド含有米( キタアケ ) スギ花粉が有する主要アレルゲンタンパク質 2 種 (Cry j 1 Cry j 2) の7 種類の主要 T 細胞エピトープを連

64 3 g=9.85 m/s 2 g=9.791 m/s 2 36, km ( ) 1 () 2 () m/s : : a) b) kg/m kg/m k

カボチャの育種研究の現状と今後の課題 誌名 農業および園芸 = Agriculture and horticulture ISSN 著者 巻 / 号 嘉見, 大助 90 巻 8 号 掲載ページ p 発行年月 2015 年 8 月 農林水産省農林水産技術会議事務局筑

 

A A3


) 9 81

空き容量一覧表(154kV以上)

ウイルス (endogenous retrovirus, ERV) を用いました レトロウイルスは通常体細胞に感染しますが 稀に生殖細胞に感染することがあります 生殖細胞に感染したレトロウイルスは 宿主ゲノムの一部として子孫へと遺伝によって受け継がれ ERV となります ある個体で生殖細胞ゲノムの特

2/8 一次二次当該 42 AX 変圧器 なし 43 AY 変圧器 なし 44 BA 変圧器 なし 45 BB 変圧器 なし 46 BC 変圧器 なし

‘¬”R.qx



EPSON エプソンプリンタ共通 取扱説明書 ネットワーク編

untitled

ありがとうございました

EPSON エプソンプリンタ共通 取扱説明書 ネットワーク編

公務員人件費のシミュレーション分析


橡hashik-f.PDF

198

ネットショップ・オーナー2 ユーザーマニュアル


1

新婚世帯家賃あらまし

05[ ]戸田(責)村.indd

/9/ ) 1) 1 2 2) 4) ) ) 2x + y 42x + y + 1) 4) : 6 = x 5) : x 2) x ) x 2 8x + 10 = 0

エンジョイ北スポーツ

AC-2


Transcription:

72 40 41

5 (cm) G320 S2137 C535 C3 RM287 G202 R728 G257 RM209 RM21 C1172 10 15 R418 C601 R1782 R1888 G342 R1167 RM345 2 6 11

76 近畿中国四国農業研究センター研究報告 ーカーRM209からRM287までの短い領域が導入さ れていることが明らかとなった Andoら2 が陸稲 2 方 第7号 2008 法 1 ゲノムDNAの抽出とマーカー解析 品種 戦捷 を用いた解析において 第11染色体長 日本晴 陸稲関東72号 およびそれらを交雑 腕のRFLPマーカーが縞葉枯病抵抗性と有意に関係 して得たF3系統のDNAは 前述したCTAB改変法 していることを報告していることから 抵抗性遺伝 により抽出した F3系統のDNAは 1系統あたり 子Stvbは 陸稲関東72号 由来の染色体領域が 中 30個体の幼苗から各個体が均等量になるように葉を 国40号 と 中国41号 に共通して導入されている 採取して抽出し マーカー解析を行って各F2個体の 第11染色体のSSRマーカーRM209からRM287ま 遺伝子型を解析した RFLP分析およびSSRマー での領域に座乗しているものと推察された カー解析に関しても前述した方法を用いた Stva が座乗していると考えられた第6染色体領域 は 中国40号 中国41号 共に長腕側の末端領 域に 陸稲関東72号 由来の染色体領域が見いださ 2 縞葉枯病抵抗性検定 a 網室検定法 網室検定法はNemotoら30 の方法に準じて行った れた このことは Stvaがこの領域に座乗している ことを示唆している しかし これまでに抵抗性遺 苗箱に 日本晴 陸稲関東72号 および120個体 伝子が座乗しているとの報告がない第2染色体領域 のF2個体に由来するF3種子をそれぞれ1系統あたり にも 陸稲関東72号 由来の染色体領域が導入され 20粒ずつ条播した 苗箱あたり30系統を播種して1.5 ていることが明らかとなったため さらに詳細な遺 葉期まで育苗した後 網室内に苗箱を移して縞葉枯 伝解析を行って抵抗性遺伝子の座乗領域を推定する 病ウイルスを保毒しているヒメトビウンカの幼虫を 必要があると考えられた 3日間放飼した ヒメトビウンカの偏りをなくすた め 1日に1度苗からウンカを払い落とし 各系統 3 縞葉枯病抵抗性に関するQTL解析 抵抗性系統 中国40号 と 中国41号 の第2 A 第6および第11染色体に導入されていた 陸稲関東 72号 由来の染色体領域のうち どの領域に抵抗性 遺伝子が座乗しているのかを明らかにするため 解 析を行った 陸稲関東72号 は 抵抗性系統 中 国40号 と 中国41号 に導入された抵抗性遺伝子 以外にも縞葉枯病抵抗性遺伝子を持つ可能性が考え られるため 全染色体を対象としたQTL解析を行 った 1 材 料 B 抵抗性系統として日本陸稲である 陸稲関東72号 を 感受性の比較品種として 日本晴 を用いた 日本晴 と 陸稲関東72号 を交雑した F2 120個 体を作出し 各F2個体から自殖F3種子を得た DN Aの抽出と縞葉枯病抵抗性検定には 採種した自殖 F3種子を供試した QTL解析には前述した328種のRFLPマーカーお よび221種のSSRマーカーを用いて解析を行った ޓ ቶᬌቯᴺߦࠃࠆ ᬌቯ 第3図 網室検定法による縞葉枯病検定 A は接種を行った網室 B は接種から3週間後の苗箱

72

72 72 0 10 5 n=120 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0 20 10 n=120 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 1 RM84 RM220 RM1 RM24 RM306 RM237 G302 C86 C225 2 C920 G39 C1236 R418 C601 R2609 RM48 RM207 RM266 3 R2247 C25 G55 C63 R3156 RM347 C746 C944 G164 4 G271 C513 5 6 RM122 G396 G366 G81 C336 C246 RM170 RM225 RM253 C235 G294 G122 7 RM82 R2401 C492 G20 RM346 RM70 RM234 RM134 C507 C2851 R2091 R11 R1782R1028 R1888R2614 G342 RM103 R1167 RM345 8 RM72 G2132 G1073 RM281 G56 9 G103 G385 10 G89B G1084 R1629 G37 11 12 RM20 RM286 RM332 RM167 C496 S2712 G320 S2137 C535 C3 RM287 G202 R728 G257 RM209 RM21 C1172 G1465 G181 R1506 G193 G124A C443 G2140 G148 G1106 50 cm C112

50 cm R418 C601 G202 R728 G257 C1172 G320 C535 C3 RM287 RM21 RM209 2 11 RM48 RM207 RM266 G39 G181 C496 R1506 G1465 S2712 S2137 C1236 R2609 C920 RM20 RM286 RM332 RM167 10 5 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0 72 n=120 72

forward reverse MS-1 AT36 TATATTAATGAATCTAGACGC ACTAATACTTCCTCCGTTC MS-2 AT34 CAACGAACAAACCATGCAC CGGTAAGTTCAGACAATAAGG MS-3 AG22 TCGACATCTTCAGAAGCATGG GGTCTCAAGCAATATTCTAGAGGAC MS-4 AG25 GAGCGCGCCTTCTCGTGTC ACGCCGCGGTCTTTAGTAATG MS-5 GTG11 GATGATTGTTCGGATAATTGC TGCGACTTCCTTCACTACCCT MS-6 CT11+AT13 TGTTCGGGGAGAAAAGAATAGTC AATTTTGGGCGAATGTAGC MS-7 AT33 CAGGTGTGTATCTCGGTATCCAG AATTGTCACCGTAGCGTTAGC MS-8 TA27 CCCCTGCTAACAAATTTGACTTCAC AGCACTTGTACAGGCAATGACT MS-9 AG24 CACAACACGAATTAGCTAGTACC TTGATGCAGTGTACGAGACAAAG MS-10 AT36 GGCACCATGGAGCACCAAAC GAGCCATCAGTGATGAGACCGTG MS-11 CT18 CCGCTCCAAACTCTCCTAAAC AGCTCGCTGCCCATTGTTAC MS-12 AT17 CCTGGTTACTGAAATAACTAACG ACTTGAACTGTTGATTTATGCC MS-13 AT37 TGGTGTCTAAAGATCGAG ATTATGCATGTATATGTTTG MS-14 AT29 ATCTATATACATATGCATTTG GGACTAAAGATAGAGCTGACC MS-15 AG13 TTCCCCGCGGCCAGTTG GAGGCCCAGCATTAAAACGAGC MS-16 CT20 GCGTTGATCAATGGCGTACTTTC ACAACTCTCAAAACGGCACGTC MS-17 AT40 TCATACCTTAACAGTACTAGGC ATACTCAATTTCAACAATGGTG MS-18 AT48 TGTGCATTAGATACCATGTTG ACGGACAAATTTATAGTGAC MS-19 AT36 GCCAAAAAGAGAACTTTAGAC TGTTGTGTACCCATTAAATTGAC MS-20 AT28 GAATGAACGTGAACGAGCTAGGG CTCCGACAACACGTCTTTTCTGC MS-21 AT13 CGGGTCAAATACGTTAGAATG ACAAGGGGGTAGGTAGAG MS-22 AT19 ATTAATACTCCCTTCATTTCAG AAGACTTTCTAGTATTACCCAC MS-23 AT24 GTCTTACATTATGAAACGGATG TGGCTTCCAGAACAACAATACTG MS-24 CT13 CCCTCCTTTAATTTGCACCCTC GGAGAGAGCCTGCAGGGACTGAG MS-25 CT12 GAGGTCGATGGGCCGAATCTC GAGCTCGCGCGAGAGGAG MS-26 AG19 AAGACGACGCTACGCTACAGTACAG CTGCTCTGCTTGCTATGGACACC MS-27 CGG15 GGAGAGCACGAGAAGAGACCCACTC GGGAAGAGAGAAGAGACGAAACAGG MS-28 CG8 CCAGATCCGCGAAGCTCATC AGGACCACCACCACCTTCGCTACCC MS-29 AC10 ACCAGGGAGAGAAGGAAAGCGACTC TCTTGGTGAAATTTGCGTTCTGC MS-30 CT9+CTT8 TCCGTATTAGAGTAGACTAGCTG CTTTAAGTAGCTGTTTGTCATGAAC MS-31 CG8 GCTAAATCTCCTCAAACAACAACGC ATTTCCCACACCTCCCAGTACGC MS-32 CT12 CCCACAGCTCCCTCCCTCTATC GCTGCTCATCATCTCCGTTCTGC MS-33 CT14 CTCGAAATCGTATGACTAGGC AGTTACGTGAATACTGATGATATGC MS-34 AG11 GGGACCTTTACCATTGCTCG CGCCTCTCCCCAGTCTATTGTAG MS-35 AG+CG4 CAGTGAGCTGCAAGGAAGTAGATAC GCCGATCCTGACACGACCAAC MS-36 CT12 TAATTTGCCTCCCCGGGTTC GAGGGAGGAGGGCTCGACTC MS-37 CT8 CGATGATGTGGAGGAGACGTG AGAAAAGCAGCACACTGAATCCTAC MS-38 AG14 TACAGTTGAGATCGGGATCTAAC TTGCTATATTTTCGGACGGAG MS-39 AC8 TAACCGATGTCAGCAGCAGCTAGCG ATGTGACGGTTGGCTCCATTATAGG MS-40 CT13 TCGTATCTCGCCGTCGTCTC GGCGCGGCGGAGTCAT MS-41 TA9+AC7 GTACATGAAATATAATATCCCACAC GACGTCGGGGGTGCTTTGACTGACC MS-42 AG8 GAGGGGGTATTGAATAGTCTTACTC CCTATGCAAGCGTAATCTATAATTC MS-43 TCG8 CGGAGGTGGCACGTCTGTCGGGAAG GGCGGTAGCGGCAACACGAG MS-44 GT5+TG5 TTTTATTGGAGTTGGCGAAGTTCAC CCTTTAGAAAGTTGCCCCTAAC MS-45 CT7+TA7+A CAGAGGCTTGCTTGCTTTCGTTTAC ACCTTCATACTATTGCGTTGACTTG MS-46 AT17+GC7 ACTTCCTCCACTTTCTAGCATATTG TGCTAGAGAAGTTATAAACAACAAG MS-47 CA13 AGTATTTTCGTAGTACAACCACAAC TTTTCAGTGAAATGAGTGATGC MS-48 CCA6+CG6 CGAGGGCTGCAGCTATTACG ACACGAGAATTGAATGCACGAC MS-49 TG10 CCCGGGTTCGTTGGCTTCTTCGCTC ATTCCAGCAATCACCTGTCTTCGTG MS-50 CT8+TC6 ATCCATTCGTGCATATAACCTAACC GTGCTCTGATGAACCGATGGG MS-51 GA20 ATAACAACTCTCAAAACGGCACGTC CTGCGTTGATCAATGGCGTACTTTC MS-52 AG14 CGAAATAGATATGCAAACTCGAATC AACTCGAAATCGTATGACTAGGC MS-53 CT23 GCTTTTTACTCTACTACCGTTGCTC CTTCTTTATTCCCTCGCACTGAC

0 50 25 72 n=96 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 CEN 2 0.5 0.5 1.6 0.5 cm MS-3 MS-4 R418 MS-29 MS-8 MS-9 LOD peak MS-11 MS-32 C601 1.6 1.6 0 20 10 72 n=99 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 0.5 0.5 1.6 1.6 1.6 0.5 cm MS-3 MS-4 R418 MS-29 MS-8 MS-9 LOD peak MS-11 MS-32 C601 2 72 20 10 MS-11 72 n=26 20 10 MS-11 n=46 20 10 MS-11 n=24 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 CEN 11 3.2 1.3 1.0 1.0 8.0 2.6 cm RM287 G202 R728 G257 RM209 RM21 C1172 LOD peak

3.2 1.3 1.0 1.0 8.0 RM287 G202 R728 G257 RM209 LOD peak 72 20 10 20 10 G257 72 G257 n=30 n=49 5 (cm) wx 2.6 cm RM21 C1172 20 10 G257 n=20 11 C Se1 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 10 10 5 0 72 n=99 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 72 R1782 R1888 G342 R1167 RM345 6 15

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 NIL-STV2 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 NIL-STV11 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 NIL-STV2/STV11 A B RM287 MS-9 3.9 1.6 MS-11 R728 1.0 MS-32 G257 QTL 1.0 0.5 QTL RM209 C601 MS-51 1.8 8.3 RM3857 RM21 1.8 4.2 C1172 7.9 MS-24 RM4601 (cm) (cm) 2 11

3) 1) A B Bt Cr C D (%) 1)2) NIL-STV2 NIL-STV11 NIL-STV2/STV11 40 72 11.5 3.5 1.8 13.5 2.7 2.0 0.7 3.0 1.7 4.0 1.0 2.0 3.5 0.5 1.0 0.3 0.5 0.2 0.3 0.2 1.5 2.0 2.5 13.8 15.8 26.5 28.2 27.5 27.3 11.0 53.9 ab 47.2 b 11.7 c 6.1 c 8.3 c 8.9 c 63.9 a 74.8 a 46.2 b 15.0 c 0.7 d 1.0 d 0.8 d (100)

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 NIL-STV2 BC5) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 NIL-STV11 BC5)

3) 1) A B Bt Cr C D (%) 1)2) NIL-STV2 BC5) NIL-STV11 BC5) 40 10.7 2.3 2.7 14.3 2.7 2.0 0.7 5.3 1.7 3.7 1.0 1.3 3.3 1.3 0.7 0.3 2.0 14.7 17.3 25.7 27.3 9.0 51.1 ab 42.2 b 14.4 c 8.9 c 7 a 71.2 a 39.8 b 19.6 bc 1.2 c (100)

前田 縞葉枯病抵抗性に関する遺伝的解析 QTLとの関係について不明な点が多く残された しかし 準同質遺伝子系統を用いた解析によって示 された2つのQTLの効果は 縞葉枯病感染率の低 第4表 縞葉枯病抵抗性QTLに関する準同質遺伝子系 統の栽培特性 ޓ ᛶ ᕈ36.ߦ㑐ߔࠆḰห ㆮવሶ ߩ ᕈ 䇭䇭䇭ᚑᾫ 䇭䇭䇭 㐳䇭䇭䇭䇭 㐳 ฬ 䇭䇭䇭䋨 䋮ᣣ䋩 下と感染後の病徴の抑制に関与する遺伝子の存在を 初めて明らかにしたものであり この成果は縞葉枯 病抵抗性の作用機構の解明に役立つものと考えられ る また これら2つのQTLは抵抗性品種の育成 89 䉮䉲䊍䉦䊥 NIL-STV2 NIL-STV11 NIL-STV2/STV11 8.13 8.14 8.13 8.14 䇭 ජ ㊀ 䋨 䋮ᣣ䋩 (cm) (cm) (g) 9.23 9.24 9.24 9.23 91 88 89 93 19.0 19.4 19.7 19.8 22.2 22.0 21.7 22.2 1 調査は2005年に近中四農研センター福山圃場にて行 にも貢献できるものと考えられる った 5月27日播種 2 調査を行った5つの形質については準同質遺伝子系 5 準同質遺伝子系統の栽培特性の評価 統と コシヒカリ との間に有意な差はなかった 近年 コシヒカリ や キヌヒカリ といった 良食味品種に関しては いもち病真性抵抗性遺伝子 やトビイロウンカ抵抗性などを導入した準同質遺伝 子系統が育成され 普及 利用が進められている そのため 本研究において選抜した準同質遺伝子系 統の栽培特性を調査し それらの実用化に対する評 価を行った 1 材料および方法 コシヒカリ ならびに3つの準同質遺伝子系統 写真1 コシヒカリ準同質遺伝子系統の草姿 左は コシヒカリ 右は準同質遺伝子系統 N I L - S T V 2 N I L - S T V 1 1 お よ び N I L - ౮ ࡅ ޓ Ḱห ㆮવሶ ߩ ᆫ NIL-STV11 STV2/STV11 を2005年に圃場栽培した 各系統は 3反復で栽培し 出穂期 成熟期 稈長 穂長およ び千粒重を調査した 稈長 穂長については各反復 され コシヒカリBL として栽培 利用が進め 10個体について調査し 平均値を算出した 各形質 られている16 そのため 本研究において作出され の コシヒカリ との有意差検定はTukey法を用い た準同質遺伝子系統は縞葉枯病抵抗性の コシヒカ て行った リ として また 縞葉枯病抵抗性育種の素材とし て有望であると思われる ただし 陸稲由来の抵抗 2 結果および考察 性遺伝子を持つ 中国40号 と 中国41号 は玄米 コシヒカリ および3つの準同質遺伝子系統の 品質 食味が劣ったため これまで実際の栽培には 調査結果を第4表に示した 調査を行った出穂期 用いられてこなかった したがって 本研究で育成 成熟期 稈長 穂長および千粒重の全ての形質にお された準同質遺伝子系統についても 玄米品質 食 いて コシヒカリ と準同質遺伝子系統との間で有 味などの重要な形質に関しては今後慎重に評価すべ 意な差は見られなかった コシヒカリ の出穂期 きである は8月13日 成熟期は9月23日で 3つの準同質遺 伝子系統は コシヒカリ とほぼ同じ出穂期と成熟 期であった 稈長と穂長に関しても コシヒカリ 6 小 括 第2染色体と第11染色体に検出された2つのQT とほぼ同じで 外見からは コシヒカリ と3つの Lに関する詳細な解析を行うため これらのQTL 準同質遺伝子系統は相違点が見出されなかった 写 を感受性水稲系統である コシヒカリ に導入した 真1 準同質遺伝子系統を作出し 抵抗性検定を行った コシヒカリ の準同質遺伝子系統に関しては いもち病の真性抵抗性遺伝子を導入した系統が作出 また 2つのQTLを併せ持つ準同質遺伝子系統を 作出し QTL間の相互作用に関しても解析した

LOD RM333 102.57 7.7 RM229 116.07 16.1 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1314 6.1 LOD 6.1

0 15 10 5 WL158R n=96 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 (%) WL162 10 n=96 5 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 (%)

RM5638 RM3627 RM3525 RM6781 RM1352 RM3732 RM5654 RM3133 RM120 RM287 RM5312 RM209 RM229 RM5349 RM1240 RM167 RM6288 RM5599 RM21 RM206 RM4112 1 2 3 8 11 RM551 RM3471 4 RM5586 RM5757 RM241 RM5473 RM3648 RM5711 RM82 RM7121 RM298 RM3755 7 RM125 RM180 RM6835 RM3819 RM6838 RM3153 RM223 RM284 10cM

RM168 RM3513 RM1350 RM55 RM6781 RM1352 RM3684 RM6937 RM85 RM7389 3 RM5638 RM306 1 RM1367 MS-9 MS-49 RM2770 RM5654 2 RM3794 RM276 RM3370 RM5531 RM217 RM8225 RM1130 RM3138RM340 RM5814 RM345 6 RM5847 RM336 7 RM5485 RM256 RM4154 RM80 RM3376 8 RM7390 RM6771 RM5122 RM4405 RM160 RM201 9 RM3133RM4504 RM3625 RM4862 RM335 RM287 RM5312 RM209 RM229 RM5349 RM2459 RM5599 RM167 RM120 RM21 RM206 RM4112 11 RM1103 RM4585 12 10cM

A 0 15 10 5 WL158R n=96 WL158R 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 (%) WL16210 5 0 n=96 WL162 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 (%)

100 50 WL158R WL162 31 O. officinalis