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Chapter 02 CRRT 回路 血液系圧アラームを理解しよう 圧評価もできるようになろう CRRT 回路理解のためには 血液系と液系をわける必要性を説明しました ア ラーム理解も同様です 血液系 の圧評価を理解しよう 血液系の圧の評価において血液ポンプの前後で分けて考えます 図12 血液ポンプ

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透析看護の基本知識項目チェック確認確認終了 腎不全の病態と治療方法腎不全腎臓の構造と働き急性腎不全と慢性腎不全の病態腎不全の原疾患の病態慢性腎不全の病期と治療方法血液透析の特色腹膜透析の特色腎不全の特色 透析療法の仕組み血液透析の原理ダイアライザーの種類 適応 選択透析液供給装置の機能透析液の組成抗

HPLC UPLC JP UPLC システムによる 注入回数 3000 回以上 のルーチン製剤分析の実現 分析スループットの向上と使用溶媒量の削減 分析効率の向上 日本薬局方 (JP) は 薬事法第 41 条第一項の規定に基づき医薬品の品質を適性に担保するための公的な規範書であり 多くの医薬品の分析

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抗菌薬の殺菌作用抗菌薬の殺菌作用には濃度依存性と時間依存性の 2 種類があり 抗菌薬の効果および用法 用量の設定に大きな影響を与えます 濃度依存性タイプでは 濃度を高めると濃度依存的に殺菌作用を示します 濃度依存性タイプの抗菌薬としては キノロン系薬やアミノ配糖体系薬が挙げられます 一方 時間依存性

第 55 回日本透析医学会 2010 年 6 月 18 日 ~ 20 日 熱湯消毒用洗浄剤 Citrix-50H とクエン酸における 実機適用性 薬剤適用性の比較 東急病院臨床工学科 大貫隆裕中根清二矢野眞司西川成美根津竹哉

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Transcription:

第 21 回近畿臨床工学会シンポジウム 1 透析医療の飛躍に向けて 日時 : 2014 年 10 月 12 日 ( 日 ) 場所 : ピアザ淡海 五仁会元町 HD クリニック臨床工学部森上辰哉

血液浄化膜に求められるもの ( 変遷 ) かつては 小分子量物質除去性能と生体適合性 * 清浄度の高い透析液は求められない ( 知らない ) その後 小分子量物質除去性能 ( そこそこ UP) 低分子蛋白 (β2-mg) 除去性能 ( 合成高分子膜 : シャープな分画特性 ) 生体適合性 ( 大きく改善 ) これも合成高分子膜が台頭 * 清浄度の高い透析液が求められる 近年では 小分子量物質除去性能 ( そこそこ UP) 低分子蛋白 (β2-mg α1-mg) 除去性能 ( より大分子側にシフト ) 生体適合性 ( さらに改善 ) * 清浄度の高い透析液が特に求められる コストパフォーマンス

HDF に用いたダイアライザ 年度 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 RC CTA PAN PS PEPA PES EVAL 0 100 200 300 400 500 月間使用本数

HDF 分類の考え方のポイント 治療効果面から 補充液の注入部位( 前希釈 or 後希釈 ) 補充液量手技面から 注入方法(Off-Line or On-Line) ヘモダイアフィルタの選択は重要!

HDF の臨床効果 報告されている短期臨床効果 1. 関節痛 関節周囲痛 ( 滑膜炎 ) 2. 皮膚掻痒症 3. 慢性湿疹 皮膚乾燥 発汗障害 4. イライラ感 不眠 意欲低下 5. 全身倦怠感 6. 食欲不振期待される長期臨床効果 1. 透析アミロイドーシスの発症遅延 予防 2. 色素沈着の予防 3. 異化亢進 瘰痩の予防

何が除去したくて, 何が除去したくないのか? 除去の目的 透析アミロイドーシスを考えた場合 除去ターゲットを明確にする β2-mg (MW11,800): アミロイド主要構成成分として同定 α1-mg (MW33,000): マーカー物質として 透析患者は健常者に比べて高値 アルブミン (MW67,000): 栄養蛋白として必要 しかし 結合物質に悪玉が存在?

α 1 -M アルブミン分離能の比較 HD vs post-d vs pre-d アルブミン漏出量 (g) 18.0 16.0 14.0 12.0 10.0 8.0 6.0 4.0 2.0 0.0 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 α 1 -M 除去率 (%) HD pre-d post-d HD post-d pre-d n=248 y=13.587+2.656x r=0.5907 (p<0.001) n=288 y=13.837+3.424x r=0.6904 (p<0.001) n=135 y=14.566+4.420x r=0.6648 (p<0.001)

β2-mg の浄化法別除去性能比較 アルブミン漏出量 (g) β2-mg 除去率 (%) 100.0 90.0 80.0 70.0 60.0 50.0 40.0 30.0 20.0 10.0 0.0 APS-15E APS-15E(post) APS-15E(pre) β2-mg 除去率 (%)

ヘモダイアフィルタの膜材質, 等学会等発表データよりイメージ メーカー名品名膜素材 内径 (μm) 膜厚 (ml) 滅菌法 Dry/ Wet アルブミン損失量 (1 セッション当たり )[g] Pre-HDF (Qs=200mL/min) Post-HDF (Qs=40mL/min) 旭化成メディカル ABH-F PS 220 45 γ W 0.5~1.5 1.5~3.0 ABH-P PS 200 45 γ W 2.0~5.0 3.0~8.0 東レメディカル TDF-H PS 210 40 γ W 0.5~1.0 0.5~1.5 TDF-M PS 210 40 γ W 1.0~3.0 2.0~5.0 MFX-eco PES 200 40 γ D 0.5~2.0 1.0~3.0 ニプロ MFX-Seco PES 200 40 γ D 2.0~5.0 3.0~8.0 MFX-Ueco PES 200 40 γ D 3.0~8.0 - FIX-Seco ATA 200 25 γ D 2.0~5.0 3.0~8.0 日機装 GDF PEPA 210 30 γ W 3.0~8.0 -

除去特性に関して解ってきたこと 補液量とアルブミン漏出量の関係 アルブミン漏出量 (g) 10 8 6 4 2 r=0.456 n=19 p<0.05 0 0 2 4 6 8 10 12 14 補液量 (l)

除去特性に関して解ってきたこと 膜性能ロット間差 - アルブミン漏出量 - (g) 10.0 HD (g) 10.0 HDF アルブミン漏出量 8.0 6.0 4.0 2.0 0.0 8.0 ns 6.0 4.0 2.0 p<0.01 0.0 低 Lot 高 Lot 低 Lot 高 Lot

(g) 10 除去特性に関して解ってきたこと 膜性能患者間差 - アルブミン漏出量 - 8 6 4 2 A-HD B-HD C-HD A-HDF B-HDF C-HDF 0 Pt1 Pt2 Pt3 Pt4

TMP とは Trans Membrane Pressure: 膜間圧力差 血液 透析液 定速濾過濾過速度を一定にする 膜のファウリングの進行と同時に TMP は経時的に増大する 任意の時間の余剰体液量から 時間が経過するに従い 体液除去 ( 除水 ) の負担が増大する 透析液 定圧濾過 TMP を一定に保持する 膜のファウリングの進行と同時に 濾過速度は経時的に減少する 任意の時間の余剰体液量と体液除去 ( 除水 ) の負担は軽減される 血液

25 TMP 変化量 (mmhg) 20 15 10 5 HD HDF PMMA 0 1 2 3 4 経過時間

血液出口圧 ( モニタ表示値 ) 血液入口圧 ( モニタ表示値 ) TMP V 圧トランスデューサ 血液入口圧 透析液出口圧 血液ポンプ 血液出口圧 透析液入口圧 透析液出口圧 ( モニタ表示値 ) 液圧トランスデューサ

prehdf posthdf HD QD Qd400 Qd600 QD Qd300 Qd500 Qd700 QD Qd300 Qd500 Qd700 PBi Qd 変更による各部位圧力の変化 208.0 204.3 PBi 195.3 194.7 197.3 PBi 226.7 221.0 225.0 PBi 補正 216.0 212.3 PBi 補正 203.3 202.7 205.3 PBi 補正 223.5 218.8 222.3 PBo 108.7 110.0 PBo 123.3 122.3 122.3 PBo 128.5 125.8 127.8 PBo 補正 131.7 133.0 PBo 補正 146.3 145.3 145.3 PBo 補正 151.5 148.8 150.8 PDi 106.3 110.0 PDi 118.3 120.0 123.3 PDi 162.5 162.0 166.8 PDo 44.3 6.7 PDo 101.0 71.3 30.3 PDo 143.0 112.8 70.3 PDo 補正 40.3 17.0 PDo 補正 55.0 25.3-15.7 PDo 補正 97.0 66.8 24.3 TMP (4 点法 ) TMP (PBi+PDo) /2-Pdo 121.5 137.3 115.7 154.0 TMP (4 点法 ) TMP 49.7 62.8 83.0 61.7 90.3 132.7 TMP (4 点法 ) TMP 19.3 30.9 52.5 10.0 38.0 81.8 114.0 150.5 PBo-PDo 22.3 51.0 92.0 PBo-PDo -14.5 13.0 57.5 補正値 39.3 39.3 40.7 補正値 24.5 25.0 24.3

QD を増加させた場合 浄化器内の圧力変化 <pre-d> PBi( 不変 ), PBo( 不変 ), PDi( 不変 ), PDo(40mmHg ) PDo のみ低下 この分 TMP が上昇 (16mmHg ) <post-d> PBi( 不変 ), PBo( 不変 ), PDi( 微 ), PDo(40mmHg ) PDo が低下 この分 TMP が上昇 (21mmHg ) < HD > PBi( 不変 ), PBo( 不変 ), PDi( 不変 ), PDo(42mmHg ) PDo のみ低下 この分 TMP が上昇 (22mmHg )

prehdf posthdf HD QB QB140 QB200 QB QB150 QB207 QB QB135 QB210 PBi 126.0 208.7 PBi 143.0 202.0 PBi 130.7 227.3 PBi 補正 134.0 216.7 PBi 補正 151.0 210.0 PBi 補正 130.0 224.8 PBo QB 変更による各部位圧力の変化 54.3 110.0 PBo 69.0 126.7 PBo 64 129.5 PBo 補正 77.3 133.0 PBo 補正 92.0 149.7 PBo 補正 87.0 152.5 PDi 53.7 109.0 PDi 16.7 108.3 PDi 82.8 165.5 PDo -16.7 5.0 PDo -15.7 69.0 PDo 34.5 113.5 PDo 補正 -41.0 16.3 PDo 補正 -61.7 23.0 PDo 補正 -11.5 67.5 TMP (4 点法 ) TMP (PBi+PDo) /2-Pdo 110.2 140.8 145.3 155.7 TMP (4 点法 ) TMP 105.5 75.7 121.0 97.7 TMP (4 点法 ) TMP 34.4 33.6 36.3 40.5 106.8 154.3 PBo-PDo 84.7 57.7 PBo-PDo 29.5 16.0 補正値 36.3 40.0 補正値 6.8 24.5

QB を増加させた場合 1 浄化器内の圧力変化 <pre-d> PBi(83mmHg ),PBo(56mmHg ),PDi(55mmHg ), PDo(57mmHg ) PBi の上昇幅が多い 圧力損失増大 透析液側はパラレルに上昇している ( 圧力損失は不変 ) ので この分 TMP が上昇 <post-d> PBi(59mmHg ), PBo(58mmHg ), PDi(93mmHg ),PDo(85mmHg ) QB,QD それぞれパラレルに上昇 QB に比べて QD の上り幅が大きい TMP 低下 < HD > PBi(95mmHg ),PBo(66mmHg ),PDi(83mmHg ),PDo(79mmHg ) PBi の上り幅に比べて PBo の上り幅は小さい 圧力損失増大 しかし平均は血液側 透析液側同等であるから TMP は不変

<PRE-D> Hct=40%,Qf=0,Qs=200mL/min Qb=200mL/min QB を増加させた場合 (PRE-D,POST-D) 80 120 200 Qc Qb=300mL/min <POST-D> Hct=40%,Qf=0,Qs=50mL/min Qb=200mL/min Qc Qb=150 Qp 浄化器内の血液濃縮 Qb=400 120 180 80 120 Qp Qs 50 Qb=500 Qs 200 Qc Qp Qs Hct 20% 24% 53% Qb=300mL/min 120 180 Qc Qb=250 Qp Qs 50 48%

QB を増加させた場合 (HD) 浄化器内の血液濃縮 <HD> Hct=40%,Qf=15mL/min,Qs=0 Qb=200mL/min 80 120 Qc Qp Qf Qb=185 15 Qb=300mL/min 120 180 Qc Qp Qf Qb=270 285 30 15 Hct 43% 42%

QB を増加させた場合 <pre-d> 浄化器内 (4 分割 ) の血液濃縮 <pre-d> Qb=200mL/min 200 Qs(mL/min # # # 50 in out QB(mL/min) 400 350 300 250 200 Qp(mL/min) 320 270 220 170 120 Qc(mL/min) 80 80 80 80 80 Qs(mL/min) 200 150 100 50 0 (mean) Hct(%) 20 23 27 32 34 40 28.8 Qb=300mL/min 200 Qs(mL/min) in # # # 50 out QB(mL/min) 500 450 400 350 300 Qp(mL/min) 380 330 280 230 180 Qc(mL/min) 120 120 120 120 120 Qs(mL/min) 200 150 100 50 0 (mean) Hct(%) 24 27 30 34 40 31.0

<post-d> Qb=200mL/min Qs(mL/min) QB を増加させた場合 <post-d> 浄化器内 (4 分割 ) の血液濃縮 13 13 13 13 補液 50 in out QB(mL/min) 200 187.5 175 162.5 150 Qp(mL/min) 120 107.5 95 83 70 Qc(mL/min) 80 80 80 80 80 (mean) Hct(%) 40 43 46 49 53.3 40 46.2 200 120 80 Qb=300mL/min Qs(mL/min) in 13 13 13 13 out 補液 50 QB(mL/min) 300 287.5 275 262.5 250 Qp(mL/min) 180 167.5 155 142.5 130 Qc(mL/min) 120 120 120 120 120 300 180 120 (mean) Hct(%) 40 42 44 46 48 40 43.8

<HD> Qb=200mL/min Qf(mL/ QB を増加させた場合 <HD> 浄化器内 (4 分割 ) の血液濃縮 4 4 4 4 Qf=16mL/min in out QB(mL/min) 200 196 192 188 184 Qp(mL/min) 120 116 112 108 104 Qc(mL/min) 80 80 80 80 80 (mean) Hct(%) 40 41 42 43 43.5 41.7 Qb=300mL/min Qf(mL/ 4 4 4 4 Qf=16mL/min in out QB(mL/min) 300 296 292 288 284 Qp(mL/min) 180 176 172 168 164 Qc(mL/min) 120 120 120 120 120 40 41 41 42 42.3 Hct(%) (mean) 41.1

QD,QB 増減による TMP の変化 ( まとめ ) 1.QD を増加させると いずれの浄化法でも TMP は上昇する 2.QB を増加させると TMP は通常 HD では同等 前希釈 HDF では上昇 後希釈 HDF では低下する

血液浄化療法の今後 今後の方向性 1 高性能浄化法 ( 標準的時間治療で ) の追及 各種血液透析濾過吸着療法 2 時間 回数などの量的なエッセンスを重要視 (HDP:hemodialysis product を一つの指標とする ) 長時間透析短時間頻回透析 Uremic toxin の除去 と biocompatibility 適切なヘモダイアフィルタの選択と同時に 科学的根拠のある治療モート を設定する