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資源探査部 探査第 2 課長 ikeda-hajime@jogmec.go.jp 池田 肇 次長 はじめに ニッケルは ステンレス鋼 その他の特殊鋼 メッキ板 電池 触媒等多岐に利用され 日本の自動車 産業用機 器 家電 電子 石油 化学産業に必要不可欠な資源である しかし 日本は 原料の全量を海外に依存し 鉱石 ニッケルマット フェロニッケル 地金をインドネシア 豪州 ニューカレドニア フィリピンなどから輸入してい る 2007 年通関統計では 我が国ニッケル総輸入量は 23 万 9,701t であるが そのうち 10 万 5,609t 44 をインド ネシアの PT International Nickel Indonesia PT INCO 社 PT Aneka Tambang PT Antam の 2 社から調達して いる 今回 ジャカルタ事務所では サプライサイド分析の一環として PT INCO 社の Sorowako 鉱山 PT Antam の Pomalaa 鉱山の現地調査を実施したので その概要を紹介する Ⅰ. Sorowako ニッケル鉱山 カルタからの所要時間は 6 時間程度である Sorowako 鉱 山 は Matana 湖 水 域 168km2 水 位 393m 水 深 593m 世 界 第 7 位 の 南 岸 に 位 置 し 鉱区は Mahalona 湖 水域 25km2 水位 329m 水深 310m Towuti 湖 水 域 585km2 水 位 320m 水 深 293m の湖畔にも点在している Larona 川は Towuti 湖 の 西 岸 中 央 部 か ら 北 西 方 向 へ 流 下 し Malii を 経 て Bone 湾に流れ込んでいる 図Ⅰ 1 参照 Ⅰ 1. 位置 Sorowako ソ ロ ア コ ニ ッ ケ ル 鉱 山 は Sulawesi 島 南 Sulawesi 州 luwu 県 Nuha 郡 Sorowako に 位 置 する Jakarta ジャカルタ から空路 商業便で南 Sulawesi 州 の 州 都 Makassar マ カ ッ サ ル 別 名 Ujungpandang ウジュンパンダン へ移動し マカッ サルからは PT INCO のチャーター便で Sorowako へ 入る チャーター便は１日１便が運行している ジャ 前ジャカルタ事務所 インドネシアの主要ニッケル鉱山概要 Sorowako Pomalaa 出典 Sorowako 採鉱部鉱山技術課長 Mr. Dwayne Kroll 氏説明資料 図Ⅰ 1. Sorowako ニッケル鉱山位置図 Ⅰ 2. 気候 Sorowako 鉱山周辺は熱帯モンスーン帯に属してい る 3 月は 気温は 33 前後で比較的高温であった 年間降水量は 2,500 3,000mm の地域である Ⅰ 3. 株主 Sorowako 鉱山は PT INCO が運営 操業する PT INCO には 現在 日本企業 5 社 住友金属鉱山 ヴァーレ インコ ジャパン 三井物産 双日 住友商事 が資本参加している その権益比率は表Ⅰ 1 のとおり Ⅰ 4. PT INCO PT INCO は 1968 年 7 月 27 日 鉱業事業契約 第 2 世代 COW に基づき設立された会社で PT Freeport Indonesia Grasberg 銅金鉱山 に次いでインドネシア 金属資源 93 205 _池田_P93-112.indd 93 10:24:50

表Ⅰ 1. PT INCO の資本構成 されている Sorowako 鉱山の生産開始日は 1978 年 4 月 1 日である 株主 PT INCO は 1996 年 1 月 15 日 に 鉱 業 事 業 契 約 Vale Inco Ltd. カナダ 60.8 ヴァーレ インコ ジャパン 日本企業権益 21.27 Vale Inco Ltd. 67.10 COW を 更 新 し 2025 年 12 月 28 日 ま で の 期 間 延 住友金属鉱山 20.09 住友金属鉱山 12.80 長を行っている 更新契約では ロイヤルティなどは ヴァーレ インコ ジャパン 0.54 大同特殊鋼 8.60 2008 年 3 月まで据え置かれていたが 4 月以降 新た 三井物産 0.36 三井物産 6.80 な料率が適用されることになっている 双日 0.14 住友商事 2.60 鉱業事業契約期間 1968 年 4 月 1 日 1998 年 3 月 住友商事 0.14 双日 1.70 一般投資家 インドネシア 17.93 従業員持株会 0.40 31 日 合計 100 合計 100.00 鉱業事業契約期間 1995 年 12 月 29 日 2025 年 12 出典 2007 Annual Report 及びヴァーレ インコ ジャパン ホームページ 月 28 日 で 3 番目となる鉱業事業契約を締結した PT INCO は 自鉱区でニッケル鉱石を採掘し ニッケルマット まで加工度を高め 全量を日本向け ヴァーレ イン コ ジャパン 松阪工場 住友金属鉱山 新居浜工場 に輸出している その割合は権益比率に応じ 80:20 で ある ニッケル鉱石の輸出は 鉱業事業契約にて禁止 表Ⅰ 2. 生産量 販売量 平均販売実現価格 ｔ 百万 lb ｔ ２ 財務状況 PT INCO の直近 5 年間の財務状況を表Ⅰ 3 に示す ニッケル生産量 販売量 2007 百万 lb １ ニッケル生産量 販売量 PT INCO の直近５年間の生産量 販売量を表Ⅰ 2 に示す 2006 2005 2004 2003 169.2 157.9 168.4 159.1 154.8 76,748 71,622 76,385 72,167 70,216 169 158.1 167.8 159.8 155.5 76,657 71,713 76,113 72,484 70,534 US $/lb 13.55 8.33 5.2 4.88 3.23 US $/t 29,881 18,356 11,629 10,928 7,217 出典 2007 Annual Report 表Ⅰ 3. 財務状況 単位 千 US $ 2007 売上高 2006 2005 2004 2003 2,325,858 1,337,735 885,087 792,083 509,028 682,867 569,913 444,299 357,177 344,713 純売上高 1,642,991 767,822 440,788 434,906 164,315 営業支出 54,544 32,181 20,691 17,505 8,772 営業利益 1,588,447 735,641 420,097 417,401 155,543 製品販売コスト 雑収 87,996 9,252-37,306-10,529-6,561 1,676,443 744,893 382,791 406,872 148,982 所得税 503,407 231,535 115,037 122,441 44,797 純利益 1,173,036 513,358 267,754 284,431 104,185 所得税引前収入 出典 2007 Annual Report ３ 従業員 2004 年 12 月末現在 2,802 人 外国人は 32 人 外数 で そのうちプロセス技師として日本人 1 名は住友金 属鉱山 から派遣されている 2007 年 9 月末現在のニッケル採鉱部門の従業員は 1,295 人 コントラクターを除く Ⅰ 5. 沿革 Sorowako 鉱山の沿革は 外資導入法が公布された 1967 年に遡る インドネシアは 外資の参入を制限 してきた鉱物資源開発分野を外資に開放した 同年 鉱山省 現 エネルギー鉱物資源省 は 鉱業事業契 94 約 COW 制度を創設し COW の協定下において 広域地域を探査 開発する権利を保障した Sulawesi 島のニッケル資源の開発には PT INCO を含む 12 社 が関心を示し 1968 年初めに PT INCO が COW の契 約交渉相手に指名された Sorowako-Malili 地域のニッ ケルラテライト鉱床は COW を締結してからわずか 3 年目の発見であった 1 第 1 号は 鉱業法制定 1967 年 11 月 前の 1967 年 4 月 7 日 PT Freeport Indonesia1 に与えられた 第 2 号は 1968 年 7 月 6 日 N.V. Billiton Maatschappij に与えられた 金属資源 206 _池田_P93-112.indd 94 10:24:50

単位 ha 鉱区名 ブロック呼称 Danau 所在地 面積 南 Sulawesi 54,552.73 Bahudopi Block 1B 中央 Sulawesi 32,123.01 Lingke Block 1G 中央 Sulawesi 1,584.39 Bulubalang Block 1H 中央 Sulawesi 2,249.11 Latao Block 1H 南 Sulawesi 2,249.33 Suasua Block 5 南東 Sulawesi 10,372.68 Paopao Block 6 南東 Sulawesi 67,685.75 Pomalaa Block 8 南東 Sulawesi 20,286.19 Torobulu Block 10 南東 Sulawesi 13,817.05 Malapulu Block 12 南東 Sulawesi 3,329.66 Kolonodale Block 25 中央 Sulawesi 4,512.35 Matarape Block 29 南東 Sulawesi 1,679.87 Lasolo Block 29 南東 Sulawesi 合計 4,086.87 218,528.99 出典 PT INCO ホームページより作成 Ⅰ 7. 地質 鉱床 Sorowako-Bahudopi 地域の地質は 白亜紀の Matano 深海性石灰岩と超塩基性岩体からなり 両者は西落ち の衝上断層で接している 断層沿いの超塩基性岩は著 表Ⅰ 4. PT INCO の鉱区及び鉱区面積 Ⅰ 6. 鉱区面積 1968 年当時の鉱区面積は 東経 120 45 南緯 30 東経 123 30 南緯 5 30 の経緯度によって囲まれた Sulawesis 島沖の海上を含み Pomalaa 地区を除いた東 部及び南部 Sulawesi 地区の 6,600,000ha 図Ⅰ 1 参照 現在の鉱区面積は当初の 3.3 に当る 218,529ha 3.3 である この面積は 東京都の面積に匹敵し 東京ドー ム 46,800 個分の広さを持つ 鉱区状況を表Ⅰ 4 に示す しい蛇紋岩化ないしはマイロナイト Mylonite 化を 呈する 同地域の全超塩基性岩は残留ニッケル ラテ ライトで覆われ 地域的に沖積層や湖成堆積層が分布 している 超塩基性岩はラテライト化し 露岩は湖岸 沿いで見ることができる 風化層の厚さは 5 30m で サポロライト化のゾーンがあり ニッケル富化が顕著 である Sorowako の West Block は 未蛇紋化の基盤 岩上に発達し East Block は 蛇紋岩化かんらん石を 含む基盤岩上に発達している 両 Block の鉱床はとも に上部層が Limonite 下部層が Saprolite に富んでいる 鉱石の形成作用は 地形と化学的 機械的作用の間 のバランスがニッケル濃集に大きな役割を果し 鉱床 は地表から 表土 Over Burden 酸化鉄で固化された暗褐色の風化土層 Iron Cap Red Hematite Zone 低 ニッケル 高含鉄黄褐色土 Limonite Yellow Limonite Zone OH ガーニエライト 珪ニッケル鉱 Ni,Mg 6Si4O10 8 含む黄色風化橄欖岩あるいは蛇紋岩 Saprolite 黄色 硬質の非風化橄欖岩 Saprolite 非風化橄欖岩 Bed Rock の層準からなる Sorowako 鉱山の代表的鉱床別層準別分析値 Laterite Profile を図Ⅰ 2 に示す ニッケルマットの製造工程 で設備の腐食性が問題となる給鉱 Saprolite 鉱石のみ 対象 の酸度 SiO2 /MgO は West Block 鉱石が East Block 鉱石に比べ約 25 高いことがわかる 現地で観察 されるニッケル鉱石の一般的な産状を写真Ⅰ 1 に示す Sorowako 鉱山の沿革 1920 年代 1949 年 オランダの調査 1967 年 1 月 外資法 法律第 1 号 1967 年 11 月 鉱業法 法律第 11 号 1968 年 7 月 27 日 COW 締結 1970 年 空中写真解析及びオーガー試錐 による予察調査 1970 年 1971 年 冶金試験 1970 年 1972 年 グリッド試錐 トレンチ調査 1972 年 10 月 日本企業 6 社権益参入 1973 年 1976 年 追加試錐 ピット トレンチ調査 1973 年 第 1 期建設工事決定 1975 年 第 2 期建設工事決定 1976 年 第 1 期建設工事終了 1977 年 3 月 31 日 ニッケルマット製造施設完成式典 1978 年 4 月 1 日 商業生産開始 1987 年 操業以来始めての利益を計上 1996 年 1 月 15 日 鉱業事業契約変更契約締結 1996 1999 年 ニッケル生産 1 億 5,000 万 lb 6 万 8,040t 増強工事 2007 年 10 月 ニッケル生産 2 億 lb 体制拡張計 画発表 Ⅰ 8. 鉱石埋蔵量 2007 年 12 月末の鉱石埋蔵量 鉱物資源量を表Ⅰ 5 に示す 鉱石埋蔵量は ニッケル金属量換算で 286 万 t 鉱山ライフは 2007 年度の生産量 76,748t をベースに 試算すると 37 年となる 表Ⅰ 5. 鉱石埋蔵量 鉱物資源量 2007 年 12 月 31 日現在 2006 年 12 月 31 日現在 百万ｔ Ni 品位 百万ｔ Ni 品位 1.76 鉱石埋蔵量 確定鉱石埋蔵量 80 1.8 86 推定鉱石埋蔵量 81 1.76 91 1.77 計 161 1.78 177 1.77 鉱物資源量 精測鉱物資源量 72 1.4 0.3 1.73 概測鉱物資源量 206 1.56 56 1.76 計 278 1.52 56 1.76 予測鉱物資源量 240 1.7 408 1.6 出典 2007 年 Annual Report Ⅰ 9. 操業状況 剥土量 粗鉱量 運搬量 Sorowako 鉱 山 は 露 天 掘 鉱 山 で あ る 2007 年 の 採鉱データは次のとおり 表土の剥土量は 38.10 百万 wmt 湿潤重量トン 粗鉱量は 14 百万 wmt スク 金属資源 95 207 _池田_P93-112.indd 95 10:24:50

インドネシアの主要ニッケル鉱山概要96 Sorowako Pomalaa 基岩 (Bed Rock) 38.8 SiO2 35.1 WEST Block East Block PETEA BAHODOPI 表土 11.7 5.0 表土 Ni=<1.2 Ni = 1.2 ILS 1.4 Ni 1.5 0.14 Co 0.13 ILS(Incremental Limonite Ore) 44.6 Fe 46.14 1.36 Ni 1.37 7.4 SiO2 6.42 0.15 Co 0.12 1.09 MgO 1.75 41.61 Fe 41.37 3.1 10.37 SiO2 8.14 2.5 リモナイト鉱 (Lomonite Ore) 5.6 1.74 MgO 1.55 1.93 Ni 1.75 0.15 Co 0.15 リモナイト鉱 (Lomonite Ore) 48.24 Fe 43.28 3.7 1.7 Ni 1.65 4.9 11.48 SiO2 5.61 0.15 Co 0.13 3.09 MgO 1.8 41.11 Fe 39.66 3.0 3.81 SM 3.9 11.53 SiO2 10.54 2.06 MgO 2.33 7.0 サプロライト鉱 (Saprolite Ore) 7.0 5.61 SM 4.56 1.41 Ni 1.57 7.2 0.04 Co 0.03 サプロライト鉱 (Saprolite Ore) 14.05 Fe 15.27 2.02 Ni 1.87 34.5 SiO2 34.27 0.07 Co 0.04 21 MgO 22.02 19.79 Fe 18.58 1.5 SM 1.65 35.2 SiO2 30.27 1.6 SR 2.8 14.61 MgO 14.78 0.5 DKP 0.6 2.41 SM 2.08 基岩 1.4 SR 1.6 基岩 (Bed Rock) 0.25 DKP 0.25 0.48 Ni 0.55 6.75 Fe 13.51 (208) 金属資源 0.3 Ni 0.3 29.85 MgO 27.1 6 Fe 6 45 SiO2 45 35 MgO 35 図 Ⅰ- 2. 鉱床別層準別分析値 写真 Ⅰ-1. ニッケル鉱石の産状 ( 出典 :Sorowako 採鉱部鉱山技術課長 Mr. Dwayne Kroll 氏説明資料 ) ( 出典 :Sorowako 採鉱部鉱山技術課長 Mr. Dwayne Kroll 氏説明資料 )

種類 仕様 台数 17 バックホー 8.5m3 1 4.5m3 16 ショベル 11m3 6 70 50t トラック 100t 5 43 ドーザー 550HP 5 350HP 34 190HP 4 11 ローダー 12m3 6 6.5m3 5 出典 Sorowako 採鉱部鉱山技術課長 Mr. Dwayne Kroll 氏説明資料 表土掘削 ローダー リッピング整地 ショベル積込 運搬 WOS 18inchスクリーニングステーション 105t 5 60 Ⅰ 10. ニッケルマット製造施設 １ ニッケルマット製造施設 Sorowako 鉱山では 操業開始当時 West Block の Saprolite 鉱石の精錬過程で生じる Slag の高い腐食性 が問題となったため 現在は プラント給鉱の酸度 SiO2 MgO 比 を 調 整 す る 目 的 で West Block と East Block の鉱石を 71 29 に混合し ニッケル マット Ni 78 S 20 を製造している 主要設備 ①ドライヤー Dryer Kiln 3 基 直径 5.0m 長さ 50m 処理能力 350t / 時間 直径 5.5m 長さ 50m 処理能力 450t / 時間 直径 6.0m 長さ 60m 処理能力 600t / 時間 ②貯鉱場 Dried Ore Storage 2 か所 ③還元キルン Reduction Kiln 5 基 直径 5.5m 長さ 100m 処理能力 145t / 時間 3 基 直径 6.0m 長さ 115m 処理能力 190t / 時間 1 基 直径 6.0m 長さ 135m 処理能力 215t / 時間 1 基 ④ アーク抵抗式電気溶鉱炉 Elkem Electric Furnace 4 基 直径 18m 高さ 6m 生産能力 85MW 4 基 ⑤転炉 Converter 3 基 直径 4m 長さ 9m 処理能力 125t Ni / 日 2 基 表Ⅰ 6. PT INCO の保有採掘重機 2007 年 12 月現在 East Block で は 6 イ ン チ オ ー バ ー を 粉 砕 機 で 粉 砕 し 6 インチアンダーを鉱石として WOS Wet Ore Stock Pile East に貯鉱している West Block では 2 インチアンダーのみを鉱石として WOS Wet Ore Stock Pile West に貯鉱し原鉱としている リーニング量は 8.70 百万 wmt である 1 日当りの表 土 鉱石 土木資材の平均運搬量は 202,700wmt に及 ぶ 鉱 石 は 表 土 Limonite 鉱 石 Saprolite 鉱 石 に 分 け て 管 理 さ れ て い る な お ラ テ ラ イ ト 土 壌 は 採掘重機を支える支持力がないため 採掘に当たっ ては重機の沈み込みを防止するため スラグ 砕石 などを敷き均し 表土 鉱石の採掘を行っている 1 日 24 時間 3 交代制である PT INCO の鉱山重機の 保有台数を表Ⅰ 6 に示す 表土 鉱石の採掘プロセスを写真Ⅰ 2 に示す East Block West Block ともに 18 インチスクリー ニングステーションを設置し 1 次分級を行っている トラック自走 出典 2008 年 3 月 4 日撮影 写真Ⅰ 2. 採鉱プロセス 金属資源 97 209 _池田_P93-112.indd 97 10:24:51

直径 4m 長さ 11m 処理能力 125t Ni / 日 ⑥ニッケルマット造粒設備 granulation ⑦ニッケルマット乾燥流動床設備 1基 2008 年 3 月 5 日撮影 2008 年 3 月 5 日撮影 WOS Wet Ore Stock Pile に貯鉱されている鉱石 は 凡そ 37 の水分を含むため 乾燥炉 Dryer Kiln で 20 まで乾燥を行う 乾燥した鉱石 DKP Dryed Kiln Products は 一時 貯鉱場 写真Ⅰ 3 で貯鉱 される DKP は その後 還元キルン 温度 750 に送ら れる キルンは 出口側からバーナーで加熱され 装 入された DKP はキルンの回転によって常に攪拌され 移動し過熱を受けながら 炉内のガスの流れに逆らっ て出口方向へ移動する キルンでは乾燥 予熱 還元 反応が連続的に進行し バーナーの燃焼熱及び石炭 高硫化燃料油 HSFO High Sulphur Fuel Oil の燃 焼による還元環境下で結晶水の解離 酸化 Ni,Fe の還 元が進む 出口温度は 700 である キルンで発生し た粉塵は 転炉スラグ slag などと混合し 乾燥炉 Dryer Kiln へ再投入される 写真Ⅰ 4 写真Ⅰ 3. 乾燥貯鉱場の DKP 写真Ⅰ 4. 製造プラント 還元キルン 全景 Dry Dust HSFO Air Rock West Block (Reject) ESP M.C Dryer Kiln Wet Ore Stockpile DKP East Block (Crushed) LiquidSulphur HSFO Air Reduction Kiln Hot Calcine (700 C) Stack E.L E.L Scrubber Dried Ore Storage E.L 500 T BIN ESP M.C Dry Dust Slag to Disposal area (1550 C) Electric Furnace THICKENER Slurry Furnace Matte (1380 C) Silica Flux Scrap Fluid Bed Dryer Air Converter Granulated Matte Matte Cast Water (Hi pressure) 100 T BIN Oversize (Recycle to Converter) Pug mill Dust Recycle to Dryer Diesel Air Granulation Market Packing 出典 2007 年 Perhapi 年次大会 Arif Siegar 講演資料より 図Ⅰ 3. 98 ニッケルマット製造施設のプロセスフロー図 金属資源 210 _池田_P93-112.indd 98 10:24:52

２ スラグ堆積場 電気溶鉱炉の抜出口からポットに受けたスラグは 専用重機よりスラグ堆積場へ運搬され投下堆積 写真 Ⅰ 7 される 写真Ⅰ 7. スラグの投下堆積の状況 転炉 ４ Balantang 港 Sorowako 鉱山の操業に係る全機材 ディーゼル油 高硫化燃料油 硫黄 石炭 シリカサンド etc は Bone 湾で貨物船から降ろされ 運搬船により Balantang 港へ 運ばれ 山元へ運搬される フェロニッケルマットは Balantang 港から出荷される 写真Ⅰ 8 2008 年 3 月 5 日撮影 写真Ⅰ 5. ３ 揚水 排水設備 ニッケルマット製造施設で使用する水は Matono 湖から揚水している プラントの排水はすべて管理さ れており 自然環境や人の健康に影響を与える毒性重 金属は含まれていない 2008 年 3 月 4 日撮影 還元処理した DKP は キルン出口でニッケルマッ トの硫黄源となる液体硫黄と高硫化燃料油を添加し電 気溶鉱炉で反応を促進させる 電気溶鉱炉内の溶融金 属温度は スラグで 1,550 Ni-S-Fe マット matte で 1,380 である タップにより抜き出された Ni-S-Fe マットはポット に受け転炉 写真Ⅰ 5 へ移し 溶融剤であるシリ カサンドを添加し 鉄の酸化を促進し酸化鉄 FeO をスラグへ移動させてニッケルマット 写真Ⅰ 6 の精製を行っている 2008 年 3 月 5 日撮影 写真Ⅰ 6. ニッケルマット製品 鉱石処理過程における金属組成の分析値を表Ⅰ 7 に示す 2008 年 3 月 5 日撮影 表Ⅰ 7. 各鉱石処理過程の鉱物分析値 Guiry J. D. et al,1985 H2O 乾燥炉給鉱 20 還元キルン給鉱 19 Ni Fe 2 2.1 S SiO MgO 2 19 36 21 電気溶鉱炉スラグ 0.16 20 0.2 電気溶鉱炉マット 32 57 10 ニッケルマット 79 0.5 19.5 20 36 20 45 23.5 写真Ⅰ 8. B alantang 港製品ストックヤード ５ 水力発電所 Sorowako 鉱山は 操業に必要な電力のほとんど を Larona 第 1 発電所 Balambano 第 2 水力発電所 で発電している 緊急 メンテナンス用のディー ゼル発電設備を保有している 金属資源 99 211 _池田_P93-112.indd 99 10:24:52

Larona 第１水力発電所は Larona 川を堰き止めた Batu Besi ダム ロックフィル コンクリート型 写 真Ⅰ 9 右上段 から用水を 8.2km 導水し発電を行っ ている 3 基 65 75 85MW のタービンとジェネ レーターを有し 11KV から 150KV に変圧し送電し ている 用水は 開水路 長さ 6,969m 幅 14.4m 深さ 5m 勾配 3.5/1000 コンクリート打設数 493 パネル 写真 Ⅰ 9 右中段 最大流量 153m3/sec 導水管 3 本 長 さ 1,332m 取 水 部 Φ 3.66m 鋼 板 厚 さ 12mm 吐 出 部 Φ 2.6km 鋼 板 厚 さ 20mm 最 大 流 量 51m3/ 本 写真Ⅰ 9 右下段 で導かれている 発電の有効 水頭は 140m である Larona 第 1 水 力 発 電 所 Balambano 第 2 水 力 発 電 所及び Karebbe 渓谷で建設が進められている Karebbe 第 3 水力発電所のダム諸元は表Ⅰ 8 の通り 2008 年 3 月 5 日撮影 写真Ⅰ 9. Larona 第１水力発電所 表Ⅰ 8. ダム諸元 Larona No.1 Balambano No.2 高水位 m 322.3 167 79.5 貯水量 m3 10,000,000 31,500,000 22,000,000 ダム高さ Karebbe No.3 99 68 550 350 197 RCC 体積量 m3 576,000 188,000 スピルウェー 非常排水路 1 3 1 導水 ダム ダム ダムより 8.2km 下流 ダムの足元 スピルウェーの直下 140 86.5 71.38 65,75,85MW 2 68.5MW 2 70MW クレスト 堤頂 長 m 取水様式 発電所の位置 有効圧力水頭 m 発電能力 平均発電量 放流口 110MW 94MW 自然河川 自然河川 自然河川を拡幅した水路 出典 Karebbe 建設工事事務所パネルボード 100 金属資源 212 _池田_P93-112.indd 100 10:24:53

ているが 鉱業事業契約 COW 鉱区に係る面積は 70ha で 残り 195ha が COW 鉱区外にかかっている しかも 16ha が保護林指定地区に重なるため 2006 年 3 月 10 日 付 2006 年 森 林 省 令 第 14 号 P.14/MenhutⅡ/2006 規 定 2 年 以 内 に 195ha の 2 倍 の 代 替 用 地 を森林省に拠出するか 用地を拠出できない場合は売 上高の１ を毎年納付 問題を受け 一時許認可事務 が遅れていたが このほど 森林省との間で協議が整 い PT INCO 役員会は 2007 年 9 月 28 日 建設工事 の着手を決定した 現在 切り替え水路工事 トンネル工事 250m 写 真 Ⅰ 10 が 鹿 島 建 設 に よ り 行 わ れ て い る 工 事 は NATM 工 法 で 実施されている 本体工事の入札は 現地調査の前日 2008 年 3 月 4 日に実施された Ⅰ 11. 今後の鉱山開発計画 １ ニッケル生産量 2 億 lb 90,720t 体制 PT INCO は 2007 年 10 月 ニ ッ ケ ル 生 産 能 力 を 2010 年上半期までに現行の１億 6,000lb 72,600t か ら 2 億 lb 90,720t 体制へ拡張すると発表している PT INCO におけるニッケル生産量のボトルネック は 採掘部門の粗鉱採掘量 ニッケルマット製造施設 の処理能力といったニッケルマット製造施設の設計仕 様上の問題ではなく 乾季における水不足が最大の課 題である そのため 水不足 発電所メンテナンスに 備えてディーゼル発電機を設置するとともに Karebbe 第 3 水力発電所の建設に着手した 工事費総額は 2 億 7,500 万 2 億 8,000 万 US $を見込んでいる Karebbe プロジェクトの水没域は 265ha が予定され 2008 年 3 月 5 日撮影 写真Ⅰ 10. Karebbe 第 3 水力発電所建設現場及び水路坑門部工事状況 ２ 排ガス環境対策 PT INCO は ニッケルマット製造施設の排ガス対 策 Dust Emission Management の一環として 電 気溶鉱炉 4 基へのフィルターバグ Filter Bag ハウ スの設置工事を進めている 投資額は 6 億 2,000US $ を見込む また 還元キルンには ESP Electrostatic Precipitator の設置作業を進めている ３ ニッケル製錬所の建設 PT INCO は 中央 Sulawesi 州 Bahodopi 南東 Sulawesi 州 Pomalaa の 2 か所にニッケル製錬所を建設す る検討を行っている 投資額は 10 億 US $を見込む 本計画はインドネシア政府が 新たな鉱物資源政策 の国家ビジョンとして掲げる付加価値化政策に適う ものであり 政府による期待も大きい PT INCO の 鉱業事業契約では 鉱石輸出が禁止されているため Limonite 鉱石を中国向けに出荷することはできない そのため Limonite 鉱石を処理する HPAL 製錬所の 建設も視野に入れ検討を進めている Ⅰ 12. 国家への納付額 PT INCO が 1968 年から 2007 年までに政府に納付 金 法人税 所得税 源泉徴収税 ロイヤルティ 水 道賦課金他 の総額は 13 億 8,200 万 US $に及ぶ そ の内訳は 図Ⅰ 4 のとおり 所得税, 76 源泉徴税, 86, 6% ロイヤルティ, 127, 9% 水道賦課金,73, 5% その他, 27, 2% 法人税, 993, 73% 出典 1968 2007 年 単位 百万 US $ 図Ⅰ 4. 費目別国家納付額割合 また 2007 年の地域開発費は 2006 年に比べ倍増 し 590 万 US $である 2008 年には 740 万 US $を計画 している 出典 2007 Annual Report 金属資源 101 213 _池田_P93-112.indd 101 10:24:54

Ⅰ 13. PT INCO を取り巻く最近の出来事 １ 鉱物石炭鉱業法案審議の影響 PT INCO は 1996 年 1 月 15 日に事業契約を更新し 2025 年までの期間延長を行っているため 中央政府 と の 間 に は PT Freeport Indonesia PT Newmont Nusa Tenggara 社に見られる種々の懸案事項は少な く インドネシアで鉱山を操業する外国鉱山企業の中 では比較的順風満帆に操業を行っている ２ 鉱業権の重複問題 上席副社長兼操業執行役員 COO Mr. Michael D. Winship 氏によれば PT INCO の鉱業事業契約鉱区 内にローカル企業の KP が設定され ニッケル鉱石が 中国へ出荷されるなど 鉱業権の重複問題が顕在化し てきている ３ 燃料 油類価格の高騰 PT INCO の 一 株 当 た り 利 益 は LME の ニ ッ ケ ル 価格が lb 当たり 0.1US $変動すると 0.001US $影響す る 2007 年の操業現金コスト Operating Cash Cost は 6 億 400 万 US $で そのうち燃料 油脂類のコス トは 40 を占めている ニッケル生産現金コストに 占める燃料 油脂類の割合は 2006 年は 3.13US $/lb 6,902US $/t 2007 年 は 3.56US $/lb 7,845US $/t と上昇している 2007 年の高硫化燃料油の消費量は 2,770 万バレルで エネルギー現金コストに占める割 合は 2006 年は 61 2007 年は 58 である HSFO の価格は １バレル当たり 57US $である ニッケル 生産コストは 原油価格が１バレル１US $上昇する 毎に lb 当たり 0.02US $ 39US $/t 増加する 2007 年のディーゼル油の消費量は１億 4,550 万ℓである ディーゼル油の平均コストは 0.6US $/ℓである しかし 燃料 油類価格の高騰は 他のニッケル生 産者に比べ影響度は小さく 世界で最もニッケル生産 コストが安い鉱山となっている 2007 Annual Report より 102 金属資源 214 _池田_P93-112.indd 102 10:24:54

Ⅱ. Pomalaa ニッケル鉱山 Ⅱ 1. 位置 写真Ⅱ 1. Pomalaa 鉱山全景 Ⅱ 2. 気候 Pomalaa 鉱山は 熱帯モンスーン帯に属している 8 11 月が比較的雨量が少なく 12 7 月にかけて 雨が集中する 年間降水量は 1,500 2,000mm の地 域である 図Ⅱ 1. Pamalaa 鉱山は SULAWESI TENGGARA 州 KOLAKA の 南 30km の 海 岸 沿 い 及 び NAMIANG 島 に 位 置 す る Jakarta か ら Kendari ま で 航 空 機 で 5 時 間 kenndari 空港から陸路 160km を車で約 3 時間を要す 道路は舗装され比較的良好である 図Ⅱ １ 写真Ⅱ １参照 出典 PT Antam ホームページ Ⅱ 4. PT Antam Pomalaa 鉱山は PT Antam ニッケル事業部門の中心 地で 3 か所 ノース地区 セントラル地区 サウス 地区 の採掘エリアと FeNi 3 施設 FeNi Ⅰ FeNi Ⅱ FeNi Ⅲ を有する PT Antam と日本の関係は 古く FeNi I の建設に当たり 日本政府はインドネシ アとの政府間協定を受けて 3,200 万 US $を Antam に 融資し 1972 年から大平洋金属が FeNi I を建設した 歴史がある Fe Ni I は 1975 年に完成した FeNi Ⅱ FeNi Ⅲもまた日本企業が建設を行っている さらに Pomalaa や Halmahera の ニ ッ ケ ル 資 源 は 1960 年 代 後半から INDECO 日本の当時のフェロニッケル 4 社 住友金属鉱山 日本鉱業 現日鉱金属 日本冶 金工業 大平洋金属 が探査した時代もあり 現 在 これら企業は PT Antam と長期買鉱契約を締結 し Saprolite 鉱石を輸入している 今 回 の 現 地 調 査 で は サ ウ ス 地 区 の 採 掘 現 場 と FeNi 製造施設を対象とした Ⅱ 3. 株主 Pomalaa 鉱山は PT Antam が運営 操業する PT Antam の株主は 政府が 65 一般投資家が 35 を 保 有 す る 一 般 投 資 家 は MS+CO INC CA 2.56 JP Morgan Chese Bank Na Re Norbax Inc 2.30 Investor Bank and Trust Company West 1.65 The Northern Trust S/A AVFC 1.02 の順となって いる １ ニッケル生産量 販売量 PT Antam は Halmahera 及 び Pomalaa の 自 社 鉱 区及び PT INCO の East Pomalaa 鉱区の Saprolite 鉱 Pomalaa 鉱山位置図 金属資源 103 215 _池田_P93-112.indd 103 10:24:54

石を原料として ステンレス鋼の中間原料となるフェ ロニッケルを生産し また ニッケル鉱石 Saprolite 鉱 Limonite 鉱 を輸出している 海外出荷鉱石の 貯鉱場を写真Ⅱ 2 に示す 輸出額 FOB ベース では 2 億 1,700 万 US $のう ち 日本向けは１億 1,000 万 US $で全体の 51 を占め る 中国向けは 2,600 万 US $で 12 となっている 図 Ⅱ 3 表Ⅱ 4 を参照 ギリシャ, 10,026, 5% スイス, 4,544, 2% ウクライナ, 36,883, 17% 豪州, 24,955, 11% その他, 4,339, 2% 日本, 110,441, 51% 中国, 26,243, 12% 表Ⅱ 4. と対応 図Ⅱ 3. 2008 年 3 月 7 日撮影 写真Ⅱ 2. 海 外出荷鉱石の貯鉱場 Limonite 鉱石 手前 褐色 Saprolite 鉱石 白 フ ェ ロ ニ ッ ケ ル 生 産 は Pomalaa に あ る FeNi Ⅰ FeNi Ⅱ FeNi Ⅲから生産されている FeNi Ⅰ 能力 5,500t FeNi Ⅱ 能力 5,500t FeNi Ⅲ 能力 15,000t は それぞれ 1975 年 1995 年 2006 年から生産を開 始している PT Antam の直近 5 年間のフェロニッケル ニッケル鉱石等の生産量 販売量を表Ⅱ 1 現金コス ト 生産コスト 平均販売実現価格を表Ⅱ 2 にそれぞ れ示す ２ 国別輸出量 輸出額 FOB ベース 2007 年インドネシア統計 2007 STATISTIK INDONESIA Statistical Yearbook of International Badan Pusat Statistik, Jakarta-Indonesia によれば 2006 年 の ニ ッ ケ ル 鉱 石 Saprolite 鉱 Limonite 鉱 の 全 輸 出 量 4,394,000wmt の う ち 日 本 向 け は 2,067,000wmt で全体の 47 を占める 中国向けは 660,000wmt で 15 となっている 図Ⅱ 2 及び表Ⅱ 3 を参照 PT INCO は ニッケル鉱石を輸出できないので 統計デー タは PT Antam の輸出量とみることもできる ウクライナ, 726,179, 17% ギリシャ, 147,389, 3% スイス, 41,097, 1% ニッケル国別輸出額割合 2006 年 ３ ニッケル製品別輸出先 PT Antam は 2006 年は Saprolite 鉱石の全量を日本 向けに出荷した Limonite 鉱は豪州 中国向けに出 荷した フェロニッケルは 日本 中国 韓国 台湾 向けに出荷した PT Antam の製品別輸出先を参考ま でに図Ⅱ 4 に示す 2006 Annual Report より PT Antam の 2007 年における製品別出荷企業を表 Ⅱ 5 に示す 日本 1兆7,410億Rp(06) 4兆7,690億Rp(07) 日本 中国 韓国 台湾 インド ヨーロッパ 2兆7250 億Rp(06) 2 兆7,250億Rp 5兆7,930億Rp(07) 日本日本 中国中国 1900億Rp (06) 1,900億Rp 1,300億Rp(07) ANTAM 豪州豪州 中国中国 2680億R 2,680億Rp (06) p 1,250億Rp(07) フェロニッケル 図Ⅱ 4. シンガポール シンガポール インドネシア インドネシア 6,010億Rp 10億Rp 60 1兆340億Rp(07) ボーキサイト 金 Limonite Saprolite 2006 年度ニッケル製品別輸出先 ４ 財務状況 PT Antam の直近 5 年間の財務状況を表Ⅱ 6 に示す その他, 43,855, 1% 日本, 2,067,467,47% 豪州, 707,933, 16% 中国, 660,206, 15% ５ 従業員 2007 年 12 月末現在 2,852 名 正規職員 2,716 名 非 正規職員 136 名 2006 年の各部門の人員配置は 本 社 331 名 ニッケル部門 1,630 名 金部門 769 名 ボー キサイト部門 22 名である 表Ⅱ 3. と対応 図Ⅱ 2. 104 ニッケル鉱石国別輸出量実績 2006 年 金属資源 216 _池田_P93-112.indd 104 10:24:54

ポート単位 2007 2006 2005 2004 2003 生概要 Sorowako Pomalaa 鉱種 砂鉄 wmt - - 23,268 107,933 108,555 売上高表 Ⅱ-1. PT Antam のフェロニッケル ニッケル鉱石等の生産量 販売量 産量砂鉄 wmt - - 21,901 89,664 245,409 販売量フェロニッケル lbs Ni 40,856,018 31,909,670 16,177,502 17,515,706 19,693,870 t Ni 18,532 14,474 7,338 7,945 8,933 ニッケル鉱石 wmt 7,112,870 4,353,832 4,080,800 4,095,476 4,395,429 金 銀 Saprolite 鉱石 wmt 6,744,383 3,493,961 3,408,252 3,152,420 3,306,733 Limonite 鉱石 wmt 368,487 859,871 672,548 943,056 1,088,696 oz 89,733 92,367 93,589 119,437 134,258 kg 2,791 2,873 2,911 3,715 4,176 oz 775,669 767,613 791,051 887,050 918,525 kg 24,126 23,876 24,605 27,591 28,570 ボーキサイト wmt 1,251,147 1,501,937 1,441,899 1,330,827 1,262,705 輸出 フェロニッケル lbs Ni 39,072,480 29,518,382 15,397,366 17,390,501 19,550,570 t Ni 17,723 13,389 6,984 7,888 8,855 Nickel 鉱石 wmt 6,907,367 4,309,134 4,086,081 3,920,125 3,331,575 金 銀 Saprolite 鉱石 wmt 6,463,977 3,375,466 3,025,841 2,546,339 2,244,434 Limonite 鉱石 wmt 443,390 933,668 1,060,240 1,373,786 1,087,141 t.oz 120,405 46,872 38,201 51,278 66,872 kg 3,745 1,458 1,188 1,595 2,080 t.oz 530,487 260,355 375,192 171,922 856,058 kg 16,500 8,098 11,670 5,347 26,627 ボーキサイト wmt 975,009 1,536,542 1,617,566 1,325,559 1,093,965 砂鉄 wmt - - 23,268 103,328 - 国内販売 フェロニッケル 金 銀 lbs Ni - - 664 19,842 28,660 t Ni - - 4 9 13 t.oz 40,381 60,506 78,804 72,587 88,702 kg 1,256 1,882 2,451 2,258 2,759 t.oz 335,943 416,897 583,634 670,576 356,833 kg 10,449 12,967 18,153 20,857 11,099 百万 Rp 11,661,423 5,220,497 2,860,412 2,513,839 1,823,322 輸出千 US$ 1,278,536 571,479 390,823 278,829 213,473 全売上高百万 Rp 12,008,202 5,629,401 3,251,235 2,858,538 2,138,811 ト金 US $/t.oz 383.10 283.93 252.94 183.46 175.50 フェロニッケル US $/lb 5.55 4.40 3.91 3.35 3.16 ニッケル鉱石 Saprolite 鉱 US $/wmt 20.32 20.15 14.80 15.12 13.94 Limonite 鉱 US $/wmt 11.26 8.67 7.44 7.32 4.91 ボーキサイト US $/wmt 13.44 10.32 8.48 8.00 9.73 製品単位 2007 2006 2005 2004 2003 現金コス砂鉄 Rp/wmt 333,044 117,924 生産コス平均為替レート Rp/wmt 9,136 9,167 9,712 8,935 8,504 平均販売実現価表 Ⅱ- 2. ト金 US $/t.oz 481.74 375.36 336.35 259.27 235.29 フェロニッケル US $/lb 6.99 6.00 4.30 3.63 3.37 ニッケル鉱石 Saprolite 鉱 US $/wmt 20.48 20.32 19.77 15.49 14.42 Limonite 鉱 US $/wmt 11.52 8.72 7.52 7.58 5.21 ボーキサイト US $/wmt 13.90 10.83 8.74 8.23 10.31 砂鉄 US $/wmt 350,718 124,683 PT Antam の鉱種別現金コスト 生産コスト 平均販売実現価格 格銀 US $/t.oz 13.64 11.83 7.27 6.64 4.93 フェロニッケル US $/lb 16.16 10.12 6.45 6.23 4.06 ニッケル鉱石 Saprolite 鉱 US $/wmt 82.43 55.36 44.64 42.35 28.38 Limonite 鉱 US $/wmt 26.52 31.48 19.06 16.47 14.96 金 US $/t.oz 702.63 611.59 446.14 411.97 364.32 ボーキサイト US $/wmt 14.58 13.60 11.91 11.36 10.93 砂鉄 Rp/wmt - - 105,180 150,120 86,374 金属資源 105 レ(217) インドネシアの主要ニッケル鉱山

インドネシアの主要ニッケル鉱山概要106 表 Ⅱ- 3. ニッケル鉱石の国別輸出量 (2002 ~ 2006 年 ) 輸出先 2006 2005 2004 2003 2002 日本 2,067,466.5 2,034,320.2 1,902,374.1 178,986.0 2,117,047.0 中国 660,206.2 73,353.0 0.0 0.0 0.0 豪州 707,932.8 946,047.4 1,044,563.6 740,632.8 523,158.1 スイス 41,097.0 0.0 0.0 0.0 0.0 ギリシャ 147,388.5 95,720.0 0.0 0.0 0.0 ウクライナ 726,179.0 490,067.0 258,350.0 0.0 0.0 その他 43,854.7 64,007.1 53,720.0 32.9 0.0 計 4,394,124.7 3,703,514.7 3,259,007.7 919,651.7 2,640,205.1 ( 出典 :2007 インドネシア統計 ) 表 Ⅱ-4. ニッケル鉱石の国別輸出額 (FOB ベース )(2002 ~ 2006 年 ) 輸出先 2006 2005 2004 2003 2002 日本 110,441.3 101,316.6 84,057.0 49,013.9 44,177.4 中国 26,243.3 256.7 0.0 0.0 0.0 豪州 24,955.0 15,294.8 16,663.4 10,488.5 6,587.2 スイス 4,544.1 0.0 0.0 0.0 0.0 ギリシャ 10,025.7 4,926.1 0.0 0.0 0.0 ウクライナ 36,883.0 16,431.2 6,926.0 0.0 0.0 その他 4,339.0 1,749.7 794.7 13.2 0.0 計 217,431.4 139,975.1 108,441.1 59,515.6 50,764.6 Sorowako Pomalaa ( 出典 :2007 インドネシア統計 ) 表 Ⅱ- 5. PT Antam 製品別出荷先企業 製品出荷先企業 販売量 ゴコカイ 太平洋金属 ( 三菱商事経由 ) 977 住友金属鉱山 ( 三井物産経由 ) 686 日本冶金工業 ( 丸紅経由 ) 363 Raznoimports( ウクライナ ) 814 Saprolite 鉱石 Via AVARUS( マケドニア ) 415 (,000wmt) スポット売買者 1,741 Zhenjiang Yuan Tong;Premiere Asian Investment; Ang Been Malacaa;Kam Wah Company( 中国 ) Minmax Resources Holding( 中国 ) 686 China MCC International Economic and Trade( 中国 ) 413 Tsingshan Holding( 中国 ) 370 Zhejiang Grand Imp & Exp( 中国 ) 300 Limonite 鉱石 Pilar Banyu Mas Hongkong( 中国 ) 75 (,000wmt) Via AVARUS( マケドニア ) 68 Thyssen Krupp Nirosta, Avesta, Outokompu, Arcelor-Mittal( 欧州 ) 他 (Via Avarus AG 経由 ) 9,142 Pohang Iron & Steel Co(Posco)( 韓国 ) 5,061 フェロニッケル Ni-Met Matals & Minerals Inc( 中国 ) 300 (Ni t) Nisshin Steel, Nikkinko Trading, Atmix( 三菱商事経由 ) 717 Yieh United Steel( 台湾 ) Ni-Met Metals( インド ) 2,503 ( 出典 :2007Anuual Report) 表 Ⅱ- 6. 財務状況 ( 単位 :10 億 Rp) 2007 2006 2005 2004 2003 売上高 12,008.20 5,629.40 3,251.24 2,858.54 2,138.81 製品販売コスト 4,794.96 2,887.94 1,827.14 1,497.70 1,471.91 純売上高 7,213.24 2,741.47 1,424.10 1,360.84 666.90 所得税引前収入 7,724.80 2,778.43 1,394.60 1,317.77 466.18 営業利益 6,796.09 2,403.69 1,099.77 1,096.57 447.98 利子 74.32 141.96 25.56 2.20 16.73 純利益 5,132.12 1,552.78 841.94 810.25 226.55 ( 出典 :2007 Annual Report) 金属資源 (218)

Ⅱ- 5. 沿革概要 Sorowako Pomalaa レ1996 年 ISO-9002 認証取得 1917 年 南 南東 Sulawesi で Ni の探鉱が開始される 1997 年 Gee 島で探鉱開始 1935 年 Boni Tolo により Pomalaa Maniang 島 2000 年 SBU ニッケルにおける MIS ANTAM の実施 金属資源 107 Lemo 島で高品位 Ni 鉱石が発見される 2001 年 Tanjung Buli ニッケルの鉱山開発開始 1938 年 日本向けへ鉱石出荷が始まる ISO-14001 認証取得 1942 ~ 1945 年 Pomalaa から Maniang 島へ採掘区画 2002 年 ISO-9002 を ISO-9001:2000 に更新 の拡張が行われる 2003 年 FeNi Ⅲ 製錬所建設工事 ( 生産能力 15,000t/ 年 ) 1945 年 日本企業によりニッケルマット製造工場が が開始される 建設される 2004 年 電気炉 2 基を Elkem 法から Hatch 法へ改修 1957 年 NV PERTO 日本向け鉱石輸出を開始 ( 生産能力 6,000t/ 年 ) 1961 年 NV PERTO PT Pertambangan Nickel Indonesia 2005 年 Gebe 島の高品位鉱石採掘終了 Mornope 採 に吸収される 掘開始 1968 年 PT Pertambangan Nickel Indonesia は PT 2006 年 FeNi Ⅲ 製錬所試運転開始 Aneka Tambang に改組される 2007 年 FeNi Ⅲ 製錬所商業生産開始 Pomalaa で Ni 探鉱開始される 1974 年 FeNi Ⅰ 製錬所建設工事 ( 生産能力 5,500t/ 年 ) Ⅱ- 6. 鉱区面積 が開始される Pomalaa 鉱山は 鉱業事業契約 (COW) ではな 1975 年 FeNi Ⅰ 製錬所商業生産を開始 く KP ライセンスの下 操業されている鉱山である 1978 年 Gabe 島鉱石採掘を開始 Pomalaa の鉱区面積は 8,315ha である PT Antam の 1992 年 FeNi Ⅱ 製錬所建設工事 ( 生産能力 5,500t/ 年 ) 鉱業権 ( 採掘権 ) 保有状況を表 Ⅱ- 7 に示す Pomalaa が開始される 鉱山鉱区図を図 Ⅱ- 5 に示す 1995 年 FeNi Ⅱ 製錬所商業生産を開始 表 Ⅱ- 7. 鉱業権保有状況 鉱種 所在地 採掘権 面積 (ha) 期限 ステイタス KW.98PPO213 1,584.00 2010 年 7 月 15 日 生産 KW.98PPO214 2,372.38 2010 年 7 月 15 日 生産 Pomalaa KW.98PPO215 599.4 2009 年 3 月 15 日 生産 KW.98PPO216 3,759.00 2009 年 3 月 15 日 生産 中計 8,314.78 Maniang SK Bupati Kolaka No.27 195 2008 年 2 月 9 日 生産 Ni Bahubulu & Tapunopaka SK Bupati No.161 Tahun 2005 6,213.00 2029 年 6 月 6 日 開発 Buli Area Gee Island Mornopo KW.97PPO443 39,040.00 2019 年 1 月 8 日 生産 Tanjung Buli Obi Island KW.97PPO464 9,528.00 2028 年 3 月 10 日 開発 計 63,290.78 Au Pongkor 98PPO138 6,047.00 2022 年 4 月 20 日 生産 KW.96PPO346 2,868.00 2009 年 12 月 13 日生産 Kijang KW.97PPO359 801.5 2009 年 12 月 13 日生産 Al Tayan KW.98PPO183 36,410.00 2020 年 9 月 1 日開発 計 40,079.50 Ⅱ- 7. 地質 鉱床 Ⅱ- 8. 鉱石埋蔵量 PT INCO と同様に鉱石は Limonite 鉱石と Saprolite 2007 年 12 月末の鉱石埋蔵量 鉱物資源量を表 Ⅱ- 8 鉱石である Limonite 鉱は針鉄鉱 (goethite:feo(oh)) 表 Ⅱ- 9 に示す を主体とする微細粒ないし土状の鉄鉱物集合体であ る Saprolite 鉱は ニッケルに富むガーニアライトを Ⅱ- 9. 採鉱方法 含む集合体である 緩いスロープの丘の斜面に形成さ Pomalaa 鉱山の採掘方法は PT INCO 同様に 円 れている 深度は 数 m 程度である Pomalaa 鉱山に 形や馬蹄形の露天掘ではなく 土木工事の切土工事に おけるマイナーコンポーネント (Ni Co) とメジャー 近い ニッケル鉱石は 不均質に垂直 水平方向に コンポーネント (Fe Al 2 O 3 MgO SiO 2 ) の層準別パ 連続しているため ショベルにより選択的な採掘を ターンを図 Ⅱ- 6 に示す 行っている Ni 品位の管理が重要である Saprolite 鉱石 Limonite 鉱石は 品位 種類ごとに貯鉱場に運 (219) ポートインドネシアの主要ニッケル鉱山

インドネシアの主要ニッケル鉱山概要108 4 10 4 11 4 12 4 13 4 14 4 15 4 16 4 17 A AS J H L HS AANS BE D AANB K G O AANT T.I T.I CF. 100 75 121 32 2 50 P G DERMAGA TELUK SAPURA P Q R 75 N S 50 2 RST RSS 5 121 33 TANJUNG LEPPE Q M QT K A DU52/0 A P A T A 121 34 121 35 L 25 25 50 A 50 OM 75 RO YETTY TK 100 75 DEMA TY.2 125 A TL TM 100 TT TTN 125 150 175 125 TLB.1 ST TLA.2 150 2 S. 175 TIMBUNAN SLAG O 22 200 75 TTB TLE 225 PB G S= 4 11' 45.8" E = 121 35' 59.5" T.1 5 25 0 T.9 TLD DU53.264 1 5 1 0 50 TLF 275 C TTH 250 75 100 T.18 300 2 5 3 5 50 A AI-P1 200 TTC S.26 50 175 T.27 R A P 0 5 150 75 2 1 TLC.3 DU3.221 S.27 12 T.36 DU3.212 L 1.N 1.B 125 S.28 100 0 2 25 DU3.203 PB.2 1.T 1.S III.09= S. 4 12' 12.8" T.45 TLC.2 TLC.4 B DU3.194 50 V.2 = S. 4 12' 09. 7" 50 T.54 75 100 PB.1 DU3.186 TLB.3 5 TLC.5 DU3.177 AI.98 XIV AI.96 0 DU3.168 AI.95 XV II II.T T.63 AI.93 18 III E.121 37' 29.1" 0 25 DU3.159 125 AI.91 XI E.121 37' 33.3" V AI.89 AI.88 75 T.72 18 XXIV 25 L.IV.S IX.B AI.86 50 DU3.132 AI.84 IX.N 100 IX.CS VII IV.N IV.NE IV.S T.81 AI.82 22 XXIII DU3.123 AI.80 DU3.114 VI VIII.N VIII.T VIII.S XW IV.T IV.T T.90 IVTS XVII.S B AI.78 DU3.105 AI.76 24 IV.SE AI.74 XVII.B AI.72 XX AI.70 26 AI.68 X.T X.N XVII.N AI.66 X.S PB.6 28 AI.63 UJUNG PANDANG XVIII AI.61 7 1 AI.59 30 AI.58 MALILI 4 XII.S XIII.S AI.56 AI.54 31 AI.52 AI.50 AI.48 33 KENDARI POMALAA AI.46 AI.44 AI.42 AI-35 AI.40 AI.38 Total Mining Area = 8314,40 Ha Reserve Estimated Until 31 Dec 02 WMT Ni Fe/Ni Bass HG 2.710.000 2,35 6.00 0.52 LGSO 1.978.000 2,11 6.14 S = 4 11' 30" E = 121 34' 30" 0.55 1 TM KW98 PP 0213 (DU. 4) 1.584 Ha S = 4 14' 00" S = 4 14' 00" E = 121 31' 00" E = 121 33' 30" TLA.1 1 2 South Area TLA.3 & 4 S = 4 14' 30" E = 121 33' 30" 4 S = 4 14' 30" 3 E = 121 33' 00" S = 4 15' 00" E = 121 32' 30" 5 6 S = 4 15' 00" E = 121 33' 00" S = 4 15' 30" S = 4 15' 30" S = 4 15' 30" E = 121 33' 30" E = 121 32' 30" SAPURA E = 121 34' 30" 1 2 Sorowako Pomalaa S = 4 16' 15" S = 4 16' 15" E = 121 31' 00" E = 121 31' 30" 10 9 8 S = 4 16' 45" E = 121 31' 30" k o o 7 S = 4 16' 45" s O o- k E = 121 32' 30" 4 3 S = 4 17' 15" S = 4 17' 15" E = 121 32' 30" E = 121 33' 30" Block of Mine Mined Area M U KAMPUNG NG B BARU TUMB AMBE TY.1 TY.3 121 31 121 36 121 37 121 38 121 39 0.5 m 表土 6 m 褐鉄鉱 6 m Limonite 5 m Saprolite S = 4 10' 30" E = 121 35' 30" 11 10 S = 4 11' 30" E = 121 35' 30" S = 4 15' 30' E = 121 35' 30" 12 11 8/3 S = 4 11' 30" E = 121 36' 00" 9/2 S = 4 12' 00" E = 121 36' 00" S = 4 10' 00" E = 121 36' 30" 1 16 14 S = 4 10' 30" E = 121 36' 30" 12 PANGANTE 7/4 NG 6/5 S = 4 12' 30" E = 121 36' 30" S = 4 16' 00" E = 121 35' 30" 10 9 KW98 PP 0215 (DU. 52) 599,40 Ha S = 4 10' 30" E = 121 36' 30" KW 98 PP 0214 (DU.52) 2.372 Ha S = 4 12' 00" E = 121 36' 30" S = 4 12' 30" E = 121 37' 00" 5/6 4/7 S = 4 13' 00" E = 121 37' 00" Central Area S = 4 16' 00" E = 121 36' 45" R S = 4 16' 24,72" E = 121 36' 35.00" North Area ) S = 4 13' 00" E = 121 37' 54" Re-vegetative Area District Line Dam Road Mine 図 Ⅱ-5. Pomalaa 鉱山鉱区図 マイナーコンポーネント メジャーコンポーネント Ni, Co Al2O3, SiO2, MgO,Fe Al 2 O 3 Ni Fe SiO 2 Co MgO 3/8 N S = 4 10' 00" E = 121 39' 03" Q 2 KW98 PP 02116 (DU.53) 3.759 Ha 0 1 2 3 0 10 20 30 40 50 品位 % ( 出典 :PT Antam 提供資料 ) 図 Ⅱ- 6. 層準別パターン 金属資源 (220)

写真Ⅱ 3. South 鉱区採掘現場 Saprolite 鉱石パイル 出典 PT Antam 提供写真 写真Ⅱ 5. ショット製造工程 Pomalaa 鉱山におけるフェロニッケルの製品仕様は 表Ⅱ 10 のとおり 2008 年 3 月 7 日撮影 写真Ⅱ 4. FeNi Ⅲ還元キルン全景 フェロニッケルは Saprolite 鉱石をロータリーキ ルン 電気炉 溶鉱炉 で加熱し 還元してつくる重 要な合金鉄である ニッケルを 18 28 を含み炭素 含有率によって 高炭素 中炭素 低炭素合金に区分 している Pomalaa 鉱山では 高炭素 低炭素合金を 製造している その主な製造工程は 次の通りである ①鉱石 ストックヤードからの搬入 ②ロタリード ライヤー ③ロータリーキルン 110m φ 5.6m ④電気炉 ⑤シェーキングコンバーター フェロニッ ケル インゴット 図Ⅱ 7 参照 ニッケル鉱石は 水分 34 を含んでいるため ロー タリードライヤーで水分 21 まで乾燥し 石炭 Coal と無煙炭 Anthracite を加えてロータリーキルン内 Ⅱ 10. フェロニッケル製造施設 １ フェロニッケル製造施設 で還元し 一定温度 700 800 まで焼成した鉱 石を電気炉に投入 溶解する 電気炉への鉱石投入 量は 70t / 時間となっている 電気炉内で溶鉱し 比 重の重いマット フェロニッケル Crude Metal と 比重の軽いスラグに分離する 溶解温度は マットは 1,400 スラグは 1,530 である 電気炉の抜出口か らタップにより マットを取出し シェーキングコン バーターに入れて不純物を除去後 フェロニッケルを 水と接触させショットを製造している ユーザーの引 き合いに応じインゴットで出荷する場合もある 搬され 最終的に輸出に必要な品位に混合 調整され 出荷される 粗鉱生産能力は天候に左右され 熱帯モ ンスーンによる豪雨や雨季の季節に生産効率が低下す る Pomalaa 鉱山では ラテライトを主成分とするた め硫化物との酸化反応による酸性含重金属水の発生は 少なく 赤濁水の流出のみが問題となっており 各所 にポンドを設置し ラテライトの流出を抑制している ２ ディーゼル発電所 PT Antam は フェロニッケルの製造に必要な電力 をディーゼル発電で賄っている 2005 年のニッケル 現金コストに占める燃料代は 28 であったが 2006 年は 40 まで上昇しており 燃料コストの高騰は 同社のコストに直接跳ね返るため 燃料コストの削減 が急務の課題となっている ３ 積出港 鉱石は Pomalaa 海岸が浅いため埠頭からはしけ船 で大型船まで運搬し船積みを行っている 埠頭の積出 能力は 6,000wmt / 日である Ⅱ 11. 今後の長期計画 1 PT Antam は Saprolite 鉱石を海外へ輸出すると 同時に FeNi 製造施設の生産量を維持 拡大し な け れ ば な ら な い た め Pomalaa 鉱 山 に 隣 接 す る PT INCO の東 Pomalaa 鉱区から原料を調達す ることとしている PT INCO は 鉱業事業契約 COW において鉱石輸出が禁止されているため PT Antam との長期契約は PT INCO にとって も新たなニッケルマットあるいはフェロニッケル 金属資源 109 221 _池田_P93-112.indd 109 10:24:59

インドネシアの主要ニッケル鉱山概要110 Sorowako Pomalaa Tapunopaka 推定 Ni > 1.6% & Fe < 25% 3,800 2.0 Ni > 1.2% & Fe > 25% 9,950 1.6 概測 - - - 表 Ⅱ-8. 埋蔵量 となっている 鉱種 (2) PT Antam のニッケル部門のうち Gebe 鉱山は 埋蔵量 (,000wmt) 変化率 2006 2007 (%) 2005 年 Saprolite 鉱石の鉱量枯渇により採掘を Saprolite 鉱石 179,850 180,900 1 中止したため Mornopo 鉱山の開発に移行し Limonite 鉱石 185,150 214,200 16 現在 Tanjung Buli Pomalaa の 3 鉱山体制となっ 金 3,863 3,973 3 ている ボーキサイト 84,400 81,600-3 (3) FeNi IV: Halmahera 県知事の要請に基づき製品製造施設を建設するまでの期間 利に適ったもの Saprolite 鉱石 (Pomalaa) Ni > 1.8% Fe < 25% 付加価値を高めるため ニッケル鉱石は Pomalaa Limonite 鉱石 Ni > 1.2% Fe > 25% へ出荷せず FeNi IV を建設しフェロニッケルを生産することに合意している 表 Ⅱ-9. 埋蔵量 ( 鉱石埋蔵量 鉱物資源量 ) ( 単位 :1,000 wmt) 鉱石埋蔵量 鉱物資源量 鉱区 Saprolite 鉱石 Limonite 鉱石 Saprolite 鉱石 Limonite 鉱石区分区分カットオフ品位 wmt Ni 品位カットオフ品位 wmt Ni 品位カットオフ品位 wmt Ni 品位カットオフ品位 wmt Ni 品位 Pomalaa 確定 Ni > 1.8% 2,000 1.9 精測 - - - - 推定 - - - 概測 - - - - 計 2000 1.9 - 計 - - 確定 - - - - 精測 Ni > 1.8% & Fe < 25% 8,400 2.3 Ni > 1.2% & Fe > 25% 5,250 1.5 Bahubulu 推定 - - - - 概測 Ni > 1.8% & Fe < 25% 10,000 2.3 Ni > 1.2% & Fe > 25% 20,600 1.5 計 計 18,400 2.3 25,850 1.5 確定 - - - - 精測 計 3,800 2.0 9,950 1.6 計 確定 - - - - 精測 - - Ni > 1.2% & Fe > 25% 5,450 1.5 Mandiodo 推定 - - - - 概測 Ni > 1.8% & Fe < 25% 5,700 2.2 Ni > 1.2% & Fe > 25% 21,600 1.5 計 - - 計 5,700 2.2 27,050 1.5 計 3,800 2.0 9,950 1.6 24,100 2.2 52,900 1.5 確定 Ni > 1.8% & Fe < 25% 10,600 2.2 精測 Tanjung Buli 推定 Ni > 1.8% & Fe < 25% 6,500 2.2 Ni > 1.2% & Fe > 25% 12,100 1.5 概測 計 17,100 2.2 12,100 1.5 計 確定 Ni > 1.8% & Fe < 25% 1,000 2.1 - - 精測 Gee 推定 - - - - 概測 計 1,000 2.1 - 計 確定 - - - - 精測 Pakal 推定 Ni > 1.8% & Fe < 25% 13,500 2.4 Ni > 1.2% & Fe > 25% 17,800 1.5 概測 計 13,500 2.4 17,800 1.5 計 確定 - - - - 精測 Ni > 1.8% & Fe < 25% 12,500 2.2 Ni > 1.2% & Fe > 25% 13,200 1.4 Sangaji 推定 - - - - 概測 Ni > 1.8% & Fe < 25% 56,800 2.2 Ni > 1.2% & Fe > 25% 46,900 1.4 計 - - 計 69,300 2.2 60,100 1.4 確定 Ni > 1.8% & Fe < 25% 14,200 2.1 精測 Mornopo 推定 Ni > 1.8% & Fe < 25% 3,500 2.2 Ni > 1.2% & Fe > 25% 10,300 1.4 概測 計 17,700 2.2 10,300 1.4 計 確定 精測 P1 推定 概測 Ni > 1.8% & Fe < 25% 3,800 2.4 Ni > 1.2% & Fe > 25% 1,650 1.4 計 計 3,800 2.4 1,650 1.4 確定 精測 P8 推定 概測 Ni > 1.8% & Fe < 25% 1,650 2.2 Ni > 1.2% & Fe > 25% 1,050 1.3 計 計 1,650 2.2 1,050 1.3 計 49,300 2.2 40,200 1.5 74,750 2.2 62,800 1.4 確定 精測 Ni > 1.8% & Fe < 25% 2,400 2.2 Ni > 1.2% & Fe > 25% 1,250 1.5 Kawasi 推定 概測 Ni > 1.8% & Fe < 25% 18,400 2.2 Ni > 1.2% & Fe > 25% 27,550 1.5 計 計 20,800 2.2 28,800 1.5 確定 精測 Mala- Mala 推定 概測 Ni > 1.8% & Fe < 25% 5,050 2.1 Ni > 1.2% & Fe > 25% 12,650 1.5 計 計 5,050 2.1 12,650 1.5 確定 精測 Houl Sagu 推定 概測 Ni > 1.8% & Fe < 25% 1,100 2.1 Ni > 1.2% & Fe > 25% 6,900 1.5 計 計 1,100 2.1 6,900 1.5 計 - - 26,950 2.2 48,350 1.5 総計 55,100 2.2 50,150 1.5 125,800 2.2 164,050 1.5 フェロニッケル種類 金属資源 (222) 表 Ⅱ- 10. フェロニッケル仕様 分析値 (%) Ni C Si P S Cr インゴット (Kg/Pcs) 物性 ショット (φ mm) 高炭素 17,5 2,5 3,0 0,03 0,03 2,5 ±100 2.80-50.8 低炭素 20 0,03 0,30 0,02 0,03 0,20 ±100 2.80-50.8

出典 2007 年 Perhapi 年次大会 Darma Anbiar 講演資料より 図Ⅱ 7. フェロニッケル製造フロー 2008 年 3 月 7 日撮影 写真Ⅱ 6. フェロニッケル ショット 2008 年 3 月 7 日撮影 写真Ⅱ 7. フェロニッケル インゴット 2008 年 3 月 7 日撮影 写真Ⅱ 8. フェロニッケル貯蔵庫 2008 年 3 月 7 日撮影 写真Ⅱ 9. 埠頭 南鉱区 金属資源 111 223 _池田_P93-112.indd 111 10:25:00

インドネシアの主要ニッケル鉱山概要112 Ⅱ- 12. 国家への納付額 PT Antam のロイヤルティは次のとおり Saprolite 鉱石は 5% Limonite 鉱石は 4%( ちなみに金 3.75% 銀 3.25% 砂鉄 3.75% ボーキサイト 3.75%) となっている Ⅱ- 13. PT Antam を取り巻く最近の出来事 (1) 2007 年 2 月 12 日 200 万 wmt のニッケル鉱石の販売入札を行い 20 社が参加し 中国の 3 社が落札した 2007 年から中国向け出荷が大幅に伸びている (2) 2 月 23 日 Halmahera のニッケル鉱石の開発に関し BHP Billiton と事業連合を結成することで基本合意した フェロニッケル生産能力 30,000t/ 年 稼動目標 2010 年 投資金額 6 億 5,000 万 US $ を見込む また 高圧酸浸出法 (HPAL) の適用の可能性を 現在 豪州 / アジア企業に打診中である 生産能力 50,000t / 年 稼動目標 2010 年 投資金額 10 億 US $ を見込む (3) 3 月 16 日 Tayan 化学用途アルミナ製造に関し 昭和電工 丸紅 STAR( シンガポール ) の 4 社 Sorowako Pomalaa で合弁事業契約に合意した (4) 8 月 26 日 FeNi Ⅲの補修工事の完了を宣言した FeNi Ⅲの稼働開始は 2007 年 1 月 29 日 メタルリーク事故は 6 月 18 日 (5) 9 月 11 日 Macquarie 社を PT Antam のプロジェクト パイプラインの財政アドバイザーとして選任し 今後の合弁事業 銅 金資産の買収などの助言を得ると公表した (6) 9 月 22 日 水力発電所から電力を調達しニッケル製造のため発電コストを 8 ~ 10% を削減すると発表した おわりに インドネシアにおけるサプライサイド分析の一環として 2 大ニッケル生産者である PT INCO の Sorowako 鉱山 PT Antam の Pomalaa 鉱山の現地調査を行った PT INCO は Saprolite 鉱石からニッケルマット (Ni 78% S 20%) を PT Antam はフェロニッケルを製造しており 異なる製品を生産している 両者にとって共通の課題は 低品位ラテライト鉱床の開発であり HPAL 技術を獲得し新たな資源を確保したいとしている Sorowako 鉱山は 2011 年 Karebbe 第 3 水力発電所の完成により電力問題を解消し 安定的に生産量を維持 拡大するものと期待される PT Antam は 2007 年 中国企業の旺盛な引き合いにより創設以来の経常利益を計上した PT Antam は インドネシア政府による付加価値化政策を踏まえ ニッケル資源の開発に当たっては製錬所の建設に前向きな事業者のみを戦略的パートナーと位置付け BHP Billiton はじめとする中国企業と事業提携の可能 金属資源 (224) 性を模索している 日本は 上記 2 社からニッケル総輸入量の 44% に当たるニッケルを輸入している PT INCO が 将来において日本に対するニッケルの供給者であり続けることは疑いの余地はない しかし PT Antam は 国営鉱山会社という性格から 今後の鉱業法案の審議の行方によっては インドネシアからニッケルを調達するためには 新たな企業戦略が求められる可能性がある 本金属を発行するに当たり Sorowako 鉱山 Pomalaa 鉱山を見学する貴重な機会をご提供頂き 採掘現場 ニッケルマット FeNi 製造施設等においてご説明を頂いた PT INCO PT Antam 関係者に深く感謝申し上げる (2008.5.19)