Microsoft Word - 01.表紙、要約、目次

Similar documents
日本国特許庁の国内出願の審査結果を利用した特許審査ハイウェイ ベトナム国家知的財産庁 (IP Viet Nam) と日本国特許庁 (JPO) との間の特許審査ハイウェイ試行プログラムに関するベトナム国家知的財産庁への申請手続 ( 仮訳 ) 日本国特許庁の国内出願の審査結果を利用した特許審査ハイウェイ

1 アルゼンチン産業財産権庁 (INPI) への特許審査ハイウェイ試行プログラム (PPH) 申請に 係る要件及び手続 Ⅰ. 背景 上記組織の代表者は

手続きガイドライン ( 日本語仮訳 ) ( ラオス関連特許出願に対する特許の付与円滑化に関する協力に基づく早期特許査定申請 ) 日本国特許庁 (JPO) により付与された特許を有する出願人は JPO での特許出願の審査結果を利用したラオス関連特許出願の 特許の付与円滑化に関する協力 ( 以下 CPG

欧州特許庁における審査期間短縮手段 背景欧州出願は 日本 米国と比較して係属期間が長い また 欧州出願では 登録まで出願維持年金を特許庁に支払う必要があり 係属期間が長くなると費用が高くなる そこで 早期権利化と 権利化にかかる費用の削減のために 欧州特許庁における審査期

2.2.2 外国語特許出願の場合 2.4(2) を参照 2.3 第 184 条の 5 第 1 項に規定された書面 (1) 日本語特許出願 外国語特許出願を問わず 国際特許出願の出願人は 国内書面提出期間 ( 注 ) 内に 出願人 発明者 国際出願番号等の事項を記載した書面 ( 以下この部において 国

出願人のための特許協力条約(PCT) -国際出願と優先権主張-

作成日 :2006 年 10 月 1 日 世界知的所有権機関 World Intellectual Property Organization (WIPO) 所在地 :34 chemin des Colombettes, 1211 GENEVE 20, Switzerland Tel : (41 2

PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 -MY MY 1 頁 マレーシア知的所有権公社 ( 指定官庁又は選択官庁 ) 目 次 国内段階 - 概要 国内段階の手続 附属書手数料 附属書 MY.Ⅰ 国内段階移行手数料 ( 特許様式 No.2A) 附属書 MY.Ⅱ 特許代理人の選任又は変更 ( 特

Microsoft Word - (仮訳)Procedures_to_file_a_request_to_the_IMPI_VERSION FINAL

PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 -SA S A 1 頁 サウジ特許庁 (SPO) ( 指定官庁又は選択官庁 ) 目 次 国内段階 - 概要 国内段階の手続 附属書手数料 附属書 SA.Ⅰ 略語のリスト国内官庁 : サウジ特許庁 (SPO) Law: 特許, 集積回路配置デザイン, 植

第1回 基本的な手続きの流れと期限について ☆インド特許法の基礎☆

<4D F736F F D E90528DB88AEE8F8095F18D908F915B8FA D25D62>

PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 -AL AL 1 頁 工業所有権総局 (GDIP) ( アルバニア ) ( 指定官庁又は選択官庁 ) 目 次 国内段階 - 概要 国内段階の手続 附属書手数料 附属書 AL.Ⅰ 委任状 附属書 AL.Ⅱ 略語のリスト国内官庁 : 工業所有権総局 (GD

Microsoft Word - 01第17版Part1-表紙.doc

調査報告書 ~ASEAN 各国における産業財産権権利化に係る費用及び期間 ~ 第 1 はじめに本報告書は 独立行政法人日本貿易振興機構バンコク事務所 ( 以下 貴機構 という ) の委託を受けて 弊事務所が行ったインドネシア マレーシア フィリピン シンガポール タイ及びベトナムにおける産業財産権の

i


Wide Scanner TWAIN Source ユーザーズガイド

特許制度 1. 現行法令について 2001 年 8 月 1 日施行 ( 法律 14/2001 号 ) の2001 年改正特許法が適用されています 2. 特許出願時の必要書類 (1) 願書 (Request) 出願人の名称 発明者の氏名 現地代理人の氏名 優先権主張の場合にはその情報等を記載します 現

Ⅰ. はじめに 近年 企業のグローバル化や事業形態の多様化にともない 企業では事業戦略上 知的財産を群として取得し活用することが重要になってきています このような状況において 各企業の事業戦略を支援していくためには 1 事業に関連した広範な出願群を対象とした審査 2 事業展開に合わせたタイミングでの

INFOPRO2017ishikawa

目次 < 共通情報 > 1. 加盟している産業財産権関連の条約 2. 特許審査ハイウェイ実施状況 3. 現地代理人の必要性有無 4. 現地の代理人団体の有無 5. 出願言語 6. その他関係団体 7. 特許情報へのアクセス < 特許制度 > 1. 現行法令について 2. 特許出願時の必要書類 3.

指定 ( 又は選択 ) 官庁 PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 - ベトナム国家知的所有権庁 (NOIP) 国内段階に入るための要件の概要 3 頁概要 国内段階に入るための期間 PCT 第 22 条 (3) に基づく期間 : 優先日から 31 箇月 PCT 第 39 条 (1)(b)

目次 < 共通情報 > 1. 加盟している産業財産権関連の条約 2. 特許審査ハイウェイ実施状況 3. 現地代理人の必要性有無 4. 現地の代理人団体の有無 5. 出願言語 6. その他関係団体 7. 特許情報へのアクセス < 特許制度 > 1. 現行法令について 2. 特許出願時の必要書類 3.

実体審査における審査官面接に関して GPE には面接における協議の方法 時期および内容など 詳細な要件が定められている 例えば GPE には 最初のオフィスアクションの応答書が出願人により提出された後 審査官は当該出願の審査を継続しなければならない と規定されている (GPE 第 II 部第 2 章

Microsoft Word - 【6.5.4】特許スコア情報の活用

第 32 回 1 級 ( 特許専門業務 ) 実技試験 一般財団法人知的財産研究教育財団知的財産教育協会 ( はじめに ) すべての問題文の条件設定において, 特に断りのない限り, 他に特殊な事情がないものとします また, 各問題の選択枝における条件設定は独立したものと考え, 同一問題内における他の選

作成日 :2017 年 10 月 21 日 インドネシア共和国 Republic of Indonesia 特許庁の所在地 : Directorate General of Intellectual Property (DGIP) Ministry of Law and Human Rights J

目次 1. はじめに 2. 出願前 3.PCT 国際出願 4. 国際調査 5. 国際予備審査 6. 国内段階移行 7. まとめ Creating IP Vision for the World

平成 28 年度特許庁産業財産権制度各国比較調査研究等事業 五大特許庁及びその他主要知財庁における 特許出願から特許査定までの期間の現状と実態 に関する調査報告書 平成 29 年 3 月 一般社団法人日本国際知的財産保護協会 AIPPI JAPAN



生活設計レジメ

44 4 I (1) ( ) (10 15 ) ( 17 ) ( 3 1 ) (2)

I II III 28 29



第41回 アクセプタンス期間と聴聞手続(2016年版) ☆インド特許法の基礎☆

ことができる 1. 特許主務官庁に出頭して面接に応じる と規定している さらに 台湾専利法第 76 条は 特許主務官庁は 無効審判を審理する際 請求によりまたは職権で 期限を指定して次の各号の事項を行うよう特許権者に通知することができる 1. 特許主務官庁に出頭して面接に応じる と規定している なお

目次 < 共通情報 > 1. 加盟している産業財産権関連の条約 2. 現地代理人の必要性有無 3. 現地の代理人団体の有無 4. 出願言語 5. その他関係団体 6. 特許情報へのアクセス < 特許制度 > 1. 現行法令について 2. 特許出願時の必要書類 3. 料金表 4. 料金減免制度について

178 5 I 1 ( ) ( ) ( ) ( ) (1) ( 2 )

<4D F736F F F696E74202D E82C582E08F6F978882E98AC F82C582CC93C18B968C9F8DF595FB B8CDD8AB B83685D>

目次 < 共通情報 > 1. 加盟している産業財産権関連の条約 2. 特許審査ハイウェイ実施状況 3. 現地代理人の必要性有無 4. 現地の代理人団体の有無 5. 出願言語 6. その他関係団体 7. 特許情報へのアクセス方法 < 特許制度 > 1. 現行法令について 2. 特許出願時の必要書類 3

<4D F736F F D E90528DB88AEE8F8095F18D908F915B8FA D25D62>

目次 アンケート回答者属性 企業向けアンケート 弁理士向けアンケートの回答者属性 P2 1. 標準化 1-1 企業 P3 1-2 弁理士 P7 2. データの取扱い 2-1 企業 P 弁理士 P14 本調査研究の請負先 : 株式会社サンビジネス 1

特許出願の審査過程で 審査官が出願人と連絡を取る必要があると考えた場合 審査官は出願人との非公式な通信を行うことができる 審査官が非公式な通信を行う時期は 見解書が発行される前または見解書に対する応答書が提出された後のいずれかである 審査官からの通信に対して出願人が応答する場合の応答期間は通常 1

目次 1. 現行法令について 2. 特許審査ハイウェイ実施状況 3. 加盟国について 4. 現地代理人の必要性有無 5. 出願言語 6. 特許出願時の必要書類 7. 料金表 8. 料金減免制度について 9. 実体審査の有無 10. 出願公開制度の有無 11. 審査請求制度の有無 12. 出願から登録

平成 27 年度特許庁産業財産権制度問題調査研究報告書 商標制度におけるコンセント制度についての 調査研究報告書 平成 28 年 2 月 株式会社サンビジネス

目次 < 共通情報 > 1. 加盟している産業財産権関連の条約 2. 特許審査ハイウェイ実施状況 3. 現地代理人の必要性有無 4. 現地の代理人団体の有無 5. 出願言語 6. その他関係団体 7. 特許情報へのアクセス < 特許制度 > 1. 現行法令について 2. 特許出願時の必要書類 3.

指定 ( 又は選択 ) 官庁 CL PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 -CL 国立工業所有権機関 ( チリ ) 国内段階に入るための要件の概要 3 頁概要 CL 国内段階に入るための期間 PCT 第 22 条 (1) に基づく期間 : 優先日から 30 箇月 PCT 第 39 条 (1

ii

1. 特許法条約及び商標法に関するシンガポール条約とは 特許法条約 (PLT) 及び商標法に関するシンガポール条約 (STLT) は 各国で異なる国内出願手続の統一化及び簡素化に関する条約である 近年 出願件数が多い欧米諸国の加入が進んでおり 両条約の締約国は PLT が 36 か国 STLT が

審査の品質管理において取り組むべき事項 ( 平成 27 年度 ) 平成 27 年 4 月 28 日 特許庁 特許 Ⅰ. 質の高い審査を実現するための方針 手続 体制の整備 審査の質を向上させるためには 審査体制の充実が欠かせません そこで 審査の効率性を考慮しつつ 主要国と遜色のない審査実施体制の確

untitled

i

AccessflÌfl—−ÇŠš1

PCT ニュースレター

2

PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 -RU RU 1 頁 連邦知的所有権行政局 (ROSPATENT)( ロシア連邦 ) ( 指定官庁又は選択官庁 ) 目 次 国内段階 - 概要 国内段階の手続 附属書手数料 附属書 RU.Ⅰ 特許国内処理請求様式 附属書 RU.Ⅱ 実用新案国内処理請求


指定 ( 又は選択 ) 官庁 PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 - ドイツ特許商標庁 国内段階に入るための要件の概要 3 頁概要 国内段階に入るための期間 PCT 第 22 条 (1) に基づく期間 : 優先日から 30 箇月 PCT 第 39 条 (1)(a) に基づく期間 : 優先

第5回 特許出願(2) ☆インド特許法の基礎☆

目次 < 共通情報 > 1. 加盟している産業財産権関連の条約 2. 特許審査ハイウェイ実施状況 3. 現地代理人の必要性有無 4. 現地の代理人団体の有無 ( 存在する場合は連絡先も含む ) 5. 出願言語 6. その他関係団体 ( 連絡先 ) 7. 特許情報へのアクセス方法 < 特許制度 > 1

86 7 I ( 13 ) II ( )


入門ガイド

Microsoft Word - 10_資料1_コンピュータソフトウエア関連発明に関する審査基準等の点検又は改訂のポイントについてv08

欧州特許機構 38 か国のヨーロッパ加盟国ベルギー ドイツ フランス ルクセンブルグ オランダ スイス イギリス スウェーデン イタリア オーストリア リヒテンシュタイン ギリシャ スペイン デンマーク モナコ ポルトガル アイルランド フィンランド キプロス トルコ ブルガリア チェコ エストニア

<4D F736F F F696E74202D C835B B E B8CDD8AB B83685D>

第1部 一般的コメント

SC-85X2取説


各国の特許制度の比較に基づき日本の特許制度・実用新案制度の改正・改良へ向けて検討すべき事項

各国特許審査に関する情報の一括提供サービス ( ワン ポータル ドシエ (OPD) 照会 ) グローバルな IT システム連携によるユーザーサービスの実現 Global Dossier Information Reference Service for the Public Users 特許庁総務部

untitled

表1票4.qx4

福祉行財政と福祉計画[第3版]

目次 < 共通情報 > 1. 加盟している産業財産権関連の条約 2. 現地代理人の必要性有無 3. 現地の代理人団体の有無 4. 出願言語 5. その他関係団体 ( 連絡先 ) 6. 特許情報へのアクセス < 特許制度 > 1. 現行法令について 2. 特許出願時の必要書類 3. 料金表 4. 料金

第1章 国民年金における無年金

untitled

目次 < 共通情報 > 1. 加盟している産業財産権関連条約 2. 特許審査ハイウェイ実施状況 3. 現地代理人の必要性有無 4. 現地の代理人団体の有無 ( 存在する場合は連絡先も含む ) 5. 出願言語 6. その他関係団体 ( 連絡先 ) 7. 特許情報へのアクセス < 特許制度 > 1. 現

間延長をしますので 拒絶査定謄本送達日から 4 月 が審判請求期間となります ( 審判便覧 の 2.(2) ア ) 職権による延長ですので 期間延長請求書等の提出は不要です 2. 補正について 明細書等の補正 ( 特許 ) Q2-1: 特許の拒絶査定不服審判請求時における明細書等の補正は

資料 4 平成 26 年度特許庁実施庁目標 参考資料 2014 年 3 月 28 日

インド知的財産ニュースレター第 号 インド知的財産ニュースレター 第 号 2016 年 5 月 18 日 特許規則 2016 年改正 発行者株式会社サンガム IP 東京都千代田区永田町 アイオス永田町 415

なって審査の諸側面の検討や評価が行われ 関係者による面接が開始されることも ある ベトナム知的財産法に 特許審査官と出願人またはその特許代理人 ( 弁理士 ) の間で行われる面接を直接定めた条文は存在しない しかしながら 審査官は 対象となる発明の性質を理解し 保護の対象を特定するために面接を設定す

ウルグアイ東方共和国 (UY) ORIENTAL REPUBLIC OF URUGUAY ウルグアイの概要 : ウルグアイは 南米大陸の大西洋側に位置しブラジル及びアルゼンチンと国境を接しております ウルグアイの総面積は 約 17.6 万 k m2で人口は約 343 万人 首都はモンデビデオにありま

平成 29 年度 新興国等における知的財産 関連情報の調査 タイにおける微生物寄託に係る実務 Tilleke & Gibbins(Thailand) Titikaan Ungbhakorn ( 弁護士および特許弁理士 ) Tilleke & Gibbins は 1890 年に設立された東南アジアを代

橡ミュラー列伝Ⅰ.PDF

目次 共通情報 1. 加盟している産業財産権関連の条約 2. 特許審査ハイウェイ実施状況 3. 現地代理人の必要性有無 4. 現地の代理人団体の有無 ( 存在する場合は連絡先も含む ) 5. 出願言語 6. その他関係団体 ( 連絡先 ) 7. 特許情報へのアクセス方法 特許制度 1. 現行法令につ

o 2o 3o 3 1. I o 3. 1o 2o 31. I 3o PDF Adobe Reader 4o 2 1o I 2o 3o 4o 5o 6o 7o 2197/ o 1o 1 1o


II III I ~ 2 ~

中堅中小企業向け秘密保持マニュアル


PR映画-1

- 2 -


1 (1) (2)

1. データベースへのアクセス トルコ特許を収録したデータベースとしては 無料のものとして下記のような情報源が存在する このミニガイドでは原則無料 かつ数年間にわたり安定運用されているトルコ特許庁のデータベースと Espacenet の検索方法を紹介する * トルコ特許制度の詳細については 世界の産

O-27567

Transcription:

平成 26 年度特許庁産業財産権制度各国比較調査研究等事業 海外での早期権利取得を支援する特許審査の運用 に関する調査研究報告書 平成 27 年 3 月 一般社団法人日本国際知的財産保護協会 AIPPI JAPAN

フィリピン (1) 利用可能な PPH の種類フィリピンは グローバル PPH に未参加である JPO の成果物を利用して 以下の PPH を申請することができる 通常型 PPH PCT-PPH 51 (2)PPH の申請要件 通常型 PPH (i) 当該出願 (PCT 出願の国内移行出願も含む ) が (A) 日本出願に基づいて正当なパリ条約に基づく優先権を主張している出願で あること (B) 優先権主張を伴わない PCT 出願の国内移行出願であること (C) 優先権主張を伴わない PCT 出願に基づいて正当なパリ条約に基づく優先 権を主張している出願であること (ii) 対応する日本出願が存在し すでに特許可能と判断された一又は複数の請求項 を有すること (iii)pph に基づく審査を申請する当該出願のすべての請求項が 対応する日本出 願の特許可能と判断された一又は複数の請求項と十分に対応しているか 十分に 対応するように補正されていること (iv) フィリピン知的財産庁 (IPOPHL) において出願の審査が行われていないこと PCT-PPH (i) 当該出願に対応する国際出願の国際段階における成果物 すなわち国際調査機関が作成した見解書 (WO/ISA) 国際予備審査機関が作成した見解書 (WO/ IPEA) 及び国際予備審査報告 (IPER) のうち 最新に発行されたものにおいて特許性 ( 新規性 進歩性 産業上の利用可能性のいずれも ) 有り と示された請求項が少なくとも 1つ存在すること (ii) 当該出願と対応する国際出願とは下記のいずれかの関係を満たすこと (A) 当該出願は 対応する国際出願の国内段階である (B) 当該出願は 対応する国際出願のパリ条約に基づく優先権主張の基礎となっている (C) 当該出願は 対応する国際出願をパリ条約に基づく優先権主張の基礎とする国際出願の国内段階である 51 特許庁 フィリピン知的財産庁 (IPOPHL) と日本国特許庁 (JPO) との間の特許審査ハイウェイ試行プログラムに関するフィリピン知的財産庁への申請手続 ( 仮訳 ) http://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/pdf/japan_philippine_highway/ipophil_ja_pph.pdf ( 最終アクセス日 :2015 年 3 月 9 日 ) - 239 -

(D) 当該出願は 対応する国際出願を国内優先権主張又はパリ条約に基づく優先権主張の基礎とする国内出願である (E) 当該出願は 上記 (A)~(D) のいずれかを満たす出願の派生出願 ( 分割出願 国内優先権を主張する出願等 ) である (iii)pct-pph に基づく審査がなされるすべての請求項が 対応する国際出願の最新国際成果物で特許可能と判断された一又は複数の請求項と十分に対応しているか 十分に対応するように補正されていること (iv)ipophl において出願の審査が行われていないこと 52 (3) 申請書類 通常 PPH (i) 対応する日本出願に対して JPO から出された ( 日本国特許庁における特許性の 実体審査に関連する ) すべてのオフィスアクションの写し 及びその翻訳文 (ii) 対応する日本出願の特許可能と判断されたすべての請求項の写し 及びその翻 訳文 (iii)jpo の審査官が引用した引用文献の写し (iv) 当該出願のすべての請求項と対応する日本出願の特許可能と判断された請求項 との関係を示す請求項対応表 PCT-PPH (i) 特許性有りとの判断が記載された最新国際成果物の写しとそれが英語でない場合にはフィリピン語又は英語によるその翻訳文 (ii) 対応する国際出願の最新国際成果物で特許性有りと示された請求項の写しとそれが英語でない場合にはフィリピン語又は英語によるその翻訳文 (iii) 対応する国際出願の最新国際成果物で引用された文献の写し (iv) 当該出願の全ての請求項と 特許性有りと示された請求項とが十分に対応していることを示す請求項対応表 (4)PPH 申請 申請後の取扱い 53 PPH を申請する場合には 出願人は IPOPHL に申請様式を提出する 関連する書類の 提出を含む所定手続を行うことで早期審査を申請することができる (5)PPH の利用件数 JPO の成果物を利用してフィリピンで申請された PPH の申請件数は 2014 年 6 月末 時点において 通常型 PPH は累計 0 件 PCT-PPH が累計 36 件であった 54 52 前掲注 51 参照 53 前掲注 51 参照 54 JPO PPH Portal Site http://www.jpo.go.jp/ppph-portal/statistics.htm ( 最終アクセス日 :2015 年 3 月 9 日 ) - 240 -

(6) 統計情報フィリピンで PPH を利用した案件の特許率 (%) 拒絶理由なしでの特許率 (%) PPH 申請からファーストアクションまでの平均期間 ( 月 ) PPH 申請から査定までの平均期間 ( 月 ) オフィスアクションの平均発行回数 ( 回 ) 等について IPOPHL は公表をしていない (7) 国内ユーザーの PPH の利用について (i)pph の利用目的フィリピンでの PPH の利用目的を調査した 国内ユーザーへ行ったアンケートによれば フィリピンで PPH を利用する理由は 回答者 5 者中 4 者 (80%) が 早期審査をしたかったから を選択し 3 者 (60%) が 特許査定率を向上させたかったから を選択し 1 者 (20%) が 拒絶対応費用の削減をしたかったから を選択した ( 図 III-3-PH-1) 費用の削減を目的にしている回答者が少ないのが特徴的である 早期審査をしたかったから 特許査定率を向上させたかったから 3 (60.0%) 4 (80.0%) 拒絶対応等の費用の削減をしたかったから 1 (20.0%) 代理人 ( 特許事務所等 ) に勧められたから 0.0% その他 1 (20.0%) 図 III-3-PH-1 フィリピンで PPH を利用する目的 (N=5 無回答 =216) (ii)pph の利用に伴う新たな負担フィリピンで PPH の申請をする場合 通常の案件 (PPH を利用しない場合 ) と比べて新たに負担となる点が何なのかを調査したところ 1 者から 申請書類の作成 という回答が得られた (iii)pph の利用で困った事例フィリピンで PPH を利用した際の困った事例について調査した 通常型 PPH PCT-PPH ともに 1 者から回答が得られ いずれも 特に困ったことない という回答であった JPO の成果物を利用したフィリピンでの PPH の申請は 件数自体がまだ少なく 困った実例は少ないと考えられる (iv)pph の費用対効果 回答がなかったため 費用対効果については検討ができなかった - 241 -

(v) 国内ユーザーによる統計情報通常型 PPH 及び PCT-PPH について ファーストアクションまでの期間 査定までの期間 オフィスアクションの回数 特許率の平均値について調査した PPH ポータルサイトには統計情報があるが 本調査研究においては 国内ユーザーに対して行ったアンケート調査の結果を述べる ただし フィリピンの実績については 1 者のみからの回答であった また PCT-PPH の実績についての回答はなかった ファーストアクションまでの期間は 1 か月以内 査定までの期間は 1 か月以内 オフィスアクションの回数は 0 回 特許率は 90% 以上 という回答であった (vi) 他の早期審査制度の利用 PPH 以外に利用している早期審査制度の有無と 利用している場合はその目的や PPH との使い分けについて調査した アンケートでは ASPEC(ASEAN Patent Examination Co-operation) プログラムの利用をしたという回答者が 2 者あった しかし 申請をしたことはあるが それほど早くない ( 電気機械製造業 ) という指摘もあった (8) 総括 以上の結果を踏まえてフィリピンにおける PPH の利用に関する調査の総括をする 国内ユーザーは PPH のメリットである早期審査や特許率の向上を目的に PPH を利用している PPH の利用で困った事例は特に挙げられなかった PPH の改善要望も聞かれなかった JPO の成果物を利用したフィリピンでの PPH の申請は 件数自体がまだ少なく 実例は多くない 表 III-3-PH-1 に PPH ポータルサイトに公開されている統計情報と本調査研究で試算した参考値を示す 表 III-3-PH-1 米国における PPH の統計情報 ( 括弧内の数字は 本調査研究で試算した参考値である ) PPH を利用した案件 通常型 PPH PCT-PPH 全案件 特許率 (%) (95) - - 拒絶理由なしでの特許率 (%) - - - PPH 申請からファーストアクション までの平均期間 ( 月 ) (0.5) - - PPH 申請から査定までの平均期間 ( 月 ) (0.5) - - オフィスアクションの平均発行回数 ( 回 ) (0) - - - 242 -

フィリピン 国内ユーザー 海外法律事務所 ( 回答者 5 者 ) PPH を利用 した理由 場面 早期審査をしたかったから :4 者 (80.0%) 特許査定率を向上させたかったから :3 者 (60.0%) 拒絶対応費用の削減をしたかったから :1 者 (20.0%) PPH の 申請 運用等で困った事例改善要望 困った事例は挙げられなかった 改善要望は挙げられなかった 統計情報を示す 括弧内の数字は本調査研究で試算した参考値である PPH を利用した案件 通常型 PPH PCT-PPH 全案件 特許率 (%) (95) - - PPH の効果 拒絶理由なしでの特許率 (%) - - - PPH 申請からファーストアクションまでの 平均期間 ( 月 ) (0.5) - - PPH 申請から査定までの平均期間 ( 月 ) (0.5) - - オフィスアクションの平均発行回数 ( 回 ) (0) - - - 285 -