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TPP11 協定 (CPTPP) の概要目次 協定の発効要件 税率差 : 国別譲許における税率適用国決定ルール 国別セーフガード その他 国別関税割当 牛肉の適用税率 ( 日豪 EPA 税率との比較 ) 輸入後のTPP 特恵税率の要求 環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定 Comp

原産地証明書の種類と内容 内容 用途 根拠協定 / 法律など 一般原産地証明書 原産地証明書発給の要請 : (1) 輸入国の法律 規則に基づく要請 (2) 契約や信用状の指定ただし 記載事項はあくまで発給機関の定める発給規則に基づいて作成される 契約および L/C 条件が発給規則に矛盾しないように注

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目次 1. はじめに 2. 原産地基準 3. 原産地証明制度 4. 税関での手続き 本パンフレットは 税関での適正な手続きを行っていただくために 原産地規則についての基礎的な理解を深めていただくことを目的として作成したものです 理解しやすさの観点から 法令の用語と異なる用語を使用した部分 全てのEP

ドーハ ラウンド交渉の一分野である貿易円滑化については 平成 26 年 11 月のWTO 一般理事会において 貿易円滑化協定に関する改正議定書 が採択され 今後 3 分の2 以上の加盟国が受諾した時点で本協定は発効することになりました 各 WTO 加盟国がこの協定を実施することにより 貿易規則の透明

The Sanwa Bank Limited

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政策目標 5-2: 多角的自由貿易体制の維持 強化及び経済連携の推進並びに税関分野における貿易円滑化の推進 1. 政策目標の内容自由貿易の推進は我が国の対外経済政策の柱であり 力強い経済成長を実現するためには 自由貿易体制を強化し 諸外国の活力を我が国の成長に取り込む必要があるというのが 政府全体と

税関発給コードとは 税関発給コードには 上記の 税関輸出入者コード の他 貨物の仕出人又は仕向人を識別するための 仕出人 仕向人コード があり 以下のような 12 桁の体系になっています コードの体系 桁目 : 識別符号税関輸出入者コード= 数字 仕

関西 EPA 研究会 ( 仮称 ) 参加のご案内 2 国間から TPP まで - アジアの EPA/FTA を総合的に 2011 年 1 月 主催 : 関西地区 16 商工会議所 拝啓時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます ご高承の通り わが国の経済連携協定 (EPA) は シンガポール (2

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1.EPA の輸出創出効果と課題 (1) 日本の EPA の現状 分類 EPA 締約国 地域 ( 発効月 ) 発効済み (13 協定 ) 交渉中 (10 協定 ) 2002 年シンガポール (11 月 ) 2005 年メキシコ (4 月 ) 2006 年マレーシア (7 月 ) 2007 年チリ (

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メキシコの投資環境 輸出規制メキシコにおいては 石油化学製品派生品を輸出する際に輸出事前許可が必要である 経済省貿易細則 判断基準の細則 同添付 において 経済省管轄の輸出規制品目について定められている 図表 16-2 輸出時にメキシコ経済省からの事前許可が必要な品目 分類

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Ⅵ 新NSSの提供について Ⅵ-1 新NSSの提供等について 1 NSSの更改 現在 NACCSの利用契約に係る各種申込み手続き等は NACCSサポートシステム 以下 NSS という を ご利用いただいていますが 第6次NACCSの更改にあわせて 現在ご利用いただいているNSS 以下 現行NSS と

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1 アンチ ダンピング措置の新規調査開始件数の推移 AD 調査開始件数は 1 貿易自由化が進展した時と 2 景気後退の時に増加する傾向がある 世界金融危機時に増加した後しばらく下降傾向であったが 近年は再び増加傾向 世界的には 2 日に 1 件以上の割合で調査が開始されている

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1 関税法上の用語の定義 輸入 外国貨物を本邦に引き取ること輸出 内国貨物を外国に向けて送り出すこと 外国貨物 1 輸出の許可を受けた貨物 2 外国から本邦に到着した貨物 ( 外国の船舶により公海で採捕された水産物を含む ) で輸入が許可される前のもの内国貨物 1 本邦にある貨物で外国貨物でないもの

税品 という ) を含む ) については AWB 等単位での管理から在庫管理への移行及び積込手 続までシステムを使用して行うことができる (3) 外貨航空機部品外貨航空機部品については 貨物情報がシステムに登録されている期間において AWB 等単位での管理によるものとする ( 外国貨物のまま在庫管理

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別紙 1 環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律の一部を改正する法律案による主な改正内容 TPP 整備法の現状 整備対象となる11 本の法律のうち GI 法の改正 : 施行済他 10 本の法律の改正 : 未施行 ( 施行期日は環太平洋パートナーシップ協定 (TPP12 協

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利用状況から見えてくるEPAにおける今後の課題

第 3 関税割当証明書交付の担当課農林水産省大臣官房国際部国際経済課第 4 関税割当申請書の提出期間及び提出時間 1 提出期間 ( 行政機関の休日を除く ) 次に掲げる期間とする (1) 平成 31 年 1 月 7 日 ( 月 ) から同年 2 月 6 日 ( 水 ) までを次の2 回に分けて行う

原産地規則説明会資料平成 30 年 3 月 経済連携協定 (EPA) に係る 原産地規則の概要 - 輸入食品を中心に - 東京税関業務部総括原産地調査官

2017 年訪日外客数 ( 総数 ) 出典 : 日本政府観光局 (JNTO) 総数 2,295, ,035, ,205, ,578, ,294, ,346, ,681, ,477

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1. 関税法違反等の状況覚醒剤の国内押収量全体に占める密輸押収量の割合 ( 平成 20~24 年累計 ) 関税法違反事件輸入事後調査実績 1,900kg 密輸押収量分 96% ( 注 )1. 密輸押収量には 税関が摘発した密輸事件に係る押収量の他 警察等他機関が摘発した事件で税関が当該事件に関与した

EPA に基づく原産地証明書とは 日本はこれまでに複数の国や地域と経済連携協定 (EPA:Economic Partnership Agreement 以下 EPA と 記載します ) を締結しています EPA を活用すると 日本から EPA 締約相手国に輸出をする際 通常の関税率よりも低い関税率

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Ⅸ 第19回 Ⅳ-6-他 旅客氏名表情報及び乗組員氏名表情報の区分の改善 1 現 行 通信回線経由で提出されたPL CL情報の区分の判定は 最初の到着地空港 のみで行っている PLR NLRの区分の判定方法は次のとおり ①区分 ②提出先空港 ③最初の出発地空港 ④他国からの ⑤最初の ⑥経由地空港

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本日の説明事項 1. 特恵税率とは? 2. 原産地規則とは? 3. 積送基準 4. 税関における手続 2

申告 申請等の作成申告 申請等とは 1 件の申告あるいは申請 届出として提出する帳票と添付書類一式をまとめる入れ物のようなものです 送信時は この一式が一つの単位となります また 一つの利用者ファイルに対し 複数の申告 申請等を作成することができます 6-1 申告 申請等を作成する 基本情報の登録申

本マニュアルについて EPA( 経済連携協定 ) は 2018 年 6 月現在 15 個の協定が発効しており 今後も増える見込みです これらのEPA 原産地規則はそれぞれ 協定本文 附属書 運用上の手続規則等に加え 関連する国内法 政令及び基本通達等から成り立っており 業務に当たっては それぞれの該


第 4 章地域経済統合への道筋 経済分析を中心に 第 章地域経済統合への 経済分析を中心に 一. はじめに日本は 2010 年ごろから TPP( 環太平洋戦略的経済連携協定 ) への参加を検討しはじめ それを契機として TPP に関する国民的な議論も拡大していった 2013 年 7 月には正式に交渉

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の権利 包摂的な貿易 持続可能な開発並びに伝統的な知識を促進することの重要性並びに公共の利益のために締約国が規制を行う権利を有することの重要性を再確認すること並びに他の国又は独立の関税地域のこの協定への加入を歓迎することを決意して 次のとおり協定した 第一条環太平洋パートナーシップ協定の組込み1締約

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2. 両協定の主な内容両協定締結後は 貨物やサービス貿易における更なる開放 優遇措置のほか 投資 政府調達 知的財産権 人の移動 ビジネス環境整備など 幅広い範囲での提携により 締約国間の貿易 投資の往来が従来より円滑に進むことが見込まれる (1) AHKFTA 貨物貿易香港 ASEAN 間の貨物貿

本日の内容 FTA/EPAとは 世界のFTA/EPAの動き原産地規則の概要 FTA/EPAの活用動向 事例ジェトロ事業 サービスの紹介

5021. 輸入申告等照会 業務コード IID (IID0W) 業務名 輸入申告等照会

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< 目次 > 概要 1 1. 香港 2. 台湾 3. 韓国 4. 中国 5. シンガポール 6. マレーシア 7. ブルネイ 8. インドネシア 9. タイ 10. ベトナム ミャンマー 12. フィリピン 13. インド 14. 中

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マレーシア 輸入申告書 (Custom Form No.1 FOB が RM20,000 を超える場合は Custom Form No. 1A ) インボイス パッキングリスト 輸入許可証 ( 必要な品目の場合 ) 船荷証券 (B/L) または Air Way Bill (AWB) 適用除外のレター

1. 業務概要コンテナ船又は在来船 自動車船への輸出貨物の船積みに際し 船荷証券 (B/L) の作成に必要な情報 ( 以下 ACL 情報 という ) を 船積確認登録 (CCL) 業務に先立って ブッキング番号単位に登録及び通知を行う なお 本船への輸出貨物の船積みに際し 関税法第 16 条第 2

中小企業活性化推進モニター平成 27 年度第 2 回調査結果報告について 1 調査目的 マイナンバー制度について TPP( 環太平洋パートナーシップ ) 協定について 中小企業活性化推進モニター を活用した調査を実施し 今後の産業振興 中小企業活性化施策の方向性等に役立てる 2 実施方法 調査票の郵

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ASEAN との経済関係が再び強まる韓国 ASEAN ASEAN ASEAN ASEAN ASEAN1 16 RCEP 1. ほぼピークに達した対中輸出依存度 (1) 上昇傾向にある対 ASEAN 輸出依存度 ASEAN 2 WTO 21 RIM 213 Vol.13 No.49

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FTA・EPAアドバイザリー

申請ソフトの起動 申請ソフトを起動して ファイル 申請書の新規作成 を選択 様式から C04 を選択し 了解 クリック ( 参考 1) FD 申請ソフトでの申請書鑑の打出しは 印字されない空欄箇所がありますので 別途 書面による鑑の作成が必要です その方法は FD 申請ソフトの入力手順の次 (P14

韓国: FTA 国内対策

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輸出許可一般的な輸出申告による輸出通関 搬出許可概 要 輸出通関における保税搬入原則の見直しが施行されました - お知らせ - 輸出通関における保税搬入原則の見直しについては 当該見直しを盛り込んだ関税改正法が平成 23 年 3 月 31 日に成立し 同年 10 月 1 日より施行されました これに

Transcription:

第 20 回輸出入通関合同 WG 資料 4 Ⅳ 原産地証明書識別の 4 桁化 平成 27 年 11 月 13 日 輸出入 港湾関連情報処理センター株式会社

1. 第 18 回 / 第 19 回 WG における意見等報告 意見 要望等検討内容 ( 回答 ) 原産地証明書識別の 4 桁化について 通関業界から見直しを要望する意見が多いにも係らず 対応しない としたことについて 具体的な理由を説明頂きたい 原産地証明書識別については 提案どおり進めるのでご理解いただきたい とのことだが 実際に入力業務を行う通関業者と合意形成されておらず 議論の継続が必要である コードを間違えることによって 第三者証明機関からの原産地証明書があるにも係らず適用可能な税率が適用されないというケースが現状でもある 次期では コードが細分化されることによって ケアレスミスの可能性が現状以上に増えることを危惧している 例えば 原産地種別欄の国ごとに EPA の種類を分ける必要があるのか疑問である その前の項目に原産国コード欄があるにも関わらず 4 桁のコードにも国コードが含まれているものがある もう少し簡略化することはできないかご検討いただきたい (WG 後の意見 )( 航空通関 物流等 WG 委員 ) 現状の 1 桁から 4 桁に増やす必要があるのか再検討をお願いしたい 第 18 回 WG における意見報告を確認したが 2 桁の原産地符号の後に 2 桁の原産地種別符号がはいる並びになっているが この原産地種別符号は不要に思われる 現在締結済みの協定に加えて 7 つの経済連携協定の交渉を進めているところであり 今後も協定数が増加することが予想されるため 近い将来 現行の 1 桁による原産地証明書識別コードが枯渇することは確実な状況です 特に先月大筋合意に至った 環太平洋パートナーシップ協定 (TPP) については どの TPP 締約国から輸入されるかによって適用税率が異なる場合があるため 11 か国それぞれにコードを割り当てる必要があります 以上のことから 当該コードの桁数に関しては 2 桁以上とすることは必至であると考えています なお TPP においては貿易統計上の原産国と税率を適用する国が異なる場合もあり 適用税率について従来のように マルチ協定 (TPP) であること と 原産国コード だけでは判別できないため 頭 2 桁の原産地 ( 申告 ) 種別に関しては 明確に TPP 協定のどの国の税率を使うといった意思表示が必須となります 仮にコードを 2 桁とし現行のコード体系と同じ考えで番号を割り当てる場合には 3 桁目の原産地証明者等区分や 4 桁目の貨物の種類をなくした分が 2 桁のコードへの乗数で増加することとなり コード体系は現行以上に分かりにくいものになり 更なる入力ミスが起きると考えられます 従いまして システム更改のタイミングで 原産地証明書識別コードの桁数を拡大するとともに コード体系を見直すことが最善と考えており 記事欄への入力等による煩雑さ 誤入力防止の観点から 現在の提案とさせていただいていることにご理解をいただきたい ( 意見 )( 関係団体 )( 海上通関 物流等 WG 委員 ) 原産地証明書識別 4 桁の入力方法に関して 個々の入力欄をプルダウンメニューとすることは可能か ( コード一覧表を確認しなくて済む ) (WG 後の意見 )( 関係団体 )( 海上通関 物流等 WG 委員 ) 原産地証明書識別 4 桁の入力方法に関しては 入力時間の短縮 誤入力を回避する目的から 各コードの説明を短くした上でプルダウンメニューとしていただきたい パッケージソフトに関するご要望について プルダウン内の各コードの説明等が長くなってしまうことから 事項登録の画面上にプルダウンメニューを設けることは困難です ( 意見 )( 海上通関 物流等 WG 委員 ) 原産地種別と原産地証明書識別による桁数増加による誤入力は 結果的に非違 原産地証明書が使えないといった危険性がある エラーチェック等何らかの対応をお願いしたい 入力されたコードの組合せチェックを行い 存在しない組合せについては エラーとする仕様で検討しております 原産地証明書識別について 1 入力に伴う選択項目が多く 判断に要する時間が非常に多くなる 2 入力を誤った場合には 協定税率などの適用も出来なくなる項目として処理がされている為 通関業者にかかるリスクが非常に高い 3 項目変更のあり方そのものを再度検討していただきたい 123 従来の提案どおり原産地証明書識別については 4 桁といたします 1

2. 現行における原産地証明書識別のコード体系 貨物の種類 入力条件 原産地証明書の種類等 有 / 無 添付書類の種類 有 / 無 特恵用 入力可能なコード 自由貿易協定用 バイ協定用 マルチ協定用 協定用等 原産地証明 自国関与品 特恵用原産地証明書 累積加工製造証明書 A * 特恵用原産地証明書 - - J * 自国関与品以外特恵用原産地証明書 累積加工製造証明書 B * 上記特恵用識別 A J 及び B の場合を除く貨物特恵用原産地証明書 - - P * 税関長が貨物の種類または形状により その原産地が明らかであると認めた貨物 提出省略 - - - C D 6 少額貨物扱い - - - - T E 5 自由貿易協定用原産地証明書 自由貿易協定関税割当証明書 K 1 * 自由貿易協定関税割当品目 自由貿易協定用原産品申告書 自由貿易協定関税割当証明書 H * 少額自由貿易協定関税割当証明書 Y 2 提出省略自由貿易協定関税割当証明書 Z 3 自由貿易協定に基づく原産地証明書または原産品申告書がある貨物 自由貿易協定用原産地証明書 - - F 4 * 自由貿易協定用原産品申告書 - - U * 協定用原産地証明書がある貨物協定用原産地証明書 - - G * 貨物 インボイス等により原産地が確認できる貨物協定用原産地証明書 - - R 輸入割当等公表告示三 -8 に規定する原産地証明書がある貨物 輸入割当等公表告示三 -8 に規定する原産地証明書 - - S * 原産地が確認できない貨物 - - - - N 原産地証明書提出猶予申請を行う貨物 - - - - M 原産地証明書提出猶予申請または原産品申告書提出猶予申請を行う貨物 (FTA 用 )( 自由貿易協定関税割当品目に該当しないものに限る ) -( 自由貿易協定用原産地証明書 ) - - - L 7 -( 自由貿易協定用原産品申告書 ) - - - W 2

3. 原産地証明書識別の見直しの背景 1. 入力可能コードが 1 桁であり 将来的に枯渇する可能性が高いため コード体系の見直しは必須である 発効又は署名済み EPA( 発効 :14 か国 地域 署名済 :1 か国 ) 国名等発効等年月国名等発効等年月国名等発効等年月 シンガポール 2002 年 11 月発効インドネシア 2008 年 7 月発効ベトナム 2009 年 10 月発効 メキシコ 2005 年 4 月発効ブルネイ 2008 年 7 月発効インド 2011 年 8 月発効 マレーシア 2006 年 7 月発効 ASEAN( 物品貿易 ) 2008 年 12 月発効ペルー 2012 年 3 月発効 チリ 2007 年 9 月発効フィリピン 2008 年 12 月発効豪州 2015 年 1 月発効 タイ 2007 年 11 月発効スイス 2009 年 9 月発効モンゴル 2015 年 2 月署名 交渉中 (7 か国 地域 ) 国名等国名等国名等 トルココロンビア RCEP: 東アジア地域包括的経済連携 カナダ日中韓 TPP: 環太平洋パートナーシップ協定 EU ( 参考 )TPP は本年 10 月に大筋合意 その他 GCC( 湾岸協力理事会 ) とは交渉延期 韓国とは交渉中断中 2.EPA の増加 自己申告制度等の導入等に伴い 入力コードの選択が複雑となっていることから 更改を機にコードの整理を行い より分かりやすい体系に変更するとともに 適切なコード体系であることのチェックを可能とする EPA 第三者証明制度 認定輸出者による自己証明制度 自己申告制度 EPA 第三者証明制度 認定輸出者による自己証明制度 自己申告制度 EPA シンガポール インドネシア ベトナム メキシコ ブルネイ インド 第三者証明制度 マレーシア ASEAN ペルー 認定輸出者による自己証明制度 チリ フィリピン 豪州 タイ スイス 自己申告制度 3

4. 第 6 次 NACCS における原産地証明書識別のコード体系 原産地証明書識別コード体系 原産地証明書識別 (4 桁 ) の体系 = 原産地 ( 申告 ) 種別 (2 桁 )+ 原産地証明者等区分 (1 桁 )+ 貨物の種類 (1 桁 ) WK GS SG MX MY PH CL TH BN ID VN CH IN PE AU AS 原産地 ( 申告 ) 種別 国定 WTO 協定 一般特恵 日シンガポール経済連携協定 日メキシコ経済連携協定 日マレーシア経済連携協定 日フィリピン経済連携協定 日チリ経済連携協定 日タイ経済連携協定 日ブルネイ経済連携協定 日インドネシア経済連携協定 日ベトナム経済連携協定 日スイス経済連携協定 日インド包括的経済連携協定 日ペルー経済連携協定 日オーストラリア経済連携協定 日アセアン包括的経済連携協定 EPA 単位にコードを付与することにより選択が容易となる T A P E I O 原産地証明者等区分 輸出国当局が発給した原産地証明書 ( 第三者証明 ) 認定輸出者による自己証明 ( 原産地申告 ) 製造者による原産品申告書 輸出者による原産品申告書 輸入者による原産品申告書 原産地証明書等の提出が不要な場合 O( オー ) 以外は 提出猶予申請を行う場合を含む 将来新たな区分が発生した場合も対応が可能 現在 記事 ( 税関 ) 欄等に入力している事項の項目化 現在 28 種類あるコードを 18 種類に整理 (10 コード削除 ) 4 桁組み合わせのシステムチェックを実施 ( 次頁参照 ) 一般特恵 E P A W T 国 O 定協定 A J B P C T M 貨物の種類 自国関与品 ( 暫定令 26 条第 2 項該当 ) で かつ 累積 ( 暫定令 26 条第 3 項 ) 適用 CO 等 自国関与証明書及び累積加工製造証明書を提出 自国関与品 ( 暫定令 26 条第 2 項該当 ) で かつ 累積 ( 暫定令 26 条第 3 項 ) 非適用 CO 等及び自国関与証明書を提出 自国関与品 ( 暫定令 26 条第 2 項該当 ) 以外で かつ 累積 ( 暫定令 26 条第 3 項 ) 適用 CO 等及び累積加工製造証明書を提出 自国関与品 ( 暫定令 26 条第 2 項該当 ) 以外で かつ 累積 ( 暫定令 26 条第 3 項 ) 非適用 CO 等を提出 税関長が貨物の種類又は形状によりその原産地が明らかであると認めた貨物 CO 等提出なし 少額貨物扱い CO 等提出なし 特恵用原産地証明書の提出猶予申請を行う貨物 1 EPA 関税割当品目で EPA 関割証明書及び原産地証明書 ( 若しくは原産品申告書 ) の提出があるもの EPA 関割証明書及び CO 等を提出 2 EPA 関税割当品目で EPA 関割証明書があり 少額扱い貨物 EPA 関割証明書提出 CO 等提出なし 3 EPA 関税割当品目で 税関長が貨物の種類又は形状によりその原産地が明らかであると認めた貨物 EPA 関割証明書提出 CO 等提出なし 4 EPA に基づく原産地証明書 ( 若しくは原産品申告書 ) の提出がある貨物 C O 等を提出 5 少額扱い貨物 CO 等提出なし 6 税関長が貨物の種類又は形状によりその原産地が明らかであると認めた貨物 CO 等提出なし 7 EPAに基づく原産地証明書 ( 若しくは原産品申告書 ) の提出猶予申請を行う貨物 G 協定用原産地証明書の提出がある貨物 CO 等を提出 R S N 貨物 インボイス等により原産地が確認できる貨物 CO 等提出なし 輸入割当等公表告示三 -8に規定する原産地証明書がある貨物 CO 等を提出 原産地が確認できない貨物 CO 等提出なし 4

5. 原産地証明書識別コードの入力チェック 識別コードの変更に併せて 4 桁 の入力が行われた場合 システムにおいて当該 4 桁の整合性等の組み合わせチェック 機能を提供する 具体的には 組み合わせが想定される ( 可能な ) コード体系をあらかじめ設定し 当該コード体系に該当しない場合は 適正なコード入力ではないとして エラー処理とする 以下に日豪 EPA を例に示す 適用する税率 パターン 原産地 ( 申告 ) 種別 原産地証明者等区分 貨物の種類 処理結果 協定税率 WK O R 正常処理 WK E R エラー ( 協定税率で E の選択は不可 ) AU I 1 正常処理 EPA 税率 (EPA 関税割当品目で輸入者の原産品申告書有の場合 ) AU O 1 エラー ( 原産地証明者等区分が不適切 ) AS I 1 エラー ( 原産地種別が不適切 ) 5