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イ特許専門業務特許戦略 法務 情報 調査 特許戦略に関し 次に掲げる事項について専門的な知識を有すること (1) 特許出願戦略 ( ポートフォリオ戦略等 ) (2) 研究開発戦略と特許戦略の関係 (3) 事業戦略と特許戦略の関係 (4) 標準化戦略 法務に関し 次に掲げる事項について専門的な知識を有

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Newsletter A Quarterly Update of Korean IP Law & Policy NOVEMBER 2011 1. 優先審査制度の概要と最近の変化 動向 2. 新規性喪失の例外規定適用 出願後の補正認めず 3. 職務発明に関する大法院判例 4. 商標法 商標審査基準 一部改正 5. デザイン保護法 一部改正及び改正案の撤回と立法予告 6. 通話連結音サービスの著作物使用料に関する事例 7. 先行発明に数値限定の対象がなくても進歩性を否定 8. 登録デザインの利用関係に関する事例 9. 2011 年第 2 四半期 (4 月 ~6 月 ) 知識財産権動向 優先審査制度の概要と最近の変化 動向 韓国特許庁 (KIPO) は 2008 年 1 月 28 日改正特許法により米国特許商標庁 (USPTO) との特許審査ハイウェイ ( 以下 PPH とする) を導入してきたが 2011 年 7 月 1 日から 1 年間 試験的に両国間でこの特許審査ハイウェイをPCT 出願にまで拡大する制度を施行することに合意した 特許審査ハイウェイ導入の制度的根幹にあるのは優先審査制度であるが このような最近の動向を鑑み 韓国における優先審査制度について今一度ここに整理して説明する 韓国特許庁は 2008 年 10 月 1 日から3-トラック審査システムを運営している すなわち出願人は通常審査 優先審査及び遅延審査の3つから必要に応じて選択して審査を受けることができ ちなみに通常審査では審査請求時から大体 16~20ヶ月以内に最初の審査結果を受け取ることができる 次に優先審査はさらに大きく分けて以下の3 種類に区分される 1. 一般的な 優先審査出願人は所定の要件を満たせば 関連証拠資料と共に優先審査を申請することができ 優先審査決定がなされれば 約 2~4ケ月以内に最初の審査結果を受け取ることができる 優先審査申請のための主な要件は次の通り ア. 第三者実施イ. 自己実施又は実施準備中のものウ. 電子取引と直接関連するものエ. グリーン技術 ( エコロジー関連技術 ) オ. その他 防衛産業関連出願 公害防止目的の出願 ベンチャー企業出願など上の要件のうち ア. の第三者実施の場合を除いては優先審査申請時に出願人が直接先行技術を調べてその結果を特許庁に提出しなければならないとされており このような理由から 一般的な 優先審査の利用は多くないのが現状である 2. 先行技術調査を経た優先審査 (2008 年 10 月 1 日から施行 ) 特許庁長が指定する先行技術調査専門機関に先行技術調査を依頼し その調査結果を調査機関から特許庁長に通知するよう要請した場合に優先審査申請をすることができる その後 優先審査決定がなされれば 優先審査決定日から4ケ月以内に審査結果を受けることができる この方法によれば 出願人は別途の先行技術調査をする必要はなく 専門機関が検索した文献と出願発明との対応説明書を提出する必要もない このような理由から 一般的な 優先審査に比べて利用度が高い 3. 特許審査ハイウェイ (PPH) 現在 韓国特許庁は 日本 アメリカ デンマーク イギリス カナダ ロシア フィンランド及びドイツとPPHについて合意しており 2011 年 7 月 1 日付でスペインともPPHの施行を開始した PPH 合意国で最初に出願した発明について特許可

能の審査結果が出た場合 韓国特許庁に優先審査申請が可能である 上述した通り 韓国特許庁は米国特許商標庁と 2011 年 7 月 1 日からPPHをPCT 出願にまで拡大することしており これによれば 全ての請求項が韓国またはアメリカで遂行された国際調査 国際予備審査で肯定的な審査結果 ( 新規性 進歩性 産業上利用可能性があると判断された結果 ) を受けた特許出願について優先審査対象とすることになった 一般的な 優先審査 基本要件 第三者実施 自己実施など 先行技術調査を 専門機関による 伴う優先審査 先行技術調査 ( 有償 ) 特許審査ハイウェイ (PPH) PPH 合意国に最初に出願され特許可能の審査結果が出されたもの 活用性の側面からみると 一般的な 優先審査は第三者実施 自己実施などの一定の要件が必要で 第三者実施による優先審査申請の場合には 審査官が比較的厳格に審査を進める可能性がある PPHの場合は合意国特許庁で特許可能と認めた場合にのみ活用でき また 先行技術調査を経た優先審査は幅広く活用できるという長所があるが 専門機関での先行技術調査費用として特許庁への審査請求料とは別途の費用が発生する 以上の通り 可能であればPPHによる優先審査申請を利用することが最も望ましく もしPPHによる優先審査申請が可能でないならば 先行技術調査を伴った優先審査が コスト高を甘受しても 一般的な 優先審査に比べて利用しやすいとと言える 新規性喪失の例外規定適用出願後の補正認めず 最初の審査結果 優先審査決定日から約 2~4ケ月 優先審査決定日から4ケ月 優先審査決定日から4ケ月 発明者は本件出願発明に関する研究論文を2006 年 5 月 26 日に学会で発表し 原告は発明者から特許を受ける権利を継承し2006 年 6 月 21 日に特許出願をしたが その特許出願書には 公知例外適用対象出願 という趣旨を明示せず その翌日に 本件出願発明は2006 年 5 月 26 日刊行物発表により公開された という内容と 特許法第 30 条第 2 項の規定により証明書類を提出する という趣旨を記載して 上記論文を添付して 公知例外適用対象証明書類提出書 を特許庁に提出した これに対し特許庁は 新規性喪失の例外の適用を主張する者はその趣旨を記載した書面を特許出願と同時に提出しなければならないという特許法第 30 条第 2 項に違反するとして 例外適用を認めず よって上記論文に記載された発明により進歩性が否定されるという理由で拒絶決定をし 特許審判院も同じ理由で拒絶決定に対する不服審判を棄却した 特許法院は上記の審決に対する取消訴訟において 特許出願書に自己公知例外規定の適用を受けようとするという趣旨を記載しなかったとしても 第三者に特段の不利益があるわけでもなく 以後の手続きが進められないわけでもないなどの理由をあげ 原告の請求を認容したため 被告である特許庁長は大法院に上告した 大法院の判断 特許法第 30 条規定の内容及び趣旨と特許法第 30 条で定める新規性喪失の例外適用の主張は出願とは別個の手続きであるため 特許出願書にその趣旨の記載がないのなら 通常の出願に該当する 従って その主張に関する手続き自体が存在しないため 出願後 それに関する補正も許容され得ない この点に照らしてみれば 特許法第 30 条第 1 項第 1 号の自己公知例外規定に該当するという趣旨が特許出願書に記載されていない状態で出願された場合には 新規性喪失の例外規定の効果を受けることができないものであるから 特許法第 30 条第 2 項前段に規定された手続きをそもそも履行しなかった出願についてその手続きを後から補正することにより特許法第 30 条第 1 項第 1 号の適用を受けられるものではない 特許法 30 条第 1 項 1 号所定の自己公知による新規性喪失の例外規定の適用を受ける旨を 出願後でも補正できるとした特許法院判決が上告で破棄差し戻しとなった ( 大法院 2011.6.9 言渡し2010フ2353) 本件の原審となる特許法院判決 (2010.7.16. 言渡し2009ホ 9518) は 形式的な手続き上の瑕疵があったとしても現実的な不利益や審査遅延が生じないのであれば 出願人の便 2 IP Newsletter_Japan

宜を図るべきとの観点からユーザーフレンドリーな判断を下していたわけだが 結果的に大法院は 原則に対する例外的な救済規定はその解釈と適用を厳格にすべきと判断した 特許法第 30 条そのものが 2001 年頃から公知形態要件について制限緩和されつつ現行法では完全に制限がなくなっており PLT 協定を反映した法改正でも出願書の補正範囲が拡大方向で進められていることを勘案してみれば 今後この部分に対する法解釈や適用が緩和されることも考えられるだろうが 現時点においては 大法院の判決があった以上 特許を出願する際に 新規性喪失の例外規定に該当するという趣旨を書き洩らした場合には一切の救済手段がないことを銘ずる他はない 実現可能性が顕著に不足して データがきちんと提示された実験例がなければ完成された発明と認めにくいことの多い化学物質関連の発明の場合には 実際に実験を通じて発明を具体化して完成するのに実質的に寄与したか否かの観点から共同発明者であるかを決定しなければならない 具体的には 1 原告が被告会社に入社する前までこのようなピリベンゾキシムの製品化のための製剤研究は基礎的な水準に留まり解決策も見出されていない状態にあり 2 原告は被告会社から提案を受けて除草剤プロジェクトリーダーとして入社し 3ピリベンゾキシムの商業化に必要な登録試験 毒性試験 量産工程などに直接関与するなど 原告が特許発明過程で具体的な着想をして部下を動かしたり具体的な指導をして発明を可能にしたのであるから 特許発明の共同発明者に該当する 職務発明に関する大法院判例 職務発明に関連して 大法院は (1) 共同発明者の判断基準 (2) 職務発明報償金請求権の消滅時効期間と起算点 (3) 職務発明報償金決定時に考慮すべき 使用者が得る利益 につき 重要な意味を持つ判決を下した ( 大法院 2011.7.28. 言渡し2009ダ75178 判決 ) 原告は 医薬 農薬 動物薬品などを研究 製造 販売することを目的とする被告会社からピリベンゾキシム (Pyribenzoxim) 等の製品化を請け負ってほしいとの提案を受け 被告会社の除草剤プロジェクトリーダ ( 一般管理職のグループリーダーとは異なる ) として入社し 農薬分野の研究課題責任者 開発チーム長などを勤めながら他の研究員らと共同で除草性油剤組成物質に対する特許発明 ( 一般名はピリベンゾキシム ) を開発して被告会社名義で特許登録を行った 原告はその後 被告会社を相手取って職務発明報償金を請求した 大法院の判断 (1) 共同発明者の判断基準に関して共同発明者となるためには発明の完成のために実質的に相互協力する関係になければならない 特に予測可能性や (2) 職務発明報償金請求権の消滅時効期間と起算点に関して職務発明報償金請求権は一般債権と同じように10 年間行使しなければ消滅時効が成立し 起算点は一般的に使用者が職務発明に対する特許を受ける権利を従業員から承継した時点とみなければならない しかし 会社の就業規則などに職務発明報償金の支払い時期を定めている場合には その支払い時期が消滅時効の起算点になる 被告会社の職務発明報償関連規定によれば 職務発明報償金は事業部長と知的財産担当役員の審議の後で支払われるもので 特に初回分は製品の市場発表年度の次の会計年度 1 年間の実績を評価して支払うようになっているため 原告の職務発明報償金請求権行使は上記審議後 ピリベンゾキシムが製品化された1997 年 2 月頃の次の会計年度 1 年間の実績を評価した後に可能となるものであるが 上記審議または評価がなされたことを認める何らの証拠がないので消滅時効の起算点は早くてもピリベンゾキシムが製品化された次の会計年度である1998 年以降である 従って それから10 年以内の2007.8.31. に本件訴が提起された以上 職務発明報償金請求権の消滅時効は成立していない (3) 使用者が得る利益 の意味に関して旧特許法 (2001.2.3. 付改定前特許法 ) 第 40 条第 2 項は使用者が従業員から職務発明を継承した場合 従業員が受ける正当な補償額を決定することにおいて その発明によって使用者が得た利益額と発明の完成に使用者が貢献した程度を考慮するように規定しているが 旧特許法第 39 条第 1 項によれば使用者は職務発明を継承しなくても特許権に対して無償の通常実施権を有するため 使用者が得る利益 は通常実施権を越えて職務発明を排他的 独占的に実施できる地位を取得することで得る利益を意味する 一方 使用者が得る利益 は職務発明自体により得る利益を意味するものであって 収益 費用の精算以後に July 2011 3

残った営業利益など会計上の利益を意味するのではないので 収益 費用の精算結果と関係なく職務発明自体による利益があるのであれば使用者が得た利益があると言える また 使用者が製造 販売している製品が職務発明の権利範囲に含まれていなくても それが職務発明実施製品の需要に代えることができる製品として使用者が職務発明に対する特許権に基づいて競合社に職務発明を実施することができなくすることで売り上げが増加したならば それによる利益も職務発明による使用者の利益として評価できる 本件では 大法院が (1) 化学発明において実際 実験を通して発明を具体化し完成するのに実質的に寄与したのか否かを具体的に評価して共同発明者であるかを判断しなければならないという点 (2) 会社ごとに報償金支払い時期を規定している場合にはこの支払い時期が職務発明報償金請求権の消滅時効起算点になるという点 (3) 職務発明報償金決定の基準になる使用者が得る利益は会計上の利益ではない職務発明自体により得られる利益を意味するという点を明確に判示したという点で大きな意味がある 地理的表示が商標の構成に表現されたり付記的に構成された場合でも 本号を適用して拒絶し 当該地理的表示が属している国家で保護が中断された地理的表示などに対しては本号を適用しない また 地名と商品の種類を示す名称とが結合しているとき ( 例 : カマンベール ド ノルマンディ ) 商品の種類( 例 : カマンベール ) は地理的表示として保護されない ( 改正商標審査基準第 28 条の 4) 一方 改正法は韓 -EU FTAで保護される地理的表示と 従来の商標法で保護していた地理的表示団体標章との間の公平性を合わせるために 同一商品に限って保護されていた地理的表示団体標章の商品範囲を同一商品と認識される商品の範囲に全て統一した 2. 農産物 ( 水産物 ) 品質管理法上で保護される地理的表示と同一 類似の後出願商標の拒絶改正商標法は 農産物 ( 水産物 ) 品質管理法によって登録された他人の地理的表示と同一または類似の商標で その地理的表示を使用する商品と同一もしくは同一と認識されている商品 ( 例 : 桃の場合 白桃 と 黄桃 ) に使用する後出願商標に対する拒絶根拠を設けた ( 改正商標法第 7 条第 1 項第 16 号 ) 後出願商標出願時に類似性を判断し 他人の地理的表示に該当するか否かは登録時に判断する ( 改正商標審査基準第 28 条の3) 商標法 商標審査基準 一部改正 韓国では 2011 年 6 月に商標法改正案が国会本会議を通過し 7 月 1 日から改正商標法が施行されている このたびの改正は 韓 -EU 自由貿易協定 (FTA) の発効にともなって同協定の合意事項を反映させるためになされたもので 協定によって保護される地理的表示の保護に関する規定の新設 商標権侵害行為に対する没収対象品目に侵害物の製作に使われた材料を追加する等の改正が行われた これらの主な内容 そして今回ともに改正された商標審査基準および告示の骨子は次の通りである 1. 韓 -EU FTAで保護される地理的表示と同一 類似の後出願商標の拒絶改正商標法では 韓 -EU FTAによって保護される他人の地理的表示と同一 類似の商標 またはその地理的表示からなるか もしくはその地理的表示を含む商標であって 当該地理的表示を使用する商品と同一もしくは同一と認識される商品に使用する後出願商標に対して拒絶するように規定している ( 改正商標法第 7 条第 1 項第 17 号 ) 3. 商標侵害に使われた 材料 の没収従前の商標法は 商標権または専用使用権の侵害行為に提供されたりその侵害行為によって生じた商標 包装またはこれらの製作用具を没収するよう規定しており 製作用具だけでなく材料も必ず商標権侵害に使われるのが一般的であるにもかかわらず これを没収できる根拠条項がなかった このため改正商標法では 侵害品の製作に主に使用するために提供された材料も没収することができるように規定した ( 改正商標法第 97 条の2) 4. 商標優先審査申請人の要件拡大従前の 優先審査申請に関する告示 では 出願人が第三者の商標使用に対する警告をした場合を優先審査の要件と規定していたが もしも出願人が優先審査を申請しなければ 出願商標の登録可否が決定する時まで商標権侵害の主張を受けた第三者も長期間不安定な状態に置かれるという問題点があった このため 改正優先審査申請に関する告示第 3 条では 出願人だけでなく上記のように警告を受けた 利害関係人 も優先審査を申請できるようにし その証憑書類として商標使用に対する警告を受けたことを立証できる書類を提出するように定めた 4 IP Newsletter_Japan

5. 法人が他の法人名で出願した場合の審査基準改正従前の審査基準では 法人の出願商標が他の法人名と誤認されるおそれがある場合 商標法第 7 条第 1 項第 11 号 ( 品質誤認または需要者欺瞞商標の拒絶規定 ) を適用すると規定し 企業が新たな法人名に変更が必要な際 早期に法人名を確保するのに問題があった このため 改正商標審査基準第 25 条第 9 項では 法人の出願商標が特定人の商標として知られた他の法人名と誤認され得る場合にのみ本号を規定することに改正された ることができず 新規性関連規定における出願デザインと類似の公知デザインの範囲を また先出願主義関連規定における先行デザインの範囲をどの範囲までとするかも問題になるという点等を指摘し 同条規に対して反対意見を掲げた このため特許庁は同条規を削除する代わり 1デザイン1 出願制度を改善した改正案を設けて 同一のデザインコンセプトを複数の物品に対して保護を受けることができるようにする根拠の条項を設けた デザイン保護法 一部改正及び改正案の撤回と立法予告 2011 年 7 月 1 日に韓国で韓 -EU FTAが発効するのにともない 両国の合意事項を反映させて デザインの実施行為 登録デザインの侵害とみなす行為 および再審によって回復したデザイン権の効力が及ばない行為に 輸出 を含める改正デザイン保護法 ( 法律第 10809 号 2011 年 6 月 30 日改正 ) が同日付で施行となった また デザイン権存続期間の延長 類似デザイン制度の廃止および関連デザイン制度の導入 複数デザイン制度の改善 拡大された先出願主義の例外 新規性喪失の例外主張手続の改善 および 登録デザインの保護範囲に対する具体的基準の設置を主な骨子としたデザイン保護法改正案が 国会での審議中に一部条規に対する業界の反対意見を受け最終的に撤回された これに伴い 特許庁は2011 年 6 月 デザイン保護法改正案の一部条規を修正および補完してヘーグ協定ジュネーブ法によるデザインの国際出願制度を反映させたデザイン保護法改正案を改めて立法予告し 公聴会を通じて業界の意見集束を経て 2011 年 7 月に改正案を国会に提出した ( 同改正案は2012 年 10 月の施行を目標としており まだ国会審議前であるため 審議過程で再び変更される可能性もある ) 同改正案のうち 当初の改正案から修正および補完された主要事項は下記の通りである 1. 登録デザインの保護範囲解釈に関する条規撤回 ( 案第 43 条第 2 項削除 ) 当初の改正案では 出願書に記載するデザインの対象となる物品とその物品類の区分それ自体は デザインの保護範囲に影響を及ぼさない と規定して 物品と関係なくデザインのコンセプト自体を保護しようとした しかし 同条規に対してデザイン関連業界は物品と切り離してデザインの保護範囲を判断することになれば法的安定性を期す 2.1デザイン1 出願主義の改善 ( 案第 11 条第 2 項ただし書 ) 現行法では デザイン登録出願は 1デザインごとに1 デザイン登録出願とする と規定し ( 法第 11 条第 1 項 ) 1 デザイン1 出願制度を原則とするものの その例外として20 以内のデザインを1 出願とすることができる複数デザイン登録出願制度をおいている ( 法第 11 条の2 第 1 項 ) 今回の改正案では 一つのデザイン登録出願書に複数の物品を同時に記載することができる と規定して 一つの出願書に複数の物品の記載を認めることにより 一つのデザインを開発して様々な物品に適用するデザイン開発の風潮 および出願人のデザイン創作の意図を最大限反映させて一つのデザイン出願書で複数の物品に対しデザイン権を獲得できるようにする根拠規定を設けた ( 案第 11 条第 2 項ただし書 ) 3. 関連デザイン登録出願の出願時期の制限 ( 案第 7 条第 1 項後段 ) 当初の改正案では 関連デザイン登録出願時期を基本デザインの登録公報発行日前までに制限していたが 今回の改正案では基本デザイン出願日から6ケ月以内と規定して関連デザインの出願時期制限規定を再整備した 4. ヘーグ協定ジュネーブ法 を反映 ( 案第 75 条の8ないし39) ヘーグ協定の内容を反映させて 国際出願の出願人適格および間接出願 国際出願書の内容 送逹料 国際デザイン登録出願の特例 秘密デザインの特例および秘密維持義務 補正 分割の特例 拒絶通知の特例 国際登録簿と関連した特例 更新の特例規定などを設けた 5. その他そのほかにも 改正案ではデザイン権の効力が及ばない範囲として 1 物品の機能を確保するのに不可欠な形状のみからなる物品 2 教育 引用または時事報道をするための第三者の実施を追加して 登録デザイン権制限の基準を明確にした ( 案第 44 条第 1 項第 4 号および第 5 号 ) July 2011 5

通話連結音サービスの著作物使用料に関する事例 ソウル高等法院は 電話に出るまでの待機時間中に流すいわゆる待受けメロディをユーザーが選択することができる通話連結音サービスと関連し 音楽著作物の著作権使用料はサービス加入時に支払う情報利用料以外にも毎月定額で支払う付加サービス利用料を含めた全ての金額に基づいて算定すべきであると判断した ( ソウル高等法院 2011.1.13. 言渡し2010ナ48266) 株式会社 KT( 被告 ) は 無線移動通信事業者であって 社団法人韓国音楽著作権協会 ( 原告 ) が管理している音楽著作物を使用し 通話連結音サービスを提供している 通話連結音サービスに加入したユーザーは加入と同時に毎月 900ウォンの付加サービス利用料を被告に納付し 加入者が希望する音源を選択した場合には さらに情報利用料 ( 無線 700ウォン 有線 1,200ウォン ) を追加で支払うようになっている 被告は通話連結音サービスと関連した著作物使用料として著作権使用料徴収規定で定めるところにより 売上額 分配比率 (9%) 音楽著作物管理費率 (95%) 相当の金額を原告に支払ってきたが 情報利用料はユーザーが特定の音楽著作物を選択した場合に支払われる代価であるので上記 売上額 に含まれるものの 付加サービス利用料は 移動通信ネットワークシステムをユーザーが利用することに対する代価であって 個別の音楽著作物に関する著作権とは関係のない費用であるため 上記 売上額 には計上していなかった これに対し 原告は 売上額 に付加サービス利用料を含めることを要求して訴訟を提起した 法院の判断 改正された著作権使用料徴収規定では 売上額とは 音楽利用と関連した利用料などの収入に広告 その他の収入を合わせた金額を言う と定義しており その収益が何に対する代価であるか その収益の使用用途が何かを区分せず音楽の利用と関連のある全ての収益を含んでいる 特に 著作物の使用と直接的な関連のない広告収入まで含んでいるという点 通話連結音サービス加入者が上記のサービスに加入する理由は原告が管理する著作権などと関連し た個別音源を使用するための場合が大部分であるという点などを考慮するとき 情報利用料と付加サービス利用料共に著作物利用代価に対する算定基準と定めてこれを基礎にして他の要素を考慮し全体著作物使用料を算定することが望ましい 上記被告会社以外を含め韓国の移動通信会社合計の上記付加サービス加入者は 2009 年度の推定値で1200 万名 100 億円規模と言われ このうち約 40% を著作権使用料として 音源権利者 著作権者 実演者の各著作権信託管理団体が文化体育官公庁の承認の下に定められた使用料徴収規定に従って分け合っている 残り60% を移動通信社と コンテンツ供給やライセンス契約を専門に取り扱うコンテンツプロバイダーやライセンスプロバイダーなどの仲介業者が分け合っている 市場規模 利益規模が大きく 利害が複雑に絡んでいる上に 音楽 音源以外にもゲームコンテンツ 情報提供コンテンツ製作者との間にも類似の問題が内在しているため 今後の大法院での上告の結果が注目される 先行発明に数値限定の対象がなくても進歩性を否定 数値限定を構成要素の一部とする出願発明について 先行発明にはその数値限定の対象が特に開示されていなかったにも拘わらず 進歩性が否定された ( 特許法院 2011.7.8 言渡し2010ホ7679) 本件出願発明は ターゲット表面粗度 Ra( 中心線の表面粗さ ) が0.1μm以下 を構成 2として含む 合金焼結体スパッタリングターゲット に関するもので 特許庁及び特許審判院共に進歩性を否定したため 出願人 ( 原告 ) は特許法院へ審決取消訴訟を提起した 6 IP Newsletter_Japan

特許法院の判断 比較対象発明には 本件出願発明の構成 2に対応する構成がないことは事実であるが 比較対象発明 2も本件出願発明と同じ元素組成のガス アトマイズ粉を本件出願発明と同じ方法でホットプレスで焼結し これを機械加工 研磨加工で仕上げる技術であり 構成 2の効果である クラック発生及びそれによるパーティクル発生を防止する も比較対象発明 2 中の効果と同質のものである また この技術分野で表面粗さを微細に調整して表面のノジュール ( こぶ状突起 ) 発生を抑制しパーティクルを低減させる技術 及び研磨フィルムなどを利用した研磨加工で表面粗さを0.02μm程度にする技術は本件出願発明の優先権主張日以前から広く知られた周知慣用の技術という点などを考慮するとき 比較対象発明 2に明示的な記載がなくても 構成 2 は比較対象発明 2に既に含まれており 構成 2で得ようとする効果は比較対象発明 2と同質であり さらに 構成 2が数値限定した表面粗度 0.1μm前後で発明の効果に顕著な差がなく その臨界的意義を認めることもできないので 構成 2は通常の技術者が比較対象発明 2の表面粗度を検査し反復実験を通してその数値を適切に限定することにより容易に導き出すことができる 原告は 比較対象発明 2に数値限定の対象である 表面粗度 について全く開示されていないので その臨界的意義を明らかにする必要はないと主張しているが 数値限定の対象が公知発明に明示されていないとしても 当該数値限定の 数値項目 ないし 数値範囲 が公知発明に開示された程度及び当該数値限定の個別的な採用理由 目的 効果などを考慮して 数値限定にともなう個別的な効果が異質的でもなく臨界的意義を認めることもできない場合は その進歩性が否定されるものである 登録デザインの利用関係に関する事例 特許権の利用関係をめぐっては これまでにもある程度の事例が蓄積されているが 壁紙の模様デザイン権に関する利用関係について判断した大法院判決が下されたのでここに紹介する ( 大法院 2011.4.28 言渡し2009フ2968) 原告は自身が使用する確認対象デザインが被告の有する本件登録デザイン ( 登録番号 : 第 483945 号 ) の権利範囲に属さないと主張し権利範囲確認審判を請求したところ 特許審判院は確認対象デザインは本件登録デザインを利用する関係にあるとして棄却審決を下した 原告はこれに対して審決取消訴訟を提起したが 特許法院も確認対象デザインは本件登録デザインの本質的特性を損なうことなく その構成要素をそのまま取り込んだものとして原告の請求を棄却したため 原告はこれを不服として大法院に上告した ( 本件登録デザイン ) ( 確認対象デザイン ) 大法院 2010.8.19. 言渡し2008フ4998 判決では 数値限定を除外した発明の構成が公知となった発明と同一でもその数値限定が公知となった発明とは異なった課題を達成するための技術手段としての意義を持ち その効果も異質的であれば数値限定の臨界的意義がなくても 特許発明の進歩性は否定されない と判示して 数値範囲の内外における顕著な効果の差がなくても発明の進歩性が認められる場合があることを明かしたことがある しかし 本件の特許法院判決では そのような効果の異質性が認められる範囲をあまり広くは認定していない点に注目しておきたい 判決内容 本件登録デザインは 幾筋もの糸状の線が下に降りながら互いによじれて見えるようにした V 字模様を上下左右に連続的に反復した下地パターンである反面 確認対象デザインは 本件登録デザインと類似の下地パターンに大きな木の葉模様が上下互い違いに交錯するよう反復して構成されており 黄色系統の色で彩色されているため 全体的に見るとき両デザインが互いに類似していないという点に対しては特別な争いがない 特許法院は 確認対象デザインの木の葉模様がデザイン全体において占める空間が下地パターンより小さく木の葉模様が下地パターンと渾然一体になっているものではなく 下地パターンに木の葉模様が追加されて上に乗せられたように見えるため 確認対象デザインの下地パターンに July 2011 7

本件登録デザインの本質的特性がそのまま維持されていると判断した しかし 確認対象デザインは本件登録デザインの V 字模様と類似のパターン模様が一部のみ反復して構成され その間に反復する大きな木の葉模様が渾然一体に結合して一つのデザインを形成しているため 本件登録デザインの本質的特性である上下左右に連続的に反復した V 字模様のうち 相当部分が損なわれているため 両デザインは利用関係にあるとは言えない 案の場合 9.6% が減少し 先登録制度 二重出願制度廃止などで引き続き減少 内 / 外国別には韓国人と外国人が各々 4.9% 4.3% 増加 特許の場合では 韓国人は4.4% 外国人は4.7% 増加 地域別では蔚山が72.2% 忠南が19.2% で最も高い増加率で 国別ではスウェーデンが24.6% 中国が 19.4% 増加した 出願人別では大企業と中小企業が各々 1.6% 6.0% 増加し 学校法人が76.0% と目立って増加した 著しい出願増加率を見せた出願人は特許 実用新案の場合は現代重工業 商標では釜山銀行 ウンジンコーウェイ デザインはウイルフェンスと明らかになった 特徴的な下地パターンの上に木の葉模様が乗せられただけと見るか 大きな木の葉模様が下地パターンの相当部分を覆い隠していると見るかで 判断が分かれるところであるが 下地パターンの模様そのものが非常に細かいこともあり この大法院の判決も結論としては妥当なところと言える ただし 規則的に繰り返される反復パターンはかなりの部分を覆ったとしても視覚的にはその繰り返し模様が予測的に認識されるはずであるから 単純に面積の大小だけに注目するのではなく その反復パターンの創作にかかる労力や独自性を考察し それをそのまま引き写したものかどうか デザインの着想をどのくらい取り込んでいるのかなどについても言及がなされるべきで この点やや惜しまれるところである 動向 2011 年第 2 四半期知識財産権の登録件数は47,267 件で 前年同期比 21.9% 増加した 権利別に見ると特許が19.8% 実用新案が36.2% 商標は27.4% デザインは15.6% 増加 内 / 外国別では韓国人が22.6% 外国人が18.9% 増加し 地域別では慶尚南道が50.1% 蔚山が47.3% で最も高い増加率を記録 国別ではカナダが20.3% 日本が11.3% 増加 権利者別では大企業が30.3% 中小企業が12.5% 増加し 韓国個人は90.5% 外国個人は82.7% と著しく増加した 著しい登録増加率を見せた権利者は特許 実用新案の場合は三星電気 LG 電子 商標では軍威郡 ( 慶尚北道 ) デザインはソンシンアートコレクションと明らかになった 2011 年第 2 四半期 (4 月 ~6 月 ) 知識財産権動向 - 商標出願件数前年同期比 11.9% 増加 - 出願動向 2011 年第 2 四半期の知識財産権出願件数は91,225 件で 前年同期比 4.8% 増加した 権利別に見ると 特許は4.5% 商標は11.9% 増加したがデザインは4.2% 減少した 実用新 審査及び審判動向 審査請求件数は39,390 件で前年同期比 0.8% 減少 特許審査請求件数は36,570 件で0.9% 増加したが 実用新案の場合 2,820 件で前年同期比 18.2% 減少 PCT 国際調査申請件数は 6,245 件で 前年同期比 14.9% 増加し 国際調査処理件数は 5,643 件で1.0% 増加 審判請求件数は2,718 件で 前年同期比 23.6% 減少したが 審判処理件数は3,713 件で前年同期比 3.1% 増加 権利別審判請求件数を見ると 特許 実用新案の場合 1,689 件で 34.6% デザインは88 件で50.0% 減少したが 商標は941 件で17.3% 前年同期比 31.0% 増加した 100-784 韓国ソウル特別市中区ジョンドンギル21-15 貞洞ビル17F 日本語直通 : +82-2-764-7003 電話 : +82-2-2122-3900 / +82-2-764-8855( 代 ) フアツクス +82-2-2122-3800 / +82-2-741-0328( 特許 ) 82-2-763-7434( 商標 ) www.ip.kimchang.com E-mail : all@ip.kimchang.com この News Letter は一般的な情報提供を目的としており ここに揚載された內容は特定の主題に関する当所の法律的意見ではありません