Society 5.0 に向けた人材育成~社会が変わる、学びが変わる~ (概要)

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2021 年度入学者選抜 (2020 年度実施 ) について 静岡大学 本学は,2021 年度入学者選抜 (2020 年度実施 ) より [ 註に明記したものは, その前年度より ], 志願者のみなさんの能力をこれまで以上に多面的に評価することを目的として, 課す教科 科目等を以下のとおりに変更いた

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3-1. 新学習指導要領実施後の変化 新学習指導要領の実施により で言語活動が増加 新学習指導要領の実施によるでの教育活動の変化についてたずねた 新学習指導要領で提唱されている活動の中でも 増えた ( かなり増えた + 少し増えた ) との回答が最も多かったのは 言語活動 の 64.8% であった

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資料7 新学習指導要領関係資料

Ⅲ 目指すべき姿 特別支援教育推進の基本方針を受けて 小中学校 高等学校 特別支援学校などそれぞれの場面で 具体的な取組において目指すべき姿のイメージを示します 1 小中学校普通学級 1 小中学校普通学級の目指すべき姿 支援体制 多様な学びの場 特別支援教室の有効活用 1チームによる支援校内委員会を

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Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

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2021 年度入学者選抜について ~ ひとりひとりの個性と可能性を見つめる入試へ ~ 4 月 4 日 関西学院大学 関西学院の使命は キリスト教主義教育によって Mastery for Service を体現する世界市民 を育み 世に輩出することにあります 世界市民 とは 他者と対話し共感する能力を

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目次 はじめに 2 第 1 章 Society 5.0 の社会像と求められる人材像 学びの在り方 3 ( Society 5.0 に向けた人材育成に係る大臣懇談会 における議論を踏まえて ) 1.Society 5.0 の社会像 (1)AI 技術の発達 (2)Society 5.0 における経済社会

平成27年度公立小・中学校における教育課程の編成実施状況調査結果について

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2019 年度 コース履修の手引 教職コース 司書教諭コース 学芸員コース

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平成28年度「英語教育実施状況調査」の結果について

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英語教育改善プラン

各学科 課程 専攻別開設授業科目 ( 教職関係 ) 総合情報学科 ( 昼間コース ) 中学校教諭 1 種免許状 ( 数学 ) 高等学校教諭 1 種免許状 ( 数学 ) 代数学 線形代数学第一 2 線形代数学第二 2 離散数学 2 応用代数学 2 オペレーションズ リサーチ基礎 2 数論アルゴリズム

基調講演2 (鈴木寛 文部科学大臣補佐官)

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平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料

第 1 節キャリア教育の理解 6) 情報リテラシー ( コンピュータリテラシー 情報処理 ネット利用の方法とリスク ) 7) 自校教育 ( 建学の精神 教育目標 ) 8) キャリアデザインなど ( 出典 : 川島啓二 大学と学生 2008 年 5 月号 ) 2 初年次教育で重視されていること 1)

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2021 年度首都大学東京入学者選抜の実施教科 科目等について ( 予告 ) 学部 学科名 学力検査等の区分 日程 教科 大学入学共通テストの利用教科 科目名 別紙 個別学力検査等教科等科目名等 人文社会学部人間社会学科前期国国国国地歴 世 B, 日 B, 地理 B, 地歴世 B, 日 B, 地理

各教科 道徳科 外国語活動 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする 各教科 道徳科 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする

1. はじめに 本格的な地方分権の時代を迎え 市民に最も身近な地方自治体は 市民ニーズに応じた政策を自ら意志決定し それを自己責任の下に実行することがこれまで以上に求められており 地方自治体の果たすべき役割や地方自治体に寄せられる期待は ますます大きくなっています このような市民からの期待に応えるた

資料 9 今後の高等教育の将来像について 平成 30 年 2 月 8 日文部科学省

平成29年度 小学校教育課程講習会 総合的な学習の時間

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平成 28 年度大分大学入学者選抜における実施教科 科目等について ( 予告 ) 平成 27 年 8 月大分大学 平成 28 年度入学者選抜 ( 一般入試 大学入試センター試験を課す推薦入試及びAO 入試 ) における大学入試センター試験の利用教科 科目及び個別学力検査等の出題教科 科目については,

都市デザイン工学科 2018 年度以降入学生対象 2018~ 年度 _C ディプロマ ポリシー 実践力のある専門的技術者となるべく 在学中だけでなく生涯にわたって主体的に学修活動を積み重ねる関心と意欲を持続できる 主体的に生涯学習を継続する意欲 (1) と関心 (2) 人文社会科学や自然科学 情報技

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3-2 学びの機会 グループワークやプレゼンテーション ディスカッションを取り入れた授業が 8 年間で大きく増加 この8 年間で グループワークなどの協同作業をする授業 ( よく+ある程度あった ) と回答した比率は18.1ポイント プレゼンテーションの機会を取り入れた授業 ( 同 ) は 16.0

平成 30 年度授業シラバスの詳細内容 科目名 ( 英 ) 担当教員名 情報技術と職業 - 演習 (Information Technology at Work Place - 授業コード exercise ) 松永多苗子 星芝貴行 坂井美穂 足立元 坪倉篤志 科目ナンバリン 福島学 グコード 配当

平成 30 年度授業シラバスの詳細内容 科目名 ( 英 ) 担当教員名 情報技術と職業 - 実践 (Information Technology at Work Place - 授業コード practice ) 松永多苗子 赤星哲也 濱田大助 星芝貴行 高文局 科目ナンバリン坂井美穂 足立元 坪倉篤

別表 (1) 免許状の種類及び資格 免許状の種類 所要資格 教科に関する科目 大学における最低修得単位数 教科又は 特別支援教育に関する科目 中 専修免許状修士の学位を有すること 学 校 一種免許状学士の学位を有すること 教 二種免許状短期大学士の学位を有すること

持続可能な教育の質の向上をめざして ~ 教員の多忙化解消プラン に基づく取組について ~ 平成 30 年 3 月 愛知県教育委員会

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

学部名教育学部一般入試 学科 課程等名 選抜方法 大学入試センター試験の利用教科 科目名 学校教育課程学校教育課程教科科目 ( 注 2) 国語 国語 小論文 音楽の実技 美術の実技 総合問題 音楽の実技 美術の実技 地 理 歴 史 世界史 B 日本史 B 地理 B 体育の実技から1 教科 200 点

別紙様式7

資料4-4 新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について 審議のまとめ(参考資料)

市中学校の状況及び体力向上策 ( 学校数 : 校 生徒数 :13,836 名 ) を とした時の数値 (T 得点 ) をレーダーチャートで表示 [ ] [ ] ハンドボール ハンドボール投げ投げ H29 市中学校 H29 m 走 m 走 表中の 網掛け 数値は 平均と同等または上回っているもの 付き

愛知県立愛知総合科高等学校全日制課程 平成 28 年度入学 [ 機械制御科 ] 学 科 名 機械制御科 数 学 A また 3 年 英語表現 Ⅱ の履修には 数 学 B 年 英語表現 Ⅰ の履修が必要 技術基礎 2~ 情報技術基礎 2

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

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学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

< 教科に関する科目 > 免許状の種類 中一種 ( 数学 ) 高一種 ( 数学 ) 教育職員免許法施行規則で定める科目 代数学 離散系論 3 オートマトンと言語理論 3 幾何学 位相幾何学概論 計算幾何学 (018 年度廃止 ) ( 1) ビジュアルコンピューティングのための幾何学 応用幾何とトポロ

更新履歴 更新日 2019 年 1 月 5 日 [ 更新 ] 学部 学科 文学部英米文学科 更新内容 における科目 ( 出題範 囲 ) を訂正

インターネット白書2002

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06-2 平成28年度概算要求の説明2

別紙様式7

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平成 25 年度教育課程普通科 教科科目 標準単位数 1 年 平成 25 年入学生 2 年 3 年 文系生物理系創造文化系 文系生物理系創造文化系 平成 24 年入学生 平成 23 年入学生 1 年 2 年 3 年 1 年 2 年 3 年 国語 国語表現 Ⅰ 2 E 2 E 2 E 2 E 2 国語

データ解析分野 () 履修モデル 公開日 : 平成 0 月 日 アナリスト コンサルタント系 ( コンサルティング 証券 銀行マーケティング分析金融データ分析データサイエンティスト税理士 会計士ビッグデータ解析 データアナリストとして経営企画 戦略の立案 評価をする 学 専門 & ( 選択および選択

表 回答科目数と回答数 前期 後期 通年 ( 合計 ) 科目数 回答数 科目数 回答数 科目数 回答数 外国語 ( 英語 ) 120 / 133 3,263 / 4, / 152 3,051 / 4, / 285 6,314 / 8,426 外国語 ( 英語以

成績評価を「学習のための評価」に

H30全国HP

第 1 部 施策編 4

学士課程 1 年次学士課程 2 年次学士課程 3 4 年次修士課程 1 年次修士課程 2 年次前期後期前期後期前期後期前期後期前期後期 必修科目選択必修科目選択科目 必修科目 選択必修科目 選択科目 経営戦略を学ぶ 経営戦略のたて方とその実行方法をグローバルな視点で学ぶ 経営学入門 経営学入門 経営

27年センター試験実施概要|旺文社教育情報センター

第 1 章高校教育を取り巻く現状と課題 2 高校教育を取り巻く現状と課題 (2) 県立高校の現状と課題 4 不登校生徒や中途退学者の状況 そのため, 高校と中学校 特別支援学校 地域の保健福祉部門等との連携を強化し, 教育相談体制を拡充するとともに, 生徒一人一人の自己肯定感の涵養や自己実現を積極的

平成30年度シラバス作成要領

基本方針1 小・中学校で、子どもたちの学力を最大限に伸ばします

卒業認定 学位授与の方針 ( ディプロマ ポリシー ) と学習評価の観点のマトリクス表 学修評価の観点 : 特に重点を置いている 〇 : 重点を置いている 知識 理解 技能 思考力 判断力 表現力 関心 意欲 態度 主体性 多様性 協働性 卒業認定 学位授与の方針 DP1 建学の理念を実践する力 D

目 次 1 設置の目的 1 2 設置の基本的枠組み (1) 課程 (2) 学科 (3) 入学定員 (4) 設置予定 3 教育理念 育てたい人物像 (1) 教育理念 (2) 育てたい人物像 4 教育課程について (1) スポーツマネジメント科教育課程編成の基本方針 2 (2) 教育課程表 4 5 その

平成16年度小学校及び中学校教育課程研究協議会報告書

学習意欲の向上 学習習慣の確立 改訂の趣旨 今回の学習指導要領改訂に当たって 基本的な考え方の一つに学習 意欲の向上 学習習慣の確立が明示された これは 教育基本法第 6 条第 2 項 あるいは学校教育法第 30 条第 2 項の条文にある 自ら進んで学習する意欲の重視にかかわる文言を受けるものである

Transcription:

Society 5.0 に向けた人材育成 ~ 社会が変わる 学びが変わる ~ ( 概要 ) 平成 30 年 6 月 5 日 Society 5.0 に向けた人材育成に係る大臣懇談会新たな時代を豊かに生きる力の育成に関する省内タスクフォース

1.Society 5.0 の社会像 求められる人材像 学びの在り方 (Society 5.0 に向けた人材育成に係る大臣懇談会の議論を踏まえて ) Society 5.0の社会像 AI 技術の発達 定型的業務や数値的に表現可能な業務は AI 技術により代替が可能に 産業の変化 働き方の変化 日本の課題 AI に関する研究開発に人材が不足 少子高齢化 つながりの希薄化 自然体験の機会の減少 人間の強み現実世界を理解し意味づけできる感性 倫理観 板挟みや想定外と向き合い調整する力 責任をもって遂行する力 Society 5.0 における学びの在り方 求められる人材像 AI 等の先端技術が教育にもたらすもの 学びの在り方の変革へ ( 例 ) スタディ ログ等の把握 分析による学習計画や学習コンテンツの提示 スタディ ログ蓄積によって精度を高めた学習支援( 学習状況に応じたコンテンツ提供 学習環境マッチング等 ) 学校が変わる 学びが変わる Society5.0における学校 ( 学び の時代) へ 一斉一律授業の学校 読解力など基盤的な学力を確実に習得させつつ 個人の進度や能力 関心に応じた学びの場へ 同一学年集団の学習 同一学年に加え 学習到達度や学習課題等に応じた異年齢 異学年集団での協働学習の拡大 学校の教室での学習 大学 研究機関 企業 NPO 教育文化スポーツ施設等も活用した多様な学習プログラム 共通して求められる力 : 文章や情報を正確に読み解き対話する力科学的に思考 吟味し活用する力価値を見つけ生み出す感性と力 好奇心 探求力新たな社会を牽引する人材 : 技術革新や価値創造の源となる飛躍知を発見 創造する人材技術革新と社会課題をつなげ プラットフォームを創造する人材様々な分野において AI やデータの力を最大限活用し展開できる人材 等 1

2.Society 5.0 に向けて取り組むべき政策の方向性 ( 新たな時代を豊かに生きる力の育成に関する省内タスクフォースにおける議論の整理 ) < 求められる人材像 学びの在り方 > 学びの在り方の変革 共通して求められる力の育成 < 現状 課題等 > すべての学びの段階 基盤的な学力を確実に定着させながら 他者と協働しつつ自ら考え抜く自立した学びが不十分 小 中学校 OECD/PISA でも高い到達水準 他方で 家庭環境 情報環境の変化のなかで 文章や情報の意味を理解し思考する読解力に課題との指摘 貧困の連鎖を断ち切り すべての子供達に Society5.0 時代に求められる基礎的な力を確実に習得させる必要 高等学校 普通科 7 割 (80 万人 ) 専門学科等 3 割 (30 万人 ) 普通科は文系 7 割 (50 万人 ) といった実態があり 多くの生徒は第 2 学年以降 文系 理系に分かれ 特定の教科については十分に学習しない傾向 例えば普通科全体のうち 物理 履修者は 2 割 (14 万人 )) 学年にとらわれない多様な学び ( 高等教育機関や産業界等との連携 ) の可能性 < 取り組むべき政策の方向性 > Ⅰ 公正に個別最適化された学び を実現する多様な学習の機会と場の提供 Ⅱ 基礎的読解力 数学的思考力などの基盤的な学力や情報活用能力をすべての児童生徒が習得 新たな社会を牽引する人材の育成 高等学校卒業から社会人 四年制大学は 人 社系 5 割 (30 万人 ) 理工系 2 割 (12 万人 ) 保健系 1 割 教育 芸術系等 2 割 諸外国は 理工系にドイツ約 4 割 フィンランド 韓国等約 3 割 教育における STEAM やデザイン思考の必要性 STEAM=Science, Technology, Engineering, Art, Mathematics Ⅲ 文理分断からの脱却 2

3.Society 5.0 に向けたリーディング プロジェクト 1 Ⅰ. 公正に個別最適化された学び を実現する多様な学習の機会と場の提供 学習の個別最適化や異年齢 異学年など多様な協働学習のためのパイロット事業の展開 児童生徒一人一人の能力や適性に応じて個別最適化された学びの実現に向けて スタディ ログ等を蓄積した学びのポートフォリオ ( 後述 ) を活用しながら 個々人の学習傾向や活動状況 ( スポーツ 文化 特別活動 部活動 ボランティア等を含む ) 各教科 単元の特質等を踏まえた実践的な研究 開発を行う ( 例 : 基礎的読解力 数学的思考力の確実な習得のための個別最適化された学習 ) また 異年齢 異学年集団での協働学習 ( 例 : 英語力に応じた異年齢 異学年の協働学習 ) についても 実践的な研究 開発を行う チーム学校 を進める観点からも地域の人材等と連携し 体験活動を含めた多様な学習プログラムを提供する 生徒 学生の学習環境がより個別最適化されるよう アドバンスト プレイスメント 飛び入学及び早期卒業等の活用促進を図る また 学生の様々な学びの意欲を実現させ 学習の個別最適化を進める観点から 各大学におけるギャップイヤーや学外での幅広い学びのための休学の活用を促進する スタディ ログ等を蓄積した学びのポートフォリオの活用 EdTech を活用し 個人の学習状況等のスタディ ログを学びのポートフォリオとして電子化 蓄積し 指導と評価の一体化を加速するとともに 児童生徒が自ら活用できるようにする そのため CBT の導入を含めた全国学力 学習状況調査の改善 学びの基礎診断の円滑な導入により 個々の児童生徒について 基盤的学力や情報活用能力の習得状況の継続的な把握と迅速なフィードバックを可能とし 評価改善のサイクルを確立する EdTech とビッグデータを活用した教育の質の向上 学習環境の整備充実 全国の小中高等学校で実施 ( 学校数は今後検討 ) EdTech とビッグデータの活用を推進するために必要なガイドラインの策定 データの収集 共有 活用のためのプラットフォームの構築に関する検討を行う デジタル教科書 デジタル教材 CBT 導入等を進める観点からも ICT 環境の整備や ICT 人材の育成 登用を加速する 3

3.Society 5.0 に向けたリーディング プロジェクト 2 Ⅱ. 基礎的読解力 数学的思考力などの基盤的な学力や情報活用能力をすべての児童生徒が習得 新学習指導要領の確実な習得 語彙の理解 文章の構造的な把握 読解力 計算力や数学的な思考力など基盤的学力の定着を重視した新学習指導要領の確実な習得 ( 全国学力 学習状況調査 大学入学共通テスト 学びの基礎診断でもこれらの力を重視 ) そのため 個別最適化された振り返り学習など指導方法の改善や効果的な指導を支える教材 ICT 環境 EdTech の整備を加速し 学習支援を充実する スタディ ログ等を蓄積した学びのポートフォリオの活用 (Ⅰ. 参照 ) により 学力の定着を促進する 情報活用能力の習得 大学入学共通テスト (2024 年 ~) で 情報 を出題科目に追加することについて検討を開始する 小中高を通じてデータ サイエンスや統計教育を充実する 基盤的な学力を確実に定着させるための学校の指導体制の確立 教員免許制度の改善 小学校高学年における専科教員の配置など学校の指導体制を確立する 中学校 高等学校教員採用試験に比べ小学校教員採用試験の倍率が低迷していることや 中学校 高等学校でも技術科 情報科のような特定教科の免許状を保有する教員が少ないことを踏まえ 指導体制の質 量両面にわたる充実 強化を図る観点から 免許制度の在り方を見直す ( 例 : 複数の校種 教科の免許状取得を弾力化すること 経験年数や専門分野などに応じ特定教科の免許状を弾力的に取得できるようにすること ) 4

3.Society 5.0 に向けたリーディング プロジェクト 3 Ⅲ. 文理分断からの脱却 文理両方を学ぶ高大接続改革 様々な学問分野において必要となる 確率 統計や基礎的なプログラミング 理科と社会科の基礎的分野を必履修とする新しい学習指導要領を確実に習得させるとともに 微分方程式や線形代数 ベイズ統計 データマイニングなど より高度の内容を学びたい生徒のための条件整備等を行い 文理両方を学ぶ人材を育成する WWL( ワールド ワイド ラーニング ) コンソーシアムの創設 AP( アドバンスト プレイスメント ) も含む高度かつ多様な内容を 個人の興味 特性等に応じて履修可能とする学習プログラム / コースを WWL コンソーシアムとして創設 ( 高校生 6 万人あたり 1 か所を目安に 各都道府県で国公私立高校 高専等を拠点校として整備 ) 海外提携校等への短期 長期留学を必修化し 海外からハイレベル人材を受け入れ 留学生と一緒に英語での授業 探究活動等 高校における文理分断の改善 社会のニーズ及び国際トレンド等を背景に 今後多くの学生が必要とする STEAM やデザイン思考などの教育が十分に提供できるよう 大学による教育プログラムの見直しを促進する : 学生が共通的に学ぶリベラルアーツと学生が選択する人社系 STEAM 系 保健系等の専門分野について 学部を超えて提供される構造へと変化 STEAM 系を専攻する AI のトップ人材や専門人材を育成するとともに 文理両方を学ぶことにより必要な AI に関する素養を身に付けた人社系等を専攻する人材を育成する また 大学のみならず高専や専門学校において AI の専門人材を育成する AI 等の高度専門人材の育成 全学的な数理 データサイエンス教育の拡大 強化 ( 拠点整備 標準カリキュラム等 ) 等 産学連携による実践的教育の実施と専門人材の育成 産学連携による実践的教育プログラムの開発 実施 産業界からの投資を呼び込むインセンティブ 地域の良さを学びコミュニティを支える人材の育成 高校と 地元の自治体 高等教育機関 産業界と連携したコースで 例えば福祉や農林水産 観光などの分野が学習できるよう環境整備等を行い 地域人材の育成を推進する 地域 ³ 高校 ( 地域キュービック高校 ) の創設 地域の 地域による 地域のための高校 高校と地元市町村 高等教育機関 企業 医療介護施設 農林水産業等のコンソーシアムを構築し 探究的な学び等を通じ 地域に関する産業や文化等に関する特色ある科目 ( 例 : 観光学 ) を必ず履修させるなど 生徒が やりたいこと を見つけられる教育機関へ転換 コミュニティ スクールである都道府県立高校において 市町村長又は市町村教育長等を学校運営協議会の委員とすることを努力義務化し 都道府県と市町村の連携を促進 等 5