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1 インドの農業機械業界 市場調査報告書 ( ニューデリー発 ) 2012 年 3 月 日本貿易振興機構 ( ジェトロ )

2 本報告書に関する問い合わせ先 : 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) 機械 環境産業部機械 環境産業企画課 東京都港区赤坂 TEL: TNA-Cdr@jetro.go.jp 免責条項 ジェトロは 本報告書の記載内容に関して生じた直接的 間接的 あるいは懲罰的損害および利益の喪失については 一切の責任を負いません これは たとえジェトロがかかる損害の可能性を知らされていても同様とします JETRO 2012 本報告書の無断転載を禁ずる

3 目次 1. インド農業の概要 インドにおける農業の重要性 インドの農業の成長推移 農業部門の GDP への寄与度 農業品目別の生産量の割合 インドの総人口と農産物生産量 農業就業人口 農地および灌漑面積 インドの土質の違い インドの平均農地規模 主要地域の生産量と低収益の要因 インドにおける低収益の要因 技術導入 / 機械化 インドの農業機械市場の分析 農業機械市場の構成要素 農業機械市場の地域ごとの特徴 農業機械市場の市場規模および成長の見込み 農業機械の総数 農業機械の普及率 農業機械市場の成長原動力とその影響 農業機器業界の成長阻害要素 インドの農業機械の生産及び売上傾向の分析 インドの農業機械の輸出入傾向の分析 主な国内農業機械メーカーと各社のシェア... 37

4 2.11 農業機械市場における外資系企業 需要分析 レーザーレベラー コンバイン 動力耕耘機 回転式耕耘機 脱穀機 種まき機 ( 無耕ドリル ) 作物残渣管理 流通のメカニズムと設定価格の分析 流通のメカニズム アフターサービス 融資 信用供与 農業機械の気配値 IT サービスおよびその他の広告宣伝手段の活用 助成金のメカニズム 政府およびその他による農業機械関連政策 政府による計画および支援策 PROMOTION AND STRENGTHENING OF AGRICULTURAL MECHANIZATION THROUGH TRAINING, TESTING AND DEMONSTRATION( トレーニング 試運転 デモンストレーションによる農場機械化の推進と強化 ) RASHTRIYA KRISHI VIKAS YOJANA( 州政府に対する農業部門への公共投資を拡大奨励するプログラム ) NATIONAL FOOD SECURITY MISSION( 食糧安全保障ミッション ) MACRO MANAGEMENT SCHEME FOR AGRICULTURE( 農業のマクロ管理計画 ) INTEGRATED SCHEME OF OILSEEDS, PULSES, OIL PALM AND MAIZE (ISOPOM)( 油糧種子 豆類 油やし トウモロコシに関する総合計画 )... 57

5 4.1.6 NATIONAL AGRICULTURAL INSURANCE SCHEME (NAIS)( 国家農業保険計画 ) TECHNOLOGY MISSION ON COTTON(TMC)- MINI MISSION-II( 綿技術ミッション ) JUTE TECHNOLOGY MISSION (JTM)-MINI MISSION-II( ジュート技術ミッション ) INSTITUTIONAL CREDIT( 機関融資 ) 主要州の計画と助成金 HARYANA 州 BIHAR 州 ORISSA 州 ANDHRA PRADESH 州 MADHYA PRADESH 州 検査機関 農業機械の検査および検査機関 公認検査センター FDI 政策 農業部門の貿易政策 輸入政策 インドの主要農業機械メーカー 関連機関の分析 企業分析... 83

6 表一覧 表 1: インドの農業部門に関する基礎データ... 1 表 2: 農業および関連下位部門の産出額の成長率... 4 表 3: 農業部門の GDP への寄与度... 5 表 4: インドの主要農作物の収穫量および面積... 6 表 5: インドの園芸作物の収穫量および面積... 7 表 6: 人口と農作物の生産量... 7 表 7: インドにおける農業就業人口... 8 表 8: 農業就業者の賃金... 8 表 9: インドの農地面積 表 10: 州別の農地面積 表 11:2008~09 年の州別の主要農作物灌漑地面積 表 12: 所有面積別に分類した平均土地所有規模 表 13: 州別の主要農作物収穫量 表 14: バリューチェーンにおいて使用されている農業機械 表 15 : ベイラーおよび田植え機 表 16 : Agriculture Census に基づくインドの農業機械の数 表 17 : トラクタの種類別のメーカー数 生産台数 売上台数 表 18: 州別のトラクタ年間売上台数 表 19: インドの農業機械の輸入 (1,000 台 ) 表 20: インドの農業機械の輸入 (10 万ルピー ) 表 21: 外資系企業一覧 表 22 : 農業機械化のための信用供与の例 表 23: 整地 耕作関連農業機械の輸入税 (2011 年 3 月 1 日現在 ) 表 24: 収穫 脱穀関連農業機械の輸入税 (2011 年 3 月 1 日現在 ) 表 25: その他の農業機械の輸入税 (2011 年 3 月 1 日現在 )... 77

7 図一覧 図 1: インド農業の成長率推移... 3 図 2: 農業および関連部門が GDP に占める割合... 5 図 3: 農作規模の割合 図 4: 所有分類別の平均土地所有面積 図 5: 農業のバリューチェーン 図 6: 農業機械市場の地域別分析 図 7: 市場の構成要素 図 8: 主要農業機械メーカーの市場シェア 図 9: インドの主要農業機械の普及率 (1,000 ヘクタールあたりの数 ) 図 10: 州別のトラクタ普及率 図 11: インドにおけるトラクタの売上およびその伸び率 図 12: インドにおける動力式耕耘機の売上台数 図 13: インドの農業機械の輸出入傾向 図 14 : 農業機械メーカー各社のシェア 図 15 : 流通のメカニズム 図 16 : 被検査機械の部門別割合 (2010 年 3 月 31 日現在 )... 71

8 1. インド農業の概要 1.1 インドにおける農業の重要性 農業部門はインドの食料 栄養確保に不可欠である 農業部門が GDP に占める割合は サー ビス部門などの大きな伸びにより 14.2% へと縮小したものの ( 年度の実質値より算 出 ) 未だ就業人口の 58% 以上が主に農業で生計を立てている 過去 10 年間で 食用作物 穀物部門は 大きな成長を遂げ 年に 1 億 2,278 万ヘクター ルであった食用作物の栽培面積は 年には 1 億 2,573 万ヘクタールに拡大した 同様に穀 物生産量は 年の 2 億 1,285 万トンから 年には 2 億 4,156 万トンに増加した このような成長を遂げているにも関わらず 人口が世界の 17.5% を占めながら農地面積が世 界の陸地面積のわずか 2.3% にすぎないことから インドは今もなお 他の経済大国と比較して 食糧確保の点では危機的な状況に直面していると言える 以下の表にインドの農業部門に関す る基礎データを示す 表 1: インドの農業部門に関する基礎データ Stats 国土面積 総農地面積 ( 年 ) 純農地面積 ( 年 ) 3 億 2,800 万ヘクタール 1 億 9,000 万ヘクタール 1 億 4,200 万ヘクタール 国土面積に占める総農地面積 ( 年 ) 57% GDP の 17.8% 農業の寄与度 ( 年 ) 輸入高の 10.2% 就業人口の 58.2% 灌漑面積 ( 年 ) 灌漑用地下水 ( 年 ) 8,000 万ヘクタール 4,000 万ヘクタール 2001 年のインドの人口調査によると 2001 年の農業就業人口は 2 億 3,400 万人で 総労働人口 の 58% を占めた うち 39% は女性であった 以下の表はインドの農業の特徴を示したものであ る 1

9 農業部門は今後 安定した成長が見込まれる 第 11 次 5カ年計画 ( 年 ) における 農業部門の成長目標は4% 同計画の4 年目までの農業および関連部門の成長率は3.2% で 目標成長率の4% には届かなかった 第 12 次 5カ年計画 ( 年 ) における 農業部門の成長目標は4% と計画された インド農業の特徴 農地面積は世界平均が11% であるのに対し52% 世界の総農地面積の11% を占める 60の主要土壌型のうちの46 型が存在 20の農業気候型のうちの15 食料確保と農業への労働力の依存 ( 約 58%) という 視点から 政府は同部門をより注意深く見守る必要 がある 型が存在 農業に適した日照時間 1.2 インドの農業の成長推移 第 11 次 5カ年計画の農業の年間成長目標は4% で 1 年目の 年の実質成長率は5.8% であった 1990 年代半ば以降 農業部門の減速が続いていたが 2004 年 -05 年に大きな回復を見せ 年も引き続き成長が続いた しかし 年には 2009 年の深刻な干ばつ ( 過去 37 年で最悪レベル ) により カリフ期 ( 雨季 ) における生産量が減尐し 食料価格のインフレが進んだため 成長率はほぼ横ばいとなり 0.15% 減のマイナスに転じた 5カ年計画の3 年目 ( 年 ) も横ばい状態で0.44% 増にとどまり 第 11 次 5カ年計画の目標数値である4% を達成するためには 残る2 年 ( 年および 年 ) に7% の成長が要求されることになったが 年は回復傾向を取り戻したものの 成長率は5.41% にとどまった 成長率の推移は次のグラフのとおり 2

10 図 1: インド農業の成長率推移 25.00% % % % 12.79% 13.36% 15.70% 15.00% 11.05% 10.00% % % % Growth at prices % Growth at current prices 年実質価格に基づく成長率現行価格に基づく成長率 表 2 に下位部門の成長率を示した 年 穀草類 豆類 油糧種子 サトウキビなどの 穀物はマイナス成長を記録した 一方 果物 野菜 香辛料 草花類などの園芸作物及び家畜 類 林業 水産部門はここ数年にわたりプラスが続いている 3

11 部門 表 2: 農業および関連下位部門の産出額の成長率 産出率の割合 年から 年の平均成長率 第 11 次計画での目標成長率 (%) 年間成長率 年から 年の平均成長率 穀物 穀草類 豆類 油糧種子 サトウキビ 食物繊維類 その他の穀類 園芸作物 果物 野菜 香辛料 スパイス 医薬品 草花類 キッチンガ ーデン キノコ類 家畜 林業 水産 合計 E: 推定出所 : Planning Commission 1.3 農業部門の GDP への寄与度 年現在の農業部門の GDP への寄与度 ( 現行価格で評価 ) は約 18.5% で 基準年価格 ( 年価格 ) では 14.2% であった 年の年度ごとの GDP 成長率は現行価格で 23.1% 基準年価格で 5.4% であった GDP のうち農業が占める割合は年々縮小しているものの 今もなおインド最大の産業部門であり インドの社会経済全体において重要な部門である 次の表は インドの GDP 全体に占める農業および関連部門の割合を 基準年価格 ( 年価格 ) で示したものである 4

12 表 3: 農業部門の GDP への寄与度 年度 GDP (1,000 万ルピー ) 農業および関連部門のGDP (1,000 万ルピー ) 現行価格 基準年価格 現行価格 基準年価格 ( 年価格 ) ( 年価格 ) 農業および関連部門が GDP に占める割合 (%) 現行価格 基準年価格 ( 年価格 ) ,971,464 2,971, , , 農業および関連部門の GDP 成長率 (%) 現行価格 基準年価格 ( 年価格 ) ,389,621 3,254, , , ,952,241 3,566, , , ,581,422 3,898, , , ,282,086 4,162, , , ,133,230 4,493,743 1,089, , E 7,256,571 4,879,233 1,341, , E: 推定出所 : Central Statistical Organization 以下のグラフに示したように 農業および関連部門が GDP に占める割合は 年以降減尐している この減尐の主な原因としては 油糧種子や綿 ジュート メスタ サトウキビなどの農業作物の生産量の減尐が挙げられる 年は 1972 年以降最悪となる南西部へのモンスーン上陸 そしてそれに伴うカリフ期の不作があったにも関わらず ラビ期 ( 乾季 ) の収穫が好調であったことなどから 0.4% とわずかな回復を見せた 図 2: 農業および関連部門が GDP に占める割合 E 農業および関連部門が GDP に占める 割合 ( 現行価格ベース ) % share of agriculture & allied sector to total GDP at current prices % share of agriculture & allied sector to total GDP at constant ( ) prices 農業および関連部門が GDP に占める割合 ( 年の基準年価格ベース ) 出所 : Central Statistical Organization 5

13 1.4 農業品目別の生産量の割合 以下の表に インドの代表的な農作物である穀物 油糧種子 サトウキビ 米 麦 豆類 雑穀など 農業品目別の生産量の割合を示した サトウキビが増加している一方 米 雑穀の収穫量 (kg/ ヘクタール ) はほぼ横ばい 穀物 豆類は減尐した インドの農地の大半は 米の栽培が占めている 農作物 表 4: インドの主要農作物の収穫量および面積 面積 生産量 収穫量 (100 万ヘクタール ) (100 万トン ) (kg/ ヘクタール ) 年度 穀物 , , ,660.0 油糧種子 NA NA 1, NA サトウキビ ,553 66,099 66,922 米 * , , ,177.0 麦 * NA 2, ,830.0 NA 豆類 NA 雑穀 NA NA: データなし 出所 : Indian Agricultural Statistics Research Institute - Agricultural Research Data Book 2011 *2010 年 9 月現在の第 1 回事前推定値 6

14 表 5: インドの園芸作物の収穫量および面積 部門 ( 暫定値 ) 面積 収穫量 面積 収穫量 面積 収穫量 面積 収穫量 果物 1,600 10,885 6,102 68,465 6,326 71,516 6,625 75,826 野菜 7, ,449 7, ,078 8, ,102 8, ,687 プランテーシ ョン作物 3,190 11,300 3,217 11,336 3,265 11,928 3,287 11,968 スパイス 2,617 4,357 2,629 4,145 2,464 4,016 2,464 4,016 香料 花き , , , ,059 Source: Agriculture statistics at a glance 2010, IMaCS Analysis 1.5 インドの総人口と農産物生産量 2011 年のインドの人口調査によると インドの総人口は 12 億 1,019 万 3,422 人で約 12 億人 年間の増加率は 17.6% となっている 1 農作物の生産量は以下のとおりである 表 6: 人口と農作物の生産量 年度 人口 (100 万人 ) 農作物生産量 (100 万トン ) 農作物の人口に占める割合 % % % % % % % 出所 : Census of India 2011 official website 農作物が人口に占める割合は 1960 年以降ほぼ横ばいとなっているが 年以降は減尐し ている 7

15 1.6 農業就業人口 2001 年のインドの人口調査によると 2001 年の農業就業人口は 総労働人口の約 58% を占め る 2 億 3,400 万人で うち 39% は女性であった 表 7: インドにおける農業就業人口項目 E 総人口 (100 万人 ) , ,434.0 総労働人口 (100 万人 ) 人口に占める労働人口の割合 (%) 総労働人口に占める農業就業人口の割合 (%) 農業就業人口 (100 万人 ) 男性 (100 万人 ) 女性 (100 万人 ) 農業就業人口に占める女性の割合 (%) E: 推定出所 : Census of India 2001 表 8: 農業就業者の賃金州 直轄領未熟練労働者の最低賃金 ( 日 / ルピー ) Andhra Pradesh Arunachal Pradesh 80.0 Assam Bihar 97.0 Chattisgarh Goa Gujarat Haryana Himachal Pradesh Jharkhand 92.0 Jammu & Kashmir 66.0 Karnataka Kerala 72.0 (light work) (Hard work) Madhya Pradesh

16 Maharashtra Zone Zone Zone Zone Manipur 72.4 Meghalaya 70.0 Mizoram Nagaland 80.0 Orissa 90.0 Punjab (without meal) Rajasthan Tamil Nadu 80.0 Tripura 85.0 Uttar Pradesh Uttarakhand West Bengal Andaman &Nicobar Chandigarh Dadar & Nagar Haveli Delhi Pondicherry 80.0 (for 6 hours) (Karaikal/Yanam/Pondicherry) (Mahe) (for hard work) (for light work) 出所 : Agriculture statistics at a glance 2009, IMaCS Analysis 9

17 1.7 農地および灌漑面積 年現在のインドの総農地面積は 1 億 9,580 万ヘクタール 純作付面積は 1 億 4,090 万ヘクタールであった また 年現在の総灌漑面積は 8,730 万ヘクタール 純灌漑面積 は 6,230 万ヘクタールであった 表 9: インドの農地面積 (100 万ヘクタール ) 分類 国土面積 利用土地面積 純作付面積 総農地面積 二作以上の作付面積 作付強度 * 純灌漑面積 総灌漑面積 * 作付強度とは 総作付面積が純農地面積に占める割合である 出所 : Indian Agricultural Statistics Research Institute - Agricultural Research Data Book 2011 州別の農地面積とその国土面積に占める割合を以下の表に示した Andhra Pradesh 州 Gujarat 州 Karnataka 州 Madhya Pradesh 州 Maharashtra 州 Rajasthan 州 Uttar Pradesh 州は 純作付面積が広い 州 土地面積 土地利用 統計への 報告面積 表 10: 州別の農地面積 非農地面積 純作付面積 ( 年現在 ) 1000 ヘクタール 総農地面積 耕作可能面積 作付強度 Andhra Pradesh 27,507 27,505 4,784 10,756 13,567 15, Arunachal 8,374 5,154* Pradesh Assam 7,844 7,850 2,626 2,753 3,839 3, Bihar 9,416 9,360 2,083 5,665 7,910 6, Chattisgarh 13,519 13, ,727 5,748 5, Goa Gujarat 19,602 18,868 3,754 9,747 12,224 12, Haryana 4,421 4, ,594 6,458 3, Himachal 5,567 4,545 1,

18 Pradesh Jammu & 22,224 3,781* ,134 1, Kashmir Jharkhand 7,972 7,970 1,319 1,536 2,391* 4, Karnataka 19,179 19,050 2,157 10,419 12,893 12, Kerala 3,886 3, ,089 2,761 2, Madhya Pradesh 30,825 30,756 3,392 14,687 20,416 17, Maharashtra 30,771 30,758 3,146 17,473 22,655* 21, Manipur 2,233 1, * Meghalaya 2,243 2, , Mizoram 2,108 2, Nagaland 1,658 1, Orissa 15,571 15,571 2,138 5,624 9,016 7, Punjab 5,036 5, ,187 7,870 4, Rajasthan 34,224 34,270 4,264 17,096 22,208 25, Sikkim Tamil Nadu 13,006 13,027 2,661 5,062 5,815 8, Tripura 1,049 1, Uttarakhand 5,348 5, ,261* 1,509* Uttar Pradesh 24,093 24,170 3,268 16,417 24,297* 19, West Bengal 8,875 8,684 1,783 5,296 9,752 5, Andaman & Nicobar Chandigarh D&N Haveli Daman & Diu Delhi Lakshadweep 3 3 NA Pondicherry 全インド 3,28,726 3,05,674 43,218 1,40,861 1,95,835 1,82, 出所 : Agricultural Statistics at a Glance, 2010, Directorate of Economics and Statistics, Ministry of Agriculture, Government of India 11

19 州 / 直轄領 穀草類合計 表 11:2008~09 年の州別の主要農作物灌漑地面積 豆類合計 食糧穀類合計 サトウキビ 落花生 菜種およびマスタード 大豆 ヒマワリ ANDHRA PRADESH ARUNACHA L PRADESH ASSAM BIHAR** CHHATTI SGARH GOA GUJARAT** HARYANA HIMACHAL PRADESH** JAMMU & KASHMIR JHARKHAN D KARNATAK A KERALA MADHYA PRADESH MAHA RASHTRA** MANIPUR** MEGHALAY A MIZORAM NAGALAND ORISSA PUNJAB RAJASTHAN SIKKIM** TAMIL NADU TRIPURA** UTTARA KHAND UTTAR PRADESH** WEST 油糧種子合計 綿 タバコ 全農作物合計

20 BENGAL** ALL INDIA * 暫定値 ** 灌漑地に関する数値は 州政府発表の最新データに基づき推定または Agriculture Census より引用した ものである 出所 : Agricultural Statistics at a Glance, 2011, Directorate of Economics and Statistics, Ministry of Agriculture, Government of India 1.8 インドの土質の違い 土質の分類法および科学特性に基づき インドの土質は以下の 6 つに分類される 1) 赤色土 2) ラテライト土壌 3) 黒色土 4) 沖積土 5) 砂漠土 6) 有機の森林土壌および丘陵地土壌 赤色土赤色土が占める面積は約 20 万平方マイルで Tamil Nadu 州 Mysore Maharashtra 州南西部にかけた広い範囲 および Madhya Pradesh 州 Chota Nagpur Orissa 州に沿って見られる 北部および北西部においては Bihar 州では Santhal Parganas すなわち Birbhum や Bankura West Bengal 州では Midnapur 地域 すなわち Khasi Jaintia Garo Assam 州では Naga Hills 地域 すなわち Mirzapur Jhansi Banda Uttar Pradesh 州では Hamirpur 地域 さらに Madhya Pradesh 州の Baghelkhand 地域 Rajasthan 州の西半分で見られる ラテライト土壌ラテライト土壌が占める面積は 4 万 9000 平方マイルで Deccan 高原 インド中部 Madhya Pradesh 州 Rajmahal 高原 西 Ghats 山脈 Orissa 州の平野の一部 Maharashtra 州 Malabar Assam 州に見られる この土壌は雨量が多い地域で見られ 雨期と乾期をくり返す この土壌 13

21 は高地では水分が非常に多く砂利混じり 低地や丘陵地では重い壌土から粘土まで 様々な形 をとり 様々な穀物 中でも米の栽培に適している 黒色土黒色土は 南部の広い地域 Deccan 高原 Maharashtra State 州の大部分 Madhya Pradesh 州および Andhra Pradesh 州西部 Tamil Nadu 州の一部で見られる 黒色土は (1) 深層の重い土質 (2) 中間層の軽い土質 (3) 河川流域で見られる土質の 3 つに分類される 沖積土沖積土はインドの土壌の中で最も肥沃な土質であるとされている この土壌の定義は曖昧である 沖積土はインド南部 北西部 北東部 すなわち Punjab 州 Uttar Pradesh 州 Bihar 州 West Bengal 州 Assam 州の一部 Orissa 州 そして沖積三角州を含むインド南部の沿岸部で主に見られる Indo-Gangetic 平野全体の沖積土面積は 30 万平方マイルである この土壌は 300ft. 以上の深層に存在し 窒素や腐植土 時にはリン酸に欠けるものの カリ質や石灰質は含み 米や麦 サトウキビなど 様々な穀類の栽培に適している 砂漠土 砂漠土は Indus 川と Aravallis 川の中間 Rajasthan 州の大部分および Haryana 州の一部で見 られる 粘土分 水分が尐なく 色は茶色 薄茶色または赤色 森林土壌および丘陵地土壌インドの約 24% は森林である 森林土壌および丘陵地土壌に分類される土壌は 酸性腐植を含む塩基性の低い酸性土壌と 褐色森林土を生成する塩基性の高い弱酸性または中性土壌の 2 つのタイプに大きく分けられる 1.9 インドの平均農地規模 インドの平均農地所有面積は減尐してきた 農地分配法 (land ceiling acts) の施行や家族間 の争いなどによる土地の分割により 平均土地所有面積は大変小さい (2 ヘクタール以下 ) その他の所有地のうち 19% は 小規模農地 に分類され その面積は 1~2 ヘクタール 小規 14

22 模または最低規模を合わせて全体の 81.3% を占める こうした小規模所有地においては労働力 が過剰であることが多く 失業や低い労働生産性などにつながっている 小規模または最低規 模の農地所有者は 灌漑設備や整地 土壌改善などへの投資に対するインセンティブが低い 表 12: 所有面積別に分類した平均土地所有規模 数 : ('000 Number), 耕作地 : ('000 ヘクタール ), 平均面積 : ( ヘクタール ) 最小限 小規模 小中規模 中規模 大規模 所有分類数エリア平均農地所有面積 1 ヘクタール 以下 1~2 ヘクター ル 2 ~ 4 ヘクタ ール 4~10 ヘクタ ール 10 ヘクタール 以上 ,408 83,694 29,814 32, ,695 23,930 32,139 33, ,021 14,127 38,193 37, ,577 6,375 38,217 36, ,230 1,096 21,072 18, 合計 119, , , , 出所 : Agricultural Statistics at a Glance, 2011, Directorate of Economics and Statistics, Ministry of Agriculture, Government of India 15

23 図 3: 農作規模の割合 Large 12% Marginal 20% Medium 23% Small 21% Semi-medium 24% 出所 : Agricultural Statistics at a Glance, 2011, Directorate of Economics and Statistics, Ministry of Agriculture, Government of India 図 4: 所有分類別の平均土地所有面積 Marginal Small Semi-medium Medium Large * * 出所 : Indian Agricultural Statistics Research Institute - Agricultural Research Data Book 2011,IMaCS Analysis 16

24 1.10 主要地域の生産量と低収益の要因 下の表は 主要地域における様々な農作物の収穫量を示したものである 米は Andhra Pradesh 州 Tamil Nadu 州 Haryana 州 Punjab 州では高い収穫量を誇っており 中でも Punjab 州は1ヘクタールあたり 4,010kg と最も多い 豆類については Kerara 州および Punjab 州が多く Kerara 州は 1 ヘクタールあたり 1,095kg 油糧種子類については Kerara 州 Tamil Nadu 州 Gujarat 州 Haryana 州 Rajastan 州 Punjab 州が多く Tamil Nadu 州が 1,764kg/ ヘクタールと最も多い 麦の収穫量が多いのは Haryana 州と並んで Punjab 州で 4,314kg/ ヘクタールと最も多くなっている 表 13: 州別の主要農作物収穫量 収穫量 (Kg/ ヘクタール ) 州 Andhra Pradesh 2,939 2,984 3,344 3,246 3,056 Karnataka 3,868 2,470 2,625 2,511 2,391 Kerala 2,284 2,390 2,310 2,519 2,636 Tamil Nadu 2,546 3,423 2,817 2,683 3,113 米 Gujarat 1,949 1,799 1,895 1,698 1,863 Haryana 3,051 3,238 3,361 2,726 3,008 Maharashtra 1,770 1,669 1,898 1,489 1,515 West Bengal 2,509 2,593 2,573 2,533 2,611 Uttar Pradesh 1,996 1,879 2,063 2,171 2,082 Rajasthan 1,425 1,577 2,031 1,807 1,515 Punjab 3,858 3,868 4,019 4,022 4,010 Andhra Pradesh Karnataka Kerala ,095 Tamil Nadu 豆類 Gujarat Haryana Maharashtra West Bengal Uttar Pradesh Rajasthan Punjab Andhra Pradesh , Karnataka Kerala ,043 17

25 Tamil Nadu 1,624 1,829 1,739 1,782 1,764 油糧種子類 Gujarat 1, ,618 1,345 1,046 Haryana 1,124 1,344 1,214 1,723 1,648 Maharashtra , West Bengal Uttar Pradesh Rajasthan 1,134 1,146 1,051 1,114 1,066 Punjab 1,097 1,111 1,288 1,276 1,335 Andhra Pradesh , Karnataka Kerala Tamil Nadu Gujarat 2,700 2,498 3,013 2,377 2,900 麦 Haryana 3,844 4,232 4,158 4,390 4,213 Maharashtra 1,393 1,325 1,659 1,483 1,625 West Bengal 2,109 2,282 2,602 2,490 2,650 Uttar Pradesh 2,627 2,721 2,817 3,002 2,876 Rajasthan 2,762 2,751 2,749 3,175 2,852 Punjab 4,179 4,210 4,507 4,462 4,314 出所 : Indian Agricultural Statistics Research Institute - Agricultural Research Data Book インドにおける低収益の要因 全般的な要因農業人口の過密 :- 農業人口の過密は 農業収益の低下の大きな要因となっている 農村地域における向上心の欠如 :- 農村地域に居住するインドの農業従事者は近代化への執着がさほどなく そのため機械化へのイニシアティブを持たせることが難しい 非常時サービスの不備 : - 金融 販売 保存設備の不足も インドの農業の後進性の要因のひとつと言える 自然に係る要因 :- モンスーンがよいと農作物がよく そうでないと打撃を受けるというような モンスーンへの依存の強さ 組織的要因 土地所有規模の小ささ :- 土地所有面積の低さが農業の成長の障害となっている インドの平均 土地所有面積は 2 ヘクタール以下 小規模企業の場合は 新技術の導入は困難である 18

26 土地所有形態 :- インドの農村では未だ大地主が土地に対して大きな影響力を持っているため 実際農業を行う人々の中に 生産力の向上などを目指すインセンティブが低く 農業部門の成 長に歯止めをかけている 技術的要因生産技術の低さ :- インドの農業従事者は旧式で 非効率な技術を利用している 灌漑設備の不十分さ :- 様々な種類の灌漑が行われているものの 大幅に増加するということがない 1.12 技術導入 / 機械化 インドの農業において技術導入は インフラや学習曲線 コスト面などの要因で 遅いスピードでしか進んでこなかった 農業従事者たちによる技術革新および新技術の採用は 農業部門の牽引力となると見込まれる Mahindra and Mahindra や Force Motors Escorts などの企業は かつて組織化されていないセクターが独占していた新たな市場に参入している これは 農業収益にポジティブに作用すると考えられる しかし こうした新市場における市場獲得には 時間がかかりそうだ 図 5: 農業のバリューチェーン 農業投資農業卸売 加工および補助サービス 小売 種子 肥料 農業設備 融資 農家 ( ほとんどが非組織 ) 契約農家 卸売業者 販売業者 流通業者 アグリゲーター オーガニック食品 倉庫 冷蔵庫 ロジスティクス 販売業者 流通業者 小規模店舗 メガモール 非組織的販売店 出所 : IMaCS analysis 19

27 インド農業の機械化の状況農業における機械化は増加傾向にあるものの 州によってそのレベルに大きなギャップがある Punjab 州 Haryana 州 Uttar Pradesh 州 ( 特に西部およびタライベルト ) では 様々な計画の推進により機械化の速度が速い コンバインや脱穀機 その他の動力式機械の普及は全国的に進んでいる 北東州における機械化は その山岳地形や社会経済状況 輸送費の高さ 資金調達機関の不足 農業機械メーカーの不足などから 十分に進んでいるとは言えない 西部 南部の州 すなわち Gujarat 州 Maharashtra 州 Rajasthan 州 Tami Nadu 州の一部の地域 Andhra Pradesh 州などでは 灌漑地の増加や農業従事者の意識の高まりにより 機械化が進んでいる 20

28 2. インドの農業機械市場の分析 2.1 農業機械市場の構成要素 インドで使用されている主要農業機械は (1) 開拓用機械 耕作機械 播種床造成機 (2) 播種 植え付け機械 (3) 除草機械 栽培設備 農作物保護機械 (4) 収穫機 脱穀機 (5) 収穫後関連機械 加工機械の 5 部門に分類される 以下の表に バリューチェーンにおいて使用されている農業機械を挙げた 表 14: バリューチェーンにおいて使用されている農業機械 開拓 耕作 播種床造成 播種 植え付け 除草 栽培 農作物保護 収穫 脱穀 収穫後 加工 ジャングルの開拓 土壌開拓 畑作り 道路 区分け 整地 必要とされる深さ 間隔 種子率に基づく播種 除草土壌と雨の浸透度の改善殺虫剤の使用 穀物のわらと塊茎を無駄なく分別収穫物と穀物を分別 洗浄選別分類乾燥および保存製粉食品加工 トラクタ ドリル シャベル 収穫機 種取り機 地ならし機 種まき機 鋤 脱穀機 殻剥き機 鋤 穴掘り機 耕耘機 掘削機 もみすり機 フ ルト ーサ ー 田植え機 噴霧機 刈り取り機 洗浄機 掻機 散布機 殻剥き機 選別機 鎌 製粉機 乾燥機 21

29 2.2 農業機械市場の地域ごとの特徴 Punjab 州 Haryana 州 Uttar Pradesh 州 ( 特に西部およびタライベルト ) では 様々な計画の推進により機械化の速度が速い コンバインや脱穀機 その他の動力式機械および装置の普及は 全国的に進んでいる 北東州における機械化は その山岳地形や社会経済状況 輸送費の高さ 資金調達機関の不足 農業機械メーカーの不足などから 十分に進んでいるとは言えない 西部 南部の州 すなわち Gujarat 州 Maharashtra 州 Rajasthan 州 Tami Nadu 州の一部の地域 Andhra Pradesh 州などでは 灌漑地の増加や農業従事者の意識の高まりにより 機械化が進んでいる 図 6: 農業機械市場の地域別分析 北部 最大のトラクタ市場主力は UP 州 Punjab 州 Haryana 州 Rajasthan 州など非農業部門におけるトラクタの利用増加 南部 主力は 米の裁定支持価格 (MSP) の高騰に伴い 74% の伸びを見せた Karnataka 州 34~5 年にわたり成長を続けた Andhra Pradesh 州は 10.4% 減 東部 総売上の約 50% が Bihar 州稲の MSP の高騰は農業従事者に十分な流動性を提供し 市場成長の主な原動力となった今後数年は価格上昇により 成長率は横ばいに推移すると見込まれる 西部 Gujarat 州 Maharashtra 州 MP 州が主力で 成長率は 55% を超える穀物の価格上昇および小売業者の融資向上がけん引力となった 22

30 2.3 農業機械市場の市場規模および成長の見込み 2010 年のインドの農業機械 (AE) 市場は 世界全体の 12% を占めた 同業界は組織化されていない部門が独占状態で 市場シェアは 50% を超える 2010 年現在 インドの農業機械市場規模は 3,700 億ルピーで 成長率は 6% であった 1 今後も穀物収益の増加に向けた業界の近代化に歩調を合わせる形で成長を続けると見込まれる インドの農業部門の機械化は まだ始まったばかりである 政府の補助金の増加 建設業な どへの労働力の移行により 農業機械および設備の市場は大きく広がった 農業従事者は未だ 知識不足と最先端の道具や機械が入手不可能な状況であることから 原始的な道具やウシ 手 作業に依存している 図 7: 市場の構成要素 インドの組織的部門が生産する主な農業機械は トラクタおよび耕耘機である インドで生産されるその他の主要農業機械には 収穫機 農作物保護機械 細粒灌漑装置 マイクロスプリンクラーなど 主な輸出先はアフリカ 中東 南米 アジアなど Others, 57% Tractors, 34% Threshers, 4% インドの主な農業機械メーカーには Trailers, 2% Reapers, 3% Mahindra & Mahindra Escorts TAFE L&T John Deere などが挙げられる 次の図に インドの 主要農業機械メーカーの市場シェアを示した 1 Agriculture and Food Industry 2011 Research on India 23

31 図 8: 主要農業機械メーカーの市場シェア L&T - John Deere, 9.6% New Holland, 6.0% ITL, 8.4% Escorts, 12.8% Others, 0.6% M&M, 39.8% TAFE, 22.8% 2.4 農業機械の総数 農業部門の機械化を推進する農業省 (Ministry of Agriculture) は より効率的で 環境に優しく 選び抜かれた農業機械の採用を推進し 機械 電子機器 人や役畜の力を最大限に効率よく活用することにより 農地 労働力 種苗 肥料 殺虫剤などの生産性の向上を目指している こうした取り組みにより ペダル式脱穀機 木製 鉄製鋤 手動の殺虫剤噴霧機など 手動の農業機械の数は大幅に減尐した 一方 動力式耕作機 電動脱穀機 コンバイン脱穀機 トラクタ トラクタ牽引式植え付け機など 動力を使用した農業機械が 2006 年 ~07 年にかけ 数を大きく伸ばした これにより 農作業の質は向上し 生産コストの大幅削減が実現した 24

32 1 耕作機械 鍬 in lakhs E Disc Harrow Tractor Drawn Disk Harrow 出所 : Agri census 2001,2006-7, IMaCS Estimates 2 耕作機械 鋤 in lakhs 出所 : Agri census 2001,2006-7, IMaCS Estimates Wooden Plough Steel Plough Tractor drawn mould board plough

33 3 植え付け機械 植え付け機 in lakhs Seed Planter Tractor Drawn Planter 出所 : Agri census 2001,2006-7, IMaCS Estimates 4 施肥 害虫除去 in lakhs Power operated sprayer/duster Hand operated sprayer/duster 出所 : Agri census 2001,2006-7, IMaCS Estimates 26

34 5 収穫 収穫後関連機械 収穫機 in lakhs Combine Harvesters Trailed Type Combine Harvesters Self Propelled 出所 : Agri census 2001,2006-7, IMaCS Estimates 6 収穫 収穫後関連機械 脱穀機 in lakhs Pedal Operated Thresher OLPAD Thresher Power Thresher 出所 : Agri census 2001,2006-7, IMaCS Estimates 27

35 7 ベイラーおよび移植機 (Livestock Census 2003 より ) 出所 : Livestock census 2003 表 15 : ベイラーおよび田植え機機械 ( 数 ) ベイラー 269,100 手動式田植え機 29,953,000 動力式植え付け機 114,000 動力式田植え機 164,400 手動式田植え機のような手動式機械は市場を奪われ その需要は過去 10 年 減尐を続けている 手動式機械はより効率的で高度な動力式機械にとって代わられている 上記の表に 2003 年に実施された畜産調査より インドにおけるベイラーおよび植え付け機の数を引用した 現在の状況は大きく変化しており 最新式の田植え機の市場規模は 年間約 700 ユニットとなっている 以下の表は Agriculture Census of India に記載されている全農業機械の数を示したものであ る なお農業機械は 以下の 3 カテゴリーに分類される 手動式機械 役畜駆動機械 動力式機械 表 16 : Agriculture Census に基づくインドの農業機械の数カテゴリー Agriculture Census に基づくインドの農業機械の数 手動式機械 役畜駆動機械 手動式施肥穴掘り機ペダル式脱穀機もみ殻吹き分け うちわ トウモロコシ処理機 6,909,518 4,689,482 24,850,623 2,534,155 わら切断機 手動式 噴霧機 散布機 手動鍬 ホイール式鍬 31,340,350 20,351,313 54,204,968 7,414,250 刃鍬稲刈り機剪定ばさみ芽接ぎ 接ぎ木ナイフ 12,138,968 3,807,719 21,516,351 11,340,003 ガーデンフォーク その他 12,793,701 30,825,807 木製鋤鉄製鋤ディスクハロー耕耘機 45,582,932 27,538,172 9,269,000 14,141,722 播種兼施肥穴掘り代掻き機播種機脱穀機 28

36 動力式駆動機械 その他 機 播種穴掘り機 11,449,307 28,310,217 2,640,072 2,100,752 牛引荷車 ペルシャ井戸 樹木粉砕機 水路掘削整形機 26,556, , ,757 2,918,048 土入器 ジャガイモ ピーナ 刈取り機 その他 ッツ堀り機 5,062,126 2,319,547 13,704,587 7,181,991 動力式 ディーゼルエンジン 電気式ポンプ 動力式耕作機 噴霧機 散布機 式ポンプ 5,722,480 13,179,632 12,713,933 2,894,946 農業用トラクタ トラクタ牽引式撥土 トラクタ牽引式 トラクタ牽引式播種兼 板鋤 ディスクハロー 施肥穴掘り機機 31,279,048 7,648,717 6,196,946 5,130,579 トラクタ牽引式播種 トラクタ牽引式レベ トラクタ牽引式 動力式脱穀機 ( 麦 機 ラー ジャガイモ堀り 稲 多目的用途 ) 機 1,016,775 4,642, ,816 6,718,998 動力式もみ殻カッタ 動力式樹木粉砕機 定置式コンバイ 自走式コンバイン ー ン 4,196, ,835 1,021, ,860 耕耘機 回転式耕耘機 かご車輪 刈取り機 4,917, ,461 1,135, ,441 トウモロコシ処理機 ピーナッツ皮剥き機 その他 855, ,076 1,207,751 灌漑用スプリンクラ 細粒灌漑装置 水撃ポンプ チェーン洗浄ポンプ ー 灌漑装置 1,261, ,733 41, , 農業機械の普及率 普及率が最も高いのは作物保護機械で 1,000 ヘクタールあたり 28.5 機となっている 一方 トラクタの普及率は 1,000 ヘクタールあたり 16.7 台 トラクタ業界は 政府の農業重視政策の恩恵を大いに受けた インド準備銀行 (RBI) の規 定によると Domestic Scheduled Commercial Banks(SCBs) は正味銀行与信のうち 40% を優先 部門に充てることを目標とし うち 18% は農業部門に割り当てられる 年に 3 兆 6,661 29

37 億 9,000 万ルピーであった農業および関連部門への融資は 2001 年会計年度から 2010 年会計 年度の間に 複合年間成長率 24% と大きく拡大した 2 図 9: インドの主要農業機械の普及率 (1,000 ヘクタールあたりの数 ) Tractor Operated Rotavator 0.9 Power Tillers 2 Tractor Operated Leveller 6.2 Tractor Operated Harrow 6.6 Drip & Sprinkler Equipments 8.3 Horticultural Tools (Power Operated) 8.9 Tractor Operated Cultivator 12.5 Tractors 16.7 Forage Harvester 18.2 Straw Reaper 18.8 Manually operated plant protection equipment 28.5 出所 : ICRA Report, Tractor Industry, March 2011 and IMaCS analysis 図 10: 州別のトラクタ普及率 Statewise Tractor Penetration No. per 000 hectare Assam WB Orrisa Maharashtra MP Rajasthan Karnataka Gujarat Bihar AP TN UP PB Haryana 2 Agricultural Statistics at a Glance 2010 (Directorate of Economics and Statistics; Department of Agriculture and Cooperation) 30

38 2.6 農業機械市場の成長原動力とその影響 1. 信用枠 : - 多くの国営 民営銀行が様々な計画で農業従事者をサポートする特別プランを打ち出している 実際 トラクタのうち 85% はローンで購入されている 2. 政府の支援 : - インド政府は 農業機械への投資に対し 奨励金の提供を行っている 政府は農業および関連部門への予算枠を拡大し 様々な穀類の最低支持価格を引き上げと 様々な農村福祉政策に配分することにより 農業および農村開発を支援している 3. 農村の電力不足 : - 農村における耕地ごとの電力量は 2020 年までに 2 KW/ ヘクタールに増加すると予想されるが これは先進国に比べると低レベルである 4. トラクタ普及率の低さ : - 1,000 ヘクタールあたりのトラクタ数 16.7 台という普及率の低さは インドの農業機械市場にとって大きな機会となっている 世界の平均的なトラクタ普及率は 1,000 ヘクタールあたり 19 台 一方アメリカでは 25 台となっている 5. 新市場および製品における機会 : - 成熟期に近く 循環的な性質をもつトラクタ業界において メーカーは新たな機会を模索している トラクタには建設現場やインフラ計画の運搬用など 農業以外の用途もある メーカー各社は発電機やエンジン 収穫機 カッター その他の農業関連部門など 新たな市場に参入することで ラインアップを拡大しつつある 6. 農業投資における利潤拡大に向けた生産性の重視 :- 農業における機械化は農業都市における利潤拡大に向け 生産性を重視する農業従事者にとって 次第に必要とされるようになっている 7. 請負農業 : - 請負農業は農業従事者に 情報や新技術 電力 市場とのつながりなどを提供する機会を与える 2.7 農業機器業界の成長阻害要素 成長阻害要素 農業機械市場 1. コスト制限 : - 小規模または最小規模農家のほとんどは収益源が循環的であり その結 果資金運用に制限が生じる こうした農業従事者の所有地面積は 5 エーカー以下 イン 31

39 ドの農家全体の 80% 以上を占め トラクタ所有率はわずか 1% にも満たない トラクタ は農業従事者にとって高い投資である また 小規模灌漑が灌漑にかかるコスト全体 の最大 70% を占めているという現実もある 2. 農地の細分化 : - インドの平均農地所有面積は 年が 1.69 ヘクタールであったのに対し 年は 1.33 ヘクタールにまで減尐した 約 19% が 1 または 2 ヘクタールの 小規模農家 部門に分類され 小規模または最小規模農家のみで全体の 81.3% を占める 小規模または最小規模の土地所有者は 灌漑施設の導入や整地 高塩分やアルカリなどの土質の改善を始めとする 土地の開拓に投資を行うというインセンティブが低い 業者はトラクタの販売よりも トラクタのレンタルにより重点を置く必要がある 気候条件と土質が国内で多様なため 農業機械には地域ごとのカスタマイズが要求されてしまう 3. 不安定なモンスーン : - 予期せぬ雨をもたらし 在庫の山積へとつながるモンスーンは 農業従事者のトラクタ購入またはレンタルを困難にしている たとえば建設現場やインフラ計画の運搬用など農業以外の分野で 乾季の収入源のための用途などへの使い道を提案するのも メーカーにとっては手であろう 32

40 2.8 インドの農業機械の生産及び売上傾向の分析 トラクタ : 年から 年の過去 4 年間のインドにおけるトラクタの生産および売上台数は 以下の表のとおりである トラクタの種類 表 17 : トラクタの種類別のメーカー数 生産台数 売上台数 メーカー数 生産売上生産売上生産売上生産売上 <=20 hp 2 1,537 1,495 1,755 1,714 2,451 2,329 3,752 3, to ,014 58,610 49,792 51,675 49,086 49,988 64,896 66,027 hp 31 to , , , , , , , ,134 hp 41 to 50 9 hp 91,223 91,650 98,351 94,972 88,596 85, , ,821 >51 hp 6 29,177 28,790 40,524 39,539 50,829 51,111 61,035 62,487 Total 352, , , , , , , ,230 ( 台 ) 年および 年 (9 カ月 ) の年度別の売上成長率はそれぞれ 28.3% 11% となり 堅調に推移した 年 (9 カ月 ) の大幅な売上増の背景としては モンスーンが通常の南西型であったカリフ期の豊作 適当な信用枠の提供 出稼ぎ労働者の減尐 豊作に伴う農村の流動性の拡大 地価高騰 非農業用途へのトラクタ使用の拡大が挙げられる 官民共同の取り組みが功を奏し 農村の機械化は年々着実に進んでいる トラクタと動力式耕作機を農業の機械化のバロメータとし 過去 6 年間の売上を見ても この事実は明らかである 33

41 図 11: インドにおけるトラクタの売上およびその伸び率 % 20% 3 12% % % % % % FY02 FY03 FY04 FY05 FY06 FY07 FY08 FY09 FY10 FY11 Total Sales Volume 出所 : ICRA Report, Tractor Industry, March 2011 and IMaCS analysis 以下の表に 州ごとのトラクタ売上台数と 輸出台数を示した 年は 総生産台数 44 万 331 台に対し 輸出台数は 3 万 9,681 台であった 売上台数が多い州は Andhra Pradesh 州 Madhya Pradesh 州 Maharashtra 州 Rajasthan 州 Uttar Pradesh 州で 中でも Uttar Pradesh 州が 7 万 3,680 台と最も多い 表 18: 州別のトラクタ年間売上台数 ( 台 ) 州 / 年 Andhra 10,477 16,603 22,444 35,613 43,758 38,417 34,690 Pradesh Assam ,120 1,296 1,588 3,578 Bihar 12,149 14,621 12,295 11,824 13,104 17,572 29,047 Chhattisgarh - 6,570 8,790 10,174 Gujarat 9,989 16,916 23,060 29,906 25,255 20,179 24,346 Haryana 11,514 12,381 14,572 20,129 23,627 22,573 28,715 Himachal , ,203 Pradesh Jammu & 1,602 1,172 1,290 1,181 1,328 1,115 1,614 Kashmir Jharkhand 2,897 3,643 5,667 Karnataka 8,438 15,495 25,291 22,642 17,230 13,835 23,927 Kerala , Madhya 29,470 33,753 28,136 18,456 18,242 24,306 33,329 Pradesh Maharashtra 6,745 10,939 16,916 27,006 29,815 25,610 34,313 Orissa 2,978 4,954 6,672 7,200 4,993 5,099 7,940 Punjab 13,388 11,628 12,051 16,201 18,062 20,027 28,742 34

42 Rajasthan 18,227 23,829 27,949 34,583 29,456 25,763 31,799 Tamil Nadu 6,114 12,426 18,278 21,909 16,894 14,609 15,819 Uttarakhand 2,479 1,869 2,327 Uttar Pradesh 38,631 46,368 45,652 48,191 39,682 51,513 73,680 West Bengal 1,992 3,086 4,335 5,590 5,354 6,069 9,153 Export and 16,588 21,248 30,514 48,501 45,075 43,125 39,681 others Total 189, , , , , , ,331 出所 : IASRI Agricultural Research Data Book 2011 動力式耕耘機 : 官民共同の取り組みが功を奏し 農村の機械化は年々着実に進んでいる 以下に示した動力式耕作機の売上台数の推移からも そのことが証明されている 国内の動力式耕耘機の総台数は 年の 289 万 4,946 台から 年には 304 万 7,723 台に増加した 3 Macro Management of Agriculture を始めとする農家の機械化推進計画では トラクタや動力式耕耘機などの農業機械の購入にあたり 25~50% の補助金が与えられる Bihar 州や Assam 州では これらの計画により 動力式耕耘機の台数が増加した 図 12: インドにおける動力式耕耘機の売上台数 Sales in numbers 45,000 40,000 35,000 35,294 38,794 30,000 25,000 22,303 24,791 26,135 27,763 20,000 17,481 15,000 10,000 5, (Upto December 2010) 3 Annual Report, Ministry of Agriculture and Agriculture Census,

43 2.9 インドの農業機械の輸出入傾向の分析 2005 年から 2010 年の複合年間成長率は 輸出が 12.2% 輸入が 11% で 以下のグラフに示 したように 2008 年と 2009 年を除き 輸出優勢となっている 図 13: インドの農業機械の輸出入傾向 Export Value (In US$ million) Import Value (In US$ million) 出所 : Directorate General of Foreign Trade and IMaCS analysis 表 19: インドの農業機械の輸入 (1,000 台 ) 機械 (1,000 台 ) 円盤鋤 ディスクハロー 播種機 植え付け機 移植機 回転式耕耘機 コンバイン 肥料散布機 出所 : Directorate General of Foreign Trade, IMaCS Analysis 36

44 表 20: インドの農業機械の輸入 (10 万ルピー ) 機械 (10 万ルピー ) 円盤鋤 ディスクハロー 播種機 植え付け機 移植機 , , , 回転式耕耘機 , , コンバイン , 肥料散布機 出所 : Directorate General of Foreign Trade, IMaCS Analysis 2.10 主な国内農業機械メーカーと各社のシェア 以下はインドの主な農業機械メーカーである Mahindra and Mahindra (M&M) TAFE Escorts Group ITL L&T- John Deere New Holland Tractors (India) Private Ltd. Force Motors Ltd. VST Tillers Tractors Ltd Indo Farm Tractors & Motors Ltd Sonalika International 図 14 : 農業機械メーカー各社のシェア L&T - John Deere, 9.6% ITL, 8.4% Escorts, 12.8% New Holland, 6.0% TAFE, 22.8% Others, 0.6% M&M, 39.8% Mahindra and Mahindra (M&M):- M&M は業界シェア 39.8% を誇る 農業機械市場のトップメーカーである 同社は多目的車および軽商業車 3 輪自動車およびセダンを製造している M&M は世界でもトップ 3 に入り アメリカとオーストラリアに組立工場をそれぞれ 3 工場 1 工場有する 同社は中国のトラクタメーカーとの業務提携により 世界に市場を拡大している 37

45 TAFE:- TAFE は世界的なトラクタメーカー Massey Furguson との合弁会社である 主に同社は Gujarat 州 Andhra Pradesh 州 Karnataka 州 Madhya Pradesh 州 Uttar Pradesh 州で事業を展開 しており アメリカ 中東 アフリカ 南アジアなど 80 カ国に向け輸出を行う Escorts:- Escorts はトラクタ 自動車付属品 農業用トラクタ向けエンジン さらに鍬 耕耘機 ベイラー 鋤などの部品を製造している 輸出先は主にアフリカとヨーロッパ Pwertrac Farmtrac Escorts のブランド名で農業用 非農業用トラクタを製造している 2.11 農業機械市場における外資系企業 表 21: 外資系企業一覧 企業名 国 製造機械 Chendugu Good Good International 中国 田植え機 トラクタ 脱穀機 Trading Co. Shanghai Techway Industrial Ltd. 中国 動力式噴霧機 耕耘機 Adorno Technology アメリカ農業機械各種 Lazar Equipment Ltd. カナダ農業機械各種 Irisfilm Corp. 台湾噴霧機 T.C.P Industries アメリカ農業機械各種 Basman Agricultural Machinery トルコローラー 噴霧機 La Envidia エクアドル農業機械各種 Super Products Co. Ltd. タイスプリンクラー 灌漑機具 Farmway Ltd. 英国農業機械各種 Shouguang Axion Machinery Ltd. 中国収穫刃 Comercial Agricola Mineira Ltd. ブラジル耕耘機 ローラー Hawe Heinrich Wester ドイツローラー 播種機 カッター Bosta 英国灌漑機具 Giltrap Engineering Ltd. ニュージーランドワゴン スラリー散布機 Societe Chirag メキシコ施肥機 溝の鋤 Gregoire Besson フランス鋤 整地機具 Gyral Implements Pvt. Ltd. オーストラリア播種機 耕耘機 ドリル Reynolds International Pvt. アメリカ農業機械および装置 BMS Europe 英国土壌サンプラー John Deere アメリカトラクタ 出所 : IMaCS analysis 38

46 2.12 需要分析 レーザーレベラー調査によると 不十分な農場設計や土地の不均一さにより 相当量の灌漑水が失われている 土地は水平さに欠け 農作物には均一性が取れていないため 雑草が多く 穀物の均一な成熟を妨げている こうした要因が 収穫量の減尐や穀物の品質の低さにつながっているという 農家もこれを認識し 土地を水平にならすことに多くの時間と資金を費やしている レーザーレベラーは高い精度で土地を水平にするため 耕地整理に要する時間の大幅削減につながる インドで現在使用されているレベラーは 1 万台を超えており 農家の間でのその人気の高さがうかがえる 価格は 40 万ルピーから 60 万ルピー 通常 農家は購入せずに大規模業者や仲介業者からレンタルする こうした機械がレンタルでより入手しやすくなったことにより その利便性が認識され 今後も需要は大幅に伸びるとみられる コンバインコンバインの価格は通常 100 万ルピー以上で 農家の多くはレンタル契約をしている インドのコンバイン業界は国内自給率が高く 国際品質を満たす製品を製造している コンバインはその他の農業機械市場と比べると比較的新しい市場であるが その明確な利便性が注目されるにつれ 日々成長を続けている 現在 海外のコンバインメーカーは非常に尐なく 早めの進出は 大きな機会につながるだろう 動力耕耘機インドの動力耕耘機市場は 過去数年緩やかなペースで成長を続けている 組織化されたセクターにおいては 国内メーカーの数は限られており 需要の大半は 組織化されていないセクターのみが満たす形となっている トラクタ市場と比較すると インドの動力耕耘機は新しい市場と言え 年間生産台数は約 6 万台 価格は仕様によって異なり 15 万ルピーから 40 万ルピー程度 今後の需要は緩やかに推移するとみられる 回転式耕耘機回転式耕耘機の需要は その効率の高さやその他の優位性により 従来の耕作機械に代わるものとして非常に有効性が高いことが証明され 過去数年で急速に増加している インドのメーカーはこの部門において世界をリードしており 需要の大部分は国内メーカーのみが満たす 39

47 形になっている しかし インドにおける回転式耕耘機の普及度は未だ低く 需要は今後数年 で大きく伸びると見込まれる 脱穀機市場規模は年間 2 万台 インドは脱穀機の生産においては世界をリードしている 組織化されていないメーカーが多いものの 脱穀機の需要は完全に満たされているとは言えない 農家の意識の高まりと機械の品質向上により 今後需要はさらに増加するとみられる 種まき機 ( 無耕ドリル ) 無耕式種まき機は多くの地元メーカーが製造しており 価格帯は 2 万 5,000 ルピーから 4 万ルピー 無耕式種まき機は 土壌や水 作物残渣などの天然資源を保護することに役立つため 急速に支持を集めるようになった しかし その 1,000 ヘクタール単位の普及率は未だ非常に低く 国内メーカー 海外メーカー いずれにも大きな市場機会があると言える 作物残渣管理作物残渣管理はこれからの部門であり 海外メーカーにとっては 大きな進出余地があると言える 従来 作物残渣は家畜の寝床敷料や飼料 その他の屋外での用途に使用されてきた 収穫後に残った残渣物は全て焼却されていた しかし今 農家は農地に残された膨大な量の残渣物の有効性について そして適切な技術を用いることにより 経済的収益につながることを理解するようになっている 同部門については 国内メーカーが不足している状態であり 輸入の機会は大きいと言える 40

48 3. 流通のメカニズムと設定価格の分析 3.1 流通のメカニズム インドの農業機械市場は トラクタ 収穫機 ディーゼルエンジン 電気モーター 灌漑ポンプ 噴霧機などを製造する 大規模かつ安定した大手メーカーと シャベルや鎌などを製造する小規模メーカーから成る 小規模メーカーは独自の経験や ユーザーのフィードバック 国有研究開発機関に 技術支援をゆだねる また大部分は自宅などで操業するため通常の公共サービスを十分に受けていないことが多い 一方中規模および大規模メーカーは 組織化された流通業者や販売業者を全国に置き 各担当地域での販促活動や見込み顧客への製品認知度向上プログラムを実施するほか 無料サービスや修理 メンテナンス 部品の提供を始めとする製品のアフターサービスを行っている 図 15 : 流通のメカニズム 小規模メーカー 中 大規模メーカー 農家 メーカー 農家共に 村レベル 地域単位の流通網 村単位の代理店 フィードバック : 製品要求 技術向上 アフターサー, ビス. 需要など 農家 出所 : IMaCS Analysis 中規模 大規模メーカーはその幅広い流通網で全国の市場を網羅し 高い売買高をあげてい る また 製品の動作状況や 必要とされる設計の改良 加工 品質 農家からの新たな要望 などについて 幅広いフィードバックを受けている 41

49 一方 小規模メーカーの中で広範な流通網を確立しているメーカーはほとんどなく そのため自身の店舗でのみサポートサービスを提供するにとどまる また こうした小規模メーカーの部品は標準化に欠けているため 農家は部品の修理や交換の際 機械そのものを持って行かなければならない こうした要因により 市場規模は近隣に限定され 事業拡大の可能性も制限されてしまう 広範なネットワークを持つメーカーは 地域レベル さらに村レベルで代理店を置くため 近隣農家のニーズに即座に対応することができる 販売業者は定期的に農家の要望を聞いてメーカーに伝え 通常は製品別に在庫維持を行う これはメーカーにとって販売業者を決定するのに不可欠な要素である マーケティングおよび広告戦略に関しては メーカーは通常 印刷物やテレビ ラジオなど 多額の費用がかかる宣伝広告を避ける 多くは展示会や販売店会議 その他農村で開催される小規模のイベントなどで既存製品または新製品の展示を行う また 定期的に人員を派遣して新技術を展示するとともに 現在そして今後の要求の把握に努める ケーススタディ : Mahindra & Mahindra Limited Mahindra & Mahindra Limited( 以下 M&MまたはMahindraとする ) は Mahindra Groupの主力企業であり 主に自動車および農業機械部門で事業を展開している 多目的車 (UV) トラクタ 三輪自動車 軽商業車 (LCV) 部門に強く 中でもUVに関しては 2011 年度の市場シェアが52% と 部門最大シェアを占める 同社の取扱製品はトラクタや農業機械で 全国に点在する販売業者ネットワークにより 効率的な流通を行っている M&Mでは サプライチェーン マネジメントや 供給業者や販売業者間の全国規模の連結 部門間のシナジーの模索など 効率改善を通じたコストリーダーシップを達成することに重点を置いている また キャパシティ プランニングや長期ベースの契約や能力強化を通じて 供給上の制約を最小化するために 主要供給業者と密接に連携している こうした連携供給プランニングの下 M&Mと供給業者は要求事項を互いに交換し より正確な供給ネットワークと生産プランを構築する 過去 2 年間 M&Mは自動車および農業機械の両部門において 共同供給業者会議を開き インドの自動車業界が直面する課題と 新技術および工程の分野においてコスト優位性の高い分野を的確に選ぶ可能性について 話し合った 同社は1,300を超えるトラクタ販売業者ネットワークと 2,200を超えるサービス拠点を活用し インド国内の大規模農村コミュニティーにアクセスしている 販売拠点のある全国 75カ所 42

50 に Samriddhi center を置き 技術やノウハウ ハイブリッドの種子の提供 土壌 灌漑水試験 デモ農場 金融 保険 インターネットサービス トラクタの販売およびサービス 中古トラ クタの販売などを行っている ケーススタディ :TRACTOR & FARM EQUIPMENT LIMITED TAFEのトラクタ エンジン部門は 全国に広がる広範な販売ネットワークを通じて 製品のマーケティングを行っている 同社のトラクタは 800を超えるディーラー そしてそれを補完する2,000を超える販売店から成る国内ネットワークを通じてインド国内の顧客に販売される トラクタの流通および販売は 完璧な販売教育を受けた同社の販売スタッフ そしてディーラーの販売員が受け持つ トラクタ部門では 数多くの販売店を持つことにより 国内市場におけるプレゼンスを拡大し続けることを戦略としている 主要市場の全てに地域事務所を戦略的に配置し あらゆる販売努力の展開をサポートする また 販売チームが銀行やその他の金融機関とのネットワークを通じ トラクタ購入を資金面でサポートする 製品サポートについては 部品流通業者のスペシャリストの他 国内のディーラーが 主要市場の顧客に向け 確実な製品サポートを提供している また 地域事務所にサービスチームを置き 必要な時に 必要な場所に 追加のサービス支援を提供している 請負農業の流通メカニズム 請負農業制度とは 買い手 ( 多くの場合, 大企業 ) との先渡契約の下 農作物の生産および供給を行うシステムで 農家は特定の農作物を 取り決めの時期と価格 品質で提携バイヤーに提供する 契約に関わる者に明らかに大きな利益をもたらすことから 政府は過去数年にわたり 請負農業を推進している また 農家は農作物に関わるリスクを抑えるため 提携企業から技術的助言を受けるため 農業機械の需要にもプラスに作用すると期待されている さらに 前金保証を行うため 農家のリスク管理能力が高まるだけでなく 農業技術の機械化傾向がより強まる 契約農家の流通メカニズムは 農業機械のそれと根本的には同じである 農家は先渡契約を担保として 農業機械購入のためのローンを組む 多くの場合 購入は販売業者または製造元から直接行われる また 提携先から直接機械が提供される場合もある 43

51 以下に インドにおける請負農業の流通モデルの例を示す 2 者間請負農業モデル Agri inputs Company (Contractual Buyer) Farmers Produce 2 者間の請負農業モデルにおいては 特定の農作物の生産に使用される農業機械を含む農業資材は 契約バイヤーから提供される 一方農家はバイヤーに対し 事前に合意した価格で生産物を提供する 3 者間請負農業モデル Supply of inputs Company (Contractual Buyer) Payment for produce Payment for inputs Farmers Bank Payments and credit in some cases この請負システムにおいては 契約上の農作物バイヤーは銀行と提携し 農業機械を含む必 要な資材を購入するための資金を調達する 農家は必要な機械や設備を契約バイヤーから入手 44

52 し 契約に基づき農作物を提供する しかし このモデルでは 農家は銀行から事前に合意し た価格で支払いを受ける また 追加資金が必要な場合 銀行は信用枠の提供も行う 4 者間請負農業モデル 4 者間モデルを取る請負農業もある この場合 銀行 契約バイヤー 農家の他に 農業機械提供者が加わる 農業機械が機械メーカーから直接提供されることが 3 者間モデルとは異なる点である 銀行はメーカーと契約バイヤーとの仲介役となり 全ての支払いは銀行のみを通じて行われる 農家は銀行より支払いを受け 農作物を直接契約バイヤーに供給する 輸入農業機械の流通メカニズム インドの農業機械市場は近年 強い国内需要を受け 多くの海外投資を呼び込んでいる イ ンドでは 回転式耕耘機やトラクタなどの農業機械は国内自給型であるが 田植え機 噴霧機 動力式耕耘機 作物残渣管理ツールなどの輸入は近年増加している インドに進出する海外メーカーは通常 機械の流通のみに関わる貿易会社または有効なアフターサービスを提供することができる 地元の販売業者およびメーカーのいずれかと契約を結ぶ メーカーは時に 海外で部品の一部を製造し その他の部品を国内のメーカーに委ねることもある この場合 組立や流通販売 アフターサービスの責任は地元のメーカーが持つことになる 3.2 アフターサービス 販売網を確立している小規模メーカーはほとんどおらず そのためサポートサービスは地元の農場のみに限られる 部品が標準化されていないため 農家は修理や部品の交換のために 機械をメーカーに持参しなければならない 通常村の中に 日々使用する農業工具を作る村レベルの職人がおり 近隣農家のニーズに直接耳を傾ける 一方 大中メーカーは 無料点検 修理 メンテナンス 部品の供給など 販売後のアフターサービスを 確立された販売業者網を通じて 顧客に提供している このため農家にはより効果的なアフターサービスが遅れることなく提供されることになる また 機械の稼働やメン 45

53 テナンスに関わる問題について 農家からフィードバックを受け 研究開発を進め 製品や技術のアップグレードを行う 通常アフターサービスの無料期間は機械によって異なるが 6 カ月から 1 年となっている 農家にとって最初の接点となるのが販売業者であり 十分な部品在庫を維持することで いかなる要求にも応えられるようにしておくのが 販売業者の責務である メーカーは販売業者に 技術的な要求に対応でき 初期的な診断を行うことができる 有能で熟練した人材を常に置くことを求めている 販売業者が必要な解決策を提案することができない場合は メーカーがこれに対応することになる 効果的なアフターサービスシステムの存在は 輸入農業機械においては更に重要なものである 輸入機械の場合 アフターサービスの責任は 海外メーカーと国内における機械の組立および流通に関して契約を結ぶ貿易会社または販売業者が持つ 組立が完全にインド国外で行われ 販売業者は流通のみを請け負う場合は アフターサービスの責任は製造メーカーおよび国内の代表窓口が持つ 3.3 融資 信用供与 インドの農業機械市場は 融資計画の充実や金利の削減などにより 過去数年で大きな成長を遂げている 国営 民間の銀行は様々な計画を通して農家をサポートする 特別なプランを提案している 銀行は農業機械の購入または利用に関わる支援を行うだけでなく 販売業者 流通業者 輸出入業者などに対し 低金利 好条件で運転資金を提供している また State Bank of India などの銀行は TAFE Ltd Mahindra and Mahindra Ltd Escorts Ltd SAME Deutz - Farh India Ltd HMT Ltd Eicher Tractors New Holland Tractors Ltd L & T John Deere Pvt Ltd などの大手農業機械メーカーと提携し トラクタやその他の農業機械購入のための融資を緩い条件の下 行っている 以下に 国営 民間の銀行による農業機械関連計画の一部を示す 表 22 : 農業機械化のための信用供与の例 State Bank of India (SBI) - Farm Mechanization Scheme 目的 : 農業機械および設備の購入に対し 貸付を行う 同計画ではトラクタおよび 条件 : 関連機器 トレイラー 動力式耕作機 コンバイン 動力式噴霧機 ダスタ ー 脱穀機などの導入が対象となる 農家の所有する通年灌漑地面積が定められた最低面積を上回ることが条件 ( 動力式耕作機 2acare, トラクタ :35 馬力以上 4 エーカー,35 馬力以上 6 エ ーカー コンバイン収穫機 8 エーカー ) その他の機械の購入については 46

54 融資額 : 農家の農業活動による収入額によって決定される 50,000 ルピーまで : 代金の 100% をローンとして提供 50,000 ルピー以上 代金の 85% までをローンとして提供 State Bank of India (SBI) - Financing of Combine Harvesters 目的 : 条件 : 融資額 : コンバイン収穫機購入にあたり 融資を行う 同行が指定するリストに掲載 されているコンバイン収穫機のみを対象とする 農家の所有する灌漑地面積が 8 エーカー以上であること コンバイン収穫機をカスタム賃借作業に使用することができる非農家の企業 家 コンバイン収穫機を 1,000 時間以上使用することができる者 コンバイン収穫機および関連機器の 75% をローンとして提供 Punjab National Bank (PNB) - Farm Mechanization Scheme Purpose: トラクタおよび関連機械 装置 動力式耕耘機 ( 新品 ) トラクタ ( 中古 ) 条件 : 融資額 : および関連機械 農業機械の購入 およびトラクタの修理 改修がローンの 対象となる トラクタを購入する農家および土地を共同所有する農家グループで 最低 2.5 エーカーの通年灌漑地またはそれに相当するエーカー数を所有またはその 無期限借地権を所有することを条件とする トラクタ購入融資の採算性がケ ースごとに算出される すなわち ローン提案の採算性が確保されてから 融資が行われる 必要に応じたローン額とする Central Bank of India - Cent Tractor scheme 目的 : 条件 : 融資額 : 全てのブランド モデル 型式のトラクタを対象にしたローンを提供する 8 エーカーの通年灌漑地または 16 エーカーの単作農地を所有する農家 4 エーカーの灌漑地で二毛作を行う農家 トラクタ トレイラー その他の農業機械および関連機械の全額 費用に は 総合保険および登録料も含まれる State Bank of Mysore Farm Mechanization Scheme 目的 : 条件 : 融資額 : トレイラーおよび動力式耕作機 その他の農業機械購入のローンを提供す る 4 エーカー以上の灌漑地または 6 エーカー以上の農地を所有する者で 機械 購入のための中期融資を行なえることを条件とする 基準に満たない土地面 積の所有農家についても その他の収入源から十分な収入があるなど場合な どについては トラクタ購入の融資は検討可 トラクタおよびその他の機械の場合 最低 10% の頭金で 必要に応じたロー ン額が提供される 出所 : Bank Websites, IMaCS Analysis 47

55 3.4 農業機械の気配値 以下に示す価格は気配値であり 値上げを含まない原価価値である 実際の価格は様々な要 因や 10%~30% の利幅によって変化する 機械の種類 カテゴリー 名称 価格 (Rs.)* 耕作機械 鍬 - - 鋤トラクタ牽引式もぐら鋤 18,000 動力式耕作機 動力式耕作機牽引式オーガ ー掘削機 動力式耕作機牽引式播種施 肥穴掘り機 22,000 18,000 動力式耕作機牽引式耕耘機 8,000 動力式耕作機牽引式耕作田 植機 15,000 動力式草刈機自走型草刈機 70,000 植え付け機械播種機役畜牽引式 3 段傾斜プレー 施肥および害虫駆除関 連機械 収穫機械および収穫後 の機械 ト式播種機 トラクタ牽引式 6 段空気圧 式播種機 トラクタ駆動式 3 段傾斜プ レート式播種機 トラクタ搭載型サトウキビ 用カッター式播種機 15,000 72,000 37,000 45,000 トラクタ搭載型種苗播種機 45,000 種まき機 - - 田植え機 4 段式手動田植え機 12,000 自走型田植え機 5,000 発芽機 - - 肥料散布機 - - 肥料散布機 - - 噴霧機および動力 式噴霧機 トラクタ駆動式得脂素と噴 霧機 70,000 収穫機トラクタ駆動式資料収穫機 125,000 コンバイン - 500, 000 1,500,000 脱穀機 動力式脱穀機 26,000 48

56 動力式多作物脱穀機 28,000 軸流ひまわり脱穀機 60,000 まぐさ切り機 まぐさ束ね機 刈 - - り機 ベイラー 大型草刈機 - - その他の機械 トラクタ搭載型無 22,000 耕穴掘り機 自走式縦型コンベア式刈取り機 70,000 出所 : Central Institute of Agricultural Engineering, IMaCS Analysis * 上記の価格は Central Institute of Agriculture Engineerin(Bhopal, M.P.) のデータに基づくものであり 利 益を含まない 販売業者への事前調査によると 利幅は 10~30 とされ 製品がユーザーに到達するまで のサプライチェーンの様々な段階において 上乗せされる 3.5 IT サービスおよびその他の広告宣伝手段の活用 マーケティングおよび広告戦略に関しては メーカーは通常 印刷物やテレビ ラジオなど 多額の費用がかかる宣伝広告を避ける 多くは展示会や販売店会議 その他農村で開催される小規模のイベントなどで既存製品または新製品の展示を行う また 定期的に人員を派遣して新技術を展示するとともに 現在そして今後の要求の把握に努める ITC の E-Choupal のような IT サービスは 農家に農業機械購入にあたり多くの情報を提供し 購入者の決定力高めたり より経済的に市場の需要をつかんだりすることが可能である しかし 実際農家が農業機械購入にあたり こうしたサービスを利用する機会は大変尐ない 組織化されていない部門の競争が激しいため 販売業者やメーカーは 村に置かれた販売所を通じて機械を直接販売することを好む 49

57 3.6 助成金のメカニズム 助成金は主に 中央政府や一部の州政府により提供される 農家やメーカーは 中央政府および州政府の助成金を合わせて受け取ることもできる 製品や農家が属する地域の経済状態によって 助成金が農業機械コストの大部分をカバーする場合もあり得る 助成金計画の主な目的は 農家を確実に支援することと 農業機械の購入にあたっての財務負担を政府が共有することである 農家は農業機械を購入した地域で請求書を提出して助成金を申請する 助成金は販売業者やメーカーを通じて農家に支給される場合もある 政府はメーカーに助成金を支給し それをメーカーが農家に引き渡す 50

58 4. 政府およびその他による農業機械関連政策 4.1 政府による計画および支援策 農業の機械化を推進するために インド政府は複数の計画を実施している これらの計画は 以下の 2 つの方法で農家を支援する 財政支援 : 農業省では 農業機械購入に対する助成金という形で 農家に財政支援を行っている 助成金は計画や購入する農業機械の種類によって異なる 認識の向上と技術的専門知識の構築 : これらの計画は 生産性と効率性の向上における機械化の役割を示すことで その重要性を認識させることも目的としている また農業機械の実地デモンストレーションや農家への指導を通じて 農業部門における最新の技術情報を常に提供している この他インド政府では 以下のような様々な計画や施策を実施し インドの農業機械市場の成長を支援している 中央物品税の削減 免除などの財政措置 農業機械購入にあたる融資の実施 農業機械の操作 修理 メンテナンスなどの訓練を通じた人材育成 以下に 年および 年の農業省の主要計画別の予算割当額を示した 資料 1: 主要農業計画別の財政支出 主要ミッション Rashtriya Krishi Vikas Yojana (RKVY) Rs.6,722 crores Rs.6,722 crores Integrated Oilseeds, Oilpalm, Pulses and Maize Development Rs.500 crores Rs.500 crores Crop Insurance Rs.1,050 crores Rs.1,050 crores Macro Management of Agriculture Rs.1,000 crores Rs.1,000 crores National Food Security Mission Rs.1,350 crores Rs.1,350 crores Horticulture Activities Rs.2,773 crores Rs.1,061 crores 出所 : Ministry of Finance, Government of India, Union Budget & Economic Survey website 以下のセクションでは インド政府が実施した主な農場機械化関連計画の詳細について説明す る 51

59 4.1.1 Promotion and Strengthening of Agricultural Mechanization through Training, Testing and Demonstration( トレーニング 試運転 デモンストレーションによる農場機械化の推進と強化 ) 目的この計画は 年に実施されたもので 年に改正されている 目的は以下のとおり 農家および州職員 指導者のトレーニングを実施することによる 農業機械の選別 操作 管理の促進 様々な機械の比較検討とインドの環境に合った機械の適性データを提供 州政府の協力の下 農家での新技術のデモンストーションの実施 農業系大学の協力の下 農作物および地域ごとに必要とされる技術についての指導範囲を拡大実施この計画は 100% 中央政府の資金で賄われ 2 通りの方法で実施される 機械のデモンストレーションおよびトレーニングは州政府およびその他の政府機関により実施される この試運転 指導活動は Madhya Pradesh 州 Haryana 州 Andhra Pradesh 州 Assam 州の 4 ヶ所に所在する農業機械訓練機関が実施する 実施範囲 この計画はインド全州および直轄領で実施される 52

60 財政支出 資料 2: 財政支出第 11 次計画予算 (1000 万ルピー ) 出所 : Department of Agriculture and Cooperation, Ministry of Agriculture, Government of India website 影響 州政府の発表によると 年 (2011 年 1 月 31 日まで ) に実施されたデモンストレーシ ョンは 1 万 4,829 件 4,443 人がトレーニングを受け 様々な種類の農業機械 185 機の試運転が Farm Machinery Training & Testing Institutes により行われた (2010 年 12 月 31 日まで ) Rashtriya Krishi Vikas Yojana( 州政府に対する農業部門への公共投資を拡大奨励するプログラム ) 目的この計画は中央政府の支援の下 州内計画に基づき 年に開始した 第 11 次 5 カ年計画の間に 4% の農業および関連部門の全体的な発展を目指すことによって 年間成長率 4% の達成を目的としている 実施この計画は州政府が実施し その資金は中央政府による 100% の補助金として 提供される 実施の中心となるのは 州の農業省および財務省 州政府は州に適した計画を自由に選択 実施することができる 実施範囲 この計画はインド全州および直轄領で実施される 財政支出 資料 3: 財政支出 第 11 次計画予算 (1,000 万ルピー ) 出所 : Department of Agriculture and Cooperation, Ministry of Agriculture, Government of India website 53

61 影響同計画により 農業部門への公共投資額が大幅に拡大した 一部の州では 農業および関連部門への支出額が大幅に増え 中でも Chhattisgarh 州は 4 年間で % 増 Orissa 州は % Maharashtra 州は % と飛躍的に伸びた National Food Security Mission( 食糧安全保障ミッション ) 目的この計画は 年に開始した中央政府の出資による計画で 第 11 次 5 カ年計画中に米 麦 豆類の生産量をそれぞれ 1,000 万トン 800 万トン 200 万トン増やすことを目指す この目標達成には 生産性の向上 土壌肥沃度の向上 雇用機会の創出 農家の利益増加などが必要とされる 実施 この計画は州レベルで実施され その資金は中央政府から 100% 提供される 実施範囲 この計画は 17 州 476 地域で実施される 財政支出 資料 4: 財政支出 Eleventh Plan Outlay(in Rs. crores) 出所 : Department of Agriculture and Cooperation, Ministry of Agriculture, Government of India website 影響 この計画の支援により 無耕墾農法播種穴掘り機や耕耘機の売上が伸びた また 農家の意 識が高まるにつれ 多収種が使用されるようになってきた その結果 年の生産率は 年比で米が 33% 麦が 50% 豆類が 10~20% の増加という結果になった 54

62 4.1.4 Macro Management Scheme for Agriculture( 農業のマクロ管理計画 ) 目的マクロ管理計画は 年に全ての州および直轄領で実施された 中央政府の出資による計画で 州内の農業の発展に向けた計画の構築において 柔軟性を提供することを目的としている マクロ管理計画は 農場機械化計画を含む 10 の計画から成る 出資割合は中央政府が 90% 州政府が 10% となっている 実施 以下に 中央政府が提供する最大支援額を示す 資料 5: 2008 年 7 月時点の MMA 計画に基づく農場機械化への最大支援額機械の名称支援パターントラクタ 40 馬力までのトラクタで45,000ルピーを限度とするコストの25% 動力式耕耘機 (i) 8 馬力以上の動力式耕耘機で45,000ルピーを限度とするコストの (ii) 丘陵地帯向けの8 馬力以下の動力式耕耘機で 25,000ルピーを限度とするコストの40% 自走式刈取り機 田植え機 その他類似の 40,000ルピーを限度とするコストの25% 自走式機械動力駆動機械 (i) 15,000ルピーを限度とするコストの25% ジャガイモ植え付け機 ジャガイモ掘り機 ピーナッツ掘り機 帯状播種穴掘り機 トラクタ牽引式刈取り機 クリーナー兼地ならし機 乾燥機 切り株削り機 移動式果実収穫機 動力付き除草機 小型精米機 豆挽き機 マルチカッター タマネギ収穫機 ニンジン収穫機 電動バナナ繊維剥き機 (ii) 20,000ルピーを限度とするコストの40% 動力駆動の無耕式播種 施肥穴掘り機 種まき機 サトウキビ刈取り機 植え付け機 植え付け用穴掘り機 耕耘機 わら刈取り機 刈取り結束機 播種機 野菜用移植機 野菜用空気式播種機注 : 州政府より提案 追加された機械については DACにより適当な支援部門への分類が検討される 55

63 手動式機械 工具 2,000ルピーを限度とするコストの25% 役畜駆動の機械 2,500ルピーを限度とするコストの25% 役畜駆動の工具運搬車 6,000ルピーを限度とするコストの25% 役畜駆動の専用機械すなわち (i) 多用途工具棒 運搬車 耕耘機 ( 取付部最尐 4) (ii) 発芽前田植機動力駆動機械 ( トラクタおよび耕耘機で作 (i) 10,000ルピーを限度とするコストの25% 動させる従来型の機械および装置 ) トラクタで作動させる機械 すなわちディスクハロー 耕耘機 播種兼施肥穴掘り機 (ii) 10,000ルピーを限度とするコストの25% ハロー 耕耘機 播種穴掘り機などの動力式耕耘機牽引機械一式動力式脱穀機 ( 全種類 ) 12,000ルピーを限度とするコストの25% ディーゼル 電動ポンプ一式 10,000ルピーを限度とするコストの50% 7.5 馬力 /5kWまでのディーゼル 電気ポンプ一式円錐型草刈り機農業従事者 1 人につき3,000ルピーまたはコストの50% のうちの尐ない方 作物保護用機械 : (i) 手動式 800ルピーを限度とするコストの25% (ii) 動力式 2,000ルピーを限度とするコストの25% (iii) トラクタ搭載式 4,000 ルピーを限度とするコストの 25% (iv) 空気噴射式 25,000 ルピーを限度とするコストの 25% コンバイン ( 上記の主要農業機械以外についても NGOの一部でないことを条件に 農家グループ 登録協同組合 農業信用組合 多目 15 万ルピーを限度とするコストの25%( ほとんどのコンバイン (12~14feetのカッターバー付) の価格が70 万ルピー ~90 万ルピーであることを考慮 ) 的農業組合 自助グループ (SHG) がコン バインを購入する際には 資金援助が検討 される コンバインは農業局より融資が推 奨されている 出所 : Department of Agriculture, Government of India website 実施範囲この計画はインド全州および直轄領で実施されている 財政支出中央政府は 年の MMA 計画への支出額を 100 億ルピーとしている 56

64 影響州政府の報告によると 年にMMA 計画により農家に提供された農業機械は トラクタが3572 台 手動式工具が31,352 台 牛牽引式機械が5,417 台 トラクタ駆動式機械 が3,426 台 自走式 動力式機会が1,456 台であった Integrated Scheme of Oilseeds, Pulses, Oil palm and Maize (ISOPOM)( 油糧種子 豆類 油やし トウモロコシに関する総合計画 ) 目的中央政府の出資による計画で 国内の油糧種子および豆類の生産性および生産量の向上を目指す 実施 出資割合は中央政府が 75% 州政府が 25% となっている 実施範囲 14 州が油糧種子および豆類 15 州がトウモロコシ 9 州が油やしにおいてこの計画を実施し ている National Agricultural Insurance Scheme (NAIS)( 国家農業保険計画 ) 目的と特徴 NAIS は 年に中央政府によって導入された計画で 農業に関わるリスクを軽減する手段として機能する この計画の目的は以下のとおり a. 何らかの被害や虫害 病害などにより収穫が得られなかった場合 農家に対して財政支援を行う b. 農業従事者に最新農業技術の導入を推進するとともに 農業における成功事例を紹介する c. 農家が一定の収入源を維持するのをサポートする この計画は所有土地面積に関わらず 全ての農業従事者が利用できるが 農作物で融資を受ける者については 保険への加入が義務となっている この計画は全ての作物および油糧作物が対象とし 保険料率は 1.5%~3.5% と低料金 小規模農家に対しては 保険料の 10% が補助金として提供される 57

65 実施 この計画は Agriculture Insurance Company of India Ltd. が実施し 実施にかかる出費は 中央 政府と州政府が同率負担する 実施範囲 この計画は任意のものであり 現在 以下に示す 25 州 2 直轄領で導入されている 資料 6: NAIS 計画導入州および直轄領 州および直轄領 Andhra Pradesh Jammu and Kashmir Orissa Andaman & Nicobar Islands Jharkhand Puducherry Assam Karnataka Rajasthan Bihar Kerala Sikkim Chattisgarh Madhya Pradesh Tamil Nadu Goa Maharashtra Tripura Gujarat Manipur Uttarakhand Haryana Meghalaya Uttar Pradesh Himachal Pradesh Mizoram West Bengal 出所 : Department of Agriculture and Cooperation, Ministry of Agriculture, Government of India website 財政支出 第 10 次および第 11 次 NAIS 計画の支出額を以下に示す 第 11 次計画の総支出額は 350 億ル ピー 会計年度には 1 億 347 万人の農業従事者が被保険者となり 保険対象となっ た農地は 2 億 109 万ヘクタール 補償額は 1 兆 4,825 億ルピーであった 資料 7: NAIS 計画における財務支出 第 10 次計画支出 (1,000 万ルピー ) 第 11 次計画支出 (1,000 万ルピー ) Rs Rs Rs Rs Rs Rs Rs Rs 出所 : Department of Agriculture and Cooperation, Ministry of Agriculture, Government of India website 58

66 影響 資料 8: NAIS 計画の影響 州 直轄領 被保険者数 被保険農地 保険総額 保険料 助成金 苦情報告 被保険利益を受けた農業従事者 ANDHRA PRADESH 18,920,261 29,738,526 2,929,399 83,337 9, ,040 3,955,804 ASSAM 139, ,376 15, ,823 A& N ISLANDS 1,224 1, BIHAR 3,726,639 4,527, ,737 14,098 1, ,577 1,269,820 CHHATTISGARH 5,756,368 11,943, ,579 10, ,277 1,230,894 GOA 6,664 11, GUJARAT 9,198,166 21,742,767 1,850,186 76,771 4, ,108 3,133,566 HARYANA 531, ,579 53,727 1, , ,166 HIMACHAL PRADESH 168, ,597 12, ,047 81,721 JAMMU & KASHMIR 22,533 31,555 1, ,387 JHARKHAND 3,746,769 1,734, ,032 2, , ,535 KARNATAKA 9,177,415 15,512,411 1,037,785 33,081 1, ,606 3,852,995 KERALA 317, ,169 43, ,191 64,203 MADHYA PRADESH 16,310,821 42,722,119 1,696,323 50,187 2,036 87,638 3,360,660 MAHARASHTRA 22,555,073 21,119,954 1,247,795 47,549 5, ,168 7,253,385 MEGHALAYA 18,333 21,019 2, ,390 MIZORAM ORISSA 9,107,973 9,300, ,703 23,066 3,361 48,941 1,635,179 59

67 PUDUCHERRY 24,281 37,468 4, ,197 RAJASTHAN 12,045,774 25,877,940 1,276,063 35, ,112 3,007,918 SIKKIM 1,745 1, TAMILNADU 2,386,179 3,441, ,671 10,492 3, ,170 1,141,919 TRIPURA 15,226 9,243 1, ,423 UTTAR PRADESH 13,259,914 18,235,280 1,469,867 29,941 2,812 68,778 3,192,023 UTTARAKHAND 141, ,466 26, ,977 51,719 WEST BENGAL 7,088,296 3,633, ,479 21,183 5,730 81,837 1,788,892 GRAND TOTAL 134,669, Technology Mission on Cotton(TMC)- Mini Mission-II( 綿技術ミッション ) 目的と特徴 TMC は 2001 会計年度に始まった中央政府出資による計画で 綿の品質 生産性の向上を目的とする 国内の綿生産を向上させることを目的とした実施内容は以下のとおり 労働者のトレーニング 種苗の作成 種子への化学薬品の使用 スプリンクラーの配布 農業機械の配布 噴霧機の配布 生物剤の配布 疾病のモニタリング 性フェロモントラップの配布この計画は高品質の種子供給と農業機械を普及させることに意味を持つ 実施 この計画は農業局によって 州や CCI などを通じて実施され 中央政府が 75% 州政府が 25% を出資している 内容によっては 中央政府が 100% 出資しているものもある 60

68 実施範囲この計画は以下に示す 13 州で実施されている 資料 9: Mini Mission-II の実施州州 Andhra Pradesh Punjab Gujarat Rajasthan Haryana Tamil Nadu Karnataka Tripura Madhya Pradesh Uttar Pradesh Maharashtra West Bengal Orissa 出所 : Department of Agriculture and Cooperation, Ministry of Agriculture, Government of India website 財政支出 資料 10: Mini Mission-II の財務支出 第 10 次計画支出 (1000 万ルピー ) 第 11 次計画支出 (1000 万ルピー ) 出所 : Department of Agriculture and Cooperation, Ministry of Agriculture, Government of India website 影響 綿栽培面積は 年の 940 万 600 ヘクタールから 年には 1,100 万ヘクタールに拡 大した Jute Technology Mission (JTM)-Mini Mission-II( ジュート技術ミッション ) 目的 JTM は 年に始まった中央政府出資による計画で ジュートの品質 生産性の向上を目的とする 実施内容は以下のとおり 種子の生産および供給 機械の供給 生産技術のデモンストレーション 農業従事者のトレーニング 61

69 実施 この計画は各州で実施され Kolkata の Directorate of Jute Development が管理監視を行ってい る 出資割合は中央政府が 90% 州政府が 10% を出資している 実施範囲 資料 11: JTM の実施州 州 Assam Nagaland Andhra Pradesh Orissa Arunachal Pradesh Tripura Bihar Uttar Pradesh Meghalaya West Bengal 出所 : Department of Agriculture and Cooperation, Ministry of Agriculture, Government of India website 財政支出 資料 11: JTM の財務支出第 11 次計画支出 (1,000 万ルピー ) 出所 : Department of Agriculture and Cooperation, Ministry of Agriculture, Government of India website Institutional Credit( 機関融資 ) 農家への機関融資額は 年の 3 兆 7,500 万ルピーから 年には 4 兆 7,500 万ルピーに拡大した 政府はまた 定期的な返済を行っている農家に対し 短期融資の 3% の金利の助成を提案している 62

70 4.2 主要州の計画と助成金 この章では 公表されている情報を基に インドの主要農業州で実施されている計画と助成 金について取り扱う Haryana 州 Haryana 州農業省によると 年の同州の面積は 375 万 8,000 ヘクタールで うち 85% が可耕地である Haryana 州の総農業事業体数は 152 万 8,000 で 最小規模農家 小規模農家 その他に分類される 以下に規模別の農家数を示す 資料 12: 年の Haryana 州の規模別農家数カテゴリー総事業態数割合 1 ヘクタールまでの最小規模農家 70 万 % 小規模農家 (1-2 ヘクタール ) 20 万 9, % その他 (2 ヘクタール以上 ) 50 万 3, % 出所 : Department of Agriculture, Haryana website 同州は最新技術を導入し Macro Management Mode の Promotion of agricultural mechanization RKVY NFSM and ISOPOM Schemes などの計画を通じ 農家の機械化を推進している Macro Management Mode における農家機械化に向けた助成金 農業機械の利用推進に向け 州政府は様々な農業機械の導入にあたり 助成金を提供してい る 以下に助成金を示す 資料 13: 年の Haryana 州における MMM 計画関連の助成金農業機械助成金 無耕式播種兼施肥穴掘り機 コストの 50% または 15,000 ルピーのうちの尐ない方 回転式耕耘機自走式動力草刈り機 刈取り機 噴霧機わら刈取り機 コストの 50% または 30,000 ルピーのうちの尐ない方 コストの 25% または 40,000 ルピーのうちの尐ない方 コストの 25% または 20,000 ルピーのうちの尐ない方 63

71 穴掘り機刈取り結束機動力式耕耘機レーザーレベラー綿実穴掘り機動力式脱穀機ディーゼル 電動ポンプ女性向け農業機械 ( ジェンダー フレンドリー ) 手動式収穫機 刈り取り機 コストの 40% または 10,000 ルピーのうちの尐ない方コストの 25% または 40,000 ルピーのうちの尐ない方コストの 40% または 45,000 ルピーのうちの尐ない方コストの 35% または 30,000 ルピーのうちの尐ない方コストの 25% または 5,000 ルピーのうちの尐ない方コストの 25% または 12,000 ルピーのうちの尐ない方 7.5 BHP/5KW のディーゼル 電動ポンプにかかるコストの 50% または 10,000 ルピーのうちの尐ない方小型豆挽き機にかかるコストの 25% または 12,000 ルピーのうちの尐ない方コストの 50% または 12,000 ルピーのうちの尐ない方 動力式噴霧機 コストの 25% または 2,000 ルピーのうちの尐ない方 サトウキビ刈取り機 植え コストの 25% または 20,000 ルピーのうちの尐ない方 付け機 サトウキビ圧搾機 コストの 25% または 20,000 ルピーのうちの尐ない方 切り株削り機 コストの 25% または 15,000 ルピーのうちの尐ない方 トラクタ搭載式噴霧機 コストの 25% または 4,000 ルピーのうちの尐ない方 背負い式噴霧機 コストの 25% または 800 ルピーのうちの尐ない方 ブーム式噴霧機 コストの 50% または 40,000 ルピーのうちの尐ない方 溝掘り機 コストの 25% または 10,000 ルピーのうちの尐ない方 出所 : Department of Agriculture, Haryana website National Food Security Mission Scheme における農家機械化に向けた助成金 資料 14: 年の Haryana 州における NSFM 計画関連の助成金農業機械助成金 無耕式播種穴掘り機 多目的植え付け機 播種機 回転式耕運機 出所 : Department of Agriculture, Haryana website コストの 50% または 15,000 ルピーのうちの尐ない方 コストの 50% または 15,000 ルピーのうちの尐ない方 コストの 50% または 15,000 ルピーのうちの尐ない方 コストの 50% または 30,000 ルピーのうちの尐ない方 ISOPAM Scheme における農家機械化に向けた助成金 中央政府は 年の計画実施に向け 1 億 5,182 万ルピーの予算 ( うち 3,790 万 5,000 ル ピーは州政府 ) を可決した 64

72 資料 15: 年の Haryana 州における ISOPAM 計画関連の助成金タイプ農業機械助成金 手動式 穴掘り機 ペグ式乾燥地用草刈り機 平鋤 低用量噴霧機 コストの 50% または 2,500 ルピーのうちの尐ない方 役畜駆動式ディスクハロー 耕耘機 Jyoti 植え付け機 TNAU sweep Brahma 役畜牽引式噴霧機 出所 : Department of Agriculture, Haryana website コストの 50% または 2,500 ルピーのうちの尐ない方 RKVY における農家機械化に向けた助成金 資料 16: 年の Haryana 州における RKVY 計画関連の助成金 農業機械無耕式播種穴掘り機回転式耕運機わら刈取り機手動工具 ( 収穫機 草刈り機 ) 助成金コストの 50% または 15,000 ルピーのうちの尐ない方コストの 50% または 30,000 ルピーのうちの尐ない方コストの 25% または 20,000 ルピーのうちの尐ない方コストの 50% または 12,000 ルピーのうちの尐ない方 出所 : Department of Agriculture, Haryana website Bihar 州 Bihar 州の総面積は 936 万ヘクタールで うち 788 万 2,000 ヘクタールが農地である 同州で生産される主な農作物は 米 麦 トウモロコシ 豆類 油糧種子 農業部門の予算は 年の 2 億 4,950 万ルピーから 年には 3,400% 増の 84 億 8,860 万ルピーと 大幅に増加している また州政府は 農家機械化の重要性を認識し 機械化に向けた予算を 年の 15 億 8,560 万ルピーから 年には 23 億 5,870 万ルピーに拡大している 65

73 資料 17: Bihar 州における資金援助の概要 農業機械 中央政府 ( ルピ 州政府のシェア 合計 ( ルピー ) ー ) ( ルピー ) コンバイン 50,000 4,50,000 5,00,000 レーザーレベラー 40, ,000 2,50,000 田植え機 ( 自走式 ) 40,000 40,000 80,000 刈取り機 ( 自走式 ) 40,000 40,000 80,000 回転式耕耘機 20,000 20,000 40,000 播種機 20,000 20,000 40,000 無耕式播種兼施肥穴掘り機 播種機 20,000 20,000 40,000 動力式耕耘機 45,000 15,000 60,000 トラクタ 40,500 19,500 60,000 小型精米機 豆挽き機 15,000 15,000 30,000 PP 噴霧機 ,600 サブソイラー 20,000 20,000 40,000 トラクタ駆動式金型鋤 耕耘機 10,000 10,000 20,000 動力式脱穀機 トウモロコシ挽き機 12,000 12,000 24,000 ジャガイモ植え付け機 掘り機 15,000 15,000 30,000 ポンプ一式 10, ,000 動力式草刈り機 15,000 15,000 30,000 円錐型草刈り機 草刈り機 穴掘り機 マーカー 種苗播種機 20,000 20,000 40,000 サトウキビ刈取り機 植え付け機 20,000 20,000 40,000 果実収穫機 15,000 20,000 35,000 エンジン付穴掘り機 20,000 20,000 40,000 灌漑用パイプ 15, ,000 わら切断機 20,000 20,000 40,000 油圧式トラクタ 20,000 20,000 40,000 多目的植え付け機 15,000 25,000 40,000 出所 : Department of Agriculture, Prospects and Opportunities in Bihar Orissa 州 Orissa 州の総面積は 1557 万 1,000 ヘクタールで うち 640 万 9,000 ヘクタールが耕作可能地である 同州の耕作地は 618 万ヘクタール 総耕作面積は 898 万 6,000 ヘクタールとなっている 66

74 資料 18: 農業機械化計画による支援農業機械 設備支援内容トラクタ 40 馬力までのトラクタで 90,000ルピーを限度とするコストの50% 動力式耕耘機 (i) 8 馬力またはそれ以上の動力式耕耘機で 60,000ルピーを限度とするコストの50% ii) 丘陵地用の8 馬力以下の軽量動力式耕耘機で 30,000ルピーを限度とするコストの50% 自走式刈取り機 田植え機 90,000ルピーを限度とするコストの50% その他同様の自走式機械動力式特殊機械 (i) 30,000ルピーを限度とするコストの50% ジャガイモ植え付け機 ジャガイモ掘り機 ピーナッツ掘り機 帯状播種穴掘り機 トラクタ牽引式刈取り機 クリーナー兼地ならし機 乾燥機 切り株削り機 移動式果実収穫機 動力付き除草機 小型精米機 豆挽き機 マルチカッター タマネギ収穫機 ニンジン収穫機 電動バナナ繊維剥き機 (ii) 25,000ルピーを限度とするコストの50% 動力駆動の無耕式播種 施肥穴掘り機 種まき機 サトウキビ刈取り機 植え付け機 植え付け用穴掘り機 耕耘機 わら刈取り機 刈取り結束機 播種機 野菜用移植機 野菜用空気式播種機手動式機械 工具 4,000ルピーを限度とするコストの50% 役畜駆動の機械 5,000ルピーを限度とするコストの50% 役畜駆動の工具運搬車 12,000ルピーを限度とするコストの50% 役畜駆動の専用機械すなわち (i) 多用途工具棒 運搬車 耕耘機 ( 取付部最尐 4) (ii) 発芽前田植機動力駆動機械 ( トラクタおよ (i) 20,000ルピーを限度とするコストの50% び耕耘機で作動させる従来型トラクタで作動させる機械 すなわちディスクハロー 耕耘の機械および装置 ) 機 播種兼施肥穴掘り機 (ii) 20,000ルピーを限度とするコストの50% ハロー 耕耘機 播種穴掘り機などの動力式耕耘機牽引機械一式動力式脱穀機 ( 全種類 ) 24,000ルピーを限度とするコストの50% ディーゼル 電動ポンプ一式 10,000ルピーを限度とするコストの50% 7.5 馬力 /5kWまでのディーゼル 電気ポンプ一式円錐型草刈り機農業従事者 1 人につき3,000ルピーまたはコストの50% のうち 67

75 作物保護用機械 : (i) (ii) 手動式 動力式 (iii) トラクタ搭載式 (iv) 空気噴射式 コンバイン (i) (ii) (iii) 自走式トラック型自走式車輪型トラクタ搭載コンバイン の尐ない方 出所 : Agriculture Department, Government of Odisha 1,600 ルピーを限度とするコストの 50% 4,000 ルピーを限度とするコストの 50% 8,000 ルピーを限度とするコストの 50% 50,000 ルピーを限度とするコストの 50% 40 万ルピーを限度とするコストの 50% 30 万ルピーを限度とするコストの 50% 30 万ルピーを限度とするコストの 50%( 助成金はトラクタを 除くコンバインのみを対象とする ) 資料 19: Capital investment subsidy for agri-enterprises( 農業系企業への資本投資助成金提供支援 ) に基づく支援計画名支援内容 Assistance under the Capital investment 250 万ルピーを限度とする固定資金 ( 土地の subsidy for agri-enterprises コストは除く ) の 25%(SC ST 女性 農業 出所 : Agriculture Department, Government of Odisha 学部および関連学部卒業生には 250 万ルピー を限度とする 33%) 資料 20: private lift irrigation projects( 揚水灌漑プロジェクト ) に基づく支援 計画名 支援内容 揚水灌漑プロジェクト i) 浅井戸 20,000 ルピーを限度とするコストの 50% ii) 丸井戸 50,000 ルピーを限度とするコストの 50% iii) ボーリング井戸 50,000 ルピーを限度とするコストの 50% iv) 揚水灌漑プロジェクト 40,000 ルピーを限度とするコストの 50% 出所 : Agriculture Department, Government of Odisha 資料 21: Micro Irrigation projects( 小規模灌漑プロジェクト ) に基づく支援 Scheme Pattern of Assistance 小規模灌漑 i) 点滴 30,000 ルピー (1 ヘクタールあたり ) を限度とする ii) スプリンクラー コストの 70% 10,000 ルピーを限度とするコストの 70% iii) HDPE パイプ 15,000 ルピーを限度とするコストの 50% 出所 : Agriculture Department, Government of Odisha 68

76 4.2.4 Andhra Pradesh 州州政府は 年 農業部門における様々なイニシアティブに対し 18 億 980 万ルピーの割り当てを決定した 同州では農家の機械化を 年の重点分野として位置付け 農業機械および設備のコストのうち 100 万ルピーを限度とする 50% を提供することを計画している 以下に 様々な計画に基づき州政府が提供する助成金を示す 高コストの農業機械 ライスコンバイン ピーナッツコンバイン トウモロコシコンバイン 田植え機 中コストの農業機械および設備 高度に自動化された動力式脱穀機 動力式草刈り機 苗床作成機 資料 22: Andhra Pradesh 州による資金援助 農家の機械化計画コストの 50% または 45,000 ルピーのうちの尐 ない方 RKVY Stream-I に基づく農家機械化プロジェクト グループで 100 万ルピーを限度とするコスト の 50% グループで 100 万ルピー 個別で 50 万ルピー を限度とするコストの 50% グループで 50% limited to Rs.1.50 lakhs 苗床トレイ (200 トレイ /Ha) 10,000 ルピーを限度とするコストの 50% 無耕式播種穴掘り機の奨励 多目的植え付け機の奨励 播種穴掘り機の奨励 動力式草刈り機の奨励 回転式耕耘機の奨励 ポンプ一式の奨励 手動 牛牽引式農業機械 動力式農業機械 National Agricultural Insurance Scheme コストの 50% または 45,000 ルピーのうちの尐 ない方 National Food Security Mission ISOPOM 機械 1 台あたり 15,000 ルピー 機械 1 台あたり 15,000 ルピー 機械 1 台あたり 15,000 ルピー 機械 1 台あたり 15,000 ルピー 機械 1 台あたり 30,000 ルピー 機械 1 台あたり 10,000 ルピー コストの 50% または 2,500 ルピーのうちの尐 ない方 コストの 50% または 15,000 ルピーのうちの尐 ない方 69

77 4.2.5 Madhya Pradesh 州 Madhya Pradesh 州では Farm Mechanization program の下 農業機械の購入にあたり 助成金 を提供している 提供される助成金は下記のとおり 資料 23: Madhya Pradesh 州による資金援助農業機械 助成金 改良型牛牽引式機械および手動工具導入に当たりコストの 25% 動力式耕耘機および改良型収穫後用機械導入に当たりコストの 25% 35 馬力までのトラクタ 30,000 ルピー 出所 : Department of Agriculture, Madhya Pradesh website 4.3 検査機関 インド規格局 (BIS) は インドで販売される機械の検査を行う法定権利を持つ 既存の地 方検査機関のほか BIS では一部の政府系または準政府系の機関を 検査の実施および BIS 規 約および基準に基づき認証を行う機関として認定している 農業機械の検査および検査機関 政府は Farm Machinery Training & Testing Institute(FMT&TI) を 4 ヶ所設置し 農業機械およ び装置各種の検査施設を提供している a) Central Farm Machinery Training & Testing Institute(Budni, Madhya Pradesh 州 ) Central Farm Machinery Training & Testing Institute (CFMT&TI) は 1955 年に農業省機械化 技術課の下に設立された 同機関は OECD のメンバーでもあり OECD の標準検査規格に基づき農業トラクタの検査を実施している また同機関は中央自動車規制 (CMVR) 認証を与える機関としても知られている 同機関の 2010 年 3 月 31 日時点の検査機械数は 1,269 台 トラクタ 動力式耕耘機 ディーゼルエンジン 収穫機 脱穀機など 様々な機械の検査を行う その内訳は以下のとおり 70

78 図 16 : 被検査機械の部門別割合 (2010 年 3 月 31 日現在 ) Wheeled Tractors Crawler Tractors Power Tillers User's survey Diesel Engines Agriculture Implements/machines 出所 : Central Farm Machinery Training & Testing Institute website b) Northern Farm Machinery Training & Testing Institute(Hissar, Haryana 州 ) 1972 年に設立された Northern Farm Machinery Training & Testing Institute (NFMT&TI) では 商用試験および極秘検査を行う 同機関では 小型モーターから 700KW の自走式コンバイン 灌漑ポンプ 作物保護機器 その他の農業機械の検査を行う また コンバインの CMVR 認証を行う権限を農業省から与えられているほか 以下の試験所は BIS より認定されている エンジン試験所 (IS 準拠のディーゼルエンジン検査および IS-7347 準拠のガソリン 灯油検査を実施 ) 遠心力ポンプ試験所 (IS-6595 準拠の遠心力ポンプ検査を実施 ) また同機関は 以下の試験所を有する 作物保護機械試験所 機械検査所 燃料フィルター試験所 設計 製図部門 器具部門 コンピュータ リプログラフィ部門 71