第77巻第１号のが水平感染した自分自身の子どもの唾液や尿できたと言えるありもし妊娠中に感染すれば胎内感染の恐れがあ妊婦の CMV 抗体保有率が5 を切る米国では出る保育士や看護師等小さな子どもの唾液や尿に生数の違いを考慮しても次に述べる日本の推定頻度曝露する機会

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さなえかいて
5 years ago
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1 1 14 視点サイトメガロウイルス感染症森要内浩幸 C CMV H 単純ヘルペスウイルスとしてまとめ旨られており分類学的多様性にもかかわらず臨床的にサイトメガロウイルス CMV が小児医療保健のうえで問題となるのは先天性感染未熟児におけは類似点が多いこのうち現在日本を含む先進諸国で最も重要なものが先天性 CMV 感染症であるる感染

1 視点サイトメガロウイルス感染症森要内浩幸 C CMV H 単純ヘルペスウイルスとしてまとめ旨られており分類学的多様性にもかかわらず臨床的にサイトメガロウイルス CMV が小児医療保健のうえで問題となるのは先天性感染未熟児におけは類似点が多いこのうち現在日本を含む先進諸国で最も重要なものが先天性 CMV 感染症であるる感染そして免疫不全宿主における日和見感染である感染疫学の変化が感受性妊婦を増やし先天性感染１妊婦の感染源はのリスクを増したことに加え医学の進歩が未熟児や既感染妊婦ではウイルスが再活性化して産道に排免疫不全患者の生存率を高めたことが本来宿主と共泄され分娩後は母乳中にウイルスが排泄される生してきたこのウイルスの病原性を顕在化させたと言そのため経産道または経母乳感染で多くの子どもえるが感染する感染児は不顕性ながら大量のウイルスを数年にわたって尿や唾液に排泄するので保育園 Ⅰ はじめになどで容易に水平感染これもほとんどが不顕性サイトメガロウイルス CMV は分娩や授乳をが起こる未感染の母親の感染源として最も重要な介しての母子感染や小さな子どもたち同士の濃厚な接触による水平感染によって幼少期に感染してきた健康な子どもの感染は不顕性でありかつてこのウイルスの病原性が取り上げられることは少なかったしかし生活様式の変化に伴って感染しないまま小児期を過ごし妊婦が初感染する機会が増えるようになって胎児に対する病原性がクローズアップされてきたまた以前であれば救命できなかった免疫不全患者や未熟児が生存するようになって最も重要な日和見病原体の一つとして対応を求められるようになった Ⅱ 先天性 CMV 感染さまざまな病原体が胎児に感染し障害を与えるが代表的なものが TORCH 症候群 T トキソプラズマ Others 梅毒トレポネーマなど R 風疹ウイルス図１サイトメガロウイルスの感染経路妊婦そして胎児へと感染が及ぶ経路を図示しているトーチの会ホームページより引用 http //toxo-cmv.org/cmv/ q2.html Cytomegalovirus Infection Hiroyuki Moriuchi 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科小児科学

2 第77巻第１号のが水平感染した自分自身の子どもの唾液や尿できたと言えるありもし妊娠中に感染すれば胎内感染の恐れがあ妊婦の CMV 抗体保有率が5 を切る米国では出る保育士や看護師等小さな子どもの唾液や尿に生数の違いを考慮しても次に述べる日本の推定頻度曝露する機会が多い職業では感染リスクが高いのでの３倍くらいの先天性 CMV 感染症児が生まれている注意が必要である図１図２ 2 また欧米では先天性 CMV 感染症は非遺伝性小児難聴の最多の原因である日本における感染疫学が欧米並みになると同規模の被害が生じるかも知２感染疫学が変わってきたほんの一世代前までの日本では発展途上国並みにれない３妊婦のほとんどが既感染者であったが 21世紀に入って以降は妊婦の CMV IgG 抗体保有率が7 を切るよ３わが国の現状はうになり欧米先進国のレベル 3 6 に近づいているつまり妊婦が初感染するリスクが増えて 3 以上を占める抗体陰性感受性妊婦のうち１４程度が初感染すると推定されその場合胎内感染の確率は3 5 とされる一方再感染や再活性化でも胎内感染が起こり得るがその確率は.2 వᄤᕈCMVᗵᨴ䈲䋬ሶ䈬䉅䈢䈤䈮㐳 ᓟㆮ 䉕ᒁ䈐䈖䈜䈫䈚䈩㕖Ᏹ䈮㊀ⷐ䋣䋨䉻䉡䊮䉕㆔䈎䈮ಒ䈓䋩䇯２程度であるこうして胎内感染して生まれる子ど వᄤᕈCMVᗵᨴ もは現在日本で全出生あたり.31 と推定されその ఽᕈ䉝䊦䉮䊷䊦うち23 が出生時に何らかの症候表１を認めた䉻䉡䊮 ಽ ዊఽ䉣䉟䉵 ଚⷅᕈHibᗵᨴ 㐳 ᓟㆮ 8, એ వᄤᕈ㘑出生時に無症候性であった児の約1 に遅発性の発症 ᱫ 4 એ が認められるため最終的に胎内感染児の約3 が何らかの障害をもつことになりこれは全出生あたり BMC Public Health 25, 5:7, 1 8, 6, 4, 2, 䋨ᐕ㑆ផቯ ᢙ䋩.1 現在の年間出生数から計算すると年間約千人䋨ᐕ㑆ផቯᱫ ᢙ䋩ということになる図３ 4 ダウン症候群年間約図２米国における先天性 CMV 感染症の重要性の位置付け千五百人に次ぐレベルにあると言える米国の現状は日本の近未来像を示している可能性がある文献２より引用改編表１先天性 CMV 感染を疑う症状徴候胎児新生児乳幼児子宮内胎児死亡低出生体重感音性難聴2 子宮内胎児発育遅延小頭症 # 精神運動発達遅滞頭蓋内石灰化水頭症脳室拡大 # 脳性麻痺脳室拡大髄膜脳炎てんかん小頭症頭蓋内石灰化 # 自閉スペクトラム症多小脳回難聴学習障害小脳低形成網脈絡膜炎 # 仮性嚢胞点状出血斑紫斑 # 脳室周囲高輝度エコー血小板減少 # 大槽拡大貧血 # 肝脾腫肝石灰化肺炎呼吸障害腸管の高輝度エコー肝脾腫胎児水腫腹水胸水肝機能異常胎盤肥厚病的黄疸新生児の症状徴候のうち他の原因と比べて先天性 CMV 感染に比較的特異性が高いものを示す5 典型的には symmetrical 頭囲も小さいだが胎盤感染に伴う胎盤機能不全から asymmetrical 頭囲は正常のこともある 2 新生児聴覚スクリーニングで pass したにもかかわらず遅発性進行性に発症する例は少なくない #

3 12 ᅧᆼ೨䈱CMV 㒶ᕈ䋨ᧂᗵᨴ䋩 3䋦* 㓁ᕈ䋨ᣢᗵᨴ䋩 7䋦 ᗵᨴ䊶 ᵴᕈൻ ᗵᨴ 1 4䋦 3 5䋦䈅䈢䉍.31%* ᗵᨴ䉕䈖䈜 Ⴧᖡ.2 2䋦 వᄤᕈCMVᗵᨴఽ ᕈᗵᨴ䋨23䋦*䋩䋨 ജ䈲 ᱜᏱ䈱䉁䉁䋩 ᡷༀ ή ᕈᗵᨴ䋨77䋦䋩䋨 ജ㓚ኂ䈱䊧䊔䊦䈏ห ᐲ䋩䋨 ജ䈲ᱜ Ᏹ䈱䉁䉁䋩 Ⴧᖡ ᓟ䈮䋨 1䋦*䋩 ᐜఽᱫ 䋨 ᕈᗵᨴఽ䈱 1䋦䋩䋨ᗵᨴఽ䈱1 2䋦䋩図３㐳 ᓟㆮ 䋨ᗵᨴఽ䈱 3䋦*䋩 వᄤᕈCMVᗵᨴ䈮䉋䉎㔍䈲䇮ήᴦ 䈪䈲 7 䈏Ⴧᖡ 䈅䈢䉍.1%* ᐕ㑆ផቯ1, 日本における妊婦と胎児の CMV 感染の実態䋨 ജ㓚ኂ 䈱䊧䊔䊦䈏 ห ᐲ䋩図４症候性先天性 CMV 感染児への抗ウイルス療法が聴力予後に及ぼす影響引用改訂先天性 CMV 感染による難聴は無治療であれば約７割は増悪するがガンシクロビルによる抗ウイルス療法を行うことで聴力予後は明らかに改善する文献８より引用改訂４診断漏れはなぜ起こる５治療の意義は現在日本では先天性 CMV 感染のために何らかのトラブルをもつ児が毎年約千人生まれていると推定される文献１より年間約千人と推定されているのに実際の報告数は先天性 CMV 感染症の確定診断が下され症候性の年間僅か5例程度しかなく 95 近くは見逃されてい場合に抗ウイルス療法を早期に行えば予後が改善するその理由として典型例や重症例以外は疑ることがわかってきた 5 われていないこと 2 仮に疑われても保険診療で実先天性 CMV 感染児の難聴は無治療であれば約７割施できる IgM 検査では偽陰性が半分もあること 3 は増悪するしかしガンシクロビル点滴静注６週間確定診断に有用な PCR 検査にはまだ保険適用がないによる抗ウイルス療法が聴力予後を改善することが明ことそして 4 診断の確定には生後３週以内の検らかになり図４ 8 その他の発達予後も全体に改体から CMV を検出しなければならないので遅発性善することが示されているさらにバルガンシクロビ発症の場合には疑ったとしても診断できないことが挙ルプロドラッグ経口薬であれば外来で長期治療がげられる可能であり６月の長期間の治療によってさらに 3 に関しては先天性 CMV 感染の診断を生後３聴力や発達の予後が改善することが示されている9 週以内の尿検体を用いて行う体外診断医薬品定性最大の問題はこれらの抗ウイルス薬が先天性 CMV PCR キットが開発され市場に出ており保険収載感染症の治療目的で乳児に用いることが保険診療でされることが期待されているそれまでは研究班の認められていないことであるまた短期的な副作用方で PCR による診断サービスを実施している http 特に骨髄抑制に加え長期的な副作用の懸念妊 //square.umin.ac.jp/ped/cmvtoxo.html 孕性への影響や発がん性は否定されていない 4 に関してわれわれは生後３週を過ぎた場合臍帯や先天代謝異常スクリーニング濾紙血検体を用いることによって後方視的に先天性 CMV 感染を診断し６予防するためには有効なワクチンが開発され実用化に至るまでにはているこれによって特発性と診断されたさまざままだだいぶ時間がかかると思われる現状で妊婦の感な症例が実は先天性 CMV 感染によって起こってい染を予防するためには妊娠中の生活上の注意がもっることを示してきた例えば長崎県内で原因不明のとも重要である表２研究班 http //cmvtoxo. 高度難聴児の12 自閉症の子どもの7.4 そし umin.jp/index.html や患者会 http //toxo cmv. て水頭症の子どもの11 に先天性 CMV 感染を見つけ org からはさまざまなリーフレットやポスターをている特発性とされる難聴児自閉症児てんかん作成して啓発に努めているがまだまだ認知度は低い 6 7 児発達遅滞児などの中に先天性 CMV 感染児が潜んでいるのである Ⅲ 未熟児の症候性後天性 CMV 感染症後天性感染であれば本来病原性が非常に低いはずの CMV も免疫学的に脆弱な宿主であれば代表的な

4 第77巻表２第１号妊娠中に胎児を守るために特に気をつけたいこと ① 頻繁に石けんと水道水で15 2 秒間手を洗いましょう特におむつ交換お子さんの食事鼻水やよだれの処理オモチャを触った後は念入りに手洗いしましょう２未熟児の感染源は防げるのか未熟児の後天性 CMV 感染の主な感染経路は輸血と母乳である輸血による感染は CMV 陰性血を選びさらに白血球除去の操作を加えることによって防ぐこ ② お子さんの唾液やおしっこが付いてしまったオモチャや家具等はきれいに拭き取りましょうサイトメガロウイルスは石けんアルコール漂白剤などに弱いので手洗いや掃除の際は水だけではなくこうしたものが入った薬局で売っている消毒薬を使うと効果的ですとができるが経母乳感染の予防は難しいヒト T ③ よだれの付いたお子さんの手やオモチャが口の中に入らないようにしましょうるとともに母乳中の有用な成分も不活化してしまう ④ 食べ物飲み物はお子さんとは別にし同じ箸やスプーンやフォークも使わないようにしましょう ⑤ お子さんにキスをするときは頬や唇へのキスはやめましょうそのかわりおでこにキスしたり抱きしめてあげたりしましょう ⑥ サイトメガロウイルスは乾燥に弱いので敷物や布団類は天日で十分に乾燥させましょう ⑦ 保育所などお子さん方と接する機会の多い職場で働いている場合は職場でも① ⑥の感染予防法を実践しましょう表３未熟児の後天性 CMV 感染症の臨床像急性期症状発熱血球減少非特異的症状症候肝機能異常胆汁うっ滞運動障害母乳の凍結融解によって経母乳感染を防ぐことはできない14 パスツライゼーションはウイルスを不活化す未熟性が強いほど CMV の経母乳感染が児に悪影響を及ぼす可能性が高くなる一方で母乳特に生乳は未熟児にさまざまな恩恵を与えることがわかっている母乳をあげるかどうかあげるとしたらどのような形であげるべきなのか大きなジレンマとなっている Ⅳ おわりに先天性感染の場合も未熟児における後天性感染の場合も CMV の病原性は非特異的であるが故に見逃されている症例が多くその重要性が認識されないでいる小児保健に関わる人々にとって何らかの障害を抱える子どもたちの背景に CMV が潜んでいる可能性後遺症認知障害細胞白血病ウイルス１型とは異なり CMV の場合は同時処理尺度認知処理過程尺度1 ボールスキル1 を忘れないで欲しいまた小児保健に関わる女性は乳幼児の唾液や尿への曝露の機会が多く CMV 感染のハイリスク者でもある妊娠中は感染予防に留意して欲しい敗血症様症候群血球貪食症候群壊死性腸炎文重症肺炎献森内浩幸サイトメガロウイルス日常診療に役立つ小児感染症マニュアル217 日本小児感染症学会日和見病原体となる未熟児もそうした弱者の一つである急性期の症状に留まらず長期的に発達遅滞を及ぼすこともわかってきた表３ 11, 12 編東京医学社 Cannon MJ Davis KF Washing our hands of the congenital cytomegalovirus disease epidemic BMC Public Health Morton CC Nance WE Newborn hearing screen- １わが国の現状はわが国における未熟児新生児の後天性 CMV 感染症の実態はまだよくわかっていないが全国の ing a silent revolution N Engl J Med NICU 287施設を対象に実施したアンケート調査では 4 Koyano S Inoue N Oka A et al Screening for 192施設から回答がありその中の56施設 29 で congenital cytomegalovirus infection using newborn 新生児の後天性 CMV 感染症を経験していた明らか urine samples collected on filter paper feasibili- にされていない症例も含めると新生児医療の現場で ty and outcomes from a multicenter study BMJ 軽視できない問題となっていると思われる 211 Open Torii Y Kimura H Ito Y et al Clinico epidemiological states of mother to child infections a nation-

5 14 wide survey in Japan Pediatr Infect Dis J 213 森内昌子サイトメガロウイルス未熟児への母乳哺育におけるジレンマ日本新生児成育医学会誌 Tagawa M Tanaka H Moriuchi M Moriuchi H Retrospective diagnosis of congenital cytomegalovi ₁7 1 Goelz R Meisner C Bevot A et al Long term rus infection at a school for the deaf by using pre- cognitive and neurological outcome of preterm in- served dried umbilical cord J Pediatr fants with postnatally acquired CMV infection 29 through breast milk Arch Dis Child Fetal Neonatol Sakamoto A Moriuchi H Matsuzaki J Motoyama K Moriuchi M Retrospective diagnosis of congeni- Ed F43 F Buxmann H Miljak A Fischer D et al Incidence tal cytomegalovirus infection in children with autism and clinical outcome of cytomegalovirus transmis- spectrum disorder but no other major neurologic sion via breast milk in preterm infants 31 weeks deﬁcit Brain Dev Acta Paediatr Kimberlin DW et al Eﬀect of ganciclovir therapy 中村友彦他新生児医療連絡会新生児の後天性 on hearing in symptomatic congenital cytomegalovi- CMV 感染症に関する一次アンケート結果第51回日 rus disease involving the central nervous system 本周産期新生児医学会学術集会 215 a randomized controlled trial J Pediatr 23 Breast milk acquired cytomegalovirus infection and Kimberlin DW Jester P Sanchez PJ et al Valganciclovir for symptomatic congenital cytomegalovirus disease N Engl J Med 14 Lanzieri TM Dollard SC Josephson CD et al disease in VLBW and premature infants Pediatrics e1937 e

Ⅱ 症候性胎内 CMV 感染症妊娠初期の CMV 初感染の場合症候性胎内 CMV 感染症が発生するリスクが高い再感染例でも異なる CMV 株に感染すると症候性胎内 CMV 感染症が発生する可能性があると考えられている CMV が胎内で感染する頻度は全出生の 0.4~1% でありそのうち

Ⅱ 症候性胎内 CMV 感染症妊娠初期の CMV 初感染の場合症候性胎内 CMV 感染症が発生するリスクが高い再感染例でも異なる CMV 株に感染すると症候性胎内 CMV 感染症が発生する可能性があると考えられている CMV が胎内で感染する頻度は全出生の 0.4~1% でありそのうち 2011/02/19 Blogzine 人長野県てある産婦人科医のひとりごと先天性サイトメガロウイルス感染症につい先天性サイトメガロウイルス感染症について Ⅰ サイトメガロウイルス感染症はどんな感染症か? サイトメガロウイルス (Cytomegalovirus:CMV) はヘルペスウイルス科の DNA ウイルスでどこにでもいるありふれたウイルスであるため結果的にほとんどのヒトが感染する CMV