ビール業界

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1 ビール業界 ~ キリンホールディングスとアサヒビール ~ 福田哲也ゼミナール 経済学部 8 期生 中井茜 山口真美

2 目次 1. はじめに 業界概要 ビール産業の歴史 ビール業界の現状 ビール業界の動向 企業概要 事業概要 企業の歩み 18 (1) キリンホールディングス 18 (2) アサヒビール 経営戦略分析 財務分析 成長性分析 収益性分析 安全性分析 キャッシュフロー分析 企業分析 経営理念 65 (1) キリンホールディングス 65 (2) アサヒビール 経営戦略 65 ( ア ) キリンホールディングス 66 ( イ ) アサヒビール リーダーシップ 70 (1) キリンホールディングス 70 (2) アサヒビール 今後の課題 (1) キリンホールディングス.72 (2) アサヒビール 終わりに 参考資料.79 参考文献.88 2

3 1 はじめに ( 山口真美 ) 大学生になり ゼミナールやサークルの仲間と居酒屋や自宅で飲み会をし アルコール飲料を手にする機会が増えた また アルコール飲料は CM でもよく見かける さらに規制緩和によってコンビニエンスストアやドラックストアなどでも販売が開始され 手軽に購入できるようになった このアルコール飲料には ビールが一番好き ビールは苦いからチューハイ 安い発泡酒がいい などといった消費者の好みやこだわりがある その中で 一番人気がある酒類はビールである 2004 年度の消費者が飲食店 居酒屋 レストランで一番初めによくオーダーする酒類の割合は カクテル 7% チューハイ 12% ビールは 66% である ( 食生活データ総合統計年報 ) また 2005 年度の酒類別販売数量は 清酒 71 万 kl 焼酎 100 万 kl ビール 341 万 klであり 11 品目ある中でビールが1 位であった ( 国税庁調べ ) つまり ビールは日本で一番飲まれているアルコール飲料である ところが 1996 年には 679 万 klであったビールの出荷量は 10 年後の 2006 年には 348 万 klにまで半減している そのため 日本のビールメーカーの業績は 年々下降傾向にあるがビールメーカーはビール類だけでなく チューハイ 焼酎 ウイスキー 梅酒等も製造 販売し ビールの減少部分を補っている よって 近年ではビール以外の酒類やグループ企業全体に力を入れている企業が業績を伸ばしている傾向になっている また 1994 年には発泡酒が発売となり 2003 年には第 3 のビール ( 新ジャンル ) が発売となった 日本では 1853 年からビールが醸造されてきたが ここ十数年の間に新しいビール系飲料が 2 つも誕生した また 近年では高級感のある酒類やカロリーオフなどの酒類が話題を呼んでいる このように 衰退しているビールシェアを補っていくため ビールメーカー各社は新市場を確立している そこで今回 市場が停滞しているビール業界に注目し 本論文では 2006 年度業界売上上位の 2 社であるキリンホールディングスとアサヒビールを取り上げ 戦略や課題を明らかにしていく 1 位のキリンホールディングスは 酒類事業の麒麟麦酒 飲料事業のキリンビバレッジを完全子会社にし 総合飲料グループとして多角化事業を行っている 2 位のアサヒビールは トップブランドビールである アサヒスーパードライ の販売に力を入れ 酒類事業の成長に軸足を置いている それぞれ異なった経営を行っている両社は実際 業界の動向に合った経営 戦略を行っているのかを見て課題を提案する まず業界概要では ビール産業の歴史を述べた後 業界の現状と動向を明らかにする 次に 企業概要では両社の相違点と共通点を比較し 両社の歩みを見ていく さらに 経営戦略分析では財務諸表を基に両社の強みと弱みを明らかにする 最後に企業分析を踏まえた上で 両社の今後の課題 展望を提案したい まず 業界概要から見ていく 3

4 2 業界概要 2-1 ビール産業の歴史 ( 山口真美 ) まず 日本におけるビール産業の歴史を述べる ここでは どのようにして日本にビールが誕生したかを明らかにした後 どのようにして現在のビールメーカーに至ったかを見ていく ビール産業の誕生日本にビールが入ってきたのは 1860 年に英米の船が来航したことがきっかけであった 日本人で初めてビールを醸造したのは 1869 年に当時の品川県知事であった古賀一平氏であり 産業として醸造を開始した また 古賀氏は土佐藩屋敷跡 ( 現在の東京都品川区大井 ) にビール工場を建造した さらに 1872 年には 渋谷庄三郎氏が大阪市でビールの醸造 販売を行った こうして 1869 年以降 日本のビール産業は黎明 ( れいめい ) 期を迎えることになった 一時は全国に 100 社前後のビール会社ができるほどで この頃の文明開化は日本人の生活様式にも多くの変化を与え ハイカラ族はビールを好んでいた ただし この時期は国産ビールに比べ 舶来ビールが幅を利かせていた 近年大手ビールメーカーの原点 1887 年以降 日本も産業革命による近代化が本格的になった 1887 年には東京で 日本麦酒醸造会社 が 1888 年には北海道庁から大倉組に払い下げられ 札幌麦酒会社 が 1889 年には大阪で 大阪麦酒会社 が設立され 1893 年にそれぞれ 日本麦酒株式会社 札幌麦酒株式会社 大阪麦酒株式会社 となった この日本麦酒 札幌麦酒 大阪麦酒はいずれもアサヒビールの前身である また 横浜のコープランドビールは 後に香港法人のジャパン ブリュワリー リミテッドが引き継ぎ 1888 年に キリンビール ( 現 キリンラガービール ) を発売し 1907 年には 麒麟麦酒株式会社 を設立した このように 麒麟麦酒やアサヒビールなどの現在に至る会社はいずれもこの時期に誕生した 1860 年代のビールは 舶来ビールが国産ビールの生産量を上回っていたが 1887 年には国産と舶来が逆転し 国産ビールは徐々に人々の生活に浸透していった 1860 年代当時 酒税は清酒のみに課せられており ビールには酒税が課せられていなかった しかし 1900 年に中国で義和団事件が起き 日本も軍備増強が必要となったため 1901 年 10 月 ビールにも軍備増強のために酒税が課せられることになる これにより 資金力の弱い小醸造所はその負担に耐えられず 倒産や合併などによって姿を消していった 1906 年には日本麦酒 札幌麦酒 大阪麦酒も合併され 大日本麦酒株式会社 となった 4

5 ビール産業の活況 1914 年の第一次世界大戦で 日本は地理的条件にも恵まれ ほとんど参戦することなく経済的には好況を迎えた ビール業界も第一次世界大戦の影響を受け ヨーロッパからビールの補給を断たれた東南アジアやインドの市場に進出するなど大戦景気を満喫した その後もビールに対する需要は旺盛で ビール会社は次々に新工場の建設に乗り出し 新たにビール事業を始める会社も現れ ビール業界は活気付いた ビール産業の低迷しかし 1920 年代は大戦後の反動的不況が深刻化し 消費量の低下や安売り競争の激化などビール産業も混乱と低迷の時代を迎えた 1939 年 ヨーロッパで第二次世界大戦が勃発すると 価格統制令が施行され物価だけでなく原料や製造量まで統制を受けることになり ビールの価格統制は 価格指定から始まり 都市 地方別に公定価格が設定され 全国単一の公定価格となった この間 ビールに課された酒税は 戦費調達のためほとんど毎年のように増税された ビール産業の復興戦後の混乱の中でビール会社は復興への努力を開始した 1949 年 ビール産業にも過度経済力集中排除法が適用され トップメーカーである大日本麦酒が 日本麦酒 ( 現 サッポロビール ) と 朝日麦酒 ( 現 アサヒビール ) に分割されて戦後の新しい体制が出来上がるとともに 酒類配給公団が廃止されて ビール会社は自由に出荷 販売できるようになった 1950 年には特約店ルートによる販売を開始して本格的な競争を再開し 1952 年には原料統制が解除され 1953 年には戦前の最高水準を超す生産高を達成した 1955 年以降は所得倍増の波に乗ってビールに対する需要も大幅に伸びた時代で 戦前のビール消費がほとんど料飲店であったのに対し 電気冷蔵庫が普及した時期が重なったことにより 家庭で飲まれるビールが飛躍的に伸びた 5

6 近年の市場の動向 図表 2-1 ビール製造量 ( 万 kl) 年 1987 年 1989 年 1994 年ビール製造量 ( ビールの歴史と変遷ホームページ ) 図表 2-1 はビール製造量の推移を表したものである 1960 年代はビール需要の伸び率が徐々に鈍化したが 1977 年には 製造量が 400 万 k lに達し 年率平均 2.6% の伸び率となり安定成長期に入った その後 1987 年に製造量が 500 万 klを突破し 1989 年には 600 万 kl さらに 1994 年には 700 万 klを超えた 1994 年に記録した 713 万 5 千 klが過去最高の製造量となっている また 外国ブランドビールの国内ライセンス生産を行っている工場もあり 国際的な広がりも出てきている さらに 規制緩和の一つとして 1994 年 4 月にビール製造免許に係る最低製造数量基準が年間 2,000klから 60klに引き下げられたことにより 近年 地ビールなどのローカルブランドが続々増え それぞれ個性あるビールを製造できるようになった しかし 近年では 少子高齢化や消費者の嗜好の多様化 個性化や若者のアルコール離れの影響によりビール市場が縮小傾向になっている そこで ビールメーカー各社は各種の新商品の発売を含めた商品対策の展開を活発的に行っている 消費構造そのものが大きく変化しているためビールメーカー各社は 商品戦略はもちろん とりわけ営業戦略そのものを変える必要に迫られてきた 近年から現代の動向については後ほど述べることとする ここまで ビール産業が発展した経由を歴史で振り返り述べてきた これを理解したうえで次に 現在のビール業界の現状 動向を見ていく さらに動向では キーワードを取り上げ 解説をしていく 6

7 2-2 ビール業界の現状ここでは 近年のビール業界がどのような状態であるのかを 2 つの特徴を挙げ見ていく まず ビール業界に属する企業の出荷数量シェアから特徴を導き出す 図表 2-2 オリオンビール 0.9% 2006 年度ビール出荷数量シェア サントリー 10.8% サッポロビール 12.9% アサヒビール 37.8% キリンビール 37.6% ( 日経産業新聞 2007 年 7 月 24 日 ) 図表 2-2 は 2006 年度のビール出荷数量シェアを表したものである ビール業界のシェア争いは 1967 年以降 アサヒビール キリンビール サッポロビール サントリー オリオンビールの 5 社で繰り広げられている つまり ビール業界は 1 つの市場を少数の企業で支配する寡占市場である 2006 年度では アサヒビールが 37.8% で 1 位 キリンビールが 37.6% で 2 位であり ビール市場の約 7 割をアサヒビールとキリンビールの 2 社で占めている 1954 年から 1997 年までキリンビールがシェアトップであったが 1998 年にアサヒビールが首位に躍り出てからはアサヒビールが首位の座を保っている このように ビール業界の 1 つ目の特徴として ビール業界は寡占市場であり 市場の約 7 割をアサヒビールとキリンビールが占めていることが挙げられる もう 1 つの特徴を 業界平均の売上高とビール出荷高の推移から見ていく 7

8 図表 , , , , , , ,000 2,275, ,862 業界平均売上高とビール出荷高の推移 2,003, ,858 1,759, , ,941 売上高ビール出荷高 692, ,315 1,621,295 1,599,886 1,468, 年 2001 年 2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 2,400,000 2,300,000 2,200,000 2,100,000 2,000,000 1,900,000 1,800,000 1,700,000 1,600,000 1,500,000 1,400,000 図表 2-3 はビール業界の平均売上高とビール出荷高の推移を表したものである ビールの出荷高の下降とともに平均売上高も減少し ビール市場が縮小傾向であることが分かる ビールメーカーはその名の通りビール事業を主として活動しているため ビールの売上が不調であれば 各社の業績も低下する ビールメーカーの業績が低下している大きな原因は 先ほどビール産業の歴史で述べたように近代では少子高齢化や消費者の嗜好の多様化に伴う消費者のビール離れが影響しているからである ここで ビールの出荷高が低下している中 他の酒類の売上高はどのように推移しているのかを見ていく 図表 2-4 ( 千 kl) 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 酒類別販売数量 2000 年 2001 年 2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 ビール 5,185 4,622 4,132 3,783 3,617 3,408 焼酎 果実酒類 ( 千 kl)

9 ( 国税庁統計年報書 ) 図表 2-4 はビール 焼酎 果実酒類の販売数量の推移を比較したものである ビールと焼酎を左軸にとり 果実酒類を右軸にとっている ビールの販売数量が低下しているのに対して焼酎が好調であることが分かる また 果実酒類も 2004 年から 2005 年にかけて増加している ビールメーカーは 2000 年以降 缶チューハイやカクテルのような低アルコール飲料を発売している また 商品が豊富であり 若者や女性にも人気がある 各ビールメーカーが主体としているビールの売上が年々減少している中 ビールから離れていったユーザーを取り戻すには 多種多様な顧客のニーズに合わせた商品開発が必要になってくる そのため 図表 2-4 で出荷高が伸びている酒類にも力を入れていかなくてはならない時代になっているといえる ここで ビール業界の 2 つ目の特徴として 消費者のビール離れが進行している中 他の酒類の消費量が増えていることが挙げられる ここまでビール業界の現状を述べ 業界は寡占状態であることと ビール市場が縮小傾向であることが分かった このような現状であるビール業界は今後どのような動向を見せるのか明らかにしていく 2-3 ビール業界の動向消費者がビール離れをしている中 今後ビール業界にとってさまざまな対策が必要になってくる 近年のビール業界では 消費者の嗜好の変化だけでなく 酒税法の改定や海外市場も大きく影響している そこで 業界の動向を表す 3 つのキーワードとして 酒税法対策 多様化 多嗜好 アジア進出による事業拡大 を挙げ これらのキーワードについて解説をしていく まず 酒税法対策 について説明する ビールには酒税が課せられるが アルコールの度数や原料によって課税額が異なる しかし 酒税法は頻繁に改正されているためビールメーカーはその都度対応が必要になってくる また 酒税法の改正は消費者にも大きな影響を与えている 国税庁の酒税課税状況表によると 2006 年度上半期の酒類出荷量が前年同期の 0.7% 増となった 増加の要因として 業務用のビールや低アルコール飲料の推移が好調だったことである しかし 主要 5 社によるビール 発泡酒の出荷量は 前年比 2.7% の減少であった 近年の経済状況は低価格化傾向にあり ビール 発泡酒の 1 世帯当たりの支出金額は 2002 年では 26,949 円であったが 2006 年には 21,930 円と減少している ( 総務省統計局 ) 低価格化を背景に発泡酒の売れ行きは好調であったが 過去 2 度の酒税法改正により割安感が薄れた発泡酒の落ち込みが目立った また 発泡酒と入れ替わる形で 2004 年にはさらに低価格である第 3 のビールが発売された 2004 年以降 発泡酒から第 3 のビールへ転換 9

10 する消費者が増え 発泡酒の消費量が減少したことによって 2006 年度の出荷量におけるシェアが 20% を超え急成長した ここで 酒税法の改正の歴史を振り返っておく 1975 年から 1984 年の間に 4 回の増税が行われ 1989 年の消費税導入時に酒税が改正されたことによって 27 年ぶりに大瓶 1 本当たり 10 円近く減税された しかし 1994 年には 再び1 本当たり 10 円近くの増税となった また 発泡酒に関しては 1996 年と 2003 年に増税となった 発泡酒は低価格でも飲み応えがあるという支持を集めていたにも関わらず 税率の差が縮まったことでビールと発泡酒の価格にも差が縮まり 発泡酒の売上に大きな影響を与ることとなった 発泡酒の税率が上がったことによって登場したのが第 3 のビールであるが 2006 年 5 月に行われた酒税法の改定により 第 3 のビールが 350mlで 3.8 円増税された また ビールが 0.7 円減税となったため ビールと第 3 のビールとの税率の差が縮まった さらに 2006 年の酒税法改正では 酒類分類の簡素化のため集計酒類品目が 10 種類 11 品目から 4 種類 17 品目に変更となった ( 図表 2-5 ) 新酒税法では 課税上の必要性から 酒類をその製法等に着目して 発泡性酒類 醸造酒類 蒸留酒類及び混成酒類の 4 種類に分類し その分類ごとに異なる税率を適用することを基本としている ( 国税庁調べ ) これまでビールメーカーは複雑な税率のすき間をぬって発泡酒 第 3 のビールと低税率の商品を開発してきた そのため 税率によって価格に大きな差が生じることを防止するために 国税庁によってこの改正が行なわれた その上 新酒税法では 現在想定していない酒類が今後開発された場合は 4 つの酒類のどこかに分けた上で その酒類の一番高い税率を適用することも決められた 図表 2-5 旧酒税法 (10 種類 11 品目 ) 新酒税法 (4 種類 17 品目 ) 分類種類品目区分分類品目区分醸造酒清酒発泡性酒類ビール混成酒合成清酒発泡酒蒸留酒しょうちゅう甲類醸造酒類清酒乙類果実酒混成酒みりんその他の醸造酒醸造酒ビール蒸留酒類連続式蒸留しょうちゅう単式蒸留しょうちゅう醸造酒果実酒類果実酒ウイスキー甘味果実酒ブランデー蒸留酒ウイスキーウイスキー原料用アルコールブランデースピリッツスピリッツ蒸留スピリッツ混成酒類合成清酒原料アルコールみりん混成酒リキュール甘味果実酒発泡酒リキュール混成酒雑酒粉末酒粉末酒その他の雑酒雑酒 ( 国税庁ホームページ ) 10

11 今後 低税率を狙って低価格の商品が発売されるのは困難である そこで ビールメーカーはビールに限定せず 幅広く商品を開発する必要がある ここまで 酒税法対策 について見てきた 次に 2 つ目のキーワードである 多様化 多嗜好 について説明する ここでは 消費者の嗜好の変化として低価格志向 健康志向 高級志向を取り上げ これらを見ていく 消費者の嗜好の変化に伴って 商品も多様化している ビールメーカーはこれに合った商品を開発していかなくてはならない 近年では酒税法の改定によってビールや発泡酒の価格が上昇し 消費量が減少した そのような中でよりビールの味わいに近づけた低価格商品が販売された 消費者の低価格志向と合致したこともあり この商品が成功し 販売数量を伸ばしている 図表 2-6 (kl) 酒類別販売数量 ( 上位 3 社 ) 4,500,000 4,000,000 3,500,000 3,000,000 2,500,000 2,000,000 1,500,000 1,000, ,000 0 ビール 4,075,967 3,683,754 3,617,201 3,308,378 3,225,184 発泡酒 2,070,230 2,080,043 1,964,503 1,485,192 1,368,322 新ジャンル 2, , , ,802 ( 国税庁ホームページ ) 図表 2-6 は酒類別で見た上位 3 社の合計販売数量の推移を表したものである ビールと発泡酒は年々減少傾向にあるのが分かる この背景には酒税が影響している 発泡酒は元々 ビールよりも低価格の商品として好調であった しかし 先ほど酒税法の改定で述べたように発泡酒の税率が値上げにより ビールとの価格が変わらなくなった そこで 登場したのが第 3 のビールである ビールや発泡酒の原料は麦芽であるが 第 3 のビールは麦芽を使用せず エンドウ豆や大豆を原料としている 麦芽以外の原料を使用することによって ビールメーカーはより低価格で販売できるのである 第 3 のビールが誕生したのは 2004 年 2 月に発売されたサッポロビールの ドラフトワン である その後 2005 年にキリンビールは のどごし< 生 > アサヒビールは 新生 が発売された この結果 ビール 発泡酒が減少傾向にある中 第 3 のビール販売数量は年々上昇して 11

12 いる 消費者がビール離れをしている原因は価格面だけではない ビールは下腹に溜まるといったネガティブなイメージがある そこで 健康面を意識した人はポリフェノールが含まれている赤ワインを手に取る これが赤ワインブームである またビールはアルコール度数 味とともに横並びのため 価格も割安で自分の好みの度数や味に変化することができる焼酎や 多種類の商品 味覚を揃えている低アルコール飲料が好まれるようになった このように ビールから離れている消費者の対応策として各ビールメーカーは今まで強化してきた定番ビール ( スーパードライ 一番絞り 黒ラベル モルツ ) の他にも重点を置き 社会の志向に基づいた商品ラインアップを増やしている 例として 健康志向向けの商品が挙げられる 健康を気にしている消費者向けにカロリーや糖質を抑えた商品が開発された しかし カロリーを減らした商品は最近始まったことではなく アサヒビールでは 2000 年に スーパーモルト を サッポロビールでは 2003 年に ハーフ & ハーフ を販売していた しかし 発売当初のカロリーオフ商品は味が薄くて消費者に好まれていなかった そこで 味わいはそのままにし 糖質 カロリー プリン体をカットした商品が投入されるようになり 市場を拡大している 定番ビールの糖質は 350ml 缶 1 本当たり 10.0g から 15.0g ほど含まれているが この健康志向向けのビール系飲料の糖質は 50% から 80% カットした さらに アサヒのスタイルフリーでは糖質をゼロにし 2007 年 3 月に販売され 同年 9 月には 570 万函に到達し当初の目標まで 30 万函と好調な売上を出している 2007 年では主要 4 社で 7 商品が投入されており 中でもキリンビールは 3 商品と健康志向に意欲的である この健康志向向けの商品は ビールだけに止まらず低アルコール飲料でも糖質オフが浸透している また 2007 年 9 月にアサヒビールはカゴメと共同開発することよって既存の缶入りカクテルやチューハイなどにないトマトを使用した商品を産み出した 素材に野菜を使用することで身体にやさしいアルコールを提供し他社と異なった点で勝負している 近年では 低価格や健康を求める時代ではあるが 週末や記念日などに価格の高い商品を好む傾向にもなっている そこで高級志向に合わせた商品も誕生した 12

13 図表 2-7 ビール 発泡酒 新ジャンル市場とプレミアムビール市場の比較 ( サントリーホームページ ) 図表 2-7 はビール 発泡酒 新ジャンル( 第 3 のビール ) 市場の出荷高推移とプレミアムビール市場のシェアを比較したものである ビールを選ぶこだわりとして 高級感 吟味された素材の使用 贅沢感を求める消費者が増えている このような消費者向けに開発されたビールをプレミアムビールと呼び 現在ではスッキリとしたのど越しを楽しむのではなく 苦くてコクが強い従来のビールを楽しむ人が増えている ビール 発泡酒市場が下降状態にある中 第 3 のビールとともに上昇しているのがプレミアムビール市場である このプレミアムビール市場に火をつけたのが 2005 年にモンドセレクション最高金賞を受賞したサントリーの ザ プレミアムモルツ である 以前から各社でプレミアムビールは販売されていたが売上は伸びなかった その間市場を独占していたのがサッポロビールの エビス であった しかし ザ プミアムモルツ が最高金賞を受賞したことを CM でアピールしたことにより 消費者にプレミアムビールを印象付け それにあやかって各社でプレミアムビールを投入し始めた プレミアムビールは利幅が大きく価格は 350ml 缶で 250 円程度であり 135 円程度で売られている第 3 のビールの 2 倍弱にもなる 利益も 2 倍確保できメーカーだけではなく流通 飲食店にとってもメリットがあり期待の出来る市場である ビールメーカーは 近年の嗜好の多様化に合わせ万人に受けるビールを生み出すのではなく 各々の消費者が求めている商品を生み出す必要がある ビール市場が停滞している中 新たに切り開かれた市場は確実に拡大している 今後も消費者の 多様化 多嗜好 に合わせた商品開発がキーワードとなっていく 13

14 最後に アジア進出による事業拡大 について説明する 図表 2-8 ( 万 kl) 3,500.0 国別ビール消費量 3, , , , , 年 2001 年 2002 年 2003 年 2004 年 中国 2, , , , ,864.0 アメリカ合衆国 2, , , , ,397.4 日本 ( ビール酒造組合ホームページ ) 図表 2-8 は国別ビール消費量を表したものである 日本のビールシェアが縮小する中 同じアジア地区で成長を遂げている国がある それが中国である 中国国民の平均所得の増加や生活レベルの向上とともに中国人の趣向が変化している 図表 2-8 より 中国のビール消費量は 2003 年に世界トップに躍り出て年率 20% 近くの伸びを示している 1 人当たりの消費量が日本人の 4 分の 1 であることから 人口の多い中国では 今後も飛躍的にビール消費量が伸びる可能性が大きい このように拡大する中国市場に期待を寄せ 中国のビールメーカーに投資するビールメーカーが日本だけでなく世界で確実に増加している 日本のビールメーカーで最初に中国市場に参入したのは サントリーである 中国では低価格帯 中価格帯 高価格帯の 3 層の価格が形成され サントリーはその中でも外資系ビールで一般となっている高価格帯を避け独自の中価格帯に近い価格設定をした このことが勝因となり 中国で人気を集めることとなった また 上海地域では 2 つの大衆ビールメーカーを手中にし サントリーは上海市場シェアを 6 割まで伸ばしている サントリーの中国進出から 10 年を経てアサヒビールは 1994 年に 4 ヶ所のビール工場を買収したことから始まった 上海に統括所と販売会社があり 5 工場でビールの生産をしている アサヒビールは 伊藤忠商事をパートナーに迎え 両社で中国ビール会社を M&A によって資本参加をしている アサヒビールは 2007 年に中国で第 5 位のビールメーカーとなった 14

15 しかし アサヒビールより手強いのがキリンホールディングスである キリンホールディングスは台湾の統一グループと共同で珠海麒麟統一麦酒設立し キリン一番絞り等を生産してきた また 中国だけにとどまらず オーストラリア第 2 位ビールメーカーであるライオンネイサン社に出資し麒麟ブランドを産み出している そんな中 中国が世界消費量 1 位となりキリンホールディングスは 2004 年末から中国に重点を置いて投資する戦略を立てた まず 北方製造拠点を確保し 上海に中国全土を統括する投資会社を設けた 次に 100 億円規模の投資で南方拠点の拡大の布石を打った 当初 台湾パートナーと共同で出資していたものを買い取り 100% 子会社とし 2 倍の製造能力と醸造設備を持つ新工場を建設した この積極的な投資活動により キリンホールディングスは 2006 年において海外比率を 20% 以上にまで上昇させたのである 主要 5 社で国内のビールシェアを拡大するにも限度があり 人口減や高齢化が進む以上 将来的に市場が急拡大することは期待できない その中で 隣国である中国が急成長している この成長市場に参入することで既存事業を強化し また新たな事業を取り組み各社の業績を拡大することになるであろう しかし 成長している市場に投資しても業績に結びつかなければ不安要素になりかねない 有力な企業を見極め 日本のビールメーカーの規模を活発化させるために 海外 アジア進出による事業拡大 がキーワードとなる ここまでビール業界の動向を述べてきた 動向の中で 酒税法対策 多様化 多嗜好 アジア進出による事業拡大 の3つのキーワードが挙げられた このキーワードで挙げられた 多様化 多嗜好 の中の低価格志向 健康志向 高級志向に合った商品開発に加え 各社の戦略の成果によって市場が拡大した その戦略とは 営業促進に力を注ぐことである 営業促進費は広告宣伝費に販売促進費を加えたものである 日本の企業の 2005 年度営業促進費ランキングでは サントリー 6 位 アサヒビール 10 位 キリンビール 11 位とビール業界が上位を占めている また 上場企業での業種別売上高に対する広告宣伝費の比率では 自動車 0.98% 電気機器 0.77% 化学 2.09% 通信 1.03% 食品 2.36% であった ビール業界は食品に属されているが ビール業界だけでの比率は 3.80% であり 他業界よりも高いことが分かる 売上高広告宣伝費率が高いことがビール業界の特徴であり CM や新聞といった広告やイベントやキャンペーンといった販売促進を強化することによって企業や製品のイメージを良くしていく イメージ戦略をとっているのはビールの消費者が味で差別化を図るのは極めて難しいため 営業促進によって情報を提供していくためである 2005 年から人気急上昇した ザ プレミアムモルツ もモンドセレクション最高金賞の受賞だけが勝因ではなく 最高金賞のビールで最高の週末を というキャッチコピーで新たな飲み方の提案をおこなった この戦略により 潜在ニーズを掘り起こしプレミアムブ 15

16 ームの先駆けとなった その他にも この戦略で空前の大ヒットが産み出されたビールがある それはアサヒスーパードライである スーパードライは発売当時で珍しかった店頭での試飲イベントを行ったことにより小売店での導入が増え 消費者の心をつかんだ また 鮮度を追求している映像を CM で消費者に伝え スーパードライは鮮度がよいというイメージを定着させ販売数量はうなぎのぼりとなった このように新たな市場を切り開いていくためにも ブランドを強化するためにも営業促進を効果的に使うことで他社との差別化を図ることができるのだ 以上のことから 今後のビール業界が成長を遂げるためには前途に上げたキーワード イメージ作りをどのように確立していくかが問われてくる ここまでビール業界の動向を見てきた このような状況の中で ビール出荷数量シェア 1 位のキリンホールディングスと 2 位のアサヒビールの両社はどのような戦略をとっているのかを詳しく見ていきたい 次に述べる企業概要では 両社の共通点と相違点 両社の歩みを見ていく 16

17 3 企業概要 3-1 事業概要 両社の事業概要を比較したものである ( 山口真美 ) 社名 キリンホールディングス株式会社 アサヒビール株式会社 設立 1907 年 2 月 23 日 1949 年 9 月 1 日 本社所在地 東京都中央区新川 東京都中央区京橋 代表者 加藤壹康 荻田伍 資本金 102,045 百万円 (2006 年 12 月現在 ) 182,531 百万円 (2006 年 12 月現在 ) 従業員数 5,040 名 (2006 年 12 月 31 日現在 ) 3,672 名 (2006 年 12 月 31 日現在 ) 売上高 1,665,946 百万円 (2006 年 1 月 ~12 月 ) 1,446,385 百万円 (2006 年 1 月 ~12 月 ) 事業内容 グループの経営戦略 経営管理ならびに専門サービスの提供 アサヒビールグループは 中核である国内酒類事業をはじめ 飲料 食品 薬品などのグループ事業や国際事業を展開 グループ企業 国内酒類事業 10 社 国内酒類事業 11 社 国際酒類事業 10 社 飲料事業 3 社 清涼飲料事業 2 社 チルド事業 2 社 医療事業 9 社 食品 : 薬品事業 4 社 健康 / 機能性食品事業 3 社 国際事業 13 社 アグリバイオ事業 11 社 原材料事業 1 社 不動産事業 2 社 物流事業 3 社 食品 / サービス事業 10 社 外食事業 5 社 機能分担会社 2 社 不動産事業 1 社 その他事業 8 社 営業利益構成 酒類 70% 酒類 88% 比 飲料 17% 飲料 9% 医薬 10% 食品 薬品 1% その他 3% その他 2% (2006 年度 ) (2006 年度 ) 17

18 この表の中から 両社の違いを見ていく まず 社名を見てわかるように会社体制に違いがある キリンホールディングスとは 麒麟麦酒株式会社が 2007 年 7 月 1 日より純粋持株会社制を導入して発足したものである キリンホールディングスは純粋持株会社であるため酒類を製造するなど直接事業には携わっていない 実際事業に携わるのは 事業子会社である麒麟麦酒やキリンビバレッジなどである 一方 アサヒビールは事業持株会社であり 自ら事業も行っている また アサヒビールもキリンホールディングスと同様にアサヒ飲料やアサヒフードアンドヘルスケアなどの子会社がある 2 つ目の違いは営業利益構成比である まず キリンホールディングスの営業利益構成比を見ると キリンホールディングスは酒類が 70% であり営業利益の大半を酒類で占めている しかし キリンホールディングスは酒類以外にも飲料や医薬にも力を入れている この 2 つの事業を合わせると営業利益の約 30% 弱を占めている 一方 アサヒビールは営業利益の 88% が酒類で占めており 残りの 10% をその他の事業で構成されている 営業利益構成比を見て分かるように キリンホールディングスは 酒類以外にも多種類の事業を展開し アサヒビールは基幹ブランドである酒類を中心に事業を展開しているのである ここまで両社の違いを見てきたが 両社には共通している部分もある それは グループ企業の数とそれぞれの企業の事業内容である まず 両社のグループ企業の事業内容を見ていく 両社ともビールの製造 販売を中心とする国内酒類事業がある 国内酒類事業とは ビールや発泡酒 焼酎等を製造 販売する事業である また 両社とも国際事業が 10 社以上あり 海外でも幅広く事業を行っている 事業数で見ると 両社とも 10 種類近くある 以上 事業概要を比較してきた 次に企業の歩みを述べることによって 両社がどのような歴史を歩んできたのかを見ていく 3-2 企業の歩みここでは 両社がどのような歴史を歩んできたのかを見ていく まず 両社の沿革を簡単に述べていく (1) キリンホールディングス 1888 年ジャパン ブルワリー 明治屋と一手販売契約を締結し キリンビール として発売 1907 年麒麟麦酒株式会社設立 ジャパン ブルワリーの事業を継承 1949 年出荷制限が解除され 本格的自由販売がスタート商標 キリンビール を復活して販売を開始 1954 年ビールのシェアが業界トップになる 1966 年ビールのシェアが 50% まで上昇 18

19 1972 年ビールのシェアが 60% まで上昇 1988 年キリン生ビールドライ発売 1989 年キリングループ長期経営構想 キリン グループ ビジョン 2015 を発表 1998 年発泡酒 麒麟淡麗 < 生 > 発売 2007 年純粋持株会社制に伴い キリンホールディングスに商号変更 初期麒麟麦酒の起源は 1870 年にノルウェー系アメリカ人ウィリアム コープランドが横浜山手に スプリング バレー ブルワリー を開設し 日本で初めてビールを製造 販売したことから始まった 1885 年に三菱財閥の岩崎弥之助らが外国資本による香港国籍の新会社 ジャパン ブルワリー を設立した ジャパン ブルワリーは 1888 年に明治屋と一手販売契約を締結し 麒麟ビール を発売した そして 1907 年に三菱財閥と明治屋の出資によって日本国籍会社 麒麟麦酒 が発足した 中期 ~ 成長期 ~ 戦後 1949 年に自由販売競争時代となり 麒麟麦酒は品質の良さと知名度に支えられさらに 特約店網の強化をすることによって確実に販売数量を伸ばした また 1954 年には原材料である大麦の買い入れが自由化となり 生産制限がなくなった 品質本位と堅実経営を信念としてきた麒麟麦酒は 1954 年の出荷量は 14kl を超えてビール業界でシェアトップとなる ~ 最盛期 ~ 1954 年にシェアトップに躍り出た麒麟麦酒は約半世紀もの間 他社に首位の座を譲らなかった 1966 年にはビールシェアの過半数を獲得することになる 首位となってから 工場を毎年のように創設させ 1975 年にはブラジルの東山農産加工の資本に参加するなど設備投資にも力を入れた 1980 年に業界初となる連結売上高が 1 兆円を突破し さらに多角化経営を推進するために 1982 年には医薬事業を開始した 1990 年には一番絞りが発売となり ラガーに並ぶ主力ビールとなった ~ 変動期 ~ 1987 年アサヒビールのスーパードライの発売により 1998 年ビール出荷量で首位脱落となった しかし 1998 年に発泡酒 麒麟淡麗 < 生 > を発売し この年の大ヒット商品となって発泡酒市場においてトップに躍り出た 新商品の投入合戦で熾烈なシェア争奪戦を繰り広げている麒麟麦酒は 主力ビールだけで勝負するのではなく ビール以外の発泡酒やチューハイを含めた新商品を大量投入しているため 酒類の販売数量は業 19

20 界一である 現在 2005 年に発売開始した第 3 のビール キリンのどごし< 生 > は 課税出荷数量で業界トップとなった また 2007 年 7 月 1 日より純粋持株会社制を導入し キリンホールディングス株式会社が発足した さらに医薬事業は独立し キリンファーマ株式会社として発足した (2) アサヒビール 1889 年朝日麦酒 の前身である大阪麦酒会社設立 日本麦酒醸造会社 札幌麦酒 も相前後して創立され 日本のビール産業の興隆期を迎える 1891 年 アサヒビール 発売 1906 年大阪麦酒 日本麦酒 札幌麦酒の 3 社合同により 大日本麦酒 設立 1949 年過度経済力集中排除法により 大日本麦酒 は朝日麦酒 と日本麦酒 に分割 1985 年 CL( コーポレート アイデンティティー ) 導入宣言 1987 年日本初の辛口生ビール アサヒスーパードライ 発売ビール業界に革命を起こすヒット商品となる 2001 年国内ビール 発泡酒市場でシェア首位の座を獲得 2005 年新ジャンル市場に参入 初期 1949 年 集中排除法により 大日本麦酒 が朝日麦酒 と日本麦酒 ( 現 サッポロビール ) に分割され 山本為三郎が朝日麦酒の初代社長に就任した 朝日麦酒は設立当初 西日本を中心にビールを販売した また 家庭用はあまり普及せず 業務用を中心に販売をしていた ~ 衰弱期 ~ 大日本ビールをアサヒビールとサッポロビールに分割した後 アサヒビールは西日本を中心に売れ行きは好調で 分割当初はキリンビールを含めた 3 社間で市場シェア 1 位を誇っていた しかし 1970 年代以降はキリンビールに市場シェアの先行を許し 生ビール競争に敗れてサッポロビールにも追い抜かれた 1985 年には市場シェアが過去最低である 9.6% となり 4 位のサントリーに追い抜かれる寸前までいった 経営状況が悪化した結果 吾妻橋工場を閉鎖し売却するまでとなり この頃から約 20 年間多額な有利子負債を抱えることになり 住友銀行による支援を受けた 20

21 ~ 成長期 ~ 経営状況が悪化したアサヒビールは 1986 年に経営改善策として住友銀行から樋口廣太郎氏が送り込まれ アサヒビールの社長に就任した 1987 年に世界初となる辛口ビール アサヒスーパードライ を発売し 以後 スーパードライのみにブランドを強化する一本足打法戦略をとった この結果 スーパードライが空前の大ヒットとなり アサヒビールは売上高 市場シェアとともに復興することが出来た 1998 年には 競合各社が立て続けにドライビールを発売して挑んだドライ戦争にも完全勝利を収め 国内ビール市場シェア首位に踊り出た 当時の社長である瀬戸雄三氏は 価格よりも味で勝負したいので発泡酒は一切売らない と宣言した ~ 停滞期 ~ スーパードライは好調であったが デフレの流れで他社の発泡酒シェアが伸びる中 看板商品のスーパードライの売上が停滞してきたことにより 止む無くアサヒも 2001 年から 本生 で発泡酒市場に参入することになる その後は発泡酒の増税もあり 2005 年から第 3 のビールの市場にも参入した ~ 現在 ~ 2001 年にニッカウヰスキーを完全子会社化にし 2002 年には協和発酵工業と合弁で アサヒ協和酒類製造株式会社 を新たに設立した さらに 2005 年にはダイエット食品やアグリ関連事業への新規参入など酒類以外の事業も強化し クループ全体の事業拡大に取り組んでいる 近年アサヒビールは主力商品への整理 集中投資を実施しており 過去 10 年間で新商品は 15 個発売しているが ビールはそのうちに 5 個しか開発していないため スーパードライに絞った事業をしていることがわかる キリンホールディングスは過去 10 年で 20 個以上の商品を販売しており そのうち 9 個がビールである そこに主力ブランドのラガーシリーズ 一番絞りシリーズが加わり 種類が豊富ということで同じメーカーでも消費者の選択の幅が広がることになり 販売数量が上昇している 以上企業概要を述べて両社の違いがわかったところで 次に取り上げる経営戦略分析では両社の違いをさらに細かく見ていく 21

22 4 経営戦略分析 4-1 財務分析 ( 中井茜 ) ここでは キリンホールディングスとアサヒビールがどのような戦略をとっているのかを明らかにするために経営戦略分析を行う まず財務分析では 両社の財務諸表を元に数字から分析していく 分析するにあたって 次に取り上げる 4 つの観点から分析していく はじめに過去 5 年間での企業の成長力を見る成長性分析 企業が資本を有効活用し 収益をどれだけ出せているかを見る収益性分析 企業の財務上の長期 短期の支払能力を見る安全性分析 そして最後に 現金収支がどのように行われているかを見るキャッシュフロー分析という形で見ていく 成長性分析まず 成長性分析を行う 成長性分析では 各企業の過去 5 年間の売上高 総資本 営業利益 経常利益がどのような成長傾向にあるのかを各項目別の推移を見た後で 各企業の過去 5 年間の売上高 総資本 営業利益 経常利益の推移をまとめたグラフを見ていく たとえ売上高や利益が増加していても その年によって伸び方が違う そこで 前年度からどのくらい伸びているのかを見るために伸び率も用いる はじめに各企業の売上高の推移を見ていく 図表 4-1 ( 百万円 ) 2,000,000 各社売上高の推移 1,500,000 1,000, ,000 0 キリンホールディングス 1,583,248 1,597,509 1,654,886 1,632,249 1,665,946 アサヒビール 1,357,267 1,400,301 1,444,225 1,430,026 1,446,385 図表 4-1 は キリンホールディングス アサヒビールの過去 5 年間の売上高の推移を示したものである キリンホールディングスはアサヒビールよりも売上高が高く 2005 年を除いて年々上昇 22

23 傾向にある またアサヒビールもキリンホールディングスと同様に 2005 年を除いて年々上昇傾向にある 両社とも 2005 年に キリンのどごし< 生 > や アサヒ新生 3 などの第 3 のビールの発売を開始した この低価格である第 3 のビールを積極的に売り出すことにより 酒類事業では販売数量は増加したものの売上高は減少した さらに売上高の変動原因を分析するために各社のセグメント別売上高を見る まずキリンホールディングから見ていく 図表 4-2 ( 百万円 ) 1,800,000 1,600,000 1,400,000 1,200,000 1,000, , , , ,000 0 キリンホールディングスセグメント別売上高 その他 170, , , , ,653 医薬 57,540 67,702 67,605 67,245 飲料 342, , , , ,729 酒類 1,069,521 1,045,422 1,053,291 1,019,347 1,063,318 図表 4-2 は キリンホールディングスの過去 5 年間のセグメント別売上高の推移をまとめたものである 2003 年より医薬事業の売上高が計上されている この 2003 年には三共株式会社や中外製薬株式会社との共同開発により 多くの医薬品が販売された また キリンホールディングスの有するヒト抗体産生マウス技術に関しては 武田薬品工業株式会社とライセンス契約を結んだ これにより 2002 年までその他の事業に含まれていた医薬事業の規模が拡大され 2003 年以降重要性が増した医薬事業はその他の事業とは区別されるようになったのである 2004 年には売上高が約 100 億円増加している しかし それ以降はほぼ横ばい状態である 飲料事業は年々成長傾向であるのが分かる 飲料事業を行っているのは キリンビバレッジ株式会社である キリンビバレッジの歴史は 1963 年に始まり 現在では キリン生茶 キリン午後の紅茶 キリンファイア などが主力ブランドである これらを軸足とし 飲料事業は年々拡大展開をしているのに加え 海外飲料事業や 小岩井 ブランドを中心とした食品事業など 事業領域の拡大を図っている 23

24 酒類事業は上下変動が激しいのが分かる 2003 年 2005 年には減少 2004 年 2006 年には増加している そこで酒類事業の売上高の内訳を見てみる ここで取り上げる売上高は国内酒類事業のみの売上高とするため 麒麟麦酒株式会社の個別売上高の内訳を見る 図表 4-3 ビール以外 ( 億円 ) 3,500 3,000 2,500 2,000 1,500 1, 麒麟麦酒株式会社 ビール ( 億円 ) 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 発泡酒 3,260 3,055 3,087 2,456 2,554 第 3のビール 859 1,243 チューハイ 焼酎 洋酒 ワイン その他の酒類 ビール 5,500 5,058 4,898 4,339 4,088 0 図表 4-3 は 麒麟麦酒株式会社における個別売上高の内訳を示したものである 右軸はビールの売上高 左軸はビール以外の売上高を示している 図表 4-2 で見たようにキリンホールディングスの酒類事業の売上高は 2003 年 2005 年には減少 2004 年 2006 年には増加している 2003 年の減少は全ての酒類における売上高の減少が起因している 一方 2005 年では 図表 4-1 で述べたように第 3 のビールの販売開始により 高価格のビール 発泡酒の売上高が大幅に減少している 2004 年の増加は発泡酒 チユーハイにおける売上高の増加が原因の 1 つである 発泡酒は消費者の健康志向に応え 淡麗ブランド を強化し チューハイは キリンチューハイ氷結 のシリーズをリニューアルしたことにより売上高が増加した 一方 ビールや焼酎 洋酒 ワインは減少している しかし キリンホールディングスは海外展開が進展しており 国際酒類事業が好調であったためキリンホールディングスの酒類事業の売上高は増加したのである 2006 年におけるビール その他の酒類は減少しているもの 発泡酒 第 3 のビール チューハイ 焼酎 洋酒 ワインの売上高が伸びている そのためキリンホールディングスにおける酒類事業が伸びたのだと考えられる キリンホールディングスはビールの売上高が減少する一方で 医薬事業や飲料事業での 24

25 売上高を伸ばしている また酒類事業でもビールだけに注力せず 幅広い酒類の販売により売上高の減少を防いでいることが分かった 次にアサヒビールを見る 図表 4-4 ( 百万円 ) アサヒビールセグメント別売上高 1,600,000 1,400,000 1,200,000 1,000, , , , ,000 0 その他 130, , , , ,914 食品 薬品 14,232 21,546 22,162 25,286 53,791 飲料 173, , , , ,121 酒類 1,057,028 1,067,136 1,078,931 1,025,446 1,007,557 図表 4-4 は アサヒビールの過去 5 年間のセグメント別売上高の推移をまとめたものである アサヒビールの売上高はほぼ酒類事業が占めている そのため酒類事業の売上高が企業の連結売上高に反映されやすい 2002 年から 2005 年までは酒類事業の売上高がアサヒビールの売上高に直接反映されている 2006 年のみ酒類事業の売上高は減少しているものの アサヒビールの連結売上高は増加している これは 飲料事業 食品 薬品事業における売上高の増加が起因している 2006 年飲料事業では基幹ブランドである ワンダ 三ツ矢 アサヒ十六茶 の強化 拡大を図るとともに消費者の健康志向に応えて新商品として特定保健用食品の販売を開始した また国際飲料事業では中国 韓国を中心に事業を拡大したことが売上高の増加に起因している 食品 薬品事業ではダイエット健康食品の販売を開始した また 株式公開買付したベビーフード大手の 和光堂株式会社 と 健康食品事業の 株式会社サンウエル の 2 社を 2006 年より連結子会社にしたことにより売上高が上乗せになっている それではアサヒビールの売上高の大半を占める酒類事業の売上高の内訳を見る 25

26 図表 4-5 ビール以外 ( 億円 ) 2,000 1,750 1,500 1,250 1, アサヒビール 発泡酒 1,914 1,956 2,006 1,474 1,086 第 3 のビール 焼酎 低アルコール飲料 洋酒 ウイスキー ブランデー ワイン その他の酒類 ビール 8,415 7,844 7,868 7,262 7,181 ビール ( 億円 ) 8,600 8,400 8,200 8,000 7,800 7,600 7,400 7,200 7,000 6,800 6,600 6,400 図表 4-5 は アサヒビールの酒類事業における売上高の内訳を示したものである 右軸はビールの売上高 左軸はビール以外の売上高を示している 図表 4-3 の麒麟麦酒の売上高の内訳と比べてみると アサヒビールはビールの売上高が非常に高い これはアサヒビールが単品経営という戦略をとっているためである アサヒビールは様々な商品はあるが アサヒスーパードライ への依存度が高く ブランド力を強化している そのためビールの販売数量は多いものの 年々右肩下がりである 2004 年までは発泡酒の売上高が増加していたため アサヒビール全体の酒類事業の売上高にビールの売上高があまり影響していないが 2005 年以降は発泡酒 ビールともに減少しているため アサヒビールの酒類事業における売上高は減少している アサヒビールは酒類事業に力を入れている その中でも特に アサヒスーパードライ に依存する単品経営により ビールの売上高が企業の売上高に大きく影響するのが分かった 次に各企業の総資本の推移を見る 26

27 図表 4-6 ( 百万円 ) 2,500,000 各社総資本の推移 2,000,000 1,500,000 1,000, ,000 0 キリンホールディングス 1,744,131 1,787,867 1,823,790 1,937,866 1,963,586 アサヒビール 1,294,738 1,244,409 1,250,818 1,218,226 1,288,501 図表 4-6 は キリンホールディングス アサヒビールの過去 5 年間の総資本の推移を示したものである キリンホールディングスは年々増加している これは海外展開が進展しているからである 特に アジア オセアニアを中心に事業拡大を狙っている 2004 年にはタイにビール工場を設立し 2005 年にはインドネシア タイ ベトナムで清涼飲料工場を新設している これに伴い新規持分法適応会社が 9 社増加した そのため投資有価証券が増加している 一方アサヒビールは 2002 年と 2006 年を比べると成長していないのが分かる 2006 年には約 100 億円増加したものの 2002 年と比べると少ない 2006 年の増加は 図表 4-4 のアサヒビールのセグメント別売上高の推移で述べたのと同様に ベビーフード大手の 和光堂株式会社 と 健康食品事業の 株式会社サンウエル の 2 社を 2006 年より連結子会社としたため 総資本も上乗せになったことが起因している ここまで売上高 総資本の推移を見てきた キリンホールディングスは多事業の展開や海外進出を積極的に行っていたため 売上高 総資本ともに成長していた 一方 アサヒビールは アサヒスーパードライ に依存する単品経営によりビールの売上高が大きく影響している また海外進出などもキリンホールディングスに比べ進んでいないため 総資本の成長も停滞気味である 次に 各企業の営業活動の成果である営業利益の推移を見る 27

28 図表 4-7 ( 百万円 ) 150,000 各社営業利益の推移 100,000 50,000 0 キリンホールディングス 89, , , , ,358 アサヒビール 69,340 78, ,272 90,248 88,713 図表 4-7 は キリンホールディングス アサヒビールの過去 5 年間の営業利益の推移を示したものである キリンホールディングスは年々増加している 一方アサヒビールは 2004 年までは増加傾向であったが 2004 年以降は減少傾向である 変動要因を見るために各社のセグメント別営業利益を見る 図表 4-8 ( 百万円 ) 140,000 キリンホールディングスセグメント別営業利益 120, ,000 80,000 60,000 40,000 20,000 0 その他 14,923 6,322 7,866 4,419 3,563 医薬 11,702 12,142 14,248 12,044 飲料 18,946 18,457 22,751 19,370 19,714 酒類 59,120 68,069 69,721 75,666 83,275 図表 4-8 はキリンホールディングスの過去 5 年間のセグメント別営業利益の推移を示したものである 28

29 年々右肩上がりに成長しているのが分かる 特に 医薬事業は他の事業に比べ 利益率が高いため多くの利益を生み出しているのがわかる 医薬事業は研究開発などの費用は多くかかるが 原価がとても安いため利益率が高くなるのである 酒類事業は売上高の推移とは異なり 全ての年度において成長している 2003 年 2005 年は売上高が減少したが営業利益は増加している 2003 年には販売費および一般管理費の中の販売奨励金が減少している 発泡酒の増税 冷夏の影響でビールや発泡酒の売上個数減少に伴い販売奨励金も減少した 販売奨励金とはメーカーが酒販卸や小売店に対し その販売数量に応じて支払う奨励金のことである 店頭で多く売れれば売れるほど奨励金は多くかかる 店頭ではメーカーの希望小売価格に比べ低価格で販売をすることで 販売数を増やし販売奨励金を多く受け取っていた そのため低価格販売が過度に進んだため 2005 年 1 月にこの制度が廃止になった 2005 年には 第 3 のビールの登場により売上高は減少しているものの 第 3 のビールは他の酒類に比べて売上原価が安いため営業利益は増加している 次にアサヒビールを見る 図表 4-9 ( 百万円 ) アサヒビールセグメント別営業利益 100,000 85,000 70,000 55,000 40,000 25,000 10,000-5,000 その他 3,855 3,398 2,935 2,559 2,173 食品 薬品 飲料 -4,085 2,645 8,113 8,631 7,745 酒類 69,145 72,452 90,871 78,089 78,185 図表 4-9 はアサヒビールの過去 5 年間のセグメント別営業利益の推移を示したものである 2002 年の飲料事業 2004 年の食品 薬品事業がマイナスである 2002 年の飲料事業のマイナスは新商品開発に注力したが 既存商品の売上高が大幅に減少したことが起因している 2004 年の食品 薬品事業のマイナスは広告活動を積極的におこなったためである 酒類事業の営業利益の変動は売上高の変動とほぼ同じである 一方 2006 年食品 薬品事業 飲料事業の売上高は上昇しているものの営業利益は減少している 食品 薬品事業 29

30 は 和光堂株式会社 株式会社サンウエル が連結子会社になったため この連結調整勘定の負担によって営業費用が多くかかった 飲料事業では 中国や韓国を中心に事業拡大を図ったが海外飲料事業の不振により営業利益が減少した 酒類事業 飲料事業において 2004 年に大きく増加している 酒類事業では約 180 億円 飲料事業では約 3 倍も伸びている この原因は記録的な猛暑が続いたことによって全体の販売数量が増加したためである また 本生ブランド において新たに 3 ブランドを投入するなど積極的な新商品の発売により 企業収益が改善し個人消費も増加したからである さらに 製造原価や物流費等のコストダウンを目指した結果 営業利益が増加した 営業利益は両社とも売上高の推移と同じような推移であった セグメント別で見ても キリンホールディングスは多事業で利益をあげているのに対し アサヒビールは主に酒類事業が利益を上げていた ここまで営業活動の成果である営業利益を見てきた そこで営業活動の利益に財務活動などの本業以外の損益を加減した経常利益を見る また 経常利益は利益の王様ともいわれ企業の総合的な成果を示す利益でもある 図表 4-10 ( 百万円 ) 各社経常利益の推移 150, ,000 50,000 0 キリンホールディングス 84,443 97, , , ,865 アサヒビール 57,554 70,480 95,650 91,459 90,109 図表 4-10 は キリンホールディングス アサヒビールの過去 5 年間の経常利益の推移を示したものである 図表 4-7 の営業利益の推移と比較してみると 数値や推移の仕方ともにあまり変化がない つまり両社とも財務活動で大きな損益がないということである ここまで売上高 総資本 営業利益 経常利益の推移と変動要因について見てきた 次 30

31 に企業ごとにこれまで見てきた項目をまとめたグラフを見て 各企業の成長性について分析する はじめに キリンホールディングスの成長傾向を見ていく 図表 4-11 売上高 総資本 ( 百万円 ) 2,500,000 2,000,000 1,500,000 1,000, ,000 0 キリンホールディングス成長傾向 営業 経常利益 ( 百万円 ) 140, , ,000 80,000 60,000 40,000 20,000 0 売上高 1,583,248 1,597,509 1,654,886 1,632,249 1,665,946 総資本 1,744,131 1,787,867 1,823,790 1,937,866 1,963,586 営業利益 89, , , , ,358 経常利益 84,443 94, , , ,865 図表 4-11 は キリンホールディングスの過去 5 年間の売上高 総資本 自己資本 営業利益 経常利益の推移をまとめたものである 左軸に売上高 総資本の数値をとり 右側に営業 経常利益の数値をとっている 先ほど見たように全項目において右肩上がりになっている また 営業利益と経常利益は 2004 年より過去最高益を年々更新している 2004 年には飲料事業を行っているキリンビバレッジによる製造原価のコスト削減が進んだことによって過去最高益となった 2005 年以降は酒類事業での利益が増加している 成長傾向を見たところで これらの伸び率を見る 31

32 図表 % 20.00% 15.00% 10.00% 5.00% 0.00% -5.00% キリンホールディングス前年度比伸び率 売上高伸び率 1.37% 0.90% 3.59% -1.37% 2.06% 総資本伸び率 4.96% 2.51% 2.01% 6.25% 1.33% 営業利益伸び率 19.58% 13.10% 7.72% 2.12% 4.16% 経常利益伸び率 21.78% 12.12% 12.55% 7.81% 5.21% 図表 4-12 は キリンホールディングスの過去 5 年間の売上高 総資本 営業利益 経常利益の前年度比伸び率の推移をまとめたものである 図表 4-11 で見た成長傾向では右肩上がりであり 年々良好であるように見えたが 伸び率で見ると 前年度に比べて伸びが小さいところがある 売上高 総資本は緩やかな成長傾向であるため伸び率は小さくなる 一方 営業利益 経常利益は 2002 年から 2004 年の間は毎年急成長しているので伸び率も大きい しかし 2004 年に過去最高益を更新した影響により 2005 年以降の伸び率は増加しているものの伸びは小さくなっている ここまでキリンホールディングスの成長性を 図表 4-11 と 図表 4-12 を用いて見てきた 売上高 総資本の伸び率が緩やかである中 利益が大幅に増加している また 2005 年は売上高が減少しても利益は増加しているので キリンホールディングスは 売上高よりも利益を重視している企業であるといえる 続いてアサヒビールの成長傾向を見ていく 32

33 図表 4-13 売上高 総資本 自己資本 ( 百万円 ) 2,000,000 1,500,000 1,000, ,000 アサヒビール成長傾向 営業 経常利益 ( 百万円 ) 120, ,000 80,000 60,000 40,000 20,000 0 売上高 1,375,267 1,400,301 1,444,225 1,430,026 1,446,385 総資本 1,294,738 1,244,409 1,250,818 1,218,226 1,288,501 営業利益 69,340 78, ,272 90,248 88,713 経常利益 57,554 70,480 95,650 91,459 90,109 図表 4-13 は アサヒビールの過去 5 年間の売上高 総資本 営業利益 経常利益の推移をまとめたものである 左軸に売上高 総資本の数値をとり 右側に営業 経常利益の数値をとっている 売上高と総資本は減少した年もあるが 年々成長傾向にある しかし 営業利益と経常利益を見ると 2004 年までは成長傾向であるが 2005 年以降は減少傾向にある 成長傾向を見たところで これらの伸び率を見る 0 図表 4-14 アサヒビール前年度比伸び率 40.00% 30.00% 20.00% 10.00% 0.00% % % 売上高伸び率 -4.05% 1.82% 3.14% -0.98% 1.14% 総資本伸び率 -3.46% -3.89% 0.52% -2.61% 5.77% 営業利益伸び率 % 13.91% 28.22% % -1.70% 経常利益伸び率 -5.11% 22.46% 35.71% -4.38% -1.48% 33

34 図表 4-14 は アサヒビールの過去 5 年間の売上高 総資本 自己資本 営業利益 経常利益の前年度比伸び率の推移をまとめたものである 全指標において成長傾向とほぼ同じ形で表されているのが分かる 特に 営業利益と経常利益は 2004 年が最も伸びが大きく 2005 年以降はマイナスになっている ここまでアサヒビールの成長性を 図表 4-13 と 図表 4-14 を用いて見てきた 売上高が減少すると利益も減少している この背景には アサヒビールが酒類事業を中心に行っているため ビール市場が伸び悩んでいることによって 営業利益が減少していることにある 以上 キリンホールディングスとアサヒビールの成長性分析を行ってきた キリンホールディングスは全項目において右肩上がりであり 特に営業利益と経常利益の伸びが良い 一方 アサヒビールは 2004 年以降 営業利益と経常利益が減少している 以上の結果を踏まえて成長性では キリンホールディングスのほうが優れていると判断することができる 次に利益に重点を置き 資本や売上高にどれだけ結びついているのかを見るために収益性分析を行う 収益性分析 ( 中井茜 ) 収益性とは 利益稼得効率を意味し 資本を有効に活用してどれだけの利益を生み出せたかを見るものである ここでは各企業の収益力の増減要因を明らかにし 経営戦略の特徴について利幅と効率の 2 つの側面から指標を分解し分析を進める まず 企業全体の経営効率を見るために総資本経常利益率を用いる 経常利益を総資本で除して算出され 企業が調達した資本がどれだけ財務活動を含めた利益つまり経常利益に結びついているかを見る比率である 次に 総資本経常利益率を 2 つに比率に分解し 利幅と効率に分けて見ていく 利幅を表すのが売上高経常利益率であり 効率を表すのが総資本回転率である まず キリンホールディングスの指標を見る 34

35 図表 % 6.00% 4.00% 2.00% 0.00% キリンホールディングス 総資本経常利益率 4.84% 5.30% 5.84% 5.92% 6.16% 売上高経常利益率 5.33% 5.93% 6.44% 7.03% 7.26% 総資本回転率 ( 回 ) 0.92 図表 4-15 はキリンホールディングスの過去 5 年間の 総資本経常利益率 売上高経常利益率 総資本回転率の推移をまとめたものである 左軸に総資本経常利益率 売上高経常利益率の数値をとり 右軸に総資本回転率の数値をとる 総資本経常利益率 売上高経常利益率はほぼ同じ推移で右肩上がりある 一方 総資本回転率は大きく変動し 過去 5 年間で見れば減少している 2005 年の減少は投資有価証券の増加により総資本が増加したことが起因している キリンホールディングスは利幅を上げ利益率を改善しているが 総資本回転率が低いことから多くある資本をうまく活用できていないことが分かる 企業の総合評価を示す総資本経常利益率には利幅を示す売上高経常利益率が大きく影響していた 次にアサヒビールを見る 図 % 8.00% 6.00% 4.00% 2.00% アサヒビール ( 回 ) % 総資本経常利益率 4.45% 5.66% 7.65% 7.51% 6.99% 売上高経常利益率 4.18% 5.03% 6.60% 6.40% 6.20% 総資本回転率

36 図表 4-16 はアサヒビールの過去 5 年間の 総資本経常利益率 売上高経常利益率 総資本回転率の推移をまとめたものである 左軸に総資本経常利益率 売上高経常利益率の数値をとり 右軸に総資本回転率の数値をとる キリンホールディングスと同様に 総資本経常利益率 売上高経常利益率はほぼ同じ推移である 総資本回転率は年々改善傾向であったが 2006 年に減少した これは成長性でも述べたように 和光堂株式会社 の株式公開買い付けによる総資本の増加が起因している アサヒビールは 企業の総合業績を示す総資本経常利益率に売上高経常利益率が大きく影響している しかし売上高経常利益率の伸びより総資本経常利益率の伸びのほうが大きい これは総資本回転率の伸びも影響しているからである 図表 4-15 図表 4-16 よりキリンホールディングスの収益力は利幅を示す売上高経常利益率が影響していたのに対して アサヒビールは利幅を示す売上高経常利益率 効率を示す総資本回転率の両方が影響していた それでは両社を比較するために 総資本経常利益率 売上高経常利益率 総資本回転率の順に各比率を見ていく まず 企業の総合業績を示す総資本経常利益率から見ていく 図表 % 8.00% 6.00% 4.00% 2.00% 0.00% 総資本経常利益率 業界平均 3.86% 4.64% 6.00% 5.76% キリンホールディングス 4.84% 5.30% 5.84% 5.92% 6.16% アサヒビール 4.45% 5.66% 7.65% 7.51% 6.99% 図表 4-17 は 過去 5 年間の総資本経常利益率の推移をまとめたものである 総資本経常利益率は比率が高いほど良好であり 資金をうまく活用でき かつ総合業績が良い企業であることを示す キリンホールディングスは 2004 年以降は緩やかではあるが上昇傾向にあり 5 年間で見ても年々右肩上がりで成長している キリンホールディングスの比率で 2004 年以降の伸びが緩やかであるのは 経常利益の増加に伴い総資本も増加したためである ちなみに 36

37 キリンホールディングスは 2002 年から 2006 年にかけての 5 年間で経常利益が約 40 百万円増加したのに対し 総資本が約 200 百万円も増加している 総資本が年々増加している主な原因は 成長性で触れたように 海外展開が進展し 新たに工場を新設し 投資有価証券も増加しているためである 一方 アサヒビールは 2002 年から 2004 年にかけて急上昇しているが 2004 年以降は減少している 2004 年の比率が最も高い理由は 成長性で触れたように猛暑の影響による販売数量が増加し 売上高が増加したのに加え製造原価や物流費等のコストダウンにより 経常利益が大幅に増加したからである 以上のことを踏まえ キリンホールディングスは海外展開や M&A を積極的に展開しているため総資本は多いが その資本をうまく活用できていないことが分かる アサヒビールはキリンホールディングスよりも資金は少ないが その少ない資金をうまく活用し利益をあげることができている 次に 総資本経常利益率を分解し 各社の戦略や強み 問題点について分析していく まず 利幅を表わす売上高経常利益率を見ていく 図表 % 7.00% 6.00% 5.00% 4.00% 3.00% 2.00% 1.00% 0.00% 売上高経常利益率 業界平均 4.16% 4.94% 6.13% 6.06% キリンホールディングス 5.33% 5.93% 6.44% 7.03% 7.26% アサヒビール 4.18% 5.03% 6.60% 6.40% 6.20% 図表 4-18 は 過去 5 年間の売上高経常利益率の推移をまとめたものである 売上高経常利益率は 経常利益を売上高で除して算出される よって 売上に対して企業の営業活動および財務活動の成果を反映した経常利益がどれだけ生み出されているかを見る比率である この比率が高いほど良好であり 利幅が高い企業であると判断される キリンホールディングスは ここ 5 年間で右肩上がりに伸びている 一方 アサヒビールは 2004 年には猛暑の影響で販売数量が増加したことによってキリンホールディングスを追い越したものの 2004 年以降は減少している しかし 業界平均 37

38 は上回っているので決して衰えているわけではない 両社を比較してみると キリンホールディングスは比率も高く年々利益も増加させているので 財務活動を含めた事業全体の利益を生み出すのがうまく 利幅が高い企業であると言える アサヒビールは キリンホールディングスには劣るが業界平均は上回っているため 財務活動を含めた事業全体の利益を生み出せている 利幅を表す売上高経常利益率を見たところで 次に効率を表す総資本回転率を見ていく 図表 4-19 ( 回 ) 1.4 総資本回転率 業界平均 キリンホールディングス アサヒビール 図表 4-19 は 過去 5 年間の総資本回転率の推移をまとめたものである 総資本回転率は 企業が調達した資本がどれだけ売上高に結びついているかを示すものであり 資本の運用が効率よく行われているかをみる比率である 少ない資本で多くの利益をあげることができれば効率がよいと判断される アサヒビールはキリンホールディングスと業界平均を大幅に上回っている 総資本回転率が高いアサヒビールは 調達してきた資本を効率よく活用して売上高を伸ばしているのである キリンホールディングスは 酒類事業以外にも飲料や医薬などの事業を展開している 一方 アサヒビールは酒類事業を中心に行っている このように一点に集中することによって利益率は低いが 少ない資本で売上高を伸ばすことができるのである 売上高経常利益率と総資本回転率の推移をひとつのグラフにまとめた SPM では 両社がどのような戦略をとっているのかを見ていく 38

39 図表 売上高経常利益率 (%) キリンホールディングス アサヒビール 線形 ( 業界傾向線 ) SPM 総資本回転率 ( 回 ) 図表 4-20 の SPM では 縦軸に売上高経常利益率をとり 横軸に総資本回転率をとることで各企業の点は総資本回転率と売上高経常利益率の積を示す 図中の点線は 業界傾向線であり 各企業の業界平均を回帰分析によって導き出されたものである この線を境に グラフの左上に傾向線が行くほど利幅が高いので高付加価値型戦略をとり 利幅を重視した企業であると判断し 右下に傾向線が行くほど回転率が高いので高効率型戦略をとり 効率を重視した企業であると判断できる さらに 図中の右上に位置すれば 利幅 効率ともに良くバランスの取れた戦略をとり 総合的な業績が良好であると判断される キリンホールディングスは左上に位置している 年々 売上高経常利益率を上げているものの 総資本回転率の改善はできていない つまり利幅に重点をおいた高付加価値型の戦略をとっている 一方 アサヒビールは右下に位置し効率を重視した高効率型の戦略をとっている しかし 売上高経常利益率に関しても年々増加しているので業界傾向線に接近している また 売上高経常利益率 総資本回転率共に業界平均を上回っており アサヒビールは効率を重視した戦略をとりながら利幅も追求し バランスのとれた企業であるといえる 以上を踏まえた結果 キリンホールディングスは利幅重視であり アサヒビールは効率を重視し 利幅も追及しているので総合的な業績の面ではアサヒビールの方が良好である SPM では全体の収益力を見てきた 次に 各社の収益力の強みや問題点について分析していく まず 利幅を示す売上高経常利益率をさらに分解し その変動要因について分析する 売上高営業利益率 売上高総利益率 売上高販管費率の順で見ていく はじめに売上高営業利益率を見る 39

40 図表 % 7.00% 6.00% 5.00% 4.00% 3.00% 2.00% 1.00% 0.00% 売上高営業利益率 業界平均 4.90% 5.58% 6.52% 6.04% キリンホールディングス 5.67% 6.36% 6.61% 6.84% 6.98% アサヒビール 5.04% 5.64% 7.01% 6.31% 6.13% 図表 4-21 は 過去 5 年間の売上高営業利益率の推移をまとめたものである 売上高営業利益率は 売上高と営業利益との比率で 営業利益を売上高で除して算出される 営業利益は 売上総利益から販売及び一般管理費を控除して算出されるものである よって 営業利益は企業の本来の営業活動から生じたものである したがって 売上高営業利益率が高い企業は 営業力と営業収益力が良いと判断することができる アサヒビールや業界平均が 2004 年に増加した反動により 2005 年以降減少しているのに対し キリンホールディングスは年々 0.3%~0.6% ほど比率を伸ばしている キリンホールディングスは 確実に利益を増加させ 右肩上がりに伸びている アサヒビールは 2004 年の反動による減少はあるが 5 年間で約 1% 増加させ キリンホールディングスと同様緩やかに利益率を伸ばしている しかし 図表 4-18 で見た売上高経常利益率とあまり変化がない そこで売上高経常利益率と売上高営業利益率の関係をまとめた表を見る 図表 4-22 (%) キリンホールディングス アサヒビール 1 経常利益率 2 営業利益率 経常利益率 2 営業利益率 年 年 年 年 年

41 図表 4-22 は両社の売上高経常利益率と売上高営業利益率 その差をそれぞれ示したものである この差がプラスであれば 金融収支がプラスであり 財テクを含めた財務運用が良好だといえる この差がマイナスであれば金融収支が赤字であったことを示している 両社とも 2004 年まではマイナスであり 金融収支が赤字であったことが分かる 2005 年以降は財務運用を改善しプラスとなっている 両社を比較するとキリンホールディングスの財務運用の方が良好だといえる これまで 売上高経常利益率の変動要因を見るために売上高営業利益率を見てきたが 両社とも変動はなかった そのため 金融収支を比較してきたが キリンホールディングスの財務運用の方が良好だと判断できた さらに各社の売上高営業利益率の特徴をつかむためにセグメント別の売上高営業利益率を見る まずキリンホールディングスのセグメント別売上高営業利益率を見る 図表 % 20.00% 15.00% 10.00% 5.00% 0.00% キリンホールディングス 酒類 5.53% 6.51% 6.62% 7.42% 7.83% 飲料 5.52% 5.13% 6.11% 5.09% 5.02% 医薬 20.34% 17.93% 21.08% 17.91% その他 8.74% 4.69% 4.72% 2.68% 2.50% 図表 4-23 はキリンホールディングスのセグメント別売上高営業利益率の過去 5 年間の推移をまとめたものである 医薬事業の利益率が高いのが分かる 成長性でも述べたように 医薬品は原価が安いため利益率が高い キリンホールディングスは酒類事業だけに注力するのではなく 利益率の高い医薬事業にも注力することにより利益率を上げているといえる 次にアサヒビールを見る 41

42 図表 % 8.00% 6.00% 4.00% 2.00% 0.00% -2.00% -4.00% アサヒビール 酒類 6.54% 6.79% 8.42% 7.62% 7.76% 飲料 -2.35% 1.42% 3.73% 3.23% 2.74% 食品 薬品 0.05% 0.78% -2.70% 3.18% 0.83% その他 2.96% 2.70% 2.33% 2.28% 2.13% 図表 4-24 はアサヒビールのセグメント別売上高営業利益率の過去 5 年間の推移をまとめたものである アサヒビールは酒類事業の利益率が最も高い しかし キリンホールディングスに比べ どの利益率も低いのが分かる 図表 4-23 と 図表 4-24 を比較すると キリンホールディングスの利益率には医薬事業という強みがあるといえる アサヒビールは利益率においても酒類事業に依存しているといえる さらに売上高営業利益率の変動要因を詳しく見るために 売上高営業利益率を売上高総利益率と売上高販管費率に分解していく まず 売上高総利益率から見ていく 42

43 図表 % 40.00% 35.00% 30.00% 25.00% 20.00% 15.00% 10.00% 5.00% 0.00% 売上高総利益率 業界平均 33.18% 34.30% 35.28% 36.32% キリンホールディングス 36.87% 38.22% 39.09% 40.33% 40.70% アサヒビール 30.43% 31.50% 32.24% 33.29% 34.31% 図表 4-25 は 過去 5 年間の売上高総利益率の推移をまとめたものである 売上高総利益率は 売上高と売上総利益との比率で 売上総利益を売上高で除して算出される 売上総利益は 売上高から売上原価を控除して算出されたもので 売上によって最初にもたらされる利益である 売上高総利益率が高いということは 売上原価が低く抑えられていることがわかる 両社 業界平均ともに右肩上がりで増加している 特に キリンホールディングスは比率が高く 業界平均を上回っている キリンホールディングスは企業概要や成長性で述べたように 営業利益に占める割合で飲料や医薬事業の割合がアサヒビールに比べて高い 特に医薬品は製造 売上原価がビールに比べて低く かつ利益率も高い商品である この結果 キリンホールディングスは売上原価の低い医薬も幅広く販売しているので売上高総利益率が高くなるのである このように売上原価を抑えることによって 図表 4-21 で示した売上高営業利益率を伸ばすことができている 一方 アサヒビールは 業界平均を下回っているものの 年々右肩上がりで上昇している 2004 年には製造費や物流費におけるコストダウンが寄与し 以後 継続的に行っている よって アサヒビールの売上高総利益率も良好である 図表 4-25 で示した売上高総利益率では 各社の事業展開の特徴が大きく影響し キリンホールディングスがアサヒビールを上回っていた 続いて 売上高販管費率を見ていく 43

44 図表 % 35.00% 30.00% 25.00% 20.00% 15.00% 10.00% 5.00% 0.00% 売上高販管費率 業界平均 28.28% 28.72% 28.76% 30.28% キリンホールディングス 31.15% 31.86% 32.48% 33.49% 33.72% アサヒビール 25.38% 25.86% 25.23% 26.98% 28.18% 図表 4-26 は 過去 5 年間の売上高販管費率の推移をまとめたものである 売上高販管費率は 売上高と販管費との比率で 販管費を売上高で除して算出される 売上高販管費率は 売上高に対してどれほど販管費が掛かっているかを見ることができ また比率が低ければ販管費を抑えられていることになる キリンホールディングスは業界平均を上回り 年々右肩上がりで増加している 図表 4-25 で示した売上高総利益率では売上原価が抑えられていることによって利益率が高かったが 販菅費では逆に費用がかかっている 一方 アサヒビールはほぼ横ばいであり 販管費が抑えられている これまで 売上高営業利益率の変動要因を見るために売上高総利益率と売上高販管費を見た 図表 4-21 の売上高営業利益率の両社の差はわずかであった 一方 図表 4-25 の売上高総利益率では大幅にキリンホールディングスが上回っていた つまり 図表 4-26 の売上高販管理費率が影響し キリンホールディングは売上高営業利益率を下げているといえる では この販管費を構成している諸項目について見て どの項目で費用がかかっているのか両社の違いを比較していく 44

45 図表 % 10.00% 8.00% 6.00% 4.00% 2.00% 0.00% 図表 4-28 キリンホールディングス ( 対売上高 ) 広告費 3.58% 3.54% 3.82% 3.93% 4.00% 運搬費 2.84% 2.78% 3.03% 3.09% 3.18% 給与 5.58% 5.58% 5.40% 5.66% 5.68% 減価償却費 1.52% 1.58% 1.50% 1.47% 1.49% 販売促進費 8.61% 9.03% 9.60% 10.35% 10.59% 12.00% 10.00% 8.00% 6.00% 4.00% 2.00% 0.00% アサヒビール ( 対売上高 ) 広告費 3.71% 3.21% 3.19% 3.33% 3.37% 運搬費 2.67% 2.66% 2.40% 2.63% 2.83% 給与 3.24% 3.50% 3.66% 3.88% 4.03% 減価償却費 0.45% 0.43% 0.45% 0.49% 0.53% 販売促進費 8.00% 8.91% 8.92% 9.86% 10.43% 図表 4-27 は キリンホールディングスの 図表 4-28 はアサヒビールの売上高に対する広告費 運搬費 給与 減価償却費 販売促進費の比率の過去 5 年間の推移をまとめたものである 両社とも販売促進費の割合が最も高い 販売促進費の中でも 2005 年までは小売などの販売店に支払う奨励金が主に占めていた 両社とも小売などの販売店を介して消費者に販売をしているため比率が高くなっている キリンホールディングスは広告費 給与 減価償却費の割合がアサヒビールに比べると 45

46 高い まず キリンホールディングスは多事業に注力しているため 多くの広告費がかかっていると考えられる また キリンホールディングスが注力している事業の中の医薬事業では MR という医薬情報担当者を雇っており また研究開発から行っているため 多く給与がかかる そして減価償却費の差は関連会社の数の違いである キリンホールディングスはアサヒビールよりも多くの関連会社を持ち これらにかかる営業権やのれんが多いため 減価償却費が多くかかっている このように キリンホールディングスは多事業の展開や M&A などの影響で販管費が多くかかっていた 図表 4-21 で示した売上高営業利益率では両社とも増加傾向ではあったが 図表 4-18 で示した売上高経常利益率との差はあまりなかった しかし 売上高総利益率と売上高販管費率で分けて見ると 費用の構成に違いがあった キリンホールディングスは 売上原価を抑えることによって売上高総利益率が高く 営業利益も増加している 一方 アサヒビールは販管費を抑えることによって 営業利益を増加している ここまで利幅を示す利益率を分析してきた 次に 効率を示す総資本回転率に注目する 総資本回転率を分解し どの資産に問題があるのかを分析するため流動資産回転率 固定資産回転率の順で見ていく まず 総資産回転率を分解し 企業ごとに見ていく 図表 4-29 ( 回 ) キリンホールディングス 総資本回転率 流動資産回転率 固定資産回転率 図表 4-29 はキリンホールディングスの過去 5 年間の総資本回転率 流動資産回転率 固定資産回転率の推移をまとめたものである 総資本回転率は 2003 年 2005 年に下降し 2004 年 2006 年は回復している 流動資産回転率を見ると 総資本回転率の推移とは異なり 2002 年から 2004 年までは下降傾向にあり それ以降は回復している また固定資産回転率も総資本回転率の推移とは異なって 46

47 いる 流動資産回転率とは対照的に 2002 年から 2004 年までは回復傾向 それ以降は下降傾向にある キリンホールディングスの回転率を見ると それぞれ異なる推移を示していた そのため総資本回転率には流動資産回転率 固定資産回転率の両方が影響していた 特に変動幅の大きい回転率の影響を受けているのが分かる 続いて アサヒビールを見る 図表 4-30 ( 回 ) 4 アサヒビール 総資本回転率 流動資産回転率 固定資産回転率 図表 4-30 はアサヒビールの過去 5 年間の総資本回転率 流動資産回転率 固定資産回転率の推移をまとめたものである 総資本回転率は 2002 年から 2005 年までは回復傾向にあり 2006 年に下降している 流動資産回転率 固定資産回転率を見ると 流動資産回転率は 2004 年の下降以外 固定資産回転率は 2005 年の下降以外は総資本回転率と同じ推移であるアサヒビールの回転率を見ると どの回転率も推移は似ていた キリンホールディングスと同様に総資本回転率には流動資産回転率 固定資産回転率の両方が影響していた 図表 4-29 図表 4-30 で見たように 両社とも総資本回転率には流動資産回転率 固定資産回転率の両方が影響していた では 両社を比較しやすくするために比率ごとに見ていく 図表 4-19 より総資本回転率として分析してきたが 数値に変化がないため 総資本回転率を総資産回転率として分析を進めていく まず 流動資産回転率から見ていく 47

48 図表 4-31 ( 回 ) 流動資産回転率 業界平均 キリンホールディングス アサヒビール 図表 4-31 は過去 5 年間の流動資産回転率の推移をまとめたものである 流動資産回転率は 1 年以内に現金化することができる流動資産の回収状況を示す指標である 図表 4-19 の総資本回転率と同様にアサヒビールがキリンホールディングスの回転率を上回っている では この流動資産回転率の変動要因を見るために 流動資産をさらに棚卸資産 売上債権に分解し売上高との割合も企業別に見ていく まずキリンホールディングスから見ていく 図表 4-32 ( 回 ) キリンホールディングス 流動資産回転率 棚卸資産回転率 売上債権回転率

49 図表 4-32 は キリンホールディングスの過去 5 年間の流動資産回転率 棚卸資産回転率 売上債権回転率の推移をまとめたものである 図表 4-32 を見ると 棚卸資産回転率は比率が高く 大きく変動しているものの 流動資産回転率の変動は小さい 一方 売上債権回転率は流動資産回転率の数値とも近く 変動も似ている これはキリンホールディングスの流動資産のうち棚卸資産の占める額が少なく 売上債権の占める割合が現金および預金に次いで大きいためである 2006 年には棚卸資産回転率は約 3.5 回 売上債権回転率は約 0.5 回下降しているが 流動資産回転率は 0.15 回回復している これは 2005 年にキリンビバレッジ株式会社の株式取得等の投資活動により現金及び預金が 800 億円減少したためである 棚卸資産 売上債権は増加したが 現金及び預金の大幅な減少により 流動資産が減少したため 流動資産回転率は増加したと考えられる キリンホールディングスの流動資産回転率の変動は売上債権 現金および預金に影響していた 続いてアサヒビールを見ていく 図表 4-33 ( 回 ) アサヒビール 流動資産回転率 棚卸資産回転率 売上債権回転率 図表 4-33 は アサヒビールの過去 5 年間の流動資産回転率 棚卸資産回転率 売上債権回転率の推移をまとめたものである 図表 4-33 を見ると 流動資産回転率は 2003 年 2005 年に回復しているが 2004 年 2006 年には下降している 棚卸資産回転率は 2002 年から 2004 年までは回復傾向にあり それ以降は下降傾向である 売上債権回転率を見ると 2003 年を除いて流動資産回転率と同じ動きである アサヒビールは流動資産の中では 売上債権 棚卸資産 現金及び預金の 49

50 順で構成割合が高い 現金及び預金が少ないのは 長期間に渡って負債を返済しているからである そのため売上債権回転率の影響を受けやすい 2003 は売上債権回転率が下降したにも関わらず流動資産回転率は回復していることから 棚卸資産回転率も影響しているといえる アサヒビールは 流動資産に占める売上債権 棚卸資産の割合が多く 影響しやすいと考えられる これまで企業ごとに見てきたように キリンホールディングスの流動資産回転率の変動は主に売上債権 現金および預金の増減の影響を受けやすい 一方 アサヒビールは売上債権 棚卸資産の影響を受けていたことが分かった それでは 両社を比較しやすくするため棚卸資産回転率 売上債権回転率の順に比率ごとに分析を進めていく 図表 4-34 ( 回 ) 棚卸資産回転率 キリンホールディングス アサヒビール 図表 4-34 は 過去 5 年間の棚卸資産回転率の推移をまとめたものである 棚卸資産回転率は売上高を棚卸資産で除して算出される この比率が高いほど製品や商品の販売効率がよく 在庫量が少ないと判断できる 逆に この比率が低いほど 販売活動が不振で在庫管理費用が増大であることを示す 2002 年から 2006 年にかけてキリンホールディングスは約 5 回減少 アサヒビールは約 1.6 回増加している 2006 年にはアサヒビールがキリンホールディングスの比率を抜いている しかし 2004 年以降両社ともに回転数を減少させている キリンホールディングスは売上高が伸びているものの それよりも棚卸資産が増加している アサヒビールは売上高の推移と同じ推移を示し 棚卸資産は大きな変動がない このように両社とも棚卸資産が減少傾向にないのが問題である それでは 販売効率について見てきたところで 次に売上債権回転率を見ていく 50

51 図表 4-35 ( 回 ) 売上債権回転率 キリンホールディングス アサヒビール 図表 4-35 は 過去 5 年間の売上債権回転率の推移をまとめたものである 売上債権回転率は 売上高を受取手形 売掛金などの売上債権で除して算出される この比率が高いほど売上債権の回収期間が短く 効率が良いと判断される 両社とも下降傾向にある 先ほど流動資産回転率について見てきたが 棚卸資産回転率 売上債権回転率ともに両社の差が小さく 2006 年まではキリンホールディングスの回転率の方が高かった しかし 図表 4-31 の流動資産回転率ではアサヒビールの回転率の方が高い これは長期間に渡って負債を返済しているため 現金および預金が少ないことが起因している それでは 流動資産回転率を見てきたところで 長期的に所有する固定資産の効率を見るために固定資産回転率を見ていく 図表 4-36 ( 回 ) 固定資産回転率 業界平均 キリンホールディングス アサヒビール

52 図表 4-36 は過去 5 年間の固定資産回転率の推移をまとめたものである 固定資産回転率は売上高を固定資産で除して算出される この比率が高いほど固定資産を有効に活用できていることを示す アサヒビールがキリンホールディングスと業界平均を大幅に上回っている これはキリンホールディングスの経営形態が影響している 純粋持株会社という形態をとっているキリンホールディングスは 企業の合併や吸収を多く行っている そのため 固定資産の中でも営業権やのれん 投資有価証券が多い 2006 年のアサヒビールの固定資産合計が約 8,500 億円であるのに対し キリンホールディングスは約 1 兆 3,800 億円である 固定資産回転率を見ると アサヒビールは少ない資産で売上高を得ている 一方 キリンホールディングスは 合併や吸収により 固定資産を多く持っているがうまく活用できていないことが分かった これまで 売上高に対する資産回転率を見てきた 総資産回転率 流動資産回転率 固定資産回転率の 3 つの比率すべてにおいて アサヒビールがキリンホールディングスを上回っていた キリンホールディングスは合併や吸収により資産を多く持っているが それが売上高に結びついていなかった 一方 アサヒビールは多くの負債を返済しているため 現金が少ない また 合併や吸収に伴う営業権などもないので固定資産が少ない しかし それをうまく活用できており 回転率を上げていた 以上 収益性分析を行ってきた 企業の総合業績を示す総資本経常利益率では アサヒビールがキリンホールディングスを上回っていた 次に 利幅と効率の側面から企業の戦略や強み 問題点を分析するため 総資本経常利益率を売上高経常利益率と総資本回転率に分解した この 3 つの指標を視覚的に捉えるために SPM を使用した SPM から 2 社を相対的に分析すると キリンホールディングスは利幅を重視する高付加価値戦略 アサヒビールは効率を重視した高効率戦略であるのが分かった しかし アサヒビールは売上高経常利益率も高く バランスのとれた企業であると判断できた さらに 各指標の変動要因を見るため 売上高経常利益率と総資本回転率をそれぞれ分解し 分析を進めた まず 売上高経常利益率の変動要因を見るため 売上高営業利益率 売上高総利益率 売上高販管費率の順に見た 売上高営業利益率 売上高総利益率はキリンホールディングスの比率の方が良好であった このキリンホールディングスの強みは 原価の安い医薬品を積極的に販売していることで利益率を上げていることが分かった しかし 売上高販管費率を見ると アサヒビールの比率の方が良好であった これは 2 社の事業展開が影響していた 多事業を展開するキリンホールディングスは 酒類に力を入れているアサヒビールよりも多くの費用がかかっていた 次に 総資本回転率の変動要因を見るために流動資産回転率 固定資産回転率に分解した この回転率の指標はス全てアサヒビールが上回っていた キリンホールディングスは 52

53 多くの資産を持っているが売上高に結びついていない 一方 アサヒビールは少ない資産で売上高を得ていた 以上の分析より 総合業績ではアサヒビールの方が優れていた 両社の戦略の違いは キリンホールディングスが利幅重視の高付加価値戦略であるのに対し アサヒビールは利幅 効率ともバランスのとれた戦略であった 最後に各企業の強み 問題点を挙げる キリンホールディングスの強みは原価の低い医薬事業を展開することにより 利益率を上げている点である 問題点は M&A を積極的に行っており 資産が多くあるにも関わらず 売上高に結びついていない点である 一方 アサヒビールの強みは少ない資産で売上高を得ており回転率が良いこと 主に酒類事業に注力することで販管費があまりかからない点である 問題点としては 原価の低い商品が少ないため利益率が低下することが挙げられる それでは 収益力を見てきたところで次に 資金繰りについて見ていく 安全性分析 ( 中井茜 ) 企業が継続して存続することができるかどうかを判断するために安全性分析を行う 安全性分析には 企業の短期的な支払能力を分析するものと 企業の長期的な財務構造のバランスを分析するものという二つの視点で分析をしていく まず 短期的な支払い能力を見るために流動比率 当座比率 現金比率を用いる はじめに企業ごとに比率を見ていく まず キリンホールディングスの流動比率 当座比率 現金比率を見ていく 図表 4-37 流動比率当座比率 150% 140% 130% 120% 110% 100% 90% キリンホールディングス 現金比率 45% 40% 35% 30% 25% 20% 80% 流動比率 % % % % % 当座比率 83.43% 91.29% % 96.78% 92.00% 現金比率 23.45% 30.02% 41.44% 35.47% 19.90% 15% 53

54 図表 4-37 は キリンホールディングスの過去 5 年間の流動比率 当座比率 現金比率の推移をまとめたものである すべての指標において 2004 年が最も高く 2004 年以降は減少傾向にある 2005 年から 2006 年にかけて流動比率は増加しているが 当座比率と現金比率は減少している 次に アサヒビールの流動比率 当座比率 現金比率を見ていく 図表 4-38 流動比率当座比率 90% 80% 70% 60% 50% アサヒビール 現金比率 3.2% 3.0% 2.8% 2.6% 2.4% 2.2% 40% 流動比率 67.75% 72.56% 79.14% 77.10% 76.47% 当座比率 47.39% 52.82% 57.65% 55.61% 54.99% 現金比率 3.04% 2.16% 2.66% 3.09% 2.83% 2.0% 図表 4-38 は アサヒビールの過去 5 年間の流動比率 当座比率 現金比率の推移をまとめたものである 流動比率と当座比率に関しては ほぼ同じような推移を示している 一方 現金比率は流動比率と当座比率とは異なる推移を示している キリンホールディングスは 2006 年を除けば 3 つの指標は同じ推移を示していた 一方 アサヒビールの流動比率は 当座比率の推移と同じであり 現金比率とは異なる推移を示していた ここまで 3 つの指標を企業ごとに見てきたが 次に比率ごとに見ていく まず 流動比率を見ていく 54

55 図表 % % % % 80.00% 60.00% 40.00% 20.00% 0.00% 流動比率 業界平均 80.84% 92.57% % 93.56% キリンホールディングス % % % % % アサヒビール 67.75% 72.56% 79.14% 77.10% 76.47% 図表 4-39 は 過去 5 年間の流動比率の推移を表したものである 流動比率は 1 年以内に現金化できる流動資産と 1 年以内に返済義務のある流動負債との比率であり 企業の短期的な支払能力を示す最も基本的な指標である 流動比率は 100% 以上であることが好ましい ちなみに欧米諸国では この比率が 200% 以上あれば良好であると判断している 両社を比較すると キリンホールディングスは業界平均を上回り さらに 100% 以上であり上昇傾向にある しかし 2004 年から 2005 年にかけて減少している 一方 アサヒビールは業界平均を下回り さらに 100% 以下でありほぼ横ばいである 以上の結果を踏まえた上で 短期的な支払能力があるのはキリンホールディングスだと判断することができる 流動比率の変動要因を見るため 流動資産の中でも直ちに現金化することができる当座資産に視点を向け 当座比率を見ていく 図表 4-40 当座比率 % % 80.00% 60.00% 40.00% 20.00% 0.00% キリンホールディングス 83.43% 91.29% % 96.78% 92.00% アサヒビール 47.39% 52.82% 57.65% 55.61% 54.99% 55

56 図表 4-40 は 過去 5 年間の当座比率の推移を表したものである 当座比率とは直ちに現金化することができる当座資産と流動負債との指標であり 流動比率の補助的な比率として利用される ここでいう当座資産とは すぐに換金できない棚卸資産を除いた 現金 預金 売掛金 受取手形 有価証券のことである 当座比率は 100% 以上あれば短期的な支払能力は良好であると判断することができる 両社を比較すると キリンホールディングスは 2004 年が最も比率が高く 2004 年以降は減少している また 流動比率では 2005 年から 2006 年にかけて増加していたが 当座比率では減少している つまり 2006 年は棚卸資産が多かったことを示している 一方 アサヒビールは 60% 以下であり 流動比率との差もあまりない 以上の結果を踏まえて 両社とも 100% を下回っているので 当座資産での支払能力は良好であるとは言えないが 両社とも 5 年間で見ると比率を改善している 最後に 現金 預金と流動負債との比率である現金比率を見ていく 図表 4-41 現金比率 45.00% 40.00% 35.00% 30.00% 25.00% 20.00% 15.00% 10.00% 5.00% 0.00% キリンホールディングス 23.45% 30.02% 41.44% 35.47% 19.90% アサヒビール 3.04% 2.16% 2.66% 3.09% 2.83% 図表 4-41 は 過去 5 年間の現金比率の推移を表したものである 現金比率は現金預金と流動負債との比率であり 企業の即時的な支払能力を示す指標である この比率は 20% 以上であれば即時的な支払能力が良好であると判断することができる 両社を比較すると キリンホールディングスは 20% を上回ってはいるが 2004 年以降は年々減少している 特に 2004 年から 2006 年にかけて 20% ほど減少している 2005 年の減少は 売上高が減少したことにより 現金及び預金の減少したことに加え 社債の償還期間が 1 年以内となり 流動負債が増加したためである 2006 年にはキリンビールがキリンビバレッジを完全子会社にし またメルシャンの株式取得を取得したことによって 現金を支出したためである 一方 アサヒビールは 5% 以下であり 現金預金が著しく少な 56

57 い これは 1990 年に 1 兆円を超えた有利子負債を返済するために多額の現金を長期にわたって投入しているためである (2007 年 7 月 7 日, 日本経済新聞 ) 以上の結果を踏まえて キリンホールディングスは新たに株式を取得することによって 現金が流出される傾向にあり 一方 アサヒビールは有利子負債の返済を長期にわたって行われているので手元にある現金が少ないのである ここまで流動比率 当座比率 現金比率を用いて短期的な支払能力を見てきた キリンホールディングスは流動比率が 100% を超えていて良好だと判断したが 現金比率において 2005 年から 2006 年にかけて大幅に減少していた 一方 アサヒビールは有利子負債の返済の影響で現金比率はもちろん流動比率も業界平均を下回るなど短期的な支払能力は衰えている 次に 長期的な安全性を見ていく ここでは 自己資本比率 固定比率 固定長期適合率を用いる 自己資本比率は 企業の資本の構成を見る比率である 負債が少なく 返済義務のない自己資本多い企業は長期的に安全だと判断できる 企業の資本の構成をみた後で 固定資産投資が自己資本で賄われているかを見るため固定比率を見る さらにこの固定比率を発展させた固定長期適合率を見ることで企業の長期的な安全性を分析していく はじめに企業ごとに見ていきたい まず キリンホールディングスの自己資本比率 固定比率 固定長期適合率を見ていく 図表 4-42 自己資本比率 51% 50% 49% 48% 47% 46% キリンホールディングス 固定比率固定長期適合率 170% 160% 150% 140% 130% 120% 45% 44% 43% 自己資本比率 44.10% 44.96% 47.08% 50.19% 50.26% 固定比率 % % % % % 固定長期適合率 % 96.38% 92.39% 97.24% 91.68% 110% 100% 90% 図表 4-42 は キリンホールディングスの過去 5 年間の自己資本比率 固定比率 固定長期適合率の推移をまとめたものである 自己資本比率は比率が高いほど安全だと判断 57

58 される 年々 自己資本比率は改善している 一方 固定比率 固定長期適合率は比率が低いほど安全であると判断される 固定比率は 5 年間で見てみると比率は改善されていないが 固定長期適合率で見ると 10% ほど改善されている 次に アサヒビールの自己資本比率 固定比率 固定長期適合率を見ていく 図表 4-43 自己資本比率 41% アサヒビール 固定比率固定長期適合率 250% 39% 37% 200% 35% 33% 150% 31% 29% 自己資本比率 29.93% 32.00% 36.57% 37.30% 39.56% 固定比率 % % % % % 固定長期適合率 % % % % % 100% 図表 4-43 は アサヒビールの過去 5 年間の自己資本比率 固定比率 固定長期適合率の推移をまとめたものである 自己資本に関しては 年々改善傾向にある また 固定比率 固定長期適合率とも年々改善されている これまで 両社の長期的な安全性について見てきた キリンホールディングスは年々自己資本を増加させているものの M&A などの影響で固定資産も増加している そのため固定比率は改善されていない 固定長期適合率は改善されていることから固定負債が増加していることが分かる 一方 アサヒビールは 図表 4-41 の現金比率で述べたように 長期にわたって負債を返済しているため 年々負債が減少し 自己資本比率が改善傾向にある また自己資本も増加しているため 固定比率 固定長期適合率も改善されている ここまで 3 つの指標を企業ごとに見てきた では 両社を比較しやすくするため 比率ごとに見ていく まず自己資本比率から見ていく 58

59 図表 4-44 自己資本比率 60.00% 50.00% 40.00% 30.00% 20.00% 10.00% 0.00% 業界平均 33.63% 35.20% 37.22% 41.37% キリンホールディングス 44.10% 44.96% 47.08% 50.19% 50.26% アサヒビール 29.93% 32.00% 36.57% 37.30% 39.56% 図表 4-44 は 過去 5 年間の自己資本比率の推移を表したものである 総資本に占め る自己資本の割合であり 自己資本を総資本で除して算出される 自己資本は 返済義務 がない資金であるため 経営者にとって永続的に安定して利用できる資本である よって 自己資本比率が高いほど良好であり 50% 以上あれば安定性が高いと判断することができる 両社を比較すると キリンホールディングスの方が比率は高いが 両社とも理想の基準 である 50% を下回っている しかし 両社とも改善傾向利益剰余金や有価証券評価差額金 などが増加し 改善傾向を示している 自己資本比率を見てきたところで その自己資本だけで固定資産投資ができているかど うかを見るために固定比率を用いる 図表 4-45 固定比率 % % % % 50.00% 0.00% 業界平均 % % % % キリンホールディングス % % % % % アサヒビール % % % % % 59

60 図表 4-45 は 過去 5 年間の固定比率の推移を表したものである 自己資本と固定資産との比率であり 固定資産投資が自己資本で賄われているかを見る指標である この比率が 100% 以上であれば固定資産投資の一部が負債によって行われていることを示す 固定資産は長期にわたって資金が拘束されるため 返済義務のない自己資本で賄われていることが理想である つまりこの比率が 100% 以下であれば企業の安定性が良好であると判断される 両社とも 100% を超えており 固定資産を自己資本だけでは充当されていないということを示している ビール業界は 工場や生産設備装置などの設備投資に多額の費用がかかっているため比率が高い キリンホールディングスは 5 年間で見れば 比率はあまり改善されていない 一方 アサヒビールは 5 年間で 45% ほど比率を改善している ここまで 自己資本だけで固定資産が調達できているかを見てきた 長期の安全性を見る最後に 固定比率を発展させ 長期にわたり返済が許され 資金運用ができる固定負債を合わせた固定長期適合率を見ていく 図表 4-46 固定長期適合率 % % % 80.00% 60.00% 40.00% 20.00% 0.00% 業界平均 % % % % キリンホールディングス % 96.38% 92.39% 97.24% 91.68% アサヒビール % % % % % 図表 4-46 は 過去 5 年間の固定長期適合率の推移を表したものである 固定資産と長期資本 ( 自己資本と固定負債の合計 ) との比率であり 企業の長期的な財務構造の安定性にとって基本的な条件を示す指標である この指標も 100% 以下であれば良好であると判断される キリンホールディングスは 100% を下回っており かつ改善傾向にある 一方 アサヒビールも比率は年々減少し 改善傾向ではあるが 100% 以上であるため資金繰りの面ではまだ危険である ここまで長期的な安全性を自己資本比率 固定比率 固定長期適合率を用いて見てきた 60

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