次世代眼科医療を目指す、ICT/人工知能を活用した画像等データベースの基盤構築　研究計画書

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1 次世代眼科医療を目指す ICT/ 人工知能を活用した画像等データベースの基盤構築 研究計画書 0, 研究の概要日本眼科学会が主導で 日本医療研究開発機構 (AMED) の支援のもと 全国の基幹病院から画像データ及び基本診療データをオプトアウト同意で可能な限り悉皆的に収集し 他科のデータベースとも協働可能な包括的眼科診療統合データベースを構築する研究である 収集されたビッグデータは 人工知能 (AI) による解析等にも用いられる < 研究責任者 > 研究代表者 : 大鹿哲郎 ( 筑波大学 ) プロジェクトマネージャー : 長谷川高志 ( 遠隔医療協会 ) 研究代表補佐 : 柏木賢治 ( 山梨大学 ) 三宅正裕( 京都大学 ) 1, 目的本研究では 日本眼科学会が主導で 他科のデータベースとも協働可能な 眼科診療に係るナショナルデータベースを作成することを目的とする 収集されたビッグデータは 眼疾患の病態解明等の臨床研究のほか 人工知能 (AI) による解析等にも用いられる 2, 背景と根拠近年 疫学研究や各種臨床研究におけるデータの信頼性を担保するため 研究のサンプルサイズ データの収集元が ( 単施設ではなく ) 多施設であること データクレンジングが適切である事などの重要性が指摘されている また 2017 年の医薬品規制調和国際会議 (ICH) の会合で米国食品医薬局 (FDA) も指摘したとおり 医療研究開発においても適切にリアルワールドデータを活用する方向性の議論が成されている 更には 第 4 次産業革命とも呼ばれるディープラーニング技術の発展に伴い 良質なデータが国民の健康にも直結するようになり データへルスの推進が国家目標に掲げられている このような中 本邦の眼科領域では 個々の大学 基幹病院 診療所等で小規模のデータベースによる研究が行われているものの 本邦全体をカバーするデータベースは存在せず その構築は急務である AMED は 2016 年より AI 作成や臨床研究の発展に資する学会主導画像等データベースの構築を進めており 日本眼科学会は 日本病理学会 日本医学放射線学会及び日本消化器内視鏡学会の 3 学会に続いて 2017 年に学会主導画像等データベース

2 作成を委託された 本研究計画は AMED の支援を受けて日本眼科学会主導のもと 作成する 包括的眼科診療統合データベースに係る研究計画である 3, 研究の方法及び期間 1 期間研究期間は平成 29 年 10 月から平成 34 年 3 月末とするが 平成 33 年度中に再度倫理審査を受け 研究期間の延長を申請する予定である 2 参加施設 < 情報収集機関 > 日本眼科学会 < 情報提供機関 > 筑波大学 東京大学 京都大学 大阪大学 京都府立医科大学 東北大学 九州大学 名古屋大学 名古屋市立大学 山形大学 山梨大学 岐阜大学 秋田大学 鹿児島大学 金沢大学 福井大学 神戸大学 新潟大学 岡山大学 参加施設については今後増加する予定であり 再度の倫理審査を予定している < 情報解析機関 > 日本眼科学会 国立情報学研究所及び東京大学 情報解析機関については今後増加することが検討されており その際には再度の倫理審査を予定している 3 収集するデータ眼科部門カルテ内に保存されている全患者を対象とし 患者基本データ 視力 眼圧 屈折 角膜関連パラメータ 眼球形状関連パラメータ 眼底画像 OCT 画像 蛍光眼底造影画像 前眼部画像 視野検査 診断名 治療歴を収集する 収集するデータについては 機器の進歩や解析過程において解析上必要と判断されたものについては追加されることがある 4 研究の方法本研究は侵襲も介入も伴わない観察研究である 患者情報については 情報提供機関の電子カルテより個人を特定するための情報を削除した後に 国の研究機関である国立情報学研究所が管理運営する高いセキュリティを持った専用回線である SINET5 を介して日本眼科学会に送信される さらに AMED の構想に基づき 日本病理学会 日本医学放射線学会 日本消化器内視鏡学会と共通のルールによってハッシュ化した 各症例に対する研究用 ID を付与する これらのデータは 日本眼科学会が専門家の意見をもとに十分なセキュリティが確保され信頼性が高いと判断されたクラウド内のデータ格納サーバーに保存する

3 日本眼科学会は データ格納サーバーに保存されたデータについて ID を完全に削除し 対応表も保有しない状態で国立情報学研究所へ送信する これにあたっては SINET5 を用いてセキュリティの確保された専用回線を用いる 国立情報学研究所内では セキュリティが十分に確保された解析用サーバー内でデータを管理保存する 収集データへのアクセスや管理については 国の医療情報管理指針などを参照にして厳格に行う 4, 研究対象者の選定方法 各情報提供施設の眼科に受診した全患者 ( 参加しない意思を表明した者を除く ) を対象とする 5, 収集データの統計手法等を用いた解析本研究はデータ収集及びデータベース構築に係る研究であり 収集されたデータの統計解析は実施しない 本データを用いた個別の臨床研究等がなされる場合には 個別に倫理委員会に審査を申請する ただし 収集されるデータのデータとしての適合性の検討 匿名化やデータ共通化の達成状況の確認は本研究で行う 6, インフォームド コンセント (IC) 各情報提供施設は 通常診療において取得された既存情報 ( 診療情報 ) を 他機関である日本眼科学会へと提供する これにあたっては 各参加施設が一定のルールに基づく ID のハッシュ化を実施する ハッシュ化されたデータは人を対象とする医学系研究に関する倫理指針上の 匿名化されているもの に該当する 本研究は対象者が極

4 めて多く本人の連絡先の特定等の同意を得るために必要な手続きにかかる費用 時間が極めて膨大で適切な同意を得ることが困難であり 専ら学術研究の目的であることから 人を対象とする医学系研究に関する倫理指針 に則り IC の手続きを簡略化し 別添の情報公開文書を各施設のホームページで公開して適切な拒否機会を保障することで対応する また 情報を取得する日本眼科学会も データの取得につき公開する 日本眼科学会は 上記のように得た情報から 研究用 ID その他個人を特定できる情報を削除 ( 対応表を作成しない ) し 国立情報学研究所へと提供する 当該情報は 上図の2-3 の 匿名化されているもの ( どの研究対象者の試料 情報であるかが直ちに判別できないよう 加工又は管理されたものに限る ) に該当する 本研究は専ら学術研究の目的であることから 人を対象とする医学系研究に関する倫理指針 に則り 日本眼科学会が日本眼科学会のホームページで以下の事項を公開することにより対応する 国立情報学研究所においても データの取得につきホームページ上で公開する なお 次世代医療基盤法の政省令等において非識別加工の手順が明確化された場合は 当該手順に則って日本眼科学会において非識別加工を行った後に国立情報学研究所へ提供することとする この際は IC の手続きが変更となるため 再度倫理審査を予定する <ホームページで公開する情報 > 別紙参照 1 情報の利用目的及び利用方法 ( 他の機関への提供方法も含む ) 本情報は 日本眼科学会が眼科に関連した疾患の病態解明等の臨床研究のほか 画像診断用人工知能 (AI) を作成するための学習用及び確認用データとして使用します データは SINET5 という 国立の研究機関である国立情報学研究所が管理運営する高いセキュリティを持った専用回線で送受信されます 個人を特定するための情報を削除して取り扱いますので 個人を特定するような情報が洩れることはありません 2 収集され研究に活用される情報の項目通常の診察で得られた診療録及び検査データ 3 収集されたデータを利用する者日本眼科学会 国立情報学研究所ならびに東京大学 ただし 将来的には本研究に参加する予定の研究機関に拡大する予定 4 情報の管理について責任を有する者の氏名又は名称日本眼科学会 : 長谷川高志国立情報学研究所 : 佐藤真一 5 研究対象者又はその代理人の求めに応じて 研究対象者が識別される情報の利用又は他の研究機関へのデータの提供 収集されたデータには特定の個人が識別できる情報はありませんのでこの規定は該当いたしません 6 研究対象者又はその代理人の求めを受け付ける方法

5 本研究について質問がございましたら 日本眼科学会 ( ) までご連 絡下さい 研究の進捗に伴って今後 同様に画像データベースを構築している 日本病理学会 日本医学放射線学会 日本消化器内視鏡学会等の学会のデータベースと 研究用 ID を用いてデータを突合することを想定していますが これについては 個別プロジェクトごとに倫理審査を行い その適正性について厳格な審査を受ける予定になっております 7, 個人情報の取り扱い各参加機関が提供する個人の診療情報は データ送信時に 各参加機関において 患者氏名 生年月日 カルテ番号 住所 電話番号等を消去し 匿名化する 匿名化に当たっては 参加機関のみが知る一定のルールに基づき ID をハッシュ化する ハッシュ化の方法については 現在本プロジェクトに参画している日本消化器内視鏡学会 日本病理学会 日本医学放射線学会 国立情報学研究所 AMED その他の研究機関並びに専門家で構築される Japan Excellence of Diagnostic Imaging (JEDI) 連携会議において その方法を検討中であり 内容が確定した後にデータの収集をその方式に従って収集する 日本眼科学会は 収集したデータについて セキュリティの確保された専用のサーバーに保存する なお 本研究における既存情報の提供に当たっては トレーサビリティ確保のため 別添の様式 1 により各機関の長に届け出る また 各機関が日本眼科学会に試料 情報を提供した記録として 各機関と日本眼科学会は当該書類を保管する 日本眼科学会から国立情報学研究所内の解析サーバーへの転送にあたっては 研究用 ID その他個人を特定できる情報を削除 ( 対応表を作成しない ) し SINET5 を用いた専用の回線により転送する なお 本研究における既存情報の提供に当たっては トレーサビリティ確保のため 別添の様式 2 により日本眼科学会の長に届け出る また 日本眼科学会が国立情報学研究所に試料 情報を提供した記録として 日本眼科学会と国立情報学研究所は当該書類を保管する 参加拒否の意思が表明された際には当該患者のデータは可及的速やかに破棄し 解析に用いない ただし 当該意思が表明された時点において既に特定の個人が識別できなくなっている場合や 既に論文等が公表されている場合はその限りにない その他 各時点における法律等に基づき対応する < 個人情報管理責任者 > 日本眼科学会 : 長谷川高志本研究参加各大学 : 研究施設個人情報管理責任者

6 筑波大学附属病院眼科東京大学医学部附属病院眼科山梨大学医学部附属病院眼科福井大学医学部附属病院眼科名古屋市立大学病院眼科鹿児島大学病院眼科岡山大学病院眼科金沢大学附属病院眼科京都府立医科大学附属病院眼科九州大学病院眼科京都大学医学部附属病院眼科名古屋大学医学部附属病院眼科東北大学病院眼科神戸大学医学部附属病院眼科大阪大学医学部附属病院眼科新潟大学医歯学総合病院眼科山形大学医学部附属病院眼科岐阜大学医学部附属病院眼科秋田大学医学部附属病院眼科 大鹿哲郎相原一飯島裕幸稲谷大小椋祐一郎坂本泰二白神史雄杉山和久外園千恵園田康平辻川明孝寺﨑浩子中澤徹中村誠西田幸二福地健郎山下英俊山本哲也吉冨健志 8, リスク 負担と利益本研究により被験者が直接受けることができる利益はない しかし 研究成果により将来の医療の進歩に貢献できる可能性がある また 本研究は既存情報のみを用いた後向き研究であり 被験者に直接的不利益は生じない 9, 試料 情報の保管 廃棄本研究における情報は 日本眼科学会において 研究責任者大鹿哲郎の責任の下 セキュリティを確保したサーバーに厳重に保管する 研究期間終了後 8 年保存した後 登録番号等を消去し廃棄する 10, 資金源 利益相反 日本医療研究開発機構研究補助金 本研究の実施に際し 特に問題となる利益相反関係はない 11, 研究に関する情報公開の方法 研究成果の帰属 本研究の成果は国際 国内学会発表及び論文発表を予定している また 研究成果 はデータ提供施設には帰属しない その際 個人を識別できる情報は一切含まない

7 12, 研究対象者からの相談対応 原則として本研究参加各大学で対応する 研究施設 電話番号 筑波大学附属病院眼科 東京大学医学部附属病院眼科 山梨大学医学部附属病院眼科 福井大学医学部附属病院眼科 名古屋市立大学病院眼科 鹿児島大学病院眼科 岡山大学病院眼科 金沢大学附属病院眼科 京都府立医科大学附属病院眼科 九州大学病院眼科 京都大学医学部附属病院眼科 名古屋大学医学部附属病院眼科 東北大学病院眼科 神戸大学医学部附属病院眼科 大阪大学医学部附属病院眼科 新潟大学医歯学総合病院眼科 山形大学医学部附属病院眼科 岐阜大学医学部附属病院眼科 秋田大学医学部附属病院眼科 日本眼科学会事務局 東京都千代田区猿楽町 Tel: Fax: