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1 [PRESS RELEASE] 平成 29 年 10 月 1 6 日 頻繁な明暗シフト環境への長期暴露は慢性炎症を誘導 概日リズム障害を起こす環境条件に関する研究 京都府立医科大学の研究グループは マウスのシフトワークモデル条件下での長期前向き観察研究により 長期にわたる概日リズム障害は慢性的な炎症を誘導するとともに寿命が短縮するマウスが増加する傾向があることを発見し 本研究に関する論文が 2017 年 10 月 13 日 ( 金 ) に日本睡眠学会の国際学術誌 Sleep and Biological Rhythms のオンライン速報版に掲載されました これまで 明暗環境の頻繁なシフトによる概日リズム障害がマウスなどの動物実験で寿命を短縮させることが分かっていました 今回 二種類の異なるシフトワークモデル条件下でマウスを長期間飼育し 前向き観察研究を行うことで概日リズム障害の病態解明の手がかりが得られるか検討しました その結果 明暗周期を頻繁にシフトさせ概日リズム障害が顕著な群で 寿命の短縮傾向が見られるとともに慢性的な炎症が生じていることが分かりました 今回の研究はパイロット研究として実施したもので 今後さらなる検討が必要ではありますが この結果を受けて 持続する概日リズム障害では免疫恒常性の破綻が疾患リスク上昇に影響する可能性が浮かび上がり この点について詳細な研究の必要性が示唆されました 本研究成果は シフトのタイプによって健康への影響の大きさが異なる可能性を示唆する研究事例であり 今後さらに解析を進めることで 概日リズム障害と疾患リスク上昇の因果関係に迫り 関連疾患に対する予防策の開発や 心身への負担が少ないシフト解明に繋がることが期待されます 論文名 "Chronic inflammation in mice exposed to the long-term un-entrainable light-dark cycles" by Minami et al. [ 日本語 : マウスにおける同調不能な明暗環境サイクルへの長期暴露は慢性的炎症を惹起する ] 掲出雑誌 Sleep and Biological Rhythms 誌 [2017 年 10 月 13 日 ( 金 ) オンライン速報版掲載 ] 研究グループ 京都府立医科大学大学院医学研究科統合生理学教授八木田和弘 ( やぎたかずひろ ) 南陽一 ( みなみよういち ) 大橋宗洋 ( おおはしむねひろ ) 共同研究者 京都府立医科大学大学院医学研究科人体病理学教授小西英一 ( こにしえいいち ) 生物統計学教授手良向聡 ( てらむかいさとし )

2 1 概要本研究成果のポイント 明暗周期の繰り返すシフト (Chronic Jet-lag: 慢性時差ぼけ ) 環境は生体にどのような影響があるのかについて マウスを用いて解析した 明暗周期を4 日ごとに8 時間前進させる Advance 条件 と7 日ごとに8 時間後退させる Delay 条件 の2 種類の明暗シフト条件下で630 日間に渡って飼育し 死亡率等を比較検討するマウス コホート研究を行った Advance 条件を課したマウスは光環境に同調できず 概日リズム障害 が認められ 個体数が少なく最終的結論にはさらなる解析が必要ではあるが 死亡率は Delay 条件の 4.26 倍であった Advance 条件の早期死亡個体では 慢性炎症が生じている所見が認められた 概日リズム障害の度合いによって 健康への影響の大きさが異なることを示唆しており 生理機能への負担が少ないシフトワーク環境の提示や 概日リズム障害を未然に防ぐ予防策の開発につながる成果である 京都府立医科大学の研究グループはマウスの異なる 2 種類の明暗シフト条件下での長期前向き観察研究により 長期にわたる概日リズム障害は慢性的な炎症を誘導するとともに死亡率を高める傾向があることを報告しました 光のオン オフのタイミングを8 時間ずつずらしていく二つのタイプの明暗シフト条件を設定し この二つの光環境条件下でマウスを630 日間にわたり飼育し死亡率等を比較検討する前向き観察研究を行いました 用いた明暗シフト条件は 一つは4 日ごとに8 時間ずつ前倒しのシフト (Advance 群 ) で もう一つは7 日ごとに8 時間ずつ後ろ倒しのシフト (Delay 群 ) です その結果 光環境に同調できず体内時計が常に乱され続ける明暗シフト条件下で飼育した Advance 群マウスでは持続する強い炎症を示唆する知見が得られ Delay 条件群と比較して寿命が短くなる傾向がみられました 本研究は パイロット研究として実施されたもので 今後の本格的な研究を待つ必要があるものの これらの結果から 強い概日リズム障害が持続する明暗シフト条件では免疫恒常性の破綻が惹起されることが示唆されました ( 図 1) 本研究では マウスをモデルとした光環境撹乱条件下での長期間にわたる前向き観察研究 マウス コホート研究 系を構築し 長期間にわたる概日リズム障害が特に炎症の亢進を強く惹起する可能性を見出しました 本研究は ヒトでは不可能な光環境以外の条件を同一にした前向き介入研究を マウスをモデルとして実現することで これまで漠然として不明瞭であった問題点を明確化し 今後の研究で解明すべき課題を浮かび上がらせるものです また 明暗環境シフトのタイプによって生体にかかる負荷が大きく異なることも検証されました これらの成果は 心身の健康を守るシフトワークのあり方を考える上でも重要な知見となる可能性があります

3 2 研究の背景地球上のほとんどの生物に備わる体内時計 ( 生物時計 概日時計 ) は 昼と夜 という地球の自転に伴う環境周期を予測し これに先んじて身体の機能を適応させることで生体機能を維持する役割を担っています ヒトをはじめとする哺乳類では 睡眠覚醒リズムのみならず 内分泌やエネルギー代謝 循環器機能や消化器機能など様々な生理機能の約 24 時間周期のリズム ( 概日リズム ) を生み出し 心身の健康維持に必須の生命機能です これを裏付けるように ヒト疫学研究により交代制勤務者 ( シフトワーカー ) では 睡眠障害のみならず 気分障害やメタボリックシンドローム 乳がんや前立腺がんなど 様々な疾患リスクが高まることが明らかにされています このように 地球の自転周期を無視した不規則な生活を長年続けることによる体内時計の乱れは 様々な健康問題を引き起こすことが分かっています

4 これまでの研究により 平均寿命に近い27 31ヶ月齢の老齢マウスを用いて明暗周期を7 日ごとに6 時間ずつ前倒しする条件と6 時間ずつ後ろ倒しする条件を8 週間与えたところ 6 時間ずつ前倒しする条件で飼育していた老齢マウスの死亡率が高いことが報告されている ( 前倒し条件で53% が死亡 後ろ倒し条件で32% が死亡 明暗環境シフトを与えなかった群で17% が死亡 )(Davidson et al, Curr. Biol., 2006) 最近 マウスを600 日以上に渡って明暗周期を7 日ごとに逆転させるような明暗環境撹乱を与えることにより 肝臓がんの発生率が高まることが報告されました (Kettner et al, Mol. Cell, 2016) これらの結果は明暗環境の撹乱や繰り返すシフトが生理機能に大きな影響を及ぼすことを示唆しています しかし 若年期から長期にわたる明暗環境シフトがどのように生体へ影響を及ぼすのかについての理解は不足しており 交代制勤務者の健康維持に応用できるような知見は未だに乏しい状況です 現在 我が国における深夜勤務を含む交代制勤務者は 厚生労働省の労働安全衛生特別調査等の統計をもとにした推計で労働者人口の約 2 割に達するという報告もあります ( 久保ら, 産業医大誌, 2014) 1000 万人以上が深夜勤務や交代制勤務についているグローバル化が進む現代社会においてシフトワークをなくすというのは現実的ではなく 交代制勤務者の健康を守り改善させていく対策は喫緊の課題となっています しかし これまでのところ 疫学研究で指摘されているシフトワークと疾患リスクとの相関の背景にあるメカニズムはほとんど分かっておらず 規則正しい生活をする という昔ながらの対策以外に提示できる方法がない状況です 概日リズム障害と疾患リスクの因果関係解明が進まない理由の一つが ヒトのシフトワークの実態を反映した適切な動物モデルが確立されていなかったことです シフトワーカーは長年にわたり交代制勤務を続けることが多く 動物モデルを用いた短期間の光環境撹乱実験ではシフトワーカーの健康問題がどのような機序で生じてくるのか明確にできませんでした これまで積み重ねられてきた疫学研究によるエビデンスの背後にある機序の解明につながる動物モデルの確立が待たれる状況でした

5 3 研究の内容まず 野生型マウスを用い 様々な明暗周期シフト条件で飼育し 行動リズムが明暗周期のシフトに同調できず強く撹乱される明暗シフト条件および行動リズムが撹乱されず同調不全に陥らない明暗シフト条件を探索した その結果 同調不全をきたし行動リズムが強く撹乱される条件として 4 日ごとに 8 時間ずつ前倒ししていくシフト (Advance 条件 ) を決定しました また 同調不全をきたさない軽微なシフト条件として 7 日ごとに8 時間後ろ倒ししていくシフト (Delay 条件 ) を決定しました ( 図 2) 例えて言うなら Advance 群は 日勤 深夜勤 準夜勤 というシフトを4 日ごとに繰り返し Delay 群は 日勤 準夜勤 深夜勤 というシフトを7 日ごとに繰り返すという条件です このような明暗シフト条件下で1 0 週令の野生型 C57BL/6 雄性マウスを長期間飼育し 行動リズムの解析を行いました その結果 当初の予想どおり Advance 群マウスは行動リズムが非常に強く撹乱され強く概日リズムが障害されていることが示されました 一方で Delay 群では明暗周期のシフトに行動リズムが同調できており 活動期と休息期が明瞭に見られる行動リズムが継続していることが確認でき 概日リズム障害が軽微である状況であることが示されました ( 図 3) 続いて Advance と Delay の各条件下でマウスを630 日間にわたって飼育し 長期前向き観察研究 ( マウス コホート研究 ) を行いました 死亡率に差があるかどうかを検討したところ 図 4に示した生存曲線にあるように Advance 群では 約 1 年経過した頃から断続的に死亡する個体が出現し 63 0 日間で34 匹中 9 匹が死亡しました 一方で Delay 群では観察期間中に死亡した個体は14 匹中 1 例のみでした ( 図 4) Cox 回帰分析により 死亡率の推計を行ったところハザード比が 4.26 で 死亡率が 4.26 倍高い傾向がある等結果となりました ただ 今回の研究は 最小限のマウスを用いたパイロット研究ということで 正確な寿命の比較は今後の詳細な研究で確認する必要があります

6 概日リズム障害が長期間持続する Advance 条件群で早期死亡が多く見られた原因の解析を行ったところ 強い炎症が長期にわたり生じていることを示す所見が見られました 具体的には 脾臓における濾胞構造の消失と髄外造血の顕著な亢進 骨髄における骨髄球形細胞の増殖亢進です このような顕著な炎症の亢進が死亡個体の67% に認められたことから 概日リズム障害による死亡率上昇の背景に炎症が寄与している可能性が強く示唆されました ( 図 5) これらの結果から シフトワークモデルとしての光環境撹乱条件の長期暴露が引き起こす概日リズム障害は 体内時計との関連が知られる様々な生理機能の中でも 特に免疫機能の恒常性破綻による炎症の亢進を主要な病態として惹起することが示唆されました

7 4 まとめと今後の展開今年のノーベル医学生理学賞は 体内時計 でした ショウジョウバエにおいて 時計遺伝子を同定し そのメカニズムを解明した3 人の方々が受賞されました では 体内時計はすべて理解できたのでしょうか? 答えは NO です なぜ 24 時間周期になっているのか? なぜ 環境サイクルに同調し適応できるのか? といった根源的な謎は未だにほとんど分かっていません これらの謎は 私たちの健康に直結した概日リズム障害にも深く関わっていると考えられています 本研究の成果は グローバル化が進む24 時間社会の現代において 増加の一途をたどる深夜勤務やシフトワークに従事する労働者の健康維持に貢献できる可能性を示すものです 現代社会において深夜勤務や交代制勤務は不可欠で これをなくすという選択肢は現実的ではありません このような現実に向き合って解決策を模索している取り組みは 上記の根源的な原理の解明とともに 今後の体内時計研究 時間生物学の重要なテーマになると考えています また シフトワークのみならず 近年増加している不登校や引きこもりの背景には概日リズム障害を伴う睡眠障害が見られるケースも多いと言われています 本研究により ヒトでは不可能な様々な介入を行う 概日リズム障害のマウス コホート研究 系を確立することで 概日リズム障害がもたらす病態生理の解明に向けた研究に加え 心身の健康に負担がかからない交代制勤務形態の探索や健康リスクを未然に防ぐ方法の開発などの研究が進むことが期待されます [ 語句説明 ] 体内時計 : 地球上のほとんどの生物が持つ約 24 時間周期を生み出す生命機能 地球の自転周期に同 期し 朝や夜が来るのを前もって予測することを可能にする働きがある 概日リズム : サーカディアン リズムとも呼ばれる 約 1 日周期の生体リズム 体内時計の働きによ り 睡眠覚醒や自律神経活動リズムなど 多くの生理機能に概日リズムが生まれる シフトワーク ( 交代制勤務 ): 労働時間帯が一定ではなく定期的に変動する労働様式 炎症 : 発赤 腫脹 熱感 疼痛 機能障害が主な徴候とされる病態で 細胞や組織における何らかの ストレスや損傷に対する生体反応として現れる

8 問い合わせ先 研究に関すること 京都府立医科大学統合生理学教室教授八木田和弘 ( 電話 ) kyagita@koto.kpu-m.ac.jp その他 ( 広報に関する事 ) 京都府立医科大学広報センター [ 事務局 : 研究支援課 ] 中尾 ( 電話 ) kouhou@koto.kpu-m.ac.jp

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