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きみかずつねざき
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1 旅行業界 ~ 近畿日本ツーリストと H.I.S~ 小林雄瀧下恵理本間恵子渡邉清美 1. 業界概要 1-1 旅行業とは 1-2 業界の動向 2. 企業概要 2-1 参入企業 2-2 業界ポジション 1JTB 2 近畿日本ツーリスト 3HIS 2-3 企業概要 3. 財務分析 3-1 成長性分析 3-2 収益性分析 3-3 安全性分析 1. 業界概要 1-1 旅行業とは旅行とは徒歩または交通機関によっておもに観光などの目的で他の地方に行くこと旅をすることであるそして旅行会社はこの旅を構成するアゴ ( 食事 ) アシ ( 交通 ) マクラ( 宿泊 ) などの要素にサービスや非日常性の演出という付加価値を加えて商品化している商品化された旅行 ( 以下旅行商品 ) にはサービス商品であること定価がないこと差別性が難しいことなど様々な特性があるそして旅行業者は旅行商品を売った手数料によって報酬を得ていることになる

2 航空会社ホテルレストランテーマパーク等代売手数料など旅行会社 A 旅行会社 B パッケージ代売手数料など旅行者旅行相談手数料など旅行会社には旅行業者登録が定められ業務を行う者には国家資格である旅行業務取扱主任者の選任が義務付けられている 1-2 業界の動向旅行会社の取扱総額は 1996 年の 9 兆 9200 億円をピークに以降は旅行代金の値下がりや景気の低迷とデフレ傾向が強まり減少に転じ 2002 年には 1996 年との比較で 75% まで減少した 2003 年には SARS テロなどの影響により大幅に落ちこみ前年を 6.6% 下回った旅行会社では親会社同士の合併統合やグループ内に複数できた旅行部門を1つにまとめるなどの再編成が静かに行われている合併してもスケールメリットが発揮されないといわれてきた旅行会社でも合併統合の動きはまだまだ続くと見られている最近はインターネット旅行サイトでの合併や統合なども頻繁に行われている近年はインターネット専業旅行会社の台頭などを背景に顧客争奪戦が激しさを増している楽天トラベルやリクルートのじゃらんネットなど旅行サイトが右肩上がりで利用者数を伸ばしビジネス需要中心の国内宿泊予約など特定の分野ではネット専業会社が既存の旅行会社の顧客を奪っているしかしネット専業や航空会社のサイト利用者はまだ国内旅行が中心海外旅行は依然店頭に足を運んで商品を購入する顧客が圧倒的だ大手旅行各社は個性的な販売店をアピールし膨らむ需要を獲得しようと躍起になっている将来は海外旅行でもネットの存在感が高まることも警戒し店頭でのサービス向上と自社のネット戦略強化の2 正面作戦を推進している

3 2. 企業概要 2-1 参入企業業界シェア JTB, 23.2 その他, 48.9 HIS, 4.6 阪急交通社, 6.6 近畿日本ツーリスト, 8.5 日本旅行, 8.3 旅行取扱額ランキング国内旅行 ( 千円 ) 海外旅行 ( 千円 ) 1 JTBグループ 68,737,732 JTBグループ 42,829,377 2 近畿日本ツーリスト 26,998,398 H.I.S 26,560,524 3 日本旅行 25,093,343 阪急交通社 19,900,980 4 ANAセールス 18,500,515 日本旅行 15,183,413 5 JALツアーズ 12,697,097 近畿日本ツーリスト 13,831, 業界ポジション 1 JTB JTB の前身であるジャパンツーリストビューローが 1912 年に設立してから今年 2007 年までの 95 年間業界 1 位を守り続けているシェアも 23% を超えることから旅行業界におけるガリバー的な存在と言えるだろう事業強化のため 2006 年には持ち株会社体制に移行したこれにより同年クレジット会社最大手であるJCBと合併会社を設立させるなどの成果を上げているそして持ち株会社制と事業会社群からなる新たなJTBグループを形成し新しいビジネスモデルの確立つまり旅行ではなく交流事業を目指す

4 このようにJTBはこの業界において他を寄せ付けないほど強いではJTBに対抗できる企業はないか可能性のありそうな企業を分析してみたい 2 近畿日本ツーリスト業界 2 位でシェア約 8.5% の企業しかし大手 5 社で過半数を占める寡占市場の旅行業界においてガリバーであるJTBを除くと 4 社はほとんど横ばいであるため今後の事業展開が重要となってくるそこで当社は 2003 年から三年間に渡り中期経営計画と言うものを開始したこれにより復配を達成しさらに 2006 年を初年とし新たな中期経営計画を取り組み始めた計画としては成長戦略として国内旅行メイト海外旅行ホリデイを楽しく面白いものにするまた企業や学校といった組織団体の抱える問題解決のためECC( イベントコンベンションコングレス ) の企画立案から手配運営事務局業務まで総合的に行うことによりECC 販売を浸透させる計画を行う近畿日本ツーリストは企画力が優れておりこれに関しては同業他社も一目を置くほどであるため成果を上げることが期待できるその他にもプラットフォーム戦略といった従来の枠組みを超えあらゆる企業と提携することによりそれぞれの強みを共有しシナジー効果を得ようとする戦略を行っている 2 HIS シェア約 4.6% の業界 5 位の企業しかし上記でも記したが旅行業界はJTBを除けば横ばい状態であるため 5 位という位置は他社に大きく離されているわけではないむしろ成長性に着目すればHISは海外旅行に特化しており注目するべき企業である HISの強みとしては海外への格安航空券の販売だこれにより主力は若者層であるが海外旅行の経験が豊富な層からの支持も高い理由としては海外拠点が世界 62 都市 72 拠点あるため豊富な知識と経験を持つ現地スタッフが要望に対して迅速に対応してくれるため安心な旅行を楽しむことができFIT 向け航空券の手配も行っているからだろう今後は主力を維持しながらもシニアファミリー層や団体に対してもアプローチを行っていく 2-3 企業概要社名近畿日本ツーリスト株式会社株式会社エイチアイエス設立昭和 22 年 5 月昭和 55 年 12 月資本金 75 億 7,937 万 4,270 円 68 億 8200 万円

5 本社東京都千代田区神田松永町 19 番の 2 東京都新宿区西新宿新宿オークタワー 29 階社員数 4,829 名 3,163 名グループ企旅行 9 社旅行国内 4 社海外 72 社業航空貨物 1 社ホテル 1 社ホテル 2 社その他 1 社運輸 2 社など沿革 1941 年有限会社関急旅行社創業 1980 年前身である株式会社インターナショナルツアーズ設立 1955 年近畿日本ツーリスト株式会社創立 ( 本社大阪 ) 1989 年初めての自社主催商品 Ciao( チャオ ) 発売 1965 年本社を東京近鉄ビル ( 現在地 ) へ移転 1990 年社名を株式会社エイチアイエスに変更 1967 年宿泊予約システム稼働開 1993 年本社統合のため新宿に移転拡張始 1972 年メイトホリデイ販売開始 1995 年株式を店頭公開にする 1975 年総合旅行業として史上初の 2002 年東証二部に株式上場株式上場 ( 東証大証第二部 ) 1977 年株式を東証大証第一部銘柄に指定替え 2004 年オンライン予約システム稼動東証一部に株式上場

6 3. 財務分析 3-1 成長性分析総資本売上高 ( 百万円 ) 1,000, ,000 10,000 1, 近畿日本ツーリスト成長性分析総資本 139, , , , ,423 売上高 90,890 82,632 72,578 68,005 66,807 営業利益 1, 経常利益 2,021 1,944 1,323 1,336 1,309 営業経常利益 ( 百万円 ) 10,000 1, 資本は近畿鉄道の出資があるため多くの資本を集めることができるしかしそれを売上に活かせていないまた販管費もHISに比べると多いため営業利益経常利益にも影響が出ているさらにH.16 年には夏に台風 10 月には新潟中越沖地震といった天災により旅行者の人数が減り低下した H.17 年には天災も落ち着き加えて万博が開かれたことにより多少は持ち直したものの相変わらず厳しい状況だこうなるとH.18 年を初年とする中間経営企画でどこまで成果を上げられるかが近ツーの今後を左右する総資本売上高 ( 百万円 ) 350, , , , , ,000 50,000 0 HIS 成長性分析営業経常利益 ( 百万円 ) 総資本 60,185 59,164 73,465 74,335 84,053 売上高 201, , , , ,880 営業利益 4,094 2,017 4,438 4,996 5,734 経常利益 4,506 2,420 4,769 5,726 6,238 HISは独立新興系と言う当初から旅行会社として設立したため総資本が少ないただ売上を産み出している H.17 年にはイラク戦争やSARSの影響により海外旅行に特化して 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0

7 いるHISは大きな影響を受けたものの翌年にはSARSが落ち着き改善のため小規模店舗の開設や効率の見直しや価格競争力コンサルティングの強化といった顧客の抱える悩みに応じてサービスを行った H.17 年には販売強化のためシニアや富裕層に目をつけているグラフでも分かるようにこうした対策がうまくいきH.15 年以降は右肩上がりとなっている 3-2 収益性分析 % 6.00% 4.00% 2.00% 総資本経常利益率近畿日本ツーリスト 1.45% 1.43% 1.11% 1.11% 1.08% HIS 7.49% 4.09% 6.49% 7.70% 7.42% これは企業の集めた資本を活動の成果である経常利益にどれだけ活かせているかを見るもので近ツーは HIS の倍以上の総資本があるもののそれを売上に結びつけることができないことが経常利益にも影響している一方 HIS は少ない総資本で高い経常利益を産み出すことができる HIS は資本をうまく売上に結び付けている 2.50% 2.00% 1.50% 1.00% 0.50% 売上高経常利益率近畿日本ツーリスト 1.45% 1.43% 1.11% 1.11% 1.08% HIS 2.23% 1.33% 2.13% 2.27% 2.16%

8 総資本回転率近畿日本ツーリスト HIS 次に企業がどのような経営戦略を行っているかを垣間見るために総資本経常利益率を経常利益率と総資本回転率に分解する結果近ツーは企画力を活かし ECC 販売を行っているため売上高経常利益率の方が高いつまり付加価値肩と言える一方 HIS は上記にも記したが資本を売上にうまく結び付けているグラフを見ても総資本回転率の方が高いことから高効率であるといえる 3-3 安全性分析流動比率近畿日本ツーリスト 84.00% 80.14% 94.81% 93.79% 95.99% HIS % % % % % 流動比率は短期的安全性 (1 年以内の支払能力 ) を表す指標で 100% 以上だと短期的支払能力があるといえる H.I.S はどの年も 100% 以上なので短期的支払能力があり安全性が高いといえる一方近畿日本ツーリストは 100% 以上ではないものの年々近づいているので安全性に問題ないだろう

9 当座比率近畿日本ツーリスト 38.08% 34.18% 45.85% 50.11% 50.68% HIS % % % % 流動比率には 1 流動資産すべてに換金性があるとは限らない 2 入出金のタイミングがわからないという注意点があるのでそれを補う補助比率として当座比率などが使われる当座比率は流動資産の中でも換金性の高い当座資産で流動負債をカバーしているのか見る指標である H.I.S は100% 以上あり仮に明日負債すべてを支払うことになっても十分支払うことができる近畿日本ツーリストは当座比率が低くすぐの支払いに対応できない自己資本比率近畿日本ツーリスト 8.83% 9.96% 12.69% 16.83% 17.45% HIS 58.94% 60.35% 51.63% 54.57% 49.42% 自己資本比率は自己資本が総資本に対してどの程度しめているのかを見る指標であり自己資本には返済の義務がないので自己資本比率が高いほど経営が安定しているといえる H.I.S はだんだんと低くなっているが近畿日本ツーリストと比べると安定しているといえる

10 固定比率近畿日本ツーリスト % % % % % HIS 78.61% 73.61% 66.52% 69.90% 67.89% 固定比率とは長期保有の固定資産が返済義務のない自己資本でまかなわれているかどうかを見ようとするものであり 100% 以下を理想としている HIS は過去 5 年間すべてにおいて 100% 以下になっており安全といえるであろう一方近ツーは平成 14 年 15 年において約 300% という数値になっており平成 16 年に 193% に下がってはいるがまだまだ危険な状態であるなお平成 16 年の固定資産比率の減少は子会社の営業譲渡により固定資産が減少したことによるものである固定長期適合率近畿日本ツーリスト % % % % % HIS 76.33% 71.35% 64.41% 67.59% 65.72% 固定長期適合率とは長期保有の固定資産が長期に利用可能な資本によって賄われているかを示す指標であり全業種平均で 80% 強といわれ 100% を下回らなければ危険であることを示している固定比率同様 HIS は全業種平均の 80% を下回っているため安全であるといえるだろう一方近ツーは 14 年 15 年は 100% 大きく上回っているが 16 年に 120% まで下げ 18 年には 112% まで下げているまだ 100% を超えている状態だが徐々に下げてきていることから今後に期待したい

11 参考文献会社四季報業界地図 2007 年度最新版東洋新聞社 2006 年日経市場占有率 2007 年度版日本経済新聞社 2006 年最新データで読む産業と会社研究シリーズトラベル航空産学社 2006 年最新旅行業界の動向とからくりがよ~くわかる本 ( 株 ) 秀和システム 2006 年 JTBホームページ近畿日本ツーリストホームページ HISホームページ

旅行業界 JTBと近畿日本ツーリストとH.I.S

旅行業界 JTBと近畿日本ツーリストとH.I.S 旅行業界 ~JTB と近畿日本ツーリストと H.I.S~ 福田ゼミナール経済 9 期小林雄瀧下恵理本間恵子渡邉清美プレゼンテーションの流れ 1. はじめになぜ?? 2. 業界概要 3. 企業概要 4. 財務分析 5. 戦略分析旅行業界って何?? どんな企業?? 経営状態は?? 戦略課題は?? 1. はじめになぜ旅行業界を選んだか?? 1. はじめに旅行が好きだから華やかなイメージがある旅行業界の実態知りたかったから